JP2727856B2 - 大規模メモリ構成方法 - Google Patents

大規模メモリ構成方法

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JP2727856B2 JP4095942A JP9594292A JP2727856B2 JP 2727856 B2 JP2727856 B2 JP 2727856B2 JP 4095942 A JP4095942 A JP 4095942A JP 9594292 A JP9594292 A JP 9594292A JP 2727856 B2 JP2727856 B2 JP 2727856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RAMチップ内のブロ
ックの利用率を良くして大規模メモリの歩留りを向上さ
せると共に、信頼性の高い大規模メモリを構成する大規
模メモリ構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、外部システムとシリアルデー
タをやりとりし、記録するためのメモリの基本ユニット
を示す図である。図10において、7はシフトレジス
タ、8は入出力端子、9−1〜9−Nはシフトレジスタ
を構成するフリップフロップ、11はチップ群、12−
A1〜12−KNはRAM(ランダムアクセスメモリ)
のチップである。チップ群11のうち、同じ横列に属す
るチップ(例、12−A1〜12−AN)は、それぞれ
同一のアドレス線に接続されている。従って、或るアド
レスが与えられると、各列(1列〜N列)の該当するR
AMチップが、同時並行的に選択され、アクセスされ
る。
【0003】まず、チップ群11よりデータをリードす
る時について説明する。例えば、供給されたアドレスに
より、チップ12−A1が選択されたとすると、12−
A1の指定された番地の1ビットのデータが、シフトレ
ジスタ7の対応するフリップフロップ9−1に取り出さ
れる。同様に、他のチップ12−A2,12−A3,…
12−ANからも、1ビットのデータが、対応するフリ
ップフロップに取り出される。
【0004】フリップフロップ9−1〜9−Nにデータ
が出揃ったところで、各フリップフロップのデータが入
出力端子8に向かってシフトされて行くよう、シフトレ
ジスタ7を動作させる。即ち、各チップから並行して
(パラレルで)取り出されたデータが、シリアルに入出
力端子8より取り出される(矢印B)。
【0005】チップ群11にデータをライトとする時
は、入出力端子8より矢印Aの如くライトしたいデータ
を1ビットづつシリアルに入力する。そして、1ビット
入力する度に、データが前方のフリップフロップに送ら
れるよう、シフトレジスタ7を動作させる。各フリップ
フロップにデータが揃ったところで、アドレス線により
選択された対応するチップに一斉に書き込まれる。
【0006】図12は、従来のメモリ部の基本構成を示
す図である。符号は、図10のものに対応し、7−1〜
7−Mはシフトレジスタ、11−1〜11−Mはチップ
群である。メモリ部は、数多くの前記のような基本ユニ
ットで構成されている。特に大規模メモリを構成する場
合は、基本ユニットの数は膨大なものとなる。
【0007】ところで、シリコンのウェーハ上にメモリ
を製造する段階で、何らかの原因で欠陥部分が生ずるこ
とがある。これは、現在の技術レベルでは避けることが
できない。欠陥部分では、データの記録が指示通りには
行われない(例、「1」を書き込めという場合に、メモ
リセルに正しく「1」が書き込まれない)。小規模のメ
モリならば、ウェーハの欠陥部分は使用せず、残りの正
常部分を使用して製作することも出来る。
【0008】しかし、大規模のメモリ(シリコンウェー
ハ全体で1個の機能モジュールを構成するウェーハスケ
ールメモリのような形態)を製作しようとすると、その
領域内にはどうしても欠陥部分を含んでしまうことにな
る。そのため、大規模メモリを製造する上で最も重要な
ことは、マーチングパターン試験等を実施して欠陥部分
を発見し、それを回避しながらメモリ回路を構成するこ
とである。そして、製造時の歩留りを良くするため、前
記回避措置を取るに際して、道連れで無駄になってしま
う正常部分を、出来るだけ少なくすることが望まれてい
る。
【0009】(欠陥回避の従来技術) 図9は、従来技術による大規模メモリの構成方法の1例
である。符号は図10のものに対応し、Yは予備チッ
プ、H−1,H−2は横列チップ群である。アレイ状に
配列されたRAMのチップは、横列のチップ群単位で3
