JP2723375B2 - 磁気装置 - Google Patents

磁気装置

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JP2723375B2
JP2723375B2 JP10143891A JP10143891A JP2723375B2 JP 2723375 B2 JP2723375 B2 JP 2723375B2 JP 10143891 A JP10143891 A JP 10143891A JP 10143891 A JP10143891 A JP 10143891A JP 2723375 B2 JP2723375 B2 JP 2723375B2
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幹男 渡辺
正志 岡部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静磁波を用いた磁気装
置に関する。さらに詳しくは、温度に対して安定した共
振周波数をうることができる磁気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、たとえば特開昭62-200709号公
報に示された従来の磁気装置を示す断面図であり、同図
において1は磁気回路のヨーク、2は永久磁石、4は磁
気回路の磁気ギャップ、5は静磁波素子すなわち磁気共
鳴素子、7は整磁板である。磁気共鳴素子としては、Y
IG(イットリウム・鉄・ガーネット)単結晶球やYI
G薄膜などが用いられている。
【0003】磁気共鳴素子に磁場を与える手段として
は、起磁力の保持に電流などの外部からのエネルギー源
を必要としない永久磁石2が使われ、ヨーク1の両端に
対向して設置されている。そして、共振周波数を変える
ため、この永久磁石2の作る磁場に重畳する磁場を発生
するコイル6をヨーク1に巻き回して用い、このコイル
6に流す電流を変えることにより磁気共鳴素子の共振周
波数を調整している。
【0004】さらに、永久磁石2は、磁気共鳴素子5の
置かれる磁気ギャップに直接、または温度補償などの目
的で挿入された整磁板7を介して対向しており、その形
状は永久磁石材料の特性、目的とする周波数に応じた磁
場の強さ、および磁気共鳴素子の形状寸法などを考慮
し、永久磁石2が最適な動作点になるように設計されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気装置は以上
のように構成されているのであるが、温度補償用の整磁
板7を用いても、磁気共鳴素子の共振周波数fの温度t
に対する依存性がそれ以上に大きいことから温度特性に
劣るという実用上大きな問題がある。以下、この問題に
ついて説明する。
【0006】磁気共鳴素子の共振周波数f(Hz)は、
異方性磁界の寄与が小さいとしてこれを無視すると、キ
ッテルの式を用いて、次式(2)のように表すことができ
る。 f(t)=γ×(Bg(t)−N×4πMs(t)) ・・・(2) ただし、γは磁気共鳴素子の磁気回転比でこのばあいは
γ=2.8×106Hz/gauss 、Bg(gauss)は磁気共鳴素
子がおかれている磁気ギャップの磁束密度、Nは磁気共
鳴素子の反磁界係数で静磁モード理論を用いて計算され
る値、4πMs(gauss) は磁気共鳴素子の飽和磁化であ
る。f、Bg、4πMsはすべて温度tの関数である。
【0007】具体例としては、前述した特開昭62-20070
9号公報に示されているように、アスペクト比(厚さ/
直径)が0.01のYIG円板の垂直共鳴ではN=0.9774で
あり、仮にBgが温度によらず一定としたばあい、4π
Msは-20℃で1916 gauss、+60℃で1622 gaussとなる
から、共振周波数fはこの温度範囲で、823×106Hzも
の変化をする。
【0008】このような静磁波を用いた磁気装置におい
て、周囲温度による共振周波数の変動を回避する方法と
しては、磁気装置を恒温槽内に配置して磁気共鳴素子を
一定の温度に保持するとか、電磁石によって温度に応じ
て磁界を変化させて素子の共振周波数を一定に保持する
とか、整磁板を適用して磁気回路の温度特性を素子の温
度特性に合わせるなどの方法が考えられていたが、これ
らは、電流制御などの外部からのエネルギー供給が必要
となったり、また、磁気回路の温度特性を磁気共鳴素子
に合わせるばあいにも、工業的にえられる整磁板や永久
磁石の種類は限られるため、両者の温度特性を広い範囲
に亘って精密に合わせることはきわめて困難であった。
【0009】本発明は、前述した問題点を解消するため
になされたものであり、温度特性を補償するための外部
回路や整磁板を必要とせず、さらにこれに伴って温度特
性を補償するための電力消費がなく、しかも固定周波
数、可変周波数の両方の磁気装置に適用でき、広範囲の
使用周波数の磁気装置において、温度に対して安定した
共振周波数をうることができる磁気装置を提供すること
を目的としている
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の静磁波を用いた
磁気装置は、永久磁石を組み込んだ磁気回路と磁気共鳴
素子によって形成されており、前記磁気共鳴素子の飽和
磁束密度4πMs(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α
(gauss/℃)が、数式(1):
【0011】
