JP2737275B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents
粉体塗料用樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物に
関する。さらに詳細には、スルホキシル基を含有する特
定のエポキシ樹脂を用いる、とりわけ、低温硬化性にす
ぐれ、しかも、外観にすぐれる塗膜を与えるエポキシ−
ポリエステル系粉体塗料用樹脂組成物に関する。
関する。さらに詳細には、スルホキシル基を含有する特
定のエポキシ樹脂を用いる、とりわけ、低温硬化性にす
ぐれ、しかも、外観にすぐれる塗膜を与えるエポキシ−
ポリエステル系粉体塗料用樹脂組成物に関する。
近年、この種の粉体塗料は省資源にして無公害型の塗
料として、建材、家電、農業機械あるいは自動車関連な
どの諸産業の分野で、着実に、需要の伸びを示している
ものである。
料として、建材、家電、農業機械あるいは自動車関連な
どの諸産業の分野で、着実に、需要の伸びを示している
ものである。
こうした粉体塗料用の素材としては、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂などが多量に用い
られている。
エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂などが多量に用い
られている。
そのうちでも、主として、末端がカルボキシル基であ
る飽和ポリエステル樹脂と、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂(エピ・ビス型エポキシ
樹脂ともいう。)とから成るポリエステル樹脂組成物
は、その硬化反応にさいして、揮発性成分の存在が、殆
んど、無いという特殊性を有するものである処から、膜
厚20〜200ミクロン程度の広い範囲に亘って、「わき
(沸き)」のない、平滑にして美麗なる塗膜を形成する
ことができるものであるし、加えて、物理的で、かつ、
化学的にすぐれた塗膜を形成することができるものであ
るために、粉体塗料用の素材として最も好ましいものの
一つであると言えよう。
る飽和ポリエステル樹脂と、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂(エピ・ビス型エポキシ
樹脂ともいう。)とから成るポリエステル樹脂組成物
は、その硬化反応にさいして、揮発性成分の存在が、殆
んど、無いという特殊性を有するものである処から、膜
厚20〜200ミクロン程度の広い範囲に亘って、「わき
(沸き)」のない、平滑にして美麗なる塗膜を形成する
ことができるものであるし、加えて、物理的で、かつ、
化学的にすぐれた塗膜を形成することができるものであ
るために、粉体塗料用の素材として最も好ましいものの
一つであると言えよう。
とろこが、その反面において、致命的な唯一の欠陥と
でも言うべき点として、こうした末端カルボキシル基含
有飽和ポリエステル樹脂とエピ・ビス型エポキシ樹脂と
を主体とするポリエステル樹脂組成物なるものは、硬化
反応を通して、粉体塗料として好ましい性能を確保する
には、どうしても、180℃以上という高温での焼付が必
要であるということが挙げられるが、そのために、一般
には、第3級アミン類やイミダゾール類などの、いわゆ
る硬化促進剤を用いての低温硬化が採られている。
でも言うべき点として、こうした末端カルボキシル基含
有飽和ポリエステル樹脂とエピ・ビス型エポキシ樹脂と
を主体とするポリエステル樹脂組成物なるものは、硬化
反応を通して、粉体塗料として好ましい性能を確保する
には、どうしても、180℃以上という高温での焼付が必
要であるということが挙げられるが、そのために、一般
には、第3級アミン類やイミダゾール類などの、いわゆ
る硬化促進剤を用いての低温硬化が採られている。
ところで、かかる低温硬化のためにとは言え、上掲の
如き硬化促進剤を多量に用いると、塗膜の外観の低下な
らびに耐食性および耐水性などの著しい低下を招来する
ことも、よく知られており、したがって、低温硬化性に
もすぐれ、加えて、外観、諸物性ならびに耐食性などに
もすぐれた、極めて有用なる粉体塗料の出現が、切に望
まれているというのが現状である。
如き硬化促進剤を多量に用いると、塗膜の外観の低下な
らびに耐食性および耐水性などの著しい低下を招来する
ことも、よく知られており、したがって、低温硬化性に
もすぐれ、加えて、外観、諸物性ならびに耐食性などに
もすぐれた、極めて有用なる粉体塗料の出現が、切に望
まれているというのが現状である。
そこで、本発明者らは、こうした現状の認識と、従来
技術における種々の未解決課題の抜本的な解決との上に
立って、この種のエポキシ−ポリエステル系粉体塗料
の、真の意味での実用化を図るべく、鋭意研究に着手し
た。
技術における種々の未解決課題の抜本的な解決との上に
立って、この種のエポキシ−ポリエステル系粉体塗料
の、真の意味での実用化を図るべく、鋭意研究に着手し
