JP2717685B2 - チョクラルスキー法による結晶育成の方法及び装置 - Google Patents
チョクラルスキー法による結晶育成の方法及び装置Info
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Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、るつぼの中にある溶融物と、溶融物から引
き上げられる結晶のための結晶保持具と、回転しつつ上
昇可能な結晶保持具と同軸に配設され、溶融物の表面か
らその中に伸張し、中空円筒を成す隔壁とを用いるチョ
クラルスキー法による結晶育成方法及び特にこの方法の
実施のための装置に関する。
き上げられる結晶のための結晶保持具と、回転しつつ上
昇可能な結晶保持具と同軸に配設され、溶融物の表面か
らその中に伸張し、中空円筒を成す隔壁とを用いるチョ
クラルスキー法による結晶育成方法及び特にこの方法の
実施のための装置に関する。
チョクラルスキー法によれば温度条件の正確な制御の
もとで、るつぼ内の溶融物から結晶を自立させながら引
き上げることによって、結晶を育成する。技術的にチョ
クラルスキー法は、特に半導体技術用の高純度の結晶の
育成において極めて重要になった。
もとで、るつぼ内の溶融物から結晶を自立させながら引
き上げることによって、結晶を育成する。技術的にチョ
クラルスキー法は、特に半導体技術用の高純度の結晶の
育成において極めて重要になった。
偏析効果を減少するために、即ち溶融物及びそれと共
に育成される結晶の定常な組成を得るために、2室法に
よれば結晶が引き上げられる溶融物区域へ貯蔵器から新
しい溶融物が絶えず供給される。このため溶融物の表面
から溶融るつぼの底部まで伸張し、底部に固着された中
空円筒が結晶と同軸に配設される。溶融物の供給は隔壁
にある貫通孔を経て行われる。適当な2室系により又は
同様の目的を果たす内部るつぼを用いて軸方向偏析問題
を改善することは恐らくできようが、しかし、局部偏析
問題(条線問題)は十分に取除かれない。
に育成される結晶の定常な組成を得るために、2室法に
よれば結晶が引き上げられる溶融物区域へ貯蔵器から新
しい溶融物が絶えず供給される。このため溶融物の表面
から溶融るつぼの底部まで伸張し、底部に固着された中
空円筒が結晶と同軸に配設される。溶融物の供給は隔壁
にある貫通孔を経て行われる。適当な2室系により又は
同様の目的を果たす内部るつぼを用いて軸方向偏析問題
を改善することは恐らくできようが、しかし、局部偏析
問題(条線問題)は十分に取除かれない。
成長縞を減少させるために別の方法、例えば対流を減
少するための強力な磁界が知られている。しかし、決定
的な対策は費用がかかり、結晶の所期の電気的性質を悪
化し、溶融物を「過熱」する欠点がある。ヒ化ガリウム
結晶の場合は更に転位の分布が、磁界なしで製造する結
晶より不均質であるという欠点が現われる。
少するための強力な磁界が知られている。しかし、決定
的な対策は費用がかかり、結晶の所期の電気的性質を悪
化し、溶融物を「過熱」する欠点がある。ヒ化ガリウム
結晶の場合は更に転位の分布が、磁界なしで製造する結
晶より不均質であるという欠点が現われる。
本発明の課題は、軸方向偏析問題を更に減少すること
ができるだけでなく、局部及び半径方向偏析問題も減少
する方法及び装置を提供することである。更に、引き上
げ結晶の構造の完全性に関する改善及び界面の改善を得
ようとするものである。
ができるだけでなく、局部及び半径方向偏析問題も減少
する方法及び装置を提供することである。更に、引き上
げ結晶の構造の完全性に関する改善及び界面の改善を得
ようとするものである。
本発明に基づき、るつぼの底に対して間隔を置いた隔
