JP2734911B2 - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2734911B2
JP2734911B2 JP30529092A JP30529092A JP2734911B2 JP 2734911 B2 JP2734911 B2 JP 2734911B2 JP 30529092 A JP30529092 A JP 30529092A JP 30529092 A JP30529092 A JP 30529092A JP 2734911 B2 JP2734911 B2 JP 2734911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ装置に係り特
にレーザガスの清浄化を図るものに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば特開昭58−186985
号に示された従来のレーザ装置の一例の概略構成を示す
正面図である。図において、1はレーザガス2が封入さ
れる容器、3は容器1内の長手方向に配設される一対の
電極、4は容器1の両端にそれぞれ設けられ、レーザ光
を外部に取り出すための窓、5は容器1内に窓4を介し
てレーザガス2を導入するガス入口、6は容器1内のレ
ーザガス2を外部に排出するガス出口、7はガス出口6
と両ガス入口5とをそれぞれ接続するように設けられた
管路、8は管路7上のガス出口6付近に設けられ、レー
ザガス2を管路7を介してガス出口6からガス入口5に
循環させるためのポンプ、9は管路7上のポンプ8より
ガス入口5側に設けられ、レーザガス2中の微粒子を静
電的に捕集する電気集塵装置、10は管路7上の電気集
塵装置9の両側に設けられた休止ゾーンである。
【0003】次に上記のように構成された従来のレーザ
装置の動作について説明する。まず、一対の電極3が発
生する放電によりレーザガス2を励起させ、窓4を通し
てレーザ光を外に取り出す。この時、電極3自身がスパ
ッタされ、電極3を構成する材料の微粒子がレーザガス
2中に浮遊することとなる。このような状態ではこの微
粒子が窓4に付着する。この微粒子はレーザ光を吸収し
やすく、窓4は部分的に発熱を起こし微粒子が窓4に焼
きつけられるので、窓4の透過率が低下し、延いてはレ
ーザ発振効率が低下する。
【0004】上記のような問題点を解決するために、ポ
ンプ18により容器1内のレーザガス2を図中の矢印に
示すように、ガス出口6→ポンプ18→電気集塵装置9
→休止ゾーン10→ガス入口5の順に強制循環させ、ガ
ス出口6から排出されたレーザガス2中の微粒子を電気
集塵装置9にて静電気的に捕集させレーザガス2を清浄
化した後ガス入口5から容器1内へ導入する。ゆえに、
ガス入口の近傍に設けられた窓4は、清浄化されたレ
ーザガス2によりつねにパージされているため、微粒子
にさらされることなく長寿命化が図られている。
【0005】又、図7は同一出願人により出願されてい
る特願平3−041509号に示されたポンプを使用し
ない従来のレーザ装置の異なる一例の概略構成を示す側
面図である。1〜3は図6と同様であるので同一符号を
付して説明を省略する。11は容器1内のレーザガス2
を循環させるためのファン、12は容器1と一体に設け
られ、内部に磁石13を有し、この磁石13の磁力によ
りレーザガス2中の微粒子を捕集する微粒子捕集装置で
ある。
【0006】次に上記のように構成された従来のレーザ
装置の動作について説明する。まずここで、上記従来装
置の一例と同様にレーザガス2中に微粒子が発生した場
合、ここでは、容器1と微粒子捕集装置12とが一体化
されているので、ポンプを用いなくともファン11を駆
動させることにより、レーザガス2を図中の矢印に示す
ように微粒子捕集装置12に循環可能となり、レーザガ
ス2中の微粒子は磁石13により捕集されるのでレーザ
ガス2は清浄化される。
【0007】しかし、このように容器1と微粒子捕集装
置12とを一体化しているので、容器1を流れるレーザ
ガス2の流量約1M3/minをすべて微粒子捕集装置
12にて清浄化しなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ装置は以
上のように構成されているので、レーザガス2を強性循
環させるためのポンプ8を必要とする。このポンプ8は
