JP2721683B2 - 化合物半導体薄膜結晶の成長方法 - Google Patents
化合物半導体薄膜結晶の成長方法Info
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- JP2721683B2 JP2721683B2 JP63211586A JP21158688A JP2721683B2 JP 2721683 B2 JP2721683 B2 JP 2721683B2 JP 63211586 A JP63211586 A JP 63211586A JP 21158688 A JP21158688 A JP 21158688A JP 2721683 B2 JP2721683 B2 JP 2721683B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は予め定められたIII−V族化合物半導体基板
結晶の表面に、互いに異なる化合物半導体薄膜結晶を平
面的に隣接させて、接合部を形成する化合物化合物半導
体薄膜結晶の成長方法並びにこの成長方法を用いた化合
物半導体装置に関する。
結晶の表面に、互いに異なる化合物半導体薄膜結晶を平
面的に隣接させて、接合部を形成する化合物化合物半導
体薄膜結晶の成長方法並びにこの成長方法を用いた化合
物半導体装置に関する。
(従来の技術) 一般に、基板結晶の表面に、縦方向に、即ち、結晶の
成長方向に、種類の異なる化合物半導体薄膜結晶を同一
の成長室内で順次成長させることは、分子線結晶成長法
あるいは有機金属熱分解成長法等により可能である。こ
れらの成長法を用いれば、 100オングストローム以下の厚さを有する化合物半導
体薄膜結晶を得ることも容易である。従って、成長方向
に、種類の異なる化合物半導体薄膜結晶を積層して、ヘ
テロ接合を形成したり、あるいは、成長方向に量子井戸
層を形成することも比較的容易である。
成長方向に、種類の異なる化合物半導体薄膜結晶を同一
の成長室内で順次成長させることは、分子線結晶成長法
あるいは有機金属熱分解成長法等により可能である。こ
れらの成長法を用いれば、 100オングストローム以下の厚さを有する化合物半導
体薄膜結晶を得ることも容易である。従って、成長方向
に、種類の異なる化合物半導体薄膜結晶を積層して、ヘ
テロ接合を形成したり、あるいは、成長方向に量子井戸
層を形成することも比較的容易である。
しかしながら、従来技術では、異なる組成の良質AlGa
As等の化合物半導体薄膜結晶を基板平面内に、並置する
ことは必ずしも容易ではない。従来技術を用いて、異な
る種類、即ち、異なる組成の化合物半導体薄膜結晶を並
置する場合、先ず、一種類の化合物半導体薄膜結晶を成
長室内で、成長させた後、成長室内から一旦取出し、成
長室外部でパターニングを施し、再び、成長室内へ導入
し、別の種類の化合物半導体薄膜結晶を成長させる手順
が採用されるのが普通である。
As等の化合物半導体薄膜結晶を基板平面内に、並置する
ことは必ずしも容易ではない。従来技術を用いて、異な
る種類、即ち、異なる組成の化合物半導体薄膜結晶を並
置する場合、先ず、一種類の化合物半導体薄膜結晶を成
長室内で、成長させた後、成長室内から一旦取出し、成
長室外部でパターニングを施し、再び、成長室内へ導入
し、別の種類の化合物半導体薄膜結晶を成長させる手順
が採用されるのが普通である。
上記手順にしたがって、異なる種類の化合物半導体薄
膜結晶を平面内に形成した場合、成長した化合物半導体
薄膜結晶は不可避的に成長室外部の大気に曝されること
になる。化合物半導体薄膜結晶が大気に曝されると、大
気中の炭素、酸素等が成長した化合物半導体薄膜結晶に
付着してしまい、その後の結晶特性に悪影響を及ぼす。
膜結晶を平面内に形成した場合、成長した化合物半導体
薄膜結晶は不可避的に成長室外部の大気に曝されること
になる。化合物半導体薄膜結晶が大気に曝されると、大
気中の炭素、酸素等が成長した化合物半導体薄膜結晶に
付着してしまい、その後の結晶特性に悪影響を及ぼす。
本発明者等は、先に提出した特願昭63−60,485号にお
いて、上記した従来技術の欠点を除去するために、互い
に異なる面方位を露出させた基板結晶を用意し、各面方
位上における元素の付着率に差が生じる温度まで、基板
結晶を加熱し、この温度雰囲気で成長すべき元素を提供
することにより、付着率の差を利用して、各面方位上に
互いに異なる種類の化合物半導体薄膜結晶を形成する化
合物化合物半導体薄膜結晶の成長方法を明らかにした。
この方法では、同一の成長室内で、複数種類の化合物半
導体薄膜結晶を成長させることができるため、汚染等の
ない良質の化合物化合物半導体薄膜結晶を生成すること
