JP2728732B2 - 電子ビーム描画によるホログラムの形成方法 - Google Patents

電子ビーム描画によるホログラムの形成方法

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JP2728732B2
JP2728732B2 JP15040289A JP15040289A JP2728732B2 JP 2728732 B2 JP2728732 B2 JP 2728732B2 JP 15040289 A JP15040289 A JP 15040289A JP 15040289 A JP15040289 A JP 15040289A JP 2728732 B2 JP2728732 B2 JP 2728732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、電子ビーム描画装置を用いてホログラムパ
ターンを形成する方法に関する。
【従来の技術】
ホログラムパターンを用いて、例えば光集積回路を形
成する方法として、特開昭58−111968号に記載されてい
るように、コヒーレントな二つの光波を干渉させた時に
生じる干渉縞を利用する方法が知られている。 しかし、この方法は、干渉縞を生成する時に用いる光
波の波長と、できたホログラムを利用する時の光波の波
長が一般的に異なるために収差が発生しやすいとんう問
題がある。 これを解決する方法として、例えば西原浩 著の「光
集積回路」(オーム社発行、昭和60年)に記載されてい
るように、電子ビーム描画装置を用いる方法が知られて
いる。この方法は、ホログラムパターンを再生するとき
の光波の波長で干渉させたとして、その干渉縞を予め計
算で求めておき、そのパターンを計算機制御された電子
ビーム描画装置を用いて形成する方法である。ここで、
光集積回路に用いるホログラムパターンは、使用する波
長とほぼ等しい程度の微細な曲線パターンで構成されて
おり、その本数が極めて多いのが一般的である。
【発明が解決しようとする課題】
周知のように、電子ビーム描画装置は、直径0.1〜1
μmに絞り込んだ円形ビームをアナログ的に、又はデジ
タル的に走査してホログラムパターンを形成するが、こ
の方法によると、パターンの描画に長時間を要するた
め、描画の途中でビーム電流、ビーム直径、加速電圧、
ホログラムパターンを形成するときの基準となる位置が
変化してしまうという問題点があった。また、一定の線
幅を持った曲線パターンを円形ビームスポットで塗りつ
ぶしていくため、塗りつぶすことのできない微小領域が
発生するという欠点があった。 また、電子ビーム描画方式としては、この他半導体装
置の製造プロセスにおける各種マスクパターンを形成す
るために使用される別の方式が知られている。これに使
用する電子ビーム描画装置のシステム構成図を第5図に
示す。この方式では、電子レンズ系の中に矩形又は三角
形の形成絞りをいれて矩形あるいは三角形のビームを試
料に照射する方式である。この方式の装置では、大電流
の電子ビームを取り出すことができることから、直線の
パターンを形成する場合には短時間で描画を完了させる
ことができるという特徴がある。しかし、この装置でホ
ログラムパターンのような曲線パターンを描画しようと
すると以下に述べるような問題点がある。 すなわち、この場合には予め微小な例えば矩形に成形
された固定ビームで、所定の曲線パターン上をあたかも
印を押し繋ぐ如く順次照射し、描画することになる。し
たがって、微小に絞った固定成形ビームによるため、曲
線パターン全体を描画するのに相当の時間を要し、電子
レンズ系の安定性に限界があり高精度の描画を維持する
ことは不可能に近い。また、この固定ビームの形状を大
きくして描画時間を短縮しようとすると勾配の急な曲線
部分の描画が粗くなり目的とする曲線パターンに忠実な
滑らかな描画は得られ難い。 したがって、本発明の目的は、このような従来技術の
問題点を解決することにあり、微細な曲線群で構成され
ているホログラムパターンを滑らかに、かつ短時間で形
成することのできる改良された電子ビーム描画方式によ
るホログラムの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子ビーム描画法によるホログラムの作成