【数2】 (ただし、 f0;磁気装置の基準温度における共振周波数(Hz)、 δ;永久磁石の温度係数(%/℃)、 γ;磁気共鳴素子の磁気回転比(Hz/gauss)、 N;磁気共鳴素子の反磁界係数、 4πMs0;磁気共鳴素子の基準温度における飽和磁束
密度(gauss)である。) の関係を満たすことを特徴としており、磁気共鳴素子の
温度特性を磁気回路の温度特性に整合させ、温度に対し
て安定した共振周波数fをうるようにしたものである。
【0012】
【作用】磁気共鳴素子5の飽和磁化4πMs(t)を対象
としている温度範囲t1(℃)〜t2(℃)のあいだでの
平均温度係数α(gauss/℃)を用いて直線近似すると
次式(3)で示される。
【0013】 4πMs(t)=4πMs(t0)+α×(t−t0) ・・・(3) ここでt0はt1≦t0≦t2の範囲の基準温度であり、
4πMs(t0)はt=t0(℃)での磁気共鳴素子の飽和
磁化である。
【0014】磁気共鳴素子5がおかれている磁気ギャッ
プの磁束密度Bg(t)についても温度範囲t1(℃)〜t
2(℃)のあいだでの平均温度係数β(gauss/℃)を用
いて直線近似すると次式(4)で示される。
【0015】 Bg(t)=Bg(t0)+β×(t−t0) ・・・(4) ここでBg(t0)はt=t0(℃)における磁気ギャップ
の磁束密度である。
【0016】そして(3)、(4)式を(2)式に代入すると次
式(5)がえられる。
【0017】
【数3】 上式のγ×(Bg(t0)−N×4πMs(t0))はある定数
であるから、 γ×(β−N×α)×(t−t0)=0 ・・・(6) にすることができれば、f(t)を一定値に保つことが可
能となる。温度が変化しても(6)式を成立させるには、
【0018】
【数4】 であるから、 β=N×α ・・・(7) とすればよい。
【0019】永久磁石2の動作点を温度範囲t1(℃)
〜t2(℃)において減磁曲線の屈曲点よりも高い磁束
密度に設定すると、磁気回路を構成する材料が磁気飽和
しない限り、磁気ギャップの磁束密度Bgと永久磁石2
の残留磁束密度Brの関係は次式(8) で示される。
【0020】 Bg(t) =k×Br(t) ・・・(8) ここでkは磁気回路の構造によって決まる定数である。
【0021】さらに永久磁石2のBr(t)は温度範囲t1
(℃)〜t2(℃)のあいだでの平均温度係数δ(%/
℃)を用いると次式(9)で示される。
【0022】
【数5】 ここでBr(t0)はt=t0(℃)における永久磁石2の
残留磁束密度である。
【0023】(4)式と(9)式を(8)式に代入すると(10)式
がえられる。
【0024】
【数6】 (10)式はt=t0のときも成り立つから、t=t0を(10)
式に代入すると(11)式がえられる。
【0025】 k×Br(t0)=Bg(t0) ・・・(11) (11)式を(10)式に代入し、変形すると(12)式がえられ
る。
【0026】
【数7】 ここでt=t0を(2)式に代入すると次式(13)となる。
【0027】 f(t0)=γ×(Bg(t0)−N×4πMs(t0)) ・・・(13) ここでf(t0)はt=t0での共振周波数である。
【0028】(13)式を変形すると(14)式がえられる。
【0029】
【数8】 (12)、(14)式より(15)式がえられる。
【0030】
【数9】 したがって(7)、(15)式より(16)式が成り立つ。
【0031】
【数10】 ただし、f0=f(t0)および4πMs0=4πMs(t0) したがって、永久磁石を組み込んだ磁気回路と磁気共鳴
素子を用いる静磁波を用いた磁気装置において、磁気共
鳴素子の飽和磁束密度4πMs(gauss)と飽和磁束密度
の温度係数α(gauss/℃)が(16)式の関係を満たす磁
気共鳴素子を用いることによって、温度に対して安定し
た共振周波数をうることが可能である。
【0032】ここで、γは物理的定数であり、f0
N、δは静磁波を用いた磁気装置の仕様や条件および適
用する永久磁石の材質によって決まるため、(16)式は(1
7)式のようにも示される。
【0033】 α=a+b×4πMs0 ・・・(17) ただし、
【0034】
【数11】 であり、また
【0035】
【数12】 である。ここでa、bは静磁波を用いた磁気装置の仕様
や条件および適用する永久磁石の材質によって決まる定
数である。
【0036】したがって、(17)式すなわち(16)式を満た
す飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)を保持する磁気共鳴素子を選択す
る必要がある。
【0037】磁気共鳴素子の4πMs0とαについては
ある関係式が成り立つ。たとえばYIGについては、
「ハンドブック オブ マイクロウェーブ フェライト
マテリアルズ(HANDBOOK OF MICROWAVE FERRITE MATE
RIALS)」(アカデミック プレス ニューヨーク ア
ンド ロンドン(ACADEMIC PRESS New York and Londo
n)、1965年)に報告されているFigure2-30やFigure2-4
2などからわかるように、鉄元素を他の元素で置換する
ことによって4πMs0 とαは変化するが、その4πM
s0とαは次の(18)式の関係を満たす。
【0038】 α=c+d×4πMs0 ・・・(18) ここでc、dは、置換元素によって決まる定数であり、
たとえばAl系YIGではc=−1.2、d=-0.001
