JP2723068B2 - ジョブ再実行方式 - Google Patents

ジョブ再実行方式

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッチ処理的に動作す
るジョブが障害により異常終了した場合に当該ジョブを
再実行するジョブ再実行方式に関し、特に障害が発生し
た箇所の迅速な特定と当該ジョブの効率的な再実行を実
現するジョブ再実行方式に関する。
【0002】
【従来の技術】UNIXが動作するコンピュータシステ
ムにおいて、当該UNIX上でシェルによって定義され
たプロセスの処理中に何らかの障害が発生すると、当該
プロセスを実行する業務プログラムは異常を示す情報を
ログアウトしてジョブを終了する。したがって、ログア
ウト解析を行って障害が発生した箇所を特定し、中断し
たジョブを速やかに再実行させることが必要である。
【0003】従来、実行中のジョブが中断した場合に
は、システムの起動時にUNIXの制御により動的に割
り付けられたプロセスIDの有無を確認した上で業務プ
ログラムが出力したログアウト情報を検索し、その内容
によりジョブが異常終了したことを判断していた。
【0004】障害により異常終了したジョブを再実行さ
せる場合、オペレータは、まず前記ログアウト情報を解
析して再実行すべき処理単位を検出していた。そして、
当該ジョブを実行する直前にセーブしたファイルを改め
てロードして当該ジョブの先頭から再実行するか、また
は異常が発生した処理単位の前の処理を重複して実行し
ないようにシェルを修正して当該ジョブを再実行させて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従釆
のジョブ再実行方式においては、オペレータがログアウ
ト情報に基づいて処理結果の判断と異常終了したジョブ
における再実行すべき処理単位の検出とを行うため、オ
ペレータの調査に長時間を要し、ログアウト情報の解析
においても判断ミスが発生するおそれがあるという欠点
があった。
【0006】また、ジョブを再実行する際、当該ジョブ
実行前のセーブファイルをロードして当該ジョブの先頭
から再実行させる方法は、障害が発生するまでの処理を
重複して実行するため、無用な処埋時間を費やすという
欠点があった。
【0007】また、当該ジョブにおける再実行すべき処
理単位のみを実行するようにシェルを修正して再実行さ
せる方法は、シェルの修正ミスが発生するおそれがある
という欠点があった。
【0008】本発明は、上記従来の欠点を解消し、障害
の発生した処理単位の検出を容易にし、効率的なジョブ
の再実行を行うことを可能とするジョブ再実行方式を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、コンピュータシステム上で動作するバッ
チ処理的なジョブの構成と実行状態とを個々の処理単位
レベルで監視する監視手段と、前記ジョブと各処理単位
の実行状態を表示画面に表示する表示手段と、前記表示
画面から前記ジョブと処理とを指定して再実行を指示す
るコマンドを入力することにより、該ジョブの指定され
た処理以降の処理を再実行する再実行手段とを備える構
成としている。
【0010】また、他の態様では、前記表示手段が、ジ
ョブの実行状態表示画面と処理単位の実行状態表示画面
とを表示し、前記ジョブの実行状態表示画面が、少なく
ともジョブを特定するジョブ名と、ジョブの実行状態
と、ジョブの実行開始時間および終了時間とを登録する
項目を備え、前記処理単位の実行状態表示画面が、少な
くとも処理を特定する処理名と、処理の実行状態と、処
理の実行開始時間および終了時間と、該処理単位を含む
前記ジョブのジョブ名に関連付けられたプロセスIDと
を登録する項目を備える構成としている。
【0011】また、他の態様では、前記再実行手段が、
前記表示装置に表示された処理単位の実行表示画面にお
ける各処理に対応し、該処理の再実行を指示するコマン
ドを入力するコマンド入力手段を備える構成としてい
る。
【0012】また、他の態様では、前記コンピュータシ
ステム上で動作するバッチ処理的なジョブが、前記コン
ピュータシステム上で動作するUNIXのシェルによっ
て定義されている。
【0013】
【作 用】本発明によれば、ログファイルを参照してジ
ョブ及び処理の実行状態を表示する状態表示制御部及び
表示装置によって、ジョブの実行状態を処理単位のレベ
ルで監視することができる。また、異常が発生してジョ
