JP2736672B2 - 変りカバード糸およびその製造方法 - Google Patents

変りカバード糸およびその製造方法

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JP2736672B2 JP1034254A JP3425489A JP2736672B2 JP 2736672 B2 JP2736672 B2 JP 2736672B2 JP 1034254 A JP1034254 A JP 1034254A JP 3425489 A JP3425489 A JP 3425489A JP 2736672 B2 JP2736672 B2 JP 2736672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、弾性糸を芯糸とした変りカバード糸とその
製造方法に係り、より詳しくは、巻取りパッケージにお
いては外観上普通のストレートなカバード糸でありなが
ら、非弾性糸と交編、交織することによって布帛表面に
スラブ状外観を表出させることのできる変りカバード糸
とその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来の被覆弾性糸においては、ナイロン糸、あるいは
ウーリナイロン糸を横巻きにしたものが主なものであ
り、表面変化を有する糸をカバーリング糸に用いた事例
がいくつか提案されている。
しかも、芯糸の弾性糸は、ほとんどが一定の割合で引
伸ばされたものであるのに対して、鞘部のカバーリング
糸は、若干の毛羽立ちや、スナール(ビリともいう)の
存在、あるいはトルクヤーンであると、カバーリング通
過性がたちどごろに不調となる。
ここで、カバーリング糸のバルーニング張力が低い
と、フイラメント割れや毛羽たちが生じ易い。また、表
面変化糸として、例えば、霜降り糸、金、銀糸等の異
色、もしくはラメ糸および金属糸条等(例えば、特開昭
61−194237号公報、特開昭62−85050号公報参照)があ
り、他に芯糸にビーズ体が通されたもの(例えば、実開
昭61−168181号公報参照)がある。
[発明が解決しようとする課題] 従来の被覆弾性糸にあっては、表面変化のある糸を弾
性糸に巻付ける際に、巻糸から解舒性能力が劣るため、
正常なバルーニングを形成せず、カバード糸の周りに撚
り斑が顕われ、角(つの)、スナール等ストレートな糸
状が得られなかったり、弾性糸が損傷したりして、途中
糸切れ、子玉等の発生や停止錘等の問題点があった。
本発明の目的は、準備工程や編成工程でしごかれても
表面変化・外観を呈せず、また、ガイド類に引掛かった
り、解舒不良の生じないカバード糸を得ることを目的と
しており、さらに得られた変りカバート糸を編織物に交
編、交織することにより、相手素材、糸条を変形せしめ
てスラブ状外観を表出させる変りカバード糸およびその
製造方法を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明の構成は、通常ドラ
フト部よりも高いドラフトで引伸ばされた高ドラフト部
を糸の長さ方向に間歇的に有する弾性糸からなる芯部
と、該芯部の周りを被覆する長繊維フィラメント糸、も
しくは短繊維紡績糸からなる鞘部からなり、本文中に定
義する高ドラフト部における弾性糸の収縮率が通常ドラ
フト部における弾性糸の収縮率よりも大であることを特
徴とする変りカバード糸である。
上記の変りカバード糸において、本文中に定義する糸
の収縮率が、高ドラフト部において25%以上であり、か
つ通常ドラフト部において15%未満であることが好まし
い。
また、高ドラフト部が糸長1メートル当り20個以上存
在することが好ましい。
以下、図面を示す実施例に基づいて本発明の変りカバ
ード糸を説明する。
第1図は、本発明の変りカバード糸の模式図であっ
て、(A)は平面図を、(B)は断面図を示す。
同図(A)において、本発明の変りカバード糸1は、
1本の弾性糸2が芯部に存在し、鞘部を構成する長繊維
フィラメント糸、または紡績糸3が加撚され、芯部を横
巻きにすることによって、弾性糸2を被覆する。
芯部を構成する弾性糸2は、太さが異なった部分が混
