JP2730381B2 - 多室形空気調和装置 - Google Patents

多室形空気調和装置

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JP2730381B2
JP2730381B2 JP4042524A JP4252492A JP2730381B2 JP 2730381 B2 JP2730381 B2 JP 2730381B2 JP 4042524 A JP4042524 A JP 4042524A JP 4252492 A JP4252492 A JP 4252492A JP 2730381 B2 JP2730381 B2 JP 2730381B2
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章 藤高
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1台の室外機に複数台
の室内機を接続し、電動膨張弁にて冷媒流量を制御する
多室形空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、1台の室外機に複数台の室内機を
接続した多室形空気調和装置が、室外の省スペース性や
美観上の点で一般家庭の消費者にも受け入れられつつあ
る。
【0003】従来、この多室形空気調和装置において、
容量可変形圧縮機を用い、冷凍サイクルの液側冷媒配管
に、各室内機への冷媒循環量を制御する冷媒循環量制御
装置を設け、室外機の容量と各室内機の容量との比率よ
り圧縮機容量、各室内機への冷媒循環量を制御するもの
が提案されている(例えば特開昭63−294462号
公報)。
【0004】以下、図面を参照しながら上記従来の多室
形空気調和装置について説明する。図は、従来の多室
形空気調和装置の冷凍サイクル図である。
【0005】この多室形空気調和装置は、1台の室外ユ
ニット36に分岐ユニット37を介して複数台、本従来
例では2台の室内ユニット38a、38bを接続して構
成される。室外ユニット36にはインバータ39により
容量制御運転が行なわれる圧縮機40が搭載されてい
る。冷凍サイクルは、室外ユニット36内に組み込まれ
た圧縮機40、四方弁41、室外熱交換器42、暖房用
膨張機構43、受液器44を順次経て分岐ユニット37
内に延び、この分岐ユニット37内で液側冷媒配管45
を室内ユニット38a、38bの数に応じて分岐させて
いる。分岐された液側冷媒配管46a、46bには冷媒
循環量制御装置47及び冷房用膨張機構48がそれぞれ
設けられ、各冷媒配管46a、46bは室内ユニット3
8a、38bの室内熱交換器49a、49bに接続され
る。この室内熱交換器49a、49bからのガス側冷媒
配管50a、50bには分岐ユニット37内で開閉弁と
しての電磁弁51a、51bが設けられ、その後冷媒配
管52へと合流する。この冷媒配管52は四方弁41を
経て圧縮機40に接続される。暖房用及び冷房用膨張機
構43、48は膨張弁53、54からなり、この膨張弁
53、54をそれぞれバイパスするように膨張弁バイパ
ス回路が設けられ、このバイパス回路に逆止弁55、5
6が備えられている。一方、分岐ユニット37内に設け
られる冷媒循環量制御装置47は、液側冷媒分岐配管4
6a、46bに設けられた電動流量調整弁57a、57
bであり、この電動流量調整弁57a、57bの弁開度
は対応する室内ユニット38a、38bの容量と室外ユ
ニット36の容量との比率に応じて図に示すように設
定され、これにより各室内ユニット38a、38bを流
れる冷媒流量を制御する。
【0006】この多室形空気調和装置において、冷房運
転時には、四方弁41を冷房側にセットし、圧縮機40
から吐出された冷媒は、四方弁41を経て室外熱交換器
42へと流れ、ここで凝縮された後に電動流量調整弁5
7a、57bを経て膨張弁54にて断熱膨張し、室内熱
交換器49a、49bへと流れてここで室内を冷房して
蒸発し、四方弁41を経て圧縮機16に吸入される。
【0007】一方暖房運転時には、四方弁41を暖房側
にセットし、圧縮機40から吐出された冷媒は、四方弁
41を経て室内熱交換器49a、49bへと流れ、ここ
で暖房に利用されて凝縮された後に逆止弁56、電動流
量調整弁57a、57bを経て膨張弁53にて断熱膨張
し、室外熱交換器42へと流れてここで蒸発し、四方弁
41を経て圧縮機40に吸入される。
【0008】ここで、容量が5HP(馬力)の室外ユニ
ット36に容量が2HPの室内ユニット38aと容量が
3HPの室内ユニット38bを接続し、圧縮機40を駆
動するインバータ39の最高出力周波数を90Hzの場
合の冷房運転時を考える。室内ユニット38a、38b
の2台から圧縮機ON信号が出力されている場合は要求
インバータ出力周波数Pfは下記数式で表わされる。
【0009】
【数1】
【0010】この時、電動流量調整弁57a、57bの
弁開度は図11よりそれぞれ50%、72%にセットさ
れる。
【0011】また、室内ユニット38aのみから圧縮機
ON信号が出力されている場合は要求インバータ出力周
波数Pfは下記数式で表わされる。
【0012】
【数2】
【0013】この時、電動流量調整弁57a、57bの
弁開度はそれぞれ50%、0%にセットされる。
【0014】このように、この多室形空気調和装置は室
内ユニットの容量に見合った圧縮機容量、電動流量調整
弁の弁開度を定めて制御するため、室内ユニットの容量
を変更しても冷媒流量を最適に保つことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の多室形空気調和装置には以下のような課題があっ
た。
【0016】すなわち、例えば暖房運転の場合、室内ユ
ニットが設置されている各部屋では、暖房開始時には大
きな能力で素早く室温を高め、室温が設定値に近づくに
つれて次第に能力を絞り室温を設定値付近に保つ必要が
あるが、一例として2馬力と3馬力の2台の室内ユニッ
トを設置した場合、それぞれの部屋に必要な能力が変化
しても2馬力と3馬力のほぼ一定能力しか得ることがで
きず、室温が設定値を越えて上昇するとサーモオフとな
ってその室内ユニットに接続された電動流量調整弁を全
閉とし、その後室温が設定値以下となるとサーモオンと
なって電動流量調整弁を所定開度とするというようなサ
ーモオン、サーモオフを繰り返し、室温変動による快適
性の低下と共に、消費電力の増加を招いていた。また、
この解決策として圧縮機容量を各部屋の必要能力の総和
に応じて変化させるようにしても、それぞれの能力は
2:3の比率でしか得ることができないので、例えば要
求能力が3:2である場合には1室は能力不足となって
室温が設定値まで到達せず、もう1室は能力過大となっ
て室温は設定値を越えてサーモオフとなり、その後サー
モオン、サーモオフを繰り返すため、やはり快適性の低
下と消費電力の増加を招いていた。
【0017】本発明の多室形空気調和装置は上記課題に
鑑み、冷凍サイクルの構成を複雑にすることなく、複数
室のそれぞれの要求能力に応じた能力を発揮すること