壁を結晶保持具と同じ回転方向に回転することによっ
て、上記の課題が解決される。その際、場合によっては
結晶保持具の回転速度が隔壁の回転速度と異なるように
することができるが、もちろん、同じ回転速度も可能で
ある。
壁を結晶保持具と同じ回転方向に回転することによっ
て、上記の課題が解決される。その際、場合によっては
結晶保持具の回転速度が隔壁の回転速度と異なるように
することができるが、もちろん、同じ回転速度も可能で
ある。
また、それ自体公知のように、るつぼ自体に回転運動
を行わせ、その回転方向が保持具及び隔壁の回転方向と
同方向又は反対方向になるようにすることもできる。別
の実施態様によれば、溶融物の一定の湯面高さを得るた
めに、るつぼの内面と隔壁の間にある室に、溶融物から
結晶として引き上げられる材料に相当する容積の材料を
供給することが提案される。
を行わせ、その回転方向が保持具及び隔壁の回転方向と
同方向又は反対方向になるようにすることもできる。別
の実施態様によれば、溶融物の一定の湯面高さを得るた
めに、るつぼの内面と隔壁の間にある室に、溶融物から
結晶として引き上げられる材料に相当する容積の材料を
供給することが提案される。
本発明の基本思想によれば、回転する分離部材を構成
する隔壁によって結晶の下に溶融物で満たされた中空円
筒室を構成する環状室が形成され、環状室は残余の溶融
物から「隔離」される。この内側溶融物室では結晶及び
隔壁の回転の増加と共に次第に対流自然及び強制が抑制
される。とりわけ、いわゆるティラー・プラウドマンの
セルが抑制され、マランゴニ対流の妨害的影響が大幅に
低減される。
する隔壁によって結晶の下に溶融物で満たされた中空円
筒室を構成する環状室が形成され、環状室は残余の溶融
物から「隔離」される。この内側溶融物室では結晶及び
隔壁の回転の増加と共に次第に対流自然及び強制が抑制
される。とりわけ、いわゆるティラー・プラウドマンの
セルが抑制され、マランゴニ対流の妨害的影響が大幅に
低減される。
結晶の定常状態濃度の全溶融物と比較して急速な整定
が行われるため、先行技術に基づき存在する軸方向偏析
問題が大幅に減少する。この濃度は或る期間にわたりほ
ぼ一定であって、やがて過程の終り頃に(分配係数が1
未満であれば)上昇する。引き上げ結晶の品質がこれに
よって向上する。特に溶融物から結晶として引き上げら
れる材料量を常時補給する連続法で、結晶のドーピング
濃度が素材のドーピング濃度と一致するように平衡が成
立することによって前述の利点が得られる。最終段階で
初めて結晶のドーピング濃度が、増大する富化に対応し
て上昇する。
が行われるため、先行技術に基づき存在する軸方向偏析
問題が大幅に減少する。この濃度は或る期間にわたりほ
ぼ一定であって、やがて過程の終り頃に(分配係数が1
未満であれば)上昇する。引き上げ結晶の品質がこれに
よって向上する。特に溶融物から結晶として引き上げら
れる材料量を常時補給する連続法で、結晶のドーピング
濃度が素材のドーピング濃度と一致するように平衡が成
立することによって前述の利点が得られる。最終段階で
初めて結晶のドーピング濃度が、増大する富化に対応し
て上昇する。
その結果、簡単に行える対策によって準定常ドーピン
グ物質濃度で結晶材料の収量が大幅に増加し、先行技術
に基づき費用のかかる対策、例えば強力な磁界及びそれ
に関連する欠点を我慢しないでよい。
グ物質濃度で結晶材料の収量が大幅に増加し、先行技術
に基づき費用のかかる対策、例えば強力な磁界及びそれ
に関連する欠点を我慢しないでよい。
特に結晶が引き上げられる回転溶融物区域と溶融物の
その他の材料との分離が、せん断流によって生じるの
で、異なる温度の溶融物区域から成長する結晶面への対
流輸送がほとんど抑制されるから、成長速度の変動がほ