在して、通常ドラフト部2aが比較的太く、一方ランダム
に高いドラフトが加わった高ドラフト部2bの太さは細く
なっている。そして、全体の見掛太さは、芯部の通常ド
ラフト部2aもランダムに付加された高ドラフト部2bも、
鞘部の撚数が一定であるため、ほとんど変らなく、巻取
りパッケージでストレートな形態を呈している。
そして、以後、準備工程や編織工程等でしごかれても
通常のカバード糸と同様に、引掛ったり、ズレたり、芯
糸の弾性糸の糸切れを誘発する懸念はない。
本発明で用いられる弾性糸には、ポリウレタン弾性
糸、ポリエステル弾性糸、ポリアミド弾性糸が含まれる
が、なかんずくポリウレタン弾性糸が広く用いられる。
ポリウレタン弾性糸は85%またはそれ以上のセグンメ
ントポリウレタンを含有する長鎖合成重合体からなる繊
維形成物質から製造された通称“スパンデックス”繊維
であって、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオー
ル、ポリカーボネートジオールのようなポリマージオー
ルとポリイソシアネートおよび低分子鎖伸長剤、所望に
より末端停止剤を反応させて得られるが、特にポリエー
テル型ポリウレタンエラストマーから形成された弾性糸
が優れた熱的安定性を有することから好ましい。
本発明における弾性糸のデニールは15〜140デニール
が好ましく、特にソフトな伸縮性が要求されるインナー
ウェアには20〜40デニールが、フィット感を要求するフ
ァンデーションには40〜105デニールがより好ましい。
また破断伸度は500%以上であることが好ましい。
次に、弾性糸の収縮率は、次の測定法によるものであ
る。
(弾性糸の収縮率の測定法) 本発明で得た変りガバード糸を通常の遠編機を用いて
次の条件で編成し、次いで沸水処理した後、一昼夜放
置、風乾後試料とする。
<編成条件> 使用編機:筒編機3″φ〜3 1/2″φ×27ゲージ(例え
ば、TN−6F、英光産業株式会社製) 編成張力:1.5〜2.0g/本 巻取張力:定テンション巻取装置付 引度目 :10cm/5cm <沸水処理> 処理温度:2℃/分昇温〜96℃ 処理時間:20分(96℃キープ)(昇温時間中も処理す
る) <試料の採取> 筒編地から分解したカバード糸を高ドラフト部(また
は通常ドラフト部)内の一定長に印を付ける。そのマー
クの部分をカットしその長さを原長と定め、その後芯部
の弾性糸を鞘部カバーリング糸から取り除き、一昼夜放
縮させる。(n=10)(長さを測定するとき荷重は付加
しない) <計算式> 収縮率(%)={1−(分解糸からカバーリング 糸を分離した弾性糸の糸長(mm) /筒編地から分解したカバード糸 の糸長(mm))}×100 本発明は、上記の測定法によって測定された収縮率
が、高ドラフト部においては25%以上有しており、好ま
しくは、30%以上である。
ここで、ドラフトとは、弾性糸に適用される引伸し糸
の意味であり、弾性糸の送り出し供給装置の表面周速比
をもって、通常ドラフト比といい、次により算出する。
ドラフト比=テークアップスターホィール周速) m/min)/フイードスターホィール周速(m/min) 通常のドラフト比は、2.0〜4.0倍の範囲が常用されて
おり、本発明の高ドラフト部では瞬間的に、付加ドラフ
トを作用させてドラフト比3.0〜4.5倍を付与するのが好
ましい。すなわち、高ドラフト部のドラフト比が小さい
と弾性糸の収縮パワーが小さく意匠的効果が少ない。ま
た、反対に大きくなりすぎると弾性糸の伸張が大きく、
破断伸度付近となって、後加工工程で問題が発生し易く
なり、危険域である。
また、通常ドラフト部の収縮率は15%未満であり、好
ましくは10%以下である。
さらに、高ドラフト部の発生頻度は、糸長1メートル
当り20個以下である。
高ドラフト部の発生頻度の測定は、本発明の変りカバ
ード糸を自然な状態のまま(無荷重)、糸条を1メート
ルカットした長さに占有する高ドラフト部の個所の数を
測定したものであり、本発明においては、この高ドラフ
ト部の数が1m当り20個以下にあることが好ましく、個々
の高ドラフト部の長さは任意である。
一方、前記した鞘部の長繊維フィラメント糸は、レー
ヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリプロピレン、塩化ビニール等の化合織および絹
(生糸)であって、性状が原糸、仮ヨリ加工糸、もしく
は先染糸等のいずれであっても良く、また、これらの複
合糸であってもよい。これらはいずれも撚糸加工のし易
い、安定した糸条であることが好ましい。
同様に、短繊維紡績糸は、木綿、羊毛、麻、絹等の天
然繊維、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ロニトリル、ポリプロピレン、塩化ビニール系等の化合
織からなるステープルであって、これらが単独もしくは
混紡された紡績糸であればよく、特に微量のネップ成分
が混綿されてもよい。
次に、上記変りカバード糸の製造方法は、バルーニン
グ式カバーリング撚糸機において、弾性糸の周りに長繊
維フィラメント糸、もしくは短繊維紡績糸を被覆するに
際し、上記弾性糸に対して通常ドラフトよりも高ドラフ
トを間歇的に付与し、高ドラフト部における弾性糸の収
縮率を通常ドラフト部における弾性糸の収縮率よりも大
きくすることを特徴とする変りカバート糸の製造方法で
ある。
上記の変りカバード糸の製造方法において、高ドラフ
トのドラフト比が、3.0〜4.5倍の範囲であることが好ま
しい。
そして、上記の弾性糸に対して高ドラフトを間歇的に
付与する高ドラフト付与装置は、弾性糸の糸道に対しバ
ルーニングの内側、もしくは外側のいずれか一方に付設
することができるが、後記する理由により、特に中空ス
ピンドルの下部に取付けることが効果的である。
以下、図面に基づき本発明の変りカバード糸の製造方
法について説明する。
第2図は、本発明の変りカバード糸の製造方法の一実
施例を示す工程概略図である。
第2図において、全体がバルーニング式のカバーリン
グ撚糸機であって、弾性糸2の供給は巻糸チューブ2′
と、その表面駆動ローラ4,4′からなら、該表面駆動ロ
ーラ4,4′を回転させることにより、一定の速度で弾性
糸2が糸巻チューブ2′から繰り出される。
繰り出された弾性糸2は、表面駆動ローラー4,4′よ
りも速い周速で回転する送り出しローラ5によりバルー
ニング機構の方へ送り出される。したがって、この間に
弾性糸2は一定の伸長状態に引き伸ばされて繰り出され
ることとなる。
バルーニング機構は、軸部回転体7と糸巻きHボビン
8、高ドラフト付与装置9およびバルーニング集束ガイ
ド10で構成される。軸部回転体7は垂直に支持され、そ
の軸部には糸道となる軸中空孔を有する中空スピンドル
7′が設けられている。該中空スピンドル7′は下端か
ら、軸心に沿って垂直、上方に伸び、糸巻きHボビン8
を挿入させ、弾性糸2の糸道を形成している。送り出し
ローラ5により一定のドラフトで伸長せしめられながら
繰り出される弾性糸2と、糸巻きHボビン8から引き出
される長繊維フィラメント糸、もしくは短繊維紡績糸3
は、ベルト6の駆動により中空スピンドル7′が回転
し、該中空スピンドル7′の上部に有するバルーニング
集束ガイト10の間で横巻きに合体されるものである。
ここで、長繊維フィラメント糸、もしくは短繊維紡績
糸3は糸巻Hボビン8の上側つばに特設キャップされた
高ドラフト付与装置(図では偏心カム)9の回転によっ
て、バルーニングの円滑な回転が阻止され、バルーニン
グ張力の増大を続け、もはや保持きない張力となるまで
高ドラフト付与具9′の突端から離れることなく弾性糸
2にその間漸増的な付加ドラフトを付与する。高ドラフ
ト付与装置9の作用は間欠的なものとなる。その結果、
第1図(A)に示すように、弾性糸2は高ドラフト付与
具9′が作用した部分2bが形成され、高ドラフト付与装
置の突端からバルーニングが離れた瞬間では通常なドラ
フトのみの部分2aが形成される。ただし、巨視的にはト
ータルドラフトは通常ドラフトと同じとなる。
バルーニング集束ガイド10を通過して引き出されたカ
バード糸1は、送出しローラ11で送り出され、駆動ロー
ラ12に接触する巻取ローラ13に巻き取られる。
上記の如く、バルーニングの内側に付設した高ドラフ
