JP2011190634A - 制振パネル及びそれを用いた耐震補強構造 - Google Patents

制振パネル及びそれを用いた耐震補強構造 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、容易に所望の形状で形成し、施工性の高い制振パネル及びそれを用いた耐震補強構造を提供することを目的とする。
【解決手段】固定枠10と、固定枠10の内側において、固定枠10の変形に伴って相対移動するとともに、対向部分aが接触する縦桟21と横桟22とで構成する格子材20を備え、格子材20を構成する縦桟21と横桟22とを、固定枠10の主平面上において、交差させて配置するともに、交差部分30における対向面a同士を密着させた。
【選択図】図1

Description

この発明は、木造軸組み構造物における耐震性を向上させるための制振パネルや耐震補強構造に関する。
阪神大震災以降、建築基準法が改定され、木造軸組み構造物もこれまで以上の耐震性が必要となり、さまざまな補強構造が提案されている。例えば、特許文献1では、木造軸組み構造物において、壁を構成する木製の骨組部材による矩形枠の内側に取り付けられる矩形面材を摩擦ダンパーとして機能させることにより、制振耐力壁を形成する壁構造が提案されている。
詳しくは、矩形枠の4方の骨組部材から内方に張り出して設けた摩擦パネル部材に、矩形面材の周縁部分を密着させ、複数のボルト部材を用いて摩擦パネル部材と矩形面材とを所定の摩擦力が得られるように締着し、摩擦接合によって矩形面材を骨組部材に支持固定させ、矩形面材を摩擦ダンパーとして機能させることにより、制振耐力壁を形成することができるとされている。
しかし、このような壁構造は、矩形枠に嵌るような一枚の大きな面材を用いているため、建築中の新規構造物に比べてさまざまな制限がある既設の木造軸組み構造物に設置する場合、その大きな面材の取り回しは困難であり、施工性に優れた補強構造ということはできなかった。
また、既設の構造物の場合、長年の使用により、柱や梁が変形している場合が多く、大きな面材を用いる上記補強構造の場合、変形した柱や梁による矩形枠の形状に大きな面材を合わせることが困難であった。
特願2006−126987号公報
そこでこの発明は、容易に所望の形状で形成し、施工性の高い制振パネル及びそれを用いた耐震補強構造を提供することを目的とする。
この発明は、枠材と、該枠材の内側において、前記枠材の変形に伴って相対移動するとともに、対向部分が接触する2以上の軸形状の摩擦部材とで構成した制振パネルであることを特徴とする。
上記枠材は、複数本の部材を組み合わせて、枠状に閉じられた形状に構成したものをいう。
上記軸形状の摩擦部材は、例えば、サンギや貫きのような形状の板材形状、あるいはバタ角のような形状の角材形状、さらには鋼線のような線材形状や帯状等とし、柱や梁による矩形枠の主平面と平行な面材を除く概念であるが、矩形枠の主平面に対して交差する方向に配置させ、対向部分が接触する面材は含む概念である。なお、摩擦部材は、木製、樹脂製、金属製、あるいはこれらの複合材料によって構成することを含み、材質は問わない概念である。
また、上記2以上の摩擦部材における対向部分が接触する部分は、面接触、線接触或いは点接触とすることができ、所望の摩擦力が発生する接触方法であればよい。
この発明により、容易に所望の形状で形成し、施工性が高く、枠材の内側において枠材の変形に伴って相対移動する2以上の摩擦部材における対向部分の接触による摩擦力によって、枠材を変形させる地震動のような外力を吸収して制振効果を得ることができる制振パネルを構成することができる。
詳しくは、当該制振パネルは、枠材と、枠材の内側において枠材の変形に伴って相対移動する2以上の摩擦部材とで構成しているため、例えば、経年変形した柱や梁による矩形枠の形状に応じた形状の枠材を容易に形成することができる。
また、摩擦部材を軸形状で形成しているため、枠材の内側に容易に摩擦部材を装備させることができる。また、摩擦部材を軸形状で形成しているため、枠材の内側の主平面上に配置する一枚の大きな面材を用いる場合と比較して、取り扱い性が向上し、矩形枠に設置する場合の施工性を向上することができる。
この発明の態様として、前記摩擦部材を、前記枠材の主平面上において、複数本を交差させて配置するともに、交差部分における対向面同士を密着させた交差摩擦部材で構成することができる。
