JP2719190B2 - ４段及び５段コンビネーション圧延機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は４段圧延機と５段圧延機とに切り替え可能な
４段及び５段コンビネーション圧延機に係わり、特に作
業ロールを軸線方向に移動させて圧延を行う４段ロール
シフト圧延機と、小径作業ロールを使用して圧延を行う
５段小径作業ロール圧延機とに切り替え可能な４段及び
５段コンビネーション圧延機、並びにそれに用いるベン
ダー装置及びロールシフト装置、及び５段圧延機の運転
方法に関する。

〔従来の技術〕

４段及び５段コンビネーション圧延機は、被圧延材が
厚物の場合は４段圧延機に切り替え、被圧延材が薄物の
場合は小径作業ロールを使用する５段圧延機に切り替
え、１台の圧延機で厚物から薄物まで幅広い板厚の被圧
延材を圧延可能とする。このようなコンビネーション圧
延機においては、特開昭63−63503号に記載のように、
４段圧延機での圧延時は作業ロールを軸線方向に移動さ
せてロールシフト圧延を行い、ロールの寿命を延長させ
ると共に、被圧延材とロール間の接触応力変化による被
圧延材中央部の板厚精度を向上させることが行われてい
る。また、５段圧延機としての小径作業のロールの出側
に、各々加圧シリンダにて支持される多数のサポートロ
ーラを備えた水平サポートローラ装置を配置し、５段圧
延機での圧延時には、小径作業ロールの胴面をこの水平
サポートローラ装置にて支持し、小径作業ロールと中間
ロールとの間に生じるトルク接線力に起因する小径作業
ロールの水平撓みを抑制すると共に、小径作業ロールの
所望の水平撓みを付与し、被圧延材の形状制御を行って
いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の４段及び５段コンビネーション
圧延機においては、４段圧延機から５段圧延機又はその
逆の切り替え時に、ロール組立品の組み替え以外に、複
雑な構造の水平サポートローラ装置があるのでこれに係
わる部品の取り付け、取り外しが必要となり、作業量が
増大すると共に、水平サポートローラ装置の存在のため
の作業スペースに制約を受け、作業性が悪化し、切り替
えに多大なる時間を要するという問題があった。

また、４段圧延機での圧延時はロールシフト圧延を行
うことにより被圧延材の有効な形状制御が可能である
が、５段圧延機での圧延時には、被圧延材の形状制御を
水平サポートローラ装置による水平撓みで行っているた
め、水平撓みはロール胴中央部と比較してロール胴端部
が小さくなり、被圧延材の幅端部の形状制御が困難とな
る問題があった。

また、５段圧延機での圧延時においては、作業ロール
が大径、小径と相異なり、周速一致が難しいため、大径
作業ロールの１本駆動が余儀なくされている。しかしな
がら、大径作業ロールの１本駆動の場合は、作業ロール
間に隙間がある場合は上下作業ロールに大きな周速差が
発生し、被圧延材の噛み込み時のトラブル発生、圧延無
駄時間発生等の問題があった。

本発明の目的は、４段圧延機と５段圧延機の切り替え
を迅速に行うことができる４段及び５段コンビネーショ
ン圧延機、並びにそれに用いるベンダー装置及びロール
シフト装置を提供することである。

本発明の他の目的は、４段圧延機での圧延時、５段圧
延機での圧延時に係わらず、被圧延材の有効な形状制御
を行い得る４段及び５段コンビネーション圧延機、並び
にそれに用いるベンダー装置及びロールシフト装置を提
供することである。

本発明の更に他の目的は、被圧延材の噛み込み時のト
ラブルや圧延無駄時間の発生を低減できる５段圧延機の
運転方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明の第１の概念によれ
ば、上下１対の作業ロールを軸線方向に移動させるロー
ルシフト装置を備えた４段圧延機と、一方が他方より小
径である上下１対の作業ロール、上下１対の補強ロール
及び小径作業ロールと補強ロール間に支承される中間ロ
ールからなる５段圧延機とに切り替え可能な４段及び５
段コンビネーション圧延機において、４段の圧延機での
圧延時には前記上下１対の作業ロールに曲げを与え、５
段圧延機での圧延時には少なくとも前記小径作業ロール
に曲げを与える共用のベンダー装置を設けたことを特徴
とする４段及び５段コンビネーション圧延機が提供され
る。

