JP2733033B2 - 冷菓製造機 - Google Patents
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Description
ーク等の冷菓を製造する冷菓製造機に関し、特に、冷菓
の原料を貯蔵する容器と冷菓を製造するシリンダとを殺
菌のために加熱する際の圧縮機の吐出圧を適正に保っ
て、圧縮機の負荷を増大させることなく高温高圧の冷媒
ガスが安定良く得られるようにした冷菓製造機に関する
ものである。
冷菓を製造する冷菓製造機は、冷菓の原料を貯蔵する容
器と、原料を混練しながら冷凍して冷菓を製造するシリ
ンダとを備えている。このような冷菓製造機で製造され
る冷菓は、大腸菌群が陰性であることが法令で義務づけ
られている。このため、容器とシリンダとを1日に1回
以上殺菌することが必要とされ、68℃の温度で30分
加熱するか、または、これと同等以上の効果を有する方
法で加熱殺菌しなければならない。
の切換えによって行う装置が、例えば特開平6−906
70号公報に開示されている。その装置においては、図
2に示すように、圧縮機54からの吐出ガス冷媒が、図
中、実線矢印で示すように、四方弁57から主熱交換器
65を経由した後、冷却時用膨張器68a・68bと、
容器51およびシリンダ52に各々設けられている容器
用熱交換器55・シリンダ用熱交換器56とを経て、四
方弁57から圧縮機54に返流される第1の循環経路が
形成されるように、各機器が相互に接続されている。
せる運転で、主熱交換器65が凝縮器、容器用熱交換器
55およびシリンダ用熱交換器56が蒸発器としてそれ
ぞれ作用して、容器51およびシリンダ52の冷却が行
われる。
71と加熱時用膨張器74とが設けられ、上記から四方
弁57を切換えた場合に、図中、破線矢印で示す第2の
循環経路を通して冷媒が循環する運転に切換わる。すな
わち、この運転では、圧縮機54からの吐出ガス冷媒
は、四方弁57から容器用熱交換器55・シリンダ用熱
交換器56に流入し、次いで、これら熱交換器55・5
6から補助熱交換器71と加熱時用膨張器74とを順次
経由した後、圧縮機54に返流する。
冷媒は、容器用熱交換器55やシリンダ用熱交換器56
では凝縮することなく、容器51・シリンダ52の加熱
を生じさせた後、補助熱交換器71に流入し、第1熱交
換用配管71aと第2熱交換用配管71b内を各々流れ
る冷媒間での熱の授受により凝縮・蒸発する。
ことなく、安定的に加熱殺菌運転を行うことができると
共に、この運転における冷媒の凝縮および蒸発は、上記
の第1および第2の熱交換用配管71a・71bを各々
流れる冷媒間の熱の授受で行われ、冷熱源や熱源として
水や空気等を供給する必要がないので、運転経費の高騰
を抑止することが可能となっている。
に行うことを目的として、圧縮機54の吐出管58に設
けられた第1〜第3の三つの圧力スイッチ85・86・
87と、第1熱交換用配管71aを通過した冷媒の一部
を加熱時用膨張器74以降を通過せずに圧縮機54へ返
流させるバイパス管84と、このバイパス管84に設け
られた電磁弁82と、加熱時用膨張器74をバイパスさ
せるバイパス管72に設けられた電磁弁81とを備えて
いる。
出圧が第1設定値(例えば20kg/cm2 )を超えた
ときにON信号を出力し、この信号によって電磁弁82
が開弁する。また、第2圧力スイッチ86は、圧縮機5
4の吐出圧が第2設定値(例えば12kg/cm2 )以
下のときにON信号を出力し、この信号によって、電磁
弁81が開弁するようになっている。また、第3圧力ス
イッチ87は、圧縮機54の吐出圧が異常に上昇したこ
とを検知した場合にON信号を出力し、これにより圧縮
機54の運転が停止される。
運転から加熱運転へ切換えた場合に、加熱運転開始時か
ら、圧縮機54の吐出圧が第2圧力スイッチ86での第
2設定値(例えば12kg/cm2 )を超えるまでは、