上記枠材の主平面は、例えば、4本の部材で正面視四角形状に形成された枠材における4本の部材を通る正面視四角形状面のように、枠材上の平面とする。
上記複数本を交差させて配置するということは、同一方向に平行に並べた部材と、その方向に対して交差する交差方向に並べた部材とで構成する格子状の配置や、それぞれを不特定の方向に並べて交差させた配置である。
この発明により、制振効果を確実に得ることのできる制振パネルを構成できる。詳しくは、枠材の内側において枠材の変形に伴って2以上の摩擦部材における対向部分に発生する摩擦力によって、枠材を変形させる地震動のような外力を吸収して確実に制振効果を得ることができる。
また、この発明の態様として、前記交差摩擦部材を、所定の間隔を隔てて平行に配置する第1交差摩擦部材と、該第1交差摩擦部材に対して交差する方向に配置する第2交差摩擦部材とで構成することができる。
上記第1交差摩擦部材に対して交差する方向に配置する第2交差摩擦部材は、該交差方向に平行に配置した複数本、或いは該交差方向に配置した1本とすることができる。
これにより、所望の摩擦力、すなわち制振効果をより確実に実現することができる。詳しくは、第1交差摩擦部材を所定の間隔を隔てて平行に配置すると、第2交差摩擦部材を該第1交差摩擦部材に対して交差する方向に配置するため、第1交差摩擦部材と第2交差摩擦部材とによる摩擦力が生じる交差部分の面積を容易に算出することができる。したがって、所望の摩擦力を発生させるために、交差摩擦部材の幅や本数を設計して、確実な制振効果を容易に得ることができる。
また、この発明の態様として、前記第1交差摩擦部材における一方側の表面に密着し、隣接する前記第1交差摩擦部材における他方側の表面に密着するように、前記第2交差摩擦部材を複数の前記第1交差摩擦部材に対して編み込ませることができる。
このように、前記第2交差摩擦部材を複数の前記第1交差摩擦部材に対して編み込ませることによって、第2交差摩擦部材の復元力によって、第1交差摩擦部材と第2交差摩擦部材との交差部分における密着性が高まり、しいては摩擦力も高まる。
したがって、同じ交差面積であっても摩擦力を向上させることができる。よって、同じ材料を用いた制振パネルと比べて、前記第2交差摩擦部材を複数の前記第1交差摩擦部材に対して編み込ませることによって、制振効果を向上させることができる。
また、この発明の態様として、前記交差摩擦部材における摩擦力を調整する摩擦力調整手段を備えることができる。
上記摩擦力調整手段は、例えば、塗装や表面処理によって交差摩擦部材における対向部分の摩擦係数を調整することで交差摩擦部材における対向部分に発生する密着力を調整する手段や、交差摩擦部材における対向部分の密着状態を調整することで交差摩擦部材における対向部分に発生する摩擦力を調整する手段とすることができる。
この発明により、所望の制振効果を得ることができる。
また、この発明の態様として、前記摩擦部材を、前記枠材の主平面において、複数本を平行に並設するとともに、隣接する対向面同士を密着させた並設摩擦部材で構成することができる。
この発明により、所望の制振効果を得ることができる制振パネルを実現できる。詳しくは、枠材の内側において枠材の変形に伴って相対移動する2以上の並設摩擦部材の密着する対向面同士に生じる摩擦によって、枠材を変形させる地震動のような外力を吸収して確実に制振効果を得ることができる。また、例えば、並設摩擦部材の本数や幅等によって並設摩擦部材における摩擦力、すなわち制振力を容易に調整することができる。
また、この発明の態様として、前記並設摩擦部材における対向面同士の摩擦力を調整する摩擦力調整手段を備えることができる。
上記摩擦力調整手段は、例えば、塗装や表面処理によって並設摩擦部材における対向部分の摩擦係数を調整することで並設摩擦部材における対向部分に発生する摩擦力を調整する手段や、並設摩擦部材における対向部分の密着状態を調整することで並設摩擦部材における対向部分に発生する摩擦力を調整する手段とすることができる。
この発明により、所望の制振効果を得ることができる。
また、この発明は、上記制振パネルにおける前記枠材を、軸組み構造物における対向する軸部材にそれぞれ固定した耐震補強構造であることを特徴とする。