た。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一に
かかって、すぐれた低温硬化性と、すぐれた外観、耐食
性ならびに耐水性などを有する、極めて有用なる粉体塗
料用樹脂組成物を提供することである。
かかって、すぐれた低温硬化性と、すぐれた外観、耐食
性ならびに耐水性などを有する、極めて有用なる粉体塗
料用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上述した如き解決すべき課題の解決に
照準を合わせて鋭意検討を重ねた結果、一分子中に少な
くとも1個のスルホキシル基を有する特定のエポキシ樹
脂を、特定のポリエステル樹脂と組み合わせることによ
り、低温硬化性にも、外観、耐食性ならびに耐水性など
にも、すぐれたエポキシ−ポリエステル系粉体塗料用樹
脂組成物を見い出すに及んで、本発明を完成させるに到
った。
照準を合わせて鋭意検討を重ねた結果、一分子中に少な
くとも1個のスルホキシル基を有する特定のエポキシ樹
脂を、特定のポリエステル樹脂と組み合わせることによ
り、低温硬化性にも、外観、耐食性ならびに耐水性など
にも、すぐれたエポキシ−ポリエステル系粉体塗料用樹
脂組成物を見い出すに及んで、本発明を完成させるに到
った。
すなわち、本発明は必須の成分として、一分子中に少
なくとも1個のスルホキシル基を有するエポキシ樹脂
(A)と、末端カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)とを含んで成る粉体塗料用樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
なくとも1個のスルホキシル基を有するエポキシ樹脂
(A)と、末端カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)とを含んで成る粉体塗料用樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
ここにおいて、まず、上記したカルボキシル基含有ポ
リエステル樹脂(B)とは、常温で固形なる、末端にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂を指称するもの
であるが、当該固形ポリエステル樹脂の原料としては、
得られる縮合生成物の好ましい特性値、すなわち、酸価
が20〜150なる範囲内で、かつ、環球法による軟化点が6
0〜150℃なる範囲内に入るような樹脂を与えるものであ
れば、どのようなカルボン酸類(カルボン酸の無水物お
よび各種誘導体をも含む。)および多価アルコール類で
も採用できる。
リエステル樹脂(B)とは、常温で固形なる、末端にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂を指称するもの
であるが、当該固形ポリエステル樹脂の原料としては、
得られる縮合生成物の好ましい特性値、すなわち、酸価
が20〜150なる範囲内で、かつ、環球法による軟化点が6
0〜150℃なる範囲内に入るような樹脂を与えるものであ
れば、どのようなカルボン酸類(カルボン酸の無水物お
よび各種誘導体をも含む。)および多価アルコール類で
も採用できる。
そのうちでも、特に代表的なもののみを例示するに止
めれば、それぞれ、次のようなものである。
めれば、それぞれ、次のようなものである。
(1) カルボン酸類 フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、テトラクロルフタル酸、こはく酸およびそれらの
無水物またはジアルキルエステル類;イソフタル酸、テ
レフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸およびそれらの無水物
またはジアルキルエステル類;あるいは安息香酸、p−
tert−ブチル安息香酸、モノメチル安息香酸、ジメチル
安息香酸、イソオクタノイック酸またはイソノナノイッ
ク酸など、 (2) 多価アルコール類 (2−1)2価アルコール類 エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,2−,1,3−もしくは1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、2,2,3−トリチ
ルペンタン−1,3−ジオールまたは2,2′−ビス(4−シ
クロヘキサノール)プロパンなど、 (2−2)3価以上の多価アルコール類 グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリスヒドロキシイソシアヌレート、イソヘ
キシルトリオールまたはペンタエリスリトールなど。
ル酸、テトラクロルフタル酸、こはく酸およびそれらの
無水物またはジアルキルエステル類;イソフタル酸、テ
レフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸およびそれらの無水物
またはジアルキルエステル類;あるいは安息香酸、p−