−out of −4の冗長構成(3個必要なところに、余分
の1個を加えて合計4個設ける構成)になっている。欠
陥を含むチップは図中×印で示されているが、これらは
メモリ部の製造時あるいは出荷テスト時に、経路選択を
行うことにより切り離され、正常なチップのみが実際に
配線され、動作する。
【0010】即ち、1つの欠陥チップを含む横列チップ
群(例、H−1)では、図示するような経路シフトによ
る切り換えにより、予備チップ群に切り換えられる。ま
た2つの欠陥チップを含む横列チップ群H−2は、この
場合に必要とされる3個のチップを提供することが出来
ないので、横列チップ群H−2全体がバイパスされる。
【0011】この手法では、欠陥をチップ単位でしか切
り離せないので、チップが1Mビットから成るものであ
った場合、たった1ビットの欠陥のために、1Mビット
全てが無駄となり、全体としての歩留りが上がりにくい
という欠点を持つ。また、シフトやバイパスによる経路
の切換処理も複雑になり、コストアップとなる。
【0012】図11は、従来技術による大規模メモリの
他の構成手法を示す図である。符号は図9のものに対応
し、10Aはチップデータ選択回路、12−1〜12−
3はチップ、15はブロック、16は欠陥ブロック、L
はデータ線である。チップ群11内の各チップ12−
1,12−2,…,Yを、それぞれ一定の大きさ(例え
ば、1Kバイト)のブロックに分割する。そして、欠陥
を含むブロックは、矢印で示す如く、予備チップの対応
する正常ブロックと置き換える。そして、欠陥ブロック
を指し示すアドレスでの読み出し時や書き込み時には、
チップデータ選択回路10Aが、データ線Lを予備チッ
プYの方に切換接続する。
【0013】この手法では、先の図9の手法に比較し
て、チップより細かい単位であるブロック単位での欠陥
の回避が行えるため、無駄になるRAM容量が少なくな
り、歩留りが向上する。しかし、同一横列の中に、予備
チップの数(図11では1個)を越える数の欠陥ブロッ
クが存在した場合(例、図11の上から5列目の場合)
には、置き換えが不可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】(問題点) 前記した従来の大規模メモリ構成方法には、次のような
問題点があった。第1の問題点は、或るワード長ブロッ
ク群に2個以上の欠陥ブロックが含まれる時には、その
ワード長ブロック群全体が切り離されてしまうので、そ
のワード長ブロック群に含まれている正常ブロックの数
が無駄になってしまうという点である。第2の問題点
は、基本ユニット段階での構成が冗長構成とされていな
いので、何らかの原因により1つの基本ユニットが故障
すると、大規模メモリ全体が使用不可となってしまうと
いう点である。
【0015】(問題点の説明) まず第1の問題点を、図4によって説明する。図4は、
RAMを示す図である。符号は図11のものに対応し、
12−4〜12−6はチップ、17はワード長ブロック
群である。ワード長ブロック群17には欠陥ブロックが
2つあるために、このワード長ブロック群17全体が使
用不可として切り離されるが、その際、この群に属する
4個の正常ブロックも、道連れにされて切り離されてし
まう。ワード長が長ければ、無駄になる正常ブロックの
数も多くなる。例えば、ワード長が32ビットの場合、
欠陥ブロックが2個(2ビットに相当)あったとする
と、残りの正常ブロック30個も、同時に切り離されて
しまう。
【0016】次に、第2の問題点であるが、大規模メモ
リは、図12に示したように多くの基本ユニットから構
成されている。従って、基本ユニット段階での構成が冗
長構成とされていないと、或る基本ユニットが故障して
も、それに代替するものがない。基本ユニットの故障
は、予備ブロック数を越える欠陥ブロックが含まれる場
合や、入出力の為のシフトレジスタが故障している場合
などに生ずるから、たったそれだけの原因で大規模メモ
リ全体が使用できなくなる。本発明は、以上のような問
題点を解決することを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の大規模メモリ構成方法では、大規模メモリ
をK−out−of−(K+1)冗長構成とされた複数
のメモリグループで構成し、単一のメモリグループは複
数のチップと各チップへの入出力を行う冗長構成とされ
たループ構成のシフトレジスタとで構成し、該チップ内
の欠陥ブロックを重み付けが任意に行えるアドレス分散
切換により異なるアドレスのブロック群に分散させた
後、欠陥ブロックを予備チップのブロックで代替させる
