JP2723360B2 - オリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲート - Google Patents

オリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲート

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JP2723360B2
JP2723360B2 JP6500029A JP50002993A JP2723360B2 JP 2723360 B2 JP2723360 B2 JP 2723360B2 JP 6500029 A JP6500029 A JP 6500029A JP 50002993 A JP50002993 A JP 50002993A JP 2723360 B2 JP2723360 B2 JP 2723360B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、好ましくは遊離の3′ヒドロキシ部分を有
する新規なオリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲ
ート(ここに、ポリアミドはそのカルボキシ末端を介し
てオリゴヌクレオチドと結合している)に関する。
背景技術 ヌクレオチド配列の検出またはヌクレオチド配列のリ
ポーター基(リポーターグループ)による標識には、多
くの分子生物学的な方法が関与している。例えば、広範
に用いられているポリメラーゼ連鎖反応技術(PCR)に
よって、極く僅かな標的分子から、1〜2時間の間に、
生産が望まれるDNAの多量のコピーを得ることができ、
結果として、以前に感度が低いために制限されていた核
酸検出法が適用できるようになった。増幅されたPCR産
物の検出は多くの方法で行い得る。非放射能的に、例え
ば、増幅されたヌクレオチド配列中のリポーター基を用
いて、増幅産物を検出し得ることが最も望ましい。
同様に、ニックトランスレーションのような反応で
は、後のハイブリダイゼーション生成物の検出のため
に、DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼによって製
造された反応生成物に標識したヌクレオチドを組込むこ
とが望ましい。
発明の開示 本発明は、その1つの態様において、以下の式(I)
で示されるヌクレオチドポリアミドコンジュゲートを提
供するものである: Nu−NUC−C≡C−X1−NH−X2−X3 (I) {式中、X1は非置換または置換C1〜C10アルキレン基
(1またはそれ以上の炭素が所望により−NH−、−O
−、または−S−で置換されていてもよい)であり; X2は結合、または非置換もしくは置換C1〜C20アルキ
レン基(1またはそれ以上の炭素が所望により−NH−、
−O−、または−S−で置換されていてもよい)であ
り; X1またはX2における所望による置換基は、オキソ、ア
ミノ、チオキソ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキ
シル、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、アミノ−低
級アルキル、エステル−低級アルキル、アミド−低級ア
ルキル、エーテル−低級アルキルまたはチオエーテル−
低級アルキル基、これら置換基の硫黄類似体、または天
然に存在するアミノ酸由来の側鎖置換基およびこれら側
鎖の密接に関連した類似体のうちの1またはそれ以上の
基から選択され; X3はアミノ酸またはカルボキシ末端で結合したポリア
ミドであり; NUCは、以下の式のいずれかで示されるヌクレオシド
基であり: [式中、→は式(I)における−C≡C−基への結合を
示す];そして X4は以下の式で示される糖基であり: [式中、5′酸素はNuに結合し、そしてX5およびX6は各
々独立してHまたはORである(RはH、保護基または固
相マトリックスである)];そして Nuはオリゴヌクレオチドである}。
X1は非置換または置換C1〜C10アルキレン基(ここ
に、1またはそれ以上の炭素が、−NH−、−O−または
−S−で置換されていてもよい)であり、該X1が置換さ
れている場合の置換基は、オキソ、アミノ、チオキソ、
ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、ハロゲン、
低級アルキル、フェニル、アミノ−低級アルキル、エス
テル−低級アルキル、アミド−低級アルキル、エーテル
−低級アルキル、またはチオエーテル−低級アルキル基
などの置換基、これら化合物の硫黄類似体、および任意
の他の官能基から選択される1またはそれ以上の置換基
である。その他の可能な置換基は、例えば、天然に存在
するアミノ酸の側鎖置換基、およびそれらの側鎖と密接
に関連した類似体てある。好ましくは、C1〜C10アルキ
レンはC1〜C3アルキレンであり、それは所望により、ア
ミド、ハロゲン、アリール、エステルなどの1またはそ
れ以上で置換されていてもよい。X1の好ましい形はメチ
レンである。
X2は結合、または非置換基または置換C1〜C20アルキ
レン基(ここに、1またはそれ以上の炭素が、−NH−、
−O−または−S−で置換されていてもよい)であり、
該X2が置換されている場合の置換基は、例えば、オキ
ソ、アミノ、チオキソ、ヒドロキシル、メルカプト、カ
ルボキシル、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、アミ
ノ−低級アルキル、エステル−低級アルキル、アミド−
低級アルキル、エーテル−低級アルキル、またはチオエ
ール−低級アルキル基などの置換基、これら置換基の硫
黄類似体、または天然に存在するアミノ酸のα−炭素に
結合している側鎖置換基、およびそれらの類似体から選
択される1またはそれ以上の置換基である。X2は、好ま
しくは−CO−(C1〜C9アルキレン)−NH−(ここに、ア
ルキレンは、さらに、例えば天然に存在するアミノ酸に
結合している置換基等によって置換されていてもよい)
の形を有する。X2の好ましい形は−CO−(CH2−NH
−などである。
ポリアミド(X3)は、好ましくは2またはそれ以上の
アミノ酸を含むポリペプチドである。該ポリペプチドは
1またはそれ以上のリポーター基をも有することが好ま
しい。また、このポリペプチドは1個のアミノ酸からな
っていてもよい。
ヌクレオシド基NUCの1つの好ましい形は、式: [式中、X4は上記定義と同意義である] で示される構造を有する。糖残基X4において、置換基X5
およびX6はそれぞれ独立してHまたはOR(ここに、Rは
H、保護基または固相マトリックスである)であり、好
ましくは、X5はH、そしてX6はOR(ここに、RはHまた
は支持マトリックスである)である。
特に好ましい本発明の化合物は、式(II): [式中、X2、X3、X5、X6およびNuは上記定義と同意義で
ある] で示される化合物群からなる。
基X3は基X2に共有結合的に結合しているポリアミドを
表す。このポリアミドは、アミド結合またはいわゆるペ
プチド結合によって結合した、リジン、バリン、グリシ
ン、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン、プロ
リンなどの天然に存在するアミノ酸で形成されていて良
い(Biochemistry,第2版,Albert L.Lehninger,pp.72−
77,1970)。あるいは、ポリアミドは合成アミノ酸、即
ち、タンパク質中に天然には存在しない合成アミノ酸で
形成されていても良く、あるいは該ポリアミドは天然ア
ミノ酸と合成アミノ酸との組合せで形成されていてもよ
い。好ましくは、該合成アミノ酸は、一般式:H2NCHR1CO
OH[式中、R1は、直鎖または分枝鎖状の、飽和または不
飽和の1またはそれ以上のオレフィン性またはアセチレ
ン性のC−C結合を有するC1〜C20アルキレンの様な任
意の有機部分であり、例えば、飽和または部分的に飽和
であり、そして/または、1またはそれ以上のヘテロ原
子あるいはそのようなヘテロ原子を含有する基(例、ア
ミド基)が介在しており、そして/または、ハロゲン、
シアノ、アミノまたは非置換または置換フェニルまたは
ベンジルで置換されていてもよく、シクロアルキルが例
として挙げられる]で表されるα,ω−アミノ−カルボ
ン酸を含んでいて良い。ポリアミドは、例えば1〜100
アミノ酸の、任意の数のアミノ酸単位(残基)を含有し
ていてよい。
ポリアミド(X3)は、天然に存在するかまたは天然に
存在しないアミノ酸を含むペプチドを形成していてよ
い。ペプチドの配列は、抗体との相互作用、酵素反応な
ど任意の所望の適用に適するように設計することができ
る。
ポリアミドはリジンのような誘導体化されたアミノ酸
を介してポリアミド鎖に結合した1またはそれ以上のリ
ポーター基を含有していても良い。リポーター基は蛍光
部分、化学発光部分、常磁性部分など、ビオチンおよび
フェリチンのようなコロイド性化合物またはコロイド状
銀もしくは金、および酵素類を含有していても良い。リ
ポーター基はポリアミド内の共有結合的に結合した、特
にリジンの遊離アミノ基を介して結合した、1またはそ
れ以上のアミノ酸であってよい。
蛍光団リポーター基は以下のものから選択される。フ
ルオレセイン−5−イソチオシアナート、ジアシル(イ
ソブチリル、アセチルまたはピバロイルなど)フルオレ
セイン−5および/または6カルボン酸ペンタフルオロ
フェニルエステル、6−(ジアシル−5および/または
6−カルボキシアミド−フルオレセイン)アミノ−ヘキ
サン酸ペンタフルオロフェニルエステル、テキサスレッ
ド(Texas Red,Molecular Probes,Inc.の登録商標)、
テトラメチルローダミン−5(および6)イソチオシア
ナート、オエシン−イソチオシアナート、エリスロシン
−5−イソチオシアナート、4−クロロ−7−ニトロベ
ンザ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、4−フルオロ−
7−ニトロベンザ−2−オキサ−1,3−ジアゾン、3−
(7−ニトロベンザ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−
4−イル)メチルアミノ−プロピオニトリル、6−(7
−ニトロベンザ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−
イル)アミノヘキサン酸、スクシンイミジル12−(N−
メチル−N−(7−ニトロベンザ−2−オキサ−1,3−
ジアゾール−4−イル)アミノドデカナート、7−ジエ
チルアミノ−3−(4′−イソチオシアナトフェニル)
−4−メチルクマリン(CP)、7−ヒドロキシクマリン
−4−酢酸、7−ジメチルアミノ−クマリン−4−酢
酸、スクシンイミジル7−ジメチルアミノクマリン−4
−アセテート、7−メトキシクマリン−4−酢酸、4−
アセトアミド−4′−イソチオシアナトスチルベン−2,
2′−ジスルホン酸(SITS)、9−クロロアクリジン、
スクシンイミジル3−(9−カルバゾール)−プロピオ
ネート、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、スク
シンイミジル1−ピレンノナノエート、p−ニトロフェ
ニル−1−ピレンブチレート、9−アントラセンプロピ
オン酸、スクシンイミジルアントラセン−9−プロピオ
ネート、2−アントラセンスルホニルクロリド、または
特定の方法で処理すると蛍光を発する発光団前躯体。
リポーター基は、当該技術分野で自体既知の常法によ
り、ポリアミドに結合される。例えば、1級アミン基の
ようなポリアミド上の求核性基は蛍光または酵素リポー
ター基と反応して、それらとの間に共有結合を形成する
ことができる。また、当該技術分野で自体既知の2機能
性のカップリング試薬(例えば、Pierce Chemical Comp
anyカタログ、1987に記載の試薬)を用いてリポーター
基をポリアミドに結合させることができる。
ビオチンは、常法によってポリアミド内に導入するこ
とができる。例えば、BOPカップリング法[Castro,B.