tert−ブチル安息香酸、モノメチル安息香酸、ジメチル
安息香酸、イソオクタノイック酸またはイソノナノイッ
ク酸など、 (2) 多価アルコール類 (2−1)2価アルコール類 エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,2−,1,3−もしくは1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、2,2,3−トリチ
ルペンタン−1,3−ジオールまたは2,2′−ビス(4−シ
クロヘキサノール)プロパンなど、 (2−2)3価以上の多価アルコール類 グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリスヒドロキシイソシアヌレート、イソヘ
キシルトリオールまたはペンタエリスリトールなど。
以上に列挙された合成原料以外のものでも、適宜、組
み合わせることによって、前記の如き範囲内の酸価およ
び軟化点を満足するような目的ポリエステル樹脂を与え
るものであれば、公知慣用の原料を、何らの制限もな
く、用いることができる。
み合わせることによって、前記の如き範囲内の酸価およ
び軟化点を満足するような目的ポリエステル樹脂を与え
るものであれば、公知慣用の原料を、何らの制限もな
く、用いることができる。
こうした合成原料を用いて目的ポリエステル樹脂を調
製するには、在来の溶融縮合法や共沸縮合法などの反応
操作により行なわれるが、樹脂の軟化点の調節は、原料
の組成中の硬成分たる、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、エチレングリコールまたは2,2′(4−シク
ロヘキサノール)プロパンなどと、軟成分たるアジピン
酸またはヘキサンジオールなどとの組み合わせ比率(組
成比)を変更することによって達成される。
製するには、在来の溶融縮合法や共沸縮合法などの反応
操作により行なわれるが、樹脂の軟化点の調節は、原料
の組成中の硬成分たる、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、エチレングリコールまたは2,2′(4−シク
ロヘキサノール)プロパンなどと、軟成分たるアジピン
酸またはヘキサンジオールなどとの組み合わせ比率(組
成比)を変更することによって達成される。
一方、樹脂の酸価は原料組成中のカルボン酸類と多価
アルコール類との使用比率を変更することによって調節
することができる。
アルコール類との使用比率を変更することによって調節
することができる。
かくして得られる当該ポリエステル樹脂が、60℃未満
の軟化点を有するものである場合には、どうしても、粉
体塗料化後の耐ブロッキング性(貯蔵中あるいは輸送時
において、外気温度および圧力により、粉体塗料の粒子
相互の融着や塊状化を起こさせない性質)が悪化するよ
うになるし、一方、150℃を超える場合には、どうして
も、粉体塗料の溶融粘度が高くなって、溶融塗膜の流展
性を低下させることとなり、ひいては、平坦で平滑なる
塗膜が得られ難くなる処から、いずれも好ましくない。
の軟化点を有するものである場合には、どうしても、粉
体塗料化後の耐ブロッキング性(貯蔵中あるいは輸送時
において、外気温度および圧力により、粉体塗料の粒子
相互の融着や塊状化を起こさせない性質)が悪化するよ
うになるし、一方、150℃を超える場合には、どうして
も、粉体塗料の溶融粘度が高くなって、溶融塗膜の流展
性を低下させることとなり、ひいては、平坦で平滑なる
塗膜が得られ難くなる処から、いずれも好ましくない。
また、当該ポリエステル樹脂の酸価が20未満の場合に
は、硬化塗膜の物性や耐溶剤性が劣るようになるし、一
方、150を超える場合には、粉体塗料の貯蔵安定性なら
びに硬化塗膜の平坦さや平滑性など劣るようになるの
で、実用性に乏しいものとなる。
は、硬化塗膜の物性や耐溶剤性が劣るようになるし、一
方、150を超える場合には、粉体塗料の貯蔵安定性なら
びに硬化塗膜の平坦さや平滑性など劣るようになるの
で、実用性に乏しいものとなる。
したがって、当該ポリエステル樹脂(B)の酸価とし
ては、20〜150℃なる範囲内が、好ましくは20〜110℃、
一層好ましくは24〜80℃なる範囲内が適切である。
ては、20〜150℃なる範囲内が、好ましくは20〜110℃、
一層好ましくは24〜80℃なる範囲内が適切である。
さらに、当該ポリエステル樹脂(B)の末端基につい
て言えば、60%以上、好ましくは80%以上がカルボキシ
ル基であって、硬化反応にさいして、前記エポキシ樹脂
(A)が有するエポキシ基ないしはグリシジル基との反
応支配的となることが望ましい。
て言えば、60%以上、好ましくは80%以上がカルボキシ
ル基であって、硬化反応にさいして、前記エポキシ樹脂
(A)が有するエポキシ基ないしはグリシジル基との反
応支配的となることが望ましい。
なお、当該ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量と
