JP2739996B2 - 冷凍野菜の製造方法およびその装置 - Google Patents

冷凍野菜の製造方法およびその装置

Info

Publication number
JP2739996B2
JP2739996B2 JP6055889A JP6055889A JP2739996B2 JP 2739996 B2 JP2739996 B2 JP 2739996B2 JP 6055889 A JP6055889 A JP 6055889A JP 6055889 A JP6055889 A JP 6055889A JP 2739996 B2 JP2739996 B2 JP 2739996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
vegetables
cut
frozen
oiling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6055889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02238861A (ja
Inventor
政美 福井
義弘 是澤
Original Assignee
大阪丸北商事株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 大阪丸北商事株式会社 filed Critical 大阪丸北商事株式会社
Priority to JP6055889A priority Critical patent/JP2739996B2/ja
Publication of JPH02238861A publication Critical patent/JPH02238861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2739996B2 publication Critical patent/JP2739996B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は冷凍野菜の製造方法およびその装置に関する
ものである。
(従来の技術) 近時各種調理物が工業的に生産され、冷凍食品として
大量に供されるようになっている。これに伴いハンバー
グやミートボール、カレーのルー、グラタン、ピラフと
云った各種料理に油で炒めて用いられる野菜も、予め炒
めて冷凍した材料として大量に供することが必要になっ
ている。
これに応えるにも従来から行われている加熱されてい
る加熱釜またはパン上に油を引いて材料野菜を投入し、
混ぜると云った方法や装置しかない。
(発明が解決しようとする課題) ところが玉ネギと云った水分、糖分の多い材料、殊に
小さくカットされたものでは、炒め作業中にドリップが
出やすくそれに糖分が多く含まれている。このためこの
糖分が材料野菜の表面や加熱釜またはパン面に粘り付
く。材料野菜は適度な時期に次へ掻き移すにしてもパン
面には付着糖分が焼け焦げながら累積していき早期に作
業が継続できなくなる。
したがってバッチ式にしか処理できない。また作業が
一回終わる度に念入りな洗浄を行わなければならないの
で作業のインターバルが長くなる。これらのため作業は
煩雑になるし生産性が低く大量生産に向かない。また製
品コスト上昇の原因となる。
そこで本発明は従来の炒め方法や装置に代わって必要
な工程を連続的に無理なく遂行して大量処理でき炒め野
菜と実質的に変わらないものがより品質よくより有利に
得られる冷凍野菜の製造方法およびその装置を提供する
ことを課題とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記のような課題を達成するために、第1の発明は用
途に応じた大きさおよび形にカットされたカット野菜に
高温油を掛け通す工程と、油掛け後のカット野菜に熱風
または蒸気を当てて油切りする工程と、油切り後のカッ
ト野菜を凍結させる工程とを含むことを特徴とするもの
である。
また第2の発明は第1の発明においてカット野菜の搬
送中に各工程が実施されるものである。
第3の発明は第1の発明において野菜を用途に応じた
大きさおよび形にカットし水にさらす工程をさらに含む
ものである。
第4の発明は第3の発明において水にさらしたカット
野菜は水切りした後油掛け工程に供するものである。
第5、第6の発明は第1から第4までの各発明におい
て、カット野菜を油掛け工程前に湯または蒸気にさらす
か、煮炊するものである。
第7の発明は野菜材料を搬送する手段と、搬送される
野菜に高温油を掛ける油掛け手段と、油掛け後の野菜に
熱風または蒸気を吹き付けて油切りを行う油切り手段
と、油切り後の野菜を冷凍する冷凍手段とを備えたこと
を特徴とするものである。
第8の発明は第7の発明において油切り後の野菜にそ