で、快適性の向上及び省エネルギーを図ることを目的と
している。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の多室形空気調和装置は、容量可変形圧縮機、
室外熱交換器を有する1台の室外機と、室内熱交換器を
有する複数台の室内機とを、前記室外機に設けて主に冷
媒液が流れる液側主管を分岐した液側分岐管及び前記室
外機に設けて主に冷媒ガスが流れるガス側主管を分岐し
たガス側分岐管を介して接続し、前記液側分岐管のそれ
ぞれに電気的に弁開度を制御可能とした電動膨張弁を介
装して冷凍サイクルを構成し、前記室内機のそれぞれ
に、希望する室内温度を設定可能な室内温度設定手段と
室内温度を検出する室内温度検出手段とを設け、この室
内温度設定手段と室内温度検出手段とから設定室内温度
と室内温度との差温を算出する差温算出手段を設け、さ
らに前記室内機のそれぞれの定格容量を判別する容量判
別手段及び前記室内機のそれぞれについて運転中か停止
中かを判別するオンオフ判別手段を設け、前記差温が取
り得る温度範囲を複数個の温度ゾーンに分割し、各温度
ゾーン毎にかつ室内機の定格容量毎に室内負荷に対応す
る負荷定数を定めて記憶する負荷定数記憶手段を設け、
室内機の定格容量毎に容量定数を定めて記憶する容量定
数記憶手段を設け、前記差温算出手段、前記容量判別手
段、前記オンオフ判別手段、前記負荷定数記憶手段より
得られるデータを用いて所定周期毎に圧縮機容量を算出
し、この算出結果に基づいて前記容量可変形圧縮機の容
量を制御する圧縮機容量制御手段を設け、前記室内機の
複数台が運転中の場合には、所定周期毎に運転中の室内
機のそれぞれについて、前記負荷定数記憶手段より定格
容量及び現在の差温に対応する負荷定数及び負荷定数の
最大値を読み出し、前記容量定数記憶手段より定格容量
に対応する容量定数を読み出し、各室内機毎に負荷定数
の最大値の逆数と負荷定数と容量定数の積を算出し、各
室内機に接続された電動膨張弁の弁開度の大きさの比
を、この積の比率となるよう制御する弁開度制御手段を
設けたものである。
【0019】また、本発明の他の多室形空気調和装置
は、容量可変形圧縮機、室外熱交換器を有する1台の室
外機と、室内熱交換器を有する複数台の室内機とを、前
記室外機に設けて主に冷媒液が流れる液側主管を分岐し
た液側分岐管及び前記室外機に設けて主に冷媒ガスが流
れるガス側主管を分岐したガス側分岐管を介して接続
し、前記液側分岐管のそれぞれに電気的に弁開度を制御
可能とした電動膨張弁を介装して冷凍サイクルを構成
し、前記室内機のそれぞれに、希望する室内温度を設定
可能な室内温度設定手段と室内温度を検出する室内温度
検出手段とを設け、この室内温度設定手段と室内温度検
出手段とから設定室内温度と室内温度との差温を算出す
る差温算出手段を設け、さらに前記室内機のそれぞれの
定格容量を判別する容量判別手段及び前記室内機のそれ
ぞれについて運転中か停止中かを判別するオンオフ判別
手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を複数個の温
度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室内機の定格
容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定めて記憶する
負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手段、前記容量
判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負荷定数記憶手
段より得られるデータを用いて所定周期毎に圧縮機容量
を算出し、この算出結果に基づいて前記容量可変形圧縮
機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を設け、運転中
の室内機台数及び定格容量の組合せ毎に各室内機に接続
された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を定めて記憶する
弁開度補正係数記憶手段を設け、前記室内機の複数台が
運転中の場合には、前記データの少なくとも一部とこの
弁開度補正係数記憶手段より得られる弁開度補正係数の
データを用いて所定周期毎に運転中の室内機に接続され
た各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出し、この算
出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を制御する弁
開度制御手段を設けたものである。
【0020】また、本発明の他の多室形空気調和装置
は、容量可変形圧縮機、室外熱交換器を有する1台の室
外機と、室内熱交換器を有する複数台の室内機とを、前
記室外機に設けて主に冷媒液が流れる液側主管を分岐し
た液側分岐管及び前記室外機に設けて主に冷媒ガスが流
れるガス側主管を分岐したガス側分岐管を介して接続
し、前記液側分岐管のそれぞれに電気的に弁開度を制御
可能とした電動膨張弁を介装して冷凍サイクルを構成
し、前記室内機のそれぞれに、希望する室内温度を設定
可能な室内温度設定手段と室内温度を検出する室内温度
検出手段とを設け、この室内温度設定手段と室内温度検
出手段とから設定室内温度と室内温度との差温を算出す
る差温算出手段を設け、さらに前記室内機のそれぞれの
定格容量を判別する容量判別手段及び前記室内機のそれ
ぞれについて運転中か停止中かを判別するオンオフ判別
手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を複数個の温
度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室内機の定格
容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定めて記憶する
負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手段、前記容量
判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負荷定数記憶手
段より得られるデータを用いて所定周期毎に圧縮機容量
を算出し、この算出結果に基づいて前記容量可変形圧縮
機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を設け、前記デ
ータの少なくとも一部を用いて近似式にて各室内機に接
続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を算出する弁開
度補正係数算出手段を設け、前記室内機の複数台が運転
中の場合には、前記データの少なくとも一部とこの弁開
度補正係数算出手段より得られる弁開度補正係数のデー
タを用いて所定周期毎に運転中の室内機に接続された各
電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出し、この算出結
