JP2732169B2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、所定の組合わせにより
大入賞口を開放させる図柄組合わせ表示装置を備えたパ
チンコ機に関する。

【０００２】

【従来の技術】予め定められた種々の図柄を変動表示す
る複数の図柄表示部によって構成され、球検知装置を備
えた始動ゲートを遊技球が通過すると、球検知装置から
の球検知信号に基づいて各図柄表示部が図柄変動を開始
し、停止して種々の組合わせの図柄を表示する図柄組合
わせ表示装置を備えたものは、種々提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上述の図柄組
合わせ表示装置にあっては、その図柄表示部の表示が所
定の組合わせとなる直前の、いわゆる「リーチ」となっ
た場合に、最後の図柄表示部の図柄変動速度を低速とし
て、その期待感を高めるようにした構成が提案されてい
る。

【０００４】本発明は、さらにリーチの期待感を高める
と共に、意外性のある構成を提供してパチンコ遊技の興
趣を増大することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、図柄組合わせ
表示装置の図柄表示部のうちいずれかを最後に図柄停止
させると共に、最後に図柄停止する図柄表示部以外の図
柄表示部が所定の組合わせ図柄となったときに、最後に
図柄停止する図柄表示部の図柄を、あらかじめ定められ
た複数の変動速度のうちいずれかを抽選して、該変動速
度で所定コマ数変動させた後、再度変動速度を抽選して
次の変動速度を決定する過程を繰り返してなる変動行程
により不定変動させる制御指令手段を具備したことを特
徴とするものである。

【０００６】さらにはこのように最後に図柄停止する図
柄表示部の図柄変動速度を不定変動させる制御指令手段
を具備したものにおいて、前記図柄変動速度の速度変化
に同期して効果音が変わる音処理手段を具備したことを
特徴とするものである。

【０００７】

【作用】遊技球が始動口を通過すると、図柄組合わせ表
示装置が駆動して、各図柄表示部の図柄が始動し、図柄
停止して、種々の組合わせの図柄を表示する。そしてこ
のとき最後の図柄表示部にあっては、先に図柄停止した
図柄表示部の組合わせが所定の場合には、いわゆるリー
チとなって、最後に図柄停止する図柄表示部が不定変動
行程に移行する。すなわち、あたかも図柄停止しそうに
なったと思いきや、再び別異の速度で図柄変動するとい
うスリルに富んだ興趣ある変化を生ずることとなる。

【０００８】また図柄組合わせ表示装置が二つの図柄表
示部により構成した場合には、同じく、リーチとなった
ときに同様の作動を生ずる。尚、このリーチ状態は、特
定の図柄組合わせの場合にのみ大当りを生ずる場合に
は、先に停止した図柄が当該特定図柄の場合にのみリー
チ状態となり、最後に図柄停止する図柄表示部が不定変
化することとなる。また、同一図柄である場合には常に
大当りとなる場合にあっては、先の図柄が停止すれば全
てリーチ状態となるから、最後に図柄停止する図柄表示
部は常に不定変動することとなる。

【０００９】かかる構成にあって、前記図柄変動速度の
速度変化に同期して効果音が変わる音処理手段を具備し
た場合には、速度変化に効果音が追従して変化すること
となり、ダイナミックな変動態様を生ずることとなる。

【００１０】

【実施例】添付図面について本発明の一実施例を説明す
る。図１は、パチンコ機１の正面図であって、その機枠
２の図示しない下部には玉受皿と、玉発射用の回転式ハ
ンドル等が設けられる。遊技盤３の盤面中央には、図２
で拡大して示すように装着ケース（図示せず）の前部に
固定されたセンターケース４が配設され、該センターケ
ース４内に図柄組合わせ表示装置６を構成する三個の表
示部７ａ，７ｂ，７ｃが横方向に並成され、センターケ
ース４の中央に形成した窓孔５から透孔板５ａを介して
表示部７ａ，７ｂ，７ｃを視認し得るようにしている。

【００１１】またセンターケース４の窓孔５下には四個
のパイロットランプからなる待機記録ランプ列１１が設
けられ、さらに窓孔５上には、普通図柄表示器１０が配
設される。

【００１２】前記図柄表示部７ａ，７ｂ，７ｃ及び普通
図柄表示器１０はＬＥＤ又は液晶によって構成され、図
柄表示部７ａ，７ｂ，７ｃは、「０」〜「９」，
「Ａ」，「Ｊ」，「Ｌ」…等、数字及びアルファベット
からなる図柄が表示され、普通図柄表示器１０は夫々
「３」，「５」，「７」の図柄を変動表示する。

