JP2728465B2 - L−ホモフエニルアラニンの製造法 - Google Patents

L−ホモフエニルアラニンの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明はL−ホモフエニルアラニン(L−4−フエニ
ル−2−アミノ酪酸)の工業的に有利な製造法に関する
ものである。L−ホモフエニルアラニンは、例えば、い
わゆるACEインヒビター(エナラプリル、ラミプリルな
ど)、β−ラクタム抗生物質などの医薬製造原料として
有用なものである。
(ロ)従来の技術 L−ホモフエニルアラニンの製造法に関しては、酵素
を用いた不斉加水分解法(K.Nobuoら、Mem.Fac.Sci.Kyn
shu Univ.Ser.C,13,89(1981))、及びホモフエニルア
ラニンをホルミル化後ブルシンでジアステレオマー塩を
つくり分割する方法(Vdu Vigneaudら、J.Biol.Chem.,1
22,349(1937−38)が知られている。また、最近N−ア
セチルDL−ホモフエニルアラニンを光学活性フエニルエ
チルアミンと反応させてジアステレオマー塩として分割
する方法(特許出願公開昭63−63646号)、DL−ホモフ
エニルアラニンと光学活性マンデル酸とのジアステレオ
マー塩として分割する方法(特許出願公開昭63−145256
号)、2−オキソ−4−フエニル酪酸のトランスアミネ
ーシヨンによるアミノ化法(特許出願公開昭60−156394
号、米国特許4,525,454(1985))が知られている。
(ハ)発明が解決しようとする問題点と問題を解決する
ための手段 従来の技術において、ジアステレオマー塩をつくり分
割する方法は、分割剤が高価で操作が煩雑である。また
酵素を用い不斉加水分解する方法をふくめて、分割によ
つて原料の半分をD体として残すことになり、そのこと
により収量が半減するので、D体の利用法を附加しなけ
れば不経済である。2−オキソ−4−フエニル酪酸のト
ランスアミネーシヨンによる方法は、光学活性L−アミ
ノ酸を必要とし、また原料の合成が複雑であるなどの欠
点を有する。
そこで本発明者らは、L−ホモフエニルアラニンを効
率よくえる方法として一部のアミノ酸製造に応用されて
いるヒダントインを経由する生化学的方法に着目した
が、非天然アミノ酸であるホモフエニルアラニンのヒダ
ントインに作用する酵素または微生物については従来全
く知見がなかつた。その為、ホモフエニルアラニンに対
応するDL−ヒダントインである5−ベンジルメチルヒダ
ントインからL−ホモフエニルアラニンを生成するヒダ
ントイナーゼ系(ヒダントインヒドロラーゼとN−カル
バミルアミノ酸ヒドロラーゼ系からなる)を有する微生
物を探索発見することに成功し、さらに研究を進め、5
−ベンジルメチルヒダントインからL−ホモフエニルア
ラニンを収率よく製造しうる本発明の方法を確立するに
至つた。
(ニ)作用 本発明に使用される微生物は、5−ベンジルメチルヒ
ダントインに作用するL−特異的ヒダントイナーゼ系を
有する微生物であればよい。このような微生物としては
フラボバクテリウム(Flavobacterium)属細菌およびア
ースロバクター(Arthrobacter)属細菌が例として挙げ
られる。さらに具体的にはフラボバクテリウム属細菌菌
株HP−27、アースロバクター・ウレアフアシエンス(Ar
throbacter ureafaciens)ATCC 7562が挙げられる。フ
ラボバクテリウム属細菌菌株HP−27は本発明者らにより
土壌から分離されたものである。その菌学的性質は次の
とおりである。
0.4〜0.6×0.8〜1.0μの大さの桿菌で多形性は認めら
れず、運動性はない。胞子をつくらず、グラム陰性であ
り、抗酸性はない。肉汁寒天平板培養で円形、全縁の隆
起した集落をつくり、集落は薄黄色である。肉汁寒天斜
面培養では薄黄色で半透明によく生育する。肉汁液体培
養では均一に濁つた生育をする。肉汁ゼラチン穿刺培養
でゼラチンを液化する。リトマスミルクの培養でリトマ
スを還元せず、反応は中性にとどまる。
好気性で硝酸塩を還元し、脱窒反応は陰性、MRテス
ト、VPテストは何れも陰性、インドール、硫化水素を生
成せず、でん粉を分解しない。Koserの培地ではクエン
酸の利用は陽性であるが、Christensenの培地では陰性
である。硝酸塩およびアンモニウム塩を利用しない。水
溶性色素をつくらず、ウレアーゼ陰性で、オキシダー
ゼ、カタラーゼは共に陽性である。pH6〜9、15〜35℃
で生育し、5℃ではほとんど、40℃では全く生育しな
い。O−Fテストは酸化的である。D−グルコース、D
−フラクトース、マルトース、D−キシロース、D−ア
ラビノース、D−マンノース、D−ガラクトース、シユ
クロース、ラクトース、トレハロース、D−ソルビトー
ル、D−マニトール、イノシトール、グリセリン、でん
粉からは何れでも酸、ガスを生成せず。カゼインを分解
す。グルコース、キシロースを資化し、ラクトースを資
化しない。
以上の諸性質をBergey′s Manual of Systematic Bac
teriology 第1巻(1984年)に照合して、本菌株がフ
ラボバクテリウム(Flavobacterium)属に属すると判定
されるが、同書記載の菌種には一致するものがない。菌
株HP−27は微生物工業技術研究所に寄託した。受託番号
は微工研菌寄第10346号である。
なお従来L−特異的ヒダントイナーゼ系の存在が他の
アミノ酸生成について知られているフラボバクテリウム
属菌種FERM−P6901、フラボバクテリウム・アミノゲネ
