JP2722316B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2722316B2
JP2722316B2 JP33268993A JP33268993A JP2722316B2 JP 2722316 B2 JP2722316 B2 JP 2722316B2 JP 33268993 A JP33268993 A JP 33268993A JP 33268993 A JP33268993 A JP 33268993A JP 2722316 B2 JP2722316 B2 JP 2722316B2
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秀樹 山口
壮一 平松
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仁志 中村
隆司 野島
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  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリンタ,複写機,ファ
クシミリ等に装備される記録装置に係り、駆動手段より
給送手段及び搬送手段に駆動力の伝達を切り換えて行な
う記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ,複写機,ファクシミリ
等に装備された記録装置、或いはコンピュータやワード
プロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力
機器として使用される記録装置は、画像情報に基づいて
用紙やプラスチック薄板(例えばOHPシート)等の被
記録材に画像(文字や記号等も含む)を記録するように
構成されている。この記録装置は、使用する記録手段の
記録方式によりインクジェット式,ワイヤドット式,感
熱式,熱転写式,レーザービーム式等に分けることがで
きる。
【0003】上記記録装置にうち、被記録材の搬送方向
(副走査方向)と交叉する方向に主走査するシリアルタ
イプの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置
にセットした後、被記録材に沿って移動(主走査)する
キャリッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によっ
て画像(文字や記号等も含む)を記録し、1行分の記録
を終了した後に所定量の紙送り(副走査)を行い、その
後に次の行の画像を記録(主走査)するいう動作を繰り
返すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
を行なうラインタイプの記録装置においては、被記録材
を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を
連続的に行いながら所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】これらのうち、インクジェット式を用いた
記録装置(以下『インクジェット記録装置』という)
は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐
出して記録を行なうものであり、記録手段のコパクト化
が容易であり、高精細な画像を高速で記録することがで
き、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することが
でき、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式で
あるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用して
カラー画像を記録するのが容易である等の利点を有して
いる。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング,蒸着,スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体,電極,
液路壁,天板等を形成することにより、高密度の液路配
置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することが
でき、一層のコンパクト化を図ることができる。またI
C技術やマイクロ加工技術の長所を活用することによ
り、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易であ
り、記録手段のフルマルチ化及び高密度実装化も容易で
ある。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
記録ヘッドとして一般に微細な吐出口を配列したものが
用いられるので、吐出口内方への気泡や塵の混入が生じ
た場合、或いはインク溶剤の蒸発に伴う増粘等によって
インクが吐出または記録に適さない状態となった場合等
においても、インクをリフレッシュすることにより吐出
不良要因を除去する吐出回復処理が行なわれている。
【0007】一般に、シリアル方式の記録装置において
は、記録ヘッドを主走査するためのキャリッジを駆動す
るためのキャリッジ駆動モータとして、ステップモータ
を用いる場合が多い。またキャリッジの移動方向と直角
の方向に被記録材を搬送するための駆動モータとして
も、ステップモータを用いる場合が多い。更にコストダ
ウン,省スペース化等のため駆動源であるモータを減ら
すため、1つの駆動源で複数の動作を実行できるように
したものが開発されている。
【0008】上記インクジェット記録装置においては、
被記録材の搬送動作及び記録ヘッドドの回復動作を1つ
の駆動源で実行するようにしたものが開発されている。
以下上記インクジェット記録装置一例について図13及び
図14を参照して説明する。
【0009】図13において、51は被記録材の搬送動作及
び記録ヘッドの回復動作を行なうための駆動源であるモ
ータである。52はASF(自動給紙装置)に駆動を伝達
する駆動ギヤであり、径の異なる二段ギヤが用いられて
いる。この駆動ギヤ52は太陽歯車53a,53bのうち太陽
歯車53aと噛み合っている。上記太陽歯車53a,53bの
回転軸58上にはアーム55a,55bがフリクションを与え
るためのバネを介して回動可能に取り付けられており、
