JP2730236B2 - ディーゼル機関の燃料噴射率制御装置 - Google Patents

ディーゼル機関の燃料噴射率制御装置

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JP2730236B2
JP2730236B2 JP1333737A JP33373789A JP2730236B2 JP 2730236 B2 JP2730236 B2 JP 2730236B2 JP 1333737 A JP1333737 A JP 1333737A JP 33373789 A JP33373789 A JP 33373789A JP 2730236 B2 JP2730236 B2 JP 2730236B2
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    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、圧電アクチュエータを用いたディーゼル機
関の燃料噴射率制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、ディーゼル機関の燃料噴射ポンプに内設さ
れた加圧室と連通する可変容積室を設け、その可変容積
室の容積を積層型圧電アクチュエータにより増減して燃
料の噴射率を調節する燃料噴射率制御装置が知られてい
る。
このような装置では、圧電アクチュエータの発生電圧
が燃料噴射ポンプの圧送行程の位相に対応していること
から、その発生電圧が所定の基準電圧に達したことをコ
ンパレータ等で検出することにより、その可変容積室の
容積の変更時期を定めるようになされたものが提案され
ている。しかし、かかる装置は、その基準電圧が固定値
であることから、圧電素子の温度特性を補償することが
できず、その容積の変更時期が所望のタイミングとなら
ず変化した。即ち、「低温時には同一圧力に対する発生
電圧が高くなる」というような圧電素子の温度特性のた
めに、一定の基準電圧で可変容積室の容積の変更時期を
定めると外部温度に応じてその変更時期が変化すること
になる。
そこで、その温度特性を補償するように基準電圧を変
更して、圧電アクチュエータにかかる燃料の圧力が一定
の大きさに達した時点で常にその容積の変更時期が定め
られるようにしたものが提案されていた(特開昭62−18
2445号公報記載の「ディーゼル機関用燃料噴射装置の噴
射率制御方法」)。
[発明が解決しようとする課題] ところで、燃料の温度が上昇すると燃料の粘度が下が
るために、燃料噴射ポンプの加圧室を形成するプランジ
ャの隙間や可変容積室に接する圧電アクチュエータの押
圧部の隙間等からリークする燃料量が増加してしまうこ
とになる。このために、燃料の温度が上昇すると圧電ア
クチュエータにかかる圧力が低下することになり、前記
後者の技術のように、圧電素子の温度特性を補償するよ
うに基準電圧を変更しても、最適なタイミングで可変容
積室の容積の変更時期を定めることができなかった。即
ち、燃料の温度が上昇すると、第7図に示すように、圧
電アクチュエータの発生電圧の立ち上がりが、目標とす
るαのような特性と比較して、時間遅れΔTが生じてβ
のような特性を示すことになり、例え圧電素子の温度特
性を補償するような基準電圧により制御条件を定めて
も、その基準電圧は燃料温度とは何等関係無いため、最
適なタイミングtaで可変容積室の容積の変更時期を定め
ることができなかった。かかる結果、安定したタイミン
グでパイロット噴射を実行できず、回転変動を誘起さ
せ、また、燃焼騒音の低下および燃料の着火性の向上を
図ることができなかった。
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、
燃料温度が変化しても最適なタイミングで圧電アクチュ
エータを駆動することで、安定した実行タイミングのパ
イロット噴射を実現可能なディーゼル機関の燃料噴射率