果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を制御する弁開度
制御手段を設けたものである。
【0021】
【作用】本発明は、上記手段により次のような作用を有
する。
【0022】すなわち、室内機のそれぞれに、希望する
室内温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検
出する室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手
段と室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度と
の差温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内
機のそれぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前
記室内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別す
るオンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範
囲を複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にか
つ室内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を
定めて記憶する負荷定数記憶手段を設け、室内機の定格
容量毎に容量定数を定めて記憶する容量定数記憶手段を
設け、前記差温算出手段、前記容量判別手段、前記オン
オフ判別手段、前記負荷定数記憶手段より得られるデー
タを用いて所定周期毎に圧縮機容量を算出し、この算出
結果に基づいて前記容量可変形圧縮機の容量を制御する
圧縮機容量制御手段を設け、前記室内機の複数台が運転
中の場合には、所定周期毎に運転中の室内機のそれぞれ
について、前記負荷定数記憶手段より定格容量及び現在
の差温に対応する負荷定数及び負荷定数の最大値を読み
出し、前記容量定数記憶手段より定格容量に対応する容
量定数を読み出し、各室内機毎に負荷定数の最大値の逆
数と負荷定数と容量定数の積を算出し、各室内機に接続
された電動膨張弁の弁開度の大きさの比を、この積の比
率となるよう制御する弁開度制御手段を設けることで、
各部屋の要求能力の総和に応じて圧縮機周波数を制御
し、かつ各部屋毎の負荷に応じて各電動膨張弁の開度比
を決定するため、必要な能力を必要な部屋に配分するこ
とができ、快適性の向上及び省エネルギーを図ることが
できる。
【0023】また、室内機のそれぞれに、希望する室内
温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出す
る室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と
室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差
温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機の
それぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室
内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別するオ
ンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を
複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室
内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定め
て記憶する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手
段、前記容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負
荷定数記憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎
に圧縮機容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容
量可変形圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を
設け、運転中の室内機台数及び定格容量の組合せ毎に各
室内機に接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を定
めて記憶する弁開度補正係数記憶手段を設け、前記室内
機の複数台が運転中の場合には、前記データの少なくと
も一部とこの弁開度補正係数記憶手段より得られる弁開
度補正係数のデータを用いて所定周期毎に運転中の室内
機に接続された各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算
出し、この算出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度
を制御する弁開度制御手段を設けることで、各部屋の要
求能力の総和に応じて圧縮機周波数を制御し、かつ各部
屋毎の負荷に応じて各電動膨張弁の開度比を決定するた
め、必要な能力を必要な部屋に配分することができ、さ
らに弁開度補正係数を室内機の運転台数及びその定格容
量の組合せ毎に定めているので、よりきめ細かく高い精
度の能力制御が可能であり、快適性の向上及び省エネル
ギーを図ることができる。
【0024】また、室内機のそれぞれに、希望する室内
温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出す
る室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と
室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差
温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機の
それぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室
内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別するオ
ンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を
複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室
内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定め
て記憶する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手
