JP2738829B2 - 高圧用可変抵抗器 - Google Patents

高圧用可変抵抗器

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JP2738829B2 JP8150601A JP15060196A JP2738829B2 JP 2738829 B2 JP2738829 B2 JP 2738829B2 JP 8150601 A JP8150601 A JP 8150601A JP 15060196 A JP15060196 A JP 15060196A JP 2738829 B2 JP2738829 B2 JP 2738829B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、フライバックトラ
ンスと組み合わされて用いられる高圧用可変抵抗器に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】テレビのフライバックトランスと組み合
わされる高圧用可変抵抗器は、表面にフォーカス用抵抗
体とスクリーン用抵抗体とを含む抵抗体回路パターンを
備えた回路基板が一端開口状の絶縁ケースの内部に収納
され、絶縁ケースの開口部に絶縁樹脂が充填されて回路
基板の裏面側に絶縁樹脂層が形成された構造を有してい
る。高圧用可変抵抗器の回路基板の裏面側には、フライ
バックトランスとの接続のための接続端子とアースのた
めの接続端子が設けられている。高圧用可変抵抗器をフ
ライバックトランスと組み合わせる場合には、まずフラ
イバックトランスのケースに設けた取付窓に高圧用可変
抵抗器を嵌め込む。そしてフライバックトランスと高圧
用可変抵抗器との間の電気的接続を行った後に、フライ
バックトランスのケースにモールド樹脂が充填されてフ
ライバックトランスと高圧用可変抵抗器とが一体化され
る。 【0003】高圧用可変抵抗器からのフォーカス出力と
スクリーン出力の取り出しは、一般的にはリード線が用
いられている。回路構成と電極間の放電発生防止の理由
から、フォーカス出力電極とスクリーン出力電極は離れ
た位置に形成され、アース電極はスクリーン出力電極に
近い位置に形成される。そのため一般的には、スクリー
ン出力用のリード線はアース用の端子電極と同じ側に導
出され、フォーカス出力用のリード線はスクリーン出力
用のリード線とは反対側から導出される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の高
圧用可変抵抗器では、予めリード線を回路基板に接続し
た後に、絶縁ケースの開口部に絶縁樹脂を充填してこれ
を硬化させていた。そのため樹脂を充填する際及び充填
した樹脂を硬化させるために恒温槽に組立品を挿入する
際にもリード線が邪魔になり、量産化の障害になってい
た。またフライバックトランスと組み合わせる場合で
も、リード線は邪魔になる上、フライバックトランスの
モールド樹脂を恒温槽内で硬化させる際にリード線があ
ると恒温槽のスペースを有効に利用できない問題も生じ
る。また先にリード線を予め半田付けにより接続してい
るため、機種の相違に応じてリード線の長さが異なった
高圧用可変抵抗器を個別に作る必要があり、汎用性に乏
しいという問題があった。 【0005】更にリード線を用いて出力を出す場合に
は、リード線を通すための貫通孔を絶縁ケースに開ける
ことになるため、外部に対して放電が発生しやすくなる
問題がある。 【0006】本発明の目的は、組立の最後にリード線を
接続でき且つ出力にリード線を用いても放電が発生し難
い高圧用可変抵抗器を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の高圧用可変抵抗
器は、図1ないし図7に示す実施例に見られるように、
表面にフォーカス用抵抗体とスクリーン用抵抗体とを含
む抵抗体回路パターンを備えた回路基板5が一端開口状