ト付与具9′でランダムにドラフトを付与させる方法
は、糸巻Hボビンに上設したキャップが偏心カムであっ
たり、弾性体からなる線状突起物であることが望まし
い。
第3図は、本発明の変りカバード糸の製造方法の他の
実施例を示す工程概略図である。
第3図において、第2図と相違する点のみ説明すれ
ば、繰り出されたポリウレタン弾性糸2は、フィードス
ターホイール5とテークアップスターホイール11の周速
比(メインドラフト=テークアップスターホイール周速
/フィードスターホイール周速)によって通常ドラフト
される。
この間にあっては、特設した高ドラフト付与具(図で
はパンチングバー)9′は、クランク機構で、任意の周
期で、しかも強弱自由な作用を間歇的に瞬時に付加させ
ることができ、第1図(A)に示す糸構造を形成させ
る。つまり、高ドラフト付与装置9および高ドラフト付
与具9′の取付け位置、大きさ、および機構等いずれも
が比較的自由に選択できるために、この中空スピンドル
下部への選択が本発明の変りカバード糸にあって最もア
トランダム性に富んでいる。
第4図は、第2図に示す高ドラフト付与装置の拡大図
である。
同図において、高ドラフト付与装置9は、糸巻Hボビ
ンに追従して回転されるが、偏心カム9′は、カバーリ
ング糸と接触し、バルーニング張力の増大に伴なって、
高ドラフト付与装置9の回転に抗して逆方向に押され
る。カバーリング糸はもはや保持できない張力となるま
で偏心カム9′の突端から離れなく、芯糸の弾性糸をド
ラフトし続ける作用をする。その作用の大きさはピベッ
ト14で調整される。また、高ドラフト付与装置9は、糸
巻Hボビンに追従するのではなく、独立した回転機構
(図示せず)を有することも可能である。
上記の例における高ドラフト付与装置は、中空スピン
ドル入口付近に特設したダンパー方式のビーティング作
用を有する回転偏心カム、もしくはスプリングの作用体
が有効である。
また、上部のバルーニングを集束するガイドは固定
式、もしくは上下移動するガイドであってもよい。
第5図は、高ドラフト付与具9′の中空スピンドル下
部に付設する他の例を示す斜視図である。
第5図において、弾性糸を挿通する孔道15は弾性糸の
約10倍の大きさでよく、該高ドラフト付与具9′に弾性
糸を挿通した状態において、該高ドラフト付与具9′を
往復運動を与え、定位置から弾性糸に張力を与える距離
に移動させ、弾性糸に断続的な引張りを与えたのち、定
位置まで復帰させるものである。
上記の高ドラフト付与具9′は、例えば、金属製の棒
材を加工したものや、ナイロンデグスのような比較的太
目で弾力性を有するもの、あるいは環状の中空体、例え
ばパイプ状を形成してポリウレタン弾性糸が走行通過し
うる程度の孔道を有するパイプ状の環状中空体であって
もよい。輪ゴムを使用する場合は、できるだけ低張力で
伸びる生ゴムが好ましい。
なお、本発明に使用する高ドラフト付与具はバルーニ
ングの外側からナイロンテグスの如き太い糸をバルーニ
ング部に向ってリング状に突出させ、バルーニングの1
回転毎にバルーニング部と接触させる方法によっても行
なうことができる。
第6図は、変りカバート糸を用いて平織物に、他の非
弾性糸と交織させた一実施例を示す織物の平面図であ
る。
同図において、本発明の変りカバード糸16と他の非弾
性糸17の緯糸配列は1本対3本の割合であって、経糸18
はすべて非弾性糸である。
さらに、同図において、タテ方向番号F2,F5,F8,F11お
よびF14等の3本飛び緯糸は本発明の変りカバード糸16
で、他のタテ方向番号は非弾性糸17である。
一方、ヨコ方向番号W1,W2,W3……W12は非弾性糸であ
る。つまり、タテ方向番号F2において、ヨコ方向番号W7
付近に高ドラフト部が織込まれると、タテ方向番号の他
の前後F1,F3の非弾性糸17の緯糸は織物クリンプがさら
に縮んだ状態にあり、ヨコ方向番号W3からW11辺りまで
曲げられる。この結果、これらの部分は織物外観的にス
ラブ状模様となる。
この現象は織物に編成された生機段階では、幾分その
徴候にあるが、次後の精練/リラックス工程で完全に弾
性糸のリラックスが進行して高ドラフト部付近に露呈す
る。同様にタテ方向番号F11において、ヨコ方向番号W6