【００１３】また、センターケース４の両側には、光電
スイッチ、リミットスイッチ等により構成される球検知
装置（図示せず）を備えた普通図柄表示器１０を遊技球
の流入により駆動する始動ゲート１３，１３が設けら
れ、遊技球の通過により該球検知装置による球検知信号
が発生すると、普通図柄表示器１０が図柄変動し、その
停止図柄の数字が「７」であると、センターケース４の
直下位置に配設した入賞口開閉装置１５の開閉翼片対１
６，１６が約５．８秒間開放する。

【００１４】この入賞口開閉装置１５はその上部を始動
口１４として、図柄組合わせ表示装置６を駆動して表示
部７ａ，７ｂ，７ｃを図柄変動表示するものとして設け
られているものであり、その開閉翼片対１６，１６の起
立状態で、始動口１４からの遊技球の落入のみを有効と
する閉鎖位置と、開閉翼片対１６，１６が逆八形傾動し
てその側方をも始動口として、内部へ遊技球を案内する
開放位置とに電気的駆動手段を介して変換制御されるも
のである。

【００１５】そして前記入賞口開閉装置１５内の玉流路
には光電スイッチ、リミットスイッチ等により構成され
る球検知スイッチが備えられ、該球検知スイッチによる
玉通過検知に伴って、図柄組合わせ表示装置６を駆動す
ると共に、連続的に通過した場合には、待機記録ランプ
列１１が順次点灯し最高四回まで保留される。またこの
作動と共に、遊技球の通過に伴って所定数の景品球が提
供される。

【００１６】前記入賞口開閉装置１５のさらに下方に
は、幅広の特別入賞口２３を備えた入賞装置２２が配設
されている。この入賞装置２２は、蓋体２４をソレノイ
ドにより前後方向に開放することにより、該蓋体２４の
案内作用により、特別入賞口２３に遊技球を案内する公
知構成からなり、前記特別入賞口２３の中央部を特定領
域２３ａとして、後述するように該特定領域２３ａに遊
技球が入ると、連続開放作動を生ずるようにしている。

【００１７】次に図柄組合わせ表示装置６の作動につき
説明する。前記始動口１４又は開放された入賞口開閉装
置１５の側方から遊技球が流入すると、景品球の供給と
共に図柄組合わせ表示装置６が駆動する。尚、連続的に
通過した場合には、上述のように待機記録ランプ列１１
が順次点灯し最高四回まで保留される。

【００１８】そして図柄組合わせ表示装置６が駆動する
と、図柄表示部７ａ，７ｂ，７ｃは図柄変動を開始し、
約５秒程度経過すると、図柄表示部７ａ，７ｂ，７ｃの
順番に図柄変動が図柄停止する。この停止図柄は、前記
始動口１４への入賞に伴って、あらかじめ乱数表を選択
することによりその変動を生ずる前にあらかじめ決定さ
れている。

【００１９】このとき図柄表示部７ａと図柄表示部７ｂ
の図柄が一致した場合にはいわゆるリーチ状態となり、
図柄表示部７ｃが不定変動する。すなわち図柄表示部７
ａ，７ｂ，７ｃの表示図柄は16個あって、循環順序はあ
らかじめ定められている。そこで図柄表示部７ｃはその
順序に従って、所定の停止図柄となるまで不定変動する
こととなる。

【００２０】この不定変動行程は、図３で示す中央制御
装置ＣＰＵ等からなる制御指令手段により実行されるも
のであって、次のステップに基づいて行われる。すなわ
ち、図柄表示部７ａ，７ｂが停止して同一図柄となる
と、図のように中央制御装置ＣＰＵ内のリフレッシュカ
ウンターの下位２ビットを抽選することにより、その四
値に対応してあらかじめ決定された変動速度とコマ数が
選定される。そしてかかる手段を図３の乱数発生手段と
している。

【００２１】この四値と、変動速度及びコマ数の関係
は、例えば、「０」値の場合には244.101mS で12コマの
変換、「１」値の場合には488.202mS で 6コマの変換、
「２」値の場合には732.303mS で 4コマの変換、「３」
値の場合には976.404mS で 3コマの変換とする等のよう
に決定されている。ここで、変動速度が早い場合にはコ
マ数を多くし、遅い場合にはコマ数を少なくして一サイ
クル消化時間をほぼ等しくしている。そして、当該コマ
数が変動終了後、再度抽選して次の変動速度とコマ数を
決定し、この過程を繰り返しながら、あらかじめ乱数発
生手段により決定された停止図柄となるまで16個を一巡
とする所定順序に従って変動する。しかもその最小時間
を例えば5858.424mSとしている。すなわち、この最小時
間が経過しない間は、何度も再抽選されることとなる。