こととした。
【0018】
【作 用】大規模メモリを構成する際、複数のチップ
と各チップへの入出力を行うシフトレジスタとから成る
メモリグループが、複数個集まったものとして大規模メ
モリを構成する。シフトレジスタをループに構成するこ
とにより、書き込み/読み出し時のシフト方向が同一に
なり、シフトレジスタを構成する回路が簡単になると共
に、図13に示すように、SEC−DED符号の符号器
/復号器を接続する際に必要となるマルチプレクサを、
単方向で構成できるメリットがある(なお、図13にお
いて、(イ)は復号化の場合,(ロ)は符号化の場合を
示しており、7はシフトレジスタ、8は入出力端子、9
−1,9−2はフリップフロップ、10−1,10−2
はゲート、12−1,12−2はチップ、40は符号器
/復号器、41は加算器、42,43はマルチプレクサ
である)。その他に、予備のシフトレジスタを持つ構成
をとり易いというメリットがある。
【0019】そして、それらのメモリグループを、予備
のメモリグループを1つ余分に持ったK−out−of
−(K+1)冗長構成とする。また、各メモリグループ
内では、シフトレジスタを冗長構成(例えばK−out
−of−(K+1)冗長構成)とする。
【0020】更に、メモリグループの各チップにおいて
は、重み付けが任意に行えるアドレス分散切換により、
欠陥ブロックを巧みに異なるアドレスに分散させ、予備
チップのブロックで代替させる。
【0021】このようにして大規模メモリを構成する
と、構成要素がいくつかの階層に分けられ、各階層で冗
長構成が採用されるので、一部の故障により大規模メモ
リ(例、ウェーハスケールメモリ)全体が使用不能に陥
ることが防げる。また、欠陥ブロックの切り離しに伴い
無駄にされる正常ブロックの数が少なく出来る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図2は、本発明が適用されたウェーハを示
す図である。通常、メモリは、シリコンの1枚のウェー
ハの何分の1かを使用して形成されるが、大規模メモリ
になると、その面積が広くなる。そして、最も大規模な
ものとして、1枚のウェーハを1つの大規模メモリとす
ることが考えられている(ウェーハスケールインテグレ
ーションファイルメモリシステム)。図2は、そのよう
なウェーハスケールのメモリを示している。図2におい
て、1はウェーハ、2はメモリ部、3はループ部、4は
制御部、4−1は入出力制御回路、4−2は冗長構成切
換回路、4−3はテスト制御回路、7はシフトレジス
タ、12はチップである。
【0023】入出力制御回路4−1は、メモリ部2への
データの入出力を制御する。テスト制御回路4−3は、
欠陥部分を検出するための回路であり、メモリ部2の各
記憶単位の動作をテストして、欠陥となっているか否か
調べる。冗長構成切換回路4−2は、冗長構成を採用し
ているメモリ部2において、冗長部を使用する際の切換
を行う回路である。なお、その冗長構成は、図3や図5
によって、後に説明する。
【0024】図1は、ワード単位のデータを記録するた
めの本発明におけるメモリの基本ユニットを示す図であ
る。図1において、7はシフトレジスタ、8は入出力端
子、9−1,9−2,9−3,9−Nはフリップフロッ
プ、10−1,10−2,10−Nはゲート、11はチ
ップ群、12−1,12−2,12−3,…,12−N
はRAM(ランダムアクセスメモリ)のチップである。
【0025】まず、チップ群11よりデータをリードす
る時について説明する。チップ12−1から1ビットの
データが、ゲート10−1を通ってフリップフロップ9
−1に取り出される。同様に他のチップからも、1ビッ
トのデータが、対応するフリップフロップに取り出され
る。フリップフロップ9−1〜9−Nにデータが出揃っ
たところで、各フリップフロップのデータが入出力端子
8へ向かってシフトされて行くよう、シフトレジスタ7
を動作させる。即ち、各チップから並行して(パラレル
で)取り出されたデータが、シリーズの形で入出力端子
8より取り出される(矢印B)。
【0026】チップ群11にデータをライトとする時
は、入出力端子8より矢印Aの如く、ライトしたいデー
タを1ビットづつシリーズに入力する。そして、1ビッ
ト入力する度に、データが前方のフリップフロップに送
られるよう、シフトレジスタ7を動作させる。各フリッ
プフロップにデータが揃ったところで、対応するゲート
を通って、対応するチップに書き込まれる。
【0027】図3は、本発明で採用するメモリ部の冗長
構成例を示す図である。図3において、7−1,7−