また、本発明の第２の概念によれば、４段圧延機での
圧延時と５段圧延機での圧延時とで、それぞれ上下１対
の作業ロールの一方の軸受箱及び大径作業ロールの軸受
箱に同様に作用する第１のベンダー装置と、４段圧延機
での圧延時には上下１対の作業ロールの他方の軸受箱に
第１のベンダー装置と対称に作用し、５段圧延機での圧
延時には小径作業ロールと中間ロールに独立に作用する
第２のベンダー装置とを有することを特徴とするベンダ
ー装置が提供される。

また、本発明の第３の概念によれば、上下１対の作業
ロールの各軸受箱の各側部と圧延機ハウジングの間でロ
ール軸線方向に移動可能に配置され、ベンダー装置を内
蔵するスライドブロックと、前記スライドブロックに設
けられ、該スライドブロックを前記軸受箱に着脱可能に
連結する第１の連結装置と、前記圧延機ハウジング側に
設けられ、前記スライドブロックを該圧延機ハウジング
に着脱可能に連結する第２の連結装置と、前記スライド
ブロックに係合し、これをロール軸線方向に移動させる
移動装置とを有し、４段圧延機での圧延時は、前記第１
の連結装置によりスライドブロックを軸受箱に連結し、
かつ前記第２の連結装置によるスライドブロックと圧延
機ハウジング側との連結を解除し、このような状態で前
記移動装置を駆動してスライドブロックをロール軸線方
向に移動することにより作業ロールをロール軸線方向に
移動させ、５段圧延機での圧延時は、前記第１の連結装
置によりシフトブロックを軸受箱に連結し、かつ前記第
２連結装置によりスライドブロックを圧延機ハウジング
側に連結し、これにより作業ロールをロール軸線方向に
固定することを特徴とするロールシフト装置が提供され
る。

また、本発明の第４の概念によれば、一方が他方より
小径である上下１対の作業ロールと、上下１対の補強ロ
ールと、前記小径作業ロールと前記補強ロール間に支承
される中間ロールとからなる５段圧延機の運転方法にお
いて、被圧延材の噛み込み前は、大径及び小径作業ロー
ル、中間ロール及び補強ロールを接触状態にし、大径作
業ロール１本を回転駆動して各ロールに慣性回転を与
え、被圧延材の噛み込み直前に、大径及び小径作業ロー
ル間を開くと共に、回転駆動を受ない小径作業ロールの
慣性回転の速度減少に同調して回転するよう大径作業ロ
ールの回転駆動を制御し、被圧延材を噛み込み、通板す
ることを特徴とする５段圧延機の運転方法が提供され
る。

〔作用〕

本発明の第１、第２及び第３の概念において、４段圧
延機と５段圧延機とに共用のベンダー装置を設けること
により、４段圧延機での圧延時のみならず、５段圧延機
での圧延時にも被圧延材の形状制御をこのベンダー装置
を用いて行うことが可能となり、水平サポートローラ装
置による被圧延材の形状制御が不要となる。このため、
４段圧延機から５段圧延機又はその逆の切り替え時に
は、水平サポートローラ装置のない状態でロール組立品
のみ組み替えればよく、作業量が少なくなると共に作業
性が向上し、切り替えを迅速に行うことができる。

本発明の第１及び第３の概念において、４段圧延機で
の圧延時に作業ロールを軸線方向に移動させるロールシ
フト装置とベンダー装置を併用することにより、被圧延
材の中央部はロールシフト圧延による被圧延材とロール
間の接触応力変化により板厚精度の向上が図れ、被圧延
材の板端部付近はロールベンダー圧延による形状制御が
可能となる。加えて、ロールシフト圧延による作業ロー
ルの軸線方向移動により被圧延材の板端部と作業ロール
の接触摩耗部が分散され、ロール径方向の摩耗量が減少
し、作業ロールの寿命が延びる。

また、本発明の第１及び第３の概念においては、５段
圧延機での圧延時には、共用のベンダー装置により少な
くとも小径作業ロール、好ましくは更に大径作業ロール
及び中間ロールに曲げを付与するロールベンダー圧延を
行うことにより、小径作業ロールでの硬質薄物材の圧延
が可能になるだけでなく、被圧延材の中央部、板端部付
近を含む全般の複合形状制御能力の向上が図れる。