ス(Flavobacterium aminogenes)FERM−P 3133、アー
スロバクター属菌株FERM−P 8191、同じくFERM−P 819
0、アースロバクター属菌株FERM−P 7472、アースロバ
クター属菌株DSM 3747なども本発明において有効なもの
と思われる。
これらの微生物を培養して必要なL−特異的ヒダント
イナーゼ系の酵素活性をもつ標品をえるには通常の培養
法によればよく、この分野の技術者には特に説明を要し
ないが、基質として用いる5−ベンジルメチルヒダント
インその他の5−ヒダントイン化合物を含有する培地に
微生物を生育せしめた場合にL−特異的ヒダントイナー
ゼ活性の高い培養物をえることができる。また固形培
地、液体培地の何れも使用可能である。
上記のようにしてえたL−特異的ヒダントイナーゼ系
活性をふくむ微生物またはそれに由来する酵素標品を5
−ベンジルメチルヒダントインに作用せしめる方法は、
基質をふくむ溶液に酵素標品を加えて反応が進行するま
で培養すればよいが、微生物を酵素標品とする培養は、
微生物の培養液に基質を加え反応せしめてもよく、また
微生物の培養液から分離した酵素標品、菌体、洗浄菌
体、凍結乾燥菌体など物理化学的、生化学的に処理した
菌体、抽出液、精製物、固定化処理標品などの形で基質
に作用させることもできる。
基質濃度は、バツチ式、連続式の何れによるかによつ
ても異るが、バツチ式では一般に媒質中0.1〜30%、好
ましくは1〜20%程度で、連続式ではこれよりやゝ濃度
を低くする方がよい。
反応は普通5〜60℃、好ましくは25〜40℃附近、pH7
〜10附近で好ましくは8〜9附近で行われる。反応時間
は、静置、撹拌、流下などの手段、あるいは酵素系標品
の形、力価基質濃度などによつて異つてくるので一様で
ないが、バツチ法では通常1〜100時間程度である。
反応の進行は薄層クロマトグラフイー、高速液体クロ
マトグラフイーなどの分析手段によりL−ホモフエニル
アラニンの生成を分析してしらべる。一般に有機合成法
で製造される5−ベンジルメチルヒダントインはラセミ
体であるが、本発明方法によれば、このラセミ体を高収
率でL−ホモフエニルアラニンに変換できる。
(ホ)実施例 実施例1 グルコース5g、硫酸アンモニウム5g、燐酸−カリウム
1g、燐酸二カリウム3g、硫酸マグネシウム・7水塩0.1
g、塩化カルシウム・2水塩0.01g、コーンスチープリカ
ー50mlを水道水にとかして1とした培地(pH7.2)の3
0mlを300mlの三角フラスコに入れて滅菌したものに、フ
ラボバクテリウム属菌株HP−27を植菌して、26℃で48時
間振とう培養した。この培養液から遠心分離により菌体
を分離し、燐酸緩衝液で2回洗浄した菌体を1%のDL−
5−ベンジルメチルヒダントインをふくむ1mlの0.1モル
のpH8.0の燐酸緩衝液にけん濁して、さらに26℃で72時
間振とう培養することにより反応させた後、菌体を遠心
分離で除いた上清液中に0.33mg/mlの濃度にL−ホモフ
エニルアラニンが生成していた。なおこのL−ホモフエ
ニルアラニン中のL体の率は96%であつた。
実施例2 実施例1で菌株としてアースロバクター・ウレアフア
シエンスATCC 7562を用いる他は実施例1と同様に実施
した。反応液上清中のL−ホモフエニルアラニンの生成
濃度は24μg/mlであつた。なおD−ホモフエニルアラニ
ンの生成はなかつた。
実施例3 実施例1で菌株としてアースロバクター・グロビホル
ミス(Arthrobacter globiformis)ATCC 8010を用いる
他は実施例1と同様に実施した。反応液上清中にL−ホ
モフエニルアラニンが生成した。
以上の実施例でホモフエニルアラニンの光学異性体の
分離分析は、反応液から陽イオン交換樹脂(Dowex 50W
−X8、200〜400メツシユ、H型)に吸着後、0.1N Na2HP
O4−H3PO4緩衝液(pH7.0)で溶出してホモフエニルアラ
ニン画分をえた後、東ソー株式会社製の高速液体クロマ
トグラフイー用のカラムTSK−ゲルEnantio L1(46×250
mm)を用い、移動相として0.5mM、CuSO4溶液を用い流速
毎分1.0ml、温度40℃で検出は紫外部吸収という条件で
D体とL体を分離定量した。
(ヘ)発明の効果 本発明により5−ベンジルヒダントインから医薬製造
原料などとして有用なL−ホモフエニルアラニンを高収
率で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:06) (C12P 13/22 C12R 1:20) (C12P 13/22 C12R 1:06)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−ベンジルメチルヒダントインにヒダン
    トイン・ヒドラーゼとN−カルバミルアミノ酸ヒドロラ
    ーゼからなるL−特異的ヒダントイナーゼ系、もしくは
    この酵素系を有する微生物を作用させて、L−ホモフェ
    ニルアラニンを生成せしめることを特徴とするL−ホモ
    フェニルアラニンの製造法。
  2. 【請求項2】微生物が、フラボバクテリウム属菌株HP−
    27(微工研菌寄第10346号)、アースローバクター・ウ
    レアフアシエンス(ATCC 7562)およびアースローバク
    ター・グロビホルミス(ATCC 8010)である特許請求範
    囲第1項記載のL−ホモフェニルアラニンの製造法。
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