JP2723989B2 - 格子作製方法 - Google Patents

格子作製方法

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JP2723989B2
JP2723989B2 JP21885289A JP21885289A JP2723989B2 JP 2723989 B2 JP2723989 B2 JP 2723989B2 JP 21885289 A JP21885289 A JP 21885289A JP 21885289 A JP21885289 A JP 21885289A JP 2723989 B2 JP2723989 B2 JP 2723989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、格子作製方法に関する。
[従来の技術] 本明細書中に於いて、格子パターンは一定の周期的構
造を持つもののみならず、コンピューターホログラムパ
ターン等をも含む。このような格子パターンを持つ格子
は、例えば、リニヤエンコーダーやロータリーエンコー
ダー、ホログラムスキャナーに用いるホログラムディス
クやコンピューターホログラム等に用いられている。
このような格子の作製方法としては、従来からリソグ
ラフィー法を用いる方法や、レーザー光の干渉を利用す
る方法が知られている。
[発明が解決しようとする課題] 上記方法のうちリソグラフィー法による格子作製方法
では、光を用いてパターン露光を行うため、パターンが
微細化して例えばピッチが0.3〜0.4μm以下ともなると
回折が生じ、正確なパターン露光が出来なくなり、従っ
てある程度以上微細な格子パターンをもった格子を作製
することが出来ない。
また、レーザー光の干渉を利用する方法では干渉パタ
ーンを利用するため、干渉により発生させ得るパターン
以外の格子パターンを持った格子を得ることが出来な
い。また、光の波長による制限があり、微小ピッチの作
製は困難である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところは、所望の格子パターン、特
に極めて微細な格子パターンを持った格子を容易且つ確
実に得ることができる、新規な格子作製方法の提供にあ
る。
[課題を解決するための手段] 以下、本発明を説明する。
本発明は「表面レリーフ型の格子パターンを持つ格子
を作製する方法」であって、その特徴とするところは以
下に述べる点にある。
まず、「基体上に薄層状の磁気記録層を形成された磁
気記録媒体」に磁気ヘッドを用いて所望の格子パターン
を書き込み、上記格子パターンに従う磁化パターンを磁
気記録層に形成する。基体は例えばガラス基板等であ
る。基体上に薄層状に形成される磁気記録層はFe2O3
の磁化膜で有っても良く、またCoCr等の垂直磁化膜を厚
さ方向の所定の向きに均一に磁化したもので有っても良
い。
次に、磁気記録層上に「コロイド粒子の粒径が上記磁
化パターンに比して十分に小さい磁性コロイド流体」を
塗布して、上記磁化パターンに対応した「コロイド粒子
によるパターン」を生ぜしめる。磁性コロイド流体は、
酸化鉄の微粉末(コロイド粒子)を界面活性剤中に分散
させたものである。本発明で用いる磁性コロイド流体
は、コロイド粒子の粒径が磁化パターンに比して十分に
小さいもの、例えば100〜200Åの粒径のものである。
なお「コロイド粒子の粒径が磁化パターンに比して十
分に小さい」とはコロイド粒子の粒径が磁化パターンに
於けるパターンのピッチに比して十分に小さいことを意
味する。
次いで、このコロイド粒子によるパターン上に「金属
層」を積層し、しかる後にこの金属層を剥離する。剥離
した金属層にはコロイド粒子によるパターンが凹型とし
て転写されている。