このアーム55a,55bには遊星歯車54a,54bが夫々保
持されている。太陽歯車53a,53bはアーム55a,55b
を組立後、回転軸58とピンなどにより固定され、同時に
回転する。同一軸上に固定されたギヤ56a,56bは回転
方向を変えるためのアイドラギヤであり、上記アーム55
aが所定方向に回転したとき遊星歯車54aと噛み合うよ
うに構成されている。また上記アイドラギヤ56bは給送
回転体59(図14参照)の軸端に設けられた駆動伝達ギヤ
57に噛み合っている。またアーム55bが所定方向に回転
すると、遊星歯車54bは給送回転体59の軸端に設けられ
た駆動伝達ギヤ57に噛み合う。これにより給送回転体59
は前記モータ51の回転方向にかかわらず一定方向に回転
する。
【0010】また図14において、60は被記録材を搬送す
るための搬送ローラであり、その軸端には搬送ギヤ61が
圧入固定されている。上記搬送ローラ60にはバネ62によ
り付勢されたピンチローラ63が押圧されている。前記モ
ータ51からの駆動力は、駆動伝達ギヤ64を介して搬送ギ
ヤ61に伝達され、搬送ローラ60とピンチローラ63との協
働作用により被記録材をプラテン65上に搬送する。
【0011】次に上記図13及び図14を用いて駆動力伝達
動作について説明すると、モータ51が図13の矢印b方向
(搬送ローラ60が逆回転)に回転すると、ASF駆動ギ
ヤ52を介して太陽歯車53aは矢印b方向に回転する。こ
のときアーム55aもストッパ55c,55dの接触位置から
同方向に所定量の不伝達領域の回転を経た後、遊星歯車
54aはアイドラギヤ56aと噛み合う。そしてアイドラギ
ヤ56bを介して駆動伝達ギヤ57を矢印a方向に回転さ
せ,給送回転体59を同方向に回転させてスタックされて
いる被記録材のうち最上側のものから分離給送して、搬
送ローラ対60,63に送り込む。この時搬送ローラ60は逆
回転しているため、給送回転体59より送り込まれた被記
録材は、搬送ローラ対60,63のニップにならって整列す
る。また記録ヘッドの回復動作は、モータ51の逆回転を
利用しているため、モータ51が回復動作のために回転し
ている間は、給送回転体59に駆動が伝達しないようにす
る必要がある。従って、前記所定量の不伝達領域を回復
動作のためのモータ51の逆回転量よりも大きく設定しな
ければならない。
【0012】また前記モータ51を図13の矢印f方向(搬
送ローラ60が正回転)に回転すると、太陽歯車53bは矢
印f方向に回転し、ストッパ55e,55fの接触位置から
アーム55bも同方向に回転し、遊星歯車54bは駆動伝達
ギヤ57と噛み合う。搬送ローラ60が正回転することによ
り、搬送ローラ対60,63のニップに突き当たっていた被
記録材は、記録ヘッドに対向するプラテン65上の所定記
録位置に整列された状態で頭出しされる。この時、特に
封筒,葉書等の厚紙は、搬送ローラ対60,63のみではス
ムーズに噛み込めないため、後ろから給送回転体59によ
り押し込む必要がある。上記駆動伝達ギヤ57は、遊星歯
車54bを介して駆動力を伝達されて矢印a方向に回転す
るため、給送回転体59も回転する。
【0013】また遊星歯車が太陽歯車の回転に呼応して
公転するためには、該遊星歯車の側面にフリクションを
加えなければならない。図15に従来の遊星歯車へのフリ
クションのかけかたの一例を示す。太陽歯車66には遊星
歯車67が噛み合っており、該遊星歯車67は太陽歯車66の
周囲を公転する。上記太陽歯車66及び遊星歯車67はアー
ム68によって支持されており、遊星歯車67はコイルバネ
69によって側面を付勢されてアーム68側に押圧されてい
る。また70はコイルバネ69をアーム68に固定するための
ブッシュナットである。
【0014】上記太陽歯車66とアーム68とは図示しない
軸に同軸に支持されており、図示しない駆動源より太陽
歯車66に伝達された駆動は、遊星歯車67を介して図示し
ない歯車等に伝達される。上記コイルバネ69により遊星
歯車67はアーム68に押し付けられているためフリクショ
ンが生じて遊星歯車67の自転が重くなるので、遊星歯車
67は太陽歯車66の回りを確実に公転する。
【0015】上記遊星歯車を用いる駆動力伝達機構にお
いて、遊星歯車が噛み合う歯車の回転角度を制御する手
段として欠歯を用いることがあり、その一例を図16に示
す。図16において、太陽歯車71には遊星歯車72が噛み合
っており、該遊星歯車72は太陽歯車71の周囲を公転す
る。上記遊星歯車72にはピックアップギヤ73が噛み合っ
ており、該ピックアップギヤ73の周囲には欠歯部分が形
成されている。太陽歯車71は図示しない駆動源より駆動
を伝達され図の矢印方向に回転する。これに伴い遊星歯
車72は太陽歯車71の周囲を矢印方向に回動してピックア
ップギヤ73に噛み合う。ピックアップギヤ73は、遊星歯
車72と噛み合って図の矢印方向に公転し欠歯部分まで回
転すると、回転が停止する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、図13及び図14に示す太陽歯車,遊星
歯車の構成では、正転の遊星歯車54bが回動する位置ま
でに大きく減速されているので、モータ51の回転方向が
逆方向から正方向に変わり、搬送ローラ対60,63が動き
出してから、給送回転体59が動き出すまでに時間差が生
じてしまい、特に後ろからの押し込みを要する封筒や葉
書等の厚紙において搬送ローラ対60,63のニップへ突き
当てたときの被記録材の噛み込みの程度の違いにより、
被記録材の頭出し量に違いが生じてしまう。
【0017】また正転時に機能する遊星歯車54bの噛み
込みのタイミングを早くするためには、遊星歯車54bの
公転する太陽歯車の位置を減速の小さいモータ51の近く
にする必要がある。しかし、モータ51の逆方向の回転
は、記録ヘッドの回復動作に利用されるため、回復動作
中の駆動を給送回転体59に伝えないようにするには、逆
転時に機能する遊星歯車54aの公転する太陽歯車の位置
を減速の割合の小さいモータ51の近くにすると大きな公
転角度を必要とする。また逆転時に機能する遊星歯車54
aの公転角度を小さくするには、遊星歯車54aの公転す
る太陽歯車の位置を減速の割合の大きいモータ51の遠く
に配置する必要があるという矛盾が生じる。
【0018】また前記図15に示す遊星歯車の自転へのフ
リクションの加え方では、多くの部品を必要とし、加え
て遊星歯車67の軸方向の厚みが大きくなり、装置の大型
