JPH064670B2 - 酵素標識化されたポリヌクレオチドおよびその製法 - Google Patents

酵素標識化されたポリヌクレオチドおよびその製法

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JPH064670B2
JPH064670B2 JP17891784A JP17891784A JPH064670B2 JP H064670 B2 JPH064670 B2 JP H064670B2 JP 17891784 A JP17891784 A JP 17891784A JP 17891784 A JP17891784 A JP 17891784A JP H064670 B2 JPH064670 B2 JP H064670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、酵素標識化されたポリヌクレオチドおよびそ
の製法に関するものであり、本発明により得られる酵素
標識化された特定の塩基配列を有するポリヌクレオチド
は標的遺伝子の同定および抽出、遺伝子配列の決定に使
用され、遺伝子工学、臨床診断および食品等の分野で幅
広く利用され得るものである。
(発明の背景) 近年遺伝子工学の研究が盛んになるに伴い、有用物質の
生産に必要な遺伝子の検出に、特定の塩基配列を有する
ポリヌクレオチドが用いられるようになってきている。
例えば臨床診断の分野においては現在免疫学的方法およ
び生物学的方法が用いられているが、前者は検査時間が
一般に数分と短いものの交差反応や干渉作用のためにし
ばしば不明瞭な結果を与え、また後者は培養に長時間を
要するなどの欠点を有する。これに対して、遺伝子を検
出することで疾患の診断を行なうポリヌクレオチド法
は、検査時間は一般に数時間を要するが、検出感度ばか
りでなく特異性も非常に高く、また誤差がきわめて小さ
いという利点を有し、感染症のみならず免疫学的方法で
は検出できない潜在性ウィルスやウイロイドも検出可能
であるため、これに適したポリヌクレオチドの開発が要
望されている。
(従来の技術) ポリヌクレオチドを用い、交雑法によって標的遺伝子を
検出さる際は、ポリヌクレオチドを標識化する必要があ
る。標識化は放射性同位元素を用いる方法と光標識法に
大別される。現在放射性同位元素32Pを用いる方法が最
も利用されており、特開昭58-170496号公報にはATP
(γ−32P)とキナーゼでポリヌクレオチドの5′−末端
基に32Pで標識したリン酸基を導入し、32Pから放射され
るβ線でフィルムを感光させ、その黒斑点によって標的
遺伝子の存在を検出する方法が開示されている。放射性
同位元素による標識化は感度の点で優れている反面、使
用に際して(i)取り扱い上熟練が必要である、(ii)法規
上の規制が厳しく、特別の施設および測定機器が必要で
あり、またその限定された場所でしか取り扱えない、(i
ii)健康上の問題がある、(iv)使用後の廃棄に問題があ
る、(v)半減期に合わせて予約購入するので実験の期日
がそれにより制約される、などの難点がある。これに対
して放射性同位元素を用いない標識化法として光標識化
法が提案され、特開昭58-23795号公報および特開昭58-4
0099号公報には化学発光、生体発光、螢光を利用する方
法が開示されている。しかし光標識法としては、チミジ
ンあるいはウリジンアナローグとしてそのC−5位にア
ミド結合を会してビオチンを付した5′−O−トリホス
フェートを酵素的ニックトランスレーションの手法でポ
リヌクレオチドに組み込んで標識化し、標的遺伝子を検
出する方法〔Proceedings of National Academy of Sci
ence of the United State of America、第80巻、第
4045頁(1983年)〕が実用化されているのみで
ある。
(発明が解決しようとする問題点) ヌクレオシドは核酸を構成する一単位であり糖およびプ
リンまたはピリミジン塩基がグリコシド結合しているも
のであり〔共立出版(株)、化学大辞典6、第836
頁〕、糖の種類によりリボヌクレオシドとデオキシリボ
ヌクレオシドに分けられる。
リボヌクレオシドは式 で示され、これは通常 と略記されている(式中、Bは保護基を有することもあ