ブが中断した場合には、異常が発生した処理の処理名と
当該処理を含むジョブとを表示装置の画面で確認し、処
理単位の状況表示画面から再実行を指示することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の1実施例にかかるジョブ
再実行方式を実現するコンピュータシステムの構成を示
すブロック図である。
【0015】図示のように、本実施例のコンピュータシ
ステムは、ジョブを管理するジョブ構成管理テーブル1
0と、プロセスを実行するためのプロセス実行制御部2
0、プロセス実行部30、およびプログラムファイル4
0と、障害によりプロセスが中断した場合にログアウト
を行うログ実行制御部50およびログファイル60と、
ジョブの実行状態を表示する状態表示制御部70および
表示装置80と、異常終了したジョブを再実行する再実
行制御部90とを備える。なお、図には本実施例による
ジョブ再実行方式を実現するための構成のみを示し、他
の構成については省略してある。実際には、種々のデー
タやコマンドを入力するための入力装置等を備えること
はいうまでもない。
【0016】ジョブ構成管理テーブル10は、RAM等
のメモリや磁気ディスク装置等の記憶装置に格納され、
ジョブを構成するプロセスとジョブの実行とを管理す
る。図2にジョブ構成管理テーブル10の構成例を示
す。ジョブ構成管理テーブル10は、少なくとも図に示
すように、ジョブを特定する「ジョブ名」、ジョブを構
成するプロセスを特定する「プロセスID」、ジョブの
実行状態を示す「ジョブ実行状態」、ジョブを実行する
時間を指定する「ジョブ開始・終了時間」、およびジョ
ブを構成するいくつかの処理単位の「処理名」の各項目
を登録する。本実施例において、プロセスは、処理単位
に対応する子プロセスと、各子プロセスを統括する親プ
ロセスとで構成される。「プロセスID」は、親プロセ
スを特定し、ジョブが起動された時に割り付けられる。
また、「処理名」は、当該処理単位の子プロセスを実行
するプログラムあるいはコマンド類が一連の処理の実行
順に登録される。なお、本実施例のジョブ構成管理テー
ブル10は、「プロセスID」を除いて従来のジョブ構
成管理テーブル3と同様であり、構成も図示のものに限
らない。
【0017】プロセス実行制御部20は、CPU等で実
現され、プロセス実行部30の動作制御とジョブ構成管
理テーブル10への所定の項目の入力を行う。プロセス
実行制御部20は、ジョブを起動する場合に、1つのジ
ョブに対して対応する1つの親プロセスを起動し、当該
親プロセスに動的に割り付けられたプロセスIDをジョ
ブ構成管理テーブル10の「プロセスID」に登録す
る。また、「ジョブ実行状態」に実行中であることを示
すデータ(フラグ等)を登録し、「ジョブ開始・終了時
間」にジョブを開始する時間と終了する時間とを登録す
る。
【0018】プロセス実行部30は、CPU等で実現さ
れ、プロセス実行制御部20の制御によりプログラムフ
ァイル40から所望のプログラムを読み出して各プロセ
スを実行する。プロセス実行部30によって実行される
親プロセスは、ジョブ構成管理テーブル10の「処理
名」に登録された順に子プロセス実行する業務プログラ
ムを起動させる。
【0019】プログラムファイル40は、磁気ディスク
装置等の補助記憶装置で実現され、各プロセスを実行す
る業務プログラムを格納する。
【0020】ログ実行制御部50は、CPU等で実現さ
れ、各プロセスの実行状態を示す状態レコードをログフ
ァイル60に出力する。例えば、プロセスを実行する際
には状態レコードを開始状態にしたログイン情報を出力
する。また、プロセスを終了する際には、正常に終了す
る場合には状態レコードを正常終了としたログアウト情
報を出力し、何らかの障害により異常終了する場合には
状態レコードを異常終了としたログアウト情報を出力す
る。これらの出力はプロセス実行部30にて実行する業
務プログラムの指示によって行う。
【0021】ログファイル60は、磁気ディスク装置等
の補助記憶装置で実現され、各ジョブごとにプロセスの
実行状態を示す状態レコードをログ実行制御部50から
入力して格納する。
【0022】状態表示制御部70は、CPU等で実現さ
れ、ログファイル60を参照してジョブの実行状態をデ
ィスプレイ等で実現される表示装置80に表示する。表
示内容はジョブごとの実行状態と各処理単位の実行状態
とを選択することができる。図3、図4に状態表示制御
部70によって表示装置80に表示される表示画面の構
