JP2735127B2 - 光学系駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば光学式情報記録再生装置における光
ヘッドの対物レンズ駆動等に好適に利用される、光学系
駆動装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、光学式情報記録再生装置において正確に情報
を記録，再生するためには、情報記録媒体であるディス
ク又はカードのソリや振れに対して対物レンズと情報ト
ラック位置との距離を制御するフォーカス制御と、情報
トラックの偏心やずれに対して対物レンズを追従制御す
るトラッキング制御とを行なう必要がある。

そのためにフォーカス方向及びトラッキング方向に自
在に動くように、対物レンズを支持する必要がある。

従来、対物レンズを支持する手段として、２組の平行
板バネによりそれぞれフォーカス方向及びトラッキング
方向に支持する方法や、４本の細い金属棒により支持す
る方法等が提案されている。

第３図に対物レンズの支持手段として４本の細い金属
棒を用いた場合の対物レンズ駆動装置の従来例を示す。

第３図に示す1a〜1dは細い金属棒である。該金属棒は
適宜の弾性を有する。2a〜2dは細い金属棒1a〜1dの周り
に設置される粘弾性体である。図示する３は対物レンズ
４を保持するホルダーである。５は基台である。図にお
いて6a,6bはフォーカス方向駆動用磁石である。該フォ
ーカス方向駆動用磁石6a,6bは地板７の上に対向する様
に固着されている。地板７の中心部には、フォーカス方
向のヨーク８が固着されている。又フォーカス方向駆動
用磁石6a,6bの上部には、フォーカス方向ヨーク板９が
固着して設けられる。該フォーカス方向ヨーク板９の中
央部には、円形の貫通孔である孔部10を有している。ま
た、ホルダー３のトラック方向の動きを制するストッパ
ー11を磁石6a,6bと反対側のヨーク板９の上に固定す
る。

そして、フォーカス方向ヨーク板９及びフォーカス方
向駆動用磁石6b及び地板７が固着された状態の側面部に
前述の基台５が固着される。

更に、フォーカス方向ヨーク板９の上面部はトラッキ
ング方向ヨーク支持台12a,12bが対向するように固着さ
れる。トラッキング方向ヨーク13a,13bはトラッキング
方向ヨーク支持台12a,12bに対向する様に固着される。
そして、トラッキング方向ヨーク13aにはトラッキング
方向駆動用磁石14a,14bが設けられており、トラッキン
グ方向ヨーク13bにはトラッキング方向駆動用磁石14c,1
4dが設けられている。

又、図示する様に、ホルダー３の下部には円筒状のフ
ォーカス方向駆動用コイル15が設けられる。該ホルダー
３の対向する２つの側面部には、トラッキング方向駆動
用コイル16a,16bが設けられている。該ホルダー３の他
の側面部の両方には、前述した金属棒1a,1b,1c,1dを固
定するための、ワイヤー基板25a,25bと、該側面部の一
方には、トラッキング方向相対位置検出用の反射板17
（以下、トラッキング反射板と称す）と、フォーカス方
向相対位置検出用の反射板18（以下、フォーカス反射板
と称す）が固着されている。トラッキング反射板17とフ
ォーカス反射板18に対向して、トラッキング方向相対位
置センサとしてフォトリフレクタ19（以下、トラッキン
グセンサと称す）と、フォーカス方向相対位置センサと
してフォトリフレクタ20（以下、フォーカスセンサと称
す）が設けられている。トラッキングセンサ19は、トラ
ッキングセンサ基板21に固着され、トラッキングセンサ
基板21は、トラッキングセンサ支持台22に固着される。
フォーカスセンサ20はフォーカスセンサ基板23に固着さ
れ、フォーカスセンサ基板23はフォーカスセンサ支持台
24に固着される。トラッキングセンサ支持台22とフォー
カスセンサ支持台24は前述した基台７の一辺の突起部の
上面に固着される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記の如き従来例では装置を構成する
部品点数が多くなり、また高速アクセスを実現するため
に相対位置センサも設置されることになり、したがって
どうしても寸法の大きな光学系駆動装置になってしまい
易かった。この様な光学系駆動装置はコンパクトディス
ク装置（CD）等に使用される場合、一般的に高速アクセ
スよりも装置の小型化薄型化が要求されるので、上記の
ような従来例のものは不適であった。

〔目的〕

本発明は上述従来技術の問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的は小型化薄型化を可能とする、光学系駆
動装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとし
て、 情報記録媒体上に情報を記録または再生するための対
物レンズを、フォーカス方向及びトラッキング方向の２
方向に駆動させる光学系駆動装置であって、対物レンズ
と、該対物レンズを保持するホルダーと、該ホルダーの
周囲に直接固着され、前記２方向に駆動力を発生させる
ための複数の駆動コイルと、一端が基台に固着され、他
端が前記ホルダーに直接固着されて、対物レンズ及びホ
ルダーを前記２方向に移動方向に支持する弾性支持部材
と、前記駆動コイルに対向するように配置された磁石
と、前記基台に取り付けられ前記磁石を支持するヨーク
とから成る光学系駆動装置において、前記対物レンズと
ホルダーとが一体成形によって形成されたことを特徴と
する光学系駆動装置、 が提供される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的且つ詳
細に説明する。