とんど回避される。これによって軸方向及び半径方向不
均質が大幅に減少する。その結果、本発明に係る方法で
製造した結晶は、性質が厳密な許容範囲内に保持される
電子及び光電部品及び高い集積密度を有する集積スイッ
チ回路に適する。
その他の材料との分離が、せん断流によって生じるの
で、異なる温度の溶融物区域から成長する結晶面への対
流輸送がほとんど抑制されるから、成長速度の変動がほ
とんど回避される。これによって軸方向及び半径方向不
均質が大幅に減少する。その結果、本発明に係る方法で
製造した結晶は、性質が厳密な許容範囲内に保持される
電子及び光電部品及び高い集積密度を有する集積スイッ
チ回路に適する。
また隔壁で区画された回転する環状室により、結晶を
引き上げる溶融物の振動と表面波及び成長する結晶の周
囲の熱的非対称が回避される。さもなければこれもまた
条線問題を招くのである。また連続法で小刻みな材料供
給から生じる溶融物の湯面高さの小さな変動が、隔壁に
よる分離と、回転する溶融物中央区域により抑制され
る。
引き上げる溶融物の振動と表面波及び成長する結晶の周
囲の熱的非対称が回避される。さもなければこれもまた
条線問題を招くのである。また連続法で小刻みな材料供
給から生じる溶融物の湯面高さの小さな変動が、隔壁に
よる分離と、回転する溶融物中央区域により抑制され
る。
本発明に係る方法により、シリコン結晶を引き上げよ
うとする場合は、周知のSiO問題が減少する。周知のよ
うにSiO2がるつぼ材料SiO2から溶解し、一部が酸素とし
て組み入れられ又はSiOとして蒸発するからである。Si
結晶の酸素濃度は用途に応じて狭い範囲、例えば16±lp
pmに保持しなければならない。溶融物の容積(「環状体
容積」、溶融物の残余の容積)と成長速度の比によっ
て、るつぼ内のシリコンの滞留時間が決まり、一方では
結晶/環状体と他方ではるつぼとの幾何学的比率及び回
転数差がティラー流及びせん断によりSiO2るつぼの溶解
速度を決定する。これらの比及びパラメータの最適な調
整によって、シリコン結晶の一定の酸素濃度と、酸素濃
度の十分な軸方向均質性が得られる。また短い滞留時間
−在来の実例と比較して−により比較的小さな酸素濃度
が達成された。
うとする場合は、周知のSiO問題が減少する。周知のよ
うにSiO2がるつぼ材料SiO2から溶解し、一部が酸素とし
て組み入れられ又はSiOとして蒸発するからである。Si
結晶の酸素濃度は用途に応じて狭い範囲、例えば16±lp
pmに保持しなければならない。溶融物の容積(「環状体
容積」、溶融物の残余の容積)と成長速度の比によっ
て、るつぼ内のシリコンの滞留時間が決まり、一方では
結晶/環状体と他方ではるつぼとの幾何学的比率及び回
転数差がティラー流及びせん断によりSiO2るつぼの溶解
速度を決定する。これらの比及びパラメータの最適な調
整によって、シリコン結晶の一定の酸素濃度と、酸素濃
度の十分な軸方向均質性が得られる。また短い滞留時間
−在来の実例と比較して−により比較的小さな酸素濃度
が達成された。
例えば、Si,GaAs,Ge,InP,CdTe,ゲルマニウム酸
ビヒマス,ざくろ石,チタンをドープしたサファイア又
はルビーの結晶の育成のためにチョクラルスキー法が使
用され、均質性と均質な結晶分の収量が重要である場合
には必ず本発明に係る方法が適用される。
ビヒマス,ざくろ石,チタンをドープしたサファイア又
はルビーの結晶の育成のためにチョクラルスキー法が使
用され、均質性と均質な結晶分の収量が重要である場合
には必ず本発明に係る方法が適用される。
るつぼ内にある溶融物と、回転可能かつ結晶成長速度
に応じて上昇可能である、溶融物から引き上げる結晶の
ための結晶保持具と、結晶が成長する溶融物区域を取囲
み、結晶保持具と同軸に配設された隔壁とを有し、隔壁
