JP2725472B2 - ローディングポスト駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置におけ
る、テープカセットより磁気テープを自動的に引き出
し、ヘッドシリンダーに巻回するローディングポスト駆
動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の磁気記録装置におけるローディン
グポスト駆動装置では、ローディングポストを駆動する
ためのローディングリングを回動保持する手段として、
数ケ所に軸を設け複数のローラによりローディングリン
グを挟み込むように構成するのが一般であった。

【０００３】以下にその構成を図面を参照しながら説明
する。図６にＶＴＲ本体１の平面図を示す。１は供給リ
ール２及び巻取りリール３を内蔵したカセットで、この
供給リール２と巻取りリール３の間には、磁気テープ４
が、ガイドポスト５ａ，５ｂ及び６を介して架張されて
いる。

【０００４】上記カセット１は、基板１０上の所定位置
に載置され、カセット１内の供給リール２は供給リール
台１１にはまり合い、巻取りリール３は、巻取りリール
台１２にはまり合っている。６２は消去ヘッド、６３は
制御ヘッド、６４はキャプスタン用等のモータ、６５は
キャプスタン、６６はアイドラ、６８はプランジャであ
る。Ｉ及びIIは、カセット１内の磁気テープ４を引き出
し、傾斜して設けられている回転ヘッドシリンダー１３
の周囲に巻回させるため一対の磁気テープ引出し部であ
る。

【０００５】ここで、引出し部Ｉの構成を説明する。図
７が引出し部Ｉの断面図である。

【０００６】図において、４は磁気テープを巻き付けら
れるべき回転ヘッドシリンダー、３６，３７は外周部に
歯車３９，４０を有するローディングリングで、同心円
的に基板１０の下面部に重ね合わされローラ３８ａ，３
８ｂ，３８ｃ，３８ｄ，３８ｅ，３８ｆ及びローラ３８
を貫通するよう配されたローラ軸４１ａ，４１ｂ，４１
ｃにより回動可能に保持されており、互いに逆方向に回
転するように構成されている。２０は引出し部材ベース
１４に設けられ、磁気テープ４を係合してカセット１内
より磁気テープ４を引き出すローディングポストで、引
き出し完了後は走行径路を形成する一つのガイドポスト
となる。２１は、補正ポストベースで、所定の角度θ傾
いた補正ポスト２２を有している。

【０００７】１９は基板１０に設けられ、カセット１内
の磁気テープ４を引き出し、傾斜して設けられている回
転ヘッドシリンダー１３の周囲に巻回させるための引き
出し部の摺動を誘導する案内溝である。

【０００８】ストッパ２５は基板１０上に、軸２９をガ
イドにしてビス３０にて固定されており、取付穴３１は
長穴になっているため軸３０を中心にストッパ２５は矢
印Ｙ−Ｙ′方向に若干回動になっている。

【０００９】引き出し部IIは引き出し部Ｉの対称形であ
るので、説明は省略する。以下、以上の構成よりなるロ
ーディングポスト駆動装置の動作を説明する。

【００１０】再生ボタン（図示せず）を押し込むとロー
ディングモータ（図示せず）が回転をはじめ、ローディ
ングモータに連結されたウォーム歯車（図示せず）を介
して、平歯車（図示せず）が回転し平歯車に噛合してい
るローディングリング３６も回転する。

【００１１】ローディングリング３６に係合した引出し
部材１４は案内溝１９に沿って矢印Ｘ方向へ摺動し、一
方引出し部材１４′は案内溝１９′に沿って矢印Ｙ方向
へ摺動する。このとき磁気テープ４はローディングポス
ト２０，２０′，補正ポスト２１，２１′に係止された
状態でカセット１から出てきて、回転ヘッドシリンダー
１３の周面に接するローディングリング２０，２０′が
各々ストッパー２５と２５′のストッパー部を形成する
Ｖ溝２６，２６′に係止された状態となる。

【００１２】ローディングポスト２０，２０′はストッ
パー部のＶ溝２６，２６′に当接し、この状態でローデ
ィングモータ（図示せず）は回転を停止し、ローディン
グリング２０，２０′は元にもどることなく停止する。