上記軸組み構造物を構成する軸部材は、柱や梁等を構成するたとえば三寸や四寸の木製の角材であり、軸組や線材ともいう。
この発明により、所望の制振効果を有する耐震補強構造を容易に施工することができる。
この発明によれば、容易に所望の形状で形成し、施工性の高い制振パネル及びそれを用いた耐震補強構造を提供することを目的とする。
格子状制振パネルの斜視図。 格子状制振パネルの正面図。 格子状制振パネルの説明図。 格子状制振パネルを用いた耐震補強構造の斜視図。 耐震補強構造における格子状制振パネルの設置方法を説明する斜視図。 耐震補強構造における格子状制振パネルの効果についての説明図。 並設摩擦制振パネルの斜視図。 並設摩擦制振パネルの正面図。 並設摩擦制振パネルの縦断面図。 耐震補強構造における並設摩擦制振パネルの効果についての説明図。
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は格子状制振パネル1の斜視図を示し、図2は格子状制振パネル1の正面図を示し、図3は格子状制振パネル1の説明図を示している。さらに詳述すると、図3(a)は格子状制振パネル1の図2におけるA−A断面図を示し、図3(b)は格子状制振パネル1の図2におけるB−Bにおける一部端面図を示しいている。図3(c),(d)は別の実施形態のA−A断面図を示し、図3(e)は別の実施形態のB−Bにおける一部端面図を示している。
格子状制振パネル1は、正面視縦長四角形の枠形状である固定枠10と、固定枠10の内側において格子状に配置した格子材20とで構成している。
固定枠10は、縦枠材10aと横枠材10bとで構成している。詳しくは、固定枠10は、縦枠材10aの両端に形成したほぞ(図示省略)を、横枠材10bの両端付近の側面に形成したほぞ穴に差し込んで正面視縦長四角形の枠形状を構成している。したがって、図6に示すように、外力によってわずかに変形可能に構成されている。
格子材20は、幅方向Wに所定間隔を隔てて複数配置した縦桟21と、該縦桟21に対して格子状に組み付けた横桟22とで構成している。詳しくは、横桟22aは、左1本目の縦桟21の表面側(図1,2において表側)を通り、次に隣接する縦桟21(左から2本目)の裏面側(図1,2において裏側)を通り、さらに左から3本目の縦桟21の表面側を通り、これを右端の縦桟21まで繰り返し、縦桟21の表面側と裏面側を縫うように、横桟22aを縦桟21に編み込む。
そして、上記横桟22aと高さ方向Hに所定間隔を隔てて隣接する横桟22bは、左1本目の縦桟21の裏面側を通り、次に隣接する縦桟21の表面側を通り、さらに左から3本目の縦桟21の裏面側を通り、これを右端の縦桟21まで繰り返し、縦桟21の表面側と裏面側を縫うように、横桟22bを縦桟21に編み込む。このように、高さ方向Hにおいて所定間隔を隔てて隣接する横桟22aと横桟22bとは、縦桟21の表裏面が互い違いとなるように、縦桟21に編み込む。これを、縦桟21の高さ方向H全般亘って繰り返し、縦桟21と横桟22とを編み付けた格子材20を構成する。
なお、各縦桟21の両端は、上下の横枠材10bの内側面に形成したほぞ孔(図示省略)に差し込まれ、横枠材10bの厚み方向に貫通する抜け留めピン(図示省略)によって、該抜け留めピンを中心としたわずかな回転角度分回転自在な状態で抜け止めされている。
同様に、横桟22の両端は、左右の縦枠材10aの内側面に形成したほぞ孔(図示省略)に差し込まれ、縦枠材10aの厚み方向に貫通する抜け留めピン(図示省略)によって、該抜け留めピンを中心としたわずかな回転角度分回転自在な状態で抜け止めされている。
なお、格子状制振パネル1を構成する固定枠10、縦桟21、横桟22は木製で構成しているが、これに限定されず、金属製や樹脂製で構成してもよい。
このように構成した格子状制振パネル1を用いた耐震補強構造100について、図4乃至6とともに、以下で説明する。なお、図4は格子状制振パネル1を用いた耐震補強構造100の斜視図を示し、図5は耐震補強構造100における格子状制振パネル1の設置方法を説明する斜視図を示し、図6は耐震補強構造100における格子状制振パネル1の作用についての説明図を示している。
耐震補強構造100は、軸組み構造物110の矩形枠120に格子状制振パネル1を固定して構成している。なお、図4,5では、軸組み構造物110の一部のみを示している。