本発明の第４の概念においては、被圧延材の噛み込み
時に大径作業ロールと小径作業ロールが同調して回転す
るようにすることにより、被圧延材と作業ロール間のス
リップ現象が軽減され、噛み込み時のトラブル及び無駄
圧延時間発生の軽減が図れる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図〜第７図により説明
する。

第１図の左半分は、本実施例の４段及び５段コンビネ
ーション圧延機を４段圧延機に切り替えたときの状態
（以下適宜４段圧延時と言う）を示し、右半分は５段圧
延機に切り替えたときの状態（以下適宜５段圧延時と言
う）を示す。第２図は４段圧延時の作業ロール部を示
し、上半分は上作業ロールを、下半分は下作業ロールを
示す。第３図は５段圧延時の上側のロール部を示し、上
半分は中間ロールを、下半分は小径作業ロールを示す。

第１図〜第３図において、本実施例のコンビネーショ
ン圧延機を構成する部材は、４段圧延時と５段圧延時で
組み替え、交換されるロール組立品と、４段圧延時、５
段圧延時に係わらず双方共用なるロール組立品と、４段
ロールシフト圧延と５段小径作業ロール圧延を同一圧延
機にて可能ならしめる共用の部材とに大別される。

４段圧延時と５段圧延時で組み替え、交換されるロー
ル組立品としては、４段圧延時に使用される上作業ロー
ル１、下作業ロール２、及びこれらロールを各々軸支す
る上作業ロール軸受箱３、下作業ロール軸受箱４と、５
段圧延時に使用される上小径作業ロール５、下作業ロー
ル６、中間ロール７、及びこれらロールを各々軸支する
上小径作業ロール軸受箱８、下作業ロール軸受箱９、中
間ロール軸受箱10とがある。なお、５段圧延時の下作業
ロール軸受箱９は４段圧延時の下作業ロール軸受箱４と
共用可能である。

４段圧延時、５段圧延時に関わらず双方共用なるロー
ル組立品としては、上補強ロール11、下補強ロール12、
及びこれらロールを各々軸支する上補強ロール軸受箱1
3、下補強ロール軸受箱14がある。

４段ロールシフト圧延と５段小径作業ロール圧延を同
一圧延機にて可能ならしめる共用の部材としては、３本
のベンダーシリンダからなる上ベンダー装置15を内蔵
し、上作業ロール軸受箱３又は上小径作業ロール軸受箱
８の各側部を支持する１対の上スライドブロック16、３
本のベンダーシリンダ装置からなる下ベンダー装置17を
内蔵し、下作業ロール軸受箱４又は下作業ロール軸受箱
９の各側部を支持する１対のスライドブロック18、上下
スライドブロック16,18に具備され、ロール軸線方向に
直交する方向に動作し、本スライドブロックと上下作業
ロール軸受箱3,4、上小径作業ロール軸受箱８、下作業
ロール軸受箱９と着脱可能に連結するピン19、一方のハ
ウジング25Aに装着され、シフトシリンダー20、シフト
レバー21、シフトコマ22を具備するシフトブラケット2
3、同じハウジング25Aに装着され、５段圧延時の中間ロ
ール軸受箱10をハウジング25Aにクランプする中間ロー
ルクランプ24、ハウジング25A,25Bのウインド部に装着
され、８個の上下スライドブロック16,18をそれぞれ支
持するハウジングブロック26、シフトブラケット23を具
備しない側のハウジング25Bのハウジングブロック26に
設けられ、ロール軸線方向に直交する方向に動作し、ハ
ウジングブロック26とスライドブロック16,18とを着脱
可能に連結する連結ピン27が設けられている。

４段ロールシフト圧延時には、第１図及び第２図に示
すように、上作業ロール軸受箱３及び下作業ロール軸受
箱４と、上スライドブロック16及び下スライドブロック
18とを連結ピン19にて連結し、上作業ロール１、上作業
ロール軸受箱３、上スライドブロック16、並びに下作業
ロール２、下作業ロール軸受４、下スライドブロック18
をそれぞれ一体化する。上下ベンダー装置15,17は、第
４図に示すように、それぞれ押し上げ力及び押し下げ力
が上下作業ロール軸受箱3,4に作用し、上下作用ロール
1,2に曲げ力を与えている。一体化された上作業ロール
ユニット及び下作業ロールユニットは、それぞれ上下の
ハウジングブロック26に支持され、シフトブラケット23
に軸支されるシフトシリンダー20の押引動作により、シ
フトレバー21およびシフトコマ22を介しロール軸線方向
に移動され、圧延を行う。このとき、ハウジングブロッ
ク26と上下スライドブロック16,18の連結ピン27は両者
の連結を解除している。