【００１３】次にプランジャ６８が作動し、アイドラ６
６がキャプスタン６５と当接して磁気テープ４を走行さ
せる。

【００１４】なお、停止ボタン（図示せず）を押せばア
ンローディング状態となり、ローディングポスト２０，
２０′はもとの位置にもどる。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うに、ローディングリングを回動可能に保持する手段と
してローラピンを数ケ所に設け、ローラピンを軸にして
ローラにローディングリングを積載するような構成で
は、部品点数が多くなるばかりでなく、組立て工程にお
いても工程数が多くなるという問題点を有していた。

【００１６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、ローディングリングのガイド構成において、部品点
数が少なく、組立て性の優れたローディングポスト駆動
装置の提供を目的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のローディングポスト駆動装置は、駆動源と、
リング形状で外周に歯部を有し、駆動源からの駆動によ
り回動を行う２つのローディングリングと、ローディン
グリングの回動により駆動され、テープを案内するロー
ディングポストと、ローディングポストとローディング
リングとを連結する連結部材と、２つのローディングリ
ングを回動自在に保持するローディングリングガイドと
を備え、ローディングリングガイドは一体成形により作
製され、かつ２つのローディングリングとローディング
リングガイドとを一体化するようローディングリングガ
イドに保持部を設けるものである。

【００１８】

【作用】上記ローディングポスト駆動装置によれば、２
つのローディングリングと、２つのローディングリング
を保持するローディングリングガイドとを一体化するこ
とが出来、部品点数を削減することができると共に、ロ
ーディングリングとローディングリングガイドを一つの
ユニットに一体化する事により、この一体化したユニッ
トを用意にシャーシに取り付けることができ、組立性が
向上する。

【００１９】

【実施例】以下に、本発明の一実施例のローディングポ
スト駆動装置の図１〜図５を参照して説明する。

【００２０】図１はローディングリング及びローディン
グリングガイドの斜視図である。図において、７０は外
周部に歯部７２と固定アーム７４を有し、固定アーム７
４の先端には供給側駆動シャフト７６を備えた供給側ロ
ーディングリング、７１は供給側ローディングリング７
０より少し大きな径をもち、同様の構成を有する巻取側
ローディングリング、７８は内周部に複数の爪部７９
ａ，７９ｂ，７９ｃ，７９ｄを有するローディングリン
グガイドでポリアセタール等の樹脂を一体成形したもの
である。

【００２１】これらは図２，図３に示すようにローディ
ングリングガイド７８の爪部７９ａ，７９ｂ，７９ｃ，
７９ｄにローディングリング７０，７１が嵌合され、ロ
ーディングリング７０，７１とローディングリングガイ
ド７８とが回動自在に一体化している。

【００２２】ただし、ローディングリングガイド７８の
爪部７９ａ，７９ｂ，７９ｃ，７９ｄのうち、爪部７９
ａ，７９ｂはテーパ部を有し一方爪部７９ｃ，７９ｄは
テーパ部がなく、爪部７９ａ，７９ｂに比べやや大きめ
に設けられている。

【００２３】このことにより、ローディングリング７０
とローディングリングガイド７８の組立は、まずローデ
ィングリング７０をローディングリングガイド７８の爪
部７９ｃ，７９ｄにはめ込み、次いで爪部７９ａ，７９
ｂのテーパ部の上方からローディングリング７０を押し
込む、といった簡単な工程で実現される。また、組立て
た後はこれらの爪部７９ａ，７９ｂ，７９ｃ，７９ｄに
より、ローディングリング７０とローディングリングガ
イド７８とがはずれにくくなっている。

【００２４】ローディングリング７１も上記ローディン
グリング７０と同様な構成でローディングリングガイド
７８に組立てられる。図４はローディングポスト駆動装
置の要部の斜視図である。