電磁弁81が開弁する。これにより、冷媒が加熱時用膨
張器74をバイパスすることによって、圧縮機54での
吐出圧の上昇が推進される。
に上昇して第1圧力スイッチ85での第1設定値(例え
ば20kg/cm2 )に達した場合には、電磁弁81が
閉弁し、第1熱交換用配管71aを通過した冷媒は、バ
イパス管84を通って圧縮機54へ返流する。これによ
り、加熱運転中の吐出圧は上記の第1設定値以下に維持
されることとなる。
5・86・87と、バイパス管72・84と、電磁弁8
1・82とを加えた構成により、加熱運転中の吐出圧を
安定化することが可能となっている。
明者らは、上記した従来の装置では、周囲温度や冷媒の
温度が常温よりも高くなった場合、あるいは低くなった
場合に、以下のような問題が生じることを見いだした。
ピラリチューブを用いた場合、キャピラリチューブと
は、このキャピラリチューブに圧縮機54からの吐出圧
で流入する冷媒を管内抵抗が絞ることにより減圧させる
仕様であるため、例えば、夏期のように周囲温度および
冷媒温度が高いために圧縮機54からの吐出圧が常温時
よりも高くなった場合には、キャピラリチューブ内を通
過する液冷媒量が増加して、加熱時用膨張器74として
のキャピラリチューブを通過した後の冷媒の圧力も常温
時よりも高くなり、この結果、圧縮機54の吸入圧が常
温時よりも上昇することとなる。このような場合、圧縮
機54の吸入圧が、この圧縮機54の仕様で規定されて
いる制限値を超えてしまって圧縮機54が過負荷状態と
なる可能性があるという問題を有している。
熱運転を開始した時点からの圧縮機54の吐出圧の変化
の様子を示している。同図において、実線で示すグラフ
bは通常時における吐出圧の変化を示し、点線で示すグ
ラフaは夏期等のように周囲温度および冷媒温度が通常
時よりも高温となった場合、一点鎖線で示すグラフc
は、冬期等のように周囲温度および冷媒温度が通常時よ
りも低温となった場合の吐出圧の変化を示す。同図から
明らかなように、周囲温度および冷媒温度が常温よりも
低い場合には、圧縮機54の吐出圧の上昇速度が遅くな
り、吐出圧が安定するまでの所要時間が増大するという
問題を有している。
されたものであって、その目的は、周囲温度や冷媒温度
に変化が生じたとしても、加熱殺菌を安定して行い得る
冷菓製造機を提供することにある。
めに、本発明の冷菓製造機は、冷菓の原料を貯蔵する容
器および冷菓を製造するシリンダと、熱媒体を加圧して
吐出する圧縮機と、上記熱媒体と上記容器およびシリン
ダの各々との間で熱交換を行わせる容器用熱交換器およ
びシリンダ用熱交換器と、内部を各々流れる熱媒体間で
熱交換が生じるように互いに配設された第1および第2
の熱交換用配管を有する第1媒体熱交換器と、熱媒体を
圧縮機の設定吸入圧の範囲内の所定の圧力に減圧して断
熱膨張させる圧力調整手段と、内部を流れる熱媒体の熱
交換を行う第2媒体熱交換器とが設けられ、これらが、
加熱運転時に、圧縮機から吐出された熱媒体を、容器用
熱交換器およびシリンダ用熱交換器の各々から、第1媒
体熱交換器の第1熱交換用配管を介して第2媒体熱交換
器に流入させ、該第2媒体熱交換器からさらに、圧力調
整手段、および第1媒体熱交換器の第2熱交換用配管に
順次経由させて圧縮機へ返流させる媒体循環経路を形成
する配管によって相互に接続されていることを特徴とし
ている。
加圧されて高温ガスとして吐出された熱媒体は、容器用
熱交換器およびシリンダ用熱交換器を加熱し、媒体熱交
換器の第1熱交換用配管で凝縮され、圧力調整手段によ
り所定の圧力に減圧されて断熱膨張し、さらに媒体熱交
換器の第2熱交換用配管で蒸発した後に圧縮機へ返流す
る。つまり、圧縮機へ返流する熱媒体の圧力は、圧力調
整手段によって、流入する際の液媒体の圧力に関係な
く、圧縮機に過負荷を与えない適切な吸入圧の範囲とし
て圧縮機の仕様で設定されている設定吸入圧の範囲内の