法において、曲線部分を有するホログラムパターンを描
画する場合に、この曲線部分領域を微小矩形に分割し、
しかもこの隣接する各矩形ビームパターン相互間に一定
の段差を持たせながら連続的に繋げながら描画すること
に特徴があり、これにより曲線パターン部分のホログラ
ムパターンを滑らかに、しかも短時間に描画することが
できる。以下に本発明を更に具体的に説明する。 つまり、上記本発明の目的は、予め定められた所定形
状の曲線パターンに従って、成形電子ビームを順次照射
し、連続的に繋げることにより、前記所定形状の曲線パ
ターンに従ったホログラムを形成する方法において、同
一描画曲線パターン上において照射する電子ビームの断
面形状を矩形とし、しかも隣接する照射領域における前
記矩形状成形電子ビームのy方向の段差Dを一定にし、
かつ、前記矩形状成形電子ビームのx方向のビーム幅W
を前記曲線パターンの勾配Δy/Δxの大きさに応じて変
化させ、前記勾配Δy/Δxが大であるほど前記ビーム幅
wを小さくして照射するようにして成る電子ビーム描画
によるホログラムの形成方法により、達成される。 そして、好ましくは、上記隣接する照射領域における
上記矩形状成形電子ビームのy方向の段差Dを、ホログ
ラムを使用する波長の1/10以下とし、しかも上記矩形状
成形電子ビームのx方向の幅Wを、上記同一描画曲線パ
ターンの勾配が急になるように従い狭くして照射して成
る電子ビーム描画によるホログラムの形成方法により、
達成される。上記のように隣接する矩形ビーム照射領域
の段差は、ホログラムを使用する波長の1/10以下である
ことが望ましい。その理由は、段差が波長の1/10より大
であると、光の散乱が急激に増大してホログラムの効率
が低下したり、光波の波面が急激に乱れたりするためで
ある。 また、上記電子線ホログラムの作成において、隣接す
る矩形と矩形の間に生じる段差を、三角形ビームで埋め
ることにより更に滑らかなホログラムパターンを得るこ
とができる。なお、ここに用いる矩形ビームや三角形ビ
ームの形状は、いずれも電子ビーム描画装置におけるビ
ーム発生手段を構成する制御部において所定のプログラ
ムデータを用いれば容易に実行することができる。 更にまた、好ましい本発明の具体的構成例としては、
光学的に透明な基板上に、金属膜と、電子線レジスト膜
とを順次形成し、前記電子線レジスト膜上に予め定めら
れた所定形状の曲線パターンに従って、成形電子ビーム
を順次照射し、照射領域を連続的に繋げることにより、
照射曲線パターン領域を形成し、次いでこの電子線レジ
スト膜を現像してレジストパターンを形成し、これをマ
スクとして下地の前記金属膜を選択的にエッチングする
ことにより前記基板上にホログラムパターンを形成する
方法において、前記照射曲線パターン領域を形成するに
際し、同一描画曲線パターン上において照射する電子ビ
ームの断面形状を矩形とし、しかも隣接する照射領域に
おける前記矩形状成形電子ビームの段差を一定にし、か
つ、そのビーム幅Wを前記曲線パターンの勾配の大きさ
に応じて変化させて照射して成る電子ビーム描画による
ホログラムパターンの形成方法からなる。 そして、より好ましくは上記隣接する照射領域におけ
る上記矩形状成形電子ビームの段差を、ホログラムを使
用する波長の1/10以下とし、しかも上記矩形状成形電子
ビームの幅Wを、上記同一描画曲線パターンの勾配が急
になるに従い狭くして照射することである。 さらに本発明の具体的応用例としては、そのほか上記
のように金属膜と、電子線レジスト膜とを透明基板上に
形成し、上記電子ビーム描画法によりホログラムパター
ンを形成した後、レジスト膜現像、金属膜エッチングし
て得られたホトマスクを用いて、周知のパターン形成方
法であるホトリソグラフイにより所望の基板にホログラ
ムを転写することもできる。さらにまた、レジスト膜を
形成したガラスまたは光学結晶基板に、上記方法により
ホログラムを形成した後、これをドライエッチングする
ことにより、透過形もしくは反射型の導波路型光素子、
もしくは光集積回路用ホログラム光素子を効率良く形成
することができる。さらに具体的には、半導体レーザを
光源とし、例えばLiNbO3のごとき誘電体基板に光導波