ができる。
いて、上記した従来技術の欠点を除去するために、互い
に異なる面方位を露出させた基板結晶を用意し、各面方
位上における元素の付着率に差が生じる温度まで、基板
結晶を加熱し、この温度雰囲気で成長すべき元素を提供
することにより、付着率の差を利用して、各面方位上に
互いに異なる種類の化合物半導体薄膜結晶を形成する化
合物化合物半導体薄膜結晶の成長方法を明らかにした。
この方法では、同一の成長室内で、複数種類の化合物半
導体薄膜結晶を成長させることができるため、汚染等の
ない良質の化合物化合物半導体薄膜結晶を生成すること
ができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記した方法では、通常の成長条件よ
りも高温で成長を行う必要があり、成長前に、形成され
た層に悪影響を及ぼすおそれがある。
りも高温で成長を行う必要があり、成長前に、形成され
た層に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の目的は比較的低温で生成でき、汚染のない良
質の化合物半導体薄膜結晶を成長させることができる化
合物半導体薄膜結晶の成長方法を提供することである。
質の化合物半導体薄膜結晶を成長させることができる化
合物半導体薄膜結晶の成長方法を提供することである。
本発明の他の目的は他の層にドープされた不純物等に
悪影響を与えない化合物半導体薄膜結晶の成長方法を提
供することである。
悪影響を与えない化合物半導体薄膜結晶の成長方法を提
供することである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明に係る化合物半導
体薄膜結晶の成長方法は、III−V族化合物半導体薄膜
結晶を化合物半導体基板結晶上に成長させる方法におい
て、前記基板結晶の一表面上に、予め定められた原子面
密度を有する第1の面方位及び該第1の面方位より原子
面密度の高い第2の面方位を露出させ、前記第1の面方
位の原子数に対しては過剰で、且つ、第2の面方位の原
子数に対しては同等以下となるように、少なくとも1種
類のIII族元素を供給し、前記第1及び第2の面方位上
に前記少なくとも一種類のIII族元素を付着させる工程
と、前記第1の面方位上の前記III族元素の過剰分の一
部又は全部を脱離させ、前記第1及び第2の面方位上
で、互いに異なる量のIII族元素を脱離させる工程とを
有することを特徴とする。
体薄膜結晶の成長方法は、III−V族化合物半導体薄膜
結晶を化合物半導体基板結晶上に成長させる方法におい
て、前記基板結晶の一表面上に、予め定められた原子面
密度を有する第1の面方位及び該第1の面方位より原子
面密度の高い第2の面方位を露出させ、前記第1の面方
位の原子数に対しては過剰で、且つ、第2の面方位の原
子数に対しては同等以下となるように、少なくとも1種
類のIII族元素を供給し、前記第1及び第2の面方位上
に前記少なくとも一種類のIII族元素を付着させる工程
と、前記第1の面方位上の前記III族元素の過剰分の一
部又は全部を脱離させ、前記第1及び第2の面方位上
で、互いに異なる量のIII族元素を脱離させる工程とを
有することを特徴とする。
(作用) 本発明では、異なる原子面密度を有する複数の面方位
を露出させた基板結晶を用意し、該基板結晶の原子面密
度より過剰に供給されたIII族原子が比較的小さなエネ
ルギーで脱離する特性を利用して、各面方位上に異なる
組成の化合物半導体薄膜結晶を成長させることができ
る。
を露出させた基板結晶を用意し、該基板結晶の原子面密
度より過剰に供給されたIII族原子が比較的小さなエネ
ルギーで脱離する特性を利用して、各面方位上に異なる
組成の化合物半導体薄膜結晶を成長させることができ
る。
本発明においては、互いに異なる原子面密度を有する
二つの方位面のうち、一方の方位面に対しては過剰で且
つ他方の面方位に対しては飽和量以下となるように、II
I族元素を供給する。この場合、過剰なIII族元素の原子
は低いエネルギーで脱離するため、両面方位上には、原
子数の異なるIII族元素を残存させることができる。こ
のため、過剰のIII族原子の脱離を制御すると共に、後
続の元素がIII族元素に依存してIII族原子に付着するこ
とを利用して、両面方位上に組成の異なる化合物半導体
薄膜結晶を成長させ得る。
二つの方位面のうち、一方の方位面に対しては過剰で且
つ他方の面方位に対しては飽和量以下となるように、II
I族元素を供給する。この場合、過剰なIII族元素の原子
は低いエネルギーで脱離するため、両面方位上には、原
子数の異なるIII族元素を残存させることができる。こ