軸組み構造物110は、一般的に、基礎130の上に固定した土台111、土台111に対して直角方向の水平部材である大引112、土台111や大引112から垂直方向に立設する間柱113、手前側の間柱113の上端同士を結ぶ幅方向Wの胴差し114、大引112に対して平行に配置され、間柱113の位置から胴差し114に直交する大梁115、大梁115同士の間に配置され、胴差し114に平行な小梁116等を接合して構成している。
そして、軸組み構造物110における土台111、左右の間柱113及び胴差し114で囲われた矩形枠120(図5)に、格子状制振パネル1を固定して耐震補強構造100を構成する。
さらに具体的には、既設の軸組み構造物110における矩形枠120を正確に採寸し、矩形枠120の内寸にあわせた固定枠10を、固定枠10内側に、縦桟21と横桟22とを編み込んだ格子材20を装着しながら、縦枠材10a及び横枠材10bを組み合わせて構成する。
そして、矩形枠120に格子状制振パネル1を嵌め込み、縦枠材10aを間柱113にそれぞれ固定する。これだけの施工により、矩形枠120に格子状制振パネル1を嵌め込んだ耐震補強構造100を構成することができる。
詳しくは、予め矩形枠120のサイズにあわせた固定枠10を構成しているため、容易に格子状制振パネル1を矩形枠120に嵌め込んで固定することができる。また、例えば、軸組み構造物110の経年変形によって、胴差し114や間柱113が撓んでいる場合であっても、縦枠材10aや横枠材10bを撓んだ間柱113や胴差し114にあわせて固定枠10を形成できるため、容易に矩形枠120に格子状制振パネル1を嵌め込んで固定することができる。
また、間柱113や胴差し114の撓みに縦枠材10aや横枠材10bを合わせた場合であっても、固定枠10内側にそれぞれ所定の間隔を隔てて配置した縦桟21及び横桟22を編み込んで格子材20を構成しているため、例えば板状のパネルを固定枠10内側に嵌め込んで制振効果を確保する制振パネルと比較して、縦枠材10aや横枠材10bの形状に合わせて容易に格子材20を構成することができる。
また、固定枠10の内側に縦桟21と横桟22とを編み込んで格子状に構成した格子材20を備え、格子状に構成した格子材20部分を把持して格子状制振パネル1を矩形枠120に嵌め込んで固定できるため、例えば板状のパネルを固定枠10内側に嵌め込んで制振効果を確保する制振パネルと比べて、格子状制振パネル1の取り回し性を向上することができる。したがって、矩形枠120に格子状制振パネル1を嵌め込んで固定する耐震補強構造100の施工を効率よく行うことができる。
上述したような施工によって構成した耐震補強構造100は、所望の制振効果を得ることができる。
詳しくは、固定枠10と、固定枠10の内側において、固定枠10の変形に伴って相対移動するとともに、交差部分30における対向部分aが接触する縦桟21と横桟22とで構成する格子材20とを備えているため、縦桟21と横桟22との交差部分30における対向部分aの接触による摩擦によって、固定枠10を変形させる地震動のような外力F(図4)を吸収して制振効果を得ることができる。
さらに詳述すると、格子状制振パネル1は、固定枠10と、固定枠10の内側において固定枠10の変形に伴って相対移動する縦桟21と横桟22とで構成する格子材20を備えているため、図6(a)に示すように、間柱113等から入力された外力Fによって固定枠10が変形した場合、縦桟21と横桟22による交差部分30の拡大正面図である図6(b)に示すように、縦桟21に対して横桟22が変形方向に傾斜する。
このとき、縦桟21と横桟22との交差部分30の対向部分aでは、縦桟21に対する横桟22の相対移動により、摩擦力が発生し、この摩擦力によって、固定枠10を変形させる外力Fを吸収することができる。したがって、格子状制振パネル1は、間柱113を介して入力される外力Fを、縦桟21と横桟22との交差部分30における対向部分aに発生する摩擦力によって低減するという制振効果を得ることができる。
なお、格子状制振パネル1は、幅方向Wに所定間隔を隔てて複数配置した縦桟21と、高さ方向Hに所定間隔を隔てて配置した横桟22とによる交差部分30の対向部分a、つまり固定枠10の主平面と同方向の交差部分30の対向部分aに発生する摩擦力を容易に算出することができるため、縦桟21及び横桟22の本数や幅を調整し、容易に所望の摩擦力を発生させ、容易に所望の制振効果を得ることができる。