しては、500〜10,000なる範囲内が、好ましくは、1,000
〜5,000なる範囲内が適切である。
しては、500〜10,000なる範囲内が、好ましくは、1,000
〜5,000なる範囲内が適切である。
500未満の場合には、どうしても、物性の低下が認め
られるようになるし、一方、10,000を超えると、どうし
ても、粉体塗料の粉砕性が悪くなるようになるので、い
ずれも好ましくない。
られるようになるし、一方、10,000を超えると、どうし
ても、粉体塗料の粉砕性が悪くなるようになるので、い
ずれも好ましくない。
一方、前記した分子中にスルホキシル基を有するエポ
キシ基樹脂(A)とは、このスルホキシル基を0.1ミリ
当量/グラム(meq/g)以上有するものを指称するが、
当該スルホキシル基含有エポキシ樹脂(A)として特に
代表的なもののみを例示するに止めれば、ビスフェノー
ルSと呼ばれる4,4′−ジヒドロシジフェニルスルホン
の如き、スルホキシル基含有ビスフェノール類と、必要
により、さらにビスフェノールAと呼ばれる4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンの如き、その他
のスルホキシル基不含のビスフェノール類と、エピクロ
ルヒドロンと反応させて得られるグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;エピ・ビス型エポキシ樹脂にスルホキシ
ル基含有ビスフェノールを、必要により、さらにその他
のスルホキシル基不含のビスフェノール類をも反応させ
て得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;または
スルホキシル基含有グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
にスルホキシル基不含のビスフェノール類を反応させて
得られるエポキシ樹脂などである。
キシ基樹脂(A)とは、このスルホキシル基を0.1ミリ
当量/グラム(meq/g)以上有するものを指称するが、
当該スルホキシル基含有エポキシ樹脂(A)として特に
代表的なもののみを例示するに止めれば、ビスフェノー
ルSと呼ばれる4,4′−ジヒドロシジフェニルスルホン
の如き、スルホキシル基含有ビスフェノール類と、必要
により、さらにビスフェノールAと呼ばれる4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンの如き、その他
のスルホキシル基不含のビスフェノール類と、エピクロ
ルヒドロンと反応させて得られるグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;エピ・ビス型エポキシ樹脂にスルホキシ
ル基含有ビスフェノールを、必要により、さらにその他
のスルホキシル基不含のビスフェノール類をも反応させ
て得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;または
スルホキシル基含有グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
にスルホキシル基不含のビスフェノール類を反応させて
得られるエポキシ樹脂などである。
そのほかにも、グリシジルエステル型エポキシ樹脂を
併用した形のものでよいことは、勿論である。
併用した形のものでよいことは、勿論である。
なお、当該エポキシ樹脂(A)として特に望ましいも
のは、一分子中にスルホキシル基を0.1meq/g以上、好ま
しくは0.2meq/g以上有するものであって、しかも、エポ
キシ当量が2,000以下で、かつ、環球法による軟化点が5
0〜150℃なる樹脂である。
のは、一分子中にスルホキシル基を0.1meq/g以上、好ま
しくは0.2meq/g以上有するものであって、しかも、エポ
キシ当量が2,000以下で、かつ、環球法による軟化点が5
0〜150℃なる樹脂である。
スルホキシル基の含有率が0.1meq/g未満である場合に
は、どうしても、このスルホキシル基に基ずく硬化促進
効果が得られ難くなるので好ましくないし、一方、この
軟化点が150℃を超える場合には粉体塗料の溶融粘度が
高くなる処から、平滑な外観を有する塗膜が得られ難く
なるので好ましくないし、さらに、エポキシ当量が2,00
0を超える場合には、どうしても、硬化性が低下するよ
うになるので好ましくない。
は、どうしても、このスルホキシル基に基ずく硬化促進
効果が得られ難くなるので好ましくないし、一方、この
軟化点が150℃を超える場合には粉体塗料の溶融粘度が
高くなる処から、平滑な外観を有する塗膜が得られ難く
なるので好ましくないし、さらに、エポキシ当量が2,00
0を超える場合には、どうしても、硬化性が低下するよ
うになるので好ましくない。
かくして得られるスルホキシル基含有エポキシ樹脂
(A)と前記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)との配合割合としては、(A)/(B)=2.0〜