【００２２】このように、この所定最小時間内では常に
更新されて、再抽選される。そして該所定最小時間後に
既に決定された停止図柄になると、図柄変動が停止さ
れ、図柄表示部７ｃに当該停止図柄が表示されることと
なる。

【００２３】これを一例をあげて説明すると、図柄表示
部７ｃの既に乱数表で決定された停止図柄（遊戯者はこ
の値を知らない）が「７」とすると、5858.424mSの直前
で一サイクルを消化して「８」で停止した場合には、再
び「９」から出発し、次の「７」になって停止すること
となる。従って、所定時間経過後に、抽選器で「０」が
出た場合には、12コマ進行して「５」で停止し、さらに
抽選器で「２」がでたとすると、その途中の「７」で停
止することとなる。そして、この場合にはリーチになっ
てから図柄表示部７ｃが停止するまでの時間（総所要時
間）は、5858.424mS＋244.101mS ×12＋732.303mS ×2
＝10252.242mS となる。このとき、図柄表示部７ａ，７
ｂの停止図柄が夫々「７」であった場合には、大当りと
なって、後述する作動が実行されることとなる。

【００２４】これらの関係を表にまとめると次のように
なる。

【表１】

【００２５】ここで、例えば「０」のときの最大時間
は、5858.424mS＋244.101mS ×16=9764.040mS となる。
これは、所定最小時間経過後に連続して「０」が抽選さ
れ、しかも既に乱数表で決定された停止図柄を例えば
「７」とすると、最小時間消化直前で「７」で停止し、
16個を一巡として、次の「７」に到達するまでの時間を
意味する。

【００２６】これらの各制御は図３で示すように中央制
御装置ＣＰＵにより構成される制御指令手段により実行
されることとなる。

【００２７】このように、図柄表示部７ａ，７ｂの停止
図柄が一致した後、図柄表示部７ｃが、あらかじめ決定
された停止図柄で停止する間に、種々の変動を繰り返し
て、所定時間経過後に停止することとなる。このため、
遊戯者は、大当りになる期待感が翻弄され、かつ意外性
を生じてスリルに満ちたものとなって、パチンコ遊戯の
興趣を増大し得ることとなる。

【００２８】以上は、三つの図柄表示部７ａ，７ｂ，７
ｃを適用したものであるが、図４のように二つの図柄表
示部３１ａ，３１ｂにより構成した図柄組合わせ表示装
置３０を適用することもできる。この場合には、例え
ば、図柄表示部３１ａ，３１ｂが「７．７」，「３．
３」のように、特定の組合わせの場合に、大当りとする
構成にあっては、前記図柄表示部３１ａが、「７」又は
「３」となった場合に、リーチ状態として、図柄表示部
３１ｂを既に決定された停止図柄で停止するまで、不定
変動させるようにする。その作動は上述の通りであり説
明を省略する。

【００２９】また図柄表示部３１ａ，３１ｂがいずれの
図柄でも、同一図柄のときに大当りとなるようにした場
合には、図柄表示部３１ａの停止と共に、常にリーチ状
態となるものであるから、この場合には、図柄表示部３
１ｂは、常に上述した不定変動を生ずるようにする。

【００３０】上述した図柄表示部７ｃ，３１ｂの不定変
動に対応して、音楽をその速度変化に対応するものに変
換するようにしても良い。これは図３に示すように中央
制御装置ＣＰＵに接続されたスピーカーを制御する音処
理装置により実行される。すなわち、この音処理装置は
夫々異なる四種類の音声情報をあらかじめ格納してお
き、図３で示すように中央制御装置ＣＰＵに内蔵された
リフレッシュカウンターの下位２ビットの抽選結果に対
応して、この音声情報のいずれかを選択する構成によっ
て容易に具体化され得る。

【００３１】そして、かかる音声情報は、例えば、前記
抽選の値が変化すると、同一の曲でリズムを変化させた
り、またはリズムの異なる異なった曲を選定するように
する。そしてこれにより、図柄表示部７ｃ，３１ｂの変
動速度が早くなれば、同一曲でリズムを早くするか、又
はリズムの早い音楽に切り換える。またはリズムは同一
で、音量が速度増加に伴って大きくなるようにしても良
い。このほか、全く関係を逆とする等種々の効果音の変
動態様があり得る。而して、図柄表示部７ｃ，３１ｂの
変動速度の変化に追従して、この効果音を変化させるこ
とにより、一層、遊戯者の高揚感を視覚のみならず聴覚
によっても盛り上げることができる利点を生ずる。