所定の圧力に減圧される。このため、周囲温度や液媒体
そのものの温度の変動によって圧縮機の吸入圧が変動す
ることを防止することができ、吸入圧を常に適切に保っ
て圧縮機を稼働させることができる。この結果、容器や
シリンダを殺菌温度以上に加熱する加熱運転時におい
て、周囲温度等の条件が変動したとしても、圧縮機の負
荷を増大させることを防止できると共に、圧縮機の吸入
圧が安定化することにより吐出圧も安定化するので、容
器やシリンダの温度を安定的に上昇させることができ
る。
調整手段との間に第2媒体熱交換器が設けられている、
即ち熱媒体の熱交換を2回行っているので、熱媒体が第
2熱交換用配管に流入する前に、熱媒体を完全に凝縮さ
せることが可能となる。
イパス管や、圧縮機からの吐出圧を検知してこの吐出圧
に応じて上記バイパス管に設けられた電磁弁等を開閉さ
せるスイッチ等を設けた従来の構成に比較して、加熱運
転時の制御を簡略化できると共に、部品の点数を減らす
ことができるので、装置の小型化が可能となり、製作費
の高騰が抑制される。
て、図1を参照して説明する。初めに、上記冷菓製造機
に設けられている冷凍装置の基本回路構成について、図
1に基づいて説明する。この冷菓製造機には、冷菓の原
料を貯蔵する容器1と、この容器1から供給された原料
を混練しながら冷凍して冷菓を製造するシリンダ2とが
設けられ、これらの冷却および加熱殺菌のため冷凍装置
3が装備されている。
(熱媒体)との間の熱交換をする容器用熱交換器5、シ
リンダ2と冷媒との間の熱交換をするシリンダ用熱交換
器6、圧縮機4からの吐出ガス冷媒の流れ方向を切換え
るための四方弁7が設けられている。
続された流入ポート9と、圧縮機4の吸込配管10が接
続された流出ポート11と、第1・第2の1対の切換ポ
ート12・13とが設けられている。第1切換ポート1
2には、順次、第1ガス管14・主熱交換器15(第2
媒体熱交換器)・液管16が接続され、液管16の先端
側は第1液支管16a、第2液支管16b、および第3
液支管16cに分岐されている。上記第1液支管16a
の先端は前記容器用熱交換器5に接続され、上記第2液
支管16bの先端は前記シリンダ用熱交換器6に接続さ
れている。
ら順次第1電磁弁17aと第1キャピラリチューブ18
aとが介設され、第2液支管16bには第2電磁弁17
bと第2キャピラリチューブ18bとが上記同様に介設
されている。また、第3液支管16cには第5電磁弁1
7cと後述する定圧膨張弁24が上記同様に介設されて
いる。
液分離を図るためのアキュームレータ19が介設されて
いる。さらに、吸込配管10におけるアキュームレータ
19より圧縮機4側には、冷媒中に混入しているゴミや
異物を除去するためのストレーナ40が介設されてい
る。また、上記の第1ガス管14には、四方弁7への冷
媒の逆流を防止するための逆止弁43が介設されてい
る。
には第2ガス管20が接続されている。この第2ガス管
20の先端側は第1ガス支管20aと第2ガス支管20
bとに分岐されており、第1ガス支管20aの先端は前
記容器用熱交換器5に接続され、また、第2ガス支管2
0bの先端は前記シリンダ用熱交換器6に接続されてい
る。
(第1媒体熱交換器)がさらに設けられている。この補
助熱交換器21内には、第1・第2の二つの熱交換用配
管21a・21bが並設されて、両配管21a・21b
内を各々流れる冷媒間での熱の授受が行われるようにな
っている。
第1バイパス管22が接続されている。この第1バイパ
ス管22の先端側は、第3電磁弁23a・第4電磁弁2
3bが各々介設された第1バイパス支管22aと第2バ
イパス支管22bとに分岐され、第1バイパス支管22
aの先端は、前記第1液支管16aにおける第1キャピ
ラリチューブ18aと容器用熱交換器5との間の部位に
接続されている。また、第2バイパス支管22bの先端
は、第2液支管16bにおける第2キャピラリチューブ
18bとシリンダ用熱交換器6との間の部位に接続され