制御装置の提供を目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、前記課題を解決するための
手段として、本発明は以下に示す構成を採った。即ち、
本発明のディーゼル機関の燃料噴射率制御装置は、第1
図に示すように、 ディーゼル機関M1に供給する燃料の圧力を昇圧する加
圧室および該加圧室に連通する可変容積室を有する燃料
噴射ポンプM2と、 前記可変容積室の容積を、外部からの指令に従って変
更する圧電アクチュエータM3と、 前記可変容積室内の圧力に応じて発生する前記圧電ア
クチュエータM3の発生電圧を入力し、該発生電圧が所定
の基準電圧に達したか否かを判定する発生電圧判定手段
M4と、 該発生電圧判定手段M4にて前記圧電アクチュエータM3
の発生電圧が基準電圧に達したと判定されたとき、前記
可変容積室の容積を変更させる指令を前記圧電アクチュ
エータM3に出力する指令出力手段M5と、 を備えたディーゼル機関の燃料噴射率制御装置におい
て、 前記燃料の温度を検出する燃料温検出手段M6と、 該燃料温検出手段M6にて検出される燃料の温度の上昇
に従って前記発生電圧判定手段M4の判定に用いる基準電
圧を低下させる基準電圧低下手段M7と を設けたことをその要旨としている。
ここで、圧電アクチュエータM3とは、いわゆる積層型
の圧電素子を用いたもので、外部からの指令に従って伸
縮して可変容積室の容積を変更する。なお、圧電素子と
は、力を加えると電圧(電荷)が、逆に電圧を加えると
力(歪)が生じる性質を有するものであり、例えば、PZ
T等のセラミックの積層体、ポリマー系圧電材料から成
る素子、水晶から成る素子等であっても良い。
[作用] 以上のように構成された本発明のディーゼル機関の燃
料噴射率制御装置では、燃料噴射ポンプM2の加圧室に連
通する可変容積室内の圧力に応じて発生する圧電アクチ
ュエータM3の発生電圧が、所定の基準電圧に達したか否
かを、発生電圧判定手段M4によって判定し、その発生電
圧が基準電圧に達したと判定されたとき、その可変容積
室の容積を変更させる指令を、指令出力手段M5によって
圧電アクチュエータM3に出力するが、更に、発生電圧判
定手段M4の判定に用いるその基準電圧を、燃料温検出手
段M6にて検出される燃料の温度の上昇に従って低下させ
る。
したがって、燃料の温度の上昇に伴う燃料リークに起
因する圧電アクチュエータの圧力低下を、前記基準電圧
の低下により補償するように働く。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。
本発明の一実施例であるディーゼルエンジンの燃料噴
射率制御装置のシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、ディーゼルエンジンの燃料噴射率
制御装置1は、ディーゼルエンジン2、そのディーゼル
エンジン2に供給する燃料を加圧・圧送する分配型の燃
料噴射ポンプ3、その燃料噴射ポンプ3に併設された圧
電アクチュエータ4、その圧電アクチュエータ4を駆動
する駆動回路5と高電圧電源6、およびこれらを制御す
る電子制御装置(以下単にECUと呼ぶ。)7から構成さ
れている。
ディーゼルエンジン2は、シリンダ11、ピストン12お
よびシリンダヘッド13から燃焼室14を形成し、その燃焼
室14に燃料噴射弁15を配設している。
分配型の燃料噴射ポンプ3には、ディーゼルエンジン
2から、ディーゼルエンジン2のクランク軸にベルト等
の伝動機構により連結されたドライブプーリ21を介して
駆動力が伝達される。そのドライブプーリ21に結合され
たドライブシャフト22には、燃料フィードポンプである
ベーン式ポンプ23、外周面に等間隔で複数の突起を刻設
したパルスギヤ24およびカップリング25が接続されてい
る。カップリング25は、カムプレート26と一体的に結合
されたプランジャ27の一端側に連結され、プランジャ27
の他端部はシリンダ28内部に嵌入されている。カップリ
ング25とプランジャ27とは一体的に回転するが、プラン
ジャ27は、同図に矢印A,Bで示す軸方向に往復動可能に