る塩基残基)。
デオキシリボヌクレオシドは、式 で示され、これは通常 と略記されている。
このようなヌクレオシドをリン酸エステル化された形の
ものがヌクレオチドであり、核酸を構成する構造的単位
であって、ブリンまたはピリミジン塩基、糖およびりん
酸からなるものである。なお前記プリンまたはピリミジ
ン塩基は表1に示すとおりである。
そのうち、リボヌクレオチドは、リボヌクレオシドの
3′又は5′のOHがリン酸エステル化された形のもの
であり、例えば、3′−OHがリン酸エステル化された
ものは式 で示され、デオキシリボヌクレオチドはデオキシリボヌ
クレオシドの3′または5′のOHがリン酸エステル化
されたものであり、例えば、3′−OHがリン酸エステ
ル化されたものは式 で示される。
これらの構成要素である塩基、糖、リン酸の3つは、そ
れぞれ光標識化することが可能であるが、その際ポリヌ
クレオチドが標的遺伝子とハイブリットする性質を損う
ことのないよう標識化合物を導入する必要がある。しか
し、核酸塩基部を光標識化する場合、ピリミジン系塩基
ではC−5位に標識化合物を導入することが可能である
が、プリン系塩基については立体化学的に標識化合物を
導入可能なのはC−8位とN−7位のみであり、C−8
位に導入すると塩基と糖がSyn型配座をとるために一般
的には二重ら線が右巻きである場合はハイブリット能を
失い、またN−7位に導入する場合は窒素が四級となり
糖と塩基部のグリコシド結合が切れる、いわゆる脱プリ
ン反応が生起しやすくなるためプリン系塩基を光標識化
することはきわめて困難である。従って核酸塩基部の光
標識化はピリミジン系塩基の場合のみ有効であり、ポリ
ヌクレオチドの塩基配列がプリン系塩基のみの場合は光
標識化ができ難いという不都合を生じる。次に、糖部を
光標識化する場合、ポリデオキシリボヌクレオチドでは
両末端の水酸基しか利用できず、ポリリボヌクレオチド
では理論的には2′−位水酸基も利用可能であるが、こ
の位置に光標識化合物の如き大きさの分子を導入すると
ハイブリット形成に影響を及ぼすため、ポリデオキシリ
ボヌクレオチドと同様に両末端の水酸基しか利用できず
検出感度が低下する。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは光標識化により標識化したポリヌクレオチ
ドの検出感度を向上させるため種々検討を加えた結果、
核酸構成要素のリン酸部に架橋剤と結合した酵素を導入
することにより、ポリヌクレオチドの任意の位置に任意
の数の架橋剤と結合した酵素の導入が可能になることを
見い出したものである。
すなわち本発明の第1は、ポリヌクレオチドのリン酸結
合の少なくとも1個以上が、官能基を有する式〔I〕 (式中、Rは炭素数1ないし20の分岐鎖を有すること
もある脂肪族炭化水素を、Xは保護基を有することもあ
るアミノ基よりなる官能基を示す) で表わされるホスホン酸結合で置換されており、前記ホ
スホン酸結合の官能基Xに架橋剤と結合した酵素が共有
結合していることを特徴とする酵素標識化されたポリヌ
クレオチド化合物に関する。
本発明の酵素標識化されたポリヌクレオチドは、相当す
る標的遺伝子と立体化学的にハイブリットすることがで
き、遺伝子の検出に有用である。
なお、前記ポリヌクレオチドはポリリボヌクレオチドと
ポリデオキシリボヌクレオチドを包含するものである。
本発明の第2は、ポリヌクレオチドのリン酸結合の少な
くとも1個以上が、官能基を有する式〔I〕 (式中、Rは炭素数1ないし20の分岐鎖を有すること
もある脂肪族炭化水素を、Xは保護基を有することもあ
るアミノ基よりなる官能基を示す) で表わされるホスホン酸結合で置換されているポリヌク
レオチドに、前記ホスホン酸結合の官能基Xと共有結合
しうる架橋剤と結合した酵素を反応させることを特徴と
する酵素標識化されたポリヌクレオチド化合物の製法に
関する。
(ポリヌクレオチドの酵素標識化) ポリヌクレオチドの製法は、たとえばヌクレオチドを1
個ずつ逐次結合させて、目的とする核酸構造に相当する
ポリヌクレオチドとするホスファイト法などが公知であ
りその結果、式 で表わされるポリヌクレオチドとすることができるが、
本発明では標識化したい個所の のかわりに、 を導入することにより、酵素標識化用ポリヌクレオチド
をつくり、これに酵素標識化合物を結合させて標識化を
