JP2718403B2 - 磁性焼鈍後の鉄損の低い無方向性電磁鋼板 - Google Patents

磁性焼鈍後の鉄損の低い無方向性電磁鋼板

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JP2718403B2
JP2718403B2 JP7293986A JP29398695A JP2718403B2 JP 2718403 B2 JP2718403 B2 JP 2718403B2 JP 7293986 A JP7293986 A JP 7293986A JP 29398695 A JP29398695 A JP 29398695A JP 2718403 B2 JP2718403 B2 JP 2718403B2
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昭 日裏
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性焼鈍後の鉄損
の低い無方向性電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板は、その製造方法によ
りフルプロセス材とセミプロセス材に分けられる。この
うち、フルプロセス材は鉄鋼メーカー側の仕上焼鈍によ
り所定の磁気特性を得るものであり、これに対してセミ
プロセス材は、需要者側において打ち抜き加工後に歪取
りを行うことによって所定の磁気特性を得るものであ
る。
【0003】セミプロセス材においては、歪取り焼鈍時
に加工歪の除去と同時に結晶粒も成長することから、よ
り一層の鉄損の低減が可能となる。このため、歪取り焼
鈍は、磁性焼鈍とも呼ばれている。
【0004】この磁性焼鈍時の粒成長性を良好にするた
めには、鋼板中の介在物、析出物量を低減することが効
果的であり、このため、これまで介在物、析出物を無害
化することが試みられている。
【0005】例えば、特開平3−249115号公報に
は、鋼中のMnを適量にすることによりMnSを凝集粗
大化し無害化する技術が開示されている。また、特開昭
62−199720号公報には、スラブ加熱温度を11
50℃以下とすることにより、MnSの再固溶およびそ
れに続く微細析出を防止する技術が開示されている。さ
らに、特公昭56−33451号公報には、スラブを特
定温度に保持することによりAlNを凝集粗大化する技
術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の電気
機器の省エネルギー化に伴ない、磁性焼鈍後の鉄損がよ
り低い電磁鋼板が求められている。このような要求に対
し、従来のMnSおよびAlNの粗大化を図った電磁鋼
板では磁性焼鈍時に十分に粒成長させることができな
い。そのため、より一層粒成長性の優れた電磁鋼板が要
求されるようになってきている。
【0007】このような観点から、特開平3−2041
3号公報には、V:0.01%以下、N:0.005%
以下とすることにより鉄損の低減を図った電磁鋼板が開
示されている。しかし、この公報における電磁鋼板にお
いても、鉄損は未だ満足できるものではない。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、磁性焼鈍後の鉄損が十分に低い無方向性鋼板
を提供することを目的とする。
【0009】
【発明が解決しようとする手段】上記課題を解決するた
めに、本発明者らは、磁性焼鈍後の鉄損に及ぼすVおよ
びNの影響をさらに詳細に調査した。その結果、前述の
特開平3−20413号公報では、その図1に示すV−
N溶解度曲線より下方において優れた磁気特性が得られ
るとしているが、実際にはそこで規定されている溶解度
ではVNが完全に溶解しないため十分な磁気特性が得ら
れず、したがって、V,Nをより低い量にコントロール
する必要があることを知見した。さらに、V,Nをより
低い特定の量以下にコントロールすることにより、画期
的に鉄損が低減することを知見した。
【0010】本発明は、本発明者らのこのような知見に
基づいてなされたものであり、重量%で、C:0.00
5%以下、Si:1.0%以下、Al:0.004%以
下、P:0.05〜0.2%、Mn:0.05〜0.8
%、S:0.010%以下を含み、VとNとの含有量が
重量%で以下の式を満たすことを特徴とする磁性焼鈍後
の鉄損の低い無方向性電磁鋼板を提供するものである。
【0011】 log{V(%)・N(%)}≦−5.32 本発明はまた、重量%で、C:0.005%以下、S
i:1.0%以下、Al:0.004%以下、P:0.