れが冷凍手段に至る前に送風して冷却する冷却手段をさ
らに備えたものである。
第9、第10の発明は第7または第8の発明において、
油掛けする前の野菜に湯または蒸気をさらす手段を備え
るか、油掛けする前の野菜を煮炊する手段を備えたもの
である。
(作 用) 用途に応じた大きさおよび形にカットされたカット野
菜に高温油を掛け通す工程を実施すると、おの高温油は
野菜材料間を素早く通り抜けながら各野菜材料の表面に
触れていくので、各野菜材料の表面を瞬間的に油焼けさ
せることができ、野菜材料内のドリップ分を封じ込める
と共にアクやくさみを抜き、また香り付けをすることが
できる。しかも野菜材料表面の瞬間的な油焼けは油自体
の熱によって油と触れたその瞬間になされ、水分や糖分
等が出るのを抑えることができるし、多少でる糖分等は
高温油の通過によって持ち去り他に付着し堆積するよう
なことを抑制することができる。
油掛け後のカット野菜に熱風や蒸気を当てる工程で
は、カット野菜の表面に付着し残留している油を今1度
昇温させて流動性を高めた上で油切りすることができ、
カット野菜の表面に付着している余分な油を強制的に除
去し、また回収することができる。
第2の発明では第1の発明の各工程がカット野菜の搬
送中になされ、油掛け処理した冷凍野菜を連続的に生産
性よく得ることができる。
第3の発明では第1の発明においてカット野菜を得か
つそれを水にさらす工程をも含めた連続処理を行うこと
ができるし、水にさらすことでカット野菜のアク抜きと
品質保持を計ることができる。
第4の発明では第3の発明において水にさらされたカ
ット野菜を水切りした後油掛け工程に供するので、油掛
けの再に油がカット野菜の表面に直接に接して作用する
のを妨げたり、水が高温油と接してはじけ散ったりカッ
ト野菜を油焼き前に組織や繊維が強度低下して水分や糖
分が出やすい半煮え状態にしてしまうようなことを防止
することができ、油掛け処理を首尾よく達成することが
できる。
第5、第6の発明は第1から第4までの各発明におい
てカット野菜を油掛け工程前に湯または蒸気にさらす処
理をするか、あるいは煮炊するもので、その程度に応じ
て内部のアクを抽出するアク抜きを行っておける。また
大きさや材質によって内部に熱の通りにくい材料に対し
てはそれを予め補っておくこともできる。
第7の発明では、野菜材料の搬送手段により搬送しな
がら、その搬送される野菜材料に対して油掛け手段によ
り油掛けし、また油切り手段による油切りおよびその次
の冷凍手段による冷凍に順次自動的に供することがで
き、油掛けにより表面を油焼きし、かつ余分な油なしに
冷凍した冷凍野菜を自動的な連続処理によって能率よく
大量に得ることができる。
第8の発明では第5の発明において油切り後の野菜が
冷凍手段に至る前に送風手段により送風してその野菜を
冷却するので、油掛け後の野菜が余熱によって内部組織
や繊維を弱められたり、内部の水分が表面の油焼け層に
悪影響するようなことを防止することができる。また野
菜が冷凍に供されたときの冷凍を無理なく迅速に達成さ
せることができる。
第9、第10の発明は第7、第8の発明において、油掛
け前の野菜を湯や蒸気にさらし、あるいは煮炊して野菜
のアク抜きや大きさや材質上内部に熱の通りにくい材料
に対しそれを予め補っておける。
(実施例) 第1図、第2図は本発明の一実施例としての冷凍野菜
の製造装置を示している。この装置は第1図に示す食品
処理装置11と、第2図に示す油処理装置51とからなって
いる。食品処理装置11はその最前段に皮をむき洗浄され
た玉ネギ等の材料野菜を用途に応じた形および大きさ、
例えば3mm各程度のさいの目にカットするカッター装置1
2を持っている。カッター装置12は水と野菜の供給を受
け、その野菜を水の中でカットすることによって野菜か
らの異臭の発散を抑えると共に水によるさらしをし、ま
たカットしたものに流動性を与える。
カッター装置12には送出ポンプ13が接続されている。
この送出ポンプ13はカッター装置12でカットされ流動性
を得たカット野菜1を管路14を通じて水切コンベヤ15に
移送する。水切コンベヤ15は移送されてきたカット野菜
1を水切りしながら次段へ移送し、水切りした水はドレ
ン管16から排出する。
水切コンベヤ15の次段には高温油をカット野菜1に作
用させる油かけ装置17が設けられ、その次には油掛け処
理されたカット野菜1を冷却処理する冷却装置18が設け
られている。両装置17、18は前記各処理のためにカット
野菜1を搬送する金属製のメッシュコンベヤ19、20を別
個にもっている。これらコンベヤ19、20は場合によって
は一本のものにすることができる。冷却装置18の次には
冷凍機43が設けられている。
油かけ装置17はコンベヤ19の前端部上に水切コンベヤ
15から排出されるカット野菜1を受入れるホッパー21を