2,7Yはシフトレジスタ、11−1,11−2はチッ
プ群、13−1,13−K,13Yはグループである。
これは、ウェーハ(大規模メモリ)を、幾つかのチップ
群のまとまりであるメモリグループ(以下単に「グルー
プ」という)とし、それが複数個集まって大規模メモリ
(ウェーハスケールメモリ)を構成するものとし、その
グループレベルで冗長構成を取る。
【0028】本発明では、基本的にはK−out of−(K
+1)冗長構成を採用する。即ち、必要とされる構成要
素がK個である場合、(K+1)個用意して、余分が1
つあるように構成する。図3では、符号中にY(予備)
が付されたものが、冗長用に余分に設けられたものであ
る。
【0029】まず、グループ13−1に注目すると、こ
れはチップ群11−1,11−2の2つのチップ群から
成るものであるから、シフトレジスタも、7−1,7−
2の2つあれば足りる。しかし、いずれかのシフトレジ
スタが故障した場合、その代替が出来るように、シフト
レジスタ7Yが設けられる。同様に、各グループのシフ
トレジスタも、1つ余分に設けられている。
【0030】また、ウェーハ(大規模メモリ)全体を構
成する場合、このウェーハが目的としている容量,性能
を発揮するグループ13−1〜13−Kの外に、余分に
1個のグループ13Yを設ける。もし、グループ13−
1〜13−Kだけなら、その内のどれかのグループが故
障すると、ウェーハ全体が所望の容量,性能を発揮しな
いこととなり、このウェーハの使用を断念しなければな
らない。しかし、予備のグループ13Yが設けられてい
ると、それで故障したグループの代替をすることが出
来、ウェーハ全体が無駄になることはない。
【0031】図5は、メモリの基本ユニットにおける誤
り訂正符号の適用例を示す図である。7はシフトレジス
タ、8は入出力端子、9はフリップフロップ、10はゲ
ート、12はチップ、12Y−1〜12Y−Zは予備用
のチップ、18はワード長ブロック群、19は情報ビッ
ト用チップ群、20は検査ビット用チップ群である。チ
ップ12Y−1〜12Y−Zは、次に説明するように、
冗長構成用に設けられたチップである。
【0032】ワード長が32ビットの場合、情報ビット
用チップ群19は、本来32個のチップで構成される。
しかし、その内の幾つかのチップに対して(例、8チッ
プ)1個余分にチップを設ける。例えば、チップ12Y
−1は、それより左方にある幾つかのチップに対して、
冗長用に設けられたものである。どの範囲のチップに対
して設けられたかは、ゲート10との接続の仕方を見る
ことによって分かる。チップ12Y−1は、それより左
方にあるチップ12に対応した全てのゲート10に接続
されている。このことにより、それらのチップ12に対
して設けられたものであることが分かる。
【0033】仮に、左端のチップのブロック21に欠陥
があった場合、冗長用のチップ12Y−1のブロックの
内、ブロック21と同じ横1列に属するブロック22
が、その代替として使用される。具体的には、ブロック
21をアクセスする際、ブロック22の方にアクセスす
るよう接続線を切り換えることにより、代替がなされ
る。
【0034】検査ビット用チップ群20は、誤り訂正符
号に相当するもので、誤り訂正符号としては、SEC−
DED符号(単一誤り訂正2重誤り検出符号)を、採用
することが出来る。SEC−DED符号は、大規模メモ
リ運用時のアルファ線によるソフトエラーの救済と、後
で述べる重複欠陥の救済に用いる。なお、ソフトエラー
とは、メモリチップのパッケージに極く微量含まれる放
射性物質等から放射されるアルファ線のエネルギーによ
り、メモリセルの保持する電荷が影響を受け、情報が反
転してしまうエラーである。
【0035】チップ12Y−Zは、検査ビット用チップ
群20のチップ12の何れかが故障した時の予備用であ
る。検査ビット用チップ群20のビット数(チップ12
の数)は、情報ビット用チップ群19のビット数(チッ
プ12の数)によって変わる。例えば、情報ビット数が
32ビットであった場合、検査ビット数は7ビットが採
用される。基本ユニット内での冗長構成、および欠陥救
済は、以上のようになされる。
【0036】しかし、上記したようなブロック交替法で
は、図4でも説明したように、1つの冗長用チップが守
備範囲とするチップ群内の、横1列方向(ワード長方
向)に2以上の欠陥があった場合、同じ列に属する正常
ブロックが全て犠牲になってしまう。そこで、本発明で
はそうならないよう、メモリにアクセスする際、見掛け
上、横1列に含まれる欠陥が出来るだけ1以下になるよ
うにするための、特殊なアドレス分散切換を行う。次