およびW7付近に高ドラフト部分が織込まれると、タテ方
向番号の他の前後F10,F12の非弾性糸17の緯糸は織物ク
リンプがさらに縮んだ状態にあり、ヨコ方向番号W4から
W11辺りまで曲げられる。ただし、タテ方向番号F5,F8お
よびF14においては、本発明の変りカバード糸の打込み
でありながら、何ら高ドラフト部の織込み部分がないた
めに、他の緯糸への極端な縮みを付与することはない。
この場合、本発明の変りカバード糸16の打込み比率を
適宜変えることによって織物表面を任意に変えることが
できる。さらに、スラブ状効果を高めるため、非弾性糸
17を染色性に異にするか、もしくは染色差を生ずる素材
を用いることは効果的である。
上記したように、芯部の弾性糸を一定のドラフト引で
引き伸ばしながら、鞘部のカバーリング糸を糸巻Hボビ
ンから引き出そうとすれば、糸巻Hボビンからの引き出
し張力は芯部の弾性糸の走行張力に依存されて、極めて
低張力でありながら遠心力を伴なって引き出され、瞬間
的な高ドラフトが付加されるならば、走行張力の増分と
なって引き出し張力は一層大きなものとなるため、この
引き出し張力が、つまり糸巻Hボビンからの解舒張力が
比例して微増となり、芯部の高ドラフト域にある弾性糸
を強固に横巻き維持するように働く。
そして、上記した理由から、巻取られた変りカバード
糸のパッケージから後工程での利用の際、一定張力で交
編、交織されるべく設定されていても、高ドラフト部が
布帛形成する際に働く反作用が付加ドラフトが大きけれ
ば大きい程有効であり、高ドラフト部それ自体は、均一
な形状をもったものが好ましい。
また、バルーニング式カバーリン撚糸機としの作用
は、シングルカバード方式よりもダブルカバード方式の
方が、高ドラフト部形成能力が安定するように働く。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明は何らこれらに限定されるものではない。
実施例1 ナイロン糸70デニール、34フィラメント、丸断面糸
(東レ株式会社製、登録商標“アミラン”)を通常の1
ヒーター仮撚機でウーリーナイロン糸を得たものを用
い、第2図で示す装置を使用し、ポリウレタン弾性糸は
20デニール(東レ・デュポン株式会社製、登録商標“オ
ペロン”)を通常ドラフト3.1倍に設定し、その他の条
件を第1表の通り設定してカバード糸を得た。
得られたカバード糸の評価は、第1表の通りであっ
た。丸編地は20Gフライス片袋で綿糸58′s(コーマー
糸)との交編である。
第1表から明らかなように、高ドラフトを付与したカ
バード糸は、いずれもカバーリング糸のずれは起こり難
いことが判る。
綿フライス片袋でスラブ効果を評価した場合、ナイロ
ン片側染めで染上げたところ、高ドラフトをランダムに
付与した実験No.1〜No.2は良好なものが得られ、インナ
ーウエアーとして良好であった。
実施例2 アクリル長繊維フィラメント糸75デニール、40フィラ
メント、Y型断面糸(三菱レイヨン株式会社製、登録商
標“シルパロン”)を通常の1ヒーター仮撚機で甘ヨリ
仮撚りして光沢度を得たものを用い、第3図および第2
表の通り条件設定して、ポリウレタン弾性糸は実施例1
に、同一タ イプの30デニールを加えて、カバーリング撚糸加工し
た。
得られたカバード糸の特性評価は、第2表の通りであ
った。丸編地は24ゲージのシンカー丸編機で、綿糸60s/
2との1対1交互配列からなる平編で比較した。
第2表から明らかなように、バルーニングの外側から
任意な回転でパンチングレバーの作用を付与する方式に
よるカバード糸のスラブパターンは、内側の比較的周期
性を帯びたスラブパターンに比べて、ランダム性に富ん
だ、しかもアクリル長繊維の発色性の良さなどから、従
来にない編物でアウアーウエアーとして好適なものであ
った。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、下記のような効果
を奏することができる。
イ)芯部がランダムに引伸ばされた弾性糸で、鞘部が長
繊維フィラメント糸、あるいは短繊維紡績糸から構成さ
れており、外観上は通常はカバード糸を成し、準備工程