有している。ホッパー21はレベラー22を持ち、常時一定
のレベルを保つように水切コンベヤ15からカット野菜1
を供給され、コンベヤ19上に定量供給する。コンベヤ19
のホッパー21が設けられている少し後の方に攪拌ロール
23とこの攪拌ロール23が作用する部分のカット野菜1に
高温油24を散布するシャワー管25が設けられている。こ
れらは必要に応じ複数段に設け得る。
攪拌ロール23は回転軸のまわりに攪拌棒を多数放射状
に設けたもので、コンベヤ19よりも速い周速で矢印の方
向に回転させられる。これによってコンベヤ19上を搬送
されるカット野菜1は攪拌ロール23部に至ったとき、そ
の攪拌棒によって攪拌されながら速送りされる。この速
送りのためカット野菜1の堆積状態に攪拌ロール23の攪
拌棒のスィング径に沿った凹み26ができる状態となる。
そこでシャワー管25はその凹み25の部分にあるカット野
菜1に高温油24を散布するように設けられている。この
ため散布される高温油24はコンベヤ19による単位時間当
たりの搬送量によって決定されるカット野菜の通常堆積
高さhには無関係に、それよりは格段に少ない堆積状態
のカット野菜1に作用することになり、攪拌されながら
搬送されかさ低くされるカット野菜1にふり掛かってそ
れを下方に抜けるまでに温度が下がるようなことが抑制
される。
この結果カット野菜1はシャワー管25、25の下を通過
することによってむらなくかつ効率よくしかも素早く高
温油にさらされ、少ない油を少ない回数掛けるだけでカ
ット野菜1の表面だけを高温油自体の熱で所望程度に瞬
間的に油焼けした炒め状態に処理することができる。そ
してこのときカット野菜1から出る水分、糖分等の大半
は高温油が持ち去るし、糖分等の出る量が少ないのでコ
ンベヤ19に付着して早期に堆積するようなことはなく、
熱湯等で容易に除去することができる。このためパン上
で油と野菜類に熱を与えて炒める従来法におけるような
糖分が多く出、またそれがパン上に早期に堆積して焼け
焦げると云った不都合が解消される。
またカット野菜1が油掛け処理されるとき充分に水切
りされていることが望ましい。水切りが充分でなけれ
ば、カット野菜1の表面に残る水が高温油のカット野菜
1表面への直接の働きを阻害するうえ、高温油と接した
水がはじけ散ったりカット野菜1に直接作用して組織や
繊維が強度低下し、水分や糖分が出やすい半煮えの状態
にしてしまったりする。しかし水切りを充分行うことで
これらのことが避けられた。
カット野菜1を通り抜けた高温油24はコンベヤ19をも
通り抜けその裏面に設けられているドレンパン27に落ち
て収容される。このときコンベヤ19が低温であると油の
粘性を高めて油切れを悪くする。このためコンベヤ19の
シャワー管25による油の散布を受ける部分のすぐ手前の
裏側に予熱ヒータ28がそのまわりを囲うボックス28aと
共に設けられ、コンベヤ19を加熱して所定の温度に保つ
ようにしてある。因みに高温油24はサラダ油やパーム
油、ラード等で140℃〜200℃のものが用いられる。玉ネ
ギの場合170℃〜190℃が好適であり、カット野菜1にト
ータル6秒〜20秒程度の範囲で接触することにより所望
の処理を充分に行うことができた。コンベヤ19は100℃
程度に保つとよい。
コンベヤ19はシャワー管25により散布された高温油24
がカット野菜1やコンベヤ19から自然落下し切るに要す
る距離以上の長さに設定され、この距離範囲lの裏側に
ドレンパン27が行き渡るように設けられている。またコ
ンベヤ19のバックアップローラ29も設けられている。コ
ンベヤ19の前記距離範囲lを外れた後端部近くの裏側に
は油切り用の蒸気管30がそのまわりを囲うボックス30a
と共に設けられている。
蒸気管30はコンベヤ19の裏面側から等温変化により得
た120℃程度の高温蒸気を噴き出しコンベヤ19上の油か
け後のカット野菜1に吹き付ける。これによりカット野
菜1に付着している油を昇温により流動性を高めて油切
りを行う。これによって付着油の約3%が除去される。
この強制的な再度の油切りによって余分な油をカット
野菜1から除去することができるし、その分油の回収率
も向上する。
コンベヤ19の後端にはその駆動ローラ31に支持されて
いる部分でスクレーパ32が働かされている。スクレーパ
32はコンベヤ19で搬送されてくる油切り後のカット野菜
1を掻き取って次のコンベヤ20上へ落とす。
カット野菜1を掻き落とされたコンベヤ19はその直後
に洗浄シャワー管33から熱湯を吹き付けられてコンベヤ
19に残っている付着油をドレンパン27上へ洗い落とされ
る。ドレンパン39はこの洗い落とし部の範囲とそのすぐ
後のガイドローラ34までの部分に行き渡るように設けら
れている。
コンベヤ19の下部には洗浄タンク35が設けられてい