化の一因とするおそれがある。
【0019】更に前記図16に示す遊星歯車が噛み合う歯
車の回転角度制御においては、遊星歯車72が噛み合うピ
ックアップギヤ73の欠歯部分に遭遇した場合、ピックア
ップギヤ73側に負荷がある場合に該ピックアップギヤ73
を最後まで回転し切れずに、遊星歯車72の歯と噛み合う
ピックアップギヤ73の欠歯端部の歯が当たってカチカチ
音が発生する場合があった。
【0020】本発明の第1の目的は、上記従来技術の課
題を解決し、駆動手段の回転が逆転から正転に切り換わ
った時に搬送手段が駆動し始めてから給送手段が駆動し
始めるまでの時間差を小さくし、シートの頭出量を安定
させる記録装置を提供することにある。また第2の目的
は、駆動手段の逆転時にその駆動が給送手段に伝達しな
いようにするため、逆転時に機能する遊星歯車の公転角
度を小さく抑えた記録装置を提供することにある。また
第3の目的は、省スペースで確実に遊星歯車の自転にフ
リクションを付与できる記録装置を提供することにあ
る。更に第4の目的は、欠歯部分で回転制御を行なう駆
動伝達系における欠歯位置で発生するカチカチ音を防止
した記録装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し、以下
に述べる実施例に適用される本発明の代表的な手段は、
シートを所定方向に給送する給送手段と、前記給送手段
によって給送されたシートを所定方向に搬送する搬送手
段と、前記搬送手段によって搬送されたシートに画像情
報に応じて像を記録するための記録手段と、前記給送手
段及び搬送手段を駆動するための正逆回転可能な駆動手
段と、前記駆動手段より駆動力を前記給送手段及び搬送
手段に伝達するための駆動伝達手段と、を有し、前記駆
動伝達手段は、前記搬送手段の回転方向にかかわらず前
記給送手段を給送方向にのみ回転させるための手段とし
て複数の遊星歯車を装備し、該遊星歯車が夫々前記駆動
手段からの減速が異なる歯車を太陽歯車として公転する
ことを特徴とする。
【0022】
【作用】上記手段によれば、駆動手段の逆転時に公転す
る遊星歯車を該駆動手段より遠い位置(大きく減速され
た位置)で公転させ、駆動手段の正転時に公転する遊星
歯車を駆動手段に近い位置(あまり減速されていない位
置)で公転させることにより、駆動手段が逆転から正転
に切り換わった時にすぐに給送手段に駆動力を伝達する
ことができる。また前記搬送手段の逆転時に記録手段の
回復動作中の駆動を給送手段に伝達しないようにするた
めの遊星歯車の公転角度を小さく抑えることができる。
【0023】また太陽歯車と同軸に取り付けた遊星歯車
の保持部を有する樹脂部材の弾性を利用して前記遊星歯
車にテンションを付与する場合には、部品点数を削減し
て省スペース化を図り、装置の小型化に寄与できる。
【0024】更に遊星歯車を欠歯歯車との噛み合い位置
より全く噛み合わない欠歯位置まで回転させる場合に
は、遊星歯車の歯と噛み合う欠歯部分の端部の歯がぶつ
かり合って生ずるカチカチ音の発生を防止することがで
きる。
【0025】
【実施例】
〔第1実施例〕
【0026】次に本発明の一実施例に係る記録装置につ
いて、図面を参照して説明する。本実施例は、インクジ
ェット記録装置を用いて説明するものとする。図1はイ
ンクジェット記録装置の構成を示す断面説明図、図2及
び図3は駆動伝達機構を示す説明図、図4〜図6は記録
動作を示す説明図である。
【0027】先ず図1を参照してインクジェット記録装
置の概略構成について説明する。図1において、1は駆
動源であるモータであり、後述するように被記録材であ
るシートSの搬送動作及び記録ヘッドの回復動作を行な
う。2はシートSを積載する圧板であり、3は給送手段
である給送ローラであり、圧板2上に積載されたシート
Sを最上側より分離給送する。4は搬送手段である搬送
ローラであり、5は該搬送ローラ4に押圧するピンチロ
ーラである。ピンチローラ5はピンチローラガイド6に
よって保持されており、ピンチローラバネ7により搬送
ローラ4に押圧される。
【0028】8は記録手段である記録ヘッドであり、前
記搬送ローラ対4,5によって搬送されたシートSにイ
ンク像を記録するものである。この装置における記録手
段としては、記録ヘッドからインクを吐出して記録する
インクジェット記録方式を用いている。即ち、この記録
ヘッドは微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこ
の液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用
部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生す
るエネルギー発生手段を備えている。
【0029】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用
いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱さ
せ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発
生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する
発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体
を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等が
ある。
【0030】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列すること
ができるために高解像度の記録をすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段とし
て用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に
活用出来、高密度実装化が容易で、製造コストも安価な
ことから有利である。
【0031】また上記録ヘッド8には一般に微細な吐出
口を配列したものが用いられるので、吐出口内方への気
泡や塵の混入が生じた場合、或いはインク溶剤の蒸発に
伴う増粘等によってインクが吐出または記録に適さない
状態となった場合等においても、インクをリフレッシュ
することにより吐出不良要因を除去する吐出回復処理が
行なわれる。上記記録ヘッド8の回復処理は、シートS