成例を示す。
【0023】図3に示すように、ジョブの実行状態を表
示する表示画面では、当該ジョブのジョブ名、実行状
態、実行開始時間および終了時間を表示する。この時、
図示の「ジョブ実行状態」の項目では、当該ジョブの実
行状態に応じて「実行待ち」、「実行中」、「正常終
了」、「異常終了」のいずれかが表示される。また、
「詳細表示指示」の項目は、処理単位の実行状態の表示
を行うコマンド入力手段となっており、マウスによるク
リック動作等で表示を切り替えるように設定することが
できる。なお、表示装置80には、後述の処理単位の実
行状態を表示する場合を除き、常時ジョブの実行状態が
表示されている。一般的には、1つのUNIX上では複
数のジョブが同時に動作しており、上述のジョブの状態
表示では、動作する複数のジョブのすべてについて実行
状態を表示する。また、表示装置80の表示画面には、
すべてのジョブについて一覧表示してもよく、適宜切り
替えて表示するようにしてもよい。
【0024】図4に示すように、処理単位の実行状態を
表示する表示画面では、前記ジョブを構成する処理単位
(子プロセス)ごとに当該処理の処理名、実行状態、処
理開始時間、処理終了時間および親プロセスIDを表示
する。この時、図示の「実行状態」の項目では、当該子
プロセスの実行状態に応じて「実行待」、「実行中」、
「正常終了」、「異常終了」のいずれかが表示される。
したがって、ジョブが異常終了した場合、処理単位の実
行状態の表示において、ある子プロセスの「実行状態」
が「異常終了」となっていれば、当該子プロセスで異常
が発生したことがわかる。このため、オペレータは、従
来行っていたようなログアウト解析を行うことなく、処
理単位の状態表示の「実行状態」の項目を参照するだけ
で異常終了した子プロセスを特定することができること
となる。
【0025】また、「親プロセスID」の項目は、当該
処理に対応する子プロセスを統括する親プロセスを特定
するIDデータである。また、「再実行指示」の項目
は、当該子プロセスの再実行を指示するコマンド入力手
段となっており、マウスによるクリック動作等で当該子
プロセスの再実行を開始するように設定することができ
る。
【0026】再実行制御部90は、CPU等で実現さ
れ、図4の「再実行指示」の項目のクリック等により再
実行の指示が入力された場合に、プロセス実行制御部2
0に必要な情報を送り、当該指示によって特定された子
プロセスを再実行させる。図5は、処理を再実行する際
の動作を示すフローチャートである。同図を参照して再
実行の動作について説明する。
【0027】オペレータが表示装置80に表示されるジ
ョブの状態表示画面を監視して、異常終了したジョブを
発見した場合(ステップ501)、詳細表示を指示して
処理単位の状態表示画面を参照し異常終了した子プロセ
スを特定する。なお、プロセスが異常終了する場合に
は、当該プロセスの状態は、親プロセスはウエイト状態
で実行中のままで存在しており、プログラムが実行され
ていた子プロセスは消滅した状態である。
【0028】オペレータは、異常終了した子プロセスの
異常の原因と取り除いた後、再実行指示のコマンド入力
を行う。再実行指示が行われると、再実行制御部90
は、再実行すべき(すなわち異常終了した)子プロセス
に対応する処理名と当該子プロセスを含む親プロセスの
親プロセスIDとをプロセス実行制御部20に通知する
(ステップ502、503)。
【0029】プロセス実行制御部20は、ジョブ構成管
理テーブル10を検索して再実行制御部90から通知さ
れた親プロセスIDを持つ親プロセスを特定する。そし
て、当該親プロセスを実行するプロセス実行部30に対
し、再実行すべき子プロセスの処理名を通知して(ステ
ップ504)、当該処理以降の処理を実行させる(ステ
ップ505)。以上の動作によって、正常終了している
処理を重複して処理することなく、効率的な再実行を行
うことができる。
【0030】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、ジョブ構成管理テーブル10の構成
は図2に示したものに限定されず、プロセスIDを含む
ほか、従来の種々の構成をとることができる。また、ジ
ョブの状態表示画面および処理単位の状態表示画面につ
いても、それぞれ図3、図4に示したものに限定され
ず、少なくとも図示した項目を含んでいれば、他の項目
を追加したり、表示のレイアウトを任意に設定したりす
ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジョブ再
実行方式は、ジョブの実行状態を処理単位のレベルで監
視し、異常が発生してジョブが中断した場合には、異常
が発生した処理の処理名と当該処理を含むジョブとを表
示装置の画面で確認できるため、異常が発生した処理を
検出するためにオペレータがログアウト情報を解析する
必要がなく、調査に要する時間を短縮し、ログアウト情
報の解析における判断ミスを回避することができるとい
う効果がある。
【0032】また、処理単位の状況表示画面から再実行
を指示することにより、正常終了した処理を重複して実
行することなく速やかにかつ効率的に再実行を行うこと
ができるという効果がある。
【0033】さらに、ジョブの実行状態を処理単位のレ
ベルで監視し、処理単位の状況表示画面から再実行を指
示することにより、正常終了した処理を実行せずに異常
終了した処理以降の処理を実行する指示を簡単な匝瑳で
確実に行うことができるため、シェルを修正する際のミ
スを回避することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例にかかるジョブ再実行方式
を実現するコンピュータシステムの構成を示すブロック
図である。
【図2】 ジョブ構成管理テーブルの構成を示す図であ
る。
【図3】 表示装置によるジョブの状態表示画面を示す
図である。
【図4】 表示装置による処理単位の状態表示画面を示
す図である。
【図5】 本実施例による再実行の動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10 ジョブ構成管理テーブル 20 プロセス実行制御部 30 プロセス実行部 40 プログラムファイル 50 ログ実行制御部 60 ログファイル 70 状態表示制御部 80 表示装置 90 再実行制御部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータシステム上で動作するバッ
    チ処理的なジョブの構成と実行状態とを個々の処理単位
    レベルで監視する監視手段と、 前記ジョブとジョブを構成する各処理単位毎の実行状態
    を表示画面に表示する表示手段と、前記表示画面上に表示された前記処理単位を表示画面上
    から選択的に指定することにより前記処理単位の再実行
    を指示する手段と、 前記表示画面から前記ジョブと処理とを指定して再実行
    が指示された場合に、 該ジョブの指定された処理以降の
    処理を再実行する再実行手段とを備えることを特徴とす
    るジョブ再実行方式。
  2. 【請求項2】 前記表示手段が、ジョブの実行状態表示
    画面と処理単位の実行状態表示画面とを表示し、 前記ジョブの実行状態表示画面が、少なくともジョブを
    特定するジョブ名と、ジョブの実行状態と、ジョブの実
    行開始時間および終了時間とを登録する項目を備え、 前記処理単位の実行状態表示画面が、前記処理単位の再
    実行を指示する手段として機能する処理の再実行を指示
    する項目と、少なくとも処理を特定する処理名と、処理
    の実行状態と、処理の実行開始時間および終了時間と、
    該処理単位を含む前記ジョブのジョブ名に関連付けられ
    たプロセスIDとを登録する項目を備えることを特徴と
    する請求項1に記載のジョブ再実行方式。
  3. 【請求項3】 前記処理単位の実行状態表示画面の前記
    処理の再実行を指示する項目を入力装置によって選択す
    ることで、前記処理の再実行指示が行われると共に、 前記処理単位の再実行が指示された場合、再実行すべき
    処理名と処理単位を含む前記ジョブに関連付けられた前
    記プロセスIDを前記再実行手段に通知する手段を備え
    ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ再実行方
    式。
  4. 【請求項4】 前記コンピュータシステム上で動作する
    バッチ処理的なジョブが、前記コンピュータシステム上
    で動作するUNIXのシェルによって定義されたジョブ
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載
    のジョブ再実行方式。
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