ら,Synthesis(1976)pp.751−752]を用いて誘導体化
されていないビオチンをポリアミドに導入することがで
きる。別法によれば、ビオチンをN−ヒドロキシスクシ
ンイミジル活性エステルとして導入することができる。
さらに、例えばビオチニル化アミノ酸誘導体を用いて導
入することができる。ビオチンは、リポーター基に結合
したアビジンを用いて検出することができる。例えば、
ビオチンと結合させるのに、ストレプトアビジン−アル
カリホスファターゼコンジュゲートを用いることができ
る。アルカリホスファターゼは適当な基質と反応し、視
覚的に観察し得る不溶性の二沈殿(diprecipitate)を
生成する。
酵素リポーター基はβ−ガラクトシダーゼ、西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、アルカリホスファタ
ーゼ、デヒドロゲナーゼ、ルシフェラーゼおよび炭酸デ
ヒドラターゼなどから選択される。一般に、酵素は1ま
たはそれ以上の基質と反応し、変色、発光(ルミネッセ
ンス)、または沈殿形成などの検出可能なシグナルを生
成する。
ポリアミドに含有させ得るリポーター基の数は、本発
明にとって重要ではなく、例えば、1〜20個またはそれ
以上のリポーター基をポリアミドに導入することができ
る。ポリアミド内のリポーター基の配置は本発明にとっ
て重要ではない。例えば、アルキンアミノ基と離れたポ
リアミドの末端に単一のリポーター基が存在していても
良い。別法によれば、アルキンアミノ基の近くにリポー
ター基が存在していても良い。さらに、複数のリポータ
ー基がポリアミドに沿って分布していても良い。
オリゴヌクレオチドNuは適当な任意のヌクレオチド配
列であってよいが、好ましい1つの形は、以下の一般式
で示される: [式中、Bは独立して、アデニル、グアニル、チミニル
またはシトシニルから選択され、nは1〜約400、より
好ましくは2〜約200である]。
式IおよびIIの糖残基化合物の5′ヒドロキシル部分
から延びるオリゴヌクレオチド配列Nuは、DNAまたはRNA
標的とハイブリダイゼーションさせ、さらにDNAまたはR
NAポリメラーゼのためのプライマーとして作用し得る、
任意の所望の配列および組成であって良い。オリゴヌク
レオチドはデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチ
ドまたはデオキシおよびリボヌクレオチドの組合せから
なっていてよい。オリゴヌクレオチドは1〜400ヌクレ
オチドまたはそれ以上、好ましくは2〜200ヌクレオチ
ドを含有することができる。オリゴヌクレオチドを適切
に修飾して、ハイブリダイゼーションに影響を与えるこ
となくインビボの半減期を増大させることができる。例
えば、Argawalら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988)
pp.7079−7083)]またはSteinおよびCohen[Cancer Re
s.48(1988)pp.2659−2688]の方法に従い、リン骨格
上の1またはそれ以上の非架橋酸素を硫黄またはアミン
で置換することにより、オリゴヌクレオチドを修飾する
ことができる。その様な、修飾されたオリゴヌクレオチ
ドもオリゴヌクレオチドという語句の範囲に包含され
る。「オリゴヌクレオチド」という語句は、単一のヌク
レオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレ
オチド)、またはリボヌクレオチド、デオキシリボヌク
レオチドまたはその混合物からなるポリヌクレオチドを
も包含し得る。
以下の式(I): Nu−NUC−C≡C−X1−NH−X2−X3 (I) [式中、各置換基は上記定義と同意義である] で示されるヌクレオチドポリマーコンジュゲートの一般
的な製造方法は、以下の工程を包含する: (1)以下の式(III): [式中、NUC′は以下の式で示されるいずれかの基であ
り: X1、X5およびX6は上記定義と同意義であり、Pr1およ
びPr2は同一または異なっていてよい保護基である] で示される化合物を得; (2)Pr2を除去するかまたは除去しない条件下で化合
物(III)中のPr1を除去することによりペンダントアミ
ノ基を脱保護し、次いで脱保護された化合物を式:Pr3X2
RX(X2は先に記載した通りであり、Pr3は保護基であ
り、RXは脱離基である)で示される化合物と反応させて
X2をペンダントアミノ基に共有結合させて、以下の式で
示される化合物を得: そして5′−OH基が遊離基である場合には、この基を所
望によりPr2[除去可能な保護基であり、工程(1)に
おけるPr2と同一または異なる]で再保護するか、また
はX2が結合である場合には工程(2)を省略し; (3)工程(2)の化合物中のPr3(またはX1が結合で
あるときにはPr1)を除去することによりペンダントア
ミノ基を脱保護し、それを活性化アミノ酸またはポリア
ミドと反応させて、X3の全てまたは一部を導入し、X3
一部のみが導入されたときには、次いで順に1またはそ
れ以上の活性化アミノ酸またはポリアミドを1回または
それ以上の回数で通常のペプチド合成条件のもとで付加
し、化合物にX3の残りを付加して、以下に示す化合物を
得: (4)予め脱保護されていないときには工程(3)の化
合物の糖部分の5′−OH基を脱保護し、そして脱保護さ
れたOH基を活性化ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
ドと反応させて5′−3′結合を形成させ、次いで順に
1またはそれ以上の活性化ヌクレオチドを付加してオリ
ゴヌクレオチド鎖を形成させて、Nuを化合物に付加し;
そして (5)所望によりあらゆる残存の保護基を除去し、そし
て所望によりX5またはX6がORであってRが固相マトリッ
クスである場合の固相マトリックスから該化合物を切断
して、化合物(I)を得る。
式IおよびIIの化合物のアミノおよびヒドロキシル基
は、Green[Protecting Groups in Organic Synthesis,
Johon Wiley & Sons,Inc.,1981]が記載したような適
当な保護基で保護され得る。例えば、ヒドロキシ保護基
は置換または非置換アルカノイル(例、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、ブロモアセチル、ジクロロアセチル、トリフルオロ
アセチル)、置換または非置換アロイル(例、ベンゾイ
ル、トルオイル、キシロイル、ニトロベンゾイル、ブロ
モベンゾイル、サリシロイル)、アリールアルキル
(例、ベンジル)、メチル、メトキシ、メチルチオメチ
ル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエ
トキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロ
チオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4
−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフ
ラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチ
ル、1−メチル−1−メトキシエチル、2−(フェニル
セレニル)エチル、t−ブチル、アリル、ベンジル、o
−ニトロベンジル、トリフェニルメチル、α−ナフチル
ジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメ
チル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アンスリル
(Tritylone)、ジメトキシトリチルまたはピキシル、
トリメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−
ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリルなどの
アシルから選択される。アミノ保護基はアシル特に有機
アシル、例えば置換または非置換脂肪族炭化水素オキシ
カルボニル、例えばアルコキシカルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、
5−ペントキシカルボニル);ハロアルコキシカルボニ
ル(例、クロロメトキシカルボニル、トリブロモエトキ
シカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル);アル
カン−またはアレーン−スルホニルアルコキシカルボニ
ル[例、2−(メシル)エトキシカルボニル、2−(p
−トルエンスルホニル)エトキシカルボニル];アルキ
ルチオ−オラリルチオアルコキシカルボニル(alkylthi
o−orarylthioalkoxycarbonly)[例、2−(エチルチ
オ)−エトキシカルボニル、2−(p−トルイルチオ)
−エトキシカルボニル]、置換または非置換アルカノイ
ル、例えばハロ(低級)アルカノイル(例、ホルミル、
トリフルオロアセチル);単環または融合環式の脂環式
オキシカルボニル(例、シクロヘキシルオキシカルボニ
ル、アダマンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキ
シカルボニル);置換または非置換アルケニルオキシカ
ルボニル(例、アロイルオキシカルボニル);置換また
は非置換アルキニルオキシカルボニル(例、1,1−ジメ
チルプロパルギルオキシカルボニル);置換または非置
換アリールオキシカルボニル(例、フェノキシカルボニ
ル、p−メチルフェノキシカルボニル);置換または非
置換アリールアルコキシカルボニル[例、ベンジルオキ
シカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、
p−フェニルアゾベンジルオキシカルボニル、p−(p
−メトキシフェニルアゾ)−ベンジルオキシカルボニ
ル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモ
ベンジルオキシカルボニル、α−ナフチルメトキシカル
ボニル、p−ビフェニルイソプロポキシカルボニル、フ
ルオレニルメトキシカルボニル];置換または非置換ア
レーンスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、p−トル
エンスルホニル);置換または非置換ジアルキリホスホ
リル(例、ジメチルホスホリル);置換または非置換ジ
アラルキルホスホリル(例、O,O′−ジベンジルホスホ
リル);置換または非置換アリールオキシアルカノイル
[例、フェノキシアセチル、p−クロロフェノキシアセ
チル、2−ニトロフェノキシアセチル、2−メチル−2
−(2−ニトロフェノキシ)プロピオニル];置換また
は非置換アリール(例、フェニル、トリル);または置
換または非置換アラルキル(例、ベンジル、ジフェニル
メチル、トリチルまたはニトロベンジル)から選択され
る。
特に好ましい保護基は4,4′−ジメトキシトリチル、F
moc、BOCおよびPixylである。
上記の保護基には、以下においてPr1およびPr2(また
はPr3)と称するものも包含される。上記の保護基は、X
5またはX6の保護にも使用できる。
式IおよびIIの化合物は、クレノウフラグメントなど
のDNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ(SP6またはT
7ポリメラーゼなど)を用いる、鋳型ヌクレオチド配列
の伸長に用い得る。本発明を限定するものではないが、
特に、式IまたはIIの化合物をポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)に用いることができる(Nuで示される基のヌク
レオチド配列は標的配列の一部と相補的であるように選
択される)。選択したオリゴヌクレオチド「プライマ
ー」を、低温で標的DNAの反対鎖上の相補性配列とアニ
ーリングさせた後、熱安定性のポリメラーゼを用いて
3′方向に伸長させることによって、遺伝子が増幅され
る。増幅産物は、ポリアミド残基中に含有されるリポー
ター基を介して容易に検出される。例えば、蛍光性リポ
ーター基は、増幅産物に蛍光団の励起周波数範囲内の光
線を照射することにより、検出される。ビオチン含有リ
ポーター基は、アビジンとの反応によって検出すること
ができる。
本発明の化合物は基:X5またはX6を介して、支持マト
リックスに結合させることができる。支持マトリックス
は、例えば、アミノプロピル制御多孔性ガラス(AP−CP
G)のような制御(コントロール)多孔性ガラス、また
はポリスチレン樹脂であって良い。
本発明の化合物は、本明細書に記載した保護基を用い
て完全に保護され、支持マトリックスに結合され得る
が、保護された形または完全に脱保護された形で支持マ
トリックスから脱離される。
式(II): [式中、X2、X3、X5、X6およびNuは上記定義と同意義で
ある] で示される化合物は、一般に、以下の方法で調製され
る: (1)以下の式(III a): [式中、X5およびX6は上記定義と同意義であり、そして
Pr1およびPr2は同一または異なっていてよい保護基であ
る] で示される化合物を得; (2)Pr2を除去するかまたは除去しない条件下で化合
物(III a)中のPr1を除去することによりペンダントア
ミノ基を脱保護し、次いで脱保護された化合物を式:Pr3
X2RX(X2は先に記載した通りであり、Pr3は保護基であ
り、RXは脱離基である)で示されるアミノ酸と反応させ
てX2をペンダントアミノ基に共有結合させ、そして5′
−OH基が遊離基である場合には、この基を所望により除
去可能な保護基[工程(1)における保護基Pr2と同一
または異なっていてよい]で再保護するか、またはX2
結合である場合には工程(2)を省略し; (3)工程(2)の化合物中のPr3(または、X2が結合
であるときにはPr1)を除去することによりペンダント
アミノ基を脱保護し、それを活性化アミノ酸またはポリ
アミドと反応させてX3の全てまたは一部を導入し、X3
一部のみが導入されたときには、次いで順に1またはそ
れ以上の活性化アミノ酸またはポリアミドを、1回また
はそれ以上の回数で通常のペプチド合成条件のもとで付
加して化合物にX3の残りを付加し: (4)予め脱保護されていないときには工程(3)の化
合物の糖部分の5′−OH基を脱保護し、そして脱保護さ
れたOH基を活性化ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
ドと反応させて5′−3′結合を形成させ、次いで順に
1またはそれ以上の活性化ヌクレオチドを付加してオリ
ゴヌクレオチド鎖を形成させて、Nuを化合物に付加し;
そして (5)所望によりあらゆる残存の保護基を除去し、そし
て所望によりX5またはX6がORであってRが固相マトリッ
クスである場合の固相マトリックスから該化合物を切断
して、化合物(II)を得る。
式IおよびIIの化合物の合成において、X2が結合であ
る場合、工程(2)は、所望による5′OH基の脱保護と
共に未処置アミノ基を脱保護し、上記のように、脱保護
したアミノ基をX2、次いでX3と反応させる、ただし、そ
の各々は、例えば、式(III)の化合物の保護または脱
保護した5′OH基に付加することなくペンダントアミノ
基にアミノ酸を共有結合的に結合させ得る、活性化アミ
ノ酸またはペプチドである;また、式(III)の化合物
の5′OH基が遊離基である場合、該基を所望により除去
可能な保護基で再保護する。
X3のポリアミド類は、例えば、固相Fmoc法[Atherto
n,RおよびSheppard,R.C.(1985)J.Chem.Soc.Commun.,p
p.165−166]または固相Boc法[Barany,G.およびMerrif
ield,R.B.(1980)Solid−Phase Peptide Synthesis in
“The Peptides",Vol.2,E.Gross & J.Meinhofer Eds.,
Academic Press,New York,pp.1−284]で合成すること
ができる。これらの方法では、反応性部分を保護するた
めに、アミノ酸を当分野で自体既知の標準的な保護基
[例えば、Green(1981)Protecting Groups in Organi
c Synthesis,Johon Wiley & Sons,Inc.,1981;Atherton
およびSheppard(1985)J.Chem.Soc.Commun.,pp.165−1
66;BaranyおよびMerrifield(前掲)]を用いて保護す
る。
オリゴヌクレオチドNuは、固相ホスホトリエステル法
[SproatおよびGait(1984)Oligonucleotide Synthesi
s,A Practical Approach,pp.83−116,IRL Press,Oxfor
d]、固相H−ホスホネート法[Froehlerら(1986)Nuc
leic Acids Research 14,pp.5399−5407]または固相ホ
スホルアミダイト法[BeaucageおよびCaruthers(198
1)Tetrahedron Lett.,22,pp.1859−1862]によって合
成することができる。これらの方法の各々において、ヒ
ドロキシまたはアミノ基のような反応性の基は、既述
[Green(1981)Protecting Groups in Organic Synthe
sis,Johon Wiley & Sons,Inc.,1981;Beaucage,S.L.お
よびCaruthers,M.H.(1981)Tetrahedron Lett.,22,pp.