が溶融物の表面を貫通して成るチョクラルスキー法によ
る結晶育成のための装置は、隔壁が、るつぼの底部に対
して間隔を置いて終り、結晶保持具と同方向の回転運動
を得るために駆動装置と連結されていることを特徴とす
る。その場合、結晶の成長に応じて隔壁とるつぼの内面
との間の区域に材料を供給することによって、隔壁によ
り区画され、溶融物で満たされた環状室の容積が一定で
あることが好ましい。
に応じて上昇可能である、溶融物から引き上げる結晶の
ための結晶保持具と、結晶が成長する溶融物区域を取囲
み、結晶保持具と同軸に配設された隔壁とを有し、隔壁
が溶融物の表面を貫通して成るチョクラルスキー法によ
る結晶育成のための装置は、隔壁が、るつぼの底部に対
して間隔を置いて終り、結晶保持具と同方向の回転運動
を得るために駆動装置と連結されていることを特徴とす
る。その場合、結晶の成長に応じて隔壁とるつぼの内面
との間の区域に材料を供給することによって、隔壁によ
り区画され、溶融物で満たされた環状室の容積が一定で
あることが好ましい。
るつぼの内面と隔壁の外側との間の室に送られる材料
の量を光学的に又は重量決定により測定し、結晶引き上
げにより奪われる材料に絶えず適応させることによっ
て、これが達成される。またそれによって結晶の直径が
自動的に一定に保たれるから、大変費用のかかる補足的
直径制御が多くの場合不要になる。但し溶融物の温度は
所要の精度で一定に保たれなければならない。
の量を光学的に又は重量決定により測定し、結晶引き上
げにより奪われる材料に絶えず適応させることによっ
て、これが達成される。またそれによって結晶の直径が
自動的に一定に保たれるから、大変費用のかかる補足的
直径制御が多くの場合不要になる。但し溶融物の温度は
所要の精度で一定に保たれなければならない。
溶融物に簡単に出し入れすることができるように、環
状室の底側は開放していることが好ましい。貫通孔を有
する蓋被を環状室の底側に設けることももちろん可能で
ある。
状室の底側は開放していることが好ましい。貫通孔を有
する蓋被を環状室の底側に設けることももちろん可能で
ある。
隔壁自体をるつぼの上及び下、又はるつぼの横に支承
して駆動することができる。隔壁と、溶融るつぼの表面
に対して間隔を置いて配設された円板部材とを棒状部材
を介して連結することが好ましい。円板部材は結晶保持
具が貫通するスリーブから延出しており、このスリーブ
が駆動装置と共働する。シリコンの製造の場合は隔壁の
構造材料として、石英ガラスで被覆した黒鉛体、窒化ケ
イ素体又は金属体を使用する。ヒ化ガリウムの場合は隔
壁を窒化ホウ素,窒化アルミニウム又は酸化アルミニウ
ムで作る。酸化物又は酸化物系化合物の結晶の育成には
白金,イリジウム,ロジウム,金及びその合金を使用す
る。大抵の場合、るつぼ材料を隔壁の製作にも使用する
ことができる。
して駆動することができる。隔壁と、溶融るつぼの表面
に対して間隔を置いて配設された円板部材とを棒状部材
を介して連結することが好ましい。円板部材は結晶保持
具が貫通するスリーブから延出しており、このスリーブ
が駆動装置と共働する。シリコンの製造の場合は隔壁の
構造材料として、石英ガラスで被覆した黒鉛体、窒化ケ
イ素体又は金属体を使用する。ヒ化ガリウムの場合は隔
壁を窒化ホウ素,窒化アルミニウム又は酸化アルミニウ
ムで作る。酸化物又は酸化物系化合物の結晶の育成には
白金,イリジウム,ロジウム,金及びその合金を使用す
る。大抵の場合、るつぼ材料を隔壁の製作にも使用する
ことができる。
結晶の半径rが5.5cmで、環状室の内径ρが9cm,るつ
ぼの内径Rが16.5cmで、環状室の高さhが7cmであるこ
とが好ましい。
ぼの内径Rが16.5cmで、環状室の高さhが7cmであるこ
とが好ましい。