に、それについて説明する。
【0037】(アドレス分散切換) 図7にアドレス分散切換を行おうとしているRAMを示
す。図7において、C0 〜CY はチップ、15は正常ブ
ロック、16は欠陥ブロック、31は加算器、W0 〜W
Y は、アクセスしようとして与えられたアドレスに加算
する重みである。チップCY は、冗長構成のために設け
られた予備用のチップである。RAMのアドレスは、図
7に示すように1番下の横1列のアドレスを「0」と
し、上の列に行くに従い増大すると仮定する。
【0038】アクセスしようとして与えられたアドレス
(図7では左下から与えられている)は、各チップ毎に
設けられている加算器31に加えられ、そこで適宜定め
られた重みW0 〜WY と加算される。そして、加算され
て得たアドレスのブロックに、アクセスする。従って、
或るアドレスにアクセスするよう命令を発しても、加算
される重みによって、チップ毎に命令とは異なったアド
レスに変えられる。即ち、アドレスが分散切換される。
その様子を、図8によって詳しく説明する。
【0039】図8は、アドレス分散切換のしくみを説明
する図である。符号は、図7のものに対応している。各
チップに与えられている重みは、図示するように、それ
ぞれ0,1,2,3,4,5と仮定する。図8(イ)は
アドレス分散切換する前の状態を示し、図8(ロ)は後
の状態を示している。
【0040】まず図8(イ)について説明するが、アク
セスするアドレスとして「2」が与えられたとすると、
チップC0 では重みが0であるから、2+0=2で、ア
ドレス2のブロックがアクセスされる。しかし、チップ
1 では重みが1であるから、2+1=3で、アドレス
3のブロックがアクセスされる。即ち、点線矢印のよう
に、重み分だけ異なったアドレスのブロックがアクセス
される。他のチップにおいても、同様にしてアクセスさ
れる。チップC4 ,CY では、点線で囲ったブロックで
示すように、現実の最高アドレスである「5」を越えて
上にはみ出すが、その場合には最低のアドレス「0」に
舞い戻り、はみ出した分だけ進むという具合に取り扱
う。
【0041】図8(ロ)は、重み付けをした場合に、実
際にアクセスされるブロックを、横1列になるよう並べ
変えたものである。因みに、図8(イ)の点線矢印の先
端にあるブロックは、図8(ロ)ではアドレス2の横1
列に整列させられている。即ち、各アドレスに属するブ
ロックは、見掛け上、図8(ロ)のようになる。このよ
うにすることにより、図8(イ)ではアドレス4に属す
るブロックには、4個の欠陥ブロックがあったのに、図
8(ロ)では、その内の3個は他のアドレスに分散され
たことになる。
【0042】従来では、2個の欠陥ブロックを含む場合
は、その横1列のブロック全部が切り離されていたが、
アドレス分散切換をすることにより、2個の内の1個を
全く欠陥を含まない他の列に移すことにより、1個の予
備ブロックにより訂正が可能な列に変えることが出来る
(重複欠陥の救済)。これにより、無駄になってしまう
正常ブロックの数を少なくすることが出来る。アドレス
分散切換された後、横1列(1ワード)に欠陥ブロック
が1つ含まれていれば、その欠陥ブロックは、チップC
Y に属する正常ブロックで代替する。例えば、チップC
1 の欠陥ブロック33は、チップCY の正常ブロック3
4で代替される。
【0043】但し、チップCY に属するブロックのみが
欠陥を含む場合は、何らの交替処理も行わない。この場
合は、先に述べたSEC−DED符号により、図5の検
査ビット用チップ群を用いて、欠陥ブロックを救済す
る。実際には、欠陥ブロックを含むワードに書き込まれ
た場合、欠陥ブロックには正しいデータは保存されない
が、SEC−DED符号器により生成された検査ビット
が、検査ビット用チップ群に格納されるので、読み出し
時にこれを復号化することにより、欠陥ブロック部のデ
ータも正しく復元されて、読み出される。
【0044】本発明では、このアドレス分散切換をする
に際して、重みの値を、幾つかの或る特定の値に固定す
るのでなく、任意に変えられるようにしている。そし
て、或る重み付けを行って駄目であったら、別の重み付
けでやり直してみるという具合にして、欠陥ブロックが
所望の如く分散されるような重みの組み合わせを求め、
その重みによりアドレス分散切換を行う。それを行うの
が、図6に示すアドレス分散切換制御回路である。アド
レス分散切換制御回路は、図2の冗長構成切換回路4−
2に含まれる。
【0045】図6において、30は欠陥マップアドレス
発生回路、31は加算器、32は欠陥マップ、33は制