の搬送動作を司るモータ1によって行なわれるように構
成されている。
【0032】上記記録ヘッド8に対向する位置には、プ
ラテン9が設けられており、記録位置においてシートa
を裏面側より支持する。上記記録ヘッド8はキャリッジ
10に搭載されており、該キャリッジ10はシートSを横切
る方向に設けられたガイドシャフト11に沿って往復移動
可能に装備されている。12は排出ローラであり記録後の
シートPを搬送する。13は拍車であり上記排出ローラ12
に押圧して従動回転する。この拍車13は、シートSの記
録面に接触してもインクが付着しない材質が用いられて
いる。
【0033】記録動作について説明すると、給送ローラ
3によって分離給送されたシートSは搬送ローラ対4,
5に送り出され、次いで搬送ローラ対4,5によってプ
ラテン9上の記録開始位置まで頭出しが行なわれる。そ
して、キャリッジ10がガイドシャフト11に沿って往復移
動(主走査)させながら画像情報に基づいて記録ヘッド
8を駆動することによりシートSにインクを吐出して記
録を行なう。記録ヘッド8の移動により1行(ライン)
分の画像を記録した後、搬送ローラ対4,5の回転駆動
によりシートSを所定量(例えば次の行まで)搬送し、
再度キャリッジ10を移動させながら記録ヘッド8を駆動
させて次行の記録を行なう。以降、上記記録動作とシー
ト搬送動作を交互に繰り返してシートS全体に記録が行
なわれる。記録が終了したシートSは、排出ローラ12及
び拍車13によって挟持搬送されて装置外に排出される。
【0034】次に上記インクジェット記録装置における
モータ1から給送ローラ3及び搬送ローラ4に対する駆
動伝達機構について図2及び図3を参照して説明する。
図2及び図3において、14はモータ1から搬送ローラ4
に駆動力を伝達する搬送ローラ駆動ダブルギヤである。
15は搬送ローラ4の軸に圧入固定された搬送ギヤであ
る。上記搬送ローラ駆動ダブルギヤ14はモータ1のギヤ
1aと搬送ギヤ15に夫々噛み合っている。16は給送ロー
ラ3を含むASF(自動給送装置)に駆動を伝達するA
SF駆動ダブルギヤであり、前記搬送ローラ駆動ダブル
ギヤ14と噛み合っている。17は太陽歯車であり大小径の
異なる二段歯車が用いられている。18は逆転遊星ギヤで
あり、上記太陽歯車18のうち小径の歯車に噛み合ってそ
の周囲を公転する。19は正転遊星歯車であり、上記AS
F駆動ダブルギヤ16と噛み合い、該ASF駆動ダブルギ
ヤ16を太陽歯車として周囲を公転する。
【0035】次に各ギヤの動作について説明すると、図
2において、モータ1が矢印b方向に回転(逆転駆動)
したとき、搬送ローラ駆動ダブルギヤ14及び搬送ギヤ15
を介して搬送ローラ4はシート搬送方向と逆方向に回転
する。このとき各ギヤは図2の矢印方向に夫々回転す
る。即ち、逆転遊星歯車18は太陽歯車17の周囲を図の破
線位置より矢印方向に実線位置に向かって公転して、給
送ローラ3の軸端に設けられた欠歯部分3bを有する給
送ギヤ3aと噛み合う。これによって給送ローラ3は図
の矢印方向(圧板2に積載されたシートSを搬送ローラ
対4,5に送る方向)に回転する。
【0036】また上記モータ1の駆動が逆転遊星歯車18
に伝達されるまでには大きく減速されているので、記録
ヘッド8の回復動作のための駆動が給送ローラ3に伝達
しないように逆転遊星歯車18を公転させる角度を小さく
抑えることができる。この時正転遊星歯車19はASF駆
動ダブルギヤ16の回りを図の破線位置より矢印で示す実
線位置方向に公転し、図示しないストッパに突き当たっ
て停止しているため、給送ギヤ3aには噛み合わず、給
送ローラ3の回転に影響しない。
【0037】次に図3において、モータ1が矢印f方向
に回転(正転駆動)したとき、搬送ローラ駆動ダブルギ
ヤ14及び搬送ギヤ15を介して搬送ローラ4はシート搬送
方向に回転する。このとき各ギヤは図3の矢印方向に夫
々回転する。即ち、正転遊星歯車19はASF駆動ダブル
ギヤ16の周囲を図の破線位置より実線位置まで公転し
て、給送ローラ3の軸端に設けられた給送ギヤ3aと噛
み合う。これによって給送ローラ3は図の矢印方向(圧
板2に積載されたシートSを搬送ローラ対4,5に送る
方向)に回転する。
【0038】また上記モータ1の駆動はあまり減速され
ないで正転遊星歯車19に伝達されるので、モータ1が逆
回転から正回転に変わるとすぐに正転遊星歯車19は給送
ギヤ3aに噛み合う。この時逆転遊星歯車18は太陽歯車
17の回りを図の破線位置より矢印で示す実線位置方向に
公転し、図示しないストッパに突き当たって停止してい
るため、給送ギヤ3aには噛み合わず、給送ローラ3の
回転に影響しない。
【0039】次に図4〜図6参照して上記駆動伝達機構
によるシート搬送動作について説明する。図4に示すよ
うに、給送ローラ3は半月形状をしており、切欠面を圧
板2に向けた状態で待機している。この状態で圧板2上
にシートSをセットする。
【0040】モータ1を逆転駆動すると、前述した逆転
遊星歯車18が給送ギヤ3aに噛み合い、給送ローラ3を
矢印方向に回転させる。給送ローラ3が回転すると、最
上側のシートSは分離給送され、逆回転している搬送ロ
ーラ対4,5のニップに突き当たって整列される。上記
給送ローラ3はシートSを搬送ローラ対4,5のニップ
に突き当てるのに十分な角度だけ回転するようにし、給
送ローラ3の回動角度は給送ギヤ3aに設けた欠歯部分
3bで制御する。即ち、図5に示すように、給送ローラ
3が所定角度だけ回転した状態で停止し、最上側のシー
トSの先端が逆回転している搬送ローラ対4,5のニッ
プに突き当たった状態となる。
【0041】上記モータ1が逆転駆動から正転駆動に切
り換わると、搬送ローラ対4,5のニップに突き当たっ
ていたシートSは、搬送ローラ4の正回転により所定記
録位置まで案内される。このとき、前述したように、正
転遊星歯車19はモータ1からあまり減速してない位置で
公転するため、給送ローラ3はモータ1の回転とほとん
ど同時にシートSを送り出す方向に回転する。従って、
図6に示すように、搬送ローラ対4,5のニップに突き
当たった状態のシートSは、搬送ローラ4の回転とほと
んど同時に後ろから給送ローラ3によって押し込まれる
ので、確実に記録部の記録位置に所定量搬送されて頭出
しが行なわれる。
【0042】記録位置に搬送されたシートSは、前述し
た記録ヘッド8の主走査と搬送ローラ4の副走査を交互
に行なうことにより記録が行なわれ、記録が終了すると