るつぼの回転数ω3は0±5RPMであることが好まし
い。これに対して、結晶保持具の回転数、すなわち結晶
の回転数ω1ならびに隔壁の回転数ω2は8ないし32RPM
でなければならず、いかなる場合も2−105RPMの範囲内
でなければならない(RPM=毎分回転数)。
い。これに対して、結晶保持具の回転数、すなわち結晶
の回転数ω1ならびに隔壁の回転数ω2は8ないし32RPM
でなければならず、いかなる場合も2−105RPMの範囲内
でなければならない(RPM=毎分回転数)。
本発明のその他の詳細は請求の範囲の記載から察知さ
れる特徴−単独で及び/又は組合わせとして−により明
らかである。
れる特徴−単独で及び/又は組合わせとして−により明
らかである。
次に図面に示す好適な実施例に基づいて本発明を詳述
する。その他の細部、利点及び特徴はこの実施例で明ら
かである。
する。その他の細部、利点及び特徴はこの実施例で明ら
かである。
単一の図にチョクラルスキー法による結晶育成装置の
ごく概略的な図が示されている。装置は詳しく示さない
水冷鋼製容器の中にあり、溶融るつぼ(10)を具備す
る。溶融るつぼ(10)の中に溶融物(12)がある。溶融
物(12)の表面(14)の上方に結晶保持具(16)が配設
されており、その縦軸(18)を中心に回転可能であり、
結晶成長速度に応じて軸方向に移動することができる。
結晶保持具(16)に所望の配向の種結晶(20)が配設さ
れ、これに溶融物(12)から結晶(22)が成長する。本
発明によれば、結晶(22)が成長する溶融物(12)の中
に中空円筒室を構成する環状室(24)が結晶保持具(1
6)と同軸に配設される。また、この環状室(24)は結
晶保持具(16)と同方向に回転することができる。その
ために環状室(24)は保持装置(29)から出る中空円筒
の形の分離部材を構成する隔壁(26)によって取囲まれ
る。隔壁(26)の下端(28)は溶融るつぼ(30)の底に
対して間隔を有する。また上端(32)が溶融物(12)又
は(24)から突出し、その結果、表面(14)を貫通す
る。隔壁(26)と溶融るつぼ(10)の間の区域に、溶融
物(24)から成長する結晶(22)の材料量に相当する容
積の材料が供給路(33)を介して連続的に供給される。
これによって表面(14)の高さが一定値に保たれるか
ら、溶融物(12)又は(24)中に沈下する隔壁の高さh
は一定不変である。材料補償を調節して一定に保つため
に、供給路(33)を経て、るつぼ(10)に到達する材料
を、例えば光学系(52)で検出又は計数することができ
る。
ごく概略的な図が示されている。装置は詳しく示さない
水冷鋼製容器の中にあり、溶融るつぼ(10)を具備す
る。溶融るつぼ(10)の中に溶融物(12)がある。溶融
物(12)の表面(14)の上方に結晶保持具(16)が配設
されており、その縦軸(18)を中心に回転可能であり、
結晶成長速度に応じて軸方向に移動することができる。
結晶保持具(16)に所望の配向の種結晶(20)が配設さ
れ、これに溶融物(12)から結晶(22)が成長する。本
発明によれば、結晶(22)が成長する溶融物(12)の中
に中空円筒室を構成する環状室(24)が結晶保持具(1
6)と同軸に配設される。また、この環状室(24)は結
晶保持具(16)と同方向に回転することができる。その
ために環状室(24)は保持装置(29)から出る中空円筒
の形の分離部材を構成する隔壁(26)によって取囲まれ
る。隔壁(26)の下端(28)は溶融るつぼ(30)の底に
対して間隔を有する。また上端(32)が溶融物(12)又
は(24)から突出し、その結果、表面(14)を貫通す
る。隔壁(26)と溶融るつぼ(10)の間の区域に、溶融
物(24)から成長する結晶(22)の材料量に相当する容