0.5なる当量比が、好ましくは、1.5〜0.7なる当量比が
適切であり、かかる範囲内に入る場合に限って、本発明
の目的が達せられる。
(A)と前記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)との配合割合としては、(A)/(B)=2.0〜
0.5なる当量比が、好ましくは、1.5〜0.7なる当量比が
適切であり、かかる範囲内に入る場合に限って、本発明
の目的が達せられる。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、さらに必要に応
じて、硬化促進剤、無機質充填剤、顔料または難燃剤な
どの公知慣用の各種添加剤成分を適宜、配合することが
できる。
じて、硬化促進剤、無機質充填剤、顔料または難燃剤な
どの公知慣用の各種添加剤成分を適宜、配合することが
できる。
そのうち、硬化促進剤として特に代表的なもののみを
挙げるに止めれば、各種イミダゾール類や第3級アミン
類などであるし、無機質充填剤として代表的なもののみ
を挙げるに止めれば、ジルコン粉末、石英ガラス粉末、
タルク粉末、炭酸カルシウム粉末、マグネシア粉末、珪
酸カルシウム粉末またはシリカ粉末などである。
挙げるに止めれば、各種イミダゾール類や第3級アミン
類などであるし、無機質充填剤として代表的なもののみ
を挙げるに止めれば、ジルコン粉末、石英ガラス粉末、
タルク粉末、炭酸カルシウム粉末、マグネシア粉末、珪
酸カルシウム粉末またはシリカ粉末などである。
また、本発明組成物を調製する方法の一例について述
べれば、所定の組成比に配合された各種成分を、ミキサ
ーによって充分に混合せしめたのち溶融混練し、次い
で、粉砕機により粉砕せしめるという方法によるのがよ
い。
べれば、所定の組成比に配合された各種成分を、ミキサ
ーによって充分に混合せしめたのち溶融混練し、次い
で、粉砕機により粉砕せしめるという方法によるのがよ
い。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、とりわけ、低温硬
化性にもすぐれるし、しかも、外観、諸物性、耐食性な
らびに耐水性などにすぐれる塗膜を与える、極めて有用
なものである。
化性にもすぐれるし、しかも、外観、諸物性、耐食性な
らびに耐水性などにすぐれる塗膜を与える、極めて有用
なものである。
次に、参考例、実施例および比較例により、一層、具
体的に説明するものとする。
体的に説明するものとする。
以下において、部および%とあるのは特に断りのない
限り、すべて重量基準であるものとする。
限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1〜3〔カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(B)の調製例〕 ジメチルテレフタレートの970部、エチレングリコー
ルの316部、ネオペンチルグリコールの530部および酢酸
亜鉛の0.44部を反応容器に仕込み、140℃から220℃まで
3時間かけて昇温しつつエステル交換反応を行なった。
次いでイソフタル酸の747部を加え、220℃から240℃ま
で12時間かけて昇温しつつエステル化反応を行なった。
(B)の調製例〕 ジメチルテレフタレートの970部、エチレングリコー
ルの316部、ネオペンチルグリコールの530部および酢酸
亜鉛の0.44部を反応容器に仕込み、140℃から220℃まで
3時間かけて昇温しつつエステル交換反応を行なった。
次いでイソフタル酸の747部を加え、220℃から240℃ま
で12時間かけて昇温しつつエステル化反応を行なった。
しかるのち、無水トリメリット酸の96部を加え、240
℃で30分間のあいだ反応を行なった処、目的ポリエステ
ル樹脂が得られた。
℃で30分間のあいだ反応を行なった処、目的ポリエステ
ル樹脂が得られた。
このものは、核時期共鳴スペクトル分析(NMR)など
による組成分析の結果、酸成分がフレフタル酸/イソフ
タル酸/トリメリット酸=48/48/4(モル%)で、か
つ、多価アルコール成分(グリコール成分)がエチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モル
%)であり、しかも、数平均分子量(以下、分子量とも
略称する。)が2,800で、環球法による軟化点(以下、
軟化点と略称する。)が98℃で、かつ、酸価が52なる基
橙色透明な固形物であった。
による組成分析の結果、酸成分がフレフタル酸/イソフ
タル酸/トリメリット酸=48/48/4(モル%)で、か
つ、多価アルコール成分(グリコール成分)がエチレン
グリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モル
%)であり、しかも、数平均分子量(以下、分子量とも
略称する。)が2,800で、環球法による軟化点(以下、
軟化点と略称する。)が98℃で、かつ、酸価が52なる基
橙色透明な固形物であった。
以下、これをポリエステル樹脂(B−1)と略称す
る。
る。