ハロゲンガスに腐食されないものを選択する必要がある
ため、ベローズポンプしか使用できない。しかしながら
このベローズポンプは高価なためレーザ装置としても高
価になるという問題点があった。一方、ポンプを必要と
しないレーザ装置は、容器1と微粒子捕集装置12とを
一体化しているので、大容量の微粒子捕集装置12が必
要となり、レーザ装置として高価になるという問題点が
あった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、レーザガスを循環させるための
ポンプを必要とせず、小容量のレーザガス清浄化装置で
レーザガスの清浄化を可能とすることにより、安価なレ
ーザ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
のレーザ装置は、レーザガスが封入される容器、容器内
に設けられ、レーザガスを励起させ放電を発生する一対
の電極、容器の両端に設けられたレーザ光取り出し用の
窓もしくは、レーザ発振用の反射ミラー、容器内に導入
されるレーザガスが上記レーザ光取り出し用の窓もしく
は、レーザ発振用の反射ミラーに近くに設けられたレー
ザガス入口、容器内に設けられ、レーザガスを一対の電
極の間に循環させるためのファン、容器のファンよりレ
ーザガス下流方向側で電極に至るまでの間に設けられた
レーザガス出口、レーザガス入口とレーザガス出口との
間に接続されたレーザガス清浄化装置を備えたものであ
る。
【0011】この発明に係る請求項2のレーザ装置は、
レーザガス出口の開口断面が容器内のレーザガス流を遮
る方向に形成されているものである。
【0012】この発明に係る請求項3のレーザ装置は、
ファンをレーザガス清浄化装置が停止時に、停止するよ
うにしたものである。
【0013】
【作用】この発明における請求項1のレーザ装置のファ
ンは容器内のレーザガスをレーザガス出口からレーザガ
ス清浄化装置を通しレーザガス入口へ循環させる。
【0014】この発明における請求項2のレーザ装置の
レーザガス出口は、レーザガス流を遮る方向に開口し、
循環するレーザガスの流量を増大させる。
【0015】この発明における請求項3のレーザ装置の
ファンは、レーザ清浄化装置が停止時に停止する。
【0016】
【実施例】実施例1. 図1及び図2はこの発明の実施例1によるレーザ装置の
概略構成を示す正面図及び側面図である。それぞれの図
において図6に示す従来の場合と同様の部分については
同一符号を付して説明を省略する。14は容器1の内部
に設けられ、レーザガス2を循環させるためのファン、
15はこのファン14を回転させるためのモータ、16
はこのモータ15を駆動させるための駆動電源、17は
電気集塵装置9を駆動させるための駆動電源、18は駆
動電源16及び17を制御するための制御装置である。
【0017】19は容器1のファン14よりレーザガス
2下流方向側で電極3に至るまでの間に連結させた管路
7に接続されたファン14から送出されるレーザガス2
を受けるように形成されたレーザガス出口としてのノズ
ル、20は電極3の両側にそれぞれ設けられ、ファン1
4から送出されるレーザガス2を両電極3間に導くため
のガスダクト、21は容器1の内部に設けられ、電極3
間で温度上昇したレーザガス2を冷却するための熱交換
器である。
【0018】次に上記のように構成された実施例1のレ
ーザ装置の動作について説明する。まず、一対の電極3
が発生する放電によりレーザガス2を励起させ、窓4を
通してレーザ光を外に取り出す。この時、電極3自身が
スパッタされ、電極3を構成する材料の微粒子がレーザ
ガス2中に浮遊することとなる。よって、レーザガス2
中の微粒子を除去するために、制御装置18により駆動
電源17を制御して電気集塵装置9を駆動させ、その
後、制御装置18により駆動電源16を制御してモータ
15を駆動させ、ファン14を回転させる。
【0019】そして、このファン14の回転により容器
1内のレーザガス流は図2中に矢印で示すように、ファ
ン14→電極3→熱交換器21→ファン14と循環され
る。このようにレーザガス2が循環すると、レーザガス
2の圧損を生じるので場所によってガス圧は異なってい
る。この時、ガス入口5に比べてガス出口19のガス圧
は高くなっている。例えばファン14の回転数を150
0rpm、一対の電極3間の距離を15mmとした時、