る。洗浄タンク35は一定量の熱湯を貯溜しまたは循環供
給され、その熱湯中の前記洗浄後のコンベヤ19が通過す
るようにしてある。この通過のためにコンベヤ19はガイ
ドローラ36、37によって案内されている。洗浄タンク35
の熱湯より上位に位置するガイドローラ37の直ぐ手前の
位置にも洗浄シャワー管33が設けられている。但し洗浄
タンク35はコンベヤ19の前記ドレンパン39からガイドロ
ーラ37部までの間に渡って設けられている。
冷却装置18はコンベヤ20の途中上方に10℃程度の冷風
を下向きに吹き出す冷却ダクト41が設けられている。こ
れによりコンベヤ20に受けられて搬送される油切り後の
カット野菜1は、途中で冷却ダクト41から吹き出される
10℃位の高性能フィルタで除菌された高圧冷却空気にさ
らされて約30℃〜40℃程度に冷却される。これによって
油掛け処理後のカット野菜1が余熱のために内部組織や
繊維を弱められたり、内部の水分が表面の油焼け層1aに
悪影響するようなことを防止することができる。冷却に
よってコンベヤ20から落ちる結露液はコンベヤ20の搬送
部の裏側全域に設けられたドレンパン27によって受けら
れる。
このコンベヤ20にもスクレーパ32、洗浄シャワー管3
3、ドレンパン39、洗浄タンク35がコンベヤ19の場合と
全く同様に設けられている。
コンベヤ20の次段には送出しコンベヤ42が設けられて
いる。このコンベヤ42はコンベヤ20から掻き落とされる
冷却後のカット野菜1を搬送し、冷凍機43に搬入し冷凍
処理に供する。これによって表面が適度に油焼けした後
低温にまで下げられたカット野菜1はバラ状態で無理な
くかつ充分に瞬間冷凍され第3図、第4図に示す冷凍一
次加工食品Aとされる。
ここでコンベヤ20から掻き落とされる冷却後のカット
野菜1を成形型内に入れ、それをコンベヤで冷凍機43に
搬入して冷凍に供すると第5図、第6図に示す板塊状の
冷凍一次加工食品が得られる。
なおコンベヤ19、20の搬送部両側には第2図に示すよ
うにガイド板44が設けられているが、高温油24を掛ける
部分の少し手前より以降は、それ以前にガイド板44によ
って初期規制していた搬送路幅よりも広い間隔に設定さ
れ、初期規制幅で搬送され続けるカット野菜1から充分
離れるようにしてある。このためカット野菜1はその全
体に万遍なく油がけ、油切り、冷却の各処理を受けるこ
とができる。
以上述べた食品処理装置11のドレンパン27および洗浄
タンク35で収集される油は第2図の油処理装置51によっ
て水と分離して回収した後所定温度に戻して再使用され
る。洗浄タンク35ではその上に浮く油を油処理装置51に
回せばよい。その量が少なければ回収せず廃棄するか定
量溜まった上で油処理装置51に送込めばよい。油処理装
置51は油を回収する油回収タンク52を有している。この
油回収タンク52は撥水性の通油フィルタ53により仕切ら
れた複数の室52aを持ち、これら各室52aにドレンパン2
7、39等から管路54を通じて導かれる油を順次通してい
くことにより油から水を除去する。油回収タンク52の分
離上最終となる室52aにレベルスイッチ55が設けられて
おり、油のレベルコントロールやレベルが一定以上にな
る都度送出すと云った制御が行われる。
油回収タンク52の最終室52aには回収した油を送出す
送出管路56が接続されている。送出管路56はポンプ57に
よって最終室52a内に溜まっている回収油を送出し、予
熱タンク57に送込む。この送込みは予熱タンク57に未使
用の油を供給する給油管路58を通じて行われる。給油管
路58は油回収タンク52から予熱タンク57への回収油送込
みを妨げない位置に電磁弁59を有している。
これによって予熱タンク57には油回収タンク52からの
回収油の送込みが優先され、予熱タンク57でのレベルが
一定量に達したときその達しない分だけ給油管路58を通
じた給油が行われる。この給油のために予熱タンク57に
レベルスイッチ60が設けられ、このレベルスイッチ60が
所定のレベルを検出していない間電磁弁59を開くように
してある。
予熱タンク57の後には中間加熱器61、高温加熱器62を
管路63で順次接続し、ポンプ64によって予熱後の油をそ
れら中間加熱器61、高温加熱器62に順次送込んで110℃
程度に予熱されたものをさらに140℃〜150℃および180
℃〜200℃にと順次段階的に昇温させるようにしてあ
る。これによって油は長時間加熱による劣化が抑えられ
て所定温度に達することができる。
最終段の高温加熱器62はサーモスタット65を有し送込
まれる中間温度の油を所定温度に昇温させ、所定温度の
油をシャワー管25に供給する。このため高温加熱タンク
62は特に前段の中間加熱器61からの中間加熱油を下部か
ら受入れて上部からシャワー管25に送出すようにし、下
部から受入れた中間加熱油が上部に至ったときに所定温
