JP2720041B2 - スラリー搬送・撹拌装置 - Google Patents

スラリー搬送・撹拌装置

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JP2720041B2
JP2720041B2 JP63046452A JP4645288A JP2720041B2 JP 2720041 B2 JP2720041 B2 JP 2720041B2 JP 63046452 A JP63046452 A JP 63046452A JP 4645288 A JP4645288 A JP 4645288A JP 2720041 B2 JP2720041 B2 JP 2720041B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスラリーの搬送に用いるポンプ、バルブ、配
管部材などのスラリー搬送装置やスラリー攪拌装置など
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ポンプやバルブなどの流体搬送装置は、鋳鉄等
の金属材料や、合成樹脂、ゴムなどの材料が用いられて
きた。
例えば、ポンプやバルブでは摩耗性の大きい流体には
高クロム鋳鉄が、腐蝕性の大きい流体にはテフロンや塩
化ビニルなどの合成樹脂が、摩耗性、腐蝕性共に大きい
流体には高珪素鋳鉄やゴムライニングなどがそれぞれ用
いられてきた。
しかし、上記金属材料では、苛酷な耐摩耗性、耐蝕性
の要求に十分対応できず、また合成樹脂では耐摩耗性、
耐熱性が悪く、ゴムでは耐溶剤性、耐熱性が悪いといっ
た問題があった。
そのため近年ではアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、
窒化珪素などのセラミックスをポンプなどの流体搬送装
置に用いるようになってきた。(例えば特開昭59−1800
99号公報) 〔発明が解決しようとする課題〕 上記の如き、流体搬送装置として用いるセラミックス
のうち、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等はコストが
高いことから一般にはAl2O3含有量99.5%程度のアルミ
ナが用いられていた。
ところが、このアルミナは、耐蝕性に優れているもの
の、粒径200μm以上の比較的大きい粒子を含んだスラ
リー液に対しては特に耐摩耗性が悪いという問題点があ
った。したがって、上記アルミナをスラリー用ポンプな
どに用いた場合、耐久性が悪く、寿命が著しく短くなる
という不都合があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、Al2O3含有量が99.9重量%以上、平均結晶
粒径が3μm以下、理論密度比が95%以上、ビッカース
硬度が1800kg/mm2以上のアルミナセラミックスを用いて
スラリー搬送・攪拌装置を構成するようにしたものであ
り、低コストで、スラリーに対する耐摩耗性が特に優れ
た搬送装置や攪拌装置を提供することを目的とする。
〔実施例〕
以下、本発明のスラリー搬送・攪拌装置のさまざまな
実施例を図によって説明する。
第1図はスラリー用の遠心ポンプを示しており、スラ
リーが接するフロントカバー1、ケーシング2、インペ
ラ3、バックカバー4はいずれも、Al2O3含有量99.9重
量%以上、平均結晶粒径3μm以下、論理密度比95%以
上、ビッカース硬度1800kg/mm2以上のアルミナセラミッ
クスより形成されている。
また、第2図はスラリーを搬送する際に用いるボール
バルブを示しており、バルブ本体11、ボール12、バルブ
シート13をいずれも上記のアルミナセラミックスにより
形成しており、スラリーに対する耐摩耗性に優れたボー
ルバルブとすることができる。
さらに、第3図はスラリーを搬送するための配管部材
20を示しており、このような曲管は特に摩耗条件分がき
びしいが、上記アルミナセラミックスから形成してある
ため、長寿命とすることができる。
次に本発明実施例に係るスラリー搬送装置に用いるア
ルミナセラミックスの耐摩耗性を調べるために、以下の
実験を行った。
実験例1 第4図に示す装置を用いて、試験片31を装着したイン
ペラ32をスラリー液33中で回転させ、一定時間ごとに回
転を止めて試験片31を取り出し重量を測定して摩耗減少
量を求め、同時にスラリー液33の交換と試験片31の取付
位置の巡回を行った。