達成することができる。
本発明の酵素標識化されたポリヌクレオチドの1例を示
せばつぎのようになる。
また のかわりに を導入することにより一度に標識化を達成することもで
きるが、反応性、その他を考えると前者の方法の方が汎
用性があり、かつ安定的であり、優れている。
酵素標識化用ポリヌクレオチドと、架橋剤と結合した酵
素(以下、酵素標識化合物という)との反応は、酵素標
識化合物と特異的に反応する官能基Xを、分岐鎖を有す
ることもある脂肪族炭化水素を間に挾んでホスホン酸結
合させたのち、この官能基Xに酵素標識化合物を反応さ
せる。この際用いる官能基Xとしては保護基を有するこ
ともあるアミノ基が用いられる。この官能基Xはポリヌ
クレオチド合成の際副反応を起こすことが考えられるの
で、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基などの保護
基により保護することが望ましく、アンモノリシス、酸
処理などの最終脱保護工程でヌクレオチドの塩基部や水
酸基の保護基と同時に除去さるものであればよい。
本発明で用いられる酵素標識化合物とは、(a)一端がホ
スホン酸結合のアミノ基と特異的な共有結合性をもつ官
能基、すなわちマレイミド基やジチオ基であり、もう一
端が酵素中のアミノ基、メルカプト基と反応する官能基
をもつ架橋剤に、(b)アミノ基、メルカプト基を有する
酵素、例えばガラクトシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ルシ
フェラーゼ、カタラーゼなどよりなる酵素を結合したも
のであり、前記(a)の架橋剤と(b)の酵素との結合により
得られた代表的な酵素標識化合物としては などが例示されるが、酵素と架橋剤の組み合せはこれら
に限定されるものではない。
本発明において用いられるホスホン酸の合成はHouben W
eyls Methoden der Organischen Chemie,E.Mller,
Editor,Vol.XII/1,2,Georg Thieme Verlag,Stuttgart.
(1963〜64年)に記載されているが、亜リン酸シ
リルエステルと臭化アルキルのアーブゾフ(Arbuzov)
反応を利用する合成法〔有機合成化学協会誌、第39
巻、第918頁(1981年)〕は副反応も少なく収率
も良好である。
本発明におけるポリヌクレオチドは、ヌクレオシド(反
応式〔1〕の化合物)と官能基Xを有するホスホン酸
(反応式〔1〕の化合物)を、縮合剤例えばジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、アルキルベンゼンスルホニル
クロリド、アルキルベンゼンスルホニルアゾール、アル
キルベンゼンスルホニルニトロアゾールなどの存在下に
反応させることによりホスホン酸化された単量体(反応
式〔1〕の化合物)が得られる。化合物で示される
単量体は5′−水酸基が保護されていないヌクレオシド
(反応式〔1〕の化合物)と縮合剤の存在下に縮合さ
せて二量体(反応式〔1〕の化合物)とする。化合物
においてR3はX,R1,R2の保護基とは別異であり
選択的に除去できる保護基であることが望ましいが、R
1の保護基と同一の条件で除去できる保護基でもよく、
また場合によっては保護基を有するリン酸基でもよい。
化合物で示される二量体のホスホン酸リン原子は結合
している基が全て異なるためキラリティーを有するよう
になり、絶対表示法でR体とS体の2個のジアステレオ
マーの混合物となるが、この2個のジアステレオマーは
シリカゲルクロマトグラフィーで分離し、立体化学的に
単一の二量体とすることができる。化合物で示される
二量体のR3が保護基を有するリン酸基である場合は、
キラリティーを有するリン原子が2個となり、4個のジ
アステレオマーが生成して立体異性体の分離が困難とな
るので、R3は3′−末端水酸基が遊離の二量体(反応式
〔1〕の化合物)に誘導できる保護基、すなわちX,
1,R2の保護基とは別異であり選択的に除去が可能で
あるか、またはR1の保護基と同一の条件で除去できる
保護基であることが望ましい。後者の場合は3′,5′
−両末端水酸基を遊離の形にしたのち、5′−末端水酸
基のみを再保護することにより化合物で示される二量
