JP2731862B2 - 持続性製剤用組成物およびその製造法 - Google Patents

持続性製剤用組成物およびその製造法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、腸における溶解度が低いため持続性製剤化
が困難であった難溶性塩基性薬物またはその塩の持続性
製剤用組成物およびその簡便な製法に関する。
而して、本発明の目的は、結晶性の難溶性塩基性薬物
またはその塩、高級脂肪酸、腸溶性高分子および界面活
性剤からなる持続性製剤用組成物並びにその簡便な製法
を提供することにある。
[従来の技術] 腸における溶解度が極めて低い難溶性塩基性薬物また
はその塩は、そのままでは、持続性製剤に使用するには
適していない。そこで、こうした問題を解決するために
いくつかの文献が知られている。たとえば、特公昭59−
48810号には、難溶性塩基性薬物の1つであるニカルジ
ピンを、ボールミル粉砕または振動ボールミル粉砕する
ことにより無定形化し、腸管吸収を改善した持続性組成
物が記載されている。さらに、特開昭56−49314号、同5
8−116414号および同63−174929号には、ニカルジピン
の有機溶媒溶液にある種の高分子物質を添加した後、担
体の存在下に噴霧乾燥、吸着またはコーティングを行う
ことを特徴とする無定形ニカルジピンを含む持続性製剤
が記載されている。これらはいずれもニカルジピンを無
定形化して用いる点に特徴がある。
このように難溶性塩基性薬物の1つであるニカルジピ
ンでは、無定形ニカルジピンを持続性製剤に用いること
が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、一般に無定形化された薬剤を含有する製剤に
は総じて、長期的な物性の安定性、製造の繁雑さおよび
経済性に問題がある。具体的には、無定形ニカルジピン
の製造はきわめて煩雑で、かつ、薬物の結晶化による溶
出性の変化や薬物の安定性などの問題がある。たとえ
ば、ボールミル粉砕によって無定形化を行う場合、ボー
ルと結晶との衝突が無定形化の律速段階であるから、か
なりの長時間を要する上、残存結晶が種晶となって結晶
化が起こるおそれがある。また、溶媒除去法によって無
定形化を行う場合、製品中の残留溶媒を減少させるため
長時間を要する乾燥工程が必要なほか、除去される溶媒
による環境汚染にも配慮する必要があるなど、繁雑で不
経済である。また、長期間にわたって無定形状態の維持
をはかるため、薬物と相溶性のある高分子を数倍添加す
るのが通常であり、その結果不必要に製剤のサイズが大
きくなるなどの欠点もある。さらにこれらの無定形ニカ
ルジピン製剤には、薬物の適切な放出制御性を持たせる
ために種々の添加物が加えられているが、その多くは医
薬製剤分野で繁用される高分子であり、通常これらは水
分を含んでいる。この水分が無定形化合物の化学的安定
性や無定形状態の維持に大きな影響を及ぼすことは当業
者には周知の事実である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはかかる従来技術の欠点を解決することを
目的として鋭意検討した結果、結晶性の難溶性塩基性薬
物またはその塩、結晶性の難溶性塩基性薬物またはその
塩に対してそれぞれ重量比で0.3〜16倍の高級脂肪酸、
0.3〜16倍の腸溶性高分子および0.002〜2倍の界面活性
剤を練合した後、粉砕、ついで、整粒することにより、
きわめて簡便に、安定で持続放出性に優れた難溶性塩基
性薬物の持続性製剤用組成物が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
つぎに、本発明について詳述する。
本発明における結晶性の難溶性塩基性薬物とは、遊離
塩基またはその酸付加塩の人工腸液(日本薬局方第11改
正、崩壊試験法に記載されている第2液)に対する溶解
度が0.1〜300μg/ml程度であり、かつ酸付加塩を形成す
る塩基性基を有する薬物を意味し、たとえば、結晶性の
ニカルジピン、ジピリダモール、ジルチアゼム、ジアゼ
パム、ケトチフェン、ジソピラミド、クロルフェニラミ
ンおよびジフェンヒドラミンなどが挙げられる。酸付加
塩を形成する酸としては、医薬として許容される酸であ
れば特に限定されないが、たとえば、硫酸、塩酸および
リン酸などの無機酸;メタンスルホン酸およびp−トル
エンスルホン酸などのスルホン酸;並びにクエン酸、フ
マル酸およびマレイン酸などの有機酸などが挙げられ
る。
また、構造上は両性物質であるが、酸性基の解離定数
が小さく,事実上塩基のような物性を示し、その酸付加
塩および両性物質の人工腸液(日本薬局方第11改正、崩
壊試験法に記載されている第2液)に対する溶解度が0.