路、表面弾性波(SAW)を用いた光偏向器素子、および
入、出射させるためのホログラム素子の形成法として光
ディスク装置用の光ヘッドを製造するのに好適な方法で
ある。
【作用】
微細な曲線パターン部を、微小に絞った電子ビームで
忠実に描画するには、曲線パターンの勾配つまり傾斜の
度合いに応じた描画処理が必要である。本発明では、こ
の勾配によって隣接する照射領域間に生じる段差を一定
とし、ビーム幅Wをこの勾配の傾斜の度合いに応じて変
化させ、つまり急勾配になればなるほどビーム幅Wを狭
くして、きめ細かな描画を施し、逆に傾斜が緩くなれば
それに応じてビームビーム幅Wを広くして描画するダイ
ナミックな描画法をとる。したがって、傾斜部の描画は
滑らかとなり、結果として曲線部分が滑らかなホログラ
ムを形成することができ、描画時間も実用的な範囲まで
短縮することができる。
【実施例】
実施例1 以下、図面を用いて本発明の一実施例を具体的に説明
する。 第1図は、本発明によるホログラムの形成方法を説明
するためのパターンの模式図を示したものである。同図
において、曲線A、Bは計算で求めた曲線ホログラムパ
ターンである。この曲線A、Bパターンに従って、より
忠実な電子ビーム描画を実用的な速度で実際に行う場合
の例を以下に示す。 この曲線A、Bを基にして、第1図に示したように矩
形の電子ビームを発生させ、順次矩形の露光領域を繋げ
てホログラムパターンを形成することになるが、電子ビ
ームの形状のコントロールは、電子ビーム描画装置のパ
ターン発生用ジェネレータに所定のデータを導入するこ
とにより、また曲線上をトレースするビーム照射領域の
位置決めは、同じくこの装置内の位置決め手段に必要な
情報を供給することにより容易に行うことができる。こ
れらは、実際には制御計算機のプログラムに必要データ
を導入することにより実行することになる。ここで、隣
接する矩形ビーム照射領域間のy方向の段差Dは、曲線
の傾きによらず一定となるように定める。例えば点Q
1(x1,y1),Q2(x2,y2)を含む矩形の幅Wは、xの
増分(x2−x1=Δx)であり、段差Dは、yの増分(y2
−y1=Δy)であって、曲線部分においては常にDが一
定となるよう定める。 即ち、D=y2−y1:一定 W=x2−x1:可変 Dは任意に定めることができるが、形成したホログラ
ムの再生像の性能を考慮して、使用する再生光の波長の
1/10以下、実用的には使用する光源にもよるが、半導体
レーザの場合0.1μm以下にすることが望ましい。 一方、矩形の長さLは曲線Aと隣接するホログラムパ
ターン曲線Bの点Q3(x1,y1′)を求め、L=(y1′−
y1)/2となるように定める。 以上のようにして矩形を定め、これらを計算機制御さ
れた電子ビーム描画装置を用いて描画することにより、
滑らかなホログラムパターンを形成することが出来る。 なお、第2図は、ビームの矩形幅Wを一定幅に固定し
てホログラムパターンを形成したときの比較例となる電
子ビーム描画例である。この場合は、矩形幅Wが一定で
あることから、矩形段差Dが曲線の傾きによって異な
り、勾配が急になるにつれ段差だ大きくなっている。し
たがって、この段差の大きな領域では光の散乱が大き
く、このようなパターンで回折格子を形成した場合に
は、この散乱によって回折格子の特性が著しく劣化し実
用に供せない。 また、第3図は、同じく比較例を示したもので、第2
図よりも矩形幅Wをさらに小さくしたときのホログラム
パターンを示したものである。この場合には、傾斜部に
おける個々の段差Dは大きく変化しているが幅Wが小さ
いことから滑らかな曲線をうることは出来るが、矩形幅
Wを曲線の勾配とは無関係に、極めて狭い一定幅に固定
していることから、矩形ビームの照射回数が極端に増大
し、描画に相当の時間を要し、そのため安定な電子ビー
ムが得られ難いことから、実用性がない。 実施例2 この実施例は、実施例1で形成したホログラムパター
ンの段差Dをさらに小さくする方法に関するものであ
る。第4図はこの具体例を示したものであり、隣り合う
矩形と矩形の段差Dは、例えば第4図の三角形EFGに相
当するパターンを発生させて描画することにより小さく
することが出来る。 この三角形ビームによる描画のタイミングとしては、