体とする。化合物は3′−末端水酸基をリン酸化する
ことにより二量体(反応式〔1〕の化合物)とする。
化合物はR3が保護基を有するリン酸基である化合物
からも誘導でき、この際化合物の3′−末端リン酸
基のキラリティーが消失してジアステレオマーが2個と
なるので、シリカゲルあるいは逆相シリカゲルクロマト
グラフィーによりR体とS体に分離できる。
(反応式〔I〕において、Bは保護基を有することもあ
る塩基残基を、R1は水素原子またはトリチル基、モノ
メトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基などの保護
基を、R2は水素原子または保護基を有することもある
水酸基を、R3はX,R1およびR2の保護基とは別異で
あり選択的に除去できる保護基、またはR1の保護基と
同じ条件で除去できる保護基、または保護基を有するリ
ン酸基を、R4はリン酸保護基を示し、RおよびXは前
記と同一である。) 次に、化合物で示される単量体のホスホン酸をリン酸
保護基R5で保護した単量体(反応式〔II〕の化合物
)としたのち、酸性条件下で化合物のR1の保護基
を除去し、5′−水酸基が遊離である単量体(反応式〔I
I〕の化合物)に誘導し、次いで化合物で示される
単量体と化合物で示される単量体を縮合剤の存在下に
反応させて二量体(反応式〔II〕の化合物 )とする。なお、この化合物 は化合物で示される二量体のホスホン酸化によっても
得られる。
反応式〔II〕 (反応式〔II〕において、R5はR4と同一または異なる
リン酸保護基を示し、B,X,R,R1およびR2は前記
と同一である。) DNAおよびRNAはそれぞれ4種類のヌクレオシドか
らなり、化合物、化合物または化合物 で示される16種類の二量体を予め調製しておくことに
より、いかなる塩基配列のポリヌクレオチドの合成も可
能である。これらの二量体は固相あるいは液相法〔Nucl
eic Acids Research、第11巻、第5189頁および第
6225頁(1983年)、Biochemistry、第20巻、
第1874頁(1981年)〕で希望する塩基配列のポ
リヌクレオチドの合成に用いられ、また化合物は変型
ホスファイト法〔Tetrahedron Letters、第24巻、第
1019頁(1983年)〕を利用することによって
3′−末端水酸基が遊離のままでポリヌクレオチドの合
成に用いることができる。ポリヌクレオチド中に含まれ
るホスホン酸結合の個数は、ポリヌクレオチドの鎖長、
検出感度、ハイブリッド条件等に合わせて自由に選択す
ることができる。化合物で示される単量体または化合
で示される二量体を原料として用いた場合は、立体化学
の統一をはかることは困難であるが、全てのリン酸結合
をホスホン酸結合に代えたポリヌクレオチドを得ること
ができる。しかし精製の容易さを考慮すると化合物 を使うほうが好ましい。標的遺伝子とのハイブリッド形
成に影響を及ぼさない限りリン原子のキラリティーは統
一されなくともよいが、立体化学的に統一されたポリヌ
クレオチドの合成はR体とS体に分離した化合物ある
いは化合物で示される二量体のいずれか一方のジアス
テレオマーを原料として用いることにより達成できる。
二量体−二量体間のリン酸結合は完全脱保護後ジエステ
ルとなり、そのキラリティーが消失するのでこの問題は
解消される。この場合ホスホン酸結合は最大限1個置き
に導入されることになる〔Journal of Biological Chem
istry、第255巻、第9659頁(1080年)、Bio
chemistry、第21巻、第2507頁(1982
年)〕。
また、反応式〔I〕および反応式〔II〕で示された二量
体あるいはポリヌクレオチドは、反応式〔III〕−(1)の
如きホスファイト中間体からのアーブゾフ反応を経る方
法、あるいは反応式〔III〕−(2)の如きアルキルジクロ
ロホスホンをホスホン酸化剤としてホスファイト法の手
法を利用する方法でも合成可能であるが、前者はアーブ
ゾフ反応の際分解する可能性があるので、後者の方が望
ましい。
反応式〔III〕 (反応式〔III〕において、Lは脱離基を、Yはハロゲ
ン原子を、Zはハロゲン原子、二級アミンまたはアゾー
ル類を示し、B,X,R,R1およびR2は前記と同一で
ある。) 上記の方法により得られたホスホン酸結合を含有し特定