1から300μg/ml程度である薬物、たとえば、トスフロキ
サシンのようなピリドンカルボン酸系薬物にも本発明を
適用できる。
本発明で用いられる高級脂肪酸としては、炭素数12〜
22の高級脂肪酸であればすべて使用することができ、た
とえば、直鎖飽和脂肪酸、直鎖不飽和脂肪酸、オキシ脂
肪酸および分岐脂肪酸などが挙げられ、また、これらを
必要に応じて1種または2種以上組み合わせて用いても
よい。具体的には、直鎖飽和脂肪酸としては、たとえ
ば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキン酸およびベヘン酸などが;直鎖不飽和
脂肪酸としては、たとえば、ドデセン酸、ミリストレイ
ン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、エイコセン酸、鯨油酸およびエイコサトリエ
ン酸などが;オキシ脂肪酸としては、たとえば、リシノ
ール酸およびジオキシステアリン酸などが;並びに分枝
脂肪酸としては、たとえば、メチルパルミチン酸などが
挙げられる。これらの高級脂肪酸のうち、常温で固体の
炭素数12〜18の高級脂肪酸が好ましい。
本発明で用いられる腸溶性高分子としては、たとえ
ば、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、
メタクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー、セルロ
ースサクシネート類、セルロースフタレート類およびカ
ルボキシメチルセルロース類などが挙げられ、また、こ
れらを必要に応じて1種または2種以上組み合わせて用
いてもよい。具体的には、メタクリル酸−メタクリル酸
エステルコポリマーとしては、メタクリル酸−メタクリ
ル酸メチルコポリマー(商品名:オイドラギットS−10
0)などが;メタクリル酸−アクリル酸エステルコポリ
マーとしては、たとえば、メタクリル酸−アクリル酸メ
チルコポリマー(商品名:オイドラギットL−100)お
よびメタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー(商品
名:オイドラギットL−100−55)(以上、ローム・ア
ンド・ファーマ社製などが;セルロースサクシネート類
としては、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースアセテートサクシネート(商品名:AQOAT)などが;
セルロースフタレート類としては、たとえば、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP−5
5およびHP−50)(以上信越化学社製)などが;並びに
カルボキシメチルセルロース類としては、たとえば、カ
ルボキシメチルエチルセルロース[商品名:CMEC(フロ
イント産業社製)]などが挙げられる。
本発明で用いられる界面活性剤としては、アニオン
性、非イオン性、カチオン性および両性の界面活性剤が
挙げられ、また、これらを必要に応じて1種または2種
以上を組み合わせて用いてもよい。具体的には、アニオ
ン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリル硫酸ナト
リウム(商品名:NIKKOL SLS)およびポリオキシエチレ
ン(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム(商品名:N
IKKOL DLP−10)(以上、日光ケミカルズ社製)など
が;非イオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオ
キシエチレン(40)モノステアレート(商品名:NIKKOL
MYS−40)、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテ
ル(商品名:NIKKOL BL−9EX)、ポリオキシエチレン(2
0)ソルビタンモノオレエート(商品名:NIKKOL TO−1
0)(以上、日光ケミカルズ社製)およびポリオキシエ
チレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
[商品名:PEP101(フロイント産業社製)]などが;カ
チオン性界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリ
ルトリメチルアンモニウム[商品名:NIKKOL CA−2465
(日光ケミカルズ社製)]などが;並びに両性界面活性
剤としては、たとえば、レシチンおよびラウリルジメチ
ルアミノベタイン[商品名:NIKKOL AM−301(日光ケミ
カルズ社製)]などが挙げられる。これらの界面活性剤
のうち、非イオン性界面活性剤が好ましい。
つぎに、本発明の持続性製剤用組成物の製法について
説明する。
本発明の代表的な製法における実施態様は、粉砕した
結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩、結晶性の難溶
性塩基性薬物またはその塩に対してそれぞれ重量比で0.