５段圧延時には、第１図及び第３図に示すように、上
小径作業ロール軸受箱８及び下作業ロール軸受箱９と上
下スライドブロック16,18とを連結ピン19にて連結し、
上小径作業ロール５、上小径作業ロール軸受箱８、上ス
ライドブロック16、並びに下作業ロール６、下作業ロー
ル軸受９、下スライドブロック18をそれぞれ一体化し、
更にハウジングブロック26と上下スライドブロック16,1
8を連結ピン27にて連結して後者を前者に固定し、上小
径作業ロール５と下作業ロール６のロール軸線方向移動
を抑制している。これにより、上小径作業ロール５及び
下作業ロール６はロール軸線方向の力を受けても移動し
ない構造になっている。そして、中間ロール７及び中間
ロール軸受10もまた、中間ロールクランプ24の締着によ
りロール軸線方向の移動が抑制されている。このように
して、５段圧延時は全体としてロールシフト０の状態で
圧延作業を行う。

このとき上下ベンダー装置15,17は、第５図に示すよ
うに、上ベンダー装置15の少なくとも１本のベンダーシ
リンダ15Aは右上小径作業ロール軸受箱８に作用し、残
りのベンダーシリンダ15B,15Cは上中間ロール軸受箱10
に作用し、下ベンダー装置は、４段圧延時と同様に全て
のベンダーシリンダが下作業ロール軸受箱９に作用し、
上小径作業ロール作業ロール５、下作業ロール６及び中
間ロール７に曲げ力を与えている。

４段圧延機から５段圧延機への切り替え又はその逆の
切り替えは、第２図及び第３図において、上下スライド
ブロック16,18と、上下作業ロール軸受箱3,4、上小径作
業ロール軸受箱８、下作業ロール軸受箱９とと連結して
いる連結ピン19を離脱状態とし、中間ロール軸受８を固
定している中間ロールクランプ24を開放状態にし、双方
のロール組立品をロール軸線方向に抜き出し交換するこ
とでなされる。

次に、第６図及び第７図のモデル図にて４段圧延時と
５段圧延時でのベンダー装置の制御方法について説明す
る。なお、第６図及び第７図においては、軸受箱の片側
のベンダーシリンダのみを示しており、ベンダーシリン
ダの本数は実際の本数の半分になっている。第６図は４
段圧延時、第７図は５段圧延時を示す。

下ベンダー装置17は、４段圧延時、５段圧延時共に１
つの切換え弁30により同じように制御され、下作業ロー
ル2,6に曲げを与える。上ベンダー装置15は、５段圧延
時には曲げを与える対象が上小径作業ロール５と中間ロ
ール７の２本となるので、小径作業ロール５に曲げを与
えるベンダーシリンダ15A及び切換え弁31の系統と、中
間ロール７に曲げを与えるベンダーシリンダ15B,15C及
び切換え弁32の系統に分け、小径作業ロール５と中間ロ
ール７に独立して曲げを与える構成となっている。４段
圧延時には、曲げを与える対象が上作業ロール１の１本
となるので、２系統のベンダーシリンダ15A及び15B,15C
を合わせて使用し、下ベンダー装置17の出力と同じにな
るように制御する。

以上のように構成した本実施例によれば次のような効
果が得られる。

（１）上下ベンダー装置15,17がスライドブロック16,18
に内蔵されているので、４段ロールシフト圧延時、上下
ベンダー装置15,17が上下作業ロール軸受箱に追従して
移動することとなり、軸受箱にベンダー力による無理な
偏芯荷重が加わらず、軸受寿命の低下を防止できる。

（２）スライドブロック16,18と、上下作業ロール軸受
箱3,4及び小径作業ロール軸受箱８、下作業ロール軸受
箱９の連結に連結ピン19を採用したので、簡潔動作にて
連結着脱が可能となり、ロール組み替え作業の迅速化が
図れる。