の塩基配列を有するポリヌクレオチドの全ての保護基を
通常の脱保護操作により除去し精製したのち、標的遺伝
子とのハイブリッド形成の前あるいは後に、ポリヌクレ
オチド中のホスホン酸結合の官能基Xと特異的に反応す
る共有結合性酵素標識化合物を反応させて酵素標識化す
る。この反応はきわめて容易に進行し、ポリヌクレオチ
ドと酵素標識化合物を室温または室温以下において混
合、攪拌することにより酵素標識化は容易に完了する。
なお、本発明におけるポリヌクレオチドとは、少なくと
も1個のホスホン酸結合を有する2個以上の単量体より
なり、ポリヌクレオチドの鎖長やその塩基配列は限定さ
れることなく、目的に応じて自由に選択できる。
実施例1 〔アルカリホスファターゼ標識化合物の調製〕 アルカリホスファターゼ10mgを0.1molリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.0)1mに溶解し、これにジオキサン0.1
mに溶解したN−(4−カルボキシシクロヘキシルメ
チル)マレイミドのN−ヒドロキシサクシンイミドエス
テル1.5mgを、5分間隔で5回に分けて加え、30℃で
反応させる。反応液をセファデックスG−25カラムを
用い、1mmolエチレンジアミン四酢酸を含む0.1molリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で溶出したアルカリホスフ
ァターゼ活性部分を冷時濃縮して、アルカリホスファタ
ーゼ標識化合物を得る。
〔10量体の合成〕 臭化2−N−ベンゾイルエチルとトリス(トリメチルシ
リル)ホスファイトのアーブゾフ反応により得られる2
−N−ベンゾイルエチルホスホン酸ピリジン塩40mmol
および5′−O−ジメトキシトリチルチミジン20mmol
を、ダウエックスピリジニウムレジン0.5gとジシクロヘ
キシルカルボジイミド200mmolの存在下に、100m
のピリジン中で37℃、3日間反応させたのち、シア
ノエノール100mを加え、さらに2日間反応する。
反応終了後、含水ピリジン200mを加え、ジシクロ
ヘキシルウレアを瀘別し、瀘液を濃縮する。残渣を250
mのクロロホルムに溶解し、シリカゲルクロマト(溶
出液:メタノール−クロロホルム)で精製したのち、ヘ
キサン中に滴下して粉末化する。次いでアセトニトリル
中でトリエチルアミンで処理してシアノエチル基を除去
し、5′−O−ジメトキシトリチルチミジル−3′−O−
(2−N−ベンゾイルエチル)ホスホネートトリエチル
アンモニウム塩を得る。
次に、コハク酸を介してチミジンを担持(100μmol
以下/g・樹脂)したポリスチレン樹脂(1%クロスリ
ンクド)100mgを用い、5′−O−ジメトキシトリチ
ルチミジル−3′−O−(2−N−ベンゾイルエチル)
ホスホネートトリエチルアンモニウム塩を、Nucleic Ac
ids Research、第11巻、第6225頁(1983年)
に記載された方法に従い順次に9回縮合させて10量体
を合成した。ポリスチレン樹脂を10mのエチレンジ
アミン−エタノール(1:1)と10時間振とう後、瀘
別し、瀘液を濃縮して逆相(C18)シリカゲルクロマト
(水−アセトニトリル直線濃度勾配)で精製し、80%
酢酸で処理して5′−末端の保護基を除去したのち、一
部を再び逆相(C18)シリカゲルクロマトで精製し、ア
ミノエチルホスホン酸結合をもつ10量体10OD(26
0nm)を得た。
〔10量体のアルカリホスファターゼ標識化〕 この10量体5ODを0.5molホウ酸ナトリウム緩衝液(pH
8.5)3.6mおよびアセトニトリル1.0mに溶解し、こ
れに前記のアルカリホスファターゼ標識化合物を混合し
て、4℃で5時間反応させる。反応液をセファローズ6
Bカラムを用い、0.1mmol塩化マグネシウム、0.1mol塩
化ナトリウム、0.1molリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出し
て、核酸部分の紫外吸収とアルカリホスファターゼ活性
を有するフラクションを得た。
実施例2 (1)二量体アミダイトの調整 2−(N−トリフルオロアセチルアミド)エチルホスホ
ン酸24mmolおよび5′−O−ジメトキシトリチルチミ
ジン1mmolとをメシチレンスルホニル−3−ニトロトリ