1859−1862;Sproat,S.およびGait,M.J.(1984)Oligonu
cleotide Synthesis,A Practical Approach,pp.83−11
6,IRL Press,Oxford]の標準的なヒドロキシおよびアミ
ノ保護基で保護されていて良い。
式(III)の化合物のX5またはX6の1つの基が固相マ
トリックスに結合していることが好ましい。最も好まし
くは、基X6が固相マトリックスに結合している。マトリ
ックスは、上記のように適当な反応性基を含むように活
性化することができる。様々な異なる段階で、ポリアミ
ドに1またはそれ以上のリポーター基を導入することが
できる。リポーター基はポリアミド合成前にアミノ酸中
に存在しているか(第3工程);ポリアミド合成後(第
4工程);オリゴヌクレオチド合成後(第5工程);あ
るいは脱保護およびオリゴヌクレオチド−ポリアミドコ
ンジュゲートの精製後のいずれかに導入することができ
る。方法の選択は、選択されたリポーター基および合成
法に依存する。
リポーター基がペプチドおよびオリゴヌクレオチドの
いずれかの合成条件下でも安定である場合、それを、誘
導体化アミノ酸として、ポリアミド合成の最初から導入
することができる。もしそれがDNA合成の条件下では安
定であるが、ペプチド合成の条件下では安定でない場
合、ポリアミド合成の後に、それを導入することができ
る。もしリポーター基がペプチドまたはオリゴヌクレオ
チド鎖の組立てのいずれにおいても安定でないが、脱保
護法または安定である場合、それを完全に保護されたポ
リアミド−オリゴヌクレオチドコンジュゲートのオリゴ
ヌクレオチド鎖の組立ての後に導入することができる。
もし標識が本発明化合物の合成に用いたどの条件下でも
安定でない場合、精製され完全に脱保護されたポリアミ
ドオリゴヌクレオチドコンジュゲートとの液相反応にお
いて導入することができる。
蛍光団は工程(3)〜(6)の任意の段階でオリゴヌ
クレオチド−ポリアミドコンジュゲートに導入すること
ができる。ビオチンの場合も同様である。
酵素、およびコロイド状金、コロイド状銀、フェリチ
ンまたはビオチン等のコロイド性化合物は工程(3)〜
(6)で導入することができる。
オリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲートのポ
リアミド部分は、生成した検出可能なシグナルを増大
し、その結果、検出を容易にする複数のリポーター基を
含有していても良い。
コンジュゲートのポリアミド部分はリポーター基が結
合するためのビヒクルとして機能するのみならず、ポリ
アミドを特定の細胞型、細胞位置に指向させる(ターゲ
ット)か、またはオリゴヌクレオチドの細胞膜通過を向
上させるためのアドレスマーカーとして作用する。ペプ
チド配列のアドレスラベル活性は良く確立されている
[VernerおよびSchatz(1988)Science 241,pp.1307−1
313:Goldfarbら(1986)Nature 322,pp.641−644]。例
えば、細胞表面受容体によって認識されるペプチド配列
を選択することにより、そのペプチド配列と結合したオ
リゴヌクレオチドは特定の型の細胞内に輸送され、そこ
で生物学的効果を発揮することができる(例えばそれら
がアンチセンスオリゴヌクレオチドである場合、ウイル
ス性または細胞性RNAの転写を阻害する)。
本発明の特に好ましい方法では、式(III a): [式中、Pr1、Pr2、X5およびX6は上記定義と同意義であ
る] で示される化合物は3′−ヒドロキシル基を介して固相
支持体に結合している(即ち、X6はORであり、Rは固相
マトリックスである)。式:Pr3HNX2CORXで示されるスペ
ーサーまたはアミノ酸を、上記のように、脱保護された
ペンダントアミノ基に付加した後、ペプチド合成の常法
に従い、1またはそれ以上のアミノ酸基を連続的に付加
することにより、ポリアミド鎖を付加する。
次いで、オリゴヌクレオチド鎖を式IVの化合物の脱保
護した5′−ヒドロキシ基に付加する。種々の保護基Pr
1、Pr2およびPr3は同一または異なっていて良く、前記
の通りである。
図面の簡単な説明 図1は5′末端は標識したオリゴヌクレオチドのPAGE
を示す。レーンAおよびCは通常のオリゴヌクレオチ
ド、そしてレーンBはAhx−Lys(ビオチン)−Alaペプ
チドを含有する23量体コンジュゲートを示す。
図2は本発明化合物の製造の概略(反応式I)を示
す。
図3は図2の反応物質を製造するための詳細な説明
(反応式II)を示す。
図4は本発明の好ましい化合物を製造するための詳細
な説明(反応式III)の最初の部分を示す。
図5は図4の続きであり、反応式IIIの後半のさらに
詳細な説明を示す。
図6は本発明のペプチド合成に用いた標識化アミノ酸
の製造のさらに詳しい説明を示す。
発明を実施するための様式 本発明の具体的な態様を、以下の限定のためのもので
はない実施例により説明する。製造された化合物は、し
ばしば、図面の図2〜6に記載された参照番号で表され
る。
実施例1 原材料 3−アミノプロピン、5−ヨード−2′−デオキシウ
リジン、ビオチン、および3−アミノプロピルトリエト
キシシランはSigmaから購入した。N−(フルオレン−
9−イルメトキシ−カルボニルオキシ)スクシンイミ
ド、Nα−Fmoc−L−リシン、ペンタフルオロフェノー
ル、DCC、およびFmoc−Ala−OPfpはAuspep(Melbourn
e)から入手した。3−ニトロピリジン−2−スルフェ
ニルクロリドはKokusan(東京)から入手した。9−ク
ロロ−9−フェニルキサンテンおよびテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(0)はAldrichより
調達した。N−ヒドロキシスクシンイミドはPierceから
入手した。トリエチルアミン(puriss級)、管理された
細孔グラス(200〜400メッシュ、細孔サイズ500Å、カ
タログ番号27720)およびジイソプロピルカルボジイミ
ド(DIC)はFlukaから購入した。ニンヒドリン検定の試
薬はApplied Biosystemsより調達した。DMFは減圧下で
蒸留し、14日以内に使用した。ピリジンは大気圧下にCa
H2を用いて蒸留し、5Åモレキュラーシーブを入れて保
存した。全ての他の試薬はさらに精製することなく使用
した。薄層クロマトグラフィーはMerck SG−60被覆済プ
ラスチックプレートで実施し、フラッシュクロマトグラ
フィーはMerckシリカゲル(SG−60、230〜240メッシ
ュ)で実施した。95%エタノール/1%酢酸/4%H2Oを再
結晶溶媒として代用したことを除いて既述のように、
ビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルを
調製した。N−Fmoc−ε Ahx−OPfp2およびN−Boc−3
−アミノプロピンは文献の方法に従って調製した。
融点は電熱装置で測定し、補正はしなかった。NMRス
ペクトルはJEOL GX−400分光計で記録し、1Hの観測を39
9.9MHZで、13Cの観測を9.98MHzで操作した。DEPT実験は
13501H選択パルスで実施した。DQF−COSY実験は、16ト
ランジエント/増分および356x2Kデータマトリックスの
データ累積の相感受性モードで行った。1Kx1K最終デー
タマトリックスへの0充填および両方向の指数荷量関数
の適用後、スペクトルを得た。HMBC実験は、128トラン
ジエント/増分および128x2K粗データマトリックスの絶
対吸収モードで行った。t1次元における4回の0充填お
よび両方向の正弦鐘状の荷量関数の適用後にスペクトル
を得た。この実験は21C−H値を8Hzと仮定して行った。
ヌクレオシド3および4に用いた番号付与系は反応式1
に示されており、一方、化合物22および23の番号付与系
は反応式IVに示す通りである。Perkin Elmer 1600シリ
ーズFTIRを用い、KBrディスクを用いて、IRスペクトル
を記録した。0.1mM EDTA溶液に溶解した試料を用い、Va
rian Cary 1分光光度計でUVスペクトルを記録した。Bec
kman System 6300アミノ酸分析器でアミノ酸分析を実施
した。緩衝液A(0.1M酢酸トリエチルアンモニウム、pH
7.0)および緩衝液B(0.1M酢酸トリエチルアンモニウ
ム、30%CH3CN、pH7.0)を用い、Phenomenex逆相C18
ラム(50DS30、5μm、細孔サイズ60Å)を用いる島津
LC4A装置でHPLC分析を実施した。
元素分析はCMAS Pty.Ltd.(Melbourne)から入手し
た。高および低分解能FAB質量スペクトルは、FAB源を装
着したJEOL DX−300およびJEOL AX−505H装着で各々記
録した。高分解能測定の試料はポリエチレングリコール
(600)/チオールグリセロール/グリセロール/DMSOマ
トリックスに、低分解能試料はチオグリセロールマトリ
ックスに懸濁した。この両方のイオン化基体はXeであっ
た。
試薬の合成 実施例1(a) 3−(フルオレン−9−イル−メトキ
シカルボニル)−アミドプロピン(9) 3−アミノプロピン(359μl、5.25mol)を、0℃で
THF(8ml)中のN−(フルオレン−9−イルメトキシカ
ルボニルオキシ)スクシンイミド(FmocNHS)(1.69g、
5.00mmol)の溶液に滴下し、2時間撹拌した。この溶液
を室温まで温め、溶媒を真空下で除去した。この粗残渣
を酢酸エチル(100ml)に溶解し、溶液をH2O(3x30ml)
で洗浄し、次いで乾燥させた(Na2SO4)。酢酸エチルか
らの再結晶によって無色の針状物として9を得た(1.11
g、80%、融点129〜130℃)。1 H NMR(d6−DMSO):δ3.13(t,1H,H1,J=2.3Hz)、3.