支持されている。なお、プランジャ27とカムプレート26
とはスプリング29により、同図に矢印Aで示す方向に付
勢されている。
前記カップリング25とカムプレート26との間には、ロ
ーラリング30が配設されている。そのローラリング30の
カムプレート26に対向する面には、ローラリング30の回
転軸を中心とする円周に沿ってカムローラ31が取り付け
られている。カムプレート26のローラリング30に対向す
る面には突起26aが突設されている。ドライブシャフト2
2によりカップリング25を介してカムプレート26に回転
力が伝達され、ローラリング30に圧接されたカムプレー
ト26が回転することにより、プランジャ27は回転すると
共に、同図に矢印A,Bで示す方向に往復動し、燃料を分
配圧送する。
燃料噴射ポンプ3のハウジング32の頭部には、シリン
ダ28の嵌合によりブロック33が取り付けられている。そ
のブロック33内部には、プランジャ27およびシリンダ28
により加圧室34が形成されている。そのプランジャ27
は、外周面に気筒数に対応して形成されてハウジング32
内部の燃料を吸入する燃料導入凹部35を有し、その吸入
された燃料を加圧室34内部で昇圧する。また、プランジ
ャ27は、ディーゼルエンジン2の気筒数に対応して外周
面に凹設され、前記昇圧された燃料を分配する分配ポー
ト36およびその昇圧された燃料のうちの余剰燃料を溢流
するスピルポート37を備える。さらに、プランジャ27の
スピルポート37近傍には、そのプランジャ27による燃料
の加圧終了時期を調節して燃料噴射量を制御するスピル
リング38が摺動自在に外嵌されている。なお、ブロック
33には、分配ポート36に連通する燃料供給通路39a、そ
の燃料供給通路39aに接続されたデリバリバルブ40aが配
設されている。デリバリバルブ40aは、燃料パイプ41を
介して既述した燃料噴射弁15に接続されている。
圧電アクチュエータ4は、ケーシング51、そのケーシ
ング51内部の中空部と液密的、かつ、摺動自在に嵌合す
るピストン52、そのピストン52にその一端部が当接し他
端部がケーシング51の中空部下端面に固定された圧電素
子53、その圧電素子53の発生する電荷、あるいは、圧電
素子53に供給する電荷の導通路である信号線54から構成
されている。圧電アクチュエータ4は、ケーシング51の
先端外周部に刻設された螺子部51aにより燃料噴射ポン
プ3のブロック33に螺着され、ケーシング51の中空部、
ピストン52の上端面52aおよび前記ブロック33から可変
容積室55を形成しており、その可変容積室55は、連通孔
56により燃料噴射ポンプ3の加圧室34に連通している。
なお、圧電素子53はPZTから成る円板状部材を複数枚積
層した構造をなし、信号線54から電荷が供給されると、
同図に矢印Cで示す方向に伸張してピストン52を同方向
に摺動させるので、可変容積室55の容積は減少し、一
方、信号線54を介して電荷を放電すると、同図に矢印D
で示す方向に収縮してピストン52を同方向に摺動させる
ので、可変容積室55の容積は増加する。なお、可変容積
室55内部の燃料圧力の増加に伴って同図に矢印Dで示す
方向の圧縮力が圧電素子53に作用すると、その圧縮力に
起因する歪に応じた量の電荷を圧電素子53は信号線54に
放電する。
ところで、こうした構成の燃料噴射ポンプ3は、ドラ
イブシャフト22の回転に伴い、ベーン式ポンプ23、カム
プレート26およびプランジャ27が回転し、該カムプレー
ト26の突起26aがローラリング30のカムローラ31から乗
り下げる過程でプランジャ27は燃料の吸入行程に移行し
てハウジング32内部の燃料を加圧室34、連通孔56および
可変容量室55内部に導入し、一方、カムプレート26の突
起26aがローラリング30のカムローラ31に乗り上げる過
程でプランジャ27は燃料の圧縮行程に移行して加圧室3
4、連通孔56おろび可変容量室55内部の燃料を昇圧す
る。したがって、可変容量室55の容積が増加すると加圧
・圧送される燃料の圧力は通常圧縮行程時より低下し、
一方、可変容量室55の容積が減少すると加圧・圧送され