実施例1の矩形ビームのみでの描画が終了した後に一括
して行ってもよく、段差が生じる度にその都度行っても
よい。 実施例3 ホログラム素子の形成方法に関する具体的実施例を示
す。 第6図(a)、(b)は、光集積回路の形成に有効な
集光グレーティング(FGC)を示したものであり、
(a)は平面図、(b)はその断面図である。FGC1は光
学基板2に形成した光導波路3の上に形成される。第8
図(a)は、FGC1のホログラムパターンの部分拡大図で
あり、第8図(b)の一部を示している。この図の矩形
の単位照射領域Rが段差Dを伴って順次繋がって一つの
曲線パターンを構成している。第7図および第8図
(b)は電子ビーム描画装置を用いて形成した上記パタ
ーンの模式図である。FGC1は、光導波路3内を進行する
平行光を一点Pに集光させる作用を有しており、パター
ン形状は(1)式で表わされる。 m:曲線の次数 θ:放射角 λ:光波の波長 ns:基板の屈折率 f:焦点距離 N:光導波路の実効屈折率 (1)を変形し、yをy(x)とおくと(1)′とな
る。 y(x)={(mλ+nsf)N−ns 2fsinθ}−〔ns 4f2s
in2θ+ns 2{(mλ+nsf)(mλ+nsf−2Nfsinθ)
+(N2−ns 2)(f2+x2)〕1/2/(N2−ns 2) ……
(1)′ (1)′を用いて矩形パターン配列を定める方法を第9
図を用いて説明する。 (i)段差Dの設定: 導波光の波長λ(0.78μm)の1/10以下を目安に例え
ば0.05μmと設定する。 (ii)矩形幅Wの算出: 段差Dを越えない範囲のWを求める。ここで電子ビーム
描画装置が描画し得る最小の矩形幅Δxとする。Δxは
本実施例において、0.01μmの電子ビーム描画装置を用
いた。x=x+Δxとおいて、(1)′式よりxの増分
Δxに対するyの増分Δyを求める。ここでΔyがD未
満である場合ΔxをΔx×kとおいてΔyを(2)式よ
り求める。 Δy=y(x+kΔx)−y(x) ……(2) k:2、3、4、5……自然数 (2)式よりΔyがDを越えるkの最小値を求め、この
値から1を引いたkの値をk′とし、Wを(3)式の様
に設定する。 W=k′Δx ……(3) ΔyがDに等しい場合、ΔxをWとする。本方式の場
合、傾きが78°までの曲線を描画することができる。な
お仮に傾きがこれ以上の場合には、Dを再設定し、0.05
μmより大にすることにより傾きの大な曲線をも描画す
ることができる。 (iii)矩形の長さLの設定: Lを(4)式より求める。 L=〔y(x,m+1)−y(x,m)〕/2 ……(4) (iv)xをx=x+Dとして(ii)(iii)の手法で隣
接する矩形を求める。 以上の様にして求めた矩形データ(描画データ)を電
子ビーム描画装置の制御様計算機に入力してホログラム
パターンを描画する。 次に第6図に示したFGC1を有した光素子の具体的作成
手順を説明する。 光学基板2としてLiNbO3結晶を用い、この上にTi金属
膜を約240Å形成する。これを電気炉中で1000℃、2.5時
間加熱してTiをLiNbO3中に拡散させて光導波路3を形成
する。次にFGC用の材料であるTiO2薄膜を1000Å形成す
る。この上に電子ビーム描画するときの電荷のチャージ
アップを防止するためのAu薄膜を約100Å形成する。つ
ぎに、電子線レジストを塗布し、先に述べた電子ビーム
描画法により第5図に示した装置を用いてFGCパターン
を描画する。第7図、第8図に示した曲線パターン群に
おける格子間隔は3μm、本数は約2000本、矩形数は約
500万個で、きわめて滑らかなパターンが得られること
が確認された。描画時間は約10分間と短時間である。 次にレジストパターンをマスクとしてCF4ガスを用い
たRIE(Reactive Ion Etching)によりTiO2薄膜をエッ
チングし、最後にAuを除去して光素子を形成した。 この光素子に光源としての半導体レーザ光を導波した
ところ、導波光は集光グレーティングで回折されて、第
6図の4に示したように、基板外の設計した位置P点に
スポットを結ぶことが確認された。 実施例4 実施例3のホログラム素子を大量生産するときに有効
なフォトマスクの形成法に関する具体例を示す。 石英基板上に金属Crを1500Å蒸着した後、電子線レジ
