JP2728416B2 - 太陽電池シート - Google Patents

太陽電池シート

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JP2728416B2 JP63022121A JP2212188A JP2728416B2 JP 2728416 B2 JP2728416 B2 JP 2728416B2 JP 63022121 A JP63022121 A JP 63022121A JP 2212188 A JP2212188 A JP 2212188A JP 2728416 B2 JP2728416 B2 JP 2728416B2
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Description

【発明の詳細な説明】 [利用分野] 本発明は、巻取,展開が可能な太陽電池シートであ
り、携帯容易な電源として、もしくは窓などのブライン
ド,カーテンとしての使用に好適な太陽電池シートに関
する。
[従来技術] 太陽電池で得られる出力は、入射光量、つまり入射面
積に大きく依存する。つまり大きな電力を得るには、そ
れに相当した面積を有する太陽電池が必要であるが、従
来の太陽電池基板は、主としてガラスや金属シートが用
いられているため重量が大きいだけでなく巻き上げが困
難である。又高分子フイルム等の可撓性基板を用いた太
陽電池も知られているが、モジュール化されたものは板
状となり、多少の可撓性はあるもののシートの如く巻き
上げることは困難である。そのため輸送時に手間がかか
り、さらに携帯に不便になるだけでなく、太陽電池が施
設されている面積は例え発電を必要としない時、あるい
は発電できない様な夜であっても、一義的に決められ、
その使用形態が制約されるなどの問題があった。
[発明の目的] 本発明はかかる現状に鑑みなされたもので、高分子フ
ルム基板の巻取可能という長所を生かし、持ち運び容易
な携帯用電源、もしくは建物の窓におけるカーテン,ブ
ラインド兼用電源として使用できる、不要時は巻き上げ
等により小さくでき、必要時展開して適宜使用できる様
な電源として用いられる折り曲げ自在で、数cmの小径に
巻き上げできる太陽電池シートを供給することを目的と
したものである。
[発明の構成,作用] 上述の目的は、以下の本発明により達成される。すな
わち、本発明は、高分子フィルム基板上にアモルファス
シリコン層を電極層で挟んだ構造の薄膜太陽電池を形成
し、その上にエチレン・酢酸ビニル共重合体,ポリビニ
ルブチラール,アイオノマーの少なくとも1種からなる
緩衝粘着フィルム層を介して透明高分子材料からなる保
護フィルム層を積層したモジュールシートからなり、モ
ジュールシートの厚みが400μm以下で、且つその5mm巾
サンプルでの曲げ剛性が100Kg・mm2以下であり、直径4c
m以下の円筒に折り曲げできることを特徴とする太陽電
池シートである。
上述の通り本発明は、高分子フイルム基板上に薄膜太
陽電池を形成した自在に折り曲げられる太陽電池ユニッ
トを基本とし、耐久性確保に必要な保護層を薄膜の緩衝
粘着層を介してモジュール全体厚みが400μm以下で且
つ曲げ剛性が100Kg・mm2以下となるように積層すること
により、太陽電池を損傷することなく、直径4cm以下の
小径に巻き上げ,巻き戻しができることを見出し、なさ
れたものである。
従って上述の本発明の薄膜太陽電池は、配線による内
部結線が不要な各セルが内部接続された集積化アモルフ
ァスシリコン太陽電池が、繰り返し折り曲げに対する耐
久性に優れている点で特に好ましい。
以下本発明の詳細を説明する。
本発明で言う高分子フイルムとは、電気絶縁性,折り
曲げ自在で数cm以下の小径に巻き上げできる可撓性,加
工のしやすさ,軽量という利点を有したものであり、ポ
リエチレンテレフタレートフイルム,ポリエチレンナフ
タレートフイルム,ポリスルホンフイルム,ポリイミド
フイルム,ポリエーテルエーテルケトンフイルムなどが
好適に用いられる。そしてその厚さは前述の点から通常
30〜300μmが用いられる。
次に本発明のこれらフイルム基板上に形成される薄膜
太陽電池は、薄膜で折り曲げにより損傷しないもの、す
なわちアモルファスシリコン層を電極層で挟んだ構造の
アモルファスシリコン太陽電池である。電極層として
は、光入射側は、太陽光に対して透明であることが必要
であり、酸化スズ,酸化インジウムあるいは両者の混合