この金属層を母型として所望の被転写媒体に上記パタ
ーンを転写することにより、所望の格子パターンを表面
レリーフ型として有する格子が得られる。
[作用] 磁気記録媒体の磁気記録層に磁気ヘッドで格子パター
ンを書き込むと、面内方向もしくは面垂直方向に磁化さ
れた磁区の配列により、格子パターンに従う磁化パター
ンが形成される。
磁化パターンの形成された磁気記録層の上に、磁化パ
ターンに比して十分に小さい粒径のコロイド粒子による
磁性コロイド流体、例えば上記磁区配列のピッチの1/10
程度の粒径をもつ磁性コロイド流体を塗布すると、コロ
イド粒子は磁区の境界部分に集まるので、結局磁化パタ
ーンと同一ピッチのコロイド粒子によるパターンが得ら
れる。従って、このパターンの上に金属層を積層し、し
かるのち金属層を剥離すれば金属層に、コロイド粒子に
よるパターンを写し取ることができる。このように剥離
した金属層は転写の母型として用いることができる。
磁気記録媒体に磁気ヘッドで格子パターンを書き込む
場合、磁気記録層として膜厚の所定の向きに均一に磁化
された垂直磁化膜を用い、垂直磁化用の磁気ヘッドを用
いると記録密度の最大はおよそ250Kbits/inch程度まで
可能である。
即ち1bit/0.1μmとなり、最小0.1μmピッチで磁区
を反転できる。従って最小で0.1μmピッチの垂直磁化
パターンを磁気ヘッドにより書き込み形成できる。この
磁化パターンに、そのピッチより1桁以上小さい粒径を
持つコロイド粒子による磁性コロイド流体を塗付すれ
ば、コロイド粒子のパターンのピッチも磁化パターンの
ピッチと同一になる。
また、磁気記録層としてFe2O3等の磁化膜を用い面内
方向に磁化する場合は、磁気記録層として垂直磁化膜を
用いる場合程の高記録密度は得られないが、磁化パター
ンの作成が極めて容易であり、特にピッチが1μm以上
の格子の作製には極めて有効である。
[実施例] 以下、図面を参照しながら具体的な2つの実施例に即
して説明する。
各実施例ともロータリーエンコーダーに用いる円板状
の格子の製造の例である。
第1図に於いて、符号1は磁気記録媒体を示してい
る。この磁気記録媒体1は、ガラス等の円形基板を基体
とし、その片面にFe2O3等の塗布等により薄層状の磁気
記録層を形成したものであり、図示されない回転手段に
より回転軸AXの回りに回転可能に成っている。磁気記録
媒体1における磁気記録層の層厚は数手Å程度である。
符号2は、磁気ヘッドを示している。
磁気記録媒体1を矢印方向へ定速回転させつつ磁気ヘ
ッド2にクロック信号3を入力し、1,0パターンを面内
方向の磁化パターン4として磁気記録媒体1の周縁部に
1周にわたって書き込み記録する。
第2図は、このように書き込み記録された磁化パター
ンを模式的に示している。図の左右方向は、磁気記録媒
体1の回転方向に対応している。
第2図で、符号5は磁気記録媒体の円形基板を示し、
符号6は薄層状に形成された磁気記録層を示す。磁気記
録層6における小さな矢印は磁化の向きを示している。
即ち、磁気ヘッド2による書き込みの結果、クロックの
1,0に応じて面内磁化方向が互いに逆転した磁区の配列
が形成されるのである。この磁区配列のピッチは1〜数
μmである。また第2図で図面に直交する方向、即ち磁
気記録媒体の半径方向には第2図の磁気的状態が有限寸
法続いている。
次に、上記の如く面内磁化による磁化パターンを形成
された磁気記録層6上に、粒径100〜200Åの磁性コロイ
ド流体7を塗布すると、第3図に示すように磁性コロイ
ド流体のコロイド粒子は磁気記録層6に形成された磁化
パターンをなす磁区の境界部に集まるため、磁化パター
ンと同ピッチのパターンがコロイド粒子により形成され
る。図中、符号7が磁区の境界部に集まったコロイド粒
子群によるパターンを示している。