の絶縁ケース1の内部に収納されている。絶縁ケース1
と回路基板5の表面との間に摺動子が収納され、絶縁ケ
ース1の開口部に絶縁樹脂が充填されて回路基板5の裏
面側に絶縁樹脂層6が形成されている。そして絶縁ケー
ス1の側壁部にはフォーカス出力用のリード線とスクリ
ーン出力用のリード線がそれぞれ挿入される2つのリー
ド線挿入孔3cが形成されており、回路基板の裏面側か
ら延びる金属製の接続端子9が絶縁ケース1の1つの側
壁部1kを越えて延びている。 【0008】絶縁ケース1と回路基板5との間には、回
路基板上の抵抗体回路パターンのフォーカス出力電極と
スクリーン出力電極とにそれぞれ電気的に接続された2
つのリード線挟持手段4が配置されている。これら2つ
のリード線挟持手段4は、絶縁ケースの側壁部に設けた
リード線挿入孔(3b,3c)から挿入されたリード線
の芯線の端部12を挟持する複数の挟持片(41,4
2)を有している。複数の挟持片の少なくとも1つの挟
持片は挟持した芯線に引抜力が付与された際に芯線に食
込むエッジ部41cを有している。フォーカス出力用の
リード線が挿入されるリード線挿入孔(3b,3c)
は、絶縁ケース1の側壁部のうち接続端子9が越えて延
びる側壁部1kと対向する側壁部1cに設けられ、スク
リーン出力用のリード線が挿入されるリード線挿入孔は
側壁部1cと隣接する側壁部1iに設けられている。 【0009】本発明の高圧用可変抵抗器においては、フ
ォーカス出力用のリード線とスクリーン出力用のリード
線をリード線挿入孔に挿入すると、リード線挟持片4
1,42がリード線の芯線12を挟持し、リード線に引
抜力が付与されるとエッジ部41cがリード線の芯線に
食込んで、リード線の抜止めが図られる。したがって、
本発明によれば、組立ての最終工程でリード線を接続で
きるので、高圧用可変抵抗器の組立ては勿論のこと、高
圧用可変抵抗器とフライバックトランスとの組み合わせ
作業が容易になる。また使用機種に応じて、適宜の長さ
のリード線を装着できるので、高圧用可変抵抗器の汎用
性を高めることができる。 【0010】更に本発明では、フォーカス出力用のリー
ド線が挿入されるリード線挿入孔と、スクリーン出力用
のリード線が挿入されるリード線挿入孔とを絶縁ケース
の異なった側壁部に設け、しかもスクリーン出力用のリ
ード線が挿入されるリード線挿入孔を接続端子が越えて
延びる側壁部とは異なる側壁部に設けるため、各端子間
の絶縁距離を延ばすことができ、リード線挿入孔を絶縁
ケースの側壁部に開けても、外部放電が発生するのを有
効に防止できる利点がある。 【0011】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
例を詳細に説明する。 【0012】図1は、テレビのフライバックトランスの
一部に用いられるフォーカス出力及びスクリーン出力を
有する高圧用可変抵抗器に本発明を適用した実施例を示
す部分断面図である。また図2は、図1の抵抗器の側面
図を示している。これらの図において、1は絶縁性樹脂
材料により成形された一端開口状の絶縁ケースであり、
絶縁ケース1の前面壁部1aには2つの可変抵抗器の摺
動子を操作する操作軸2a及び2bがそれぞれ貫通する
管状の突出部1b1 及び1b2 が突設されている。なお
本実施例の可変抵抗器の構成自体は周知であるため図示
及び説明を省略する。絶縁ケース1の長手方向の一方の
側壁部1cには絶縁ケース1と一体にリード線を保持す
るリード線保持筒3が突設されている。なおこのリード
線保持筒3には、フォーカス出力を外部に引き出すため
のリード線が挿入される。絶縁ケース1の開口部1dの
周囲にはフランジ部1eが設けてある。 【0013】絶縁ケース1の内部は、仕切り壁1fによ
って図示しない摺動子が収納される部品収納室1gと後
述するリード線挟持手段4が収納される挟持片収納室1
hとに仕切られている。この仕切り壁1fは、挟持片収
