JP2729235B2 - 構造物の振動抑制装置 - Google Patents

構造物の振動抑制装置

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JP2729235B2 JP1039689A JP3968989A JP2729235B2 JP 2729235 B2 JP2729235 B2 JP 2729235B2 JP 1039689 A JP1039689 A JP 1039689A JP 3968989 A JP3968989 A JP 3968989A JP 2729235 B2 JP2729235 B2 JP 2729235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、構造物の振動抑制装置に係わり、特に、地
震や風等の外力によって発生させられる構造物の振動を
有効に減衰させる振動抑制装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、構造物の揺れを減衰させるために用いられる振
動抑制装置として、例えば、オイルダンパや粘性ダンパ
等が挙げられている。
前記オイルダンパは、シリンダ内にその内部を複数の
作動油室に分割する可動部材を摺動自在に嵌装するとと
もに、これらの分割された作動油室間を細径管あるいは
オリフィス等によって形成された細径流路を介して連通
させておき、前記シリンダと可動部材とを構造物の変位
に追従させて相対移動させ、この可動部材により一方の
作動油室内に充填された作動油を細径管をとおして他方
の作動油室へ導き、作動油が前記細径流路を通過する際
に生じる流路抵抗を利用して、前記構造物の振動エネル
ギを吸収するようにしている。
さらに、粘性ダンパは、容器内に粘性体を封入してお
き、構造物に取り付けた可動部材を前記粘性体内におい
て移動させ、その際に生じる粘性抵抗を利用して前記構
造物の振動エネルギを吸収するようにしている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前述の従来の各振動抑制装置においては、
次のような問題点が残されている。
すなわち、オイルダンパおよび粘性ダンパにおいては
油や粘性体を用いていることから、これらの作動流体の
漏れが想定されるために、その漏れを防止しつつ封じ込
める必要があり構造が複雑化する。
また、前記作動流体の漏れを考慮すると、その設置位
置が制限されてしまう。
したがって、従来においては、このような問題点への
対処が望まれており、本発明はこのような課題を解決せ
んとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を有効に解決し得る構造物の振
動抑制装置を提供せんとするもので、帯状の摩擦板の複
数枚を相互に交差する方向に編み上げて略平板状のエネ
ルギ吸収体を形成し、このエネルギ吸収体を構造物の架
構間に介装するとともに、このエネルギ吸収体の表面に
粘弾性体を装着し、この粘弾性体を覆って被覆板を設け
てなることを特徴とする。
[作用] 本発明によれば、構造物の振動に伴う架構の変形に伴
い、エネルギ吸収体を構成する摩擦板どうしがその周縁
部分から中央部分へ向けて順次摺動し、その時に生じる
摩擦力と、摩擦板と被覆板との相対移動によって生じる
粘弾性体の剪断変形時の粘性抵抗とにより、構造物の振
動に対する減衰力を生じさせて、構造物の振動を抑制す
る。
[実施例] 以下、本発明の基本的なメカニズムについて第1図な
いし第4図に基づき説明する。
第1図中符号1は構造物を示し、架構として複数の柱
2と梁3とを備え、これらの柱2と梁3とによって取り
囲まれた部分で、構造物1の壁部分に本実施例の振動抑
制装置4が設けられている。
この振動抑制装置4は、帯状の摩擦板5の複数枚を相
互に交差する方向に編み上げて略平板状のエネルギ吸収
体6を形成してなり、このエネルギ吸収体6の外周縁部
に支持枠7を装着し、この支持枠7を前記柱2および梁
3に取り付けることによって装着されている。
前記摩擦板5は、鉄板やステンレス板の薄板が用いら
れ、相互に編み上げられた状態において、第2図に示す
ように、縦方向の摩擦板5と横方向の摩擦板5とが、そ
の重畳部分で面接触するようになされている。
そして、前記各摩擦板5の長さ方向の両端部、すなわ
ち、エネルギ吸収体6の周縁部が、例えば、前記支持枠
7の内周面に形成された溝(図示略)に嵌合させられる
ことにより、支持枠7に取り付けられている。
次いで、このように構成された振動抑制装置4の作用
について説明する。
地震や風等の外力を受けて構造物1に振動が生じる
と、構造物1の壁に剪断変形が与えられ、柱2や梁3が
第3図に示すように変形させられる(この剪断変形量を
δとする)。
このように柱2や梁3の変形に伴い、内部に装着され
ているエネルギ吸収体6にも同様の変形が与えられると
ともに、このエネルギ吸収体6を構成する縦横の摩擦板
5がその重畳部分において摺動を行う。
この摩擦板5相互の摺動により、摩擦板5間に摩擦力
が生じ、前述した剪断変形を生じさせる振動のエネルギ
が吸収され、これによって、構造物1の振動が抑制され
る。
一方、前記剪断変形量δが小さい場合においては、エ
ネルギ吸収体6の周縁部において前述した摩擦板5間の
摺動が開始され、剪断変形量δの増加とともに摩擦板5
間の摺動が中央部へ順次移行し、エネルギ吸収体6の全
体においてエネルギ吸収作用が生じる。
ここで、前記エネルギ吸収体6の外力Fに対する変形
量δとの関係を第4図に示す。
この図からも明らかなように、エネルギ吸収体6は、
小さな振動から大きな振動に至るまで、安定したヒステ
リシス特性を示し、良好な振動抑制作用が得られる。
したがって、小さな振動から大きな振動まで安定した
振動抑制作用が得られる。
また、振動抑制装置4は、柱2や梁3によって形成さ