05〜0.2%、Mn:0.05〜0.8%、S:0.
010%以下を含み、VとNとの含有量が重量%で以下
の式を満たすことを特徴とする磁性焼鈍後の鉄損の低い
無方向性電磁鋼板を提供するものである。
【0012】 log{V(%)・N(%)}≦−5.52
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実験結果に基づい
て詳細に説明する。
【0014】鉄損に及ぼすV、Nの影響を調査するた
め、重量%で、C:0.0030%、Si:0.30
%、Mn:0.30%、P:0.100%、Al:t
r.、S:0.002%とし、V、N量を種々変化させ
た鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続き、
この熱延板を板厚0.5mmまで冷間圧延し、720℃
で1分間の仕上焼鈍を施し、さらに750℃で2時間の
磁性焼鈍を行った。図1はこのようにして得られたサン
プルのV、Nの重量%と磁性焼鈍後の鉄損W15/50 との
関係を示したものである。ここで、磁気特性は25cm
エプスタイン試験片を用いて測定した。
【0015】図中の実線はlog{V(%)・N
(%)}=−5.32、log{V(%)・N(%)}
=−5.52であり、図1より、log{V(%)・N
(%)}≦−5.32の場合に、鉄損W15/50 は4.4
W/kgとなり、さらにlog{V(%)・N(%)}
≦−5.52の場合に、鉄損W15/50 は4.0W/kg
となり鉄損が大幅に低下することがわかる。
【0016】次に、重量%で、C:0.0025%、S
i:0.10%、Mn:0.50%、P:0.100
%、Al:tr.、S:0.002%、N:0.003
0%、およびC:0.0030%、Si:0.30%、
Mn:0.30%、P:0.100%、Al:tr.、
S:0.002%、N:0.0020%とし、V量を種
々変えた鋼を溶解し、熱延後、酸洗し、熱延板焼鈍を施
すことなく板厚0.5mmまで冷間圧延を行った。引き
続き、0.1%Si鋼については700℃で1分間、
0.3%Si鋼については720℃で1分間の仕上焼鈍
を施し、さらに、いずれのサンプルにも750℃で2時
間の磁性焼鈍を施した。
【0017】図2は、このようにして得られたサンプル
のlog{V(%)・N(%)}と磁性焼鈍後の鉄損W
15/50 との関係を示す図である。
【0018】図2に示すように、log{V(%)・N
(%)}=−5.32において鉄損が急激に変化してお
り、log{V(%)・N(%)}≦−5.32の場合
に低い鉄損が得られる。例えば、0.3%Si鋼におい
ては、W15/50 =4.4W/kg以下の低鉄損材を得る
ことが可能となる。さらに、log{V(%)・N
(%)}≦−5.52の場合には極めて低い鉄損が得ら
れる。これは、従来の同一Si量の電磁鋼板においては
熱延板焼鈍を施すことなしには得ることができなかった
値である。
【0019】この理由については必ずしも明らかではな
いが、以下のように推定される。すなわち、750℃に
おいてlog{V(%)・N(%)}>−5.32では
VNが鋼中に溶解するものの不完全であり、一部VNと
して析出したままである。このため、V,Nをコントロ
ールしていない従来材に比べ鉄損は低下するものの、十
分な値とはいえない。一方、log{V(%)・N
(%)}≦−5.32とした場合には鋼中にV、Nが完
全に溶解するため粒成長性が非常に良好となり、鉄損が
急激に低下したものと考えられる。
【0020】以上のような実験結果に基づき、本発明で
はVとNとの含有量を重量%でlog{V(%)・N
(%)}≦−5.32、より好ましくはlog{V
(%)・N(%)}≦−5.52を満足することとし
た。
【0021】ただし、Vが0.006%を超えると、上
記関係式を満たす場合でも、窒化物以外の例えば炭化物
等を形成し、粒成長性を阻害するため0.006%以下
が好ましい。
【0022】また、Nが0.004%を超えると、上記
関係式を満たす場合でもV以外の元素と窒化物を形成す
るため、0.004%以下が好ましい。
【0023】次に、その他の成分の限定理由について説
明する。
【0024】Siは、脱酸のために必要最小限入れる必
要があるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に
伴ない磁束密度が低下するため、その上限を1.0%と
する。
【0025】Alは、微量に添加した場合に微細なAl
Nを形成し、磁気特性を阻害するため、そのようなおそ
れのない0.004%以下とし、0%を含むものとす
る。
【0026】Cは、磁気時効の問題があるため、0.0
05%以下とし、0を含むものとする。
【0027】Mnは、熱間圧延時の赤熱脆性を防止する
ために、0.05%以上必要であるが、0.8%を超え
ると磁束密度を低下させるので、0.05〜0.8%と
する。
【0028】Pは、鋼板の打ち抜き性を改善するために
必要な元素であるため0.05%以上必要であるが、
0.2%を超えて添加すると鋼板が脆化する。したがっ
てP含有量を0.05〜0.2%の範囲とする。
【0029】Sは、微細なMnS等を形成し、粒成長性
を低下させる。このため、0.01%以下、好ましくは
0.001%以下とする。
【0030】なお、Sb,Sn、B、Zrを磁気特性向
上のために添加することは何等差し支えない。
【0031】次に、本発明の無方向性電磁鋼板の製造方
法について説明する。
【0032】本発明においては、鋼板が上記組成範囲を
満足し、V,Nが上記式を満たす範囲になっていればよ
く、製造方法については限定されず、通常の方法でかま
わない。すなわち、転炉で吹錬した溶鋼を脱ガス処理し
て所定の成分組成に調整し、引き続き鋳造、熱間圧延を
行う。熱間圧延後の熱延板焼鈍は行ってもよいが必須で
はない。次いで1回の冷間圧延、または中間焼鈍をはさ
んだ2回以上の冷間圧延により所定の板厚とした後に、
最終焼鈍を行う。
【0033】
【実施例】表1に示す化学組成を有するNo.1〜22
の鋼を用い、転炉で吹錬した後に脱ガス処理を行うこと
により所定の成分調整後鋳造し、板厚2.0mmまで熱
間圧延を行った。次に、この熱延板を酸洗し、No.1
2〜15のサンプルに関しては700℃で5時間の熱延
板焼鈍を施した。その後、板厚0.5mm間で冷間圧延
を行い、表1に示す仕上焼鈍条件で焼鈍を行い、さらに
750℃で2時間の磁性焼鈍を行った。
【0034】これら鋼板サンプルについて磁気特性を評
価した。磁気特性は25cmエプスタイン試験片を用い
て行った。
【0035】各鋼板の磁気特性を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】この表から、V,N量を上記範囲に制御
し、他の成分も本発明の範囲内である場合に、磁性焼鈍
後の鉄損が極めて低い、無方向性電磁鋼板が得られるこ
とが確認された。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁性焼
鈍後の鉄損が十分に低い無方向性鋼板を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】V,N量と磁性焼鈍後の鉄損との関係を示す
図。
【図2】log{V(%)・N(%)}の値と鉄損との
関係を示す図。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、S
    i:1.0%以下、Al:0.004%以下、P:0.
    05〜0.2%、Mn:0.05〜0.8%、S:0.
    010%以下を含み、VとNとの含有量が重量%で以下
    の式を満たすことを特徴とする磁性焼鈍後の鉄損の低い
    無方向性電磁鋼板。 log{V(%)・N(%)}≦−5.32
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.005%以下、S
    i:1.0%以下、Al:0.004%以下、P:0.
    05〜0.2%、Mn:0.05〜0.8%、S:0.
    010%以下を含み、VとNとの含有量が重量%で以下
    の式を満たすことを特徴とする磁性焼鈍後の鉄損の低い
    無方向性電磁鋼板。 log{V(%)・N(%)}≦−5.52
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