JP2726608B2 - 電子写真複写機用クリーニングブレード - Google Patents

電子写真複写機用クリーニングブレード

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JP2726608B2
JP2726608B2 JP5209583A JP20958393A JP2726608B2 JP 2726608 B2 JP2726608 B2 JP 2726608B2 JP 5209583 A JP5209583 A JP 5209583A JP 20958393 A JP20958393 A JP 20958393A JP 2726608 B2 JP2726608 B2 JP 2726608B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機用クリ
ーニングブレードに関する。さらに詳しくは、電子写真
複写機の感光体表面を摺擦し、これをクリーニングする
ために用いられる電子写真複写機用クリーニングブレー
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機用クリーニングブ
レードの摺擦材として、耐摩耗性などの機械的性質にす
ぐれていることから、ウレタンゴムが好ましく用いられ
ている。このようなウレタンゴムは、一般に、たとえば
ポリエチレンアジペート、ε−カプロラクトンエステル
ポリオール、ブチレンアジペートなどのポリエステルポ
リオールと、ポリイソシアネートとの反応によって製造
されている。
【0003】しかしながら、前記ウレタンゴムからなる
クリーニングブレードには、複写機に装着し、複写を行
なったばあい、感光ドラムとの摺擦によって比較的複写
枚数が少ない段階から該クリーニングブレードのエッジ
部が欠けるという問題があり、このように、該クリーニ
ングブレードのエッジ部が欠けたばあいには、該クリー
ニングブレードの欠落部分から除去されるべきトナーが
洩れ出し、複写用紙に余分なトナーが、たとえば黒い筋
として形成されることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなれたものであり、ブレードのエッジ部で欠
けなどが発生するおそれが小さい電子写真複写機用クリ
ーニングブレードを提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リオール、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤からなる
ポリウレタンを材質としたクリーニングブレードであっ
て、前記ポリオールがポリエチレンアジペート、ポリエ
チレンブチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、
ポリブチレン(1,6)ヘキセンアジペートおよびポリ
(1,6)ヘキセンアジペートから選ばれたアジペート
とカプロラクトンとからなるポリカプロラクトンエステ
ルポリオールであり、前記ポリカプロラクトンエステル
ポリオールのカプロラクトン成分の含有量が10〜27重量
%であり、重量平均分子量が1000〜4000であることを特
徴とする電子写真複写機用クリーニングブレードに関す
る。
【0006】
【作用および実施例】本発明の電子写真複写機用クリー
ニングブレードは、前記したように、ポリオール、ポリ
イソシアネートおよび鎖延長剤からなるポリウレタンを
材質としたものであり、前記ポリオールがポリエチレン
アジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブ
チレンアジペート、ポリブチレン(1,6)ヘキセンア
ジペートおよびポリ(1,6)ヘキセンアジペートから
選ばれたアジペートとカプロラクトンとからなるポリカ
プロラクトンエステルポリオールであり、前記ポリカプ
ロラクトンエステルポリオールのカプロラクトン成分の
含有量が10〜27重量%であり、重量平均分子量が1000〜
4000であることを特徴とするものである。
【0007】本発明は、従来のクリーニングブレードに
おいては、感光ドラムとの摺擦によって該クリーニング
ブレードのエッジ部が欠けるという問題を克服するため
になされたものであり、本発明者らが研究したところに
よると、エッジ部の欠けは、従来のクリーニングブレー
ドにおいてはポリオールとして結晶性が大きいか、ある
いは微結晶を有するものが用いられていることに起因す
るものと考えられる。
【0008】そこで、ポリオールとして、特定のアジペ
ートとカプロラクントとを共重合させたものを用いたば
あいには、その理由は定かではないが、おそらくえられ