また、縦桟21の表面に密着するとともに、隣接する縦桟21における裏面に密着するように、横桟22を複数の縦桟21に対して編み込ませているため、横桟22の復元力によって、縦桟21と横桟22との交差部分30の密着力は高まり、交差部分30の対向部分aに発生する摩擦力が向上する。
したがって、同じ交差部分30の接触面積であっても、交差部分30の対向部分aで発生する摩擦力を向上させることができる。
また、縦桟21と横桟22との交差部分30における対向部分aで発生する摩擦力を調整するために、例えば、図3(a)に示す縦桟21より厚みの厚い縦桟21aを用いてもよい。これにより、縦桟21aに対して編み込まれる横桟22の復元力が増大し、縦桟21aと横桟22との交差部分30の対向部分aにおける密着力が高まり、格子状制振パネル1の制振効果を高めることができる。
同様に、上述の格子状制振パネル1で用いた縦桟21を用いた場合であっても、縦桟21の設置位置を格子状制振パネル1における厚み方向の中心線CLから交互に偏心させてもよい。これにより、同じ厚さの縦桟21を用いた場合であっても、縦桟21に対して編み込まれる横桟22の復元力が増大し、縦桟21aと横桟22との交差部分30の対向部分aにおける密着力が高まり、縦桟21aと横桟22との交差部分30の対向部分aに発生する摩擦力が向上して格子状制振パネル1の制振効果を高めることができる。
逆に、横桟22が編み込まれる縦桟21の厚みを薄く形成したり、図6(e)に示すように、同じ厚みの縦桟21における横桟22の編み込み位置に、横桟22が嵌め込まれる溝22aを形成してもよい。
これにより、縦桟21に対して編み込まれる横桟22の復元力が減少し、縦桟21aと横桟22との交差部分30の対向部分aにおける密着力が低下する。したがって、格子状制振パネル1の制振効果を容易に所望の制振効果に合わせて低減させることができる。
また、縦桟21と横桟22との交差部分30における対向部分aに、摩擦係数を向上させる塗料の塗布や、摩擦係数を低減させるコーティング処理等を施して、縦桟21と横桟22との交差部分30の対向部分aに発生する摩擦力をコントロールしてもよい。これにより、制振効果をコントロールしながら、容易に所望の制振効果を得ることができる。
さらには、交差部分30における縦桟21と横桟22とを貫通するボルト・ナット(図示省略)を備え、ボルト・ナットの螺合状態によって、交差部分30における縦桟21と横桟22との密着性を制御して、交差部分30の対向部分aに発生する摩擦力による制振効果を所望の値に容易に制御する構成であってもよい。
また、縦桟21に対して横桟22を編み込まずと縦桟21と横桟22とを交差させた状態で接触させて構成してもよく、さらにはその交差部分に上述のボルト・ナットを備えて所望の密着力を発生させる構成であってもよい。
また、横桟22を、引っ張り力を付与したナイロンバンド等の帯状体によって構成してもよい。この帯状体と縦桟21との交差部分における対向部分に所望の摩擦力を発生させて所望の制振効果を得ることができる。
なお、上述の説明における縦桟21と横桟22との縦横方向を入れ替える、つまり、格子状制振パネル1をあたかも90°回転させた状態のように、横桟22に対して縦桟21を編み込んだ格子状制振パネル1であっても、同様の制振効果を得ることができる。
また、上述の説明では、図4に示すように、水平方向の外力Fによる変形に対する制振効果についてのみ詳述したが、もちろん、鉛直方向の外力、斜め方向の外力、あるいは水平方向を含むこれらの外力が合成された外力に対しても、有効な制振効果を有することはいうまでもない。
次に、図7乃至10とともに、並設摩擦制振パネル1Aについて説明する。
なお、図7は並設摩擦制振パネル1Aの斜視図を示し、図8は並設摩擦制振パネル1Aの正面図を示し、図9は並設摩擦制振パネル1Aの厚み方向中央付近の縦断面図を示し、図10は耐震補強構造100における並設摩擦制振パネル1Aの効果についての説明図を示している。なお、図7においては、並設摩擦機構40の内部に配置した芯材43及び密着力調整部材44を点線で示している。
並設摩擦制振パネル1Aは、正面視縦長四角形の枠形状である固定枠10と、固定枠10内側において、固定枠10の変形に伴って相対移動するように複数本を平行に並設し、隣接する対向面b同士を密着させた摩擦軸材42を有する並設摩擦機構40とで構成している。