る燃料の圧力は通常圧縮行程時より上昇する。
圧電アクチュエータ4を駆動する駆動回路5は、高電
圧電源6に並列接続されたコンデンサ61、そのコンデン
サ61と圧電アクチュエータ4との間に直列接続された通
電用サイリスタ62および通電用コイル63、圧電アクチュ
エータ4に並列接続された放電用サイリスタ64および放
電用コイル65、既述したECU7から伝達される駆動回路制
御信号である矩形信号の立ち上がり時(ON)に通電用サ
イリスタ62にトリガパルスを出力し、一方、前記矩形信
号の立ち下がり時(OFF)に前記放電用サイリスタ64に
トリガパルスを出力するトリガ発生器66から構成されて
いる。
かかる構成の駆動回路5は、高電圧電源6で発生した
高電圧を一旦コンデンサ61に蓄電し、ECU7からの矩形信
号の立ち上がり時に通電用サイリスタ62が導通状態(O
N)になるとコンデンサ61に蓄電された電荷を圧電アク
チュエータ4に供給し、一方、ECU7からの矩形信号の立
ち下がり時に放電用サイリスタ64が導通状態(ON)にな
ると圧電アクチュエータ4に蓄電された電荷を放電す
る。
こうしたディーゼルエンジンの燃料噴射率制御装置1
は検出器として、燃料噴射ポンプ3のドライブプーリ21
の突起21aの接近時にディーゼルエンジン2の各気筒の
燃料噴射行程を検出する基準信号発生センサ71、パルス
ギヤ24に近接対向し、ドライブシャフト22の回転速度か
らディーゼルエンジン2の回転速度Neを検出する回転速
度センサ72、ディーゼルエンジン2の冷却水温度を検出
する水温センサ73、ディーゼルエンジン2のシリンダブ
ロックの壁面温度を検出するブロック温度センサ74、連
通孔56に設けられその内部を流れる燃料の温度tを検出
する燃料温センサ75および図示しないクランク軸に設け
られたシグナルディスクプレートに近接対向するクラン
ク角センサ76を備える。
ECU7は、CPU7a,ROM7b,RAM7c,タイマ7dを中心に論理演
算回路として構成され、コモンバス7eを介して入出力部
7fに接続されて外部との入出力を行なう。前述してきた
各センサおよびスイッチの検出信号および圧電素子53の
圧電素子電圧は入出力部7fを介してCPU7aに入力され、
一方、CPU7aは入出力部7fを介して駆動回路5および高
電圧電源6に制御信号を出力する。なお、駆動回路5お
よびECU7には、車載バッテリ77からイグニッションスイ
ッチ78を介して電力が供給される。
次に、ECU7により実行される処理を第3図および第4
図に示すフローチャートに基づいて説明する。
第3図に示す噴射量算出処理は,ディーゼルエンジン
2の起動に伴い、所定時間毎に繰り返して実行される。
まず、ステップ100では、回転速度センサ50,アクセルセ
ンサ51および水温センサ73の検出結果から、エンジン回
転速度Ne,アクセル開度Accpおよび冷却水温Thwを読み込
む。続くステップ110ないし150では、パイロット噴射に
関する各種値、即ち、第5図に示すような、制御基準電
圧VTH,印加時間T1,ショート時間T2,立下がり時間T3,ド
エル時間TDUELが算出される。
詳しく説明すると、制御基準電圧VTHは、パイロット
噴射を実行する際の閾値としての基準電圧であり、エン
ジン回転速度Ne,アクセル開度Accpおよび冷却水温Thwを
変数として規定されることから、ECU7は、予めROM7bに
格納された3次元マップを用いて、ステップ100で読み
込まれたエンジン回転速度Ne,アクセル開度Accpおよび
冷却水温Thwに基づいてその制御基準電圧VTHを算出する
(ステップ110)。
また、印加時間T1,ショート時間T2,立下がり時間T3
は、パイロット噴射率を定める各種値であり、ドエル時
間TDUELは、パイロット噴射のためのコンデンサ61への
蓄電時間であり、これら値は、エンジン回転速度Neを変
数としてそれぞれ規定されることから、ECU7は、予めRO
M7bに格納された1次元マップを用いて、ステップ100で
読み込まれたエンジン回転速度Neに基づいて前記印加時