空気中にてノズル19とガス入口5のガス圧を測定する
と、ノズル19の方が10mmAq高い。
【0020】よって、レーザガス2はこの圧力差によっ
て、図1中の矢印に示すように、容器1内からノズル1
9を介して管路7に排出され、電気集塵装置9を通り、
ガス入口5から再び容器1内に導入され、以下この動作
を繰り返すことによって循環する。この循環過程におい
て電気集塵装置9はガス出口19から放出されたレーザ
ガス2中の微粒子を静電気的に捕集し、レーザガス2を
清浄化した後ガス入口5に送りこむ。ゆえに、ガス入口
近くに設けられた窓4は清浄化されたレーザガス2に
より常にパージされているため、微粒子にさらされるこ
となく長寿命化が図られる。
【0021】又、この時、管路7内を流れるレーザガス
2の流量を実測すると約10l/minと測定され、こ
のレーザガス2の流量は窓4をパージするのに十分な量
である。そして、例えばネオン、クリプトン及びフッ素
の混合ガスをレーザガス2とし、KrFエキシマレーザ
を5×108パルスレーザを発振させても、窓4に汚れ
の付着はみられなかった。
【0022】尚、ここでは窓4としレーザ光を外部に取
り出すように構成したレーザ装置について示したが、反
射ミラーを用いた構成のレーザ装置に適用しても同様の
効果が得られる。
【0023】実施例2. 上記実施例1ではガス出口を管路7を容器1の側壁に連
結させ、その内部にファン14から送出されるレーザガ
ス2を受けるように設けられたノズル19で形成したも
のについて示したがこれに限られることなく、図3に示
すようにノズル19のかわりに板を湾曲させたものを内
部に取り付けて、ファン14から送出されるレーザガス
2を受けるようにしても同様の効果を奏する。
【0024】実施例3. 又、図4に示すように管路7を直接容器1の内部に差し
込み、且つ、管路7の開口でファン14から送出される
レーザガス2を受けるようにしても同様の効果を奏す
る。
【0025】実施例4. 上記各実施例ではガス出口の開口断面が容器1内のレー
ザガス2流を遮る方向に形成されているけれども、図5
に示すように管路7を容器1の側壁に連結し、この管路
7の開口からレーザガスを排出するようにし、ガス出口
22としても良い。但し、この場合上記各実施例と同条
件で比較するとガス出口22とガス入口5とのレーザガ
ス2の圧力差が2mmAqとなるので、ガス出口22か
らガス入口5に流れるレーザガス2流量は低下する。し
かし、ガス出口22自体の加工が容易なため、レーザ装
置自体は安価となる。
【0026】実施例5. 上記各実施例ではレーザガス清浄化装置としてレーザガ
ス2の圧損の少ない電気集塵装置を用いた例を示した
が、これに限られることなく、レーザガス清浄化装置と
して同様にレーザガス2の圧損の少ない、磁力を用いて
微粒子を捕集する微粒子捕集装置、及び、ガス温度を下
げることによりレーザガス中の不純ガス成分を凝結させ
て捕集する冷却トラップ装置を用いてもよく、又、これ
らを組み合わせたものを用いても、同様の効果を奏す
る。
【0027】実施例6. 上記各実施例においては、装置の材料について述べなか
ったがレーザガス中にフッ素もしくは塩化水素ガスを含
有する場合、レーザガスの触れる部分をニッケル、ニッ
ケルコートされた金属材料、アルミナセラミックス及び
テフロンの組み合わせで構成するようにすれば、レーザ
ガスの劣化が無く、レーザガスの寿命を長くすることが
できる。特に、レーザガス清浄化装置として電気集塵装
置を用いる場合にはその構成が簡単なため、比較的高価
な上記材料を用いても安価となる。
【0028】実施例7. 上記各実施例においては、制御装置18による制御の詳
細な説明を行わなかったが、もしも、ファン14のみを
回転させレーザガス清浄化装置を停止させている場合に
は、レーザガス2は微粒子を除去されないまま管路7を
循環するので、レーザガス2中に微粒子を含んだまま窓
4をパージすることとなり窓4に微粒子が付着してしま
うという不具合を生じる。
【0029】又、特に、レーザガス2循環時に電気集塵
装置9を駆動していないと、コロナ放電が発生せず、集
塵電極に付着した微粒子が剥がれ易くなっており、電気
集塵装置9をレーザガス2が通過する際、レーザガス2
中の微粒子の増加を招き、この状態ではレーザを発振さ
せなくとも約1日で窓4はくもってしまい、次に、レー
ザを発振させるとレーザ出力は約20%も低下してしま