るポリオールの結晶性が該ポリオールの規則性がカプロ
ラクトンによって低下することによって小さくなるの
で、該ポリオールを用いてえられたポリウレタンをクリ
ーニングブレードの材質としたときに、該クリーニング
ブレードのエッジ部での欠けなどの問題が解決されたも
のと考えられる。
【0009】本発明においては、ポリオールとして、カ
プロラクトン成分の含有量10〜27重量%および重量平均
分子量1000〜4000を有するポリカプロラクトンエステル
ポリオールが用いられる。
【0010】前記ポリカプロラクトンエステルポリオー
ルは、アジペートと、カプロラクトンとを共重合させる
ことによってえられるものである。
【0011】前記アジペートとしては、ポリエレンアジ
ペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレ
ンアジペート、ポリブチレン(1,6)ヘキセンアジペ
ート、ポリ(1,6)ヘキセンアジペートがあげられ
る。
【0012】前記カプロラクトンの具体例とては、たと
えばα−カプロラクトン、β−カプロラクトン、γ−カ
プロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクト
ン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε
−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトンな
どがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定され
るものではない。
【0013】前記カプロラクトンの配合割合は、えられ
るポリカプロラクトンエステルポリオール中におけるカ
プロラクトン成分の含有量が10〜27重量%、好ましくは
10〜25重量%となるように調整する。かかるカプロラク
トン成分の含有量が前記範囲よりも多いばあいには、ガ
ラス転移温度(Tanδ−ピーク温度)が高温側に移行
し、低温特性がわるくなり、また前記範囲よりも少ない
ばあいには、該ポリオールの規則性を乱す効果が小さ
く、えられるポリオールの結晶性の低下が少なくなる。
【0014】また、前記ポリカプロラクトンエステルポ
リオールの重量平均分子量は、あまりにも大きいばあい
には、えられるポリウレタンが充分な低永久歪性を有さ
ず、さらにウレタンプレポリマーの粘度が高すぎて作業
性に劣るようになり、またあまりにも小さいばあいに
は、えられるポリウレタンが充分な機械的強度および耐
寒性を有さなくなるので、通常1000〜4000、好ましくは
1500〜2500である。
【0015】本発明に用いられるポリイソシアネートに
は、とくに限定がないが、かかるポリイソシアネートの
代表例としては、たとえばトリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなどが
あげられる。
【0016】前記ポリイソシアネートの配合量は、通常
イソシアネートインデックス(ポリイソシアネート中の
NCO基/ポリオール中のOH基のモル比の値)が1〜
1.5となるように調整することが好ましい。かかるイソ
シアネートインデックスが前記範囲よりも小さいばあい
には、えられるポリウレタンが充分な低永久歪性を有さ
なくなる傾向があり、また前記範囲よりも大きいばあい
には、えられるポリウレタンが充分な機械的強度を有さ
ず、さらに硬化速度が遅くなって作業性がわるくなる傾
向がある。
【0017】本発明に用いられる鎖延長剤としては、た
とえばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリメチロール
プロパン、3,3−ジクロロ−4,4′−ジアミノフェ
ニルメタン、4,4′−ジアミノフェニルメタン、ヒド
ロキノン−ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテルなど
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0018】前記鎖延長剤の配合量は、あまりにも多い
ばあいには、えられるポリウレタンが充分な低永久歪性
を有さず、ポリウレタンゴムの硬度が高くなって弾性体
とならなくなる傾向があり、またあまりにも少ないばあ
いには、えられるポリウレタンが充分な機械的強度を有
さず、さらに硬化速度が遅くなって作業性がわるくなる
傾向があるので、通常ウレタンプレポリマー中のNCO
基/鎖延長剤中のOH基のモル比の値が0.8 〜1.1 、な
かんづく0.9 〜1となるように調整することが好まし
い。
【0019】本発明においては、クリーニングブレード