ている。
2バイパス管25に接続され、この第2バイパス管25
は、第1ガス管14に接続されている。また、この第2
バイパス管25には、第1ガス管14からの冷媒の逆流
を防止するための逆止弁44が介設されている。また、
第2熱交換用配管21bの一端は上記第3液支管16c
に接続され、この第2熱交換用配管21bの他端は、第
3バイパス管26により、前記吸込配管10における四
方弁7とアキュームレータ19との間の部位に接続され
ている。
ト9が第1切換ポート12に、また、流出ポート11が
第2切換ポート13にそれぞれ連通するようにこの四方
弁7を位置させると共に、第1・第2電磁弁17a・1
7bをそれぞれ開弁し、第3・第4電磁弁23a・23
bをそれぞれ閉弁して圧縮機4を運転することで、図
中、実線矢印で示す第1の循環経路に沿って冷媒が循環
し、容器1およびシリンダ2が冷凍装置3によって冷却
される冷却運転が行われる。なお、この冷却運転時に
は、第1・第2電磁弁17a・17bを互いに独立に開
閉制御し、各液支管16a・16bを通しての冷媒流れ
を断続的に制御することで、容器1およびシリンダ2を
各々の設定温度まで冷却して保持するようになってい
る。また、この冷却運転時には、第5電磁弁17cは閉
弁されている。
吐出される高温高圧のガス冷媒は、吐出配管8・四方弁
7・第1ガス管14を通して主熱交換器15に導かれ
る。この主熱交換器15は、内部に熱交換用冷媒配管1
5aと熱交換用水配管15bとが互いに並設された水熱
交換器で構成されている。上記熱交換用水配管15bは
水配管38に接続され、この水配管38には第1ガス管
14内の圧力を検出して検出圧力が設定圧を超えた時に
開弁する開閉弁39が介設されている。これにより、主
熱交換器15の両配管15a・15bを各々流れる冷媒
と水との間で熱交換が行われ、熱交換用冷媒配管15a
の冷媒は熱交換用水配管15bへ放熱して凝縮する。
冷媒は、次いで液管16から第1液支管16a・第2液
支管16bに分流する。なお、液管16には、冷媒中の
水分を除去するためのドライヤ41が介設されている。
第1・第2液支管16a・16bに分流した液冷媒は、
第1キャピラリチューブ18a・第2キャピラリチュー
ブ18bをそれぞれ通過時に断熱膨張して低温低圧の液
冷媒に変化する。その後、この液冷媒は、容器用熱交換
器5およびシリンダ用熱交換器6にそれぞれ流入し、こ
れら熱交換器5・6を通過する間に周囲から熱を吸収し
て蒸発する。これにより、容器1およびシリンダ2が冷
却される。
器6で蒸発した低温低圧のガス冷媒は、その後、第1ガ
ス支管20a・第2ガス支管20bを経て第2ガス管2
0で合流し、この第2ガス管20および四方弁7・吸込
配管10を通して圧縮機4に返流される。そして、圧縮
機4で再び加圧されて高温高圧のガス冷媒として主熱交
換器15に吐出され、上記の経路を循環する。
換ポート13に、また、流出ポート11が第1切換ポー
ト12にそれぞれ連通する位置に上記から切換えると共
に、第1・第2電磁弁17a・17bをそれぞれ閉弁
し、第3・第4・第5電磁弁23a・23b・17cを
それぞれ開弁して圧縮機4を運転することで、図中、破
線矢印で示す第2の循環経路に沿って冷媒が循環し、容
器1およびシリンダ2が冷凍装置3によって加熱される
加熱運転に切換わる。
出される高温高圧のガス冷媒は、吐出配管8・四方弁7
・第2ガス管20を経て第1ガス支管20aおよび第2
ガス支管20bに分流した後、容器用熱交換器5および
シリンダ用熱交換器6に流入する。そして、周囲への放
熱によって、容器1およびシリンダ2を加熱した後、第
1バイパス支管22a・第2バイパス支管22bを経て
第1バイパス管22で合流する。その後、補助熱交換器
21の第1熱交換用配管21aを通過時に、後述する第
2熱交換用配管21b内を流れる冷媒に放熱して凝縮す
る。
よび第1ガス管14を経て主熱交換器15へ流入し、主