第１図は本発明の光学系駆動装置の一実施例を示す分
解斜視図である。尚、以下の説明において、従来例に示
した部材と同様の機能を有する部材については同一の符
号を付することにし、説明を省略する。

第１図において、401はホルダーと一体成型されてい
る非球面対物レンズである。該レンズ401は材質がガラ
ス，又はプラスチック等から構成されている。対物レン
ズ401の側面にはフォーカス駆動コイル151が巻かれてお
り、偏平トラッキング駆動コイル161bが該フォーカス駆
動コイル151の側面の一部に固着している。トラッキン
グ駆動コイル161bと対向する位置に偏平トラッキング駆
動コイル161a（不図示）が固着している。細い金属棒1a
〜1d（不図示）の一端は対物レンズ401に固着されてい
るワイヤー基板25a,25bに固着されており、その他端は
基台５に固着されている。また本実施例では金属線1a〜
1dはフォーカス駆動コイルとトラック駆動コイルのリー
ド線としての機能も有している。

基台５はヨーク部702a,702bと一体プレス成型された
地板701にねじ26で固定される。磁石601a,601bは地板70
1のヨーク部702a,702bに対向して固着される。地板701
のヨーク部702a,702bと磁石601a,601bは図示するように
対物レンズ401の外周に沿う形状となっている。また粘
弾性体2a〜2dは前記細い金属線1a〜1d（不図示）の周り
に保持されていて、適度なダンピング効果を出すように
されている。このように、ホルダーと一体化された対物
レンズと、ヨークと一体化された地板とにより、またい
わゆる対向ヨークをなくしたことにより、より少ない部
品で小型軽量の光学系駆動装置を構成することが可能と
なる。また本実施例では装置形状の対称性とフォーカス
駆動力及びトラッキング駆動力の作用点の対称性と、適
度なダンピング特性とにより、ローリングモード（トラ
ッキング方向とフォーカス方向の双方の軸に垂直な軸
（即ちローリング回転軸）を中心にした可動部の回転）
が抑えられた良好な振動特性を示す。

又、上記の実施例よりも更にローリングモードを押え
た特性が必要であれば、次の様にすれば可能である。即
ち第１図に示す粘断性体2a〜2dと基台５を一体成形する
ことにより行うものである。第２図に、実線で第１図に
説明した光学系駆動装置のトラッキング方向の振動特性
を示し、また破線で粘弾性体と基台を一体成形したとき
のトラッキング方向の振動特性を示しておく。

〔発明の効果〕

以上詳細且つ具体的に説明したように、本発明はホル
ダーと一体成型された光学系と、ヨークと一体成型され
た地板と、対向ヨークが除去された磁気回路で構成する
ことにより、小型で薄型の光学系駆動装置を提供するこ
とができる。また４本の細い弾性体とその周りの粘弾性
体で前記光学系を支持することにより、ダンピングが適
度に効き、ローリングモードも抑えられた、良好な振動
特性を得ることができる。さらに粘弾性体と基台とを一
体成形することにより、更にダンピングが効き、ローリ
ングモードも抑えられた特性を実現することも可能であ
り、コンパクトディスク装置（CD）を始め、光磁気記録
再生装置等の高精度制御が要求されるシステムに好適に
利用される光学系駆動装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の光学系駆動装置の一実施例を示す分解
斜視図、第２図は本発明の光学系駆動装置のトラッキン
グ方向の振動特性を示すグラフ、第３図は従来の対物レ
ンズ駆動装置を示す分解斜視図である。 5:基台、401:ホルダーと一体成型された対物レンズ、70
1:ヨークと一体成型された地板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報記録媒体上に情報を記録または再生す
   るための対物レンズを、フォーカス方向及びトラッキン
   グ方向の２方向に駆動させる光学系駆動装置であって、
   対物レンズと、該対物レンズを保持するホルダーと、該
   ホルダーの周囲に直接固着され、前記２方向に駆動力を
   発生させるための複数の駆動コイルと、一端が基台に固
   着され、他端が前記ホルダーに直接固着されて、対物レ
   ンズ及びホルダーを前記２方向に移動可能に支持する弾
   性支持部材と、前記駆動コイルに対向するように配置さ
   れた磁石と、前記基台に取り付けられ前記磁石を支持す
   るヨークとから成る光学系駆動装置において、前記対物
   レンズとホルダーとが一体成形によって形成されたこと
   を特徴とする光学系駆動装置。