納室1hに侵入する外気が、部品収納室1gに侵入する
のを防止するとともに絶縁性を高めるために設けられて
いる。 【0014】図2に示されるように、ケース1の側壁部
1iには、リード線保持筒3と同様の第2のリード線保
持筒3´が設けられており、この第2のリード線保持筒
3´にはスクリーン出力を外部に引き出すリード線が挿
入され、リード線保持筒3´に対応するケース1内にも
挟持片収納室1hが設けられている。尚図示していない
が、リード線保持筒3´に対応して設けられた挟持片収
納室1hにもリード線挟持手段4が収納されている。 【0015】リード線保持筒3は、特に本実施例のよう
に高電圧を外部に出力する場合に、絶縁性を高めるため
に設けられているものであり、出力電圧が低い場合には
特に設ける必要は無い。リード線保持筒3の内部には貫
通孔が形成され、この貫通孔は挿入されるリード線の被
覆コードの外径寸法に略等しい直径寸法を有し一端がリ
ード線保持筒3の端面側に開口する大径部3aと、該大
径部3aの他端に連続して延びリード線挿入方向(図示
の矢印方向)に向かって次第に径が小さくなるテーパ部
3bと、該テーパ部3bに連続して延び一端がケース1
内の挟持片収納室1hに開口する小径部3cとから構成
されている。小径部3cの直径寸法は挿入される図示し
ないリード線の芯線の端部の外径寸法よりも若干大きく
なるように定められている。 【0016】なお本実施例では、テーパ部3bと小径部
3cとにより、絶縁ケース1の側壁部に設けられるリー
ド線挿入孔が構成されている。このようにある程度長い
リード線保持筒3を設けると、リード線が挿入される間
にリード線はほぼ直線状になるためリード線の芯線の端
部はリード線の挿入方向に延びる形状に整形される。ま
たリード線挿入孔の一部を構成するテーパ部3bは、リ
ード線の芯線の端部を中心位置に導くのに有効に作用す
る。なおリード線保持筒3を設けない場合でも、テーパ
部3bを設けておけば、リード線の心線の端部をケース
内にスムーズに挿入することができる。 【0017】5は図示しない表面にフォーカス用抵抗体
とスクリーン用抵抗体とを含む抵抗体回路パターンを備
えた絶縁性回路基板である。回路基板5は絶縁ケース1
の内周壁に設けた段部1jと仕切り壁1fの一方の端面
1f1 とに当接するように配置されている。回路基板5
の固定は一般に熱硬化性の接着剤を用いて行う。特に回
路基板5の取り付けに接着剤を用いるのは、本実施例の
ように高電圧を扱う電子部品において、部品収納室1g
の絶縁性を高めるとともに部品収納室1g内部に湿気が
侵入するのを防止するためである。 【0018】回路基板5の裏面5aとケース1の内周壁
とによって形成された空間には、熱硬化性樹脂が充填さ
れて絶縁性樹脂層6が形成されている。絶縁性樹脂層6
は、主として絶縁性強化のために設けられている。 【0019】ケース1の開口部側から突出する符号7で
示した部材は、基板5の裏面5a側に設けた図示しない
電極に接続された接続用端子部である。この接続用端子
部7は、軸線方向に延びる切欠き部7aを有する断面が
C字状を呈する筒部7bと筒部7b内に嵌入された円柱
状の導電性ゴムからなる端子差込部7cとから構成され
る。端子差込部7cには、基板5の裏面5a側から突出
する接続端子8が挿入されている。この接続用端子部7
にフライバックトランス側から延びるリード線等の接続
線を接続する場合には、筒部7bの軸線方向端面側また
は切欠き部7a側からリード線の芯線の端部を端子差込
部7cに差込めばよい。この様な構成の接続用端子部7
を用いれば、リード線を簡単に接続することができる。
なおリード線の芯線の挿入を容易にするためには、リー
ド線の芯線の先端を尖らせておくのが好ましい。 【0020】ケース1の長手方向の他方の端面1k側に
突出する棒状の部材は、導電性金属材料からなるアース
用の接続端子9である。また10は、リード線保持筒3
のケース1の側壁部1c寄りの外周部に設けられたリー