80(dd,2H,H3,J=5.9,2.5Hz)、4.23(t,1H,Fmoc CH,J
=6.8Hz)、4.33(d,2H,Fmoc CH2,J=7.1Hz)、7.33(d
dd,2H,Fmoc H2およびH7,J=7.6,7.5,12Hz)、7.41(dd
d,2H,H,Fmoc H3およびH6,J=7.6,7.5,0.9Hz)、7.71
(d,2H,Fmoc H2およびH8,J=7.6Hz)、7.81(t,1H,NH,J
=5.9Hz)、7.90(d,2H,Fmoc H4およびH5,J=7.6Hz)。13 C NMR(d6−DMSO);δ29.8(C3)、46.6(Fmoc CH,6
5.7(Fmoc CH2)、73.1(C1)、81.4(C2)、120.1(Fm
oc C3およびC6)、125.2(Fmoc C2およびC7)、127.1
(Fmoc C4およびC5)、127.6(Fmoc C1およびC8)、14
0.7(C4aおよびC4b)、143.8(Fmoc C8aおよびC9a)、1
55.9(Fmoc CO)。
FABMS m/z:300(M+Na)、278(M+H)。
元素分析(C18H15NO2として): 計算値:C,78.0;H,5.45;N,5.05; 実測値:C,78.1;H,5.45;N,5.01。
実施例1(b) 3−(3−ニトロ−2−スルフェニル
ピリジン)−アミノプロピレン(10) DMF(20ml)中の3−アミノプロピン(855μl、12.5
mmol)の撹拌溶液に、3−ニトロピリジン−2−スルフ
ェニルクロリド(0.94g、5.0mmol)を2等分して0.5時
間かけて加えた。1.5時間後、この反応混合物を酢酸エ
チル(500ml)に注ぎ入れ、H2O(3x200ml)で洗浄し、
乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空下で除去した。MeOH/H
2Oからの再結晶によって赤い結晶として10を得た(0.65
3g、62%、融点107〜9℃)。1 H NMR(d6−DMSO):δ3.18(t,1H,H1,J=2.6Hz)、3.
77(dd,2H,H3,J=4.4,2.6Hz)、5.34(t,1H,NH,J=4.4H
z)、7.47(dd,1H,NPYS H5,J=8.3,4.6Hz)、8.61(dd,
1H,NPYS H6,J=8.4,1.5Hz)、8.90(dd,1H,NPYS H4,J=
4.4,1.5Hz)。13 C NMR(d6−DMSO);δ30.7(C3)、74.8(C1)、81.
7(C2)、120.4(NPYS C5)、134.3(NPYS C4)、139.8
(NPYS C3)、154.1(NPYS C6)、163.1(NPYS C2)。
FABMS m/z:210(M+H)。
元素分析(C8H7N3O2Sとして): 計算値:C,45.9;H,3.37;N,20.1; 実測値:C,45.7;H,3.33;N,20.1。
実施例1(c) 3−(9−フェニルキサンテン−9−
イル)アミノプロピン(12) 9−クロロ−9−フェニルキサンテン(14.7g、50mmo
l)溶液を、2等分して、0.5時間かけてDMF(100ml)中
の3−アミノプロピン(8.6ml、125mmol)の撹拌溶液に
加えた。3時間後、MeOH(20ml)を加えて、反応混合物
を15分間撹拌した。次いでこの混合物をジエチルエーテ
ル(500ml)中に抽出し、H2O(3x300ml)で洗浄して、
乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空下で除去した。得られ
た黄色のオイルを高真空下で乾燥させ(4時間)、次い
で熱いジエチルエーテル(70ml)に再溶解させた。この
溶液を−20℃で24時間保持し、次いで濾過して、固体を
氷冷ヘキサン(2x50ml)で洗浄し、次いて氷冷ジエチル
エーテル(2x50ml)で洗浄して、無色粉末として12を得
た(12.7g、82%、融点116〜8℃)。1 H NMR(d6−DMSO):δ2.86(dd,2H,H3,J=7.3,4.4H
z)、2.99(t,1H,H1,J=2.4Hz)、4.01(t,1H,NH,J=7.
2Hz)、6.98−7.50(m,13H,Px CH)。13 C NMR(d6−DMSO);δ32.8(C3)、59.7(Px C9)、
73.4(C1)、82.7(C2)、1160.0および123.5(Px CH)
125.0(Px C8aおよびC9a)、126.3、126.4、128.0、12
8.6、128.7(Px CH)、149.5(Px C1′)、150.7(PX C
4aおよびC10a)。
FABMS m/z:311(M+)。
元素分析(C22H17NOとして): 計算値:C,84.8;H,5.51;N,4.50; 実測値:C,84.4;H,5.73;N,4.30。
実施例1(d) 5−ヨード−5′−O−(9−フェニ
ルキサンテン−9−イル)−2′−デオキシウリジン
(7) 5−ヨード−2′−デオキシウリジン(IDU)(3.54
g、10mmol)を乾燥ピリジン(3x20ml)と共蒸発させ
た。このIDUを乾燥ピリジン(15ml)に再溶解し、9−
フェニル−9−クロロキサンテン(3.82g、13mmol)を
この撹拌溶液に2等分して0.5時間かけて加えた。1時
間後、MeOH(5ml)を加えて、溶液をさらに0.5時間撹拌
した。次いで溶媒を真空下で除去し、残渣を1%Et3N/
酢酸エチル溶液から再結晶させて無色結晶として7を得
た(4.27g、70%、融点200〜2℃)。1 H NMR(d6−DMSO):δ2.20(m,2H,H2′)、2.99(dd,
1H,H5′,J=10.5,4.2Hz)、3.10(dd,1H,H5″,J=10.5,
2.7Hz)、3.85(m,1H,H4′)、4.15(m,1H,H3′)、5.2
9(d,1H,3′OH,J=4.2Hz)、6.08(t,1H,H1′,J=7.0H
z)、7.10−7.42(m,13H,Px CH)、8.08(s,1H,H6)。13 C NMR(d6−DMSO);δ40.4(C2′)、63.8(C
5′)、69.9(C5)、71.0(C3′)、75.6(Px C9)、8
5.2(C1′)、85.9(C4′)、116.3、116.4(Px CH)、
122.3、122.4(Px C8aおよびC9a)、123.8、124.0、12
5.8、126.8、128.2、129.3、129.69、129.7、129.73(P
x CH)、143.9(C6)、148.4(Px C1′)、150.0(C
2)、150.51、150.58(Px C4aおよびC10a)、160.6(C
4)。
FABMS m/z:633(M+Na+)。
元素分析(C28H23N2P6Iとして): 計算値:C,55.1;H,3.81;N,4.59; 実測値:C,55.0;H,3.81;N,4.54。
実施例1(e) 5−[3(−tert−ブチルオキシカル
ボニルアミド)プロプ−1−イン−1−イル)]−5′
−O−(9−フェニルキサンテン−9−イル)−2′−
デオキシウリジン(3) DMF(6ml)中の11(1.22g、2.00mmol)の脱ガス(A
r)溶液に、CuI(0.076g、0.40mmol)、Et3N(558μ
l、4.00mmol)、3−tert−ブチルオキシカルボニルア
ミドプロピン11(0.932g、6.00mmol)および(Ph3P)4P
d0(0.232g、0.20mmol)を順次加え、この溶液を5時間
撹拌した。AGlX8(HCO3 -)イオン交換樹脂(6M当量)を
MeOH(10ml)およびCH2Cl2(10ml)と共に加え、この混
合物を30分間撹拌した。この樹脂を濾過して除き、溶媒
を減圧下で除去した。この粗残渣を酢酸エチル(200m
l)に溶解させ、溶液をH2O(3x100ml)で洗浄し、乾燥
させ(Na2SO4)、そして濾過した。溶媒を除去した後、
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(70gシリ
カ、0〜10%MeOH/CH2Cl2)にかけ、次いでクロロホル
ム/ジエチルエーテルからの再結晶により無色結晶とし
て3を得た(0.602g、47%、融点157〜160℃)。1 H NMR(d6−DMSO):δ1.35(s,9H,Boc CH3),2.25
(m,2H,H2′)、3.00(dd,1H,H5′,J=10.5,4.4Hz)、
3.12(dd,1H,H5″,J=10.4,2.6Hz)、3.69(m,2H,H
9)、3.91(m,1H,H4′)、4.15(m,1H,H3′)、5.30
(d,1H,3′OH,J=4.2Hz)、6.09(5,1H,H1′,J=6.7H
z)、7.10−7.45(m,13H,Px CH)、7.96(s,1H,H6)。13 C NMR(d6−DMSO);δ28.2(Boc CH3)、30.0(C
9)、40.3(C2′)、63.8(C5′)、70.8(C3′)、73.
8(C8)、75.5(Px C9)、78.2(Boc C)、85.3(C
1′)、85.9(C4′)、90.1(C7)、98.4(C5)、116.
1、116.3(Px CH)、122.0(Px C8aおよびC9a)、123.
9、124.0、125.8、126.7、128.1、129.0、129.1、129.7
(Px CH)、142.9(C6)、148.3(Px C2)、149.3(C
1′)、150.5、150.7(Px C4aおよびC10a)、155.1(Bo
c CO)、161.6(C4)。
FABMS m/z:660(M+Na)。
元素分析(C36H35N3O8として): 計算値:C,67.8;H,5.54;N,6.59; 実測値:C,67.7;H,5.68;N,6.54。
実施例1(f) Fmoc−ヌクレオシド1を類似の方法で調製したが、持
続的に混入している出発ヌクレオシド7のために分析純
度まで精製できなかった。13 C NMR(CDCl3):δ31.2(C9)、41.8(C2′)、46.9
(Fmoc C9)、60.3(C5′)、63.4(C8)、66.4(Fmoc
CH2)、72.4(C3′)、74.3(Px C9)、86.1(C1′)、
86.7(C4′)、89.5(C7)、99.4(C5)、116.4(Px C
H)、119.8(Fmoc C3およびC6)、122.1、122.3(Px C8
aおよびC9a)、123.7、123.8(Px CH)、124.8(Fmoc C
2およびC7)、126.2(Px CH)、126.85、126.95(Fmoc
C4およびC5)、127.8(Fmoc C1およびC8)、129.4、12
9.6(Px CH)、141.1(Fmoc C4aおよびC4b)、143.2、1
43.6(Fmoc C8aおよびC9a)、143.7(C6)、148.1(C
2)、149.4(Px C1′)、151.06、151.12(Px C4aおよ
びC10a)、155.6(Fmoc CO)、162.25(C4)。
実施例1(g) 5−[3−(フェニルキサンテン−9
−イルアミノ)プロプ−1−イン−1−イル]−5′−
O−(9−フェニル−キサンテン−9−イル)−2′−
デオキシウリジン(4) この方法は、粗残渣をCH2Cl2(200ml)に再溶解した
ことを除いて3の方法と同一であった。この溶液を10%
NaHCO3(2x100ml)およびH2O(1x100ml)で洗浄した。
溶液を乾燥させた後(Na2SO4)、濾過し、溶媒を蒸発さ
せて、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0〜
5%MeOH/CH2Cl2、1%Et3N)により淡黄褐色固体とし
て4を得た(0.608g、76%)。その1部をMeOHから再結
晶させて分析純度にした[融点156〜8℃(分解)]。1 H NMR(d6−DMSO):δ2.25(m,2H,H2′)、2.55(dd,
1h,H9a,J=16.3,7.15Hz)、2.66(dd,1H,H9b,J=16.3,
7.14Hz)、2.95(dd,1H,H5′,J=10.6,3.67Hz)、3.07
(dd,1H,H5″,J=10.4,2.38Hz)、3.51(t,1H,N9H,J=
7.20,Hz)、3.9(m,1H,H4′)、4.21(m,1H,H3′)、5.