【００２５】図において、８０，８１は供給側ローディ
ングローラポスト８２及び第１と第２の巻取側ローディ
ングローラポスト８３，８４が搭載された供給側ボート
及び巻回取側ボートで、供給側ボート８０には供給側ロ
ーディングローラポスト８２の他に傾斜ポスト８５が設
けられている。さらに、８６，８７はローディング動作
の際に供給側ボート８０及び巻取側ボート８１をそれぞ
れ案内する円弧状の供給側ローディングガイド及び巻取
側ローディングガイドで、回転ヘッドシリンダー１３の
周囲に沿って配設されており、供給側ローディングガイ
ド８６はローディング完了位置ほど高くなるように構成
され、巻取側ローディングガイド８７はローディング完
了位置ほど低くなるように構成されている。

【００２６】供給側ローディングローラポスト８２を駆
動するための供給側ローディングリング７０と巻取側ロ
ーディングローラポスト８３，８４を駆動するための巻
取側ローディングリング７１は回転ヘッドシリンダー１
３の下方でその中心位置が互い偏心した位置に設けられ
ている。

【００２７】供給側ローディングリング７０は歯部４１
のローディング時回転方向の矢印（ロ）方向に見て前端
部に固定アーム７４が延設され、その先端部に供給側駆
動シャフト７６が立設されており、巻取側ローディング
リング７１は歯部７３のローディング時回転方向の矢印
（イ）方向に見て前端部に固定アーム７５が延設され、
その端部に巻取側駆動シャフト７７が立設されている。
この供給側駆動シャフト７６には、供給側ボート８０が
昇降自在に取付けられており、供給側ボート８０は前後
端に供給側ローディングガイド８６の外周に係合する前
端挟持部５６、後端挟持部５７を有し、前端挟持部５６
は断面コ字状に形成されて供給側ローディングガイド８
６に案内されるとともに着脱可能であり、後端挟持部５
７は断面コ字状に形成されてしかもたとえば先端に供給
側ローディングガイド８６の外周に沿う溝８６ａに嵌合
する爪５７ａが設けられて供給側ローディングガイド８
６に沿って案内される。また、巻取側駆動シャフト７７
には、巻取側ボート８１が昇降自在に取付けられてお
り、巻取側ボート８１の前後端に巻取側ローディングガ
イド８７の外周に係合する前端挟持部５８，後端挟持部
５９を有し、前端挟持部５８は断面コ字状に形成されて
巻取側ローディングガイド８７に案内されるとともに着
脱可能であり、後端挟持部５９は断面コ字状に形成され
て巻取側ローディングガイド８７に案内される。

【００２８】また、供給側駆動シャフト７６と巻取側駆
動シャフト７７は、供給側ローディングリング７０と巻
取側ローディングリング７１がそれぞれローディング時
に（ロ）方向と（イ）方向に回転したときに、円弧状の
供給側ローディングガイド８６と巻取側ローディングガ
イド８７の外周に沿って移動するように設計されてお
り、これにより、供給側ボート８０の前端挟持部５６と
巻取側ボート８１の前端及び後端挟持部５８，５９は、
ローディング途中では、駆動シャフト７６，７７の移動
軌跡とローディングガイド８６，８７の形状とから、そ
れぞれ供給側ローディングガイド８６と巻取側ローディ
ングガイド８７の外周から離脱することなく、安定して
案内され、しかも、供給側ボート８０はローディング完
了位置ほど高くなるように漸次上昇せしめられ、巻取側
ボート８１はローディング完了位置ほど低くなるように
漸次下降せしめられながら移動する。

【００２９】図５はテープカセット１をローディングポ
スト駆動装置にセットした状態の平面図である。

【００３０】９０はシャーシ、１はシャーシ９０に装着
されたテープカセットであり、テープカセット１内には
供給側リール２と巻取側リール３が配設されている。テ
ープカセット１がシャーシ９０に装着されたときに、テ
ープカセット１の前面部に形成された切欠部９１，９
２，９３に供給側にローディングローラポスト８２とテ
ンションポスト９及び第１と第２の巻取側ローディング
ローラポスト８３，８４及びピンチローラ９４が磁気テ
ープ４の内側でそれぞれ挿入される。８０，８１は供給
側ローディングローラポスト８２及び第１と第２の巻取
側ローディングローラポスト８３，８４が搭載された供
給側ボート及び巻取側ボートで、供給側ボート８０には
供給側ローディングローラポスト８２の他に傾斜ポスト
８５が設けられており、供給側ローディングポスト８２
とともに切欠部９１に挿入される。