ド線保持片である。リード線保持片10は、スクリーン
出力を外部に引き出すためにリード線保持筒3´から導
出されるリード線を保持するものである。リード線保持
片10には、リード線が嵌入される嵌入溝10aが設け
られている。 【0021】挟持片収納室1h内に収納されるリード線
挟持手段の具体的な構成は、図3乃至図6に示す通りで
ある。本実施例で用いる一対の挟持片は、剛性を有する
材料、例えばリン青銅を主材料とする導電性金属板を打
抜き成形及びプレス成形して一体に成形されている。 【0022】図3は一体に形成された一対の挟持片を有
するリード線挟持手段4の正面図を示しており、図4は
図3のIV−IV線断面図、図5は平面図を示している。リ
ード線挟持手段4は、回路基板5に設けられた取付け用
貫通孔5b(図1)に挿入される挿入部4aを有してい
る。図3に示されるように、挿入部4aは凸形状を呈し
ており、基部4a1 が基板5に設けた取付け用貫通孔5
bに挿入された状態で折曲部4a2 が回路基板5の裏面
5a側に折曲げられてリード線挟持手段4の抜止めが図
られている(図1参照)。 【0023】図4に符号4bで示した部分は、挿入部4
aと連続して延び基板5の表面と接触する面4b1 を有
する平坦部であり、図2に示されるように平坦部4bの
非接触面4b2 と回路基板5の表面に設けた図示しない
電気回路との間に半田付部11が形成されている。平坦
部4bには、回路基板5の面に対して略垂直方向に延び
る起立部4cが連続して設けられている。起立部4c
は、基板5の表面側に位置する第1の部分4c1 と該1
の部分4c1 の両側から起立する1対の矩形状の板部材
からなる第2の部分4c2 とから構成される。 【0024】起立部4cの第1の部分4c1 の中央部に
は、金属板を切り起こして形成した第1の挟持片41の
一端が固定されている。また起立部4cの第2の部分4
c2の第1の部分4c1 と反対側の端部には、図5に示
すように後述する第2の挟持片42を支持する支持部4
dが起立部4cに対して略直角な方向に延びるようにし
て設けられている。これら第1の挟持片41と第2の挟
持片42とにより、リード線の芯線の端部が挟持されて
リード線が保持される。 【0025】図4に示すように、第1の挟持片41は、
一点鎖線で示したリード線の芯線の端部12により押さ
れて挿入方向(図4の矢印の方向)に傾斜するように構
成されている。なお図4は、リード線の芯線の端部12
が奥まで挿入された状態の断面図であり、リード線が奥
に挿入される前の第1の挟持片41の状態は同図に二点
鎖線で示す通りである。第1の挟持片41は、起立部4
cの第1の部分4c1に一端が固定された平板部41a
と該平板部41aの他端からリード線の挿入方向に折れ
曲がって延びる接触部41bとを備えている。また第1
の挟持片41の他端すなわち接触部41bの先端部に
は、リード線が挿入方向に挿入されているときにはリー
ド線の芯線の端部12の外周の一部と接触し、リード線
が挿入方向と反対方向に引かれるとリード線の外周の一
部に食込むエッジ部41cが設けられている。図6に示
した第1の挟持片41の平面図及び図3の正面図に示さ
れる通り、第1の挟持片41の接触部41bには、例え
ば角部を有する治具を用いて挿入方向にプレスして外側
に延びる2つの傾斜面41c1 を形成することによりエ
ッジ部41cが形成される。 【0026】第2の挟持片42は、略半円筒状の形状を
呈しており、リード線が挿入される側の端部には、リー
ド線の芯線の端部12をスムーズに受け入れるためのテ
ーパ部42aが形成されている。第2の挟持片42は、
第1の挟持片41と協働してリード線の芯線の端部12
を挟持するとともにリード線の芯線の端部12との電気
的接続を良好に行えるように構成されている。特に本実
施例では、第2の挟持片42を略半円筒形状に形成する
ことにより、内周面42bがリード線の芯線の外周面に