【００３２】そして図柄表示部７ｃが図柄停止して図柄
表示部７ａ，７ｂ，７ｃが例えば「１，１，１」、
「２，２，２」、「３，３，３」、「４，４，４」、
「Ａ，Ａ，Ａ」等、数字又はアルファベットからなる図
柄が同一となった場合には、「大当り」となって報知装
置がファンファーレを発すると共に、入賞装置２２のソ
レノイドが駆動して、蓋体２４が前方に傾動して特別入
賞口２３が開放する。この入賞装置２２にあっては、特
定領域２３ａを通過したときは連続駆動し、その開放動
作終了後に再び特別入賞口２３が開放する。

【００３３】

【発明の効果】本発明は、図柄組合わせ表示装置の図柄
表示部のうちいずれかを最後に図柄停止させると共に、
いわゆるリーチ状態のときに、最後に図柄停止する図柄
表示部の図柄変動速度を不定変動させるようにしたか
ら、遊技者は、大当りになる期待感が翻弄され、かつ意
外性を生じてスリルに満ちたものとなって、パチンコ遊
戯の興趣を増大し得る。また、前記図柄変動速度の速度
変化に同期して効果音が変わるようにした場合には、速
度変化に効果音が追従して変化することとなり、ダイナ
ミックな変動態様を生ずることとなる等の優れた効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパチンコ機１の機枠２を示す正面図で
ある。

【図２】本発明の図柄組合わせ表示装置６の正面図であ
る。

【図３】中央制御装置ＣＰＵを示すブロック回路図であ
る。

【図４】本発明の図柄組合わせ表示装置３０の正面図で
ある。

【符号の説明】

１ パチンコ機 ６ 図柄組合わせ表示装置 ７ａ，７ｂ，７ｃ 図柄表示部 １４ 始動口 １５ 入賞口開閉装置 ２２ 入賞装置 ２３ 特別入賞口 ３０ 図柄組合わせ表示装置 ３１ａ，３１ｂ 図柄表示部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定められた種々の図柄を変動表示す
   る複数の図柄表示部によって構成され、球検知装置を備
   えた始動口を遊技球が通過すると、球検知装置からの球
   検知信号に基づいて各図柄表示部の表示図柄が変動を開
   始し、停止して種々の組合わせの図柄を表示する図柄組
   合わせ表示装置を備えたものにあって、 図柄組合わせ表示装置の図柄表示部のうちいずれかを最
   後に図柄停止させると共に、最後に図柄停止する図柄表
   示部以外の図柄表示部が所定の組合わせ図柄となったと
   きに、最後に図柄停止する図柄表示部の図柄を、あらか
   じめ定められた複数の変動速度のうちいずれかを抽選し
   て、該変動速度で所定コマ数変動させた後、再度変動速
   度を抽選して次の変動速度を決定する過程を繰り返して
   なる不定変動行程により変動させる制御指令手段を具備
   したことを特徴とするパチンコ機。
2. 【請求項２】 予め定められた種々の図柄を変動表示す
   る複数の図柄表示部によって構成され、球検知装置を備
   えた始動口を遊技球が通過すると、球検知装置からの球
   検知信号に基づいて各図柄表示部の表示図柄が変動を開
   始し、停止して種々の組合わせの図柄を表示する図柄組
   合わせ表示装置を備えたものにあって、 図柄組合わせ表示装置を二つの図柄表示部により構成し
   て、これを順次図柄停止させると共に、常に又は先に図
   柄停止した図柄表示部の表示図柄が特定の場合に、最後
   に図柄停止する図柄表示部の図柄を、あらかじめ定めら
   れた複数の変動速度のうちいずれかを抽選して、該変動
   速度で所定コマ数変動させた後、再度変動速度を抽選し
   て次の変動速度を決定する行程を繰り返してなる不定変
   動行程により変動させる制御指令手段を具備したことを
   特徴とするパチンコ機。
3. 【請求項３】 最後に図柄停止する図柄表示部の図柄変
   動速度を不定変動させる制御指令手段を具備した請求項
   １又は請求項２記載のパチンコ機において、前記図柄変
   動速度の速度変化に同期して効果音が変わる音処理手段
   を具備したことを特徴とするパチンコ機。