3〜16倍の高級脂肪酸、0.3〜16倍の腸溶性高分子および
0.002〜2倍の界面活性剤を練合した後、当該分野で知
られる粉砕、ついで、整粒することによって持続性製剤
用組成物を得るものである。この際、好ましい態様とし
ては、常温で固体の炭素数12〜18の高級脂肪酸を用い、
結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩、該高級脂肪
酸、腸溶性高分子および界面活性剤を、該高級脂肪酸の
融点付近の温度に加熱し、そのものの溶融下に練合した
後、冷却して固化させ、ついでこれを粉砕、整粒して製
造する態様が挙げられる。
また、組成物全体をあらかじめ所望粒度に造粒した
後、転動状態下に加熱して高級脂肪酸を軟化、溶融さ
せ、持続性製剤を得ることもできる。
高級脂肪酸が常温で液体の場合は吸油性の賦形剤、た
とえば、軽質無水ケイ酸などを加えて固形化をはかるこ
とによって持続性製剤用組成物を得ることができる。
なお、結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩の粉砕
は、大きな結晶粒子が混入するのを防ぐためであり、特
に微粉砕は必要なく、ハンマー型粉砕機で達成される通
常の粒度が得られればよい。
また、冷却後の粉砕は、整粒の目的で通常使用される
粉砕機、トーネードミルまたはフラッシュミルなどを使
用することができる。
つぎに、配合量について説明する。
以下に記す配合比は、組成物全体に占める該配合物の
重量比を表わす。
結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩の配合量は、
その薬物の薬効発現量や溶解度に合わせて任意に選択で
き、通常、全製剤に対して重量比で5〜50%、好ましく
は、10〜30%である。
高級脂肪酸および腸溶性高分子の配合量は、結晶性の
難溶性塩基性薬物またはその塩に対して、重量比でそれ
ぞれ0.3〜16倍、好ましくは、それぞれ1〜5倍であ
り、より好ましくは、高級脂肪酸1〜4倍、腸溶性高分
子1.3〜5倍である。高級脂肪酸を腸溶性高分子より多
く使用すると、日本薬局方第11改正、崩壊試験法に記載
されている第2液における溶出性の悪化や整粒後の粒子
同士の固着が見られる場合があるので、一般には高級脂
肪酸を腸溶性高分子より少な目に用いたほうがよい。ま
た、薬物が水分に不安定な場合はあらかじめ腸溶性高分
子を乾燥して使用することもできる。
なお、酸付加塩の薬物にアニオン性界面活性剤を組み
合わせると界面活性作用が低下するなど、配合上問題と
なることがあるので、薬物との組み合せを適宜選択して
使用する。
界面活性剤の配合量は、結晶性の難溶性塩基性薬物ま
たはその塩に対して重量比で0.002〜2倍、好ましく
は、0.016〜0.5倍である。
このようにして得られる組成物は、そのまま、あるい
は必要に応じて、持続放出性に影響をおよぼさない範囲
で、通常、持続性製剤用組成成分に用いられる乳糖など
の賦形剤、クエン酸トリエチルなどの可塑剤、ステアリ
ン酸マグネシウムなどの静電気防止剤並びにクエン酸お
よびフマル酸などの矯味剤などを1種または2種以上常
法によって添加することもできる。
加熱温度は、高級脂肪酸が軟化あるいは溶融して練合
状態が実現できれば特に制限はされないが、通常、40〜
90℃が好適である。
練合装置としては、ニーダーまたはヘンシェルミキサ
ーなどの通常の機械が使用できる。
このようにして得られる持続性製剤用組成物は、通常
知られているどのような剤形にも常法によって調製でき
るが、好ましい剤形としては、顆粒剤、細粒剤またはそ
れらをハードゼラチンカプセルなどに充填して得るカプ
セル剤などが挙げられる。
つぎに、本発明の持続性製剤用組成物からの難溶性塩
基性薬物の溶出、本発明持続性製剤用組成物の安定性お
よび血中濃度に関する試験について述べる。
(1)溶出試験 日本薬局方溶出試験法に記載されているパドル法(10
0rpm)で、実施例1〜13で得られた持続性製剤用組成物
の溶出試験を行った。具体的には、塩酸ニカルジピン10
mgを含む持続性製剤用組成物を、日本薬局方崩壊試験法
に記載されている第2液800mlに、37±0.5℃に保ちなが
ら添加し、添加10分後、30分後、1時間後、2時間後お
よび3時間後に、それぞれサンプリングを行った。サン
プリング液をメンブランフィルター(0.3μm)で濾過
し、濾液1mlを分取した後、高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)法で塩酸ニカルジピンの含量を定量し、溶出