は、たとえばポリカプロラクトンエステルポリオールに
脱水処理を施したのち、該ポリカプロラクトンエステル
ポリオールとポリイソシアネートとを混合し、60〜100
℃で30〜180 分間程度反応させ、えられたウレタンプレ
ポリマーを脱泡し、ついでこれに鎖延長剤を添加して起
泡しないように撹拌して混合し、えられた混合物を注型
機、遠心成形機などを用いて所定の金型に注型し、成形
し、徐冷・熟成することによってえられる。なお、えら
れたクリーニングブレードには、必要により、所定形状
に截断するなどの後加工を施してもよい。
【0020】かくしてえられる本発明のクリーニングブ
レードは、使用時に該クリーニングブレードのエッジ部
で欠けなどが発生することがないので、電子写真複写機
用クリーニングブレードに好適しうるものである。
【0021】つぎに本発明の電子写真複写機用クリーニ
ングブレードを実施例にもとづいてさらに詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0022】実施例1〜4および比較例1〜5 ポリオールとして、表1に示すポリカプロラクトンエス
テルポリオールを用いた。
【0023】
【表1】
【0024】つぎに、表1に示されたポリオールと、イ
ソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、ミリオネー
トMT)とを表2に示す割合で混合し、70℃で180 分間
反応させてウレタンプレポリマーをえた。
【0025】えられたウレタンプレポリマー(液温100
±5℃)に表2に示すように鎖延長剤として1,4−ブ
タンジオールと1,1,1−トリメチロールプロパンの
混合物(重量比75/25)(液温30±5℃)を添加し、2
分30秒間混合したのち、145±5℃に予熱した遠心ドラ
ムに注入し、50分間硬化させた。
【0026】えられたウレタンシートを120 ℃から室温
まで8時間かけて徐冷したのち、室温で7日間熟成し、
厚さ2mmのシートをえた。
【0027】つぎに、えられたシートをミノルタカメラ
(株)製、電子写真複写機EP870の規格にあわせて
截断し、芯金に接着してクリーニングブレードをえた。
【0028】えられたクリーニングブレードの物性とし
て、硬度、ガラス転移点および欠けを以下の方法にした
がって調べた。その結果を表2に示す。
【0029】(イ)硬度 スプリング式硬さ試験機を用いて測定した。
【0030】(ロ)ガラス転移点 クリーニングブレードのシートのウレタンのガラス転移
点をtanδチャートにもとづいて求めた。
【0031】(ハ)欠け クリーニングブレードを常温常湿の環境下でミノルタカ
メラ(株)製、電子写真複写機EP870に装着し、20
000 枚まで複写を行ない、以下の評価基準にもとづいて
評価した。
【0032】(評価基準) A:20000 枚まで複写してもクリーニングブレードに欠
けの発生がない。 B:10000 〜20000 枚を複写するあいだにクリーニング
ブレードに欠けが発生した。 C:10000 枚を複写する前にクリーニングブレードに欠
けが発生した。
【0033】
【表2】
【0034】表2に示された結果より、各実施例でえら
れたクリーニングブレードは、適度な硬度を有し、低温
特定にすぐれ、かつ20000 枚複写を行なったのちでも欠
けなどの発生がないことがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真複写機用クリーニング
ブレードは、長期間使用したばあいであっても、該クリ
ーニングブレードのエッジ部で欠けなどの発生がないと
いうすぐれた性質を有するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール、ポリイソシアネートおよび
    鎖延長剤からなるポリウレタンを材質としたクリーニン
    グブレードであって、前記ポリオールがポリエチレンア
    ジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチ
    レンアジペート、ポリブチレン(1,6)ヘキセンアジ
    ペートおよびポリ(1,6)ヘキセンアジペートから選
    ばれたアジペートとカプロラクトンとからなるポリカプ
    ロラクトンエステルポリオールであり、前記ポリカプロ
    ラクトンエステルポリオールのカプロラクトン成分の含
    有量が10〜27重量%であり、重量平均分子量が1000〜40
    00であることを特徴とする電子写真複写機用クリーニン
    グブレード。
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