7、Ga系YIGではc=-0.6、d=-0.0020である。この
ばあいの基準温度は20℃である。
【0039】これより、この(18)式と(17)式の連立方程
式を解くことによって、(17)式すなわち(16)式を満たす
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度係
数α(gauss/℃)を保持する磁気共鳴素子を選択する
ことが可能となる。このことを図を用いて説明する。図
2は磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽
和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係である。1
6は(16)式を示しており、温度に対して安定した共振周
波数をうるために必要な磁気共鳴素子の飽和磁束密度4
πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/
℃)の関係である。18は(18)式を示しており、磁気共鳴
素子たとえばYIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と
飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係であ
る。図2に示すように16と18は傾きの異なる直線である
ため、16を満足し、かつ18をも満足する磁気共鳴素子を
選択すること、言い換えれば16と18の交点19の関係を保
持する磁気共鳴素子を選択することが可能となる。
【0040】したがって、(16)式を満たす飽和磁束密度
4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss
/℃)を保持する磁気共鳴素子を選択することが可能で
あり、本発明における静磁波を用いた磁気装置は温度に
対して安定した共振周波数をうることができる。
【0041】なお、ここでは磁気共鳴素子の4πMs0
とαの関係として直線関係にあるものを取り上げて説明
したが、必らずしも直線関係である必要はなく、曲線関
係であってもよい。
【0042】
【実施例】以下、添付図面に基づき本発明の磁気装置を
説明する。
【0043】[実施例1]図1は本発明の静磁波を用い
た磁気装置を示す断面図であり、同図において1は磁気
回路を構成する鉄やパーマロイなどからなるヨークを示
し、このヨーク1の相対向する面にそれぞれ永久磁石2
が取り付けられ、この永久磁石2に磁極3が取り付けら
れる。永久磁石としてはフェライト系磁石やサマリウム
-コバルト系磁石、ネオジウム系磁石などを用いること
ができる。4は磁極間の磁気ギャップであり、5は磁気
ギャップ4内に配置された磁気共鳴素子、たとえばYI
G膜やYIG球などである。磁極3の材質はヨーク1と
同じであっても、また、異なっていてもよい。6は永久
磁石2が作る磁場に重畳する磁場を発生するためのコイ
ルである。
【0044】本実施例では、永久磁石2として温度係数
δ=-0.04 %/℃、残留磁束密度Br=6200gaussの1-
5系サマリウム-コバルト磁石を用い、ヨーク1および
磁極3としてパーマロイを用い、磁気共鳴素子5として
飽和磁束密度4πMs0=690(gauss)、飽和磁束密度の温
度係数α=-2.0(gauss/℃)のGa系YIGを用い
(基準温度t0=20℃)、共振周波数f0=1.3×1010
zの磁気装置とした。
【0045】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度係
数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×106
Hz/gauss、N=1としたばあい、(20)式になる。
【0046】 α=−1.7−0.0004×4πMs0 ・・・(20) Ga系YGIの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁
束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係については、
さきに言い及した「ハンドブック オブ マイクロウェ
ーブ フェライト マテリアルズ(HANDBOOK OF MICROW
AVE FERRITE MATERIALS)」のFigure2-42から算出する
と、(18)式において、c=-0.6、d= -0.0020 とした
ばあい、すなわち、(21)式になる。
【0047】 α=−0.6−0.0020×4πMs0 ・・・(21) (20)式と(21)式の連立方程式を解くと、4πMs0=69
0(gauss)、α=-2.0(gauss/℃)となる。図3はこの
ばあい磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gaus
s)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係で
ある。同図において20は(20)式を示しており、21は(21)
式を示している。20と21の交点が(20)式と(21)式の連立
方程式の解である。
【0048】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss 、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0049】[実施例2]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.04%/℃、残留磁束密度B