段、前記容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負
荷定数記憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎
に圧縮機容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容
量可変形圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を
設け、前記データの少なくとも一部を用いて近似式にて
各室内機に接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を
算出する弁開度補正係数算出手段を設け、前記室内機の
複数台が運転中の場合には、前記データの少なくとも一
部とこの弁開度補正係数算出手段より得られる弁開度補
正係数のデータを用いて所定周期毎に運転中の室内機に
接続された各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出
し、この算出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を
制御する弁開度制御手段を設けることで、弁開度補正係
数を室内機の運転台数及びその定格容量の組合せ毎に近
似式で求めているので、よりきめ細かく高い精度の能力
制御が可能であり、快適性の向上及び省エネルギーを図
ることができる。また、弁開度補正係数のテーブルを必
要としないので、さらに室内機の組合せが増加しても、
記憶回路の容量を増加させる必要がない。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参考
に説明する。
【0026】図1は、本発明の多室形空気調和装置の第
1の実施例における冷凍サイクル図である。なお、本実
施例においては1台の室外機1に3台の室内機2a、2
b、2cを接続した場合について説明する。
【0027】同図において、室外機1内にはインバータ
駆動の周波数可変形圧縮機3(以下単に圧縮機と称
す)、室外熱交換器4、冷暖房切換用の四方弁5が設け
られ、また室内機2a、2b、2c内にそれぞれ室内熱
交換器6a、6b、6cが設けられている。そして、こ
の室外機1と室内機2a、2b、2cとは、室外機1内
に設けた液側主管7より分岐した液側分岐管8a、8
b、8c及び室外機1内に設けたガス側主管9より分岐
したガス側分岐管10a、10b、10cとで接続され
ている。液側分岐管8a、8b、8cにはそれぞれステ
ッピングモータを用いて弁開度をパルス制御可能とした
電動膨張弁11a、11b、11cを介装し、また液側
主管7上には冷媒液を貯溜可能なレシーバ12を設け、
このレシーバ12を冷暖房共中間圧に保つために補助絞
り13が設けられている。また、レシーバ12と圧縮機
3への吸入管14とを結ぶバイパス回路15が設けら
れ、このバイパス回路15には補助絞り16が設けられ
ている。また、各室内機2a、2b、2cには各室内機
が設置されている部屋の室温を検出する室内温度センサ
17a、17b、17c及び居住者が希望する運転モー
ド(冷房または暖房)と室温と運転、停止を設定できる
運転設定回路18a、18b、18cが設けられてい
る。また吸入管14には、ここを流れる冷媒の温度を検
出する吸入温度センサ19が設けられ、バイパス回路1
5には吸入管14を流れる冷媒の飽和温度を検出する飽
和温度センサ20が設けられている。
【0028】この冷凍サイクルにおいて、冷房時は圧縮
機3から吐出された冷媒は、四方弁5より室内熱交換器
4へと流れてここで室外空気と熱交換して凝縮液化し、
補助絞り13で減圧されて中間圧となる。そして、レシ
ーバ12に一部の液冷媒を貯溜し、残りは液側分岐管8
a、8b、8cへと分岐する。電動膨張弁11a、11
b、11cの弁開度は、後述する制御方法でそれぞれの
部屋の負荷に見合った開度になるように制御されるた
め、冷媒もそれぞれの負荷に応じた流量で低圧となって
室内熱交換器6a、6b、6cへと流れて蒸発した後、
ガス側分岐管10a、10b、10cよりガス側主管
9、四方弁5を通過して再び圧縮機3に吸入される。ま
た、レシーバ12からごくわずかの液冷媒がバイパス回
路15へと流れ、補助絞り16で減圧されて吸入管14
へと流れる。この時、補助絞り16を通過した冷媒は気
液2相流で、かつ圧力は吸入管14を流れる冷媒とほぼ
等しいので、飽和温度センサ20にてその飽和温度を検
出できる。また、圧縮機周波数は、総負荷に応じて後述
する制御方法で決定される。
【0029】暖房時は圧縮機3から吐出された冷媒は、
四方弁5を切換えてガス側主管9よりガス側分岐管10
a、10b、10cへと分岐し、室内熱交換器6a、6
b、6cへと流れて凝縮液化し、液側分岐管8a、8
b、8c上の電動膨張弁11a、11b、11cで減圧
されて中間圧となる。電動膨張弁11a、11b、11
cの弁開度は、冷房時と同様に後述する制御方法でそれ
ぞれの部屋の負荷に見合った開度になるように制御され
るため、冷媒もそれぞれの負荷に応じた流量で室内熱交
換器6a、6b、6cを流れる。中間圧となった冷媒
は、レシーバ12に一部の液冷媒が貯溜され、残りは補
助絞り13で減圧されて低圧となって室外熱交換器4を
流れて蒸発した後、四方弁5を通過して再び圧縮機3に
吸入される。また、レシーバ12からごくわずかの液冷
媒がバイパス回路15へと流れ、補助絞り16で減圧さ
れて吸入管14へと流れる。冷房時と同様に、補助絞り
16を通過した冷媒は気液2相流で、かつ圧力は吸入管
14を流れる冷媒とほぼ等しいので、飽和温度センサ2
0にてその飽和温度を検出できる。また、圧縮機周波数
は、冷房時と同様に総負荷に応じて後述する制御方法で
決定される。
【0030】次に、圧縮機周波数及び電動膨張弁開度の
制御方法について説明する。図2は圧縮機周波数及び電
動膨張弁開度の制御の流れを示すブロック図、図3は室
内温度Trと設定温度Tsとの差温ΔTの温度ゾーン分割
図、図4は過熱度SHと電動膨張弁の開度変更量との関
係図である。
【0031】まず、室内機2aにおいて、室内温度セン
サ17aの出力を室内温度検出回路21より温度信号と
して差温演算回路22に送出し、また設定判別回路23
にて運転設定回路18aで設定された設定温度及び運転
モードを判別して差温演算回路22に送出してここで差
温ΔT(=Tr−Ts)を算出し、図3に示す負荷ナンバ
ーLn値に変換してこれを差温信号とする。例えば冷房
運転時でTr=27.3℃、Ts=26℃とすると、差温
ΔT=1.3℃でLn=6となる。またON−OFF判
別回路24にて、運転設定回路18aで設定された室内
機2aの運転(ON)または停止(OFF)を判別し、
さらに定格容量記憶回路25に室内機2aの定格容量を
記憶しておき、これらの定格容量信号、差温信号、運転
モード信号、ON−OFF判別信号を信号送出回路26
より室外機1の信号受信回路27へ送る。室内機2b、
2cからも同様の信号が信号受信回路27へ送られる。
信号受信回路27で受けた信号は圧縮機周波数演算回路