このようにコロイド粒子により磁化パターンに従うパ
ターン7が形成されたら、このパターン7の上に、第4
図に示すように金属薄層8を形成する。金属薄層8は、
例えばNi,Auその他の金属を、上記コロイド粒子による
パターンの上からスパッタリング、真空蒸着等により成
膜することにより作製できる。
続いて、第4図に示す状態全体を金属の電解液(例え
ば、スルファミン酸ニッケル)に浸漬し、金属薄層8を
負電極として電解液中に正電極を設置し、両電極間に直
流電圧を印加する。すると電解液中の金属イオン(上記
スルファミン酸ニッケルの場合はニッケルイオン)が負
電極としての金属薄層8上に堆積して、第5図に示すよ
うに金属層9を形成する。電解液がスルファミン酸ニッ
ケルの場合であれば電鋳により形成される金属層9はニ
ッケルの層である。
このように積層された金属薄層8と金属層9とを一体
として磁気記録媒体1から剥離する。するとコロイド粒
子によるパターン7は磁気記録媒体1上に残り、剥離し
た金属薄層8の表面には、磁化パターンと同一のパター
ンが凹凸により形成されている。
このように一体として分離した金属薄層8と金属層9
の金属層9に、第6図に示すように補強用の金属基板10
を接着する。かくして格子パターン転写用の母型100が
得られる。
後は、この母型100を用いて金属薄層8表面の凹凸を
適当な被転写媒体に転写すれば、所望の格子パターンを
持つ格子を得ることができる。
ここでは転写の具体例として紫外線硬化樹脂によるフ
ォトポリマー法(2P法)を説明する。
第6図のように、母型100の上に未硬化の紫外線硬化
樹脂11を流し、その上にガラスやプラスチックによる透
明基板12を置き、基板12を介して紫外線硬化樹脂11に紫
外光を照射して紫外線硬化樹脂11を硬化させる。
しかる後、基板12と一体として、硬化した紫外線硬化
樹脂11を母型100から剥離すれば、第7図に示すよう
に、磁気ヘッドで書き込んだパターンを格子パターンと
して持つ格子200を得ることができる。
第6図、第7図に即して説明した工程を繰り返せば、
好きなだけ格子を得ることができる。
上記実施例では、磁気ヘッドにより書き込まれる磁化
パターンは磁気記録層の面内方向の磁化により形成され
るので、この実施例の方法は前述の如く1μm以上の格
子ピッチを持つ格子の作製に適している。
第8図以下に別の実施例を示す。
第8図に於いて符号1Aは磁気記録媒体を示す。
磁気記録媒体1は円形基板上に、CoCr等の垂直磁化膜
をスパッタリング法等により成膜し、厚み方向の所定の
向きに均一に磁化して磁気記録層としたものである。第
1図に示す磁気記録媒体1と同じく磁気記録媒体1Aも、
図示されない回転手段により回転軸AXの回りに回転可能
に成っている。
磁気記録層の層厚は数先Å程度である。
符号2Aは垂直磁化用の磁気ヘッドを示している。
磁気記録媒体1Aを矢印方向へ定速回転させつつ磁気ヘ
ッド2Aにクロック信号3を入力し、1,0パターンを垂直
磁化による磁化パターン4Aとして磁気記録媒体1Aの周縁
部に1周にわたって書き込み記録する。勿論、この磁化
パターン4Aは目に見えるパターンではない。
第9図は、このように書き込み記録された磁化パター
ンを模式的に示している。図の左右方向は、磁気円板の
回転方向に対応している。
第9図で、符号5は第2図と同じく円形基板を示し、
符号6Aは薄層状に形成された磁気記録層を示す。磁気記
録層6における小さな矢印は磁化の向きを示している。
即ち、垂直磁化用の磁気ヘッド2Aによる書き込みの結
果、クロックの1,0に応じて磁化方向が磁気記録媒体6A
の厚み方向に於いて互いに逆転した微小な磁区の配列、
即ち垂直磁化による磁化パターンが形成されるのであ
る。この磁化パターンに於ける磁区配列のピッチは、0.