熱交換器15の熱交換用冷媒配管15aを通過する際に
熱交換用水配管15bへさらに放熱して完全に凝縮さ
れ、ドライヤ41を通過する際に水分を除去された後、
第3液支管16cへ流入し、この第3液支管16cに介
設されている定圧膨張弁24を通過する際に断熱膨張し
て低温低圧の液冷媒となる。
媒は、この定圧膨張弁24へ流入する際の圧力に関わら
ず、定圧膨張弁24の仕様に応じた所定の圧力(例えば
約5kg/cm2 )となる。このため、上記定圧膨張弁
24として、圧縮機4における吸入圧に適した圧力で液
冷媒を流出させる仕様の定圧膨張弁を選択することによ
り、周囲温度等の外因に影響されずに、圧縮機4へ適切
な圧力で冷媒を返流させることが可能となる。
の第2熱交換用配管21bに流入し、この配管21bを
流れる間に、前記第1熱交換用配管21aを流れる高温
の冷媒から吸熱して蒸発してガス冷媒となる。その後、
このガス冷媒は第3バイパス管26・アキュームレータ
19・吸込配管10を通して圧縮機4に返流され、再
度、高温高圧のガス冷媒となって、上記の経路を循環す
る。
は、容器用熱交換器5およびシリンダ用熱交換器6を通
過後、補助熱交換器21の第1熱交換用配管21aおよ
び主熱交換器15の熱交換用冷媒配管15aにて冷媒の
凝縮が生じ、さらに第3液支管16cの定圧膨張弁24
において所定の圧力(約5kg/cm2 )になるように
減圧される。定圧膨張弁24は、前記したように、流入
圧に関係なく流出圧が一定になるように減圧するので、
例えば、夏期に周囲温度の上昇に伴って圧縮機4からの
吐出圧が上昇した場合でも、この定圧膨張弁24を通過
した後の冷媒圧力を一定にして圧縮機4へ返流させるこ
とができる。この結果、圧縮機4は、通常の使用圧力範
囲内の運転状態で運転されるので、周囲温度が上昇した
場合であっても過負荷状態となることがなく、また、吸
入圧が安定することにより吐出圧も安定的に上昇するた
め、容器1およびシリンダ2に安定的に高温ガス冷媒を
供給することが可能となる。
上記従来の構成では加熱運転開始後まもなくすると、図
3のグラフaないしcに示したように、バイパス管の開
弁に伴って吐出圧が一瞬落ち込むような変化を生じてい
たが、本実施例の構成では、同図に2点鎖線で示すグラ
フdから明らかなように、加熱運転の開始時点から圧縮
機4の吐出圧が落ち込むことなく上昇し続けると共に、
吐出圧が安定するまでに要する時間を安定的に短縮する
ことが可能となっている。
4は圧縮機4の吸込側に接続されており、この結果、水
配管38に介設されている開閉弁39は自動的に開閉制
御される。このため、主熱交換器15への不要な水の循
環は停止されるので、運転経費を低減することができ
る。
弁24を用いる替わりに、例えば、補助熱交換器21の
第1熱交換用配管21aから第2熱交換用配管21bへ
接続されるバイパス管を設け、さらにこのバイパス管を
複数に分岐させ、これらの各分岐管に減圧比が互いに異
なるキャピラリチューブをそれぞれ設け、上記バイパス
管に流入する冷媒圧力を検知して、流入する冷媒圧力が
高くなるほど減圧比が大きいキャピラリチューブを通過
するように冷媒の流れを制御するスイッチおよび電磁弁
等を設けることにより、上記バイパス管を通過した後の
冷媒圧力を一定にする構成も考えられるが、この構成で
は、複数のキャピラリチューブ、上記したスイッチおよ
び電磁弁等の多くの部品を必要とするのに対し、本実施
例で説明した定圧膨張弁24を用いた構成は、部品点数
が少なくて済むため、装置の小型化が図れると共に、装
置の製作費の高騰を抑えることが可能となるという利点
がある。
するときには、第1熱交換用配管21a内で、例えば凝
縮圧力約18kg/cm2 に対応する温度45℃程度で
凝縮が生じるように条件設定をして、圧縮機4からは1
00〜120℃程度の高温ガス冷媒の吐出状態とするこ
とができる。この結果、容器用熱交換器5およびシリン