御回路、34は重みパターンマップ、35は重みカウン
タ、36は重みパターンマップアドレス生成回路、37
はアドレス分散切換チェッカーである。
【0046】制御回路33に与えられるクロックは、動
作の同期を取るためのものである。スタート信号が与え
られると、欠陥マップアドレス発生回路30および重み
パターンマップアドレス生成回路36に、アドレス発生
の指示がなされる。欠陥マップアドレス発生回路30
は、図7の左下から入力するためのアドレスを発生す
る。重みパターンマップアドレス生成回路36は、重み
パターンマップ34の中に予め格納されている重みの中
から、今回使用する重みを選択するアドレスを発生す
る。
【0047】重みパターンマップ34からは、図7の重
みW0 〜WY が提供される。加算器31で両者を加算し
たアドレスで、アドレス分散切換を行おうとしているR
AMをアクセスする。そして、見掛け上、欠陥ブロック
が分散された後の状態(つまり、図8(ロ)の状態)
を、欠陥マップ32に記録する。
【0048】重みカウンタ35は、その欠陥マップの横
1列(ワード)に含まれる欠陥ブロックの数を数える。
アドレス分散切換チェッカー37は、全ての横1列に存
在する欠陥ブロックが1以下になっているかチェックす
る。全てが1以下になっていれば、その時使用した重み
付けで良いし、ダメだったら別の重み付けでやり直す必
要がある。チェックの結果を、制御回路33に報告す
る。なお、予備用のチップが1つとした場合には、含ま
れることが許容される欠陥ブロックの数は「1以下」で
ある。予備用のチップが2つであれば「2以下」であ
る。
【0049】このようにアドレス分散切換を行った後、
先に述べたブロック交替法により欠陥ブロックを救済す
ることにより、無駄に捨てられてしまう正常ブロックの
数を減らすことが出来る。
【0050】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の大規模メモリ
構成方法によれば、構成要素がいくつかの階層に分けら
れ、各階層で冗長構成が採用されるので、一部の故障に
より大規模メモリ(例、ウェーハスケールメモリ)全体
が使用不能に陥ることがなくなる。また、欠陥ブロック
の切り離しに伴い無駄にされる正常ブロックの数が少な
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるメモリの基本ユニットを示す
【図2】 本発明が適用されたウェーハを示す図
【図3】 本発明で採用するメモリ部の冗長構成例を示
す図
【図4】 RAMを示す図
【図5】 メモリの基本ユニットにおける誤り訂正符号
の適用例
【図6】 アドレス分散切換制御回路
【図7】 アドレス分散切換を行おうとしているRAM
を示す図
【図8】 アドレス分散切換のしくみを説明する図
【図9】 従来技術による大規模メモリの構成方法の1
例を示す図
【図10】 従来のメモリの基本ユニットを示す図
【図11】 従来技術による大規模メモリの他の構成手
法を示す図
【図12】 従来のメモリ部の基本構成を示す図
【図13】 本発明のメモリの基本ユニットとSEC−
DED符号の符号器/復号器との接続を示す図
【符号の説明】
1…ウェーハ、2…メモリ部、3…ループ部、4…制御
部、4−1…入出力制御回路、4−2…冗長構成切換回
路、4−3…テスト制御回路、7,7−1,7−2…シ
フトレジスタ、8…入出力端子、9,9−1,9−2,
9−3,9−N…フリップフロップ、10,10−1,
10−2,10−N…ゲート、11,11−1,11−
2…チップ群、12,12−1,12−2,12−3,
12−N…チップ、13−1,13−K…グループ、1
3Y…予備グループ、14…RAM、15…ブロック、
16…欠陥ブロック、17,18…ワード長ブロック群

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大規模メモリをK−out−of−(K
    +1)冗長構成とされた複数のメモリグループで構成
    し、単一のメモリグループは複数のチップと各チップへ
    の入出力を行う冗長構成とされたループ構成のシフトレ
    ジスタとで構成し、該チップ内の欠陥ブロックを重み付
    けが任意に行えるアドレス分散切換により異なるアドレ
    スのブロック群に分散させた後、欠陥ブロックを予備チ
    ップのブロックで代替させることを特徴とする大規模メ
    モリ構成方法
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