や編成工程でしごかれても、表面変化・外観を呈せず、
耐しごき性を有し、また、ガイド類に引っ掛かったり、
解舒不良の生じないカバード糸を得ることができ、さら
に得られた変りカバード糸を編織物に交編、交織するこ
とにより、相手素材、糸条を変形させてスラブ状外観を
表出させることができる。
ロ)しかも、高ドラフト部の収縮率が25%以上で、通常
ドラフト域のそれが15%未満で、かつその高ドラフト部
の発生頻度が20個/メートル以下であると、編織物で表
出されるスラブ糸長が最低5センチメートル以上の間隔
であって、適宜な調和を有する編織物となることができ
る。
ハ)芯部のランダムに引伸ばされた弾性糸の高ドラフト
引は3.0〜4.5倍の範囲にあって、その高ドラフト部での
鞘部の被覆性が堅牢とすることができる。
ニ)本発明の製造方法によって、高ドラフト部が与える
効果、つまりパターン周期がバルーニング内側では、
比較的短く、周期性を有し、バルーニング外側では、
任意の長さで、周期性を無くしたり、パターンの変化に
富んだものを有する等、特徴を多様化したり変りカバー
ド糸を製造することができる。
ホ)同時に、従来のバルーニング方式カバーリング撚糸
機に、高ドラフト付与装置を取付けるだけで、所期の優
れた性能を有する変りカバード糸を容易に、かつ経済的
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の変りカバード糸の模式図であって、
(A)は平面図で、(B)は断面図である。第2図は、
本発明の変りカバード糸の製造方法の一つの実施例を示
す工程概略図であり、第3図は、本発明の変りカバード
糸の他の製造方法の実施例を示す工程概略図である。第
4図は、高ドラフト付与具の拡大図である。第5図は、
高ドラフト付与具の他の例を示す斜視図である。第6図
は、変りカバート糸を用いて平織物に、他の非弾性糸と
交織させた一実施例を示す織物の平面図である。 1……変りカバード糸 2(2a,2b)……弾性糸 3……長繊維フィラメント糸(短繊維紡績糸) 8……糸巻Hボビン 9……高ドラフト付与装置 9′……高ドラフト付与具 10……バルーニング集束ガイド 16……変りカバード糸 17……非弾性糸 18……非弾性糸

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常ドラフト部よりも高いドラフトで引伸
    ばされた高ドラフト部を糸の長さ方向に間歇的に有する
    弾性糸からなる芯部と、該芯部の周りを被覆する長繊維
    フィラメント糸、もしくは短繊維紡績糸からなる鞘部か
    らなり、本文中に定義する高ドラフト部における弾性糸
    の収縮率が通常ドラフト部における弾性糸の収縮率より
    も大であることを特徴とする変りカバード糸。
  2. 【請求項2】本文中に定義する弾性糸の収縮率が、高ド
    ラフト部において25%以上であり、かつ通常ドラフト部
    において15%未満であることを特徴とする請求項1記載
    の変りカバード糸。
  3. 【請求項3】高ドラフト部が糸長1メートル当り20個以
    下存在することを特徴とする請求項1または2記載の変
    りカバート糸。
  4. 【請求項4】弾性糸がポリウレタン弾性糸であることを
    特徴とする請求項1,2または3のいずれかの項に記載の
    変りカバート糸。
  5. 【請求項5】バルーニング式カバーリング撚糸機におい
    て、弾性糸の周りに長繊維フィラメント糸、もしくは短
    繊維紡績糸を被覆するに際し、上記弾性糸に対して通常
    ドラフトよりも高ドラフトを間歇的に付与し、本文中に
    定義する高ドラフト部における弾性糸の収縮率を通常ド
    ラフト部における弾性糸の収縮率よりも大きくすること
    を特徴とする変りカバート糸の製造方法。
  6. 【請求項6】高ドラフトのドラフト比が、3.0〜4.5倍の
    範囲であることを特徴とする請求項5記載の変りカバー
    ト糸の製造方法。
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