度に達するようにする。
なおシャワー管25からの高温油24の散布はできるだけ
大きな孔を通じて圧力変化がない状態で行うのが温度維
持の上で有利である。この意味でスリットからオイルカ
ーテンをなす如く流下させ、あるいはせきからオーバフ
ローさせるのもよい。
ここで玉ネギ1は水分89%、糖質9%、繊維0.7の野
菜であるが、うま味、あるいはアク、くさみを持ってい
る。
この玉ネギ1はその表面を高温油によって油焼き処理
されると、玉ネギ1の独特のくさみ抜きと香り付けとが
なされるし、アク抜きもなされる。一方玉ネギ1は高温
油によって瞬間的に油焼けされて強火炒めに似た状態と
なり、表面層は油が水と置換しやや硬化した油焼け層1a
となる。これによって玉ネギ1が持っているうま味つま
りドリップ分が出にくくなるし潰れにくいものとなる。
第3図、第4図の冷凍一次加工食品Aはそのままか自
然解凍して、また第5図、第6図の冷凍一次加工食品B
は自然解凍するかクラッシュしてハンバーグやミートボ
ールの材料となる肉等と練合された後型成形され、最終
の加工に供される。練合せは所定の温度域で行われる
が、玉ネギ1はその表面の油焼け層1aによって潰れたり
ドリップが出てしまったりするのを抑制することができ
る。
これによって玉ネギ1は最終製品中にほとんど潰れな
いでくさみ抜きおよび香り付けされ、かつドリップが出
ていない状態で残っており、最終製品が食されるときの
味を高めることができる。
前記実施例ではハンバーグやミートボールに用いられ
る玉ネギの場合について述べたが、その他コロッケやカ
レーのルー、グラタン等に用いる玉ネギにつき適用して
同様の効果が得られる。その場合玉ネギは用途に応じて
6.4mm角や1cm角等適宜異なった大きさにカットすること
になる。
また玉ネギ以外の例えば人参やじゃがいもと云った他
の野菜に本発明を適用しても有効であり、物や用途によ
って皮をむかないものやカットしないものも採用するこ
とができる。場合によっては野菜以外の食品、例えばと
うもろこしや米と云ったものに本発明を適用しても有効
である。そして食品によってはカットを行わないのが適
切である場合もある。
さらに強制的な再度の油切りのために前記実施例では
蒸気を吹き付けているが熱風でもよい。また野菜に油を
掛け通すのに、シューターを滑っている野菜に対して行
うと、野菜がシューターから脱して油が取り抜けるよう
配慮された部分に達するまで野菜と油との接触を計るこ
とができ、長い接触時間を得やすい。
また野菜等が持っているアクを抜くには油掛け前の野
菜等を湯や蒸気にさらしたり、煮炊したりするとよい。
またこのような前処理は大きさや材質によって熱の通り
にくい材料に対しそれを予め補っておくのにも役立つ。
湯や蒸気は野菜等に散布および噴射するのが簡単であ
る。
(発明の効果) 第1の発明によれば、用途に応じた大きさおよび形に
カットされたカット野菜に高温油を掛け通す工程を持つ
ので、その高温油が野菜材料間を素早く通り抜けながら
各野菜材料の表面に触れていき、各野菜材料の表面を瞬
間的に油焼けさせ、野菜材料内のドリップ分を封じ込め
ると共にアクやくさみを抜き、また香り付けが達成さ
れ、炒めの場合にはほぼ等しい状態が得られる。しかも
野菜材料表面の瞬間的な油焼けは油自体の熱によって油
と触れたその瞬間になされ、水分や糖分等が出るのを抑
えることができるし、水および多少でる糖分等は高温油
の通過によって持ち去り他に付着し堆積するようなこと
を抑制することができる。
油掛け後のカット野菜に熱風や蒸気を当てる工程で
は、カット野菜の表面に付着し残留している油を今1度
昇温させて流動性を高めた上で油切りすることによりカ
ット野菜の表面に付着している余分な油を強制的に除去
し、また回収することができ、余分な油が製品の品質に
悪影響するのを防止し、また節油を達成することができ
る。
第2の発明では第1の発明の各工程がカット野菜の搬
送中になされ、油掛け処理した冷凍野菜を連続的に生産
性よく得ることができ大量、供給とコストの低減を計る
ことができる。
第3の発明では第1の発明においてカット野菜を得か
つそれを水にさらす工程をも含めた連続処理を行うし、
水にさらすことでカット野菜のアク抜きと品質保持を計
るので、油掛け冷凍野菜の製造上のより合理化と品質の
よりアップとを同時に計ることができる。
第4の発明では第3の発明において水にさらされたカ
ット野菜を水切りした後油掛け工程に供するので、油掛
けの際に油がカット野菜の表面に直接に接して作用する
のを妨げたり、水が高温油と接してはじけ散ったりカッ
ト野菜を油焼き前に組織や繊維が強度低下して水分や糖
分が出やすい半煮え状態にしてしまうようなことを防止
することができ、油掛け処理を首尾よく達成することが
でき、製品の品質がさらに向上する。
第5、第6の発明では第1から第4までの発明におい