れる壁内に設置されていることから、特別な設置スペー
スを設ける必要がなく、かつ、エネルギ吸収体6に流動
性がないこと等により、良好な施工性が得られる。
さらに、エネルギ吸収体6は、多数の重畳部分におい
て分散してエネルギ吸収を行うことから、各重畳部分に
おける負担が軽減されて摩耗による機能低下が抑えら
れ、長期に亙ってメンテナンスを不要にする。そして、
メンテナンスが必要となった場合においても、エネルギ
吸収体6が壁に設置されているから、その近くに広い作
業スペースが容易に確保され、かつ、エネルギ吸収体6
は摩擦板5を単に編み上げて構成した簡素な構造である
ことから、作業が円滑かつ容易に行われる。
一方、前記エネルギ吸収体6の表面を仕上げ材等によ
って覆うことにより、構造物1内の間仕切壁として用い
ることもでき、この点からも設置箇所の制限が緩和され
る。
一方、第5図は本発明の一実施例を示すもので、本実
施例に示す振動抑制装置8は、前記において示したエネ
ルギ吸収体6の表裏面に、ゴムとアスファルトを主成分
として形成された粘弾性体9を装着し、この粘弾性体9
を覆って被覆板10を設けたものである。
そして、この被覆板10は、前記粘弾性体9の粘着力に
よってエネルギ吸収体6に取り付けられ、周囲の柱2や
梁3との相対移動が許容された状態に保持されている。
本実施例の振動抑制装置8においては、構造物1の振
動により変形するエネルギ吸収体6と被覆板10との間に
相対移動が生じ、これによって両者間に介装されている
粘弾性体9が剪断変形させられ、この時に生じる粘性抵
抗により、エネルギー吸収体6とともに構造物1の振動
エネルギを吸収する。したがって、エネルギ吸収作用が
改善されて、振動抑制特性が向上する。
特に、前記粘弾性体9は、極めて微小な振動において
も剪断変形させられて粘性抵抗を生じることから、構造
物1の微小振動時における振動抑制作用が更に向上させ
られる。
なお、前記実施例において示した各構成部材の諸形状
や寸法等は一例であって、所望する振動抑制特性や適用
する構造物の種類、あるいは、設計要求等に基づき種々
変更可能である。
例えば、前記実施例においては、縦方向の摩擦板5間
にある程度の間隔を設けた状態で、横方向の摩擦板5を
編み上げた例について示したが、これに代えて、第6図
および第7図に示すように、縦方向の摩擦板5を隙間を
詰めた形態で横方向の摩擦板5を編み上げるようにして
もよい。
このように、摩擦板5を編み上げる形態を適宜変更す
ることにより、エネルギ吸収体6のエネルギ吸収特性を
変更することができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係わる構造物の振動抑
制装置によれば、次のような優れた効果を奏する。
まず、構造物の振動に伴う架構の変形に伴い、内部に
装着されているエネルギ吸収体を構成する縦横の摩擦板
がその重畳部分において摺動を行い、この摩擦板間に生
じる摩擦力によって、構造物の振動のエネルギが吸収さ
れ、これによって、構造物の振動が抑制される。
一方、前記架構の変形量が小さい場合においては、エ
ネルギ吸収体の周縁部において前述した摩擦板間の摺動
が開始され、変形量の増加とともに摩擦板間の摺動が中
央部へ順次移行し、エネルギ吸収体の全体においてエネ
ルギ吸収作用が生じる。
したがって、小さな振動から大きな振動まで安定した
振動抑制作用が得られる。
また、振動抑制装置を、架構の内側に設置したことか
ら、特別な設置スペースを設ける必要がなく、かつ、エ
ネルギ吸収体に流動性がないこと等により、良好な施工
性が得られる。
さらに、エネルギ吸収体は、摩擦板の多数の重畳部分
において分散してエネルギ吸収を行うことから、各重畳
部分における負担が軽減されて摩耗による機能低下が抑
えられ、長期に亙ってメンテナンスを不要にする。そし
て、メンテナンスが必要となった場合においても、エネ
ルギ吸収体が架橋間に設置されているから、その近くに
広い作業スペースが容易に確保され、かつ、エネルギ吸
収体は摩擦板を単に編み上げて構成した簡素な構造であ
ることから、作業が円滑かつ容易に行われる。
さらに加えて、構造物の振動時にエネルギ吸収体と被
覆板との間に介装されている粘弾性体を剪断変形させ、
これによって振動エネルギを吸収する。これによってエ
ネルギ吸収体によるエネルギ吸収作用に粘弾性体による
エネルギ吸収作用を加えて、振動抑制特性を向上させる
ことができる。特に、前記粘弾性体が、極めて微小な振
動においても剪断変形させられて粘性抵抗を生じること
から、構造物の微小振動時における振動抑制作用を更に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
図面中、第1図ないし第4図は本発明の基本的なメカニ
ズムを示すもので、第1図は要部の正面図、第2図は一
部の横断面図、第3図は作用を説明するための正面図、
第4図は振動エネルギの吸収作用を説明するための外力
−変形線図、第5図は本発明の一実施例を示す一部の横
断面図、第6図および第7図は本発明の変形例を示すも
ので、第6図は要部の正面図、第7図は一部の横断面図
である。 1……構造物、2……柱(架構)、 3……梁(架構)、4・8……振動抑制装置、 5……摩擦板、6……エネルギ吸収体、 7……支持枠、9……粘弾性体、 10……被覆板。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の摩擦板の複数枚を相互に交差する方
    向に編み上げて略平板状のエネルギ吸収体を形成し、こ
    のエネルギ吸収体を構造物の架構間に介装するととも
    に、このエネルギ吸収体の表面に粘弾性体を装着し、こ
    の粘弾性体を覆って被覆板を設けてなることを特徴とす
    る構造物の振動抑制装置。
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