試験片31は20mm×40mm×6mmの直方体でその材質は下
記のようにさまざまなAl2O3含有量のアルミナA1〜A4、
炭化珪素SC、鋳鉄FCから成るものを用意した。また、試
験条件は以下の2通りで行った。
・試験片の材質 A1・・・Al2O3含有量99%、平均結晶粒径10〜50μmの
アルミナ A2・・・Al2O3含有量99.5%,平均結晶粒径10μmのア
ルミナ A3・・・Al2O3含有量99.9%,平均結晶粒径10〜3μm
のアルミナ A4・・・Al2O3含有量99.95%、平均結晶粒径0.2μmの
アルミナ SC・・・炭化珪素 FC・・・鋳鉄 ・試験条件 各々の材質について、試験片31の初期重量に対する摩
耗減少量の割合(摩耗減少率)をまとめた結果は第5図
(条件の場合)、第6図(条件の場合)に示す通り
である。
これらの結果よりAl2O3含有量99.9%以下のアルミナA
1〜A3は摩耗減少率が高く、鋳鉄FCよりも耐摩耗性が悪
かったのに対し、Al2O3含有量99.95%のアルミナA4は非
常に摩耗減少率が低く、他のセラミックスの中で最も耐
摩耗性の大きい炭化珪素SCよりもさらにすぐれていた。
結局、Al2O3含有量99.95%のアルミナA4はさまざまなセ
ラミックスの中でスラリーに対する耐摩耗性が特に優れ
ていることがわかる。また、さらにAl2O3含有量を高く
したアルミナ(Al2O3含有量99.99%,99.999%)につい
ても同様に優れた耐摩耗性を示した。
上記の結果から、Al2O3含有量と摩耗減少率の関係を
まとめてみたところ、第7図に示すように、Al2O3含有
量が99.9%を越えると極端に摩耗減少率が低くなること
がわかる。
実験例2 次に実験例1と同様の装置を用いて、試験片31として
Al2O3含有量99.95重量%のアルミナセラミックスで平均
結晶粒径の異なるものを用意し、前記と同様に条件、
で実験を行い摩耗減少率を調べた。
その結果、平均結晶粒径と摩耗減少率の関係を第8図
に示す通り、平均結晶粒径が3μmより小さくなると極
端に摩耗減少率が低くなり、特に平均結晶粒径が2μm
以下のものは特に優れた耐摩耗性を示した。
なお、ここで平均結晶粒径とは、アルミナセラミック
スをダイヤモンド砥石で研削し、研削キズが消えるまで
ラップ研磨を施し、リン酸によってエッチングし、1000
〜10000倍の電子顕微鏡写真にて、任意に選んだ20個の
結晶の長片を計測し、その平均値を言う。
実験例3 次にさまざまなAl2O3含有量、平均結晶粒径のアルミ
ナセラミックスによりボールを形成し、スラリー中での
摩耗量を調べる実験を行った。
第1表に示すさまざまなアルミナセラミックスにより
形成した直径15mmのボールをそれぞれ20個用意し、3lの
アルミナポット中に、アルミナ微粉研磨材(♯24)2k
g、水2lと共に上記ボールを投入し、78rpmで回転させ、
50時間後、100時間後の摩耗減少率を調べた。摩耗減少
率とは、ボールを洗浄後、重量測定をし、初期重量に対
する減少重量の割合のことである。結果は第1表に示す
通りである。
第1表より、No.1,2のものはAl2O3含有量が99.95%と
高く、平均結晶粒径も0.5μm、1.0μmと小さいことか
ら摩耗減少率が低く優れた結果を示した。
これに対し、No.3のものは平均結晶粒径が4.0μmと
大きく、またNo.4のものはAl2O3含有量が90%と低いた
め、いずれも摩耗減少率が高かった。
以上の実験例では水にアルミナ粉末を混合したものを
スラリーとして用いたが、この他に水に珪砂を混合した
スラリーを用いて上記と同じ実験を行ったところ、ほぼ
同様の結果であった。
結局これらの実験結果よりAl2O3含有量99.9%以上、
平均結晶粒径3μm以下のアルミナセラミックスは、ス
ラリーに対する耐摩耗性が特に優れていることが判っ
た。
また、一般にAl2O3含有量を高くし、平均結晶粒径を
小さくしようとするほど焼結性が悪く、嵩比重が低くな
ってしまう傾向がある。この点に関し、さらに実験を重
ねたところ、必ずしも完全に焼結しなくても耐摩耗性に
影響はなく、比重が理論密度(3.97)の95%以上あれば
十分であった。実際にAl2O3含有量99.99%や99.999%で
平均結晶粒径0.3μmのものでも、比重が理論密度の95
%以上となるように焼結可能であり、優れた耐摩耗性を
示すことが確認された。
以上示したきたアルミナセラミックスの製法は以下の
通りである。
まず、共沈法、ゾルーゲル法などにより、平均粒径0.