間T1,ショート時間T2,立下がり時間T3およびドエル時間
TDUELをそれぞれ算出する(ステップ120〜150)。
ステップ150の実行後、ステップ160に進み、燃料温セ
ンサ75の検出結果から燃料温度tを読み込む。続く、ス
テップ170では、ステップ160で読み込まれた燃料温度t
に基づいて基準電圧補正項g(t)を算出し、ステップ
110で算出された制御基準電圧VTHにそのg(t)を掛け
て新たな制御基準電圧VTHを算出する。ここで、g
(t)の算出は、予めROM7bに格納された第6図に示す
如きマップを用いてなされる。即ち、ステップ110で算
出された制御基準電圧VTHを、燃料温度tの上昇に従っ
て低下させるように補正して、新たな制御基準電圧VTH
を算出する。ステップ170の実行後、処理は「NEXT」
へ抜けて本処理を終了する。以後、本処理は、所定時間
毎に繰り返して実行される。
次に、第4図に示すフローチャートに基づいて噴射率
制御処理について説明する。本噴射率制御処理は、クラ
ンク角センサ76によりディーゼルエンジン2のピストン
が上死点前の予め定められた位置にあることを示す基準
位置信号が検出される毎に、遅滞なく実行される。ま
ず、ステップ200では、圧電素子電圧Vを読み込む処理
が行なわれる。続くステップ210では、その読み込んだ
圧電素子電圧Vが、ステップ170で算出した新たな制御
基準電圧VTHを超えたか否かを判定する。ここで、圧
電素子電圧Vが制御基準電圧VTHを超えたと判定され
ると、処理はステップ220に進み、既述した噴射量算出
処理にて算出された印加時間T1,ショート時間T2,立下が
り時間T3およびドエル時間TDUELに応じた圧電アクチュ
エータ4の制御がなされるように、駆動回路5を制御す
る処理を実行する。
ステップ220の実行後、処理は「RETURN」に抜けて、
以後、本噴射率制御処理はクランク角センサ56により基
準信号が検出される毎に繰り返して実行される。
なお、ステップ210で、圧電素子電圧Vが制御基準電
圧VTHを超えないと判定されると、ステップ220の処理
を読み飛ばし、「RETURN」に抜ける。
次に、前記噴射量算出処理,噴射率制御処理に達成さ
れる噴射率制御の様子を、第5図のタイミングチャート
に従って説明する。燃料噴射ポンプ3が圧縮行程に移行
すると、カムリフト量が上昇し始め、加圧室34、連通孔
56および可変容積室55内部の燃料圧力が上昇し始め、そ
の燃料圧力により圧電アクチュエータ4内部の圧電素子
53は圧縮力を受けるので、圧電素子電圧Vが上昇し、時
刻t1に至ると、制御基準電圧VTH以上になる。その結
果、圧電アクチュエータ4に高電圧V1が印加され、圧電
素子53は伸張し、可変容積室55の容積が減少する。従っ
て、燃料噴射管内圧力は上昇し、燃料噴射弁開弁圧力を
上回るので、充分昇圧された燃料の噴射(パイロット噴
射)が開始され、噴射率は迅速に増加する。前記時刻t1
から印加時間T1経過後の時刻t2に至ると、燃料噴射を終
了させるため、圧電アクチュエータ4に印加されていた
電荷が放電されるので、圧電素子53は収縮し、可変容積
室55の容積が増加する。従って、燃料噴射管内圧力は低
下し、燃料噴射弁開弁圧力を下回るので、燃料噴射が終
了し、噴射率も速やかに減少する。
その後、カムリフト量は依然上昇し、しかも圧電素子
53は収縮しているため、燃料噴射管内圧力は再び上昇
し、燃料噴射弁開弁圧力を上回る(時刻t3)。その結
果、燃焼の噴射(主噴射)が再び開始され、噴射率は迅
速に増加する。その後、カムリフト量の減少とともに、
燃料噴射管内圧力は低下し、燃料噴射が終了し(時刻t
4)、噴射率も速やかに減少する。
以上詳述してきた本実施例によれば、圧電アクチュエ
ータ4の圧電素子電圧Vが、燃料温度tの上昇に従って
低下するように設定された制御基準電圧VTHを超えた
とき、圧電アクチュエータ4を駆動して可変容積室55の
容積を減少させて、パイロット噴射を実行させる。した
がって、燃料温度tが上昇して、第7図に示すように、
圧電アクチュエータの発生電圧の立ち上がりが、目標と