r=6200gaussの1−5系サマリウム- コバルト磁石を
用い、ヨーク1および磁極3としてパーマロイを用い、
磁気共鳴素子5として飽和磁束密度4πMs0 =380(ga
uss)と飽和磁束密度の温度係数α=-1.4(gauss/℃)の
Ga系YIGを用い(基準温度t0=20℃)、共振周波
数f0=8.3×109Hzの磁気装置とした。
【0050】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss、N=1としたばあい、(22)式なる。
【0051】 α=−1.2−0.0004×4πMs0 ・・・(22) Ga系YIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁
束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係については、
実施例1で示したように、(21)式になる。
【0052】(22)式と(21)式の連立方程式を解くと、4
πMs0=380(gauss)、α=-1.4(gauss/℃)となる。
【0053】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss 、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0054】この実施例2は、実施例1と同じ構成で基
準温度における共振周波数を変えたばあいであるが、磁
気共鳴素子を適切に選定すれば基準温度における共振周
波数を変えても温度に対して安定した共振周波数をうる
ことができる。
【0055】[実施例3]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.04%/℃、残留磁束密度B
r=6200gaussの1−5系サマリウム-コバルト磁石を用
い、ヨーク1および磁極3としてパーマロイを用い、磁
気共鳴素子5として飽和磁束密度4πMs0=1150(gaus
s)、飽和磁束密度の温度係数α=-3.2(gauss/℃)のA
l系YIGを用い(基準温度t0=20℃)、共振周波数
0=1.9×1010Hzの磁気装置とした。
【0056】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss、N=1としたばあい、(23)式なる。
【0057】 α=−2.7−0.0004×4πMs0 ・・・(23) Al系YIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁
束密度の温度係数α(gauss /℃)の関係については、
さきに言及した「ハンドブック オブ マイクロウェー
ブ フェライト マテリアルズ(HANDBOOK OF MICR
OWAVE FERRITEMATERIALS)」のFigure2-30から算出する
と、(18)式において、c=-1.2、d=-0.0017 としたば
あい、すなわち、(24)式になる。
【0058】 α=−1.2 −0.0017×4πMs0 ・・・(24) (23)式と(24)式の連立方程式を解くと、4πMs0=115
0(gauss) 、α=-3.2(gauss/℃)となる。図4はこの
ばあいの磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)
と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係であ
る。同図において23は(23)式を示しており、24は(24)式
を示している。23と24の交点が(23)式と(24)式の連立方
程式の解である。
【0059】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss 、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0060】この実施例3は、実施例1と同じ構成で基
準温度における共振周波数と磁気共鳴素子の組成系を変
えたばあいであるが、磁気共鳴素子を適切に選定すれば
基準温度における共振周波数を変えても温度に対しても
安定した共振周波数をうることができる。
【0061】[実施例4]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.13%/℃、残留磁束密度B
r=11000gaussのネオジウム系磁石を用い、ヨーク1お
よび磁極3としてパーマロイを用い、磁気共鳴素子5と
して飽和磁束密度4πMs0=710(gauss)、飽和磁束密
度の温度係数α=-2.0(gauss/℃)のGa系YIGを用
い(基準温度t0=20℃)、共振周波数f0=2.3 ×109
Hzの磁気装置とした。
【0062】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss、N=1としたばあい、(25)式なる。
【0063】 α=−1.1−0.0013×4πMs0 ・・・(2
5) Ga系YIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)