28と膨張弁開度演算回路29へ送出される。ただし、
異なった運転モード信号が存在する場合、最初に運転を
開始した室内機の運転モードが優先され、異なった運転
モードの室内機は停止しているとみなしてON−OFF
判別信号は常にOFFを送出する。
【0032】圧縮機周波数演算回路28にて室内機2
a、2b、2cのそれぞれの定格容量信号、差温信号、
運転モード信号、ON−OFF判別信号より下記(表
1)に示す負荷定数テーブル30から負荷定数を読みだ
し、この負荷定数の総和に定数を乗じて圧縮機3の周波
数を決定する。
【0033】
【表1】
【0034】一例として、室内機2a、2b、2cから
の信号が下記(表2)の場合について説明する。
【0035】
【表2】
【0036】(表1)と(表2)より、室内機2a、2
b、2cの負荷定数はそれぞれ1.5、1.0、1.9
となり、従って圧縮機3の周波数Hzは、Aを定数とす
ると、 Hz=A×(1.5+1.0+1.9)=A×4.4 となり、この演算結果を周波数信号として圧縮機駆動回
路(図示せず)に送出して圧縮機3の周波数の制御を行
なう。以降、所定周期毎に室内機2a、2b、2cのそ
れぞれの定格容量信号、差温信号、運転モード信号、O
N−OFF判別信号より演算を行ない、演算結果を周波
数信号として圧縮機駆動回路(図示せず)に送出して圧
縮機3の周波数の制御を行なう。
【0037】膨張弁開度演算回路29においても同様
に、室内機2a、2b、2cのそれぞれの定格容量信
号、差温信号、運転モード信号、ON−OFF判別信号
より(表1)に示す負荷定数テーブル30から負荷定数
を選び、さらに室内機2a、2b、2cのそれぞれの定
格容量より下記(表3)に示す容量定数テーブル31か
ら読みだす。なお、容量定数は、異なった定格容量の室
内機の組合せでも、各室内機が所定の能力制御ができる
ように設けた電動膨張弁の補正係数である。
【0038】
【表3】
【0039】電動膨張弁11a、11b、11cの弁開
度比はそれぞれの負荷定数をその負荷定数の最大値で割
ったものに容量定数を乗じたものの比である。圧縮機周
波数算出例の場合と同様に、室内機2a、2b、2cか
らの信号が(表2)の場合について説明する。
【0040】室内機2a、2b、2cの(負荷定数/最
大負荷定数)はそれぞれ(1.5/2.0)、(1.0
/2.5)、(1.9/3.2)であり、また容量定数
はそれぞれ1.0、1.2、1.4である。従って、電
動膨張弁11a、11b、11cの弁開度比は、0.7
5:0.48:0.83となる(小数点以下第3位を四
捨五入)。ここで、電動膨張弁11a、11b、11c
の開度を、それぞれ全閉時に0パルス、全開時に500
パルスの場合を説明する。
【0041】まず、電動膨張弁11a、11b、11c
の総弁開度の初期値を700パルスとする。すると、前
述の弁開度比によりそれぞれの弁開度は、電動膨張弁1
1aが254パルス、11bが164パルス、11cが
282パルスとなり、この演算結果を膨張弁開度信号と
して膨張弁駆動回路(図示せず)に送出する。以降、所
定周期毎に吸入温度センサ19の出力を吸入温度検出回
路32より温度信号として過熱度演算回路33に送出
し、また飽和温度センサ20の出力を飽和温度検出回路
34より温度信号として過熱度演算回路33に送出し、
ここで過熱度SH(=吸入温度−飽和温度)を算出して
膨張弁開度演算回路29に送出する。膨張弁開度演算回
路29では、送られてきた過熱度SHに応じて、図4に
示すように総弁開度を変更し、また室内機2a、2b、
2cのそれぞれの定格容量信号、差温信号、運転モード
信号、ON−OFF判別信号より電動膨張弁11a、1
1b、11cの弁開度比を算出し、これらより各弁開度
を算出して演算結果を膨張弁開度信号として膨張弁駆動
回路(図示せず)に送出する。
【0042】上記説明は、主に冷房時について行なった
が、暖房時についても同様に制御可能である。
【0043】このように、各部屋の要求能力の総和に応
じて圧縮機周波数を制御し、かつ各部屋毎の負荷に応じ
て各電動膨張弁の開度比を決定するため、必要な能力を
必要な部屋に配分することができ、また同時に圧縮機吸
入冷媒の過熱度を所定値に保つように制御を行なってい
る。従って、冷凍サイクルをきめ細かく最適に制御しな
がら、快適性の向上及び省エネルギーを図ることができ
る。
【0044】次に、本発明の第2の実施例について、図
面を参照しながら説明する。なお、第2の実施例におけ
る冷凍サイクルは、図1に示す第1の実施例の場合と同
一であるので説明を省略する。図5は本発明の第2の実
施例における圧縮機周波数及び電動膨張弁開度の制御の
流れを示すブロック図である。同図が第1の実施例のブ
ロック図である図2と異なる点は、容量定数テーブル3
1のかわりに弁開度補正係数テーブル35を用いている
ことである。この弁開度補正係数テーブル35は下記
(表4)のようにあらわされる。
【0045】
【表4】
【0046】すなわち容量定数は室内機の定格容量に対
応して定めたが、弁開度補正係数は室内機の運転台数及
びその定格容量の組合せ毎に定めたものである。そし
て、電動膨張弁11a、11b、11cの弁開度比はそ
れぞれの負荷定数をその負荷定数の最大値で割ったもの
に弁開度補正係数を乗じたものの比である。
【0047】このように、弁開度補正係数を室内機の運
転台数及びその定格容量の組合せ毎に定めているので、
よりきめ細かく高い精度の能力制御が可能であり、快適
性の向上及び省エネルギーを図ることができる。
【0048】次に、本発明の第3の実施例について、図
面を参照しながら説明する。なお、第3の実施例におけ
る冷凍サイクルは、図1に示す第1の実施例の場合と同
一であるので説明を省略する。図6は本発明の第3の実
施例における圧縮機周波数及び電動膨張弁開度の制御の
流れを示すブロック図である。同図が第1の実施例及び
第2の実施例と異なる点は、容量定数テーブル31や弁
開度補正係数テーブル35を用いていないことである。
すなわち、弁開度補正係数は膨張弁開度演算回路29に
て室内機の運転台数とそれぞれの定格容量より、近似式
にて算出する。例えば室内機2aの弁開度補正係数はf
(室内機2aの定格容量、運転台数、他に運転中の室内
機の定格容量)であらわされる(fは関数を示す)。室
内機2b、2cについても同様にあらわすことができ
る。そして、電動膨張弁11a、11b、11cの弁開
度比はそれぞれの負荷定数をその負荷定数の最大値で割
ったものに弁開度補正係数を乗じたものの比である。
【0049】このように、弁開度補正係数を室内機の運
転台数及びその定格容量の組合せ毎に近似式で求めてい
るので、よりきめ細かく高い精度の能力制御が可能であ
り、快適性の向上及び省エネルギーを図ることができ
る。また、弁開度補正係数のテーブルを必要としないの
で、さらに室内機の組合せが増加しても、記憶回路の容
量を増加させる必要がない。なお、上記実施例におい
て、室内機2aの弁開度補正係数はf(室内機2aの定
格容量、運転台数、他に運転中の室内機の定格容量)で
あらわされるとしたが、f(室内機2aの定格容量、室