排出ローラ12及び拍車13によって搬送され装置外に排出
される。
【0043】上記構成によれば、モータ1の正逆転駆動
にかかわらず給送ローラ3がシートSを送り出す方向に
回転する駆動伝達機構において、モータ1が逆転駆動す
る際に作用する逆転遊星歯車18をモータ1から大きく減
速した位置で回動させるため、記録ヘッド8の回復処理
のための駆動が給送ローラ3に伝わらないようにするた
めの正転遊星歯車19の公転角度を小さく抑えることがで
きる。
【0044】またモータ1が正転駆動する際に作用する
正転遊星歯車19をモータ1からあまり減速しない位置で
公転させるため、シートSの頭出し量を確実にすること
ができる。
【0045】〔第2実施例〕
【0046】次に前記記録装置の他例について図7及び
図8を参照して説明する。尚、インクジェット記録装置
の概略構成は前記第1実施例と同様であるため、同一部
材には同一番号を付して説明を援用し、以下特徴部分を
中心に説明する。
【0047】本実施例は、駆動伝達機構に複数の遊星歯
車のうち1を太陽歯車として回動する遊星歯車を装備し
たものである。即ち、図7及び図8において、20はモー
タ1のギヤ1aを太陽歯車として公転する正転遊星歯車
である。この正転遊星歯車20は大小径の異なる二段歯車
を有している。21は上記正転遊星歯車20のうち小径歯車
を太陽歯車として公転する逆転遊星歯車である。従っ
て、モータ1からASF側への駆動は、正転遊星歯車2
0,逆転遊星歯車21を介して給送ローラ3に伝達される
ように構成されている。尚、搬送ローラ4に対する駆動
の伝達は前記第1実施例と同様であるので説明を省略す
る。
【0048】次に各ギヤの動作について説明すると、図
7においてモータ1が矢印b方向に回転(逆転駆動)し
たとき、前記第1実施例で示したように搬送ローラ駆動
ダブルギヤ14及び搬送ギヤ15を介して搬送ローラ4はシ
ート搬送方向と逆方向に回転する(逆転)。この時正転
遊星歯車20はギヤ1aの周囲を破線位置より矢印で示す
実線位置に向かって公転し、図示しないストッパに突き
当たり、給送ギヤ3aと干渉しないのに十分かつ近い距
離で停止する。一方、逆転遊星歯車21は正転遊星歯車20
の周囲を図の破線位置より矢印で示す実線位置に向かっ
て公転し、給送ローラ3の軸端に設けられた給送ギヤ3
aと噛み合う。これによって給送ローラ3は図の矢印方
向(圧板2に積載されたシートSを搬送ローラ対4,5
に送る方向)に回転する。
【0049】また上記モータ1の駆動は逆転遊星歯車21
に伝達されるまでには大きく減速されているので、記録
ヘッド8の回復動作のための駆動が給送ローラ3に伝達
しないように逆転遊星歯車21を公転させる角度を小さく
抑えることができる。
【0050】次に図8において、モータ1が矢印f方向
に回転(正転駆動)したとき、前記第1実施例で示した
ように搬送ローラ駆動ダブルギヤ14及び搬送ギヤ15を介
して搬送ローラ4はシート搬送方向に回転する(正
転)。この時正転遊星歯車20はギヤ1aの周囲を図の破
線位置より矢印方向に実線位置に向かって公転して、小
径歯車が給送ローラ3の軸端に設けられた給送ギヤ3a
と噛み合う。これによって給送ローラ3は図の矢印方向
(圧板2に積載されたシートSを搬送ローラ対4,5に
送る方向)に回転する。
【0051】上記正転遊星歯車20はモータ1のギヤ1a
に直接噛み合っているため、モータ1が逆転駆動から正
転駆動に切り換わると、給送ローラ3は瞬時に回転す
る。これによって、搬送ローラ4が逆転から正転に切り
換わると、搬送ローラ対4,5のニップに突き当たった
シートSは記録部に搬送されるとほとんど同時に給送ロ
ーラ3によって後ろから送り出される。このため、封筒
や厚紙等でも所定の頭出し量を確保することができる。
またこの時逆転遊星歯車21は正転遊星歯車20回りを図の
矢印方向に示す実線位置へ公転し、図示しないストッパ
に突き当たって停止しているため、給送ギヤ3aには噛
み合わず、給送ローラ3の回転に影響しない。
【0052】〔第3実施例〕
【0053】次に前記記録装置の他例について図9を参
照して説明する。尚、インクジェット記録装置の概略構
成は前記第1実施例と同様であるため、同一部材には同
一番号を付して説明を援用し、以下特徴部分を中心に説
明する。
【0054】本実施例は、駆動伝達機構において、太陽
歯車と同軸に取り付けた遊星歯車の保持部を有する樹脂
部材の弾性を利用して前記遊星歯車の自転にフリクショ
ンを付与するように構成したものである。即ち、図9に
おいて、22は図示しないモータ等の駆動源から駆動を伝
達する太陽歯車であり、23は上記太陽歯車22に噛み合っ
てその周囲を公転する遊星歯車である。24は上記遊星歯
車23を保持すると共に、該遊星歯車23の側面にフリクシ
ョンを与えるプラスチック等の樹脂材よりなるアームで
ある。このアーム24は上記太陽歯車22と同軸に取り付け
られている。上記遊星歯車23のアーム24に挟まれる部分
の幅aはアーム24の遊星歯車23を挟む部分の幅bに比べ
て遊星歯車23が倒れない程度に大きく(a>b)してあ
る。これによって、遊星歯車23に程度なフリクションが
加わり、確実に太陽歯車22の周囲を公転して確実な駆動
伝達が行なわれる。
【0055】〔第4実施例〕
【0056】次に前記記録装置の他例について図10を参
照して説明する。尚、インクジェット記録装置の概略構
成は前記第1実施例と同様であるため、同一部材には同
一番号を付して説明を援用し、以下特徴部分を中心に説
明する。
【0057】本実施例は、前記第3実施例の他例であ
り、駆動伝達機構において、太陽歯車と同軸に取り付け
た樹脂材の弾性を利用して前記遊星歯車にフリクション
を付与するように構成したものである。即ち、図10
(a)において、25は図示しないモータ等の駆動源から
駆動を伝達する太陽歯車であり、26は上記太陽歯車25に
噛み合ってその周囲を公転する遊星歯車である。27は上
記遊星歯車26を保持すると共に、該遊星歯車26の側面に
フリクションを与えるプラスチック等の樹脂材よりなる
アームである。このアーム27は上記太陽歯車25と同軸に
取り付けられており、遊星歯車26の側面を両側から挟み
込む両持ち構造となっている。上記アーム27とこれに挟
まれる遊星歯車26の寸法関係は前記第3実施例と同様で
ある。上記構成によれば、遊星歯車26に確実にフリクシ
ョンを加えることが可能となり、また両持ち構造にした
ため別の歯車に噛み合う際に倒れ等が生じることはな