ストを塗布し、実施例3で述べた電子ビーム描画装置
と、パターン形成用矩形ビームでの描画データを用い
て、集光グレーティングパターンを電子ビーム描画し
た。しかる後に、レジストを現像し、下地のCrを硝酸セ
シウム系エッチング液を用いて選択的にエッチングする
ことにより、Crのフォトマスクを作成した。このフォト
マスクを用いると、ホトリソグラフイーにより集光グレ
ーティングを量産することができる。すなわち、このホ
トマスクを用いて露光装置によりパターンを焼き付け、
レジストを現像し、ドライエッチングすることにより、
ホログラムをより短時間で形成することができる。 実施例5 この実施例では、光ヘッドの作成例について説明す
る。第10図は、光集積回路の一例を示したもので、光デ
ィスク装置に用いる光ヘッドとして有効なものである。
以下に第10図の光ICの製造方法及び作用について説明す
る。 (i)光ICの製造方法について: まず各種導波路型光学素子に関しては、光学基板2と
して光学研磨したLiNbO3結晶を用い、その上にTiをスパ
ッタリングにより24nm堆積させ、熱拡散を行って光導波
路3を形成した。上記スパッタリングの条件は、高周波
パワー300W、アルゴンガス圧0.35Pa、スパッタ速度0.4n
m/secである。熱拡散は電気炉を用いて、1000℃に加熱
しアルゴンガス雰囲気中で2時間、続いて酸素ガスを0.
5時間流して行った。ここで導波路3の表面屈折率はnf
=2.22となり等価屈折率N=2.209のTE単一モード導波
器であった。なお、光導波器は熱拡散の代りにいわゆる
イオン打込みによるプロトン交換法によって作製しても
よい。光導波路上に形成するバッファ層(図面省略)は
コーニング社の商品名#7059ガラスをスパッタリングに
より10nm形成した。スパッタ条件は高周波パワー100W、
アルゴンガス圧0.35Pa、スパッタ速度0.2nm/secであ
る。バッファ層上に装荷層としてTiO2を反応性スパッタ
リングにより100nm形成した。スパッタ条件は、TiO2
ーゲットを用いてスパッタガスとしてアルゴンと酸素を
用い、O2とArの流量比0.7、スパッタガス圧力0.42Pa、
高周波パワー500W、スパッタ速度0.1nm/secである。次
に装荷層およびバップァ層を所定の導波路型光学素子の
形状の微細加工するために、装荷層上にレジストを回転
塗布法により形成した。ここではレジストとして電子線
レジストであるクロルメチル化ポリスチレンを用い、厚
さ0.5μmとした。上記レジストを130℃で20分間プリベ
ークしたのち、実施例1の方法で作成した矩形描画方式
により電子ビームを所定の装荷層形状に照射した。照射
条件は、電子ビーム露光後に現像を行いレジスト製のマ
スクを形成した。その後イオンエッチングにより装荷層
およびバッファ層を微細加工した。イオンエッチングの
条件は、エッチングガスとしてCF4を用い、圧力3.8Pa、
高周波パワー200W、エッチング時間15minとした。エッ
チングの後レジスト製マスクを除去して各種導波路型光
学素子が形成できた。 次に6の収差補正用回折格子に関しては、基板として
シリカ系ガラスを用い、その上にSiO2を約10μm、SiCl
4とO2を原料としたCVD法もしくは蒸着法、スパッタリン
グ等によって形成した。次にSiO2をホトリソグラフイに
より所定の格子形状に加工するために、ホトレジストを
1μm回転塗布法により形成した。上記レジストを85℃
で30分間プリベークした後、実施例4の方法で作成した
所定の格子形状を描いたホトマスクにより、UV露光装置
を用いて密着露光した。露光後、クロルベンゼン中、40
℃で5分間浸漬処理を行った後、現像した。レジスト製
の格子パターン上へCrを蒸着し、アセトン中で超音波洗
浄を行ってレジストを除去しCr製のマスクを形成した。
その後CF4ガスを用いたイオンエッチングによりSiO2
微細加工し、Crを除去して格子パターンが形成できた。
このホトリソグラフイ技術は前述の装荷層及びバッファ
層の微細加工にも応用することができる。上記の素子を
形成した基板2、回折格子6及びシリカ系ガラスブロッ
ク11はそれぞれの端面を所々の角度で切断、研磨してこ
のシリカ系ガラスとほぼ同じ屈折率をもつ接着剤で貼り