（３）ハウジングブロック26とスライドブロック16,18
の固定手段として連結ピン27を採用したので、簡潔動作
にて固定着脱が可能となり、４段ロールシフト圧延と、
小径作業ロール５段圧延の切り替えを迅速に行うことが
できる。

（４）４段圧延と５段圧延の切り替えに際して、作業量
の増大及び作業スペースの制約となる水平サポートロー
ラ装置が存在しないので、切り替えを迅速に行うことが
できる。

（５）４段圧延時にロールシフトとロールベンダーを併
用して圧延を行うので、被圧延材の中央部はロールシフ
ト圧延による被圧延材とロール間の接触応力変化により
板厚精度の向上が図れ、被圧延材の板端部付近はロール
ベンダー圧延による形状制御が可能となり、効果的な形
状制御が可能となる。

（６）４段圧延時にロールシフト圧延を行うので、作業
ロールの軸線方向移動により被圧延材の板端部と作業ロ
ールの接触摩擦部が分散され、ロール径方向の摩耗量が
減少し、作業ロールの寿命が延び、比較的厚物の大量生
産化が図れる。

（７）５段圧延時に上ベンダー装置15及び下ベンダー装
置17により、小径作業ロール５、大径作業ロール６及び
中間ロール７に曲げを付与するロールベンダー圧延を行
うので、小径作業ロールでの硬質薄物材の圧延が可能に
なるだけでなく、被圧延材の中央部、板端部付近を含む
全般の複合形状制御能力の向上が図れる。

（８）上ベンダー装置15に、スライドブロック１個当り
３本のベンダーシリンダ15A,15B,15Cを採用したので、
５段圧延時において中央のシリンダ15Aを小径作業ロー
ル５のベンダーとして、両側のシリンダ15B,15Cを中間
ロール７のベンダーとして使用することができ、小径作
業ロール軸受箱８及び中間ロール軸受箱10のそれぞれの
中心に押し上げ力が安定して働き、各ロール曲げによる
板形状制御が良好となる。

本発明の他の実施例を第８図及び第９図により説明す
る。図中、第１図及び第３図に示す部材と同等の部材に
は同じ符号を付している。

以上の実施例は、４段ロールシフト圧延機と小径作業
ロール５段圧延機を切り替えるコンビネーション圧延機
について述べてきたが、４段圧延時のロールシフト圧延
によるロール寿命の延長、高生産性及び形状制御を論じ
ないのであれば、ロールシフトなしの４段圧延機と、ベ
ンダー装置付きの小径作業ロール５段圧延機とで切替え
るコンビネーション圧延機とすることもできる。

即ち、第８図及び第９図において、本実施例のコンビ
ネーション圧延機は前述の実施例におけるロールシフト
装置、スライドブロック、連結ピン等を除いた形態とな
っており、上下作業ロール軸受箱3,4、小径作業ロール
軸受箱８及び大径作業ロール軸受箱９は直接ハウジング
ブロック40に支持されている。

本実施例によれば、安価、簡便にて、４段圧延機と５
段圧延機の切り替えができ、ベンダー装置付きの小径作
業ロール５段圧延機による硬質薄物の高品質圧延が可能
となる効果がある。

次に、小径作業ロール５段圧延において、被圧延材の
噛み込み時の運転方法の実施例を第10〜12図にて説明す
る。

小径作業ロール５段圧延は、上作業ロールと下作業ロ
ールの回転数が異なることから、下作業ロール１本駆動
を行なうことが余儀なくされるが、上小径作業ロール５
と下作業ロール６間にロールギャップを設ける場合は、
小径作業ロール５、中間ロール７、及び上補強ロール11
に回転伝達がなされず、上下ロール間が異速状態とな
り、噛込み不具合の可能性が高くなる。そこで被圧延材
の噛み込み前の上ロール群の回転駆動に工夫をしたのが
本実施例である。

第10図は、被圧延材28の噛み込み直前までロール群接
触にて回転運動を与えておき、被圧延材噛み込み時にク
イックオープンさせるもので、この時の上ロール群と、
下ロール群の経過時間とロール周速の関係を第11図に示
す。上ロール群は、噛み込み時よりto前のクイックオー
プンと同時にロール周速が減少する。そこで、この周速
の減少に下作業ロール駆動周速を同調させ、to後の被圧
延材噛み込み時に上下ロール群とも同一周速として圧延
するものである。