い。
【0058】また図10(b)において、27aバネ受けで
あり、圧縮バネ28をバネ受け27aに嵌め込んでアーム27
間に挟みこませても良い。この場合、図の矢印方向に付
勢力が働くため、アーム27に遊星歯車26を挟みこむより
に力が加わり、より確実に挟持してフリクションを付与
することができる。上記圧縮バネ28は、アーム27間で挟
持されているため、これにより設置スペースを取ること
はない。
【0059】〔第5実施例〕
【0060】次に前記記録装置の他例について図11を参
照して説明する。尚、インクジェット記録装置の概略構
成は前記第1実施例と同様であるため、同一部材には同
一番号を付して説明を援用し、以下特徴部分を中心に説
明する。
【0061】本実施例は、前記第3実施例の他例であ
り、駆動伝達機構において、太陽歯車と同軸に取り付け
た遊星歯車の保持部を有する樹脂部材の弾性を利用して
前記遊星歯車にフリクションを付与するように構成した
ものである。即ち、図11(a)において、29は図示しな
いモータ等の駆動源から駆動を伝達する太陽歯車であ
り、30は上記太陽歯車29に噛み合ってその周囲を公転す
る遊星歯車である。31は上記遊星歯車30を保持すると共
に、前記太陽歯車29との間にフリクションを与えるプラ
スチック等の樹脂部材よりなるアームである。このアー
ム31は上記太陽歯車29の側面に嵌め込まれて遊星歯車30
の側面を両側から挟み込む両持ち軸支構造となってい
る。
【0062】図11(b)に示すように、太陽歯車29の周
囲には駆動を伝達されるギヤ部29aが形成されており、
その側面にはアーム31が嵌め込まれる溝部29bが形成さ
れている。29cは回転軸に嵌め込まれる軸穴である。ま
た図11(c)に示すように、アーム31の周囲には3箇所
に突起31a,31b,31cが形成されており、該突起31
a,31b,31cは太陽歯車29の溝部29bの円周方向外壁
を受ける。上記突起のうち突起31aの半径aは、上記溝
部29bの半径bに比べて大きく(a>b)であり、その
他の突起31b,31cの半径は溝部29bの半径bと等しく
なっている。上記突起31aの内側には穴31dが形成され
ており、アーム31を太陽歯車29の溝部29bに嵌めると、
該穴31dが変形して突起31aと溝部29b間に突っ張りフ
リクションが生ずる。また上記遊星歯車30はアーム31の
両側面を挟持されるように保持される。これによって、
アーム31に確実にフリクションが加えられ、遊星歯車30
を保持した状態で太陽歯車29と共に公転させることがで
きる。
【0063】〔第6実施例〕
【0064】次に前記記録装置の他例について図12を参
照して説明する。尚、インクジェット記録装置の概略構
成は前記第1実施例と同様であるため、同一部材には同
一番号を付して説明を援用し、以下特徴部分を中心に説
明する。
【0065】本実施例は、駆動伝達機構において、遊星
歯車を歯車との噛み合い位置より全く噛み合わない欠歯
位置まで回転させるように構成したものである。即ち、
図12において、32は図示しないモータ等の駆動源から駆
動を伝達する太陽歯車であり、33は上記太陽歯車32に噛
み合ってその周囲を公転する遊星歯車である。34は給送
ローラ3に駆動を伝達する欠歯部分34aを有するピック
アップギヤである。上記太陽歯車32は図示しない駆動源
からの駆動により図の矢印方向に回転すると、遊星歯車
33は太陽歯車32の周囲を図の矢印方向に公転し、ピック
アップギヤ34に噛み合う。ピックアップギヤ34は図の矢
印方向に回転し、欠歯部分34aに遭遇すると回転が止ま
る。上記ピックアップギヤ34の欠歯部分34aはギヤ部の
内側まで切り欠かれており、該ピックアップギヤ34の欠
歯部分34aが図示した位置まで回転すると、遊星歯車33
は噛み合っていた位置33aより全く噛み合わない位置33
bまで公転する。従って、従来のように遊星歯車33の歯
とピックアップギヤ34の欠歯部分34a端部の歯どうしが
ぶつかり合って生ずるカチカチ音は発生しない。
【0066】尚、前述した各実施例では記録手段として
インクジェット記録方式を用いたが、記録信号に応じて
電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によって印加
される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利
用してインクに生ずる気泡の成長,収縮により、インク
を吐出口より吐出して記録を行うように構成すると更に
好ましい。
【0067】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第 4723129号明細書、同第 4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ま
しい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュア
ス型の何れにも適用可能であるが、特にオンデマンド型
の場合には、液体(インク)が保持されているシートや
液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信
号に一対一で対応した液体内の気泡を形成出来るので有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介
して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に優れた液体の吐出が
達成出来、より好ましい。
【0068】前記パルス形状の駆動信号としては、米国
特許第 4463359号明細書、同第 4345262号明細書に記載
されているようなものが適している。尚、前記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第 4313124号明細
書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録
を行うことが出来る。
【0069】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱
作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する
米国特許第 4558333号明細書、同第 4459600号明細書を