率を求めた。
その結果を、図1〜3に示す。
(2)安定性試験 実施例1の持続性製剤用組成物を表−1に示す条件下
で安定性試験を行った。
(3)ビーグル犬経口投与実験 ビーグル犬(雄、体重9〜10Kg)を1群3匹用い、被
検持続性製剤用組成物を充填したカプセル剤を、一夜絶
食後、経口投与した。投与1,2,4,6および8時間後に、
それぞれ、前肢静脈より採血し、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)法で、塩酸ニカルジピンの含量を定量
し、ニカルジピンの血清中濃度を求めた。
その結果を、図−4に示す。
なお、実施例1の持続性製剤用組成物は、塩酸ニカル
ジピンとして200mg/匹を、実施例2,5および7は、塩酸
ニカルジピンとして100mg/匹を投与した。
これらの結果から、本発明組成物は人工腸液における
溶出性が優れており、またきわめて安定であり、さらに
また長時間に渡り安定した薬物の血中濃度を維持し持続
性製剤用組成物として優れていることが明らかである。
[実施例] つぎに本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、商品名が使用されているが、
それらの一般名は、つぎのとおりである。
腸溶性高分子; HP−55:ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(信越化学社製) AQOAT:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート
サクシネート(信越化学社製) CMEC:カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント
産業社製) オイドラギットL−100:メタクリル酸−アクリル酸メチ
ルコポリマー(ローム・アンド・ファーマ社製) 界面活性剤; NIKKOL MYS−40:ポリオキシエチレン(40)モノステア
レート(日光ケミカルズ社製) NIKKOL TO−10:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモ
ノオレエート(日光ケミカルズ社製) NIKKOL BL−9EX:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエ
ーテル(日光ケミカルズ社製) 実施例1. 83メッシュのふるいで篩過した塩酸ニカルジピン4g、
ステアリン酸7g、NIKKOL MYS−40 0.5gおよびHP−55 8.
5gを均一になるよう混合させる。ついで、この混合物を
約80℃まで加熱し、ステアリン酸の溶融下に練合する。
冷却、固化させた後、解砕して、30メッシュのふるいで
篩過し、83メッシュのふるい上に留まる粒度の持続性製
剤用組成物を得る。
実施例2. 腸溶性高分子として実施例1のHP−55 8.5gのかわり
に、オイドラギットL−100 8.5gを用いて実施例1と同
様に操作し、持続性製剤用組成物を得る。
実施例3. 高級脂肪酸として実施例2のステアリン酸7gのかわり
にラウリン酸7gを用いて、約50℃まで加熱し、実施例2
と同様に操作し、持続性製剤用組成物を得る。
実施例4. 高級脂肪酸として実施例1のステアリン酸7gのかわり
にパルミチン酸7gを用いて、約70℃まで加熱し、実施例
1と同様に操作し、持続性製剤用組成物を得る。
実施例5. 腸溶性高分子として実施例1のHP−55 8.5gのかわり
にAQOAT 8.5gを用いて、実施例1と同様に操作し、持続
性製剤用組成物を得る。
実施例6. 腸溶性高分子として実施例1のHP−55 8.5gのかわり
にCMEC 8.5gを用いて、実施例1と同様に操作し、持続
性製剤用組成物を得る。
実施例7. 界面活性剤として実施例5のNIKKOL MYS−40 0.5gの
かわりにNIKKOL TO−10 0.5gを用いて、実施例5と同様
に操作し、持続性製剤用組成物を得る。
実施例8. 界面活性剤として実施例5のNIKKOL MYS−40 0.5gの
かわりにNIKKOL BL−9EX 0.5gを用いて、実施例5と同
様に操作し、持続性製剤用組成物を得る。
実施例9〜13. 高級脂肪酸として、実施例2のステアリン酸7gのかわ
りに、表−5の高級脂肪酸を加えた後、さらに、表−5
の腸溶性高分子および界面活性剤を加え、実施例2と同
様に操作して、表−5に示す実施例9〜13の持続性製剤
用組成物を、それぞれ得る。
[発明の効果] 本発明の持続性製剤用組成物は組成の多くを水に難溶