ダ用熱交換器6に充分に高温のガス冷媒を供給して、こ
れら容器1およびシリンダ2を前述の殺菌温度を超える
温度まで加熱することが可能である。そして、圧縮機4
は通常の使用圧力範囲内の運転状態で保持されるので、
それまで冷却されていた容器1およびシリンダ2を急速
に昇温させて、殺菌処理に要する時間を短縮できるとと
もに、所要の時間以上にわたって安定良く容器1および
シリンダ2に高温ガス冷媒を供給して加熱することがで
きる。
凝縮と蒸発とは、第1熱交換用配管21aおよび第2熱
交換用配管21bをそれぞれ流れる冷媒間の熱の授受で
生じるようになっているので、空気式熱交換器や水熱交
換器で互いに別体の凝縮器や蒸発器として構成する場合
に比べ、例えば送風ファンや、水配管・水循環用機器等
を設ける必要がなく、このため、構成が簡素になって小
形化し得ると共に、運転経費を低減することができる。
また、気温、或いは気温に伴って変化する水温による熱
交換能力への影響が少なくなるので、加熱運転をより安
定したものとすることができる。さらに、例えば空気式
熱交換器で構成した場合のファンの駆動に伴う騒音がな
く、このため、より低騒音の装置となる。
のではなく、例えば上記実施例では、主熱交換器15を
水熱交換器で構成した例を挙げて説明したが、この主熱
交換器を、空気との熱交換を行う空気式熱交換器で構成
することも可能である。この場合、圧縮機4の吐出圧力
に応じて主熱交換器内のファンの運転を圧力または温度
で制御することにより、安定したサイクルの作動を保持
できると共に、ファンでの消費電力の節減を図ることが
できる。また、加熱運転時にガス冷媒が補助熱交換器2
1の第1熱交換用配管21aおよび主熱交換器15の熱
交換用冷媒配管15aで凝縮されて定圧膨張弁24へ流
入する構成を説明したが、加熱運転時にはガス冷媒が主
熱交換器15を通過せずに上記第1熱交換用配管21a
のみで凝縮された後に定圧膨張弁24へ流入するような
構成としても良い。さらに、上記実施例で説明したキャ
ピラリチューブ18a・18bの替わりに、例えば手動
膨張弁、温度式膨張弁、定圧膨張弁、フロート膨張弁等
の膨張弁を用いることもできる。
冷菓の原料を貯蔵する容器および冷菓を製造するシリン
ダと、熱媒体を加圧して吐出する圧縮機と、上記熱媒体
と上記容器およびシリンダの各々との間で熱交換を行わ
せる容器用熱交換器およびシリンダ用熱交換器と、内部
を各々流れる熱媒体間で熱交換が生じるように互いに配
設された第1および第2の熱交換用配管を有する第1媒
体熱交換器と、熱媒体を圧縮機の設定吸入圧の範囲内の
所定の圧力に減圧して断熱膨張させる圧力調整手段と、
内部を流れる熱媒体の熱交換を行う第2媒体熱交換器と
が設けられ、これらが、加熱運転時に、圧縮機から吐出
された熱媒体を、容器用熱交換器およびシリンダ用熱交
換器の各々から、第1媒体熱交換器の第1熱交換用配管
を介して第2媒体熱交換器に流入させ、該第2媒体熱交
換器からさらに、圧力調整手段、および第1媒体熱交換
器の第2熱交換用配管に順次経由させて圧縮機へ返流さ
せる媒体循環経路を形成する配管によって相互に接続さ
れている構成である。
響を抑制し、圧縮機の負荷を増大させることなく容器や
シリンダを殺菌温度以上に加熱する運転を安定して行う
ことができる。さらに、熱媒体が第2熱交換用配管に流
入する前に、熱媒体を完全に凝縮させることをも可能と
なる。また、部品点数をより少なくすることができるた
め、加熱運転時の制御を簡略化できると共に、装置の小
型化および製作費の高騰の抑制が可能となるという効果
を奏する。
回路図である。
る。
の吐出圧の変化の様子と、本発明の一実施例の冷菓製造
機における加熱運転時の圧縮機の吐出圧の変化の様子と
を対比させて示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】冷菓の原料を貯蔵する容器および冷菓を製