1μm以下の高純度アルミナ原料粉末を製造する。次に
このアルミナ原料に成形用バインダーのみを加えてプレ
ス成形を行ったり、あるいはスラリー状として鋳込み成
形を行うことによって所望の形状に成形する。この成形
体を酸化雰囲気中にて焼成温度1250℃を2時間維持して
焼成を行えばAl2O3含有量99.95%、平均結晶粒径0.5μ
m、比重3.95(理論密度の99.5%)のアルミナセラミッ
クスを製造することができる。
このとき、平均結晶粒径は焼成温度と密接な関係があ
り、焼成温度を変化させたときの平均結晶粒径は第2表
に示す通りであった。
このように焼成温度を高くするほど平均結晶粒径が大
きくなるため、平均結晶粒径を3μm以下とするために
は比較的低温で焼成を行わなければならない。
また、最終的なAl2O3含有量は、アルミナ原料粉末の
純度によって決るため、より高純度のアルミナ原料粉末
を製造すれば、Al2O3含有量をさらに高くすることがで
きる。
このようにして、製造したアルミナセラミックスは第
3表に示すように他のアルミナに比べて硬度、強度共に
大きく、特にビッカース硬度が2100kg/mm2と大きいこと
から、耐摩耗性に優れていることがわかる。
〔発明の効果〕 叙上のように、Al2O3含有量が99.9重量%以上、平均
結晶粒径が3μm以下、理論密度比が95%以上、ビッカ
ース硬度が1800kg/mm2以上のアルミナセラミックスによ
りスラリー搬送・攪拌装置を形成したことによって、低
コストで、耐蝕性が大きく、スラリーに対する耐摩耗性
が特に優れているため、耐久性に優れ長期間使用可能な
高性能のスラリー搬送・攪拌装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図はそれぞれ本発明のスラリー搬送・攪拌
装置のさまざまな実施例を示しており、第1図は遠心ポ
ンプを示す断面図、第2図はボールバルブを示す断面
図、第3図は配管部材を示す断面図である。 第4図はスラリーに対する試験片の摩耗減少量を調べる
ための装置を示す断面図である。 第5図、第6図はそれぞれ各材質ごとの試験時間と摩耗
減少率の関係を示すグラフ、第7図はアルミナ含有量と
摩耗減少率の関係を示すグラフ、第8図はアルミナの平
均結晶粒径と摩耗減少率の関係を示すグラフである。 1:フロントカバー、2:ケーシング 3:インペラ、4:バックカバー 11:バルブ本体、12:ボール 13:バルブシート、20:配管部材 31:試験片、31:インペラ 33:スラリー液

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al2O3含有量が99.5重量%以上、平均結晶
    粒径が3μm以下、理論密度比が95%以上、ビッカース
    硬度が1800kg/mm2以上のアルミナセラミックスにより、
    少なくともスラリーと接する部分を構成したことを特徴
    とするスラリー搬送・攪拌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6163567A (ja) * 1984-09-04 1986-04-01 三菱重工業株式会社 アルミナセラミツクスの製造方法
JPH03560Y2 (ja) * 1985-08-21 1991-01-10

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