性の高級脂肪酸が占めるため、製造に際して水や有機溶
媒を必要としないので薬物の安定性に問題がない。ま
た、コーティングなどの複雑な操作を必要としないの
で、再現性が高く、均質な結果が簡便に得られる。さら
に、本発明製法によれば、難溶性塩基性薬物を無定形に
変化させる必要がないため、ボールミル粉砕または溶媒
除去法のような無定形への操作に伴う欠点がない。
【図面の簡単な説明】
[図の説明] 図1〜3は実施例1〜13で得られた塩酸ニカルジピンの
持続性製剤用組成物の溶出試験の結果を示す。 図4は実施例1、2、5および7で得られた塩酸ニカル
ジピンの持続性製剤用組成物をビーグル犬に投与した場
合のニカルジピンの血清中濃度推移を示す。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩、
    結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩に対してそれぞ
    れ重量比で0.3〜16倍の高級脂肪酸、0.3〜16倍の腸溶性
    高分子および0.002〜2倍の界面活性剤からなる持続性
    製剤用組成物。
  2. 【請求項2】高級脂肪酸が炭素数12〜18の脂肪酸である
    特許請求の範囲第(1)項記載の持続性製剤用組成物。
  3. 【請求項3】腸溶性高分子がメタクリル酸−メタクリル
    酸エステルコポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エス
    テルコポリマー、セルロースサクシネート類、セルロー
    スフタレート類およびカルボキシメチルセルロース類か
    ら選ばれる1種または2種以上の腸溶性高分子である特
    許請求の範囲第(1)または(2)項記載の持続性製剤
    用組成物。
  4. 【請求項4】界面活性剤が非イオン性界面活性剤である
    特許請求の範囲第(1)〜(3)項いずれかの項記載の
    持続性製剤用組成物。
  5. 【請求項5】結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩が
    結晶性のニカルジピンまたはその塩である特許請求の範
    囲第(1)〜(4)項いずれかの項記載の持続性製剤用
    組成物。
  6. 【請求項6】持続性製剤用組成物の剤形が顆粒剤、細粒
    剤またはカプセル剤である特許請求の範囲第(1)〜
    (5)項いずれかの項記載の持続性製剤用組成物。
  7. 【請求項7】結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩、
    結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩に対してそれぞ
    れ重量比で0.3〜16倍の高級脂肪酸、0.3〜16倍の腸溶性
    高分子および0.002〜2倍の界面活性剤を練合した後、
    粉砕、ついで、整粒することを特徴とする持続性製剤用
    組成物の製法。
  8. 【請求項8】高級脂肪酸が炭素数12〜18の脂肪酸である
    特許請求の範囲第(7)項記載の持続性製剤用組成物の
    製法。
  9. 【請求項9】腸溶性高分子がメタクリル酸−メタクリル
    酸エステルコポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エス
    テルコポリマー、セルロースサクシネート類、セルロー
    スフタレート類およびカルボキシメチルセルロース類か
    ら選ばれる1種または2種以上の腸溶性高分子である特
    許請求の範囲第(7)または(8)項記載の持続性製剤
    用組成物の製法。
  10. 【請求項10】界面活性剤が非イオン性界面活性剤であ
    る特許請求の範囲第(7)〜(9)項いずれかの項記載
    の持続性製剤用組成物の製法。
  11. 【請求項11】結晶性の難溶性塩基性薬物またはその塩
    が結晶性のニカルジピンまたはその塩である特許請求の
    範囲第(7)〜(10)項いずれかの項記載の持続性製剤
    用組成物の製法。
  12. 【請求項12】持続性製剤用組成物の剤形が顆粒剤、細
    粒剤またはカプセル剤である特許請求の範囲第(7)〜
    (11)項いずれかの項記載の持続性製剤用組成物の製
    法。
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