用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0070】また複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭
59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果
は有効である。即ち、記録ヘッドの形態がどのようなも
のであっても、本発明によれば記録を確実に効率良く行
うことが出来るようになるからである。
【0071】更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドに対しても本発明は有効に適用出来る。そのような
記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
て、その長さを満たす構成や、一体的に形成された1個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い。
【0072】加えて、前述したシリアルタイプのもので
も、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリ
ッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的
にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録
ヘッドを用いても良い。
【0073】また本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドの回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定出来るので好まし
いものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッド
に対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧
或いは吸引手段、電気熱変換タイプ或いはこれとは別の
加熱素子或いはこれらの組合せによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。
【0074】またキャリッジに搭載される記録ヘッドの
種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応
して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であって良い。即ち、例えば記録装置の記録モードとし
ては黒色等の主流色のみの記録モードでなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成する複数個の組合せによるかいずれで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも適用し得
る。
【0075】更に加えて、前述した実施例に於いてはイ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化若しくは液化するも
の、或いはインクジェット記録方式ではインク自体を30
℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘
性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般
的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであれば良い。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化
のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録シートに到達する時点で
はすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーに
よって初めて液化する性質のインクを使用する場合も適
用可能である。
【0076】このような場合のインクは、特開昭54− 5
6847号公報或いは特開昭60− 71260号公報に記載される
ような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形
物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向
するような形態としても良い。上述した各インクに対し
て最も有効なものは、前述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0077】更に、前述したインクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ
装置の形態をとるもの等であっても良い。
【0078】尚、前述した記録手段としてインクジェッ
ト記録方式を用いた例を説明したが、本発明は記録方式
はインクジェット記録方式に限定する必要はなく、他に
も熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードッ
ト記録方式等のインパクト記録方式以外の記録方式であ
っても適用し得る。またシリアル記録方式に限定する必
要もなく、所謂ライン記録方式を用いても良い。
【0079】
【発明の効果】本発明は前述したように、駆動手段の正
逆転駆動にかかわらず給送手段がシートを送り出す方向
に回転する駆動伝達機構において、前記駆動手段が逆転
駆動する際に作用する遊星歯車を前記駆動手段から大き
く減速した位置で回動させるため、記録手段の回復処理
のための駆動が前記給送手段に伝わらないようにするた
めの遊星歯車の公転角度を小さく抑えることができる。
【0080】また前記駆動手段が正転駆動する際に作用
する遊星歯車を該駆動手段からあまり減速しない位置で
公転させるため、シートの頭出し量を確実にすることが
できる。
【0081】また太陽歯車と同軸に取り付けた遊星歯車
の保持部を有する樹脂部材の弾性を利用して前記遊星歯
車の自転にフリクションを付与する場合には、遊星歯車
は確実に太陽歯車の周囲を公転して相手ギヤとの噛み合
い及び離脱の確実な駆動伝達の切り換えが行われると共
に、部品点数を削減して省スペース化を図り、装置の小
型化に寄与できる。
【0082】更に遊星歯車を欠歯歯車との噛み合い位置
より全く噛み合わない欠歯位置まで公転させることによ
り、遊星歯車の歯と噛み合う欠歯部分の端部の歯がぶつ
かり合って生ずるカチカチ音の発生を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るインクジェット記録装置の構
成を示す断面説明図である。
【図2】駆動伝達機構を示す説明図である。
【図3】駆動伝達機構を示す説明図である。
【図4】記録動作を示す説明図である。
【図5】記録動作を示す説明図である。
【図6】記録動作を示す説明図である。
【図7】第2実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図で
ある。
【図8】第2実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図で
ある。
【図9】第3実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図で
ある。
【図10】第4実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図
である。
【図11】第5実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図
である。
【図12】第6実施例に係る駆動伝達機構を示す説明図
である。
【図13】従来の駆動伝達機構を示す説明図である。
【図14】従来の駆動伝達機構を示す説明図である。
【図15】従来の駆動伝達機構を示す説明図である。
【図16】従来の駆動伝達機構を示す説明図である。
【符号の説明】
S…シート 1…モータ 1a…ギヤ 2…圧板 3…給送ローラ 3a…給送ギヤ 3b,34a…欠歯部分 4…搬送ローラ 5…ピンチローラ 6…ピンチローラガイド 7…ピンチローラバネ 8…記録ヘッド 9…プラテン 10…キャリッジ 11…ガイドシャフト 12…排出ローラ 13…拍車 14…搬送ローラ駆動ダブルギヤ 15…搬送ギヤ 16…ASF駆動ダブルギヤ 17,22,25,29,32…太陽歯車 18,21…逆転遊星歯車 19,20…正転遊星歯車 23,26,30,33…遊星歯車 24,27,31…アーム 27a…バネ受け 28…圧縮バネ 29a…ギヤ部 29b…溝部 29c…軸穴 31a,31b,31c…突起 31d…穴 34…ピックアップギヤ
フロントページの続き (72)発明者 山口 秀樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平松 壮一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 博行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 仁志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野島 隆司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮川 晃 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートを所定方向に給送する給送手段
    と、 前記給送手段によって給送されたシートを所定方向に搬
    送する搬送手段と、 前記搬送手段によって搬送されたシートに画像情報に応
    じて像を記録するための記録手段と、 前記給送手段及び搬送手段を駆動するための正逆回転可
    能な駆動手段と、 前記駆動手段より駆動力を前記給送手段及び搬送手段に
    夫々伝達するための駆動伝達手段と、を有し、 前記駆動伝達手段は、前記搬送手段の回転方向にかかわ
    らず前記給送手段を給送方向にのみ回転させるための手
    段として複数の遊星歯車を装備し、該遊星歯車が夫々前
    記駆動手段からの減速が異なる歯車を太陽歯車として公
    転することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記遊星歯車のうちのいずれかを太陽歯
    車として公転する遊星歯車を有することを特徴とする請
    求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記太陽歯車と同軸に取り付けた前記遊
    星歯車の保持部を有する樹脂部材の弾性を利用して前記
    遊星歯車の自転にフリクションを付与することを特徴と
    する請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記太陽歯車と同軸に取り付けた前記遊
    星歯車の保持部を有する樹脂部材の弾性を利用して該保
    持部材にフリクションを付与することを特徴とする請求
    項1記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記遊星歯車を欠歯歯車との噛み合い位
    置より全く噛み合わない欠歯位置まで公転させることを
    特徴とする請求項1記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    てインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式
    である請求項1記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録装置は、記録手段がインク吐出
    用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項6記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録装置は、記録手段が前記電気熱
    変換体によって印加される熱エネルギーにより、インク
    に生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させ
    ることを特徴とする請求項7記載の記録装置。
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CN101539731B (zh) * 2008-03-21 2011-08-10 旭丽电子(广州)有限公司 打印装置

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