層、もしくはスズ酸カドミウム等の公知の透明電極層が
適用できる。
一方、金属電極層としては、Al,Ag,Ti,Pt,Ni,ステン
レス,クロム,ニクロムなどの単体金属、合金金属が使
用できる。又、場合によってはこれらの金属層とアモル
ファスシリコン層界面に、両層の接合を改善する目的で
遷移金属,炭素,酸化チタン,酸化インジウム等の酸化
物の層を設けても良い。
又、アモルファスシリコン層の構成としてはpinの
他、pin/pin,pin/pin/pin等の多層タンデム構造はもち
ろんのこと、非晶質シリコンゲルマニウム,非晶質シリ
コンカーバイドなどのナローバンドギャップあるいはワ
イドバンドギャップの非晶質シリコン半導体層を適時用
いる事も出来る。中でも前述した通り折り曲げ耐久性よ
り以下の集積型アモルファス太陽電池が好ましく用いら
れる。すなわち所定巾の長尺フイルム基板上に形成した
所定の面積の連続した非晶質シコリン太陽電池の発電層
をレーザ罫書法やナイフカッティング法などで適当な面
積を有するセルに分割した後、セル間を電気的に接続し
て集積型太陽電池を得る。分割されたセル間を電気接続
する方法としては、接続する一方のセルの上部電極と他
方のセルの下部電極とを電気的に接続できるものであれ
ば、特に限定されず、リード線で接続する方法,真空蒸
着,スパッタリングなどの物理的気相堆積等による金属
薄膜からなる接続層を形成する方法,スクリーン印刷法
により導電性樹脂層よりなる接続層を形成する方法等公
知の方法が適用できる。中で生産性面,設備面からスク
リーン印刷法による電気接続が好ましく適用される。
この様な方法により、高分子フイルム基板上に集積型
アモルファスシリコン太陽電池が得られる。
更にこの上に耐環境性改善の目的で透明高分子材料か
らなる保護フイルム層を設ける。この保護フイルム層は
ラミネート時,折り曲げ時等における太陽電池の損傷の
防止,太陽電池の内部応力の緩和等のための緩衝粘着フ
イルム層を介して設ける。透明高分子材料は、水分の浸
入、人間の手やNOx,SOxなどの腐蝕性ガスなどの接触、
ほこり,ゴミなどの付着を防止するものであるが、形成
の容易さ,耐久性,可撓性の高さなどの観点から、透明
高分子フイルムが選択される。透明高分子フイルムとし
ては、可視光領域で透明でかつ、耐候性が良好という面
でポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレ
ート,アクリレート,ポリスルフォン,ポリカーボネー
ト等のフイルムが用いられる。これらの厚さはハンドリ
ング,可撓性保持という観点から10〜100μmが好適に
用いられる。
又緩衝粘着フイルム層は前述の作用により以下の熱可
塑性樹脂を用いる。すなわち、かかる熱可塑性樹脂とし
ては透明性,耐候性,軟化点などの観点から、エチレン
・酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラール,アイオ
ノマーを単一あるいは組み合わせて用いる。この膜厚は
前記作用,耐久性面からは厚い方が好ましいが、可撓性
の点からは薄い方が好ましく、20〜300μmが好適に用
いられる。これら緩衝粘着フイルム層,保護フイルム層
は加熱ロール間を前述のフイルム基板のアモルファスシ
リコン太陽電池と共に通すことによる、いわゆるラミネ
ート法等により積層され、所望の太陽電池シートが製造
される。
また必要に応じて、この反対面、つまり可撓性基板の
裏側に、ポリエステルフイルムなどの高分子フイルム、
もしくは腐蝕防止したアルミニウム金属箔をポリエステ
ルフイルムなどで貼り合わせた防湿フイルムを裏面保護
フイルム層として耐環境性改善の目的で設けても良い。
これらは前述の表側の保護フイルム層と同様に熱可塑性
樹脂からなる前述の緩衝粘着層を介してラミネート法等
により積層される。
そしてこれら両保護フイルム層をアモルファスシリコ
ン太陽電池より大きくして積層することにより、アモル
ファス太陽電池のエッジ部のシールも可能になり、より
耐久性が向上して好ましい。
次に本発明で用いる可撓性を表わす物性値である曲げ
剛性について説明する。曲げ剛性(S)はヤング率
(E)と断面二次モーメント(Iz)の積であり、両端支
持はり法により、はりの中央に荷重(P)が加わった時
のたわみ(y)と次の様な関係が成立する。
S=EIz=Pl3/48y ここでlは、両端の支点間の距離である。
つまり、はり中央に荷重を加えた時の該中央でのたわ