以上の実施例によれば、上ロール群に回転運動を良好
に与えることができ、被圧延材噛み込み不具合、無駄圧
延の防止ができる効果がある。

〔発明の効果〕

本発明の第１、第２及び第３の概念によれば、４段圧
延機と５段圧延機の切り替えを迅速に行うことができ、
生産性を向上できる。

本発明の第１及び第３の概念によれば、被圧延材が厚
物、薄物に係わらず有効な形状制御が可能であり、高能
率圧延、高品質圧延を行うことができる。

本発明の第１、第２及び第３の概念によれば、被圧延
材が薄物であってもその幅端部も含め有効な形状制御が
可能となり、薄物の高品質圧延を行うことができる。

本発明の第４の概念によれば、被圧延材の噛み込み時
のトラブルや圧延無駄時間の発生を低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による４段及び５段コンビネ
ーション圧延機の要部の縦断面図であり、第２図は第１
図のII−II線に沿った断面図であり、第３図は第１図の
III−III線に沿った断面図であり、第４図は第１図のIV
−IV線に沿った断面図であり、第５図は第１図のＶ−Ｖ
線に沿った断面図であり、第６図は上ベンダー装置及び
下ベンダー装置の４段圧延時における制御モードを示す
モデル図であり、第７図は上ベンダー装置及び下ベンダ
ー装置の５段圧延時における制御モードを示すモデル図
であり、第８図は本発明の他の実施例による４段及び５
段コンビネーション圧延機の要部の縦断面図であり、第
９図は第８図のIX−IXに沿った断面図であり、第10図は
本発明の一実施例による５段圧延機の運転方法を示す説
明図であり、第11図はその運転方法における時間とロー
ル周速の関係を示す図である。 符号の説明 1,2……上下作業ロール 3,4,8〜10,13,14……軸受箱 ５……小径作業ロール ６……下作業ロール ７……中間ロール 11,12……上下補強ロール 15……上ベンダー装置（第２のベンダー装置） 17……下ベンダー装置（第１のベンダー装置） 16,18……上下スライドブロック 19……連結ピン（第１の連結装置） 20……シフトシリンダ（移動装置） 25A,25B……ハウジング 27……連結ピン（第２の連結装置）