31(d,1H,3′OH,J=4.03Hz)、6.11(t,1H,H1′,J=6.7
8Hz)、6.85−7.40(m,26H,NPxおよびOPx CH)、8.05
(s,1H,H6)、11.6(br s,1H,H3)。13 C NMR(d6−DMSO):δ33.4(C9)、40.8(C2′)、5
9.6(NPx C9)、63.6(C5′)、70.9(C3′)、74.6(C
8,75.7(OPX C9)、85.2(C1′)、86.0(C4′)、91.2
(C7)、115.86、115.91、116.21、116.30(NPxおよびO
Px CH)、122.17および122.24、(OPx C8aおよびC9
a)、123.50、123.54、123.92、124.05(NPxおよびOPx
CH)、124.65、124.68(NPx C8aおよびC9a)、125.7、1
26.3、126.5、127.8、127.9、128.46、128.58、128.6
8、128.74、128.98、129.25、129.64、129.76(NPxおよ
びOPx CH)、142.7(C6)、148.1(C2)、149.3(NPxお
よびOPx C1′)、150.4、150.61、150.66、150.75(NPx
およびOPx C4aおよびC10a)、161.6(C4)。
FABMS m/z:816(M+Na)、794(M+H)。
HR−FABMSの正確な質量実測値794.2871、(C50H39N3O
7)+Hの計算値794.2868。
実施例1(h) Nα−(フルオレン−9−イルメトキ
シカルボニル)−Nε−ビオチニルリシン、Fmoc−Lys
(ビオチン)−OH(22) DMF(70ml)中のEt3N(698μl、5.00mmol)の溶液
を、ビオチンのN−ヒドロキシスクシンイミジルエステ
ル(3.41g、10.0mmol)とNα−Fmoc−リシン21(1.84
g、5.00mmol)の混合物に加え、得られた混合物を6時
間撹拌し、次いで濾過した。次に、冷HCl水溶液(pH2、
500ml)を加え、沈殿を濾過し、HCl水溶液(pH2、3x200
ml)およびH2O(3x200ml)で洗浄した。この段階で、残
渣は大量の水を含むことが分かり、従って凍結乾燥させ
て(48時間)、綿毛状の無色固体を得た[2.41g、81
%、融点181〜2℃(分解)]。1 H NMR(d6−DMSO):δ1.20−1.40(m,4H,Btn Hγおよ
びLys Hδ)、1.50−1.52(m,6H,Btn HβおよびBtn HLy
s HδおよびLys Hγ)、1.52−1.62(m,2H,Lys Hβ)、
2.03(t,2H,Btn Hα,J=7.3Hz)、2.56(d,1H,Btn H5b,
J=12.5Hz)、2.79(dd,1H,Btn H5a,J=12.4,5.1Hz)、
3.00(m,2H,Lys Hε)、3.06(m,1H,Btn H2)、3.9(m,
1H,Lys Hα)、4.1(m,1H,Btn H3)、4.18−4.30(m,4
H,Btn H4およびFmocCH2およびFmoc H9)、6.36(s,1H,B
tn H1′)、6.42(s,1H,Btn H3′)、7.32(ddd,2H,Fmo
c H2およびH7,J=7.4,7.4,1.1Hz)、7.41(dd,2H,Fmoc
H3およびH6,J=7.2,7.2Hz)、7.61(d,1H,Lys NαH,J=
8.1Hz)、7.72(d,2H,Fmoc H1およびH8,J=7.4Hz)、7.
76(t,1H,Lys NεH,J=5.6Hz)、7.88(d,2H,Fmoc H4お
よびH5,J=7.4Hz)。13 C NMR(d6−DMSO):δ23.1(Lys Cγ)、25.3(Btn
Cβ)、28.0(Btn Cδ)、28.2(Btn Cγ)、28.8(Lys
Cδ)、30.5(Lys Cβ)、35.2(Btn Cα)、38.2(Ly
s Cε)、39.9(Btn C5)、46.7(Fmoc C9)、53.8(Ly
s Cα)、55.2(Btn C2)、59.2(Btn C4)、61.0(Btn
C3)、65.6(Fmoc CH2)、120.1(Fmoc C3およびC
6)、125.3(Fmoc C2およびCy)、127.1(Fmoc C4およ
びC5)、127.7(Fmoc C1およびC8)、140.7(Fmoc C4a
およびC4b)、143.79、143.84(Fmoc C8aおよびC9a)、
156.2(Fmoc CO)、162.7(Btn C2′)、171.9(Btn C1
0)、174.0(Lys CO2H)。
HR−FABMSの正確な質量実測値595.2566、(C31H38N4O
6S)+Hの計算値595.2590。
IR:1702cm-1(Fmoc COおよびリシンαCO)、1638cm-1
(アミドCO)。
実施例1(i) Nα−(フルオレン−9−イルメトキ
シカルボニル)−Nε−ビオチニルリシンペンタフルオ
ロ−フェニルエステル、Fmoc−Lys(ビオチン)−OPfp
(23)。
DMF(5ml)中のペンタフルオロフェノール(1.75g、
9.29mmol)およびDCC(1.27、6.32mmol)の溶液をDMF
(40ml)中の22(2.21g、3.72mmol)溶液に加え、混合
物を16時間撹拌した。この無色沈殿を濾過して除き、廃
棄した。この濾液を保持し、溶媒を真空下で除去した
後、トリチュレートし、ジエチルエーテル(4x100ml)
で無色固体を得た。この固体を酢酸エチル/エタノール
/酢酸(80:19:1)から再結晶させて微細な無色結晶を
得た[1.90g、67%、融点162〜5℃(分解)]。1 H NMR(d6−DMSO):δ1.23−1.32(m,2H,Tbh Hγ)、
1.38−1.53(m,6H,Btn HβおよびBtn HδおよびLys H
δ)、154−163(m,2H,Lys Hβ)、2.04(t,2H,Btn H
α,J=7.3Hz)、2.55(d,1H,Btn H5b,J=12.5Hz)、2.7
9(dd,1H,Btn H5a,J=12.5,5.1Hz)、2.98−3.04(m,2
H,Lys Hε)、3.05−3.10(m,1H,Btn H2)、4.09(m,1
H,Lys αH)、4.20−4.30(m,2H,Btn H3およびFmoc H
9)、4.32−4.42(m,3H,Btn H4およびFmoc CH2)、6.35
(s,1H,Btn H1′)、6.42(s,1H,Btn H3′)、7.28−7.
34(m,2H,Fmoc H2およびH7),7.40(dd,2H,Fmoc H3およ
びH6,J=7.5,7.5Hz)、7.70(d,2H,Fmoc H1およびH8,J
=7.3Hz)、7.77(5,1H,Lys NεH,J=5.7Hz)、7.88
(d,2H,Fmoc H4およびH5,J=7.7Hz)、8.12(d,1H,Lys
NαH,J=7.3Hz)。13 C NMR(d6−DMSO):δ22.7(Lys Cγ)、25.3(Btn
Cβ)、28.1(Btn Cδ)、28.3(Btn Cγ),28.7(Lys
Cδ)、29.9(Lys Cβ)、35.3(Btn Cα)、38.1(Lys
Cε)、39.9(Btn C5)、46.7(Fmoc C9)、53.9(Lys
Cα)、55.5(Btn C2)、59.2(Btn C4)、61.1(Btn
C3)、65.9(Fmoc CH2)、120.2(Fmoc C3およびC6)、
125.2(Fmoc C2およびC7)、127.1(Fmoc C4およびC
5)、127.7(Fmoc C1およびC8)、136.5,138,5,139.0
(2xm,C−CF),140.8(Fmoc C4aおよびC4b)、142.0
(m,C−CF),143.68、143.71(Fmoc C8aおよびC9a)、1
56.2(Fmoc CO)、162.7(Btn C2′)、169.2(Lys C
O)、171.9(Btn C10)。
HR−FABMSの正確な質量実測値761.2413、(C37H37N4O
6SF5)+Hの計算値761.2432。
IR:1787cm-1(エステルCO)、1702cm-1(Fmoc CO)、
1641cm-1(アミドCO)。
実施例1(j) スクシニル−CPG樹脂(16)の調製 エタノール(60ml)中の3−アミノプロピルトリエト
キシシラン(3g、13.6mmol)溶液をCPG(200〜400メッ
シュ、細孔サイズ500Å、カタログ番号27720)13(6g)
に加え、混合物を6時間かけて一定の間隔で穏やかに振
盪した。この樹脂を重力濾過によって回収し(いかなる
洗浄もしない)、空気乾燥させ(24時間)、110℃で保
持し(24時間)、アミノ化樹脂14を得た。このアミノ含
有量をニンヒドリン検定によって129μmol/gと決定し
た。DMF中のN−Fmoc−ε Ahx−OPfp(2.5M当量)およ
びHOBT(2.5M当量)を焼結ガラスカラム中の14にカップ
リングさせた(二重カップリング、各反応1.5時間)。
2またはそれ以上のアミノヘキサン酸残渣を1.5時間の
単独カップリングを用いて結合させ、樹脂15を得た。20
%ピペリジン/DMFによる処理(5分)によってFmoc基を
開裂し、樹脂をDMFで洗浄して、次いで量少量の乾燥ピ
リジン中の無水コハク酸(50M当量)とDMP(10M当量)
の溶液を加えた。この懸濁液を1時間振盪した後、樹脂
をピリジン、DFM、CH2Cl2ですすぎ、真空下で乾燥させ
た。この反応をニンヒドリン検定によってモニターし、
アミノ基の消失から算出したときのカルボン酸基の含有
量は46μmol/gであった。
実施例1(k) スクシニル−CPG樹脂16への修飾ヌク
レオシド3および4のカップリング 樹脂16を、最少量の乾燥ピリジン中の3または4(5M
当量)、ジイソプロピルカルボジイミド(5M当量)およ
びDMAP(0.5M当量)の溶液で2回処理した。二重カップ
リングの間に洗浄を1回だけ行い、16時間ずつ独立して
2回カップリングを行った。2回目のカップリングの
後、この樹脂をピリジンですすぎ、ピキシル検定によっ
て39μmol/gのヌクレオシド含有量を得た。Damha4の方
法に従って、残存するカルボン酸およびアミノ基をピペ
リジンおよびAc2O/DMAPで覆い、樹脂18または19を得
た。
実施例1(l) 20を得るための28および19の誘導体化 18の場合、樹脂を90%TFA/エタンジチオールで10分間
処理し、CH2Cl2ですすぎ、次いで20%Et3N/CH2Cl2で中
和した。次に、この樹脂をCH2Cl2ですすぎ、乾燥させ、
そしてDMF中のFmoc−ε Ahx−OPfp/HOBTの1:1混合物で
処理した(2.5M当量、45分、2回)。DMFですすいだ
後、この樹脂を最少量の乾燥ピリジン中の4,4′−ジメ
トキシトリチルクロリド(各回につきk50M当量)と連続
して2回、16時間の反応に付し、樹脂20を得た。トリチ
ル検定によって30μmol/gのジメトキシトリチル基の存
在が示された。19を誘導体化して20を得る方法は、3%
DCA/CH2Cl2を90%TFA/エタンジチオールの代わりに用い
たことを除いて18のための方法と同一である。
実施例1(m) 樹脂20上でのポリアミドおよびオリゴ
ヌクレオチドの合成 手製のガラス焼結ペプチド合成セルにおいて、各々23
およびNα−Fmoc−Ala−OPfpを用いるFmoc固相ペプチ
ド合成によって、ビオチニル化リシン残基およびアラニ
ン残基を20に結合させた。1時間のカップリング時間お
よび脱保護剤として20%ピペリジン/DMFを用い、5倍過
剰のアミノ酸ペンタフルオロフェニルエステルおよびHO
BTを使用した。アラニンのα−アミノ基を脱保護し、乾
燥ピリジン中のAc2O(25μl)およびDMAP(0.050g)で
覆った(5時間)。DMF、CH2Cl2ですすぎ、真空下で乾
燥させた後、1μmolスケールで、標準β−シアノエチ
ル−保護化ホスホルアミダイト(60秒のAc2O/DMAP覆い
工程を伴う)を使用するApplied Biosystems 380A DN
A合成機でのオリゴヌクレオチド合成において、樹脂
の一部を用いた。合成されたオリゴヌクレオチドの配列
はGATGAGTTCGTGTCCGTACAACT*(T*は修飾ヌクレオシ
ドリンカーである)であった。得られたコンジュゲート
を、濃アンモニア処理(22℃、6時間)によって固体支
持体から開裂した。得られたコンジュゲートの溶液を50
℃で24時間加熱し、塩基の脱保護を行った。アンモニア
を減圧下で除去し、コンジュゲートを0.1mM EDTA(2m
l)に溶解した。調製用PAGE(16%ポリアクリルアミド
ゲル)による分離によって2つの産物が示され、最も
低い電気泳動移動性をもつ産物を精製して総収率2.1%
で5を得た。
実施例1(n) オリゴヌクレオチド−ポリアミドコン
ジュゲートの特徴化 コンジュゲート5の試料の5′末端をγ−[32P]−A
TPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼでラベルし、PAGE
(16%ポリアクリルアミドゲル)によって均質であるこ
とが示された。UVスペクトルは260nmで最大吸収を示し
た。3.0nmol(260nmのUV吸収から算出した量)のコンジ
ュゲートをアミノ酸含量について分析し、予想どおりに
比率1.01mol Ala:0.99mol Lysを示した。試料中に見い
出されるペプチド量は2.55nmolであった。1μgの5
(水20μl中)をP1ヌクレアーゼ(5μg、5μlの0.