1〜0.2μmである。また、第9図で図面に直交する方
向、即ち磁気円板の半径方向には第9図の磁気的状態が
有限寸法続いている。
次に、上記の如く垂直磁化による磁化パターンの形成
された磁気記録層6A上に粒径100〜200Åの磁性コロイド
流体を塗布すると、第10図に示すように、コロイド粒子
は磁気記録層6Aに形成された磁化パターンをなす磁区の
境界部に集まるため、磁化パターンと同ピッチのパター
ン7Aがコロイド粒子により形成される。
以後の工程(金属層の積層・剥離、母型による転写)
は、前述の実施例に於いて第4図乃至第7図に即して説
明した工程と同一である。
[発明の効果] 以上、本発明によれば新規な格子作製方法を提供でき
る。
この方法は上記の如くに構成されているので、表面レ
リーフ型の格子を容易且つ確実に且つ低価格で大量に得
ることができる。特に磁気記録層として垂直磁化膜を用
いこれに垂直磁化用の磁気ヘッドで磁気パターンを書き
込む方法では、最小0.1μmピッチの格子パターンが実
現可能である。これは従来の格子パターン形成ではX線
によるパターン描画で辛うじて可能であるが、X線描画
ではこれに必要なマスクの作製が困難であり、実際には
実現困難である。しかるに本発明では上記の如く、この
ような微細な格子パターンを持つ格子の作製を容易に実
現できる。
また、面内磁化による磁化パターンを形成する場合は
特に1μm以上のピッチを持つ格子の作製を極めて簡単
ならしめるものである。
また、本発明では格子パターンを基本的には磁気記録
媒体に磁気ヘッドで書き込むため、大面積化も容易であ
り、さらに格子パターンも種々のパターンを容易に実現
できる。従って実施例のようなロータリーエンコーダー
用の格子に限らず、リニヤエンコーダー用の直線状の格
子や、コンピューターで計算したホログラムパターンを
磁気ヘッドにより書き込むことによりコンピューターホ
ログラムパターンを有する振幅型ホログラムをも格子と
して容易に作製することができる。
なお、実施例では母型による転写の方法として2P法を
例示したが、一度母型が出来てしまえば、熱可塑性樹脂
への熱プレスによる複製、熱硬化性樹脂への熱硬化によ
る複製、樹脂の射出成型による複製等が可能である。
さらに複数磁気ヘッドを用いて別々の信号を書き込む
などして、複数のトラックを持つ円環状の格子パターン
を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、磁気記録媒体への面内磁化による磁化パター
ンの書込を説明するための図、第2図は、上記の如く書
き込まれた磁化パターンの状態を説明するための図、第
3図は、磁性コロイド流体によるパターン形成を説明す
るための図、第4図及び第5図は金属層の積層を説明す
るための図、第6図は、母型による転写を説明するため
の図、第7図は、出来上がった格子を示す図、第8図
は、磁気記録媒体への垂直磁化による磁化パターンの書
き込みを説明するための図、第9図は、磁化パターンの
状態を説明するための図、第10図は、垂直磁化による磁
化パターンに従うコロイド粒子によるパターン形成を説
明するための図である。 1……磁気円板、2……磁気ヘッド、3……クロック信
号、4……磁化パターン、5……基体としての円形基
板、6……磁気記録層、7……コロイド粒子によるパタ
ーン、8……金属薄層、9……金属層、10……金属基
板、11……紫外線硬化樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/18 G02B 5/18 (72)発明者 明渡 純 東京都新宿区早稲田3丁目18番1号 丸 茂ハイツ203号 (72)発明者 船戸 広義 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭59−90806(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面レリーフ型の格子パターンを持つ格子
    を作製する方法であって、 基体上に薄層状の磁気記録層を形成された磁気記録媒体
    に磁気ヘッドを用いて所望の格子パターンを書き込み、
    上記格子パターンに従う磁化パターンを上記磁気記録層
    に形成した後、 上記磁気記録層上に、コロイド粒子の粒径が上記磁化パ
    ターンに比して十分に小さい磁性コロイド流体を塗布し
    て、上記磁化パターンに対応した上記コロイド粒子によ
    るパターンを生ぜしめ、 次いで、このコロイド粒子によるパターン上に金属層を
    積層し、しかるのちに上記金属層を剥離し、この金属層
    を母型として所望の被転写媒体に上記パターンを転写す
    ることを特徴とする格子作製方法。
JP21885289A 1989-08-25 1989-08-25 格子作製方法 Expired - Lifetime JP2723989B2 (ja)

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