JP2730995B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は冷蔵庫に関し、特に庫内を仕切り壁によって
２室に区画形成し、各室に夫々冷凍系の蒸発器を配設す
ると共に、本体の上部機械室には夫々の蒸発器と共に独
立した２系統の冷凍システムを構成するコンデンシング
ユニットを配設して成る冷蔵庫に関するものである。

（ロ）従来の技術 従来、庫内に仕切り壁を配設して冷凍室と冷蔵室とに
区画形成し、各室を冷却する一般的な方法は、例えば、
特公昭58−51180号公報に開示されるように、冷凍室の
冷気の一部を冷蔵室に供給して冷凍室と共に冷蔵室を冷
却する二温度式冷蔵庫に代表される。

斯かる冷却方法は、１系統の冷凍システムなので、特
に冷蔵室の温度制御が複雑になり、更に冷凍機が故障す
ると冷凍室及び冷蔵室共に冷却不良となる問題点を奏す
る。

そこで、考えられるのが独立した２系統の冷凍システ
ムを構成し、冷凍室及び冷蔵室を独立して冷却する方式
が好ましい。

（ハ）発明が解決しようとする課題 しかし、２系統の独立した冷凍システムを構成する場
合、特に本体の上部機械室にコンデンシングユニットを
並設することは、広い設置スペースを必要とし、コンデ
ンシングユニットだけのために全体が大型化したり、ま
た、大型冷蔵庫にしか採用することが困難であった。

そこで、本発明は斯かる技術に更に改良を加え、２系
統の独立した冷凍システムを構成するも、機械室に配設
される夫々のコンデンシングユニット、具体的にはコン
デンシングユニットの凝縮器の設置構造を改良して設置
スペースの縮小を図るものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、庫内を仕切り壁
によって２室に区画形成し、各室に夫々冷凍系の蒸発器
を配設すると共に、本体の上部機械室には前記夫々の蒸
発器と共に独立した２系統の冷凍システムを構成するコ
ンデンシングユニットを配設して成る冷蔵庫において、
前記コンデンシングユニットの凝縮器は、上段凝縮器と
下段凝縮器とより成り、夫々複数枚のフィン及び該フィ
ンに直交する冷媒管と、上段凝縮器の冷媒管及び下段凝
縮器の冷媒管の両端を支持する左右一対の管板にて構成
し、両管板には上段凝縮器のフィンと下段凝縮器のフィ
ンの境界部分に対応してスリットを形成して成る冷蔵庫
である。

（ホ）作用 本発明によると、両管板にスリットを形成したことに
より、上段凝縮器と下段凝縮器は橋絡部で繋がるように
なる。従って、橋絡部を切断することによって、上下の
凝縮器を分離することができる。

また、左右一対の管板によって上下に凝縮器を配置で
きるため、設置スペースが縮小される。

（ヘ）実施例 第１図は本発明の冷蔵庫の要部斜視図、第２図は同じ
く要部正面図、第３図は本発明の冷蔵庫の内部構成を示
す概要正面図、第４図は本発明の冷媒回路図を夫々示し
ており、（１）は断熱構造の冷蔵庫本体で、庫内は仕切
り壁（２）によって冷凍室（３）と冷蔵室（４）に区画
形成されている。

而して、本発明は第４図に示すように、電動圧縮機
（５）、凝縮器（６）、減圧装置としてのキャピラリー
チューブ（７）及び蒸発器（８）を環状に接続した冷凍
室用の第１の冷凍システム（９）と、電動圧縮機（1
0）、凝縮器（11）、減圧装置としてのキャピラリーチ
ューブ（12）及び蒸発器（13）を環状に接続した冷蔵室
用の第２の冷凍システム（14）を構成するものである。
このうち、第１の冷凍システム（９）の蒸発器（８）は
冷気循環ファン（15）と共に冷凍室（３）の上部に配設
され、第２の冷凍システム（14）の蒸発器（13）は冷気
循環ファン（16）と共に冷蔵室（４）の上部に配設され
る。また、本体（１）の上部に区画形成した機械室（1
7）には、第１の冷凍システム（９）のコンデンシング
ユニット、即ち、電動圧縮機（５）及び凝縮器（６）
と、第２の冷凍システム（14）のコンデンシングユニッ
ト、即ち、電動圧縮機（10）及び凝縮器（11）と、更に
夫々の凝縮器（６），（11）を強制空冷する１個の送風
機（18）を配設している。

而して、前記各凝縮器（６），（11）は上下２段に配
置される。即ち、下段に位置する冷凍室用の凝縮器
（６）と上段に位置する冷蔵室用の凝縮器（11）は、夫
々複数枚の板状フィン（6A），（11A）と、このフィン
（6A），（11A）に直交する蛇行状の冷媒管（6B），（1
1B）と、これら冷媒管（6B），（11B）の両端部を夫々
共通して支持する左右一対の管板（19）によって構成さ
れ、両管板（19）には、下段凝縮器（６）のフィン（6
A）と上段凝縮器（11）のフィン（11A）の境界に対応し
て３個のスリット（20）を形成する。この結果、上下の
凝縮器（６），（11）は複数の橋絡部（21）によって繋
がることになる。

以上の様に、冷凍室用凝縮器（６）と冷蔵室用凝縮器
（11）は共用の管板（19）によって上下２段の積層構造
を成し、これを機械室（17）の所定位置に配置し、両管
板（19）の下端を夫々外向きに折曲して形成した脚部フ
ランジ（19A）を機械室（17）の底面に螺子等によって
固着することにより据付けを完了する。

以上に説明した実施例は３個のスリット（20）を形成
することにより、４個の橋絡部（21）ができるが、スリ
ットの数に限定はなく、強度的に問題が生じなければス
リット（20）は２個、更には１個でもよい。また、下段
凝縮器（６）を冷凍室用とし、上段凝縮器（11）を冷蔵
用として使用するものに限定されるものではない。

（ト）発明の効果 本発明は以上の様に、独立した２系統の冷凍システム
の各凝縮器を構成する左右一対の管板で一体構造とした
ことにより、極めて簡単な方法で、２段積層構造の凝縮
器を組立構成することができ、これによってコンデンシ
ングユニットの設置スペースの大幅な縮小を併せて図る
ことができる顕著な利点を奏するものである。

また、本発明は万一のサービス時における凝縮器交換
の際、橋絡部をニッパー等の工具を使って切断すること
により、容易に上下の凝縮器を分離することができるた
め、交換する必要のない凝縮器はそのまま残して作業を
行なうことができ、サービス費用、時間を大幅に削減す
ることができる。

更に、上下の凝縮器は管板を共用しているため、部品
点数及び組立工数の大幅な削減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷蔵庫の要部斜視図、第２図は同じく
要部正面図、第３図は同じく内部構成を示す正面図、第
４図は同じく冷媒回路図を示している。 （６），（11）……凝縮器、（6A），（11A）……フィ
ン、（6B），（11B）……冷媒管、（19）……管板、（2
0）……スリット。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】庫内を仕切り壁によって２室に区画形成
   し、各室に夫々冷凍系の蒸発器を配設すると共に、本体
   の上部機械室には前記夫々の蒸発器と共に独立した２系
   統の冷凍システムを構成するコンデンシングユニットを
   配設して成る冷蔵庫において、前記コンデンシングユニ
   ットの凝縮器は、上段凝縮器と下段凝縮器とより成り、
   夫々複数枚のフィン及び該フィンに直交する冷媒管と、
   上段凝縮器の冷媒管及び下段凝縮器の冷媒管の両端を支
   持する左右一対の管板にて構成し、両管板には上段凝縮
   器のフィンと下段凝縮器のフィンの境界部分に対応して
   スリットを形成したことを特徴とする冷蔵庫。