できる限り添うようにして接触面積を大きくしているの
で、良好な電気的接触を得ることができる。 【0027】尚リード線の芯線の端部12の挿入をスム
ーズに行わせるためには、第2の挟持片42の内周面4
2bをケース1の壁部に設けられたリード線挿入孔の一
部を構成する小径部3c(図1)の内周面の延長線上に
位置決めするか、または延長線よりも上側に位置するよ
うに配置するのが好ましい。これは第2の挟持片42の
内周面42bが、貫通孔の小径部3cの内周面の延長線
よりもかなり下に位置するように第2の挟持片42を配
置すると、リード線の芯線の端部12の端縁12aが第
2の挟持片42のテーパ部42aよりも上の端面に当接
するようになるため、リード線をスムーズに挿入できな
くなることがあるからである。 【0028】第2の挟持片42のリード線の挿入方向の
長さ寸法Lは、第1の挟持片41との間でリード線を挟
持できるような寸法であればよい。尚確実にリード線の
芯線の端部12を挟持するためには、第1の挟持片41
が最大限傾斜した位置(図4の位置)における第1の挟
持片41の先端部よりも先の位置まで、第2の挟持片4
2が存在するように寸法Lを定めるのが好ましい。 【0029】尚本実施例においては、挿入部4a,平板
部4b及び起立部4c等から第2の挟持片を基板5に対
して固定する固定手段が構成されている。 【0030】以下図4及び図7を参照してリード線の装
着について説明する。まずリード線の芯線の端部12の
挿入初期においては、まず芯線の端部12の端縁12a
は2つの傾斜面41c1 と接触する。芯線の端部12の
端縁12aが傾斜面41c1に接触している間は、第1
の挟持片41はリード線の芯線の端部12により押され
て、固定された一端を中心にして挿入方向に傾斜角度を
増しながら傾斜する。リード線の芯線の端部12を更に
挿入方向に挿入すると、図7に示すように芯線の端部1
2の外周の一部が傾斜面41c1 と接触部41bの端面
41b1 との境界に形成されたエッジ41c2 と接触す
るようになる。このような状態になると、第1の挟持片
41の傾斜角度の増加は停止する。この状態において
は、第1の挟持片41の元の方向に戻ろうとするスプリ
ング力によって芯線の端部12は第2の挟持片42の内
周面42bに対して強く押圧されている。 【0031】リード線の挿入が停止された後に、リード
線になんらかの原因で挿入方向と反対方向の力即ち引抜
力が加わると、第1の挟持片41には元に戻ろうとする
スプリング力が働いている上、第1の挟持片41が所定
の力(例えば約5Kg)以上の力が加わらない限り変形
しない強度を有しているため、第1の挟持片41の先端
部に設けられたエッジ部41cのエッジ41c2 がリー
ド線の芯線の端部12の外周の一部に食込んでリード線
の抜止めが図られる。 【0032】上記実施例では、リード線の芯線の端部1
2が挿入される前の第1の挟持片41の傾斜角度は約1
0°程度に設定されている。第1の挟持片41の傾斜角
度は、リード線を挿入した際にリード線の芯線の端部が
第1の挟持片41と第2の挟持片42との間にスムーズ
に入り且つ芯線の端部12の外周と接触しながら挿入方
向に傾斜し得る角度であればいかなる角度であってもよ
い。 【0033】上記実施例では、ケース1にリード線挟持
手段4がまったく接触しない構成を採用しているため、
高電圧を出力する場合でも、ケース1を通して電流が洩
れるといった不都合を防止することができる。また挟持
手段4を、導電性金属板により一体に形成しているた
め、取付けが容易である上、機械的強度が強いという利
点がある。更にリード線保持筒3及び仕切り壁1fを設
けたので、高電圧を出力する場合でも十分な絶縁性を得
ることができる。 【0034】回路構成上、スクリーン出力電極とアース
電極とは近い位置に配置されるため、スクリーン出力用
のリード線を挿入するリード線挿入孔またはリード線保
持筒3´を、接続端子9が越えて延びる絶縁ケース1の