並設摩擦機構40は、固定枠10内部における高さ方向Hの上方、中央及び下方に配置し、左右の縦枠材10aに両端が固定された支持桁41(41a,41b,41c)と、該支持桁41によって高さ方向Hが拘束された複数の摩擦軸材42と、並設摩擦機構40の内部の幅方向Wの中央付近において、上段の支持桁41aから下段の支持桁41cまで連通する芯材43と、該芯材43の左右外側で上段の支持桁41aから下段の支持桁41cまでを連通し、上段の支持桁41aから下段の支持桁41cまでを高さ方向Hに拘束する拘束力を調整する密着力調整部材44とで構成している。
支持桁41は、左右の縦枠材10aの内側面に形成したほぞ孔(図示省略)に両端が差し込まれ、縦枠材10aの厚み方向に貫通する抜け留めピン(図示省略)によって、該抜け留めピンを中心としたわずかな回転角度分回転自在な状態で抜け止めされている。したがって、支持桁41を備えたことにより、固定枠10の外力に対するわずかな変形を拘束することはない。
摩擦軸材42は、上段の支持桁41aと中段の支持桁41bとの間、及び中段の支持桁41bと下段の支持桁41cとの間において、それぞれの対向部分bが密着するように、支持桁41によって高さ方向Hが拘束された摩擦軸材42を配置している。なお、本実施例では、図7,8に示すように7本ずつ摩擦軸材42を配置しているが、この本数に限定されず、所望の摩擦力による制振効果を得ることのできる本数で構成すればよい。
芯材43は、上段の支持桁41aの底面41aaに形成された下向き凹部41abから、摩擦軸材42に形成された芯材貫通孔42a、及び中段の支持桁41bに形成された芯材貫通孔41baを通って、下段の支持桁41cの上面41caに形成された上向きの凹部41cbまで連通する芯材空間43aに遊嵌される。
密着力調整部材44は、図9に示すように、ネジ棒44aとナット45とで構成し、上段の支持桁41aに形成されたネジ棒貫通孔41ac、摩擦軸材42に形成されたネジ棒貫通孔42b、及び中段の支持桁41bに形成されたネジ棒貫通孔41bcを通って、下段の支持桁41cのネジ棒貫通孔41ccまで連通するネジ棒空間44bに遊嵌される。
そして、上段の支持桁41aの上面側と、下段の支持桁41cの底面側において、ナット45をネジ棒44aに螺入して、支持桁41で摩擦軸材42を高さ方向Hから拘束する。なお、ネジ棒空間44bは、長手方向に長い平面視長穴断面で形成しているため、ネジ棒空間44bに遊嵌されたネジ棒44aによって、摩擦軸材42が水平方向に拘束されることはない。
なお、並設摩擦制振パネル1Aを構成する固定枠10、支持桁41、摩擦軸材42及び芯材43は木製で構成しているが、これに限定されず、金属製や樹脂製で構成してもよい。
上述の格子状制振パネル1と同様に、容易に、且つ施工性に優れた状態で設置することができる並設摩擦制振パネル1Aを用いた耐震補強構造100Aは、所望の制振効果を得ることができる。
詳しくは、並設摩擦制振パネル1Aは、固定枠10と、固定枠10の内側において、固定枠10の変形に伴って相対移動するとともに、摩擦軸材42同士の対向部分b、或いは支持桁41と摩擦軸材42との対向部分bが接触する並設摩擦機構40とを備えているため、摩擦軸材42同士、或いは支持桁41と摩擦軸材42との対向部分bに発生する摩擦力によって、固定枠10を変形させる地震動のような外力F(図4)を吸収して制振効果を得ることができる。
さらに詳述すると、格子状制振パネル1は、固定枠10と、固定枠10の内側において固定枠10の変形に伴って相対移動する並設摩擦機構40を備えているため、間柱113等(図4)から入力された外力Fによって固定枠10が変形した場合、図10に示すように、各摩擦軸材42が、支持桁41の相対移動に伴う芯材43の移動によって変形方向に相対移動する。
このとき、摩擦軸材42同士、或いは支持桁41と摩擦軸材42とにおける対向部分bでは、摩擦軸材42が変形方向に相対移動することにより、摩擦力が発生する。そして、この摩擦力によって、固定枠10を変形させる外力Fを上記摩擦力で吸収することができる。したがって、並設摩擦制振パネル1Aは、間柱113を介して入力される外力Fを、摩擦軸材42同士、或いは支持桁41と摩擦軸材42とにおける対向部分bに発生する摩擦力によって低減するという制振効果を得ることができる。
