JP2720617B2 - 有機非線形光学材料 - Google Patents
有機非線形光学材料Info
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- organic nonlinear
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理や光通信な
どで用いられる有機非線形光学材料に関するものであ
る。
どで用いられる有機非線形光学材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高調波発生、和周波発生、カー効果、ポ
ッケルス効果のようなさまざまな効果をうみだす非線形
光学現象を用いることにより、波長変換素子、光変調
器、光スイッチさらには、光論理ゲート・光トランジス
タ等の光コンピュータ実現のための基本素子等さまざま
な機能素子が可能となる。
ッケルス効果のようなさまざまな効果をうみだす非線形
光学現象を用いることにより、波長変換素子、光変調
器、光スイッチさらには、光論理ゲート・光トランジス
タ等の光コンピュータ実現のための基本素子等さまざま
な機能素子が可能となる。
【0003】従来、非線形光学材料は燐酸2水素カリウ
ム(KDP)・ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )・ヒ
化ガリウム(GaAs)等の無機材料及び半導体材料が
おもに開発されてきた。
ム(KDP)・ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )・ヒ
化ガリウム(GaAs)等の無機材料及び半導体材料が
おもに開発されてきた。
【0004】ところが近年、それらの材料に比べ、非線
形光学性能に優れ光応答速度が非常に速い有機材料が発
見され、以来有機材料を用いた有機非線形光学素子の開
発が活発に行われるようになった。
形光学性能に優れ光応答速度が非常に速い有機材料が発
見され、以来有機材料を用いた有機非線形光学素子の開
発が活発に行われるようになった。
【0005】このような有機非線形光学材料の例とし
て、パラニトロアニリン(pNA)、2−メチル−4−
ニトロアニリン(MNA)(ACS Symposiu
m Series 233(1983))等があげられ
る。
て、パラニトロアニリン(pNA)、2−メチル−4−
ニトロアニリン(MNA)(ACS Symposiu
m Series 233(1983))等があげられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、pNA
のような化合物は、分子としては大きな非線形性を有す
るが、結晶では分子間の双極子−双極子相互作用が大き
いため、中心対称となるため、第二次高調波発生(SH
G)を発現しない。
のような化合物は、分子としては大きな非線形性を有す
るが、結晶では分子間の双極子−双極子相互作用が大き
いため、中心対称となるため、第二次高調波発生(SH
G)を発現しない。
【0007】また、MNA等は非中心対称性の結晶を形
成し、かつ大きな非線形性を有するが、可視吸収の吸収
端が530nmにあり、半導体レーザ光を透過型で波長
変換する場合には、化合物自身による第二高調波の再吸
収による変換効率の低下や化合物劣化等が問題となる。
成し、かつ大きな非線形性を有するが、可視吸収の吸収
端が530nmにあり、半導体レーザ光を透過型で波長
変換する場合には、化合物自身による第二高調波の再吸
収による変換効率の低下や化合物劣化等が問題となる。
【0008】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、結晶レベルにおいても大きな非線形性を有し、か
つ、可視吸収が短波長側にある有機非線形光学材料を提
供することにある。
し、結晶レベルにおいても大きな非線形性を有し、か
つ、可視吸収が短波長側にある有機非線形光学材料を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、SHG活性が
大きく、室温で安定であり、短波長側の吸収端をもつ有
機化合物すなわち下記一般式(I)で示されるペンゾト
ロポロン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光
学材料である。
大きく、室温で安定であり、短波長側の吸収端をもつ有
機化合物すなわち下記一般式(I)で示されるペンゾト
ロポロン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光
学材料である。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 〜R8 は水素あるいは置換基
を示し、置換基を示す場合は、置換基の数は1個または
複数個でもよい。さらに複数個の置換基を有する場合
は、その置換基が同一でも異なっていてもよい。)
を示し、置換基を示す場合は、置換基の数は1個または
複数個でもよい。さらに複数個の置換基を有する場合
は、その置換基が同一でも異なっていてもよい。)
【0012】
本発明のベンゾトロポロン誘導体の具体例
を、下記化学式(1)〜(7)に示すが、この限りでは
ない。
を、下記化学式(1)〜(7)に示すが、この限りでは
ない。
【0013】
なお、本発明の化合物は、「大有機科学1
3・非ベンゼン系芳香環化合物・朝倉書店」等の記載方
法により、合成を行い、同定した。
3・非ベンゼン系芳香環化合物・朝倉書店」等の記載方
法により、合成を行い、同定した。
【0014】
【化4】
【0015】 また本発明は、SHG活性が大きく、室温
で安定であり、短波長側の吸収端をもつ有機化合物すな
わち下記一般式(II)で示されるトロポロン誘導体か
らなることを特徴とする有機非線形光学材料である。
で安定であり、短波長側の吸収端をもつ有機化合物すな
わち下記一般式(II)で示されるトロポロン誘導体か
らなることを特徴とする有機非線形光学材料である。
【0016】
【化5】 (式中、R11はメチル基を示す。R12〜R16は水素ある
いは置換基を示し、置換基を示す場合は、置換基の数は
1個または複数個でもよい。さらに複数個の置換基を有
する場合は、その置換基が同一でも異なっていてもよ
い。)
いは置換基を示し、置換基を示す場合は、置換基の数は
1個または複数個でもよい。さらに複数個の置換基を有
する場合は、その置換基が同一でも異なっていてもよ
い。)
【0017】 本発明のトロポロン誘導体の具体例を、下
記化学式(8)〜(13)に示すが、この限りではな
い。
記化学式(8)〜(13)に示すが、この限りではな
い。
【0018】 なお、本発明の化合物は、「大有機科学1
3・非ベンゼン系芳香環化合物・朝倉書店」等の記載方
法により、合成を行い、同定した。
3・非ベンゼン系芳香環化合物・朝倉書店」等の記載方
法により、合成を行い、同定した。
【0019】
【化6】
【0020】
【作用】本発明の化合物は、非ベンゼンπ共役系として
ベンゾトロポロン骨格あるいはトロポロン骨格を有し、
カルボニル基のα位に水酸基あるいはアルコキシ基を有
することにより、分子としての中心対称性をなくしたも
のである。
ベンゾトロポロン骨格あるいはトロポロン骨格を有し、
カルボニル基のα位に水酸基あるいはアルコキシ基を有
することにより、分子としての中心対称性をなくしたも
のである。
【0021】 さらに、電子吸引性基(ニトロ基、シアノ
基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、エステル
基、ハロゲン原子等)や電子供与性基(アミノ基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アルキル基等)等を置換基と
して化合物の任意の位置に導入することにより、分子あ
るいは結晶の安定性や光学非線形性を増大させることが
できる。
基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、エステル
基、ハロゲン原子等)や電子供与性基(アミノ基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アルキル基等)等を置換基と
して化合物の任意の位置に導入することにより、分子あ
るいは結晶の安定性や光学非線形性を増大させることが
できる。
【0022】 また、本発明による化合物は、UVカット
オフ波長が従来の材料より短波長側にあり、特に無置換
のベンゾトロポロンはUVカットオフ波長が、400n
mでありNMA(530nm)に比べ、130nmも短
く、光源として半導体レーザを用いることが充分可能で
ある。
オフ波長が従来の材料より短波長側にあり、特に無置換
のベンゾトロポロンはUVカットオフ波長が、400n
mでありNMA(530nm)に比べ、130nmも短
く、光源として半導体レーザを用いることが充分可能で
ある。
【0023】 この有機化合物は市販の有機化合物を用い
て容易に合成することが可能であり、工業的にも充分利
用が可能である。
て容易に合成することが可能であり、工業的にも充分利
用が可能である。
【0024】
【実施例】本発明の内容を実施例と共に詳細に説明す
る。
る。
【0025】 実施例1 ベンゾトロポロン誘導体のSHG強度及び、紫外−可視
光(UV)スペクトルを測定した。
光(UV)スペクトルを測定した。
【0026】 UVスペクトルは溶媒にエタノールを用い
た。
た。
【0027】 SHG強度の測定は、粉末法により行い、
光源はNd−YAGレーザを用い試料は乳鉢により、5
0μm以下に粉砕したものを用いて行った。結果を表1
に示す。表中化合物1〜7は、前記した化合物1〜7に
対応する。
光源はNd−YAGレーザを用い試料は乳鉢により、5
0μm以下に粉砕したものを用いて行った。結果を表1
に示す。表中化合物1〜7は、前記した化合物1〜7に
対応する。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 トロポロン誘導体のSHG強度及び、紫外−可視光(U
V)スペクトルを測定した。
V)スペクトルを測定した。
【0030】 UVスペクトルは溶媒にエタノールを用い
た。
た。
【0031】 SHG強度の測定は、粉末法により行い、
光源はNd−YAGレーザを用い試料は乳鉢により、5
0μm以下に粉砕したものを用いて行った。結果を表2
に示す。表中化合物8〜13は、前述の化合物8〜13
に対応する。
光源はNd−YAGレーザを用い試料は乳鉢により、5
0μm以下に粉砕したものを用いて行った。結果を表2
に示す。表中化合物8〜13は、前述の化合物8〜13
に対応する。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明により、大きな光非線形性と短波
長側の可視吸収を有し、半導体レーザの波長変換を透過
型で可能とする有機非線形光学材料を提供することがで
きる。
長側の可視吸収を有し、半導体レーザの波長変換を透過
型で可能とする有機非線形光学材料を提供することがで
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるベンゾトロ
ポロン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光学
材料。 【化1】 (式中、R1 〜R8 は水素あるいは置換基を示し、置換
基を示す場合は、置換基の数は1個または複数個でもよ
い。さらに複数個の置換基を有する場合は、その置換基
が同一でも異なっていてもよい。) - 【請求項2】 R 1 〜R 8 で表される置換基が、電子供
与性基である請求項1記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項3】 R1 〜R8 で表される置換基が、電子吸
引性基である請求項1記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項4】 下記一般式(II)で示されるトロポロ
ン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光学材
料。 【化2】 (式中、R11はメチル基を示す。R12〜R16は水素ある
いは置換基を示し、置換基を示す場合は、置換基の数は
1個または複数個でもよい。さらに複数個の置換基を有
する場合は、その置換基が同一でも異なっていてもよ
い。) - 【請求項5】 R12〜R16で表される置換基が、電子供
与性基である請求項4記載の有機非線形光学材料。 - 【請求項6】 R12〜R16で表される置換基が、電子吸
引性基である請求項4記載の有機非線形光学材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6429691A JP2720617B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 有機非線形光学材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6429691A JP2720617B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 有機非線形光学材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04330423A JPH04330423A (ja) | 1992-11-18 |
JP2720617B2 true JP2720617B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=13254141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6429691A Expired - Fee Related JP2720617B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 有機非線形光学材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2720617B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-28 JP JP6429691A patent/JP2720617B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04330423A (ja) | 1992-11-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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