アゾール36mmolの存在下にピリジン中で室温、1時間
反応したのち、トリエチルアミンで処理して、5′−O
−ジメトキシトリチルチミジン−3′−O−〔2−(N
−トリフルオロアセチルアミド)〕エチルホスホネート
トリエチルアンモニウム塩6mmolを得た。次に、この
5′−O−ジメトキシトリチルチミジン−3′−O−〔2
−(N−トリフルオロアセチルアミド)〕エチルホスホ
ネートトリエチルアンモニウム塩4mmolと3′−O−ア
セチルチミジン6mmolとをメシチレンスルホニル−3−
ニトロトリアゾール16mmolの存在下にピリジン中で室
温、1時間脱水縮合反応を行い、つぎの式で示される、
5′−O−ジメトキシトリチルチミジン−3′−O−〔2
−(N−トリフルオロアセチルアミド)〕エチルホスホ
ネートトリエチルアンモニウム塩と3′−O−アセチン
チミジンとの3′→5′縮合生成物(以下TT二量体とい
う)とした。
次にこのTT二量体を0.14規定NaOHにより加水
分解しつぎの式で示される3′ヒドロキシTT二量体に
した。
次に逆相(C18)シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液;アセトニトリル−水)により異性体を分離
し、アセトニトリル留去後クロロホルムにて抽出しヘキ
サン中に滴下して粉末化した(収量1.05g、収率2
1.2%)。粉末化した3′ヒドロキシTT二量体に
N,N−ジイソプロピルメチルホスホンアミダイトを無
水アセトニトリル中、室温にて30分間反応させつぎの
式で示すTT二量体アミダイトを得た。
(2)単量体アミダイトの調整 5′−O−ジメトキシトリチルチミジン18.4mmolに
N,N−ジイソプロピルメチルホスホンアミダイト2
0.2mmolを無水アセトニトリル中で室温、30分間反
応させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液;ジクロロメタン)により精製し、5′−O−ジメト
キシトリチルチミジンアミダイト(以下、Tアミダイト
という)5.5mmolを得た。
同様の方法によりN6−ベンゾイル−5′−O−ジメトキ
シトリチル−2′−デオキシアデノシン、N2−イソブチ
リル−5′−O−ジメトキシトリチル−2′−デオキシグ
アノシンおよびN4−ベンゾイル−5′−O−ジメトキシ
トリチル−2′−デオキシシチジンをそれぞれアミダイ
ト化を行い、N6−ベンゾイル−5′−O−ジメトキシト
リチル−2′−デオキシアデノシンアミダイト(以下、
Aアミダイトという)、N2−イソブチリル−5′−O−
ジメトキシトリチル−2′−デオキシグアノシンアミダ
イト(以下、Gアミダイトという)およびN4−ベンゾ
イル−5′−O−ジメトキシトリチル−2′−デオキシシ
チジン(以下、Cアミダイトという)を得た。
(3)17量体の合成 上記(1)および(2)で得たTT二量体アミダイト、Aアミ
ダイト、Gアミダイト、CアミダイトおよびTアミダイ
トを用い、アプライド・バイオシステムズ社製の自動D
NA合成機により次式の塩基配列であるオリゴマー(1
7量体)を合成した。なお、この17量体は部分にア
ミノエチルホスホン酸結合を有する。5′ GTTTTCCCAGTCACGAC3′ (式中、A,G,CおよびTは、オリゴマーを構成する
単位単量体をその塩基残基により示したもので、Aはア
デニン、Gはグアニン、Cはシトシン、Tはチミンであ
り、保護基を有することもある。) 合成終了した17量体は25%アンモニア水、室温、1
時間の処理により担体より切り出し、65℃にて処理す
ることによりジメトキシトリチル基以外の保護基を除い
た。脱保護した17量体は逆相(C18)シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;アセトニトリル−ト
リエチルアミン・酢酸緩衝液)にて精製し、70%酢
酸、室温、1時間の処理によりジメトキシトリチル基を
除いた。ジメトキシトリチル基を除いたオリゴマーは再
度、逆相(C18)シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液;アセトニトリル−トリエチルアミン・酢酸
緩衝液)にて精製した(収量;4OD)。
(4)酵素標識化合物の調製 アルカリフォスファターゼ0.6mgを0.2molリン酸