みを測定することにより、曲げ剛性(S)を求めること
ができる。
本発明では、巻き取っても展開しても太陽電池特性,
外観の変化がないことが特徴であり、そのためには5mm
巾のモジュールの曲げ剛性が100Kg・mm2以下、好ましく
は10Kg・mm2以下であることが必要である。
本発明の太陽電池シートは、高分子フイルム基板,そ
の上に形成した薄膜太陽電池,緩衝粘着フイルム層,保
護フイルム層,場合によっては裏面保護フイルム層から
なるが、各層の膜厚が厚くなる程、曲げ剛性が大きくな
る。材質によってヤング率などの機械的特性が異なり、
各層膜厚を一義的に定めることはできないが、支障なく
直径4cm以下の小径に巻き上げるためにはモジュール全
体として曲げ剛性が100Kg・mm2以下で、モジュール全体
の膜厚が400μm以下にする必要があり、更に好ましく
は該膜厚は400μm以下である。
保護フイルム層の被覆に好ましい例として緩衝粘着フ
イルム層付保護フイルムが用いられるが、その1例とし
て粘着剤付ポリエステルフイルムの例をあげて説明す
る。両者の膜厚としては各種のものが考えられるが、例
えばポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用
いた、PET(50μm)/粘着剤(50μm),PET(100μ
m)/粘着剤(200μm)が用いられる。ここで前述の
通り、PETフイルムは耐環境に対する保護フイルム層の
役割を、粘着剤は緩衝粘着フイルム層として該保護フイ
ルム層を太陽電池に熱圧着する接着層としての役割を果
たすと同時に熱圧着に際して太陽電池表面に存在する電
流取り出し電極と、太陽電池最表面層が破壊されないた
め、更には積層に伴なう内部応力の緩和のため等の緩衝
層の役割をも担う。そしてそれぞれの層厚はこれらの作
用を基礎に曲げ剛性の大きさと、耐環境変化の程度の差
により選択し、その使用目的と場所により適宜選択す
る。
この様にして得られた可撓性モジュールを必要に応じ
て、布,紙,金属ホイルなどの可撓性基材にラミネート
しても良い。例えば可撓性ブラインドとして、発電しな
い時には巻取状態で、発電時には展開状態で用いる時、
布にラミネートすることにより、室内にいる人には布面
しか見えず、異和感のない環境をつくり出すことができ
る。
次に本発明を実施例によって説明する。ここで曲げ剛
性の測定は、5mm巾のモジュールを用い、21mm間隔の両
端支持はり法によって行なった。
実施例1〜3,比較例1 第1図に実施例に用いた太陽電池ユニットシートの側
断面図を示す。樹脂の基板21の高分子フイルムとしては
非晶質シリコン堆積に必要な耐熱性を有する高分子フイ
ルムならどれでも良いが、好ましくはポリエチレンテレ
フタレート(PET)フイルム,ポリイミドフイルムなど
が用いられる。図の例は厚み100μmのPETフイルムを用
いてある。
金属電極層22として0.5μm程度のAl層と30Å程度の
ステンレス(SUS)層を基板21上に順次スパッタリング
法を用いて堆積したAl/SUS積層体を用いた。
光起電力層の非晶質シリコン半導体層23は周知のpin
形構成を採用し、特開昭59−34668号公報に開示のもの
と同様なシランガス等のグロー放電分解法を用いて金属
電極層22のステンレス層上に堆積した。
次にレーザスクライブ法による分割等の電極間短絡防
止のために非晶質シリコン半導体層23と透明電極層24と
の界面に設ける電気絶縁性の絶縁樹脂層25として、非晶
質シリコン半導体層23上にエポキシ樹脂をスクリーン印
刷法を用いてレーザーでセル20aに分割加工する溝部位
にあらかじめ設けた。
次に透明電極層24として酸化インジューム(ITO)層
を電子ビーム蒸着あるいはスパッタリング法によって60
0Å程度に堆積し、PETAl/SUS非晶質シリコンpin
パターン化したエポキシ樹脂層/ITO構造の大面積の非晶
質薄膜太陽電池を得た。
次いで、このPET/Al/SUS/非晶質シリコンpin/パター
ン化したエポキシ樹脂層/ITO構造の非晶質太陽電池の10
cm×10cm角のセルをYAGレーザーで、エポキシ樹脂層か
らなる前述の絶縁樹脂層25上を走査して金属電極層22ま
で若しくは透明電極層24のみを溶融・蒸発させて必要に
応じて除去して分割溝を形成し、3個の略3cm×10cm角
のセル20aに分割した。なお、これら分割された3個の
セル20aを直列接続するために、公知のようにバスバー
部とフィンガー部とを有するクシ形導電性インクからな