同様にして、第1表に示されるようなポリエステル樹
脂(B−2)および(B−3)を調製した。
脂(B−2)および(B−3)を調製した。
参考例4〔スルホキシル基含有エポキシ樹脂(A)の調
製例〕 温度計、撹拌機および加熱装置の付いた1のフラス
コに、「エピクロン850」〔大日本インキ化学工業
(株)製のビスフェノールAのジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;エポキシ当量=188g/eq〕の772g、ビス
フェノールAの128g、ビスフェノールSの100gおよび10
%水酸化ナトリウム水溶液の0.1gを入れて170℃で6時
間のあいだ反応させて、エポキシ当量が506g/eqで、軟
化点が91℃で、かつ、150℃での溶融粘度が24cpsなる目
的樹脂を得た。以下、これをエポキシ樹脂(A−1)と
略記するが、このもののスルホキシル基含有率は0.40me
q/gであった。
製例〕 温度計、撹拌機および加熱装置の付いた1のフラス
コに、「エピクロン850」〔大日本インキ化学工業
(株)製のビスフェノールAのジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;エポキシ当量=188g/eq〕の772g、ビス
フェノールAの128g、ビスフェノールSの100gおよび10
%水酸化ナトリウム水溶液の0.1gを入れて170℃で6時
間のあいだ反応させて、エポキシ当量が506g/eqで、軟
化点が91℃で、かつ、150℃での溶融粘度が24cpsなる目
的樹脂を得た。以下、これをエポキシ樹脂(A−1)と
略記するが、このもののスルホキシル基含有率は0.40me
q/gであった。
参考例5(同上) 参考例4と同様の反応容器に、「エピクロンEXA−151
4」〔同上社製のスルホキシル基含有ジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂;エポキシ当量=310g/eq,ビスフェ
ノールS含有率=10%〕の117g、「エピクロン850」の6
42g、ビスフェノールAの241gおよび10%水酸化ナトリ
ウム水溶液の0.1gを入れて190℃で4時間のあいだ反応
させて、エポキシ当量が600g/eqで、軟化点が96℃で、
かつ、150℃での溶融粘度が40cpsなる目的エポキシ樹脂
を得た。以下、これをエポキシ樹脂(A−2)と略記す
るが、このもののスルホキシル基含有率は0.28meq/gで
あった。
4」〔同上社製のスルホキシル基含有ジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂;エポキシ当量=310g/eq,ビスフェ
ノールS含有率=10%〕の117g、「エピクロン850」の6
42g、ビスフェノールAの241gおよび10%水酸化ナトリ
ウム水溶液の0.1gを入れて190℃で4時間のあいだ反応
させて、エポキシ当量が600g/eqで、軟化点が96℃で、
かつ、150℃での溶融粘度が40cpsなる目的エポキシ樹脂
を得た。以下、これをエポキシ樹脂(A−2)と略記す
るが、このもののスルホキシル基含有率は0.28meq/gで
あった。
実施例1〜5および比較例1〜4 各参考例で得られたそれぞれのエポキシ樹脂およびポ
リエステル樹脂と、顔料と、硬化促進剤とを、第2表に
示されるような組成比で配合し、ミキサーでブレンド
し、溶融混練せしめ、次いで、粉砕機により粉砕せし
め、しかるのち、150メッシュの金網で分級せしめて、
本発明の粉体塗料用樹脂組成物を得た。
リエステル樹脂と、顔料と、硬化促進剤とを、第2表に
示されるような組成比で配合し、ミキサーでブレンド
し、溶融混練せしめ、次いで、粉砕機により粉砕せし
め、しかるのち、150メッシュの金網で分級せしめて、
本発明の粉体塗料用樹脂組成物を得た。
併せて、比較のために、市販のエピ・ビス型エポキシ
樹脂を用いる以外は、同様にして、対照用の粉体塗料用
樹脂組成物を得た。
樹脂を用いる以外は、同様にして、対照用の粉体塗料用
樹脂組成物を得た。
次いで、静電粉体塗装機で、JIS G−3141に規定され
る軟網板上に、各別に、膜厚が50〜70ミクロンとなるよ
うに塗布し、160℃で20分間のあいだ焼付けた。
る軟網板上に、各別に、膜厚が50〜70ミクロンとなるよ
うに塗布し、160℃で20分間のあいだ焼付けた。
しかるのち、かくして得られたそれぞれの塗装鋼板に
ついて塗膜の性能試験を行なった。
ついて塗膜の性能試験を行なった。
それらの結果は、まとめて同表に示す通りであった。
なお、各種性能の評価は、次のような要領で行なった
ものである。
ものである。
エリクセン値…JIS Z−2247に準拠した。
貯蔵安定性…粉体塗料を35℃の恒温室に1カ月間のあ
いだ保存したのちの、塗装作業性と、得られた塗面の平
滑性とを、初期のそれぞれに比して変化があったか否
か、変化の程度などを総合的に判定した。
いだ保存したのちの、塗装作業性と、得られた塗面の平
滑性とを、初期のそれぞれに比して変化があったか否
か、変化の程度などを総合的に判定した。