内機2aの負荷定数、運転台数、他に運転中の室内機の
定格容量)として近似式を作成することでさらに精度を
高めることができる(室内機2b、2cについても同
様)。
【0050】
【発明の効果】上記実施例より明かなように本発明の
多室形空気調和装置は、室内機のそれぞれに、希望する
室内温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検
出する室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手
段と室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度と
の差温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内
機のそれぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前
記室内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別す
るオンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範
囲を複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にか
つ室内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を
定めて記憶する負荷定数記憶手段を設け、室内機の定格
容量毎に容量定数を定めて記憶する容量定数記憶手段を
設け、前記差温算出手段、前記容量判別手段、前記オン
オフ判別手段、前記負荷定数記憶手段より得られるデー
タを用いて所定周期毎に圧縮機容量を算出し、この算出
結果に基づいて前記容量可変形圧縮機の容量を制御する
圧縮機容量制御手段を設け、前記室内機の複数台が運転
中の場合には、所定周期毎に運転中の室内機のそれぞれ
について、前記負荷定数記憶手段より定格容量及び現在
の差温に対応する負荷定数及び負荷定数の最大値を読み
出し、前記容量定数記憶手段より定格容量に対応する容
量定数を読み出し、各室内機毎に負荷定数の最大値の逆
数と負荷定数と容量定数の積を算出し、各室内機に接続
された電動膨張弁の弁開度の大きさの比を、この積の比
率となるよう制御する弁開度制御手段を設けることで、
各部屋の要求能力の総和に応じて圧縮機周波数を制御
し、かつ各部屋毎の負荷に応じて各電動膨張弁の開度比
を決定するため、必要な能力を必要な部屋に配分するこ
とができ、快適性の向上及び省エネルギーを図ることが
できる。
【0051】また、室内機のそれぞれに、希望する室内
温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出す
る室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と
室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差
温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機の
それぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室
内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別するオ
ンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を
複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室
内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定め
て記憶する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手
段、前記容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負
荷定数記憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎
に圧縮機容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容
量可変形圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を
設け、運転中の室内機台数及び定格容量の組合せ毎に各
室内機に接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を定
めて記憶する弁開度補正係数記憶手段を設け、前記室内
機の複数台が運転中の場合には、前記データの少なくと
も一部とこの弁開度補正係数記憶手段より得られる弁開
度補正係数のデータを用いて所定周期毎に運転中の室内
機に接続された各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算
出し、この算出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度
を制御する弁開度制御手段を設けることで、各部屋の要
求能力の総和に応じて圧縮機周波数を制御し、かつ各部
屋毎の負荷に応じて各電動膨張弁の開度比を決定するた
め、必要な能力を必要な部屋に配分することができ、さ
らに弁開度補正係数を室内機の運転台数及びその定格容
量の組合せ毎に定めているので、よりきめ細かく高い精
度の能力制御が可能であり、快適性の向上及び省エネル
ギーを図ることができる。
【0052】また、室内機のそれぞれに、希望する室内
温度を設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出す
る室内温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と
室内温度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差
温を算出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機の
それぞれの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室
内機のそれぞれについて運転中か停止中かを判別するオ
ンオフ判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を
複数個の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室
内機の定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定め
て記憶する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手
段、前記容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負
