JP2724234B2 - 無機質板の耳落し方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、無機質板の耳落し方法とそのための装置
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、建
築材として有用な無機質抄造板の両側端の耳落しを、簡
便な手段によって高効率で行うことのできる新しい方法
とそのための装置に関するものである。

（従来の技術） 従来より、建築材としてセメント系スラリーより抄造
した無機質板が利用されており、通常、この無機質板の
製造においては、抄造されたシート状体の両側端の耳落
しがなされている。

たとえば第５図に示したように、抄造されたシート状
体としての無機質板（ア）は、水圧ジェット（イ）等に
よって切断され、その両側端の切断耳落し部（ウ）は、
搬送ローラ（エ）による搬送過程において取除かれてい
る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、この従来の耳落しにおいては、切断さ
れた耳落し切断部（ウ）の除去を作業者による手作業で
行っているため、そのための労力は大変なものとなり、
あまり生産性を上げることもできなかった。

このため、無機質板の耳落しを簡便な手段によって高
効率で行うことのできる改善策の実現が強く望まれてい
た。

この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の耳落し作業の欠点を改善し、簡便に、か
つ生産性よく耳落しすることのできる新しい方法とその
ための装置を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） この発明は、上記の課題を解決するものとして、搬送
方向に対して直交する方向にスライド自在とした搬送ロ
ーラにより耳落し部を切断加工した抄造無機質板を搬送
しつつ、搬送ローラをスライドさせて耳落し部の搬送支
持を解除してこの両側端の耳落し部を順次片側づつ脱落
除去することを特徴とする無機質板の耳落し方法を提供
する。

また、この発明は、この方法の実施のために、複数の
搬送ローラとその回転機構、および支持台車とその搬送
方向に対して直交する方向へのスライド機構を有し、搬
送ローラを支持する支持台車を、そのスライド機構を作
動させて耳落し部を切断加工した抄造無機質板の両側端
の耳落し部の各々に相当するだけ順次スライド移行さ
せ、片側づつ耳落し部を脱落除去することを特徴とする
無機質板の耳落し装置をも提供するものである。

（作 用） この発明の方法および装置においては、搬送ローラを
搬送方向に対して直交してスライド自在としているため
に、耳落し部のローラによる支持を解除し、これによっ
て耳落し部を自然落下させることができる。しかも、同
一長さのローラを用いて両側端の耳落し部を片側づつ順
次に脱落除去することができる。

作業は手先業でなく、自動化でき、生産性は大きく向
上する。

（実施例） 以下、添付した図面に沿ってこの発明の耳落し方法と
そのための装置について説明する。

第１図は、この発明方法の特徴を示したものであり、
たとえばこの第１図に示したように、この発明において
は、抄造工程により得られた無機質板（１）を搬送方向
に対して直交する方向にスライド自在とした搬送ローラ
（２）により搬送しつつ、切断加工した耳落し部（３）
を脱落除去する。

この脱落除去は、搬送ローラ（２）をスライドさせて
耳落し部（３）のみの搬送支持を解除することにより実
現される。耳落し部（３）は、その自重によって自然落
下する。この場合、第１図に示したように、また第２図
の平面図にも示したように、切断域（Ａ）で切断された
耳落し部（３）は、順次に、左側耳落し域（Ｂ）および
右側耳落し域（Ｃ）において除去する。

この耳落し操作は自動的に行うことができ、そのため
装置として、複数の搬送ローラ（２）とその回転機構と
ともに、たとえば第３図および第４図に示したように、
支持台車（４）とそのスライド機構を有する耳落し装置
を使用する。

スライド機構については各種の方式が可能であるが、
たとえば第３図および第４図に示したように、搬送ロー
ラ（２）を支持する支持台車（４）の下に、搬送方向に
直交する方向に敷設したガイドレール（５）に沿って回
転する車輪（６）を取付け、また係止部（７）に連結し
たアーム（８）をシリンダー（９）によって伸縮させる
ことで、所定のスライドを実現することができる。油圧
あるいはエアーシリンダによって、このアーム（８）を
伸縮させ、支持台車（４）をスライド移動させることが
できる。

もちろん、このシリンダー（９）およびアーム（８）
以外の駆動機構を採用してもよいことはいうまでもな
い。たとえばラック・ピニオン機構、他の歯車伝送機構
等の任意の手段が採用可能である。

これらの機構からなるスライド搬送ローラの作動を、
切断部（Ａ）における切断寸法に合わせて自動的にある
距離だけスライド移動させることにより、耳落し工程は
さらに効率化される。

もちろん、この発明は、以上の例によって限定される
ものではなく、細部の構造等について様々な態様が可能
であることはいうまでもない。

（発明の効果） この発明によって、以上詳しく説明した通り、従来の
手作業での多大な労力と危険性を回避し、極めて効率的
に、高い生産性での抄造無機質板の耳落しが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の方法を例示した斜視図である。第
２図はその平面図である。 第３図および第４図は、この発明の装置のスライド機構
を例示した正面図と側面図である。 第５図は従来法を示した斜視図である。 １……無機質板 ２……搬送ローラ ３……耳落し部 ４……支持台車 ５……ガイドレール ６……車輪 ７……係止部 ８……アーム ９……シリンダー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送方法に対して直交する方向にスライド
   自在とした搬送ローラにより耳落し部を切断加工した抄
   造無機質板を搬送しつつ、搬送ローラをスライドさせて
   耳落し部の搬送支持を解除してこの両側端の耳落し部を
   順次片側づつ脱落除去することを特徴とする無機質板の
   耳落し方法。
2. 【請求項２】複数の搬送ローラとその回転機構、および
   支持台車とその搬送方向に対して直交する方向へのスラ
   イド機構を有し、搬送ローラを支持する支持台車を、そ
   のスライド機構を作動させて耳落し部を切断加工した抄
   造無機質板の両側端の耳落し部の各々に相当するだけ順
   次スライド移行させて片側づつ耳落し部を脱落除去する
   ことを特徴とする無機質板の耳落し装置。