のため、過剰のIII族原子の脱離を制御すると共に、後
続の元素がIII族元素に依存してIII族原子に付着するこ
とを利用して、両面方位上に組成の異なる化合物半導体
薄膜結晶を成長させ得る。
(実施例1) 第1図を参照して、本発明の一実施例に係る化合物半
導体薄膜結晶の成長方法を説明する。第1図の実施例で
は、砒化ガリウム(以下、GaAsと略す)の基板結晶10上
に、原子密度、即ち、組成の異なるAlGaAsの薄膜結晶を
エピタキシャル成長させるものとする。
導体薄膜結晶の成長方法を説明する。第1図の実施例で
は、砒化ガリウム(以下、GaAsと略す)の基板結晶10上
に、原子密度、即ち、組成の異なるAlGaAsの薄膜結晶を
エピタキシャル成長させるものとする。
この場合、先ず、GaAs基板結晶10の表面に、第1及び
第2の面方位a及びbが露出される。第1−1図におい
て、第1の面方位aはGaAs(001)面であり、第2の面
方位bはGaAs(111)B面であるものとする。このよう
に、単一の基板結晶表面に、互いに異なる面方位を形成
することは、方位面に対して、選択性を有するエッチャ
ントを用いて基板結晶10表面をエッチングすることによ
り可能である。従って、基板結晶10表面に異なる面方位
を形成する方法についてはここでは言及しない。
第2の面方位a及びbが露出される。第1−1図におい
て、第1の面方位aはGaAs(001)面であり、第2の面
方位bはGaAs(111)B面であるものとする。このよう
に、単一の基板結晶表面に、互いに異なる面方位を形成
することは、方位面に対して、選択性を有するエッチャ
ントを用いて基板結晶10表面をエッチングすることによ
り可能である。従って、基板結晶10表面に異なる面方位
を形成する方法についてはここでは言及しない。
上記した表面を有するGaAs基板結晶10は先ず試料台
(図示せず)に張付けられ、成長室(図示せず)内に導
かれる。
(図示せず)に張付けられ、成長室(図示せず)内に導
かれる。
成長室内で、基板結晶10は、600℃以上の温度で加熱
保持された状態で、砒素(As)分子線が照射される。こ
のとき、GaAs基板結晶10表面の酸化物は還元され、Asの
原子11によって形成された安定で、且つ、清浄な表面が
得られる。この場合、第1−1図に、黒丸の数によって
示されているように、第1の面方位a、即ち、(001)
面上におけるAsの原子面密度は第2の面方位b、即ち、
(111)B面上におけるAsの原子面密度より低い。この
例では、(001)面上におけるAsの原子面密度を6.3x10
14cm-2とし、(111)B面上におけるAsの原子面密度を
7.2x1014cm-2であるものとする。
保持された状態で、砒素(As)分子線が照射される。こ
のとき、GaAs基板結晶10表面の酸化物は還元され、Asの
原子11によって形成された安定で、且つ、清浄な表面が
得られる。この場合、第1−1図に、黒丸の数によって
示されているように、第1の面方位a、即ち、(001)
面上におけるAsの原子面密度は第2の面方位b、即ち、
(111)B面上におけるAsの原子面密度より低い。この
例では、(001)面上におけるAsの原子面密度を6.3x10
14cm-2とし、(111)B面上におけるAsの原子面密度を
7.2x1014cm-2であるものとする。
清浄表面を得た後、基板温度を450℃まで下げ、As分
子線を照射を停止し、成長室内に残留したAs分子を排気
する。次に、同一の成長室内で、アルミニウム(Al)分
子線を照射する、この時、Al分子線の成長基板に対する
照射角は(001)面、(111)B面ともに等しくなるよう
に設定されている。Al分子線は夫々の方位面に対して、
6.3x1014cm-2照射された後、停止される。
子線を照射を停止し、成長室内に残留したAs分子を排気
する。次に、同一の成長室内で、アルミニウム(Al)分
子線を照射する、この時、Al分子線の成長基板に対する
照射角は(001)面、(111)B面ともに等しくなるよう
に設定されている。Al分子線は夫々の方位面に対して、
6.3x1014cm-2照射された後、停止される。
第1−1図に示されているように、このAl分子線の照
射により、(001)面におけるAsの全ての格子位置はAl
原子12で覆われるが、(111)B面上には、Al原子12で
覆われずに、露出したAsの格子位置にも残されている。
射により、(001)面におけるAsの全ての格子位置はAl
原子12で覆われるが、(111)B面上には、Al原子12で
覆われずに、露出したAsの格子位置にも残されている。
続いて、第1−2図に示すように、ガリウム(Ga)分
子線がAl分子線同様、両方の面方位に対して、等しい照
射角で、9x1013cm-2だけ照射される。この照射により、
(111)B面のAsの格子位置は全てIII族元素の原子(即
ち、Al原子12,Ga原子13)によって覆われ、他方、(00
1)面では、過剰なIII族元素の原子(ここでは、Ga原子
13)がAs原子11と結合を持たずに、Al原子12上に存在し
ている。この過剰なGa原子13は通常のGaAs中からGaを脱
離させるための脱離エネルギー(4.5eV)より小さなエ
ネルギーで脱離するため、Ga分子線停止後、暫く、放置
することで、第1−2図に示されているように、その一
部を脱離させることができる。
子線がAl分子線同様、両方の面方位に対して、等しい照
射角で、9x1013cm-2だけ照射される。この照射により、
(111)B面のAsの格子位置は全てIII族元素の原子(即
ち、Al原子12,Ga原子13)によって覆われ、他方、(00
1)面では、過剰なIII族元素の原子(ここでは、Ga原子
13)がAs原子11と結合を持たずに、Al原子12上に存在し
ている。この過剰なGa原子13は通常のGaAs中からGaを脱
離させるための脱離エネルギー(4.5eV)より小さなエ
ネルギーで脱離するため、Ga分子線停止後、暫く、放置
することで、第1−2図に示されているように、その一
部を脱離させることができる。
Al原子12上の過剰なGa原子13を脱離させた後、As分子
線を照射し、再び、第1−3図に示すように、表面をAs
で安定化させる。以後、前述と同様な手順により、Al分
子線、及びGa分子線に照射工程を繰返す。この繰返し作
業により、(001)面上にはGa原子を殆ど含まない砒化
アルミニウム(AlAs)層が成長し、(111)B面上に
は、砒化ガリウムと砒化アルミニウムの混晶(AlGaAs)
層が成長するため、面方位面の境界にヘテロ接合部が形
成される。このようにして、基板結晶の平面内に、組成
の異なる化合物半導体薄膜結晶を作成できることが分
る。また、(001)面上の過剰なGa原子の脱離量を時間
的に制御することにより、アルミニウム組成を変化させ
たIII−V族化合物半導体薄膜結晶を得ることも可能で
ある。
線を照射し、再び、第1−3図に示すように、表面をAs
で安定化させる。以後、前述と同様な手順により、Al分
子線、及びGa分子線に照射工程を繰返す。この繰返し作
業により、(001)面上にはGa原子を殆ど含まない砒化
アルミニウム(AlAs)層が成長し、(111)B面上に
は、砒化ガリウムと砒化アルミニウムの混晶(AlGaAs)
層が成長するため、面方位面の境界にヘテロ接合部が形
成される。このようにして、基板結晶の平面内に、組成
の異なる化合物半導体薄膜結晶を作成できることが分
る。また、(001)面上の過剰なGa原子の脱離量を時間
的に制御することにより、アルミニウム組成を変化させ
たIII−V族化合物半導体薄膜結晶を得ることも可能で
ある。
(実施例2) 第2図を参照すると、本発明の他の実施例に係る化合
物半導体薄膜結晶の成長方法はV族の元素(ここでは、
リンP)を含む化合物半導体薄膜結晶を成長させること
ができる。この実施例で使用される基板結晶10並びに薄
膜結晶の成長条件等は第1図と同様であるものとする。
物半導体薄膜結晶の成長方法はV族の元素(ここでは、
リンP)を含む化合物半導体薄膜結晶を成長させること
ができる。この実施例で使用される基板結晶10並びに薄
膜結晶の成長条件等は第1図と同様であるものとする。
先ず、第1図の場合と同様に、(001)面a、(111)
B面bの両面を高温のAs雰囲気下で、還元処理し、As安
定化した清浄表面を得た後、基板温度を450℃まで下
げ、As分子線の供給を停止する。この状態では、基板結
晶10の各(001)面a及び(111)面b上には、As原子11
が前述した原子面密度で配置されている。
B面bの両面を高温のAs雰囲気下で、還元処理し、As安
定化した清浄表面を得た後、基板温度を450℃まで下
げ、As分子線の供給を停止する。この状態では、基板結
晶10の各(001)面a及び(111)面b上には、As原子11
が前述した原子面密度で配置されている。
次に、成長室内の残留As成分を十分排気した後、Ga分
子線を両方位面に、7.2×1014cm-2照射する。この時、
(111)B面bでは、全てのIII族格子位置がGa原子13に
よって満たされ、他方、(001)面aでは、9×1013cm
-2のGa原子13′が過剰となって、Asとの結合を持たない
まま存在する(第2−第1図)。この過剰Ga成分を適当
な時間をかけて脱離させると、各面の原子面密度に応じ
たGa原子13が付着された状態となる。
子線を両方位面に、7.2×1014cm-2照射する。この時、
(111)B面bでは、全てのIII族格子位置がGa原子13に
よって満たされ、他方、(001)面aでは、9×1013cm
-2のGa原子13′が過剰となって、Asとの結合を持たない
まま存在する(第2−第1図)。この過剰Ga成分を適当
な時間をかけて脱離させると、各面の原子面密度に応じ
たGa原子13が付着された状態となる。
脱離後、V族元素であるリン(P)分子線を同一の成
長室内で照射する。ここで、As,P等のV族元素はIII−
V族化合物半導体の表面がIII族で安定している時に
は、1に近い付着率を持つのに対し、表面がV族で安定
化している時には、付着率はほぼ0になることが知られ
ている。
長室内で照射する。ここで、As,P等のV族元素はIII−
V族化合物半導体の表面がIII族で安定している時に
は、1に近い付着率を持つのに対し、表面がV族で安定
化している時には、付着率はほぼ0になることが知られ
ている。
従って、第2図に示されているように、表面がIII族
のGa原子13で覆われている場合には、照射したPのう
ち、Ga原子13とほぼ同数のP原子14が付着し、P安定化
面を形成する(第2−2図)。このことは、(001)面
a及び、(111)B面bに、P原子14が異なる原子密度
で夫々付着されることになる。
のGa原子13で覆われている場合には、照射したPのう
ち、Ga原子13とほぼ同数のP原子14が付着し、P安定化
面を形成する(第2−2図)。このことは、(001)面
a及び、(111)B面bに、P原子14が異なる原子密度
で夫々付着されることになる。
次に、P分子線照射を停止し、成長室内の残留P分子
を排気した後、再び、Ga分子を両面方位に、7.2×1014c
m-2照射する(第2−3図)。この状態では、(001)面
のP原子14上に、第2−1図の場合と同様に、過剰のGa
原子13″が存在するが、第2−3図では、Ga原子13″の
脱離のための時間を置かず、Ga分子線の照射停止と同時
に、As分子線の照射を開始する。
を排気した後、再び、Ga分子を両面方位に、7.2×1014c
m-2照射する(第2−3図)。この状態では、(001)面
のP原子14上に、第2−1図の場合と同様に、過剰のGa
原子13″が存在するが、第2−3図では、Ga原子13″の
脱離のための時間を置かず、Ga分子線の照射停止と同時
に、As分子線の照射を開始する。
ここで、GaAs基板結晶上に、過剰なGa原子が数層分存
在するときでも、過剰Ga原子と同数程度のAs原子が取込
まれることが知られている。このことからも明らかな通
り、この実施例では、(001)面a、及び(111)B面b
に対して、第2−4図に示すように、同数のAs原子が取
込まれることが分かる。
在するときでも、過剰Ga原子と同数程度のAs原子が取込
まれることが知られている。このことからも明らかな通
り、この実施例では、(001)面a、及び(111)B面b
に対して、第2−4図に示すように、同数のAs原子が取
込まれることが分かる。
このようにして、P分子線照射前のみに、(001)面
上の過剰Ga原子を脱離させる工程を入れ、砒化ガリウム
(GaAs)、及びリン化ガリウム(GaP)を交互に成長さ
せることにより、(001)面と、(111)B面との間に、
PとAsの比の異なるGaAsP結晶を成長させることが可能
である。
上の過剰Ga原子を脱離させる工程を入れ、砒化ガリウム
(GaAs)、及びリン化ガリウム(GaP)を交互に成長さ
せることにより、(001)面と、(111)B面との間に、
PとAsの比の異なるGaAsP結晶を成長させることが可能
である。
(発明の効果) 以上述べた通り、本発明では、異なる面方位間で、供
給原子数と残存原子数との比が異なることを利用して、
平面内に異なる組成を有する化合物半導体薄膜結晶を作
成することができ、結晶成長装置の外部でパターニング
加工に伴う種々の問題を解決することができる。
給原子数と残存原子数との比が異なることを利用して、
平面内に異なる組成を有する化合物半導体薄膜結晶を作
成することができ、結晶成長装置の外部でパターニング
加工に伴う種々の問題を解決することができる。
第1図は本発明の一実施例に係るIII−V族化合物半導
体薄膜結晶の成長方法を説明するための断面模式図、第
2図は本発明の他の実施例に係るIII−V族化合物半導
体薄膜結晶の成長方法を説明するための図である。 (記号の説明) 10;砒化ガリウム基盤、11;砒素原子 12;アルミニウム原子、13;ガリウム原子 14;リン原子、a;第1の面方位 b;第2の面方位
体薄膜結晶の成長方法を説明するための断面模式図、第
2図は本発明の他の実施例に係るIII−V族化合物半導
体薄膜結晶の成長方法を説明するための図である。 (記号の説明) 10;砒化ガリウム基盤、11;砒素原子 12;アルミニウム原子、13;ガリウム原子 14;リン原子、a;第1の面方位 b;第2の面方位
Claims (5)
- 【請求項1】III−V族化合物半導体薄膜結晶を化合物
半導体基板結晶上に成長させる方法において、前記基板
結晶の一表面上に、予め定められた原子面密度を有する
第1の面方位及び該第1の面方位より原子面密度の高い
第2の面方位を露出させ、前記第1の面方位の原子数に
対しては過剰で、且つ、第2の面方位の原子数に対して
は同等以下となるように、少なくとも一種類のIII族元
素を供給し、前記第1及び第2の面方位上に前記少なく
とも一種類のIII族元素を付着させる工程と、前記第1
の面方位上の前記III族元素の過剰分の一部又は全部を
脱離させ、前記第1及び第2の面方位上で、互いに異な
る量のIII族元素を脱離させる工程とを有することを特
徴とする化合物半導体薄膜結晶の成長方法。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記第1
の面方位は(001)面であり、他方、前記第2の面方位
は(111)B面であることを特徴とする化合物半導体薄
膜結晶の成長方法。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、前記III
族元素の付着工程は、III族から選ばれた第1のIII族元
素を前記第1の面方位の原子数に対して同等又は過少
で、且つ、第2の面方位の原子数に対して過少となるよ
うに、供給した後、前記第1及び第2の面方位上の原子
数の過少分を補うと共に、第1の面方位の原子数に対し
て過剰となるように、前記第1の元素とは異なる第2の
III族元素を供給することを特徴とする化合物半導体薄
膜結晶の成長方法。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、前記III
族元素の付着工程は、III族から選ばれた元素を第1の
面方位の原子数に対して過剰となり、且つ、第2の面方
位の原子数に対して同等となるように供給することを特
徴とする化合物半導体薄膜結晶の成長方法。 - 【請求項5】特許請求の範囲第1項において、前記脱離
工程後、結晶表面に残存したIII族元素の原子数に応じ
たV族元素を付着することを特徴とする化合物半導体薄
膜結晶の成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63211586A JP2721683B2 (ja) | 1988-08-27 | 1988-08-27 | 化合物半導体薄膜結晶の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63211586A JP2721683B2 (ja) | 1988-08-27 | 1988-08-27 | 化合物半導体薄膜結晶の成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0262033A JPH0262033A (ja) | 1990-03-01 |
JP2721683B2 true JP2721683B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=16608219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63211586A Expired - Lifetime JP2721683B2 (ja) | 1988-08-27 | 1988-08-27 | 化合物半導体薄膜結晶の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2721683B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63252420A (ja) * | 1987-04-09 | 1988-10-19 | Nec Corp | 化合物半導体結晶とその製造方法 |
-
1988
- 1988-08-27 JP JP63211586A patent/JP2721683B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0262033A (ja) | 1990-03-01 |
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