05M NaOAc中、pH6.0)および0.5M NaOAc(pH6.0、2μ
l)と37℃で30分間インキュベートした。得られた酵素
分解物を、60分間の0〜100%Bの直線勾配を用いる逆
相C18HPLCによって分析した。このHPLCプロフィールを
手作業で積分してヌクレオチド比率を得た:pdA(4.6
7)、pdG(5.21)、pdC(4.80)、pdT(6.05)、dG(1.
27)。予想比率:pdA(5.00)、pdG(5.00)、pdC(5.0
0),pdT(6.00)、dG(1.00)。
実施例1(o) ニンヒドリン検定 これは、100℃で7分間のインキュベート時間を指定
した元の検定の改良法である。正確に計量した樹脂
を、110℃で10分間、76%(w/w)フェノール/エタノー
ル(パスツールピペットから4滴)、0.0002Mシアン化
カリウム/ピリジン(8滴)、および0.28Mニンヒドリ
ン/エタノール(4滴)で処理した。60%エタノール
(3.8ml)で希釈した後、吸収を570nm(ε=15000M-1cm
-1)で測定した。
実施例1(p) ピキシルおよびトリチル検定 正確に計量した樹脂を、室温で10分間、10%トルエン
スルホン酸/アセトニトリル(3ml)で処理した。吸収
を、ピキシルについては445nm(ε=4400M-1cm-1)で、
トリチルについては507nm(ε=665006M-1cm-1)で測定
した。
実施例1(q) Fmoc検定 正確に計量した樹脂を、室温で30分間、ピペリジン
(200μl)およびCH2Cl2(200μl)で処理した。CH2C
l2(3.6ml)で希釈した後、吸収を301nm(ε=7800M-1c
m-1)で測定した。
実施例2 結果および議論 修飾ヌクレオシドの合成: オリゴヌクレオチドとポリアミドの間のリンカーとし
て働く修飾ヌクレオシド1、3および4は、市販品から
入手可能な5−ヨード−2′−デオキシウリジン(ID
U)6から出発する3工程で合成した(反応式II)。第
一の工程は、3−アミノプロピンおよびN−(フルオレ
ン−9−イルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミ
ド、3−ニトロピリジン−2−スルフェニルクロリド
(NPYSCI)、ジ−t−ブチルジカルボネートおよび9−
クロロ−9−フェニルキサンテン各々の反応による4つ
の異なるN−保護されたプロパルギルアミン9〜12の合
成を含む。NPYS誘導体10の場合には、効率的な反応のた
めに塩基の存在が必要であった。トリエチルアミンはNP
YSCIの求核性置換を容易に行って第四アンモニウム塩
[(Et3N)S(C5H3NO2)]+Cl-を形成することが見い
だされ、ゆえに2.5モル過剰の3−アミノプロピンを用
いて塩基として同様に作用させた。4つ全ての保護され
たプロパルギルアミンを高収率で合成した。
所望のアルキニルヌクレオシドの合成は2つの経路:I
DUのC5への保護されたプロパルギルアミンの結合、次い
で5′−ヒドロキシルの保護およびこの逆により試み
た。保護されていないヌクレオシドへの保護されたアミ
ノアルキンのPd(O)−触媒化酸化的結合の結果、シリ
カゲルクロマトグラフィーにより分離不可能な複合体混
合物を生じた。9−クロロ−9−フェニルキサンテンを
用いたDMP−触媒化アルキル化によるIDUの5′−ヒドロ
キシルの保護は5′−保護されたヌクレオシド7を高い
収率および純度で与え、これをHobbs8の方法に従い保護
されたプロパルギルアミン9〜12と結合させた。Fmoc−
保護されたプロパルギルアミン9を用いた、保護された
ヌクレオシド7の反応は、所望の生成物1を非常に低い
収率(30%)で与えたが、これはおそらくトリエチルア
ミンによる9の部分的脱保護によるものである。脱保護
により生じる遊離第一級アミノ基は、パラジウム触媒と
さらに配位結合し、結合反応を妨げるであろう。生成
物1は、シリカゲルクロマトグラフィーにおいて広い範
囲の溶離条件下で出発物質と共溶離し、1Hおよび13C NM
Rスペクトルの両方はこれが7の少量を含有することを
示した。7とNPYS−保護されたプロパルギルアミン10の
間の結合反応は、複合体混合物を生じ、これはシリカゲ
ルクロマトグラフィー、次いでC18逆層HPLCによっての
み分離することができた。1Hおよび13C NMR分光学なら
びにFAMBSによるHPLC分画の分析は、いずれも所望の生
成物を含んでいないことを示した。対照的に、Bocとピ
キシル(pixyl)−保護されたプロパルギルアミン11お
よび12の結合は簡単であった。Boc−保護されたヌクレ
オシド3も出発ヌクレオシド7と共溶離するが、それに
もかかわらず生成物3は、有意な汚染量の7の不在によ
り高収率で単離することができた。シピシル化(dipicy
lateda)ヌクレオシド4の製造は、TLC(5%MeOH/1%E
t3N/CH2Cl2)によりモニターすることができ、反応は5
時間後に完了したと判断された。この反応も高収率を有
していた。
アルキニルヌクレオシド3および4は非常に複雑な構
造を有していたが、1−次元的1Hおよび13C NMR分光学
により十分な特性化を行うことができ、これは前者の化
合物における多重線が良く分離され、後者のほとんどの
共鳴が本発明者らが既に報告している類似化合物の共
鳴に非常に厳密に対応するからである。これらアルキニ
ルヌクレオシドの13C NMRスペクトルのかなり顕著な特
徴は、アルケニル第四炭素C8およびC7(番号付与系につ
いては反応式Iを参照)各々に対応するδ73.8〜74.6お
よびδ90.1〜91.2領域における2つの共鳴である。IDU
におけるδ69.9からδ98.4〜98.7へのC5の低磁場シフト
は、ヨウ素原子に対する第四アルキニル炭素による置換
と一致する。他の全ての共鳴は提案されている3および
4の構造と一致していた。
コンジュゲートの合成における次の段階は、ポリアミ
ドおよびオリゴヌクレオチド合成のための固体支持体の
誘導体化であった。制御化−多孔ガラス(CPG)樹脂
は、ポリアミドおよびオリゴヌクレオチドの両方が効率
的に合成されるのを可能にする。通常のペプチド合成樹
脂、例えばPepsyn K9は、CPGより高い充填性を有する
が、ホスホルアミダイト法による効率的なDNA合成は不
可能であり、ゆえにCPGが選択された固体支持体であ
る。
DNA合成のためのCPG樹脂の誘導体化は、CPGのアミノ
化、次いでヌクレオシドスクシネート活性エステル10
の結合または通常DCC10,11とのカルボジイミド結合によ
り行われるのが普通である。Damhaら[Nucleic Acids R
esearch (1990)18,pp.3813−3821]は、1−(3′
−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミ
ド(DEC)−介在縮合によるスクシニル化CPG樹脂へのヌ
クレオシドの結合のための方法を最近開示した。この方
法は、ヌクレオシド誘導体の別の溶液相操作を不必要に
するから、さらに好都合である。DCCは比較したDECの有
効性は、その比較的小さな立体要求性に帰するものであ
った11。これを考慮して、本発明者らはジイソプロピル
カルボジイミド(DIC)もDCCより良いであろうと予想し
た。ゆえに、通常のヌクレオシド、5′−O−ジメトキ
シトリチル−N4−ベンゾイル−2′−デオキシシチジン
(ジメトキシトリチル=ジ(p−メトキシフェニル)フ
ェニルメチル)を用いてDICとDCCおよびDECとの比較を
行った。スクニシル化−CPG樹脂をヌクオシド、DMAP
(0.5モル当量)および乾燥ピリジン中の適当な縮合剤
で処理した。24時間後、ヌクオシド結合の程度をトリチ
ル検定により評価した。ヌクオシド含有量は、DCC、DEC
およびDICの各々について22、18および30μモル/gであ
ることが測定され、これはDICが選択すべき縮合試薬で
あることを示した。
コンジュゲート合成のための固体支持体を、CPG樹脂1
3から出発する4工程(反応式III)で製造した。CPGを
3−アミノプロピルトリエトキシシラン12でアミン化
し、次いで通常のFmoc固相ペプチド合成法を用いて3
つの6−アミノヘキサン酸スペーサー残基を結合し、樹
脂15を得た。3つのスペーサー単位の結合が、長鎖アル
キルアミン(LCAA)CPG13と類似の方法において、試薬
に対する末端の樹脂−結合性ヌクオシドの接近可能性の
上昇よりさらに効率的なオリゴヌクレオチド合成を可能
にするであろうことが予想された。アミン化樹脂15を無
水コハク酸によるDMAP−触媒化スクシニル化に供して、
樹脂16を得た。スクシニル樹脂16への適当なヌクオシド
の結合を、DIC/DMAP−介在縮合により行い、あらゆる遊
離カルボン酸および残存するアミン基をDCC/4−ニトロ
フェノール/ピペリジンおよび無水酢酸/DMAP処理の各
々によりブロックした
スクシニル樹脂16へのFmoc−ヌクレオシド誘導体1の
結合は問題を含んでいた。DMAPの使用は約30μモル/gの
十分なヌクレオシド含有量を達成するために必要である
が、用いた濃度が24時間でFmoc基の45%の切断をもたら
すことを本発明者らは見いだした14。Fmoc−ヌクレオシ
ド1とスクシニル樹脂16の間の2回連続の24時間の結合
反応の後に、Fmocおよびピキシル検定の比較により、約
半分のヌクレオシドがアミン脱保護を受け、アミド結合
により樹脂におそらく結合されることを示唆した。この
副産物は最終の切断条件に安定であってゆえに固体支持
体上に留まると予測されたので、該副産物は所望のコン
ジュゲートの製造において干渉するとは予測されなかっ
た。しかし、Fmoc−ヌクレオシド1で誘導体化された樹
脂は一貫してコンジュゲートの非常に低い収率を与え、
これについてはさらに検討を行なわなかった。
Bocおよびピキシルヌクレオシド3および4は、上記
の条件下で固体支持体16に容易に結合し、ピキシル検定
により評価したときに22μモル/gおよび40μモル/gの各
々の含有量が得られた。Bocおよびピキシル誘導体3お
よび4の両方は、効率的なオリゴヌクレオチド合成のた
めの十分なヌクレオシド含有量を与えたが、その容易な
調製および必要とされる比較的穏やかな脱保護条件のた
めに後者が好ましい。
実施例3 ビオチニル化リシンシントン(Synthon)23
の製造 既に、本発明者らはリシン残基のε−アミノ基の脱保
護後のポリアミド部分の球状ビオチニル化によりビオチ
ン残基をコンジュゲートに導入した15。このバッチ様式
でのアプローチは、ビオチンの配置の限られた制御を与
え、そして10個までのリシン残基を含む比較的大きなポ
リアミドにおいては、ビオチニル化反応に完結するまで
進まず、ビオチンの一様でない分布が生じるであろう。
シントン23(反応式IV)は通常のFmocペプチド合成を用
いて非常に制御された様式でビオチンの導入を可能にす
る。これはビオチンのN−ヒドロキシスクシンイミジル
エステルによるNα−Fmoc−L−Lys−OH 21のビオチニ
ル化、次いでペンタフルオロフェノールを用いるDCC−
介在縮合により2段階法において調製される。Nα−Fm
oc−D−Lys(ビオチン)−OHの合成は、Jacobsonら16
により報告されているが、この方法は大規模合成に対し
ては実際的でない。これは生成物が抽出工程のために用
いられる溶媒中にわずかに可溶性であるにすぎず、活性
エステル23について本発者らの全体収率が54%であるの
に比較してNα−Fmoc−D−Lys−OHから出発して47%
の収率を有するからである。さらに、元素分析(2.5当
量の水および0.5当量のDMFを結晶化溶媒として用いる)
のみが特性化として与えられた16
ペンタフルオロフェニルエステル23は、その非常に複
雑な1H NMRスペクトルおよび出発遊離酸22に対するその
13C NMRスペクトルの類似性により、特性化を行うのが
困難であった。この活性エステルの13C NMRスペクトル
における唯一の有意な差異は、リシンα−カルボニルの
5ppmの高磁場シフトおよびペンタフルオロフェニル基に
よる芳香族領域におけるある種の分離されない多重線の
存在であった。遊離酸22および活性エステル23の両方の
構造に対してさらに決定的な証拠を提供するために、デ