う等の不具合を生じるため、レーザガス清浄化装置停止
時にファン14も必ず停止するように制御装置18にて
制御するようにすればこれらの不具合は解消される。
【0030】実施例8. 上記各実施例では、例えば図1に示すように管路7と電
気集塵装置9と駆動電源17とから成るレーザガス清浄
化装置を容器1の外部に設けるレーザ装置の例を示した
が、これに限られることなく容器1の内部でレーザガス
2の流れの妨げにならないような場所にレーザガス清浄
化装置を設けるようにしても上記各実施例と同様の効果
を奏するのはもちろんのこと、レーザ装置自体の構成が
簡単になる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、レーザガスが封入される容器、容器内に設けられ、
レーザガスを励起させ放電を発生する一対の電極、容器
の両端に設けられたレーザ光取り出し用の窓もしくは、
レーザ発振用の反射ミラー、容器内に導入されるレーザ
ガスがレーザ光取り出し用の窓もしくは、レーザ発振用
反射ミラーに近くに設けられたレーザガス入口、容器
内に設けられ、レーザガスを一対の電極の間に循環させ
るためのファン、上記容器のファンよりレーザガス下流
方向側で電極に至るまでの間に設けられたレーザガス出
口、レーザガス入口とレーザガス出口との間に接続され
たレーザガス清浄化装置を備えるようにし、又、請求項
2の発明によれば、レーザガス出口はその開口断面が容
器内のレーザガス流を遮る方向に形成されているように
し、又、請求項3の発明によれば、ファンをレーザガス
清浄化装置が停止時に、停止するようにしているので、
レーザガスを循環させるためのポンプを必要とせず、小
容量のレーザガス清浄化装置でレーザガスの清浄化を可
能とし、安価なレーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるレーザ装置の概略構
成を示す正面図である。
【図2】図1によるレーザ装置の概略構成を示す側面図
である。
【図3】この発明の実施例2によるレーザ装置の概略構
成を示す側面図である。
【図4】この発明の実施例3によるレーザ装置の概略構
成を示す側面図である。
【図5】この発明の実施例4によるレーザ装置の概略構
成を示す側面図である。
【図6】従来のレーザ装置の一例の概略構成を示す正面
図である。
【図7】従来のレーザ装置の異なる一例の概略構成を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 レーザガス 3 電極 4 窓 5 ガス入口 6、22 ガス出口 7 管路 8 ポンプ 9 電気集塵装置 11、14 ファン 15 モータ 16、17 駆動電源 18 制御装置 19 ノズル 20 ガスダクト 21 熱交換器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザガスが封入される容器、上記容器
    内に設けられ、上記レーザガスを励起させ放電を発生す
    る一対の電極、上記容器の両端に設けられたレーザ光取
    り出し用の窓もしくは、レーザ発振用の反射ミラー、上
    記容器内に導入される上記レーザガスが上記レーザ光取
    り出し用の窓もしくは、上記レーザ発振用の反射ミラー
    近くに設けられたレーザガス入口、上記容器内に設け
    られ、上記レーザガスを上記一対の電極の間に循環させ
    るためのファン、上記容器の上記ファンより上記レーザ
    ガス下流方向側で上記電極に至るまでの間に設けられた
    レーザガス出口、上記レーザガス入口と上記レーザガス
    出口との間に接続されたレーザガス清浄化装置を備えた
    ことを特徴とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザガス出口はその開口断面が容器内
    のレーザガス流を遮る方向に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 【請求項3】 ファンをレーザガス清浄化装置が停止時
    に、停止するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    のレーザ装置。
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