側壁部1kに設けることも可能であるが、この場合には
リード線保持筒3´をかなり長くしなければならない。
そこで本実施例ではリード線保持筒3´を絶縁ケース1
の側壁部1iに設けることにより、スクリーン出力用の
電極と接続端子9との間の絶縁距離を延ばしている。 【0035】[実施例の変形例]上記実施例では、一対
の挟持片を一体に成形しているが、第1の挟持片41を
第2の挟持片42と別個に形成し、それぞれ個別に固定
するようにしてもよい。第1の挟持片41を別個に形成
する場合には、第1の挟持片41を絶縁性材料で形成し
てもよいのは勿論である。第1の挟持片41を別個に形
成して固定する場合において、出力電圧が低電圧のとき
には挟持片の固定側端部をケース1の内面に固定しても
よいのは勿論である。 【0036】また上記実施例では、第2の挟持片42が
ケース1側に位置し、第1の挟持片41が基板5側に位
置するように、リード線挟持手段4を構成しているが、
第2の挟持片42と第1の挟持片41の位置関係は逆で
あってもよく、また第2の挟持片42と第1の挟持片4
1とを横方向に対向するように配置してもよいのは勿論
である。 【0037】上記実施例では、第1の挟持片41の形状
を略矩形状としてエッジ部41cのエッジ41c2 の形
状を二等辺三角形の二等辺形状とし、接触面41c1 を
二つの面を有する形状としたが、第1の挟持片41の先
端部(他端)に設けるエッジ部41cの形状は、リード
線の芯線の端部の外周とスムーズに接触しリード線が挿
入方向と反対方向に引かれたときにリード線の芯線の外
周に食込むものであればいかなる形状であってもよい。
例えば、エッジ41c2 の形状を第2の挟持片42の内
周面の形状と同様に略半円形の形状にしてもよく、また
多面形状にしてもよい。 【0038】また第2の挟持片42の形状は、十分な接
触面積を得ることができるものであれば、いかなる形状
であってもよい。例えば、断面形状をV字形または更に
多面形状を呈するように構成してもよいのは勿論であ
る。更に、図8に示すように第2の挟持片42の挿入方
向後ろ側端部を基板5側に傾斜させれば、更に強くリー
ド線の芯線の端部を挟持することができる。 【0039】図1に示されるように、上記実施例は高電
圧を出力するものであるため、リード線挟持手段4をケ
ースの内壁から離れた位置に固定しているが、比較的低
い電圧を出力する場合には、リード線挟持手段4をケー
ス1の内壁に近接して配置することができる。このよう
にすれば、リード線に強い引抜力が作用した場合でも、
挟持手段をケース1の内壁面と当接させることができ、
挟持手段が傾くのを防止できる。 【0040】[他の実施例]上記実施例では、挟持片の
うち一方の挟持片のみを傾斜可能に構成して、傾斜する
挟持片にエッジ部を設けたが、図9に示すように第1及
び第2の挟持片41及び42の両方を、挿入されるリー
ド線の端部によって押されて傾斜するように構成し、各
挟持片の先端部にエッジ部を設けてもよい。このように
全ての挟持片を傾斜可能にして、各挟持片の先端にエッ
ジ部を設ければ、更に強固にリード線の抜止めを図るこ
とができる。 【0041】上記実施例では、2つの挟持片を用いてい
るが、挟持片の数は2つに限定されるものでは無く、図
10に示すように3つまたはそれ以上の挟持片41´,
42´及び43´をリード線の芯線の周囲に等間隔に配
置して、リード線の芯線の端部を挟持するようにしても
よいのは勿論である。 【0042】尚複数の挟持片のうち、何れの挟持片を回
路基板5の電極と電気的に接続するかは任意である。ま
たリード線から出力される電圧または電流の大きさに応
じて、挟持片の全てまたは一部をケースに固定してもよ
いのは勿論である。 【0043】 【発明の効果】本発明の高圧用可変抵抗器によれば、フ
ォーカス出力用のリード線とスクリーン出力用のリード
線を組立ての最終工程で接続できるので、高圧用可変抵
抗器の組立ては勿論のこと、高圧用可変抵抗器とフライ