ータ蓄積の相−感受性様式における二重量子フィルター
化同核シフト相関実験(DQFPh COSY)を22について行
い、異核多重結合結合性(HMBC)実験を23について行っ
た。ビオチニル化リシン22のCOSYスペクトルにおける交
差ピークは十分良く分離されて、1次元1H NMRスペクト
ルにおける全ての多重線の明白な帰属を、込み合ったメ
チレン領域における共鳴についてでさえ提供した。活性
エステル23のHMBCスペクトルは、α−カルボニルである
ことが仮帰属されたδ169.2の共鳴を除く全てのカルボ
ニルとそれらの隣接プロトンの間の強い結合性を示し
た。これは、あらゆるプロトンに対してこれら特定実験
条件下でいかなる相関関係も有していなかった。しか
し、カルボニル領域における4つの共鳴のうち3つにつ
いて明白な帰属を提供することにより、HMBC実験はδ16
9.2の共鳴がリシンα−カルボニルによるものであるこ
とを間接的に確認し、そしてさらに基本的にNα−Fmoc
−L−Lys−OHおよびビオチン17のスペクトルの付加で
ある残りの共鳴の帰属を確認した。さらに、23のIRスペ
クトルは、エステルカルボニルに対応する1787cm-1のバ
ンド、1702cm-1での22のカルボン酸バンドからの有意な
シフトを有する。
実施例4 オリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲ
ートの合成 初めにモデル化合物5を合成して、PCRプライマーと
してこれらの型のコンジュゲートの効力を試験した。こ
のコンジュゲートのポリアミド部分は、PCR増幅産物の
検出のためのε−ビオチニル化リシン残基中、スペーサ
ーとして6−アミノヘキサン酸残基(図2中、反応式
I)を含み、さらに参考アミノ酸としてアラニン残基を
含む。オリゴヌクレオチド部分は23merであり、これは
λファージのDNAの700塩基対領域を増幅する(この鋳型
は制御反応のための通常のCetus PCRキットにより提供
される)。
本発明者らが既に開示しているコンジュゲートの合成
と同様に2,15、本発明のコンジュゲートのポリアミド部
分は最初に通常のFmoc法により上記の誘導体化固体支
持体上で合成するが、これはペプチド合成条件がDNA合
成条件よりも苛酷であるからである。誘導体化固体支持
体18および19のペンダント(ぶら下がり)アミノおよび
5′−ヒドロキシル基は、90%TFA/エタンジチオールお
よび3%DCA/CH2Cl2各々による処理、次いで20%トリエ
チルアミン/CH2Cl2での中性化により脱保護した。次い
でこれらをN−Fmoc−6−アミノヘキサン酸ペンタフル
オロフェニルエステル(Fmoc−ε Ahz−OPfp)および1
−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(各々2.5モ
ル当量)の1:1混合物を用いて二重の(各々45分間)結
合に供した。定性トリニトロベンゼンスルホン酸試験18
は、最初の結合の終了点でごく微量の遊離アミノ酸を示
し’、繰り返しの結合の後にいかなる遊離アミノ基も示
さなかった。5′−ヒドロキシルの再保護は、ピリジン
中の4,4′−ジメトキシトリチルクロリドを用いた(Fmo
c基の存在のために、触媒としてDMPを有さない)トリメ
チル化により行い、樹脂20を得た。2回の連続24時間処
理の後の樹脂のトリメチル充填は、アシル化反応前に測
定したヌクレオシド充填に匹敵し、これはペンダントア
ミンで高度な選択性を有するアシル化が起こったことを
確認した。あらゆる残存遊離カルボン酸およびアミノ基
を既に開示したようにブロックした。
5倍過剰のアミノ酸活性エステルおよびHOBTを使用す
る通常のFmoc化学により、ビオチニル化リシン・シント
ン23およびFmoc−Ala−OPfpを固体支持体20に結合させ
た(反応式III)。23の結合効率は、通常のアラニン誘
導体のものと類似しており、反応は1時間で完了した。
この段階での固体支持体のアミノ酸分析は、リシンおよ
びアラニン各々について26および23μモル/gの含有量を
有する、リシン対アラニンの予測された比を与えた。ア
ラニンのFmoc基を20%ピペリジン/DMFで除去し、得られ
た遊離アミノ基をAc2O/DMAPを用いた処理によりアセチ
ル化した。
ポリアミドの合成後に、3%DCA/CH2Cl2を用いた脱ト
リチル化により樹脂結合性ヌクレオシドの5′−ヒドロ
キシルを脱保護し、通常のβ−シアノエチルホスホルア
ミダイト化学2,10,19を用いてオリゴヌクレオチドを合
成した。トリチル検定により評価したオリゴヌクレオチ
ドの繰り返し結合収率は、通常の固体支持体を用いたDN
A合成の収率に匹敵していた。固体支持体からの切断、
アンモニア処理によるホスフェートおよび塩基脱保護2,
10,12は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に
より2つの主生成物からなることが示された物質を与え
た。比較的高い電気泳動移動度を有する生成物は、いか
なるペプチド性物質も含有していなかったが、低い方の
移動度を有する生成物は所望の組成のアミノ酸を含有し
ていた。調製用PAGEによる精製の結果、所望のコンジュ
ゲートの高い収率が得られた。
オリゴヌクレオチド−ポリアミドコンジュゲート5
は、UV分光学、アミノ酸分析、その構成しているヌクレ
オチドに対するヌクレアーゼ消化およびPAGEにより特性
化した。そのUV吸光度によるオリゴヌクレオチド部分の
定量およびアミノ酸分析によるポリアミド部分の定量
は、オリゴヌクレオチド対ポリアミド1.2:1の比を与え
た。さらに、アミノ酸の反応は予測した通りであり、ポ
リアミド部分は無傷でオリゴヌクレオチド合成条件に対
して安定であることを示唆した。コンジュゲートをさら
に放射活性ホスフェートを用いてλ[32P]−ATPおよび
T4ポリヌクレオチドキナーゼにより5′−末端ラベル化
し、PAGEにより分析し、得られたオートラジオグラム
(図1)によりコンジュゲートの均質性を確認した。こ
のコンジュゲートをPCRプライマーとして用いる予備実
験は、予測された長さの生成物を与えた。次いでこの生
成物中のビオチンラベルの化学発光検出は、このコンジ
ュゲートが予測されたようにPCR産物中に導入されたこ
とを明白に示した(データは他で報告されるであろ
う)。ゆえに、これらの型のコンジュゲートは生きたPC
Rプライマーである。
実施例5 PCR分析 実施例4のコンジュゲートを、最終濃度が100ng/μL
になるように0.1mM EDTA溶液に溶解した。オリゴヌクレ
オチド配列はGATGAGTTCGTGTCCGTACAACT*(T*=ビオ
チニル化トリアミドを有する修飾デオキシリジン)であ
り、オリゴヌクレオチドプライマーGGTTATCGAAATCAGCCA
CAGCGと結合させた場合に、これを用いてPerkin−Elmer
PCRテストキットと共に供給されるバクテリオファージ
λ由来のc1857 DNAの500bp領域7131〜7630を増幅した。
さらに通常のオリゴヌクレオチドプライマー(3′−ヌ
クレオチドがTである)を合成して上記の方法で精製し
た。
各PCR反応混合物は以下のものを含有していた:Taqポ
リメラーゼ溶液(2.5U、Taqポリメラーゼ緩衝液/50%グ
リセロール中)(5μL)、各オリゴヌクレオチドプラ
イマー(100ngをオートクレーブ処理した蒸留水で50μ
Lにして1滴のオートクレーブ処理した鉱油を加えた)
(1μL)。全ての反応は、Perkin Elmer Cetus DNA T
hermal Cycler装置上で以下のサイクル:95℃(1分)、
55℃(1分)、72℃(1分)、30サイクル(完全な鎖伸
長を確保するための72℃で10分間の段階で終了する)を
用いて行った。PCR反応混合物(5μL)のゲル電気泳
動は、アガロースゲル(1.5%アガロース、0.001%臭化
エチジウム)上で1×TBE緩衝液を用い、80Vで1時間行
った。アガロースゲルをサザン法によりナイロン膜上に
ブロットした。次いでこの膜をBRL Like Technologies
Inc.から得たPHOTOGENEキットを用いてビオチンの存在
について調べた。この検出は以下の方法で行う。
膜をトリス−緩衝食塩水(TBS Tween 20)に浸し、次
いで同じ緩衝液中の3%ウシ血清アルブミン中でブロッ
クした後に、TBS Tween 20で1:100に希釈したストレプ
トアビジン(streptavidin)−アルカリホスファターゼ
コンジュゲート溶液(3M NaCl、1mM MgCl2、0.1mM ZnCl
2、30mMトリエタノールアミン(pH7.6)中1mg/ml)と共
に膜を10分間インキュベートした。膜をTBS Tween 20を
用いて15分間、‘Final Washer Buffer'(蒸留水で1:10
に希釈)を用いて室温で60分間洗浄した後に、膜をブロ
ットして過剰な緩衝液を除去した。次いでこれを現象ホ
ルダーに入れ、製造者により供給されたアルカリホスフ
ァターゼに対する化学発光基質で処理した。膜を3時間
暗所に保管し、次いでX線フィルムを上においた。30秒
の暴露の後に強いシグナルが記録された。
臭化エチジウム−染色されたゲルのUV視覚化は、コン
ジュゲートをプライマーの1つとして用いるPCRが、通
常のオリゴヌクレオチドプライマーのみを用いて行うPC
Rに匹敵する量の増幅DNAを与えることを非常に明白に示
した。両PCR産物は予測された長さを有していた。
増幅産物がビオチニル化コンジュゲートによるもので
あることを明白に証明するために、アガロースゲル上の
生成物を上記のようにナイロン膜中にブロットした。こ
の検出系は、化学発光を生じる脱リン酸化反応を順に触
媒するストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコ
ンジュゲートと固定化ビオチニル化DNAの反応を含む。
化学発光は、通常のX線フィルムへのブロットの暴露に
より検出される。予測されたように、ビオチニル化コン
ジュゲートPCRプライマーから生じるPCR産物に対応する
ビオチンを含有する唯一のバンドが存在した。これは、
ビオチニル化プライマーが最終増幅産物に効果的に導入
されることを明白に示す。化学発光検出は、この場合に
おいて唯一のビオチンを有するものでさえ、非常に感度
が高い。強いシグナルはほんの30秒の暴露時間後に生
じ、5分後にシグナル飽和が存在した。
参考文献 以下の参考文献はその全体が本明細書の一部を構成す
るものとする。
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Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(I)で示されるヌクレオチドポ
    リマーコンジュゲート: Nu−NUC−C≡C−X1−NH−X2−X3 (I) {式中、X1は非置換または置換C1〜C10アルキレン基
    (1またはそれ以上の炭素が所望により−NH−、−O
    −、または−S−で置換されていてもよい)であり; X2は非置換もしくは置換C1〜C20アルキレン基(1また
    はそれ以上の炭素が所望により−NH−、−O−、または
    −S−で置換されていてもよい)であり; X1またはX2における所望による置換基は、オキソ、アミ
    ノ、チオキソ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ
    ル、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、アミノ−低級
    アルキル、エステル−低級アルキル、アミド−低級アル
    キル、及びエーテル−低級アルキルまたはチオエーテル
    −低級アルキル基から選択され; X3はアミノ酸またはカルボキシ末端で結合したポリアミ
    ドであり; NUCは、以下の式のいずれかで示されるヌクレオシド基
    であり; [式中、→は式(I)における−C≡C−基への結合を
    示す];そして X4は以下の式で示される糖基であり: [式中、5′酸素はNuに結合し、そしてX5およびX6は各
    々独立してHまたはORである(RはH、保護基または固