造するシリンダと、熱媒体を加圧して吐出する圧縮機
と、上記熱媒体と上記容器およびシリンダの各々との間
で熱交換を行わせる容器用熱交換器およびシリンダ用熱
交換器と、内部を各々流れる熱媒体間で熱交換が生じる
ように互いに配設された第1および第2の熱交換用配管
を有する第1媒体熱交換器と、熱媒体を圧縮機の設定吸
入圧の範囲内の所定の圧力に減圧して断熱膨張させる圧
力調整手段と、内部を流れる熱媒体の熱交換を行う第2
媒体熱交換器とが設けられ、これらが、加熱運転時に、
圧縮機から吐出された熱媒体を、容器用熱交換器および
シリンダ用熱交換器の各々から、第1媒体熱交換器の第
1熱交換用配管を介して第2媒体熱交換器に流入させ、
該第2媒体熱交換器からさらに、圧力調整手段、および
第1媒体熱交換器の第2熱交換用配管に順次経由させて
圧縮機へ返流させる媒体循環経路を形成する配管によっ
て相互に接続されていることを特徴とする冷菓製造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7074780A JP2733033B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 冷菓製造機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7074780A JP2733033B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 冷菓製造機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08266226A JPH08266226A (ja) | 1996-10-15 |
JP2733033B2 true JP2733033B2 (ja) | 1998-03-30 |
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ID=13557155
Family Applications (1)
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JP7074780A Expired - Fee Related JP2733033B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 冷菓製造機 |
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JP (1) | JP2733033B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
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---|---|---|---|---|
JP2542938B2 (ja) * | 1989-12-20 | 1996-10-09 | 三洋電機株式会社 | 冷菓製造装置 |
JPH0822214B2 (ja) * | 1989-12-20 | 1996-03-06 | 三洋電機株式会社 | 冷菓製造装置 |
JP3108173B2 (ja) * | 1991-12-26 | 2000-11-13 | 三洋電機株式会社 | 冷菓製造装置 |
JP2549231B2 (ja) * | 1992-09-14 | 1996-10-30 | 日世冷機株式会社 | 冷菓製造機 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7074780A patent/JP2733033B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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