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下１対の作業ロールを軸線方向に移動さ
   せるロールシフト装置を備えた４段圧延機と、一方が他
   方より小径である上下１対の作業ロール、上下１対の補
   強ロール及び小径作業ロールと補強ロール間に支承され
   る中間ロールからなる５段圧延機とに切り替え可能な４
   段及び５段コンビネーション圧延機において、 ４段圧延機での圧延時には前記上下１対の作業ロールに
   曲げを与え、５段圧延機での圧延時には少なくとも前記
   小径作業ロールに曲げを与える共用のベンダー装置を設
   けたことを特徴とする４段及び５段コンビネーション圧
   延機。
2. 【請求項２】請求項１記載の４段及び５段コンビネーシ
   ョン圧延機において、前記ベンダー装置は、４段圧延機
   での圧延時と５段圧延機での圧延時とで、それぞれ前記
   上下１対の作業ロールの一方の軸受箱及び前記大径作業
   ロールの軸受箱に同様に作用する第１のベンダー装置
   と、４段圧延機での圧延時には前記上下１対の作業ロー
   ルの他方の軸受箱に前記第１のベンダー装置と対称に作
   用し、５段圧延機での圧延時には前記小径作業ロールと
   中間ロールに独立に作用する第２のベンダー装置とから
   なることを特徴とする４段及び５段コンビネーション圧
   延機。
3. 【請求項３】請求項１記載の４段及び５段コンビネーシ
   ョン圧延機において、前記ロールシフト装置は、前記上
   下１対の作業ロールの各軸受箱の各側部と圧延機ハウジ
   ングの間でロール軸線方向に移動可能に配置され、前記
   ベンダー装置を構成するベンダー力発生手段を内蔵する
   スライドブロックと、前記スライドブロックに設けら
   れ、該スライドブロックを前記軸受箱に着脱可能に連結
   する第１の連結装置と、前記圧延機ハウジング側に設け
   られ、前記スライドブロックを該圧延機ハウジングに着
   脱可能に連結する第２の連結装置と、前記スライドブロ
   ックに係合し、これをロール軸線方向に移動させる移動
   装置とを有し、４段圧延機での圧延時は、前記第１の連
   結装置によりスライドブロックを軸受箱に連結し、かつ
   前記第２の連結装置によるスライドブロックと圧延機ハ
   ウジング側との連結を解除し、このような状態で前記移
   動装置を駆動してスライドブロックをロール軸線方向に
   移動することにより作業ロールをロール軸線方向に移動
   して圧延を行い、５段圧延機での圧延時は、前記第１の
   連結装置によりシフトブロックを軸受箱に連結し、かつ
   前記第２の連結装置によりスライドブロックを圧延機ハ
   ウジング側に連結し、これにより作業ロールをロール軸
   線方向に固定して圧延を行うことを特徴とする４段及び
   ５段コンビネーション圧延機。
4. 【請求項４】ほぼ同径の上下１対の作業ロール及び上下
   １対の補強ロールを備えた４段圧延機と、一方が他方よ
   り小径である上下１対の作業ロール、上下１対の補強ロ
   ール及び小径作業ロールと補強ロール間に支承される中
   間ロールを備えた５段圧延機とに切り替え可能な４段及
   び５段コンビネーション圧延機に用いるベンダー装置に
   おいて、 ４段圧延機での圧延時と５段圧延機での圧延時とで、そ
   れぞれ前記上下１対の作業ロールの一方の軸受箱及び前
   記大径作業ロールの軸受箱に同様に作用する第１のベン
   ダー装置と、４段圧延機での圧延時には前記上下１対の
   作業ロールの他方の軸受箱に前記第１のベンダー装置と
   対称に作用し、５段圧延機での圧延時には前記小径作業
   ロールと中間ロールに独立に作用する第２のベンダー装
   置とを有することを特徴とするベンダー装置。
5. 【請求項５】上下１対の作業ロールを軸線方向に移動さ
   せてロールシフト圧延を行う４段圧延機と、一方が他方
   より小径である上下１対の作業ロール、上下１対の補強
   ロール及び小径作業ロールと補強ロール間に支承される
   中間ロールからなる５段圧延機とに切り替え可能な４段
   及び５段コンビネーション圧延機に用いるロールシフト
   装置において、 前記上下１対の作業ロールの各軸受箱の各側部と圧延機
   ハウジングの間でロール軸線方向に移動可能に配置さ
   れ、ベンダー装置を内蔵するスライドブロックと、前記
   スライドブロックに設けられ、該スライドブロックを前
   記軸受箱に着脱可能に連結する第１の連結装置と、前記
   圧延機ハウジング側に設けられ、前記スライドブロック
   を該圧延機ハウジングに着脱可能に連結する第２の連結
   装置と、前記スライドブロックに係合し、これをロール
   軸線方向に移動させる移動装置とを有し、４段圧延機で
   の圧延時は、前記第１の連結装置によりスライドブロッ
   クを軸受箱に連結し、かつ前記第２の連結装置によるス
   ライドブロックと圧延機ハウジング側との連結を解除
   し、このような状態で前記移動装置を駆動してスライド
   ブロックをロール軸線方向に移動することにより作業ロ
   ールをロール軸線方向に移動させ、５段圧延機での圧延
   時は、前記第１の連結装置によりシフトブロックを軸受
   箱に連結し、かつ前記第２の連結装置によりスライドブ
   ロックを圧延機ハウジング側に連結し、これにより作業
   ロールをロール軸線方向に固定することを特徴とするロ
   ールシフト装置。
6. 【請求項６】一方が他方より小径である上下１対の作業
   ロールと、上下１対の補強ロールと、前記小径作業ロー
   ルと前記補強ロール間に支承される中間ロールとからな
   る５段圧延機の運転方法において、 被圧延材の噛み込み前は、前記大径及び小径作業ロー
   ル、前記中間ロール及び前記補強ロールを接触状態に
   し、大径作業ロール１本を回転駆動して各ロールに慣性
   回転を与え、被圧延材の噛み込み直前に、前記大径及び
   小径作業ロール間を開くと共に、回転駆動を受ない小径
   作業ロールの慣性回転の速度減少に同調して回転するよ
   う大径作業ロールの回転駆動を制御し、被圧延材を噛み
   込み、通板することを特徴とする５段圧延機の運転方
   法。