合わされ、半導体レーザ及びホトダイオードを端面結合
して第10図の光ICを形成した。 (ii)第10図の光ICの作用について: ガラスブロック11に結合した半導体レーザ8からの出
射光(波長0.776〜0.78μm)は、基板とプリズムの界
面で屈折した後集光グレーティングカップラ5により光
導波路3に結合されSAW光偏向器12により偏向されてグ
レーティングカップラ5に入射する。入射光はグレーテ
ィングカップラの格子間隔に応じて基板内に回折され
る。基板内に回折された光は基板とガラスブロックの界
面で屈折した後、回折格子6により回折されガラスブロ
ック端面で反射されて上方に出射され光ディスク14に対
して垂直に移動する機構を有したレンズ10で集光されて
光ディスク14のピット(情報)に集光される。光ディス
ク14により反射された光は、レンズ10、ガラスブロック
11、回折格子6を通りグレーティングカップラ5により
導波路3に再び結合された後、集光ビームスプリッタ13
に入射することによって光路が2分割されるとともに、
それぞれの分割光路に対応したホトダイオード15上に集
光されてピットの情報が読み取られる。 本発明は、上記光集積回路以外に微小光学研究グルー
プ機関誌、1988、9/27Vo16、No3に記載されているホ
ログラムスキャナー用エレメント等にも応用できる。
【発明の効果】
本発明により、滑らかな曲線の微細ホログラムパター
ンが高能率で形成できるようになり、この技術は光集積
回路をはじめとするホログラム素子に幅広く応用でき、
光学素子の光損失の低減、スポット径の縮小等性能面の
向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第4図はそれぞれ本発明の一実施例となるホ
ログラムパターン形成方法を説明する二次元パターン模
式図、第2図及び第3図はそれぞれ比較例となるホログ
ラムパターン形成方法の二次元パターン模式図、第5図
は電子ビーム描画装置のシステム構成図、第6図は集光
グレーティング形成の説明図、第7図及び第8図は、集
光グレーティングを構成するホログラムパターンの模式
図、第9図は本発明の矩形パターン配列を定める方式を
説明する模式図、そして第10図は本発明の光ヘッド用光
集積回路の一例を示した構成図である。 図において、 1、5…ホログラム素子 2…LiNbO3基板、3…光導波路 4…光波 5…集光グレーティングカップラ 6…回折格子、10…レンズ 12…表面弾性波光偏向器 13…集光ビームスプリッタ 14…光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 顕知 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 福島 貴子 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定められた所定形状の曲線パターンに
    従って、成形電子ビームを順次照射し、連続的に繋げる
    ことにより、前記所定形状の曲線パターンに従ったホロ
    グラムを形成する方法において、同一描画曲線パターン
    上において照射する電子ビームの断面形状を矩形とし、
    しかも隣接する照射領域における前記矩形状成形電子ビ
    ームのy方向の段差Dを一定にし、かつ、前記矩形状成
    形電子ビームのx方向のビーム幅Wを前記曲線パターン
    の勾配Δy/Δxの大きさに応じて変化させ、前記勾配Δ
    y/Δxが大であるほど前記ビーム幅wを小さくして照射
    するようにして成る電子ビーム描画によるホログラムの
    形成方法。
  2. 【請求項2】上記隣接する照射領域における上記矩形状
    成形電子ビームのy方向の段差Dを、ホログラムを使用
    する波長の1/10以下とし、しかも上記矩形状成形電子ビ
    ームのx方向のビーム幅Wを、上記同一描画曲線パター
    ンの勾配Δy/Δxが急になるに従い狭くして照射するよ
    うにして成る請求項1記載の電子ビーム描画によるホロ
    グラムの形成方法。
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