緩衝液0.1mに溶解し、0〜4℃に冷却した。これ
にジスクシンイミジルスベラート2mgを加え、同温度で
10分間反応した。この反応液を、セファデックスG−
50カラムを用い手、水で溶出した最初の7〜10m
を分散した。主留分を限外ろ過(分画分子量3万の膜使
用)で約0.1mまで濃縮して、アルカリフォスファ
ターゼ標識化合物を得た。
(5)17量体のアルカリフォスファターゼ標識化 上記(3)で得た17量体1ODを0.1mol炭酸緩衝
液(pH8.5)に溶解し、これに上記(4)で得たアル
カリフォスファターゼ標識化合物0.1mを加え、0
〜4℃で一晩反応した。この反応液を実施例1と同様の
方法で精製し、核酸部分の紫外吸収とアルカリフォスフ
ァターゼ活性を有するフランクションを得た。得られた
目的物の収量は蛋白換算で0.1mg、収率はアルカリフ
ォスファターゼを基準として16%であった。
ここで得られた反応液を下記の分析条件で液体クロマト
グラフ法により分析した結果を図2に示す。
図中、〔A2〕はアミノエチルホスホン酸結合を有する
17量体の存在を示すピークであり、〔B〕は酵素標識
化合物の存在を示すピークである。〔C〕は前記反応原
料のいずれにも相当しない成分の存在を示すものであ
り、これはアミノエチルホスホン酸結合を有する17量
体と酵素標識化合物との反応によって生じた生成物と推
定される。
分析条件 カラム:DEAR−5PW 7.5mm×70mm 溶離液:A液 20mMのトリス−塩酸pH8 B液 A液+1MのNaCl B液 0%→100%/30min 流速 :1m/min 検出器:UV 280nm 実施例3 実施例2の(3)で合成した17量体と同様の配列をも
ち、かつアミノエチルホスホン酸結合を有しない天然型
である17量体を合成し、実施例2の(5)と同様の処
理により、アルカリフォスファターゼ標識化合物との反
応を行った。反応終了後、反応液を液体クロマトグラフ
法により分析した結果を図1に示す。分析条件は前述の
とおりである。
その結果、アルカリフォスファターゼ標識化合物と天然
型である17量体との混合系においては反応生成物は認
められず、原料を回収したのみであった。
これに対して、アルカリフォスファターゼ標識化合物と
アミノエチルホスホン酸結合を有する17量体との反応
系においては明らかに反応生成物が認められた。
この結果から、アルカリフォスファターゼ標識化合物
は、アミノエチルホスホン酸結合のアミノ基に共有結合
していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例3で得たアミノエチルホスホン酸結合を
有しない天然型の17量体[A1]と酵素標識化合物
[B]との反応液を液体クロマトグラフ法で分析した結
果を示す。 図2は、実施例2の(5)で得たアミノエチルホスホン
酸結合を有する17量体[A2]と酵素標識化合物
[B]との反応液を液体クロマトグラフ法で分析して目
的物[C]の生成を確認した結果を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリヌクレオチドのリン酸結合の少なくと
    も1個以上が、官能基を有する式〔I〕 (式中、Rは炭素数1ないし20の分岐鎖を有すること
    もある脂肪族炭化水素を、Xは保護基を有することもあ
    るアミノ基よりなる官能基を示す) で表わされるホスホン酸結合で置換されており、前記ホ
    スホン酸結合の官能基Xに架橋剤と結合した酵素が共有
    結合していることを特徴とする酵素標識化されたポリヌ
    クレオチド化合物。
  2. 【請求項2】ポリヌクレオチドのリン酸結合の少なくと
    も1個以上が、官能基を有する式〔I〕 (式中、Rは炭素数1ないし20の分岐鎖を有すること
    もある脂肪族炭化水素を、Xは保護基を有することもあ
    るアミノ基よりなる官能基を示す) で表わされるホスホン酸結合で置換されているポリヌク
    レオチドに、前記ホスホン酸結合の官能基Xと共有結合
    しうる架橋剤と結合した酵素を反応させることを特徴と
    する酵素標識化されたポリヌクレオチド化合物の製法。
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