て油掛け前のカット野菜を湯や蒸気にさらすか煮炊する
ので予めアク抜きをすることができ、品質の向上に役立
つし、大きさや材質によって熱の通りにくい材料に対し
それを補っておけるので適用範囲が拡大する。
第7の発明では、野菜材料の搬送手段により搬送しな
がら、その搬送される野菜材料に対して油掛け手段によ
り油掛けし、また油切り手段による油切りおよびその次
の冷凍手段による冷凍に順次自動的に供することがで
き、油掛けにより表面を油焼きし、かつ余分な油なしに
冷凍した冷凍野菜を自動的な連続処理によって能率よく
大量に得ることができ、品質のよい油掛け冷凍野菜の大
量供給とコスト低減とを計ることができる。
第8の発明では第5の発明において油切り後の野菜が
冷凍手段に至る前に送風手段により送風してその野菜を
冷却するので、油掛け後の野菜が余熱によって内部組織
や繊維を弱められたり、内部の水分が表面の油焼け層に
悪影響するようなことを防止することができると共に野
菜が冷凍に供されたときの冷凍を無理なく迅速に達成さ
せることができ、さらに品質のよい製品をより生産性よ
く、より安価に製造することができる。
第9、第10の発明は第7、第8の発明において油掛け
前の野菜に湯または蒸気にさらすか、あるいは煮炊する
ので野菜が持っているアク抜きを予め行っておけるし、
大きさや材質によって熱の通りにくい野菜に対しそれを
予め補っておける利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の一実施例を示す食品処理装置
および油処理装置の側面図、第3図、第4図はバラ状の
冷凍一次加工食品を示す斜視図および断面図、第5図、
第6図は板塊状の冷凍一次加工食品を示す斜視図および
断面図である。 1……カット野菜 1a……油焼け層 12……カッター装置 15……水切りコンベヤ 19、20、42……コンベヤ 24……高温油 25……シャワー管 30……蒸気管 41……冷却ダクト 43……冷凍機

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】用途に応じた大きさおよび形にカットされ
    たカット野菜に高温油を掛け通す工程と、油掛け後のカ
    ット野菜に熱風または蒸気を当てて油切りする工程と、
    油切り後のカット野菜を凍結させる工程とを含む冷凍野
    菜の製造方法。
  2. 【請求項2】カット野菜の搬送中に各工程が実施される
    請求項(1)記載の冷凍野菜の製造方法。
  3. 【請求項3】野菜を用途に応じた大きさおよび形にカッ
    トし水にさらす工程をさらに含む請求項(1)記載の冷
    凍野菜の製造方法。
  4. 【請求項4】水にさらしたカット野菜は水切りした後油
    掛け工程に供する請求項(3)記載の冷凍野菜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】カット野菜を油掛け工程前に湯または蒸気
    にさらして処理する工程を含む請求項(1)から(4)
    までの何れかに記載の冷凍野菜の製造方法。
  6. 【請求項6】カット野菜を油掛け工程前に煮炊する工程
    を含む請求項(1)から(4)までの何れかに記載の冷
    凍野菜の製造方法。
  7. 【請求項7】野菜材料を搬送する手段と、搬送される野
    菜に高温油を掛ける油掛け手段と、油掛け後の野菜に熱
    風または蒸気を吹き付けて油切りを行う油切り手段と、
    油切り後の野菜を冷凍する冷凍手段とを備えたことを特
    徴とする冷凍野菜の製造装置。
  8. 【請求項8】油切り後の野菜にそれが冷凍手段に至る前
    に送風して冷却する冷却手段をさらに備えた請求項
    (7)記載の冷凍野菜の製造装置。
  9. 【請求項9】油掛け前の野菜に湯または蒸気をさらす手
    段をさらに備えた請求項(7)または(8)記載の冷凍
    野菜の製造装置。
  10. 【請求項10】油掛け前の野菜を煮炊する手段をさらに
    備えた請求項(7)または(8)記載の冷凍野菜の製造
    装置。
JP6055889A 1989-03-13 1989-03-13 冷凍野菜の製造方法およびその装置 Expired - Fee Related JP2739996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6055889A JP2739996B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 冷凍野菜の製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6055889A JP2739996B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 冷凍野菜の製造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02238861A JPH02238861A (ja) 1990-09-21