デュポン衝撃値…JIS K−5460に準拠し、荷重が1kg
で、かつ、1/2インチのノッチ付きという条件で行なっ
た。
で、かつ、1/2インチのノッチ付きという条件で行なっ
た。
塗面の平滑性…目視判定によった。
塗面の光沢値…60゜鏡面反射率(%) 耐食性…JIS K−5400に準拠した。
耐湿テスト後の付着性…温度が50℃で、かつ、湿度が
98%RHなるブリスター・ホックス内に120時間のあいだ
保存して、その24時間後にゴバン目付着性のテストを行
なった。
98%RHなるブリスター・ホックス内に120時間のあいだ
保存して、その24時間後にゴバン目付着性のテストを行
なった。
Claims (5)
- 【請求項1】一分子中に少なくとも1個のスルホキシル
基を有するエポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有
ポリエステル樹脂(B)とを含んで成る、粉体塗料用樹
脂組成物。 - 【請求項2】前記の一分子中に少なくとも1個のスルホ
キシル基を有するエポキシ樹脂(A)が、0.1ミリ当量
/グラム以上のスルホキシル基含有率を有し、かつ、2,
000グラム/当量以下のエポキシ当量を有するものであ
る、請求項1に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 - 【請求項3】前記のカルボキシル基含有ポリエステル樹
脂(B)が、20〜150ミリグラムKOH/グラムなる範囲内
の酸価を有し、かつ、60〜150℃なる範囲内の軟化点を
有するものである、請求項1に記載の粉体塗料用樹脂組
成物。 - 【請求項4】前記の一分子中に少なくとも1個のスルホ
キシル基を有するエポキシ樹脂(A)が、4,4′−ジヒ
ドロキシフェニルスルホンのシグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂と、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−
プロパンとの反応生成物である、請求項1に記載の粉体
塗料用樹脂組成物。 - 【請求項5】前記の一分子中に少なくとも1個のスルホ
キシル基を有するエポキシ樹脂(A)が、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル−2,2−プロパンのジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂と、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンと、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−プ
ロパンとの反応生成物である、請求項1に記載の粉体塗
料用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18740589A JP2737275B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 粉体塗料用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18740589A JP2737275B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 粉体塗料用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0352968A JPH0352968A (ja) | 1991-03-07 |
JP2737275B2 true JP2737275B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=16205457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18740589A Expired - Fee Related JP2737275B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 粉体塗料用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2737275B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100526486B1 (ko) * | 1997-12-31 | 2006-02-28 | 주식회사 케이씨씨 | 고 내후성 반광 분체도료의 제조방법 |
-
1989
- 1989-07-21 JP JP18740589A patent/JP2737275B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0352968A (ja) | 1991-03-07 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |