JP2730916B2 - トランスとその製造方法 - Google Patents

トランスとその製造方法

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JP2730916B2 JP21814188A JP21814188A JP2730916B2 JP 2730916 B2 JP2730916 B2 JP 2730916B2 JP 21814188 A JP21814188 A JP 21814188A JP 21814188 A JP21814188 A JP 21814188A JP 2730916 B2 JP2730916 B2 JP 2730916B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トランスとその製造方法に係り、特にボビ
ンに一次巻線と二次巻線とが絶縁テープを介して同芯状
に巻かれたものであって、ボビンに対する巻線の占積率
が良く、前記一次、二次巻線間の絶縁性が優れた小型ト
ランスを実現する構造と樹脂成形時間を短縮して生産性
を良くするトランスのモールドを行なう方法に関する。
(従来の技術) 従来のトランスは、第3図に示すように、ボビン1
に、一次巻線2と二次巻線3とを、両巻線端部間に充分
な沿面距離をとるための断面形状がコ字形をなす絶縁テ
ープ4を介して巻回した構造を有している。
従来のトランスの他の例として、第4図に示すよう
に、一次巻線2と二次巻線3との間に絶縁テープ5を介
在させると共に、前記沿面距離をとるために、ボビン1
の鍔1a、1bの内壁と一次巻線2、二次巻線3との間に、
絶縁性リングでなる巻線位置規制枠6を設けたものがあ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかし、第3図のトランスにおいては、幅W1を有する
絶縁テープ4の両側のボビン鍔内壁に沿う部分4aは二次
巻線3を巻回できず、また、第4図のトランスにおいて
は、巻線位置規制枠6の幅W2について、一次巻線2およ
び二次巻線3を巻回できないため、必要な巻線巻回数を
確保するための各ボビン1の鍔1a、1b間の幅W3、W4が大
きくなり、トランスの小型化が困難であった。
また、第3図のトランスにおいては、断面形状がコ字
形をなす絶縁テープ4を装着してさらに二次巻線3を巻
回する作業は作業性が悪く、第4図のトランスにおいて
も、巻線位置規制枠6のボビン1内への取付け作業やそ
の内側に巻線2、3を巻回する作業は作業性が悪いとい
う問題点があった。
また、第3図、第4図に示したトランスに外周側より
絶縁性樹脂を充填し硬化させるものが従来よりあるが、
このような絶縁性樹脂は、他の機器とトランスとの絶
縁、防湿、防塵、巻線振動により発生する音の外部への
漏れ防止、内部隠し、あるいは内部を酸欠状態として発
火を防止するために設けられたものであり、このような
ことから、巻線2、3の固定の意味では必ずしも充分で
はなく、巻線2、3の作動によるずれを生じるおそれが
あるため、前記絶縁テープ4の両側部分4aや位置規制枠
6の存在が不可欠であった。
本発明は、上記問題点を解決し、小型に構成でき、か
つ製作上の作業性が良好なトランスを提供すると共に、
一次、二次巻線間の絶縁が良好となり、トランスのモー
ルド時間が短縮できるトランスの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するため、本発明のトランスは、巻軸
部の両端に鍔を有するボビンの前記巻軸部に、一次巻線
と二次巻線とを、合計厚さが0.2mm〜0.8mmの絶縁テープ
を介して巻回し、巻線とボビンの鍔内壁との間、絶縁テ
ープとボビンの鍔内壁との間に絶縁性樹脂を無気泡状態
で充填し硬化させることにより、巻線、ボビンおよび絶
縁テープ間を前記絶縁性樹脂により一体化したことを特
徴とする。
また、本発明のトランスの製造方法は、巻軸部の両端
に鍔を有するボビンの前記巻軸部に、一次巻線と二次巻
線とを絶縁テープを介して巻回したものを、加熱された
金型内にセットし、かつ金型内を1.5Torr以下の真空状
態にしておき、硬化性成形樹脂材料を100cps以下の粘度
の流動状態として前記金型内に1kg/cm2〜3kg/cm2に加圧
して注入し、巻線とボビンの鍔内壁との間、絶縁テープ
とボビンの鍔内壁との間に無気泡状態で充填硬化させる
ことにより、巻線、ボビンおよび絶縁テープ間を絶縁性
樹脂により一体化することを特徴とする。
(実施例) 第1図は本発明によるトランスの一実施例を示す断面
図であり、全体の約半分について示している。第1図に
示すように、ボビン1の巻軸部1c(1dはコアが嵌合され
る巻軸内空部である。)と鍔1a、1bとの間には、内周側
より第1の一次巻線2A、絶縁テープ8A、二次巻線3、絶
縁テープ8B、第2の一次巻線2Bが巻回されている。な
お、第2の一次巻線2Bや絶縁テープ8Bは、必ずしも必要
ではなく、一次巻線2Aと二次巻線2Bとは逆の場合もあ
る。
9は巻軸部1cと鍔1a、1bとの間に充填硬化された絶縁
性樹脂である。すなわち、絶縁性樹脂9は、巻線2A、
3、2Bとボビンの鍔1a、1b内壁との間、巻線2Aと巻軸部
1cとの間、絶縁テープ8A、8Bとボビンの鍔1a、1b内壁と
の間の間隙G、巻線2A、3、2Bの各線材間、および巻線
2A、3、2Bと絶縁テープ8A、8Bとの間に絶縁性樹脂を無
気泡状態(樹脂が完全につまっている状態で、樹脂中に
ある気泡の大きさが、どの断面を観察しても、その径が
100ミクロン以上の気泡が無い状態をいう。)で充填硬
化させることにより、巻線2A、3、2B、ボビン1および
絶縁テープ8A、8B間を絶縁性樹脂9により一体化したも
のである。
なお、この実施例においては、ボビン1に対する巻線
2A、3、2Bの占積率を高めるため、巻線2A、3、2Bがボ
ビン1の巻軸部1cのほぼ全体にわたって巻回され、巻線
2A、3、2Bとボビン1の鍔1a、1b内壁との間隔は0.5mm
以下に保たれているが、巻回数の少ない巻線にあって
は、この限りではない。
このトランスにおける絶縁性樹脂9の充填硬化は次の
ような工程によりなされる。第2図に示すように、巻線
2A、3、2Bおよび絶縁テープ8A、8Bを設けたボビン1
(なお、1eは一方の鍔1bの左右に一体に設けられた端子
台であり、この端子台1eは各鍔1a、1bにそれぞれ設けら
れる場合もある。)を間に収容しうるように内空部が形
成され、かつヒータ(図示せず)により130℃〜150℃に
加熱された上型10と下型11との間の内空部13に、前記巻
線2A、2B、3および絶縁テープ8A、8Bを巻回したボビン
1を入れ、真空ポンプ14で吸引して真空状態の両型10、
11間の内空部を1.2Torr以下の真空とし、成形材料供給
装置15により樹脂注入口12から粘度の低い流動状態(好
ましくは100cps以下)にある硬化剤、充填剤を樹脂に混
入してなる成形材料9を、1kg/cm2〜3kg/cm2程度の低圧
加圧状態で注入し、真空吸引を続行させながら、樹脂9
を注型する。このような作業により、成形材料の一部は
ボビン1の鍔1a、1bと絶縁テープ8A、8Bとの間にまんべ
んなく浸透し、無気泡状態となり、巻線がボビンの鍔1
a、1b内で絶縁テープ8A、8Bによって仕切られた状態で
固化される。
前記樹脂9の成形後の気泡の有無は、内空部13の真空
度、成形樹脂材料の供給圧力および粘度、さらには供給
時間によって決定され、おのおの相関関係が存在する
が、樹脂9として、エポキシ系樹脂51%、硬化剤として
酸無水物系硬化剤27%、充填剤として水酸化アルミニウ
ムを22%(いずれも重量%)をからなる成形樹脂材料を
用い、内空部13の真空度、成形樹脂材料の粘度、供給圧
力を種々変化させて成形品を切断し、樹脂9中の気泡の
有無を顕微鏡によって観察したところ、以下のことが判
明した。
(1)真空度と供給圧力 内空部13の真空度は高い方が好ましいことは明らかで
あるが、1.5Torr以下であれば充分であり、かつ下記の
成形樹脂材料加圧条件、粘度等において、気泡の発生が
防止できた。
(2)成形樹脂材料の粘度 前記材料の粘度は、気泡発生を防止する上で重要であ
り、この粘度は100cps以下であることが、短時間の供給
と反応時間を短縮する上で必要であった。粘度が300cps
を超えると、狭い間隙へ成形樹脂材料の浸透が困難とな
り気泡発生が避けられなかった。
(3)成形樹脂材料の供給圧力 成形樹脂材料の供給圧力は高い方が一般的には良い
が、成形装置の材料供給穴、あるいは複数の成形装置を
縦続接続するか、あるいは並列に接続するかによって該
供給圧力を相違させる。いずれにしても、1つのボビン
1をセットした内空部13に対する供給圧力が1kg/cm2〜3
kg/cm2であれば良い。
なお、前記成形樹脂材料は、即硬化性であり、加熱さ
れている金型の内部にて短時間で硬化反応が進行する
が、前記組成の場合の樹脂の加熱(反応)時間は2分〜
3分程度あれば良い。
このような方法によって巻線をモールドしたものにお
いては、樹脂9が鍔1a、1bの内壁と一次巻線2A、2Bと二
次巻線3との間、および絶縁テープ8A、8Bと鍔1a、1bの
内壁との間に充分充填されるので、両巻線間の絶縁性が
確保され、従来必要とした断面形状がコ字形の絶縁テー
プが不要となり、鍔1a、1b間の間隔W5(第1図参照)が
従来のトランスより狭くてすむ。
なお、第2図においては、1個の金型10、11間に1個
のボビン1をセットする例について示したが、通常は、
能率上直並列に複数のボビンをセットし、成形材料を同
時に供給するようにする。
なお、実施例においては、前記ボビン1としてフェノ
ール樹脂を用い、前記絶縁テープ8A、8Bとしてエポキシ
含浸テープを用いたが、これらの樹脂材料としては、他
の種々の絶縁性樹脂材料を用いうることは言うまでもな
い。絶縁テープ8A、8Bの厚さは、商品として要求される
最も厳しい規格である絶縁性能(3.75kvにおいて絶縁破
壊を生じない。)を長期にわたり確保する上では、0.2m
m以上であることが必要であり、また、0.8mmを超える
と、巻線間の電磁気的結合上不具合となるので、絶縁テ
ープ8A、8Bの厚さを0.2mm〜0.8mmに設定することが好ま
しい。また、厚さの薄い絶縁テープを巻回して積層し、
合計の厚さが0.2mm〜0.8mmとなるように構成しても良
い。この絶縁テープ8A、8Bとして、充填時に樹脂を含浸
させることのできるように、多孔紙を用いることも可能
である。
なお、本発明を実施する場合、一次巻線2A、2Bと二次
巻線3とが、絶縁テープ8A、8Bの端部において近接する
ことなく、絶縁性が確保されれば良いから、少なくとも
巻線2A、2B、3とボビンの鍔1a、1b内壁との間、および
絶縁テープ8A、8Bとボビンの鍔1a、1b内壁との間に絶縁
性樹脂9を無気泡状態で充填し硬化させることにより、
巻線2A、2B、3、ボビン1および絶縁テープ8A、8B間を
前記絶縁性樹脂9により一体化すれば良い。
(発明の効果) 本発明においては、ボビンの鍔と絶縁テープおよびボ
ビンの鍔と巻線間等に絶縁性樹脂を無気泡状態で充填固
化することにより、巻線がボビン内に強固に固定される
ようにしたので、巻線が使用期間の経過に伴なってずれ
るおそれもなくなり、また、気泡がないために一次、二
次巻線間に高い絶縁性能が得られ、従来の巻線位置規制
枠やコ字形断面形状の絶縁テープが不要となるので、ボ
ビンの巻軸部いっぱいに巻線することができ、トランス
の小型化が達成される。また、前記巻線位置規制枠等の
取付け作業のような作業性の悪い作業が不要となるの
で、トランスの製造が容易となる。
また、本発明の製造方法によれば、短時間で樹脂を硬
化させることができるため、金型の回転率が高く、生産
性が非常に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるトランスの一実施例を示す断面
図、第2図は本発明による製造方法の一実施例を示す系
統図、第3図および第4図はそれぞれ従来のトランスを
示す断面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻軸部の両端に鍔を有するボビンの前記巻
    軸部に、一次巻線と二次巻線とを、合計厚さが0.2mm〜
    0.8mmの絶縁テープを介して巻回し、巻線とボビンの鍔
    内壁との間、絶縁テープとボビンの鍔内壁との間に絶縁
    性樹脂を無気泡状態で充填し硬化させることにより、巻
    線、ボビンおよび絶縁テープ間を前記絶縁性樹脂により
    一体化したことを特徴とするトランス。
  2. 【請求項2】巻軸部の両端に鍔を有するボビンの前記巻
    軸部に、一次巻線と二次巻線とを絶縁テープを介して巻
    回したものを、加熱された金型内にセットし、かつ金型
    内を1.5Torr以下の真空状態にしておき、硬化性成形樹
    脂材料を100cps以下の粘度の流動状態として前記金型内
    に1kg/cm2〜3kg/cm2に加圧して注入し、巻線とボビンの
    鍔内壁との間、絶縁テープとボビンの鍔内壁との間に無
    気泡状態で充填硬化させることにより、巻線、ボビンお
    よび絶縁テープ間を絶縁性樹脂により一体化することを
    特徴とするトランスの製造方法。
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