なお、高さ方向Hに複数配置した摩擦軸材42における対向部分bは、固定枠10の主平面に対して直交方向となり、並設摩擦制振パネル1Aは、この方向における摩擦力によって外力Fを効果的に吸収して、所望の制振効果を得ることができる。
また、密着力調整部材44のナット45を螺入出することにより、支持桁41同士の間に配置した複数本の摩擦軸材42同士或いは支持桁41と摩擦軸材42とにおける対向部分bの密着性をコントロールすることができる。したがって、摩擦力の発生量をコントロールして所望の制振効果を得ることができる。
なお、この並設摩擦機構40では、幅方向Wの摩擦軸材42を高さ方向Hに複数配置して所望の制振効果を得たが、高さ方向Hの摩擦軸材42を幅方向Wに複数配置して構成してもよい。また、所望の摩擦力による制振効果を得ることができれば密着力調整部材44を備えなくてもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の枠材は、固定枠10に対応し、
以下同様に、
摩擦部材は、格子材20、並設摩擦機構40に対応し、
制振パネルは、格子状制振パネル1、あるいは並設摩擦制振パネル1Aに対応し、
交差摩擦部材は、縦桟21と横桟22とで構成する格子材20に対応し、
第1交差摩擦部材は、縦桟21に対応し、
第2交差摩擦部材は、横桟22に対応し、
第1交差摩擦部材における一方側の表面は、縦桟21の表面に対応し、
第1交差摩擦部材における他方側の表面は、縦桟21の裏面に対応し、
摩擦力調整手段は、格子状制振パネル1において、縦桟21や横桟22の本数や幅の調整、厚みの厚い縦桟21a、中心線CLから交互に偏心させた縦桟21や横桟22の設置位置、縦桟21に形成した横桟22が嵌め込まれる溝22a、交差部分30における縦桟21と横桟22とを貫通するボルト・ナット、あるいは並設摩擦制振パネル1Aにおける密着力調整部材44に対応し、
並設摩擦部材は、支持桁41及び摩擦軸材42で構成する並設摩擦機構40に対応し、
軸部材は、間柱113に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…格子状制振パネル
1A…並設摩擦制振パネル
10…固定枠
20…格子材
21,21a…縦桟
22…横桟
30…交差部分
40…並設摩擦機構
41…支持桁
42…摩擦軸材
44…密着力調整部材
100…耐震補強構造
110…軸組み構造物
113…間柱
a,b…対向部分

Claims (8)

  1. 枠材と、
    該枠材の内側において、前記枠材の変形に伴って相対移動するとともに、対向部分が接触する2以上の軸形状の摩擦部材とで構成した
    制振パネル。
  2. 前記摩擦部材を、
    前記枠材の主平面上において、複数本を交差させて配置するともに、交差部分における対向面同士を密着させた交差摩擦部材で構成した
    請求項1に記載の制振パネル。
  3. 前記交差摩擦部材を、
    所定の間隔を隔てて平行に配置する第1交差摩擦部材と、
    該第1交差摩擦部材に対して交差する方向に配置する第2交差摩擦部材とで構成した
    請求項2に記載の制振パネル。
  4. 前記第1交差摩擦部材における一方側の表面に密着し、隣接する前記第1交差摩擦部材における他方側の表面に密着するように、前記第2交差摩擦部材を複数の前記第1交差摩擦部材に対して編み込ませた
    請求項3に記載の制振パネル。
  5. 前記交差摩擦部材における摩擦力を調整する摩擦力調整手段を備えた
    請求項2乃至4のいずれかに記載の制振パネル。
  6. 前記摩擦部材を、
    前記枠材の主平面において、複数本を平行に並設するとともに、隣接する対向面同士を密着させた並設摩擦部材で構成した
    請求項1に記載の制振パネル。
  7. 前記並設摩擦部材における対向面同士の摩擦力を調整する摩擦力調整手段を備えた
    請求項6に記載の制振パネル。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれかに記載の制振パネルにおける前記枠体を、軸組み構造物における対向する軸部材にそれぞれ固定した
    耐震補強構造。
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