バックトランスとの組み合わせ作業が容易になる。また
機種に応じて、適宜の長さのリード線を装着できるの
で、高圧用可変抵抗器の汎用性を高めることができる。 【0044】更に本発明によれば、フォーカス出力用の
リード線が挿入されるリード線挿入孔と、スクリーン出
力用のリード線が挿入されるリード線挿入孔とを絶縁ケ
ースの異なった側壁部に設け、しかもスクリーン出力用
のリード線が挿入されるリード線挿入孔を接続端子が越
えて延びる側壁部とは異なる側壁部に設けるため、各端
子間の絶縁距離を延ばすことができ、リード線挿入孔を
絶縁ケースの側壁部に開けても、外部放電が発生するの
を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の高圧用可変抵抗器の一実施例の部分断
面図である。 【図2】図1の可変抵抗器の側面図である。 【図3】図1の実施例で用いるリード線挟持手段の正面
図である。 【図4】図3のIV−IV線断面図である。 【図5】図3のリード線挟持手段の平面図である。 【図6】第1の挟持片の平面図である。 【図7】リード線の芯線の端部と第1の挟持片のエッジ
部との関係を示す説明図 【図8】第2の挟持片の変形例を示す断面図である。 【図9】本発明で用いるリード線挟持手段の他の実施例
を示す断面図である。 【図10】本発明で用いるリード線挟持手段の更に他の
実施例を示す説明図である。 【符号の説明】 1 絶縁ケース 3,3´ リード線保持筒 3b 縮径部 3c 小径部 4 リード線挟持手段 5 回路基板 12 リード線の芯線の端部 41 第1の挟持片 41c エッジ部 42 第2の挟持片

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.表面にフォーカス用抵抗体とスクリーン用抵抗体と
    を含む抵抗体回路パターンを備えた回路基板(5)が一
    端開口状の絶縁ケース(1)の内部に収納され、 前記絶縁ケース(1)と前記回路基板(5)の前記表面
    との間に摺動子が収納され、 前記絶縁ケース(1)の開口部に絶縁樹脂が充填されて
    前記回路基板(5)の裏面側に絶縁樹脂層(6)が形成
    され、 前記絶縁ケース(1)の側壁部にはフォーカス出力用の
    リード線とスクリーン出力用のリード線がそれぞれ挿入
    される二つのリード線挿入孔(3c)が形成されてお
    り、 前記回路基板の裏面側から延びる金属製の接続端子
    (9)が前記絶縁ケース(1)の1つの側壁部(1k)
    を越えて延びている高圧用可変抵抗器であって、 前記絶縁ケース(1)と前記回路基板(5)との間に
    は、前記回路基板上の前記抵抗体回路パターンのフォー
    カス出力電極とスクリーン出力電極とにそれぞれ電気的
    に接続された2つのリード線挟持手段(4)が配置され
    ており、 前記2つのリード線挟持手段(4)は、前記絶縁ケース
    の前記側壁部に設けた前記リード線挿入孔(3b,3
    c)から挿入された前記リード線の芯線の端部(12)
    を挟持する複数の挟持片(41,42)を有しており、
    前記複数の挟持片の少なくとも1つの挟持片は挟持した
    前記芯線に引抜力が付与された際に前記芯線に食込むエ
    ッジ部(41c)を有しており、 前記フォーカス出力用のリード線が挿入されるリード線
    挿入孔(3b,3c)は、前記絶縁ケースの側壁部のう
    ち前記接続端子(9)が越えて延びる前記側壁部(1
    k)と対向する側壁部(1c)に設けられ、前記スクリ
    ーン出力用のリード線が挿入されるリード線挿入孔は前
    記側壁部(1c)と隣接する側壁部(1i)に設けられ
    ていることを特徴とする高圧用可変抵抗器。
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