【００３１】以下に上記機構によるローディング動作を
説明する。駆動源（図示せず）から連動している複数の
歯車を介して巻取側ローディングリング７１は矢印
（イ）方向に回転し、これに連動する歯車（図示せず）
を介して供給側ローディングリング７０は矢印（ロ）方
向に回転する。したがって、供給側ローディングリング
７０の固定アーム７４に設けられた駆動シャフト７６に
より供給側ボート８０はローディング方向に駆動される
が、このとき、駆動シャフト７６は供給側ローディング
リング７０により円弧連動をし、供給側ボート８０の後
端挟持部５７は供給側ローディングガイド８６の始端部
の直線部分に沿って直線運動をすることから、供給側ボ
ート８０の前端挟持部５６は移動とともに漸次ガイド側
に近づき、後端挟持部５７が供給側ローディングガイド
８６の円弧部分に移行した時点で、前端挟持部５６は供
給側ローディングガイド８６の外周に係合し、以後の供
給側ボート８０の移動は駆動シャフト５３と前端及び後
端挟持部５６，５７の三点支持で安定的に行われる。供
給側ローディングローラポスト８２は、供給側ボート８
０が供給側ローディングガイド８６に沿って移動したと
きに、磁気テープ４を回転ヘッドシリンダー１３に、左
側へ斜め上方に向って巻き付け、巻取側ローディングロ
ーラポスト８３は、巻取側ボート８１が巻取側ローディ
ングガイド８７に沿って移動したときに、磁気テープ４
を回転ヘッドシリンダー１３に右側へ斜め下方に向って
巻き付ける。

【００３２】このようにして、供給側ローディングロー
ラポスト８２による磁気テープ４の引き出しと回転ヘッ
ドシリンダー１３への巻き付けは安定して確実に行われ
る。巻取側ボート８１の場合も同様である。

【００３３】さらに供給側ローディングリング７０及び
巻取側ローディングリング７１は矢印（ロ）方向と
（イ）方向に回転し、供給側ボート８０と巻取側ボート
８１はそれぞれストッパー９６，９７に押圧され、位置
固定されてローディング動作は完了する。

【００３４】このように、爪部７９ａ，７９ｂ，７９
ｃ，７９ｄを有し、一体成形により作製したローディン
グリングガイド７８を採用したことにより部品点数が削
減され、簡単な工程によりローディングリング７０，７
１とローディングリングガイド７８とを組立てられる。

【００３５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ローディ
ングガイドを一体化成形により作製し、かつローディン
グリングとローディングリングガイドとが回動自在に一
体化するようにローディングリングガイドに保持部を設
けるため、部品点数が削減し、組立性も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるローディングポスト
駆動装置のローディングリング及びローディングリング
ガイドの斜視図

【図２】同実施例のローディングリングガイドの構成の
斜視図

【図３】同構成の断面図

【図４】同実施例のローディングポスト駆動装置の要部
を示す斜視図

【図５】同実施例におけるカセットセット時のローディ
ングポスト駆動装置の平面図

【図６】従来の磁気記録再生装置の平面図

【図７】同装置における引出し部Ｉの断面図

【符号の説明】

７０，７１ ローディングリング ７２，７３ 歯部 ７４，７５ アーム部 ７８ ローディングリングガイド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動源と、 リング形状で外周に歯部を有し、駆動源からの駆動によ
   り回動を行う２つのローディングリングと、 前記ローディングリングの回動により駆動され、テープ
   を案内するローディングポストと、 前記ローディングポストと前記ローディングリングとを
   連結する連結部材と、 前記２つのローディングリングを回動自在に保持するロ
   ーディングリングガイドとを備え、 前記ローディングリングガイドは一体成形により作製さ
   れ、かつ前記２つのローディングリングと前記ローディ
   ングリングガイドとを一体化するよう前記ローディング
   リングガイドに保持部を設けたことを特徴とするローデ
   ィングポスト駆動装置。