と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係につ
いては、実施例1で示したように、(21)式になる。
【0064】(25)式と(21)式の連立方程式を解くと、4
πMs0=710(gauss)、α=-2.0(gauss/℃)となる。
【0065】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8 ×106Hz/gauss、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0066】この実施例4は、実施例1と同じ構成で永
久磁石と基準温度における共振周波数を変えたばあいで
あるが、磁気共鳴素子を適切に選定すれば永久磁石と基
準温度における共振周波数を変えても温度に対しても安
定した共振周波数をうることができる。
【0067】[実施例5]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.13%/℃、残留磁束密度B
r=11000gaussのネオジウム系磁石を用い、ヨーク1お
よび磁極3としてパーマロイを用い、磁気共鳴素子5と
して飽和磁束密度4πMs0=1750(gauss)、飽和磁束密
度の温度係数α=-4.2(gauss/℃)のAl系YIGを用
い(基準温度t0=20℃)、共振周波数f0=4.1 ×109
Hzの磁気装置とした。
【0068】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss、N=1としたばあい、(26)式なる。
【0069】 α=−1.9−0.0013×4πMs0 ・・・(26) Al系YIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁
束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係については、
実施例3で示したように、(24)式になる。(26)式と(24)
式の連立方程式を解くと、4πMs0=1750(gauss)、α
=-2.0(gauss /℃)となる。
【0070】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0071】この実施例5は、実施例1と同じ構成で永
久磁石と磁気共鳴素子の組成系および基準温度における
共振周波数を変えたばあいであるが、磁気共鳴素子を適
切に選定すれば永久磁石と基準温度における共振周波数
を変えても温度に対しても安定した共振周波数をうるこ
とができる。
【0072】[実施例6]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.035%/℃、残留磁束密度B
r=9000gaussの2−17系サマリウム- コバルト磁石を
用い、ヨーク1および磁極3としてパーマロイを用い、
磁気共鳴素子5として飽和磁束密度4πMs0=1390(ga
uss)、飽和磁束密度の温度係数α=-3.4(gauss/℃)の
Ga系YIGを用い(基準温度t0=20℃)、共振周波
数f0=2.3×1010Hzの磁気装置とした。
【0073】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss 、N=1としたばあい、(27)式なる。
【0074】 α=−2.9−0.00035×4πMs0 ・・・(27) Ga系YIGの飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁
束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係については、
実施例1で示したように、(21)式になる。
【0075】(27)式と(21)式の連立方程式を解くと、4
πMs0=1390(gauss)、α=-3.4(gauss/℃)とな
る。
【0076】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss、N=1
としたばあいに(16)式を満足している。
【0077】この実施例6は、実施例1および実施例4
と同じ構成で永久磁石と基準温度における共振周波数を
変えたばあいであるが、磁気共鳴素子を適切に選定すれ
ば永久磁石と基準温度における共振周波数を変えても温
度に対しても安定した共振周波数をうることができる。
【0078】[実施例7]図1の構成において、永久磁
石2として温度係数δ=-0.035%/℃、残留磁束密度B
r=9000gaussの2−17系サマリウム-コバルト磁石を用
い、ヨーク1および磁極3としてパーマロイを用い、磁
気共鳴素子5として飽和磁束密度4πMs0=520(gaus
s)、飽和磁束密度の温度係数α=-2.1(gauss/℃)のA
l系YIGを用い(基準温度t0=20℃)、共振周波数
0=1.5×1010Hzの磁気装置とした。
【0079】ここで、温度に対して安定した共振周波数
をもつ磁気装置をうるために必要となる磁気共鳴素子の
飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度
係数α(gauss/℃)の関係は、(16)式よりγ=2.8×10
6Hz/gauss、N=1としたばあい、(28)式なる。
【0080】 α=−1.9−0.00035×4πMs0 ・・・(28) Al系YIGの飽和磁束密度4πMs0 (gauss) と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係について