荷定数記憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎
に圧縮機容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容
量可変形圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を
設け、前記データの少なくとも一部を用いて近似式にて
各室内機に接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を
算出する弁開度補正係数算出手段を設け、前記室内機の
複数台が運転中の場合には、前記データの少なくとも一
部とこの弁開度補正係数算出手段より得られる弁開度補
正係数のデータを用いて所定周期毎に運転中の室内機に
接続された各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出
し、この算出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を
制御する弁開度制御手段を設けることで、弁開度補正係
数を室内機の運転台数及びその定格容量の組合せ毎に近
似式で求めているので、よりきめ細かく高い精度の能力
制御が可能であり、快適性の向上及び省エネルギーを図
ることができる。また、弁開度補正係数のテーブルを必
要としないので、さらに室内機の組合せが増加しても、
記憶回路の容量を増加させる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多室形空気調和装置の第1の実施例に
おける冷凍サイクル図
【図2】同実施例における圧縮機周波数及び電動膨張弁
開度の制御ブロック図
【図3】(a)は差温ΔTの温度ゾーン分割を示す説明
図 (b)は同説明図
【図4】過熱度SHと電動膨張弁の開度変更量との関係
【図5】本発明の多室形空気調和装置の第2の実施例に
おける圧縮機周波数及び電動膨張弁開度の制御ブロック
【図6】本発明の多室形空気調和装置の第3の実施例に
おける圧縮機周波数及び電動膨張弁開度の制御ブロック
【図7】従来の多室形空気調和装置の冷凍サイクル図
【図8】同多室形空気調和装置の室内外ユニットの容量
比率と電動流量調整弁の弁開度との関係図
【符号の説明】
1 室外機 2a 室内機 2b 室内機 2c 室内機 3 周波数可変形圧縮機 4 室外熱交換器 5 四方弁 6a 室内熱交換器 6b 室内熱交換器 6c 室内熱交換器 7 液側主管 8a 液側分岐管 8b 液側分岐管 8c 液側分岐管 9 ガス側主管 10a ガス側分岐管 10b ガス側分岐管 10c ガス側分岐管 11a 電動膨張弁 11b 電動膨張弁 11c 電動膨張弁 12 レシーバ 13 補助絞り 14 吸入管 15 バイパス回路 16 補助絞り 17a 室内温度センサ 17b 室内温度センサ 17c 室内温度センサ 18a 運転設定回路 18b 運転設定回路 18c 運転設定回路 19 吸入温度センサ 20 飽和温度センサ 21 室内温度検出回路 22 差温演算回路 23 設定判別回路 24 ON−OFF判別回路 25 定格容量記憶回路 26 信号送出回路 27 信号受信回路 28 圧縮機周波数演算回路 29 膨張弁回路演算回路 30 負荷定数テーブル 31 容量定数テーブル 32 吸入温度検出回路 33 過熱度演算回路 34 飽和温度検出回路 35 弁開度補正係数テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 正博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岡部 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−24937(JP,A) 特開 平1−193563(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容量可変形圧縮機、室外熱交換器を有する
    1台の室外機と、室内熱交換器を有する複数台の室内機
    とを、前記室外機に設けて主に冷媒液が流れる液側主管
    を分岐した液側分岐管及び前記室外機に設けて主に冷媒
    ガスが流れるガス側主管を分岐したガス側分岐管を介し
    て接続し、前記液側分岐管のそれぞれに電気的に弁開度
    を制御可能とした電動膨張弁を介装して冷凍サイクルを
    構成し、前記室内機のそれぞれに、希望する室内温度を
    設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出する室内
    温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と室内温
    度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差温を算
    出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機のそれぞ
    れの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室内機の
    それぞれについて運転中か停止中かを判別するオンオフ
    判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を複数個
    の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室内機の
    定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定めて記憶
    する負荷定数記憶手段を設け、室内機の定格容量毎に容
    量定数を定めて記憶する容量定数記憶手段を設け、前記
    差温算出手段、前記容量判別手段、前記オンオフ判別手
    段、前記負荷定数記憶手段より得られるデータを用いて
    所定周期毎に圧縮機容量を算出し、この算出結果に基づ
    いて前記容量可変形圧縮機の容量を制御する圧縮機容量
    制御手段を設け、前記室内機の複数台が運転中の場合に
    は、所定周期毎に運転中の室内機のそれぞれについて、
    前記負荷定数記憶手段より定格容量及び現在の差温に対
    応する負荷定数及び負荷定数の最大値を読み出し、前記
    容量定数記憶手段より定格容量に対応する容量定数を読
    み出し、各室内機毎に負荷定数の最大値の逆数と負荷定
    数と容量定数の積を算出し、各室内機に接続された電動
    膨張弁の弁開度の大きさの比を、この積の比率となるよ
    う制御する弁開度制御手段を設けた多室形空気調和装
    置。
  2. 【請求項2】容量可変形圧縮機、室外熱交換器を有する
    1台の室外機と、室内熱交換器を有する複数台の室内機
    とを、前記室外機に設けて主に冷媒液が流れる液側主管
    を分岐した液側分岐管及び前記室外機に設けて主に冷媒