JP2739996B2 true JP2739996B2 (ja) 1998-04-15

Family

ID=13145727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6055889A Expired - Fee Related JP2739996B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 冷凍野菜の製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2739996B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4650659B2 (ja) * 2002-05-28 2011-03-16 東洋製罐株式会社 容器詰めエリンギの油脂によるブランチング方法
CN116035199A (zh) * 2023-01-06 2023-05-02 贵州鸿乐源果蔬有限公司 一种即食香菇脆片的生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02238861A (ja) 1990-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2112309A (en) Grill for tortillas and the like
DE69821030T2 (de) Verfahren und vorrichtung zum braten von kartofellchips
AU738066B2 (en) Improved breaded products fryer
CA1330901C (en) Continuous method for making potato chips and potato chips prepared thereby
KR101987765B1 (ko) 김 튀김 제조장치
CN108308627B (zh) 一种山核桃仁脱仁衣的物理方法
CN109007899B (zh) 一种保鲜竹笋自动生产线
US2847334A (en) Method of peeling fruit and vegetables
JP2739996B2 (ja) 冷凍野菜の製造方法およびその装置
US4714618A (en) Process for treating frozen block meat
US3346391A (en) Process of removing and recovering oil from deep-fried products
RU2573759C2 (ru) Способ и устройство для соусирования сушеных орехов посредством диффузии посредством соления, сахаризации или ароматизации
JPS6017496B2 (ja) 食料製品の製造方法及び製造装置
JP2739995B2 (ja) 冷凍一次加工食品
CA2326736C (en) Method and apparatus for preparing food products for further processing
JPH02238860A (ja) 野菜の加工方法
JP7321091B2 (ja) 食品コーティング装置および食品生産方法
JP4188165B2 (ja) 油揚げの製造方法及びその製造装置
KR950014957B1 (ko) 감자칩(potato chip)의 제조방법과 그 장치
JP2010166947A (ja) フライ食品製造装置
EP1726210B1 (en) Apparatus for the production of frozen nests of cooked long pasta
JPH08196436A (ja) 油揚げ食品の脱油方法及びその装置
CZ259193A3 (en) Process of foodstuff heat treatment, particularly vegetables, and apparatus for making the same
JPH01223912A (ja) 連続炊飯小分け装置
JP2879020B2 (ja) 食品調理機のネットコンベヤ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees