JP2720314B2 - 止めリング付き座金及びその製造方法 - Google Patents

止めリング付き座金及びその製造方法

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JP2720314B2 JP25306794A JP25306794A JP2720314B2 JP 2720314 B2 JP2720314 B2 JP 2720314B2 JP 25306794 A JP25306794 A JP 25306794A JP 25306794 A JP25306794 A JP 25306794A JP 2720314 B2 JP2720314 B2 JP 2720314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は止めリング付き座金及び
その製造方法、詳しくは、ボルトの軸部もしくはナット
に設けられたボス部に装着される止めリング付き座金及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の機械器具の組み立てに用いられる
ボルトやナットなどにあっては、その締め付け力を高
め、かつ安定着座を図るために座金が用いられている。
【0003】通常、この種座金は、該座金の中央部にボ
ルトの軸部の外径よりも大径な円孔が形成され、ボルト
・ナットによる被締結物の締結時に、その都度上記座金
をボルトの軸部に挿入してボルト頭部と被締結物との間
やナットと被締結物との間に介装させて用いられてい
る。
【0004】ところが、その場合、座金はボルトの軸部
に対し軸方向に自由に移動することから、ボルトから容
易に外れ落ちる恐れがあるし、その上ボルトに対する座
金の位置や姿勢も一定せず、このため、締め付け時の作
業性が悪い問題があり、また、座金の組み付け忘れを生
ずるといった問題もあった。
【0005】この問題を解決するために、座金を予めボ
ルトの軸部に組み付けたり、或はナットのボス部に組み
付けたものがある。前者のものとしては、例えば実開平
6−30520号公報に示されているように、ボルトの
軸部基端近辺に座金を挿入した後、その挿入位置より先
端側の軸部の外周に抜止用つばを形成し、このつばとボ
ルト頭部との間に座金を封入したものが開示され、ま
た、後者のものとしては、図10に示すように、ナット
Nにおける一端部を軸方向に延長してボス部n形成する
と共に、該ボス部nの外周に座金1を装着し、ボス部n
の先端部を座金1の段付円孔1aの内周面側に拡径させ
て、該ボス部nの先端部を段付き円孔1aに係合させて
座金1をナットNのボス部nに組み付けたものが知られ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に座金をボルトの軸部やナットのボス部に組み付けたも
のでは、次のような不具合がある。
【0007】つまり、いずれのものも、ボルトの軸部ま
たはナットNのボス部nに座金を組み付けた場合、この
座金はもはや取り外し不能となるので、これらボルトや
ナットの使用目的等に応じて座金を自由に変更したり、
交換したりすることができず、汎用性に欠けるものとな
る。
【0008】また、前者のものでは、座金をボルトの軸
部に挿入した後雄ネジや抜け止め用つばの成形等のボル
トに対する加工が特別に必要であり、また、後者のもの
でも、ナットNのボス部nに座金を装着した後ボス部の
先端部を拡径して座金を係合保持する加工が特別に必要
であり、さらに、上記加工後に行われるボルト或はナッ
トNの熱処理やメッキ処理が、座金が邪魔になって良好
に行えないことがある。
【0009】そこで、本発明は、ボルトやナット側に特
別な加工を行うことなく、座金本体をボルトの軸部やナ
ットのボス部に着脱自由に組み付けることができ、かつ
該座金本体を上記軸部やボス部に対し一定の姿勢に保持
することができて、汎用性や作業性等に優れた止めリン
グ付き座金及びその製造方法を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】すなわち、本願の請求項1に係る発明(以
下、第1発明という)は、ボルトの軸部もしくはナット
に設けられたボス部に装着される止めリング付き座金に
おいて、上記ボルトの軸部もしくはナットのボス部が嵌
合される円孔の内周面に周溝が設けられた座金本体と、
上記円孔の径よりも縮径させて上記周溝内に装填され、
かつ円孔へのボルトの軸部もしくはナットのボス部の嵌
合時に拡径されることにより該軸部もしくはボス部の外
周に弾性力によって把持される弾性止めリングとで構成
したことを特徴とする。
【0012】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明の構成に加えて、座金本体
の周溝内に装填された弾性止めリングと上記周溝との寸
法関係を、ボルトの軸部もしくはナットのボス部によっ
て拡径された状態で、上記周溝の内面との間に隙間が生
じて座金本体と止めリングとが相対回転可能なように設
定したことを特徴とする。
【0013】また、請求項3に係る発明(以下、第3発
明という)は、ボルトの軸部もしくはナットのボス部が
嵌合される円孔の内周面に周溝が設けられた座金本体
と、上記周溝内に装填されて、円孔へのボルトの軸部も
しくはナットのボス部の嵌合時に拡径されることにより
該軸部もしくはボス部の外周に弾性力によって把持され
る弾性止めリングとで構成される止めリング付き座金の
製造方法として、まず、第1の圧造工程により、座金本
体の短寸円柱状の素材を、一方の面の中央部に円形凹部
とその周囲にバリ状に立ち上がる円筒壁部とを有する中
間素材に成形し、次いで第2の圧造工程により、上記中
間素材のバリ状の円筒壁部を円形凹部が覆われるように
中心側に向けて圧潰すると共に、その中央部から円形凹
部の中央部にかけて円孔を貫穿することにより、その円
孔の内周面に円形凹部の底面と圧潰された円筒壁部とで
囲まれた周溝が形成された座金本体を作成し、その後、
該座金本体の周溝内に、弾性止めリングを円孔の径より
も縮径させて装填することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0015】まず、第1発明によれば、上記座金本体の
円孔にボルトの軸部もしくはナットのボス部を嵌合する
ことにより、上記座金本体の円孔の周溝内に装填された
止めリングが上記軸部もしくはボス部により拡径され
て、該軸部もしくはボス部の所定の外周に弾性力によっ
て止めリング、つまり座金本体が把持されることにな
る。これにより、止めリングを備えた座金本体にボルト
の軸部もしくはナットのボス部を嵌合するだけの簡単な
操作で、該座金本体をボルトの軸部もしくはナットのボ
ス部の所定位置に組み付けることが可能となる。しか
も、座金本体は、上記止めリングによりボルトの軸部も
しくはナットのボス部に対する組み付け位置やその姿勢
が一定に保持されるから、ボルト・ナットにより被締結
物を締め付ける場合や取り外す場合において良好な作業
性が得られることになる。
【0016】また、上記座金本体は上記ように止めリン
グの弾性力によりボルトやナットに組み付けられるた
め、上記リングをその弾性力に抗して移動させることに
より座金本体をボルトの軸部もしくはナットのボス部か
ら取り外すことが可能である。これにより、ボルトもし
くはナットの使用目的等に応じて座金を自由に選択して
装着することが可能となる。
【0017】さらに、完成品としてのボルトの軸部もし
くはナットのボス部に座金を装着することができるか
ら、ボルトもしくはナットに予め座金を取り付けるため
の特別な加工が不要となる。その上、止めリングは座金
本体の周溝内に、弾性止めリングを円孔の径よりも縮径
させて装填するから、止めリングが周溝から不用意に外
れ落ちたりすることもなく、部品管理も容易に行える。
【0018】また、第2発明によれば、弾性止めリング
と座金本体の周溝との寸法関係が、ボルトの軸部もしく
はナットのボス部によって拡径された状態で、上記周溝
の内面との間に隙間が生じて座金本体と止めリングとが
相対回転可能なように設定されているから、締め付け時
に止めリングが被締結物への座金の着座を妨げたり、該
座金の着座後におけるボルトやナットの回転を妨げたり
することがなく、優れた締め付け性能が得られることに
なる。
【0019】また、第3発明によれば、第1の圧造工程
において、座金本体の短寸円柱状の素材を、一方の面の
中央部に円形凹部とその周囲にバリ状に立ち上がる円筒
壁部とを有する中間素材に成形する。次いで第2の圧造
工程において、上記中間素材のバリ状の円筒壁部を円形
凹部が覆われるように中心側に向けて圧潰すると共に、
その中央部から円形凹部の中央部にかけて円孔を貫穿す
るのであり、これにより、上記円孔の内周面に円形凹部
の底面と圧潰された円筒壁部とで囲まれた周溝が形成さ
れた座金本体を圧造成形機によって一貫製造することが
可能となる。その後、該座金本体の周溝内に、弾性止め
リングを円孔の径よりも縮径させて装填することによ
り、止めリングからなる位置保持手段を上記周溝に備え
た座金を製造することが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】図1,図2は、本発明の止めリング付き座
金を示すもので、この座金1は、図3,図4に示すボル
トBの軸部bもしくはナットNのボス部nが嵌合される
円孔2aの内周面に周溝2bが設けられた座金本体2
と、上記円孔2aの径よりも縮径させて上記周溝2b内
に装填され、かつ円孔2aへのボルトBの軸部bもしく
はナットNのボス部nの嵌合時に拡径されることにより
該軸部bもしくはボス部nの外周に弾性力によって把持
される弾性止めリング3とで構成されている。
【0022】上記座金本体2は、中央にボルトBの軸部
bもしくはナットNのボス部nよりも大径の円孔2aを
有する円板状とされ、該円孔2aの内周面に設ける周溝
2bの内面の径Dは、ボルトBの軸部bもしくはナット
Nのボス部nに把持された状態での止めリング3の外径
dよりも大きく、幅Sは止めリング3の幅sより大きく
形成されている。
【0023】上記止めリングは、一般的にCリングと称
されるもので、弾力性を有する材料で形成され、かつ一
箇所に切欠き部3aが設けられて拡径が可能とされたも
のである。この止めリング3の外径は、上記座金本体2
の円孔2aの径よりも大きく、円孔2aの径よりも縮径
させて周溝2b内に装填されたとき、この止めリング3
が周溝2bから不用意に外れ落ちることがない大きさと
なっている。また、止めリングの内径は、ボルト本体B
の軸部bもしくはナットNのボス部nの外径よりも小さ
く、上記円孔2aへのボルト本体Bの軸部bもしくはナ
ットNのボス部nの嵌合時に止めリング3は拡径され、
その際の縮径しようとする弾性力により、該軸部aもし
くはボス部nの外周に把持されるようになっている。さ
らに、止めリング3が周溝2b内に装填された状態で、
該リング3がボルトBの軸部bもしくはナットNのボス
部nによって拡径されたとき、図3,図4に示すよう
に、この止めリング3の拡径時の外径dよりも上記周溝
2bの内面の径Dの方が大きく、また、止めリング3の
幅sよりも上記周溝2bの幅Sの方が大きく形成されて
いることにより、止めリング3と上記周溝2bの内面と
の間に隙間が生じて止めリング3に対して座金本体2が
自由に相対回転可能となっている。
【0024】なお、本実施例では、座金本体2を後述の
圧造成形機により圧造加工したものについて説明した
が、この他、例えば、圧造成形機等により中央に円孔2
aを有する座金本体2を成形した後、上記円孔2aの内
周面に中ぐり加工機等により周溝2bを形成してもよい
ことは勿論である。
【0025】上記構成の止めリング付き座金1によれ
ば、図3に示すようにボルトBの軸部bに上記座金1を
組み付ける場合、座金本体2の円孔2aにボルトBの軸
部bを嵌合することにより、上記座金本体2の円孔2a
の周溝2b内に装填された止めリング3が上記軸部bに
より拡径されて、該軸部bの外周に止めリング3、つま
り座金本体2が止めリング3の弾性力によって把持され
ることになる。
【0026】したがって、止めリング3を備えた座金本
体2にボルトBの軸部bを嵌合するだけの簡単な操作
で、該座金本体2をボルトBの軸部bの所定位置に組み
付けることが可能となる。
【0027】また、座金本体2をボルトBの軸部bに組
み付けた場合、座金本体2は、上記止めリング3により
ボルトBの軸部bに対する組み付け位置やその姿勢が一
定に保持されるから、ボルトによる被締結物の締め付け
時や取り外し時において良好な作業性が得られることに
なるし、また、エアシュート等によるボルトBの自動搬
送に際しても、ボルトに座金1を組み付けた状態であり
ながら良好な搬送性が得られることになる。
【0028】また、上記座金本体2は上記のように止め
リング3の弾性力によりボルトBに組み付けられるた
め、止めリング3の弾性力に抗して移動させることによ
り該リング3をボルトBの軸部bから取り外すことが可
能である。これにより、ボルトBの使用目的等に応じて
座金1を自由に選択して装着することが可能となる。
【0029】さらに、完成品としてのボルトBの軸部b
に止めリング3により座金1を組み付けることができる
から、ボルトBに予め座金1を取り付けるための特別な
加工が不要となる。
【0030】その上、止めリング3は座金本体2の周溝
2b内に、弾性止めリング3を円孔2aの径よりも縮径
させて装填するから、止めリング3が周溝2bから不用
意に外れ落ちるといったこともなく、部品管理も容易に
行える。
【0031】また、図4は止めリング付き座金1をボス
部nが設けられたナットNに組み付けた状態を示すもの
で、この場合も上記したボルトBの場合と同様に、座金
本体2の円孔2aにナットNのボス部nを嵌合すること
により、上記座金本体2の円孔2aの周溝2b内に装填
された止めリング3が上記ボス部nにより拡径されて、
該ボス部nの所定の外周に止めリング3、つまり座金本
体2が止めリング3の弾性力によって把持されることに
なる。
【0032】したがって、このように止めリング付き座
金1をナットNのボス部に組み付けた場合にも、上記し
たボルトBの同様の作用効果が得られる。なお、本実施
例では、上記ナットNにボス部nを形成する場合に、図
4に示すように、ナットNの軸方向一面側で雌ネジと対
応する外周部分に段部を介して小径のボス部nを形成
し、ナットNの厚みを大きくすることなく、つまり雌ネ
ジ長さ寸法とほぼ同じ長さで座金1が組み付けられるよ
うに構成している。斯く構成すれば、ナットNに座金1
を組み付けたときの全体としての厚みHを、例えば図1
0に示す従来例のナットNに座金1を組み付けたときの
全体としての厚みhに較べて小さく抑えることができ
て、被締結部材からのナットの外方への出っ張りを抑え
ることができ、かつ、軽量化も図ることができる。
【0033】次に、図5に示すものは、上記止めリング
付き座金1を利用してスプリングワッシャWをボルトB
に仮止めするようにした場合の使用例を示すもので、座
金本体2をボルトBに嵌合するに際し、ボルトBの頭部
と座金本体2との間にスプリングワッシャWを介装し、
かつ座金本体2を、止めリング3を介してで軸部bに嵌
合することにより、スプリングワッシャWをボルトBの
頭部の内面に押し当てた状態で該ワッシャWがボルトB
の軸部b上で移動しないように仮止めしたものである。
【0034】これにより、上記座金1のボルトBへの組
み付けと同時にスプリングワッシャWのボルトBへの仮
止めが行えるから、ボルトBにスプリングワッシャWと
座金1とを装着したゆるみ止め防止の状態のもとで被締
結物を締め付けたり、取り外したりする場合の作業性を
良好ならしめることが可能となる。
【0035】さらに、図6は、本発明の他の実施例を示
す。
【0036】この実施例は、上記止めリング付き座金1
とボルトBの頭部との間に補助座金4が装着されたもの
である。そして、座金本体2と補助座金4との互いに対
接する面は、座金本体2側が凹球面とされ、また補助座
金4側が凸球面とされ、これら座金本体2と補助座金4
とが一対にて自由な角度を求められる球面座金を構成す
るようしたものである。
【0037】ここで、これらの対接面を互いに対応する
テーパー面とすれば、これら座金本体2と補助座金4と
が一対のテーパー座金を構成することになる。
【0038】したがって、この実施例に係る座金4を備
えた上記止めリング付き座金1によれば、上述した実施
例に係る上記止めリング付き座金1の作用により、組み
立て、分解時に落としたり、紛失したりすることがない
ようにボルト等に組み付けることができながら、球面座
金或はテーパー座金としての機能が作用として付加され
る。
【0039】次に、図7に基づいて、上記止めリング付
き座金の製造工程並びに該座金を圧造加工するための圧
造成形機の概略構成を説明する。
【0040】この圧造成形機11は、機台(図示せず)
の所定位置に固設されたダイブロック12を有し、該ダ
イブロック12には、複数のダイ13〜15が所定間隔
に併設されている。また、上記ダイブロック12に向か
って前進、後退するラム(図示せず)の前面には、上記
各ダイ13〜15とそれぞれ対向するように複数のパン
チ16〜18がパンチホルダー(図示せず)を介して併
設固定されており、互いに対向する各ダイ13〜15と
各パンチ16〜18とにより、第1ないし第3の圧造ス
テーション(イ)(ロ)(ハ)が固設されている。
【0041】そして、各圧造ステーション(イ)〜
(ハ)において成形された中間素材X1及びX2が、図
示しない従来周知の構成とされた素材移送用チャックに
より順次下流側の圧造ステーションに搬送されて、それ
ぞれの圧造ステーションにおいて段階的に圧造加工され
ることにより、最終的に第3圧造ステーション(ハ)
で、図1、図9に示すような円孔2aの内周に周溝2b
が設けられた座金本体2が成形されるようになってい
る。
【0042】また、上記圧造ステーション(イ)〜
(ハ)のうち、第1圧造ステーション(イ)のダイ13
とパンチ16は、前工程で所定寸法に切断された素材の
先端に面取りを施すものであって、ダイ13の成形穴の
奥部に傾斜段部13aが形成されている。
【0043】第2ステーション(ロ)のダイ14とパン
チ17、並びにダイ14の中央部に設けられた成形ピン
23は、第1圧造ステーション(イ)で成形された中間
素材X1の軸心部の一方の面における中央部に、円形凹
部2cとその周囲にバリ状に立ち上がる円筒壁部2dと
を成形し、他方の面における中央部に打抜用の凹所2e
を成形するものであって、ダイ14の中央部のピン孔1
4aに成形ピン23が摺動自在に配設されると共に、ダ
イ14の成形穴の中央部周縁に傾斜部14bが形成さ
れ、かつ,パンチ17の先端面に突出部17aが形成さ
れている。
【0044】第3圧造ステーション(ハ)のダイ15と
パンチ18,並びにダイ15の中央部に設けられた筒状
成形体24及び固定ピン25は、第2圧造ステーション
(ロ)で成形された中間素材X2の中央部を打ち抜いて
円孔2aを形成すると共に、その円孔2aの内周面に円
形凹部2eの底面と圧潰された円筒壁部2dとで囲まれ
た周溝2bを形成するものであって、ダイ15の軸孔1
5aに筒状成形体24が摺動自在に配設されると共に、
該筒状成形体24の軸心部のピン孔24aに固定ピン2
5が挿通され、かつ、パンチ18の軸心部に固定ピン2
5の挿通を許し、打ち抜き片を排出する通孔18aが形
成されている。
【0045】次に上記のような圧造成形機による止めリ
ング付き座金の製造工程を説明する。
【0046】まず、第1圧造ステーション(イ)では,
前工程で所定寸法に切断された素材が、パンチ16によ
りダイ13内に打ち込まれて、面取りが施された中間素
材X1が成形される。そして、該パンチ16の後退に伴
ってノックアウトピン19により中間素材X1はダイ1
3内より排出され、この排出された中間素材X1は反転
された上で、第2圧造ステーション(ロ)に搬送され
る。
【0047】次いで、第2ステーション(ロ)では、図
8に示すように中間素材X1がパンチ17によりダイ1
4内に打ち込まれ、中間素材X1の軸心部の一方の面の
中央部に、成形ピン23の先端により、円形凹部2cと
その周囲にバリ状に立ち上がる円筒壁部2dとが形成さ
れる一方、他方の面の中央部に上記パンチ17の突出部
17aにより打抜用の凹所2eが形成された中間素材X
2が成形される。そして、上記パンチ17の後退に伴っ
てノックアウトピン20の押し出し動作により成形ピン
23を介してダイ14内より排出され、この排出された
中間素材X2が第3圧造ステーション(ハ)における成
形ピン24の軸心前面位置に搬送される。
【0048】然る後、第3ステーション(ハ)では、パ
ンチ18により中間素材X2をダイ15内に打ち込むこ
とにより、筒状成形体24の先端面で中間素材X2のバ
リ状の円筒壁部2dを円形凹部2cが覆われるように中
心側に向けて圧潰すると共に、上記パンチ18と該パン
チ18の中空部18a内に入り込む固定ピン25とで、
中間素材X2がその外面中央部から円形凹部2cの中央
部にかけて打ち抜かれて円孔2aが形成され、これによ
り、図9に示すように円孔2aの内周面に円形凹部2e
の底面と圧潰された円筒壁部2dとで囲まれた周溝2b
が形成された座金本体2が成形されることになる。こう
して、円孔の内周面に周溝が設けられた座金本体が圧造
成形機によって一貫製造ができることになって、該座金
本体2の大量生産が可能となる。
【0049】その後、上記座金本体2は、上記パンチ1
8の後退に伴ってノックアウトピン21,22の押し出
し動作により筒状成形体24を介してダイ15内より排
出される。
【0050】そして、この排出された該座金本体2の周
溝2b内に、弾性止めリング3を円孔2aの径よりも縮
径させて装填することより上記周溝2aに止めリング3
からなる位置保持手段を組み込んだ止めリング付き座金
1を容易に、かつ安価に製造することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1発明によれ
ば、座金本体の円孔の内周面に周溝を設け、該周溝に、
円孔へのボルトの軸部もしくはナットのボス部の嵌合時
に拡径されることにより該軸部もしくはボス部の外周に
弾性力によて把持される弾性止めリングを、上記円孔の
径よりも縮径させて上記周溝内に装填したから、上記座
金本体の円孔にボルトの軸部もしくはナットのボス部を
嵌合することにより、上記座金本体の円孔の周溝内に装
填された止めリングが上記軸部もしくはボス部により拡
径されて、該軸部もしくはボス部の所定の外周に弾性力
によって止めリング、つまり、座金本体が把持されるの
であり、これにより、止めリングを備えた座金本体にボ
ルトの軸部もしくはナットのボス部を嵌合するだけの簡
単な操作で、該座金本体をボルトの軸部もしくはナット
のボス部の所定位置に組み付けることが可能となる。し
かも、座金本体は、上記止めリングによりボルトの軸部
もしくはナットのボス部に対する組み付け位置やその姿
勢が一定に保持されるから、ボルト・ナットにより被締
結物を締め付ける場合や取り外す場合において良好な作
業性が得られることになる。
【0052】また、上記座金本体は上記ように止めリン
グの弾性力によりボルトやナットに組み付けられるた
め、上記リングをその弾性力に抗して移動させることに
より座金本体をボルトの軸部もしくはナットのボス部か
ら取り外すことが可能である。これにより、ボルトやナ
ットの使用目的等に応じて座金を自由に選択して装着す
ることが可能となる。
【0053】さらに、完成品としてのボルトの軸部やナ
ットボス部に座金を装着することができるから、ボルト
やナットに予め座金を取り付けるための特別な加工が不
要となる。
【0054】その上、止めリングは座金本体の周溝内
に、弾性止めリングを円孔の径よりも縮径させて装填す
るから、止めリングが周溝から不用意に外れ落ちたり、
止めリングだけを紛失するといったこともなく、部品管
理が容易にできる。
【0055】また、第2発明によれば、弾性止めリング
と座金本体の周溝との寸法関係が、ボルトの軸部もしく
はナットのボス部によって拡径された状態で、上記周溝
の内面との間に隙間が生じて座金本体と止めリングとが
相対回転可能なように設定されているから、締め付け時
に止めリングが被締結物への座金の着座を妨げたり、該
座金の着座後におけるボルトやナットの回転を妨げたり
することがなく、優れた締め付け性能が得られることに
なる。
【0056】また、第3発明によれば、第1の圧造工程
において、座金本体の短寸円柱状の素材を、一方の面の
中央部に円形凹部とその周囲にバリ状に立ち上がる円筒
壁部とを有する中間素材に成形し、次いで第2の圧造工
程において、上記中間素材のバリ状の円筒壁部を円形凹
部が覆われるように中心側に向けて圧潰すると共に、そ
の中央部から円形凹部の中央部にかけて円孔を貫穿する
ことにより、上記円孔の内周面に円形凹部の底面と圧潰
された円筒壁部とで囲まれた周溝が形成された座金本体
を作成するようにしたから、円孔の内周面に周溝が設け
られた座金本体が圧造成形機によって一貫製造ができる
ことになって、該座金本体2の大量生産が可能となる。
また、上記座金本体の作成後には、該座金本体の周溝内
に、弾性止めリングを円孔の径よりも縮径させて装填す
ることにより、上記周溝に止めリングからなる位置保持
手段を組み込んだ座金を容易に、かつ安価に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る止めリング付き座金の縦断正面
図である。
【図2】 同一部切欠平面図である。
【図3】 同座金をボルトに装着した状態を示す説明図
である。
【図4】 同座金をナットに装着した状態を示す説明図
である。
【図5】 同座金とスプリングワッシャとをボルトに装
着した状態を示す説明図である。
【図6】 本発明の別の実施例に係る止めリング付き座
金の使用状態を示す説明図である。
【図7】 座金本体の製造行程を示す圧造成形機の要部
断面図である。
【図8】 第2中間素材の縦断面図である。
【図9】 座金本体の縦断面図である。
【図10】 従来の説明図である。
【符合の説明】
1 座金 2 座金本体 2a 円孔 2b 周溝 2c 円形凹部 2d 円筒壁部 3 弾性止めリング X2 第2中間素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−37615(JP,U) 実開 昭49−131464(JP,U) 実開 昭61−108506(JP,U) 実開 平5−89937(JP,U) 実開 昭62−149613(JP,U) 実開 昭61−79016(JP,U) 実開 昭61−29118(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルトの軸部もしくはナットに設けられ
    たボス部に装着される止めリング付き座金であって、上
    記ボルトの軸部もしくはナットのボス部が嵌合される円
    孔の内周面に周溝が設けられた座金本体と、上記円孔の
    径よりも縮径させて上記周溝内に装填され、かつ円孔へ
    のボルトの軸部もしくはナットのボス部の嵌合時に拡径
    されることにより該軸部もしくはボス部の外周に弾性力
    によって把持される弾性止めリングとで構成されている
    ことを特徴とする止めリング付き座金。
  2. 【請求項2】 座金本体の周溝内に装填された弾性止め
    リングは、ボルトの軸部もしくはナットのボス部によっ
    て拡径された状態で、上記周溝の内面との間に隙間が生
    じて座金本体と止めリングとが相対回転可能なように、
    該周溝との寸法関係が設定されていることを特徴とする
    請求項1に記載の止めリング付き座金。
  3. 【請求項3】 ボルトの軸部もしくはナットのボス部が
    嵌合される円孔の内周面に周溝が設けられた座金本体
    と、上記周溝内に装填されて、円孔へのボルトの軸部も
    しくはナットのボス部の嵌合時に拡径されることにより
    該軸部もしくはボス部の外周に弾性力によって把持され
    る弾性止めリングとで構成される止めリング付き座金の
    製造方法であって、まず、第1の圧造工程により、座金
    本体の短寸円柱状の素材を、一方の面の中央部に円形凹
    部とその周囲にバリ状に立ち上がる円筒壁部とを有する
    中間素材に成形し、次いで第2の圧造工程により、上記
    中間素材のバリ状の円筒壁部を円形凹部が覆われるよう
    に中心側に向けて圧潰すると共に、その中央部から円形
    凹部の中央部にかけて円孔を貫穿することにより、その
    円孔の内周面に円形凹部の底面と圧潰された円筒壁部と
    で囲まれた周溝が形成された座金本体を作成し、その
    後、該座金本体の周溝内に、弾性止めリングを円孔の径
    よりも縮径させて装填することを特徴とする止めリング
    付き座金の製造方法。
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