る収集電極27を該セル20a上にスクリーン印刷法を用い
て設けた。その後バスバー部位の接続個所28にレーザ光
を照射して隣りあったセル20aの収集電極27すなわち透
明電極24と一方の金属電極層22とを溶融接続して電気的
接続をとり、セル20aを3直列した集積型非晶質太陽電
池を作った。そして3直列のセル20aの両側に銅箔から
なるリード29a,29bを取着して太陽電池ユニットシート2
0を得た。
引き続いて以下の緩衝粘着フイルム層30を介して保護
フイルム層40を積層して、第2図に示す周囲のシールさ
れた太陽電池シート10を製作し評価した。すなわち、実
施例1としては保護フイルム層40として50μm厚のPET
フイルムを用い、その上に緩衝粘着フイルム層30として
50μm厚のアイオノマー層を形成したアイオノマー付PE
Tをユニットシート20の表側(太陽電池上)に、実施例
2としては同じアイオノマー付PETをユニットシート20
の表・裏両側にラミネートした太陽電池シート10を製造
した。又、比較例1としては、ユニットシート20の表側
に100μm厚のPETフイルムを保護フイルム層40として、
250μm厚のEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)から
なる緩衝粘着フイルム層30を介してラミネートし、裏側
には同じ緩衝粘着フイルム層30を介して市販の50μm厚
のPETフイルム上に25μm厚のアルミニウムホイルを積
層した防湿フイルムを裏面保護フイルム層としてラミネ
ートした太陽電池シートを製作した。比較例2としては
比較例1において表側の保護フイルム層40のPETフイル
ムに替えて1mm厚のポリカーボネート板をした太陽電池
モジュールを製作した。
なお、ラミネートは130℃の加熱ロール間を通すこと
により行なった。これら各サンプルの総厚み,曲げ剛性
の測定結果を表1に示す。なお総厚みは概略平均値であ
る。
実施例1,2のサンプルを直径4cmの紙管に巻きつけ、1
日放置した後セル特性を測定したが、セル特性,外観と
も全く変化が見られなかった。また比較例1では直径4c
mの紙管に巻きつけるのは困難であったが直径8cmのもの
には巻きつけることが容易であり、同様にセル特性など
の変化は見られなかった。
一方、比較例2のモジュールでは10cm直径の紙管にも
巻きつけることは不可能であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例のアモルファスシリコン太陽電池のユ
ニットシートの断面構造を示す側断面図である。 21:ポリエチレンテレフタレートフイルム 22:アルミニウム/ステンレス層 23:非晶質シリコン層、24:透明電極層 25:絶縁樹脂層、27:収集電極層 第2図は実施例1の構造を示す斜視図である。 20:ユニットシート 30:緩衝粘着フイルム層 40:保護フイルム層
フロントページの続き (72)発明者 岡庭 宏 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝 人株式会社薄膜材料研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−65488(JP,A) 特開 昭60−214550(JP,A) 実開 昭61−79548(JP,U) 実開 昭59−189254(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルム基板上にアモルファスシリ
    コン層を電極層で挟んだ構造の薄膜太陽電池を形成し、
    その上にエチレン・酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブ
    チラール,アイオノマーの少なくとも1種からなる緩衝
    粘着フィルム層を介して透明高分子材料からなる保護フ
    ィルム層を積層したモジュールシートからなり、モジュ
    ールシートの厚みが400μm以下で、且つその5mm巾サン
    プルでの曲げ剛性が100Kg・mm2以下であり、直径4cm以
    下の円筒に折り曲げできることを特徴とする太陽電池シ
    ート。
  2. 【請求項2】薄膜太陽電池が集積化アモルファスシリコ
    ン太陽電池である請求項第1項記載の太陽電池シート。
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