    ガスが流れるガス側主管を分岐したガス側分岐管を介し
    て接続し、前記液側分岐管のそれぞれに電気的に弁開度
    を制御可能とした電動膨張弁を介装して冷凍サイクルを
    構成し、前記室内機のそれぞれに、希望する室内温度を
    設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出する室内
    温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と室内温
    度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差温を算
    出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機のそれぞ
    れの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室内機の
    それぞれについて運転中か停止中かを判別するオンオフ
    判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を複数個
    の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室内機の
    定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定めて記憶
    する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手段、前記
    容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負荷定数記
    憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎に圧縮機
    容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容量可変形
    圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を設け、運
    転中の室内機台数及び定格容量の組合せ毎に各室内機に
    接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を定めて記憶
    する弁開度補正係数記憶手段を設け、前記室内機の複数
    台が運転中の場合には、前記データの少なくとも一部と
    この弁開度補正係数記憶手段より得られる弁開度補正係
    数のデータを用いて所定周期毎に運転中の室内機に接続
    された各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出し、こ
    の算出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を制御す
    る弁開度制御手段を設けた多室形空気調和装置。
  3. 【請求項3】運転中の室内機のそれぞれについて、負荷
    定数記憶手段より定格容量及び現在の差温に対応する負
    荷定数及び負荷定数の最大値を読み出し、弁開度補正係
    数記憶手段より運転中の室内機台数及び定格容量の組合
    せに対応する弁開度補正係数を読み出し、各室内機毎に
    負荷定数の最大値の逆数と負荷定数と弁開度補正係数の
    積を算出し、各室内機に接続された電動膨張弁の弁開度
    の大きさの比を、この積の比率となるよう制御する請求
    記載の多室形空気調和装置。
  4. 【請求項4】容量可変形圧縮機、室外熱交換器を有する
    1台の室外機と、室内熱交換器を有する複数台の室内機
    とを、前記室外機に設けて主に冷媒液が流れる液側主管
    を分岐した液側分岐管及び前記室外機に設けて主に冷媒
    ガスが流れるガス側主管を分岐したガス側分岐管を介し
    て接続し、前記液側分岐管のそれぞれに電気的に弁開度
    を制御可能とした電動膨張弁を介装して冷凍サイクルを
    構成し、前記室内機のそれぞれに、希望する室内温度を
    設定可能な室内温度設定手段と室内温度を検出する室内
    温度検出手段とを設け、この室内温度設定手段と室内温
    度検出手段とから設定室内温度と室内温度との差温を算
    出する差温算出手段を設け、さらに前記室内機のそれぞ
    れの定格容量を判別する容量判別手段及び前記室内機の
    それぞれについて運転中か停止中かを判別するオンオフ
    判別手段を設け、前記差温が取り得る温度範囲を複数個
    の温度ゾーンに分割し、各温度ゾーン毎にかつ室内機の
    定格容量毎に室内負荷に対応する負荷定数を定めて記憶
    する負荷定数記憶手段を設け、前記差温算出手段、前記
    容量判別手段、前記オンオフ判別手段、前記負荷定数記
    憶手段より得られるデータを用いて所定周期毎に圧縮機
    容量を算出し、この算出結果に基づいて前記容量可変形
    圧縮機の容量を制御する圧縮機容量制御手段を設け、前
    記データの少なくとも一部を用いて近似式にて各室内機
    に接続された電動膨張弁毎の弁開度補正係数を算出する
    弁開度補正係数算出手段を設け、前記室内機の複数台が
    運転中の場合には、前記データの少なくとも一部とこの
    弁開度補正係数算出手段より得られる弁開度補正係数の
    データを用いて所定周期毎に運転中の室内機に接続され
    た各電動膨張弁の弁開度の大きさの比を算出し、この算
    出結果に基づいて前記電動膨張弁の弁開度を制御する弁
    開度制御手段を設けた多室形空気調和装置。
  5. 【請求項5】運転中の室内機のそれぞれについて、負荷
    定数記憶手段より定格容量及び現在の差温に対応する負
    荷定数及び負荷定数の最大値を読み出し、弁開度補正係
    数算出手段により運転中の室内機台数及び定格容量のデ
    ータを用いて弁開度補正係数を算出し、各室内機毎に負
    荷定数の最大値の逆数と負荷定数と弁開度補正係数の積
    を算出し、各室内機に接続された電動膨張弁の弁開度の
    大きさの比を、この積の比率となるよう制御する請求項
    記載の多室形空気調和装置。
  6. 【請求項6】運転中の室内機のそれぞれについて、負荷
    定数記憶手段より定格容量及び現在の差温に対応する負
    荷定数及び負荷定数の最大値を読み出し、弁開度補正係
    数算出手段により負荷定数及び運転中の室内機台数及び
    定格容量のデータを用いて弁開度補正係数を算出し、各
    室内機毎に負荷定数の最大値の逆数と負荷定数と弁開度
    補正係数の積を算出し、各室内機に接続された電動膨張
    弁の弁開度の大きさの比を、この積の比率となるよう制
    御する請求項記載の多室形空気調和装置。
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