    相マトリックスである)];そして Nuはオリゴヌクレオチドである}。
  2. 【請求項2】X1がC1〜C3アルキレンであり、X2が−CO−
    (C1〜C9アルキレン)−NH−であり、X3がカルボキシ末
    端により結合したペプチドであり、NUCが以下の式で示
    されるヌクレオシドであり: X4、X5およびX6は請求項1に記載した通りであり、そし
    てNuが以下の式: (式中、Bは独立してアデニル、グアニル、チミニルま
    たはシトシニルから選択され、nは1〜約400である) で示される請求項1に記載のコンジュゲート。
  3. 【請求項3】X1がメチレンであり、X2が−CO−(CH2
    −NH−である請求項2に記載のコンジュゲート。
  4. 【請求項4】以下の式で示される請求項1に記載のコン
    ジュゲート: [式中、X2、X3、X5、X6およびNuは請求項1に記載した
    通りである]。
  5. 【請求項5】X3が2〜100アミノ酸からなるペプチドで
    ある請求項1に記載のコンジュゲート。
  6. 【請求項6】X3が1またはそれ以上のリポーター基を含
    有するポリアミド鎖である請求項1に記載のコンジュゲ
    ート。
  7. 【請求項7】リポーター基が、鎖に存在するリシン基上
    のε−アミノ基により該鎖に結合している請求項6に記
    載のコンジュゲート。
  8. 【請求項8】Nuの定義においてnが2〜約200である請
    求項2に記載のコンジュゲート。
  9. 【請求項9】X5がHであり、そしてX6がOR(RはHまた
    は固相マトリックス)である請求項1に記載のコンジュ
    ゲート。
  10. 【請求項10】Rが制御された多孔ガラスまたはポリス
    チレン樹脂から選択される固相マトリックスである請求
    項1に記載のコンジュゲート。
  11. 【請求項11】以下の式(I): Nu−NUC−C≡C−X1−NH−X2−X3 (I) {式中、X1は非置換または置換C1〜C10アルキレン基
    (1またはそれ以上の炭素が所望により−NH−、−O
    −、または−S−で置換されていてもよい)であり; X2は結合、または非置換もしくは置換C1〜C20アルキレ
    ン基(1またはそれ以上の炭素が所望により−NH−、−
    O−、または−S−で置換されていてもよい)であり; X1またはX2における所望による置換基は、オキソ、アミ
    ノ、チオキソ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ
    ル、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、アミノ−低級
    アルキル、エステル−低級アルキル、アミド−低級アル
    キル、及びエーテル−低級アルキルまたはチオエーテル
    −低級アルキル基から選択され; X3はアミノ酸またはカルボキシ末端で結合したポリアミ
    ドであり; NUCは、以下の式のいずれかで示されるヌクレオシド基
    であり; [式中、→は式(I)における−C≡C−基への結合を
    示す];そして X4は以下の式で示される糖基であり: [式中、5′酸素はNuに結合し、そしてX5およびX6は各
    々独立してHまたはORである(RはH、保護基または固
    相マトリックスである)];そして Nuはオリゴヌクレオチドである} で示されるヌクレオチドポリマーコンジュゲートを製造
    する方法であって、以下の工程からなる方法: (1)以下の式(III): [式中、NUC′は以下の式で示されるいずれかの基であ
    り: X1、X5およびX6は上記定義と同意義であり、Pr1およびP
    r2は同一または異なっていてよい保護基である] で示される化合物を得; (2)Pr2を除去するかまたは除去しない条件下で化合
    物(III)中のPr1を除去することによりペンダントアミ
    ノ基を脱保護し、次いで脱保護された化合物を式:Pr3X2
    RX(X2は上記定義と同意義であり、Pr3は保護基であ
    り、RXは脱離基である)で示される化合物と反応させて
    X2をペンダントアミノ基に共有結合させて、以下の式で
    示される化合物を得; (但し、X2が結合であり、Pr1およびPr3が同一である場
    合には、この工程を省略する。また、5′−OH基が遊離
    基である場合には、この基を所望によりPr2[除去可能
    な保護基であり、工程(1)におけるPr2と同一または
    異なる]で再保護する); (3)工程(2)の化合物中のPr3(またはX2が結合で
    あるときにはPr1)を除去することによりペンダントア
    ミノ基を脱保護し、それを活性化アミノ酸またはポリア
    ミドと反応させて、X3の全てまたは一部を導入し、X3
    一部のみが導入されたときには、次いで順に1またはそ
    れ以上の活性化アミノ酸またはポリアミドを1回または
    それ以上の回数で通常のペプチド合成条件のもとで付加
    し、化合物にX3の残りを付加して、以下に示す化合物を
    得: (4)予め脱保護されていないときには工程(3)の化
    合物の糖部分の5′−OH基を脱保護し、そして脱保護さ
    れたOH基を活性化ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
    ドと反応させて5′−3′結合を形成させ、次いで順に
    1またはそれ以上の活性化ヌクレオチドを付加してオリ
    ゴヌクレオチド鎖を形成させて、Nuを化合物に付加し;
    そして (5)所望によりあらゆる残存の保護基を除去し、そし
    て所望によりX5またはX6がORであってRが固相マトリッ
    クスである場合の固相マトリックスから該化合物を切断
    して、化合物(I)を得る。
  12. 【請求項12】以下の式: [式中、X2、X3、X5、X6およびNuは請求項1で定義した
    通りである] で示されるヌクレオチドポリマーコンジュゲートを製造
    する方法であって、以下の工程からなる方法: (1)以下の式(III a): [式中、X5およびX6は上記定義と同意義であり、そして
    Pr1およびPr2は同一または異なっていてよい保護基であ
    る] で示される化合物を得; (2)Pr2を除去するかまたは除去しない条件下で化合
    物(III a)中のPr1を除去することによりペンダントア
    ミノ基を脱保護し、次いで脱保護された化合物を式:Pr3
    X2RX(X2は上記定義と同意義であり、Pr3は保護基であ
    り、RXは脱離基である)で示されるアミノ酸と反応させ
    てX2をペンダントアミノ基に共有結合させ、そして5′
    −OH基が遊離基である場合には、この基を所望により除
    去可能な保護基[工程(1)における保護基Pr2と同一
    または異なっていてよい]で再保護するか、またはX2
    結合である場合には工程(2)を省略し; (3)工程(2)の化合物中のPr3(または、X2が結合
    であるときにはPr1)を除去することによりペンダント
    アミノ基を脱保護し、それを活性化アミノ酸またはポリ
    アミドと反応させてX3の全てまたは一部を導入し、X3
    一部のみが導入されたときには、次いで順に1またはそ
    れ以上の活性化アミノ酸またはポリアミドを、1回また
    はそれ以上の回数で通常のペプチド合成条件のもとで付
    加して化合物にX3の残りを付加し: (4)予め脱保護されていないときには工程(3)の化
    合物の糖部分の5′−OH基を脱保護し、そして脱保護さ
    れたOH基を活性化ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
    ドと反応させて5′−3′結合を形成させ、次いで順に
    1またはそれ以上の活性化ヌクレオチドを付加してオリ
    ゴヌクレオチド鎖を形成させて、Nuを化合物に付加し;
    そして (5)所望によりあらゆる残存の保護基を除去し、そし
    て所望によりX5またはX6がORであってRが固相マトリッ
    クスである場合の固相マトリックスから該化合物を切断
    して、化合物(II)を得る。
  13. 【請求項13】DNAまたはRNAポリメラーゼのための基質
    である請求項1に記載のコンジュゲート。
  14. 【請求項14】ラベル化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
    プライマーである請求項1に記載のコンジュゲート。
  15. 【請求項15】ラベル化ハイブリダイゼーションプロー
    ブである請求項1に記載のコンジュゲート。
  16. 【請求項16】動物または植物組織における特定のポリ
    ヌクレオチド集団の存在および位置を測定する方法であ
    って、以下の工程からなる方法: (a)調べようとする組織の切片を調製し; (b)組織切片を請求項1に記載のオリゴヌクレオチド
    ポリマーコンジュゲート(コンジュゲートのオリゴヌク
    レオチド部分は標的ポリヌクレオチドの一部に相補的で
    ある)とハイブリダイズさせ; (c)ハイブリダイズしていないプローブ物質を組織切
    片から除去し;そして (d)コンジュゲートのハイブリダイゼーションによる
    ラベル化が起こった組織切片中の位置を検出または同定
    する。
  17. 【請求項17】支持マトリックスに固定化したかあるい
    は他の方法でそれに結合させたポリヌクレオチドの検出
    方法であって、支持マトリックスを請求項1に記載のオ
    リゴヌクレオチドポリマーコンジュゲート(コンジュゲ
    ートのオリゴヌクレオチド部分は標的ポリヌクレオチド
    の一部に相補的である)と接触させ、次いで支持マトリ
    ックスへのコンジュゲートのハイブリダイゼーションを
    検出することからなる方法。
  18. 【請求項18】生物学的試料中の特定のウイルス性、細
    菌性または他のポリヌクレオチドの存在または非存在を
    検出する方法であって、該試料の核酸を、標的ポリヌク
    レオチドの一部に相補的な請求項1に記載のオリゴヌク
    レオチドポリマーコンジュゲートと接触させ、次いでコ
    ンジュゲートのハイブリダイゼーションが起こったか否
    かを検出することからなる方法。
  19. 【請求項19】請求項1に記載のオリゴヌクレオチドポ
    リマーコンジュゲート(コンジュゲートのオリゴヌクレ
    オチド部分が所望のポリヌクレオチドの一部に相補的で
    ある)およびコンジュゲートのハイブリダイゼーション
    を検出するための試薬を含む、所望のポリヌクレオチド
    を検出するための診断キット。
  20. 【請求項20】動物または植物組織における特定のポリ
    ヌクレオチド集団の存在および位置を測定する際に使用
    するための、組織切片調製用試薬をさらに含む請求項19
    に記載の診断キット。
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BR9305435A (pt) * 1992-03-06 1994-12-27 Innogenetics Nv Processo para determinação de peptídeos correspondendo a epítopos imunologicamente importantes e seu uso em um processo para determinação de anticorpos ou peptídeos biotinilados correspondendo a epítopos imunologicamente importantes, processo para preparação dos mesmos e composições contendo os mesmos

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