は、実施例3で示したように、(24)式になる。
【0081】(28)式と(24)式の連立方程式を解くと、4
πMs0 =520(gauss)、α=-2.1(gauss/℃)とな
る。
【0082】したがって、この磁気装置におけるα、4
πMs0 、f、δは、γ=2.8×106Hz/gauss、N=
1としたばあいに(16)式を満足している。
【0083】この実施例7は、実施例1および実施例4
と同じ構成で永久磁石と磁気共鳴素子の組成系および基
準温度における共振周波数を変えたばあいであるが、磁
気共鳴素子を適切に選定すれば永久磁石と基準温度にお
ける共振周波数を変えても温度に対しても安定した共振
周波数をうることができる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明したとおり、本発明の磁気装
置においては、永久磁石を組み込んだ磁気回路と磁気共
鳴素子を用いる磁気装置において、磁気共鳴素子の飽和
磁束密度4πMs0(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α
(gauss/℃)が、数式(1)
【数13】 (ただし、 f0;磁気装置の基準温度における共振周波数(Hz)、 δ;永久磁石の温度係数(%/℃)、 γ;磁気共鳴素子の磁気回転比(Hz/gauss )、 N;磁気共鳴素子の反磁界係数、 4πMs0;磁気共鳴素子の基準温度における飽和磁束
密度(gauss)である。) の関係を満たす磁気共鳴素子を用いており、温度に対し
て安定した共振周波数をうることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】本発明の一実施例における磁気共鳴素子におけ
る磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係を示す図で
ある。
【図3】本発明の実施例1における磁気共鳴素子におけ
る磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係を示す図で
ある。
【図4】本発明の実施例3における磁気共鳴素子におけ
る磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係を示す図で
ある。
【図5】従来の磁気装置の断面図である。
【符号の説明】
1 磁気回路のヨーク 2 永久磁石 3 磁極 4 磁気回路の磁気ギャップ 5 磁気共鳴素子 6 コイル 7 整磁板 16 温度に対して安定した共振周波数をうるために必要
な磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係
【数14】 ただし、 f0;磁気装置の基準温度における共振周波数(Hz)、 δ;永久磁石の温度係数(%/℃)、 γ;磁気共鳴素子の磁気回転比(Hz/gauss)、 N;磁気共鳴素子の反磁界係数、 4πMs0;磁気共鳴素子の基準温度における飽和磁束
密度(gauss) 18 磁気共鳴素子、たとえばYIGにおいて、鉄元素を
他の元素で置換したばあいの飽和磁束密度4πMs0(ga
uss)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係 α=c+d×4πMs0 ただし、c、dは置換元素によって決まる定数 19 16と18の交点。 20 温度に対して安定した共振周波数をうるために必要
な磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係 α=−1.7−0.0004×4πMs0 21 Ga系YIGの磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πM
s0(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)
の関係 α=−0.6−0.0020×4πMs0 23 温度に対して安定した共振周波数をうるために必要
な磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πMs0(gauss)と飽和
磁束密度の温度係数α(gauss/℃)の関係 α=−2.7 −0.0004×4πMs0 24 Al系YIGの磁気共鳴素子の飽和磁束密度4πM
s0(gauss)と飽和磁束密度の温度係数α(gauss/℃)
の関係 α=−1.2−0.0017×4πMs0

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を組み込んだ磁気回路と磁気共
    鳴素子を用いる磁気装置において、前記磁気共鳴素子の
    飽和磁束密度4πMs(gauss)と飽和磁束密度の温度
    係数α(gauss/℃)が、数式(1) : 【数1】 (ただし、 f0;磁気装置の基準温度における共振周波数(Hz)、 δ;永久磁石の温度係数(%/℃)、 γ;磁気共鳴素子の磁気回転比(Hz/gauss)、 N;磁気共鳴素子の反磁界係数、 4πMs0;磁気共鳴素子の基準温度における飽和磁束
    密度(gauss)である。) の関係を満たすことを特徴とする磁気装置。
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