するαのような特性と比較して、時間遅れΔTが生じて
βのような特性を示したとしても、その燃料温度tの上
昇に従って制御基準電圧VTHを補償することで、その時
間遅れΔTに相応する分だけ制御基準電圧VTHを低下
させることができ、最適なタイミングtaで可変容積室の
容積の変更時期、即ちパイロット噴射時期を定めること
ができる。こうした結果、回転変動の防止、燃焼騒音の
低下および燃料の着火性の向上が図られる。
以上本発明のいくつかの実施例について説明したが、
本発明はこのような実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように本発明のディーゼル機関の燃料噴
射率制御装置によれば、燃料温度が変化しても、安定し
たタイミングでパイロット噴射を実行することができ、
その結果、回転変動の防止、燃焼騒音の低下および燃料
の着火性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に示した基本構成図、第
2図は本発明の一実施例であるディーゼルエンジンの燃
料噴射率制御装置のシステム構成図、第3図および第4
図はその制御を示すフローチャート、第5図はその制御
の様子を示すタイミングチャート、第6図は燃料温度t
から関数g(t)を算出するに際し用いられるマップを
示すグラフ、第7図はその制御による作用,効果を従来
技術の問題点と共に表すタイミングチャートである。 M1……ディーゼル機関 M2……燃料噴射ポンプ M3……圧電アクチュエータ M4……発生電圧判定手段 M5……指令出力手段 M6……燃料温検出手段 M7……基準電圧低下手段 1……ディーゼルエンジンの燃料噴射率制御装置 2……ディーゼルエンジン 3……燃料噴射ポンプ、4……圧電アクチュエータ 5……駆動回路、6……高電圧電源 7……電子制御装置(ECU) 34……加圧室、53……圧電素子 55……可変容積室、75……燃料温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 51/00 F02M 51/00 E (56)参考文献 特開 昭62−182445(JP,A) 特開 昭64−73152(JP,A) 特開 平1−193056(JP,A) 特開 昭63−266149(JP,A) 特開 平1−187345(JP,A) 特開 昭62−150053(JP,A) 特開 昭64−69756(JP,A) 実開 昭63−71447(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼル機関に供給する燃料の圧力を昇
    圧する加圧室および該加圧室に連通する可変容積室を有
    する燃料噴射ポンプと、 前記可変容積室の容積を、外部からの指令に従って変更
    する圧電アクチュエータと、 前記可変容積室内の圧力に応じて発生する前記圧電アク
    チュエータの発生電圧を入力し、該発生電圧が所定の基
    準電圧に達したか否かを判定する発生電圧判定手段と、 該発生電圧判定手段にて前記圧電アクチュエータの発生
    電圧が基準電圧に達したと判定されたとき、前記可変容
    積室の容積を変更させる指令を前記圧電アクチュエータ
    に出力する指令出力手段と、 を備えたディーゼル機関の燃料噴射率制御装置におい
    て、 前記燃料の温度を検出する燃料温検出手段と、 該燃料温検出手段にて検出される燃料の温度の上昇に従
    って前記発生電圧判定手段の判定に用いる基準電圧を低
    下させる基準電圧低下手段と を設けたことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射率
    制御装置。
JP1333737A 1989-12-22 1989-12-22 ディーゼル機関の燃料噴射率制御装置 Expired - Lifetime JP2730236B2 (ja)

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