積の材料が供給路(33)を介して連続的に供給される。
これによって表面(14)の高さが一定値に保たれるか
ら、溶融物(12)又は(24)中に沈下する隔壁の高さh
は一定不変である。材料補償を調節して一定に保つため
に、供給路(33)を経て、るつぼ(10)に到達する材料
を、例えば光学系(52)で検出又は計数することができ
る。
前述のように隔壁(26)は保持装置(29)と連結され
ている。保持装置(29)は本実施例では円板部材(3
4),スリーブ(36)及び駆動装置(56)と連結された
駆動輪(38)から成る。保持具(16)が精密軸受(4
0),(42)例えば電磁又は空気軸受を介してスリーブ
(36)に同軸に通されており、スリーブ(36)に対して
回転及び昇降可能である。スリーブ(36)自体も回転可
能な精密軸受(44)を介して図示しない鋼製容器の固定
部(46)により支えられる。隔壁(26)と円板部材(3
4)の間の連結は、図面に参照符号(48)及び(50)を
付した個別棒材によって行われる。その結果、隔壁(2
6)と円板部材(34)の間の区域は、おおむね自由に到
達可能であるから、結晶(22)に接した溶融物メニスカ
ス(51)を例えばレーザ反射系(54)で光学的に検査す
ることができる。(参照符号(49)で示唆)。溶融物か
ら突出する環状円筒体(32)の長さlによって溶融物上
部区域と結晶下部区域の温度状態を調節し、経済的な結
晶引き上げ速度で結晶・溶融物界面に影響を与えて結晶
(例えばGaAs)の構造の完全性を改善することができ
る。
ている。保持装置(29)は本実施例では円板部材(3
4),スリーブ(36)及び駆動装置(56)と連結された
駆動輪(38)から成る。保持具(16)が精密軸受(4
0),(42)例えば電磁又は空気軸受を介してスリーブ
(36)に同軸に通されており、スリーブ(36)に対して
回転及び昇降可能である。スリーブ(36)自体も回転可
能な精密軸受(44)を介して図示しない鋼製容器の固定
部(46)により支えられる。隔壁(26)と円板部材(3
4)の間の連結は、図面に参照符号(48)及び(50)を
付した個別棒材によって行われる。その結果、隔壁(2
6)と円板部材(34)の間の区域は、おおむね自由に到
達可能であるから、結晶(22)に接した溶融物メニスカ
ス(51)を例えばレーザ反射系(54)で光学的に検査す
ることができる。(参照符号(49)で示唆)。溶融物か
ら突出する環状円筒体(32)の長さlによって溶融物上
部区域と結晶下部区域の温度状態を調節し、経済的な結
晶引き上げ速度で結晶・溶融物界面に影響を与えて結晶
(例えばGaAs)の構造の完全性を改善することができ
る。
結晶保持具(16)の回転運動を隔壁(26)の回転運動
に対して相対的に調整することができるが、回転方向は
同じである。
に対して相対的に調整することができるが、回転方向は
同じである。
結晶と隔壁が逆方向に回転するときは結晶の下の溶融
物区域で対流が抑制されないで強化される。これを条線
の抑制のために使用することができ、それに伴って若干
の利点があるが、軸方向偏析問題の減少には役立たな
い。
物区域で対流が抑制されないで強化される。これを条線
の抑制のために使用することができ、それに伴って若干
の利点があるが、軸方向偏析問題の減少には役立たな
い。
本発明に基づく方法によりチョクラルスキー法で製造
する結晶が育成され、先行技術で現われる偏析問題が減
少する。
する結晶が育成され、先行技術で現われる偏析問題が減
少する。
また構造の損失が減少する。先行技術に従って製造さ
れた結晶は臨界結晶長さに到達した後、結晶の完全性を
失い、即ち例えば当初無転位だったシリコン結晶に転位
が又はヒ化ガリウムに双晶が形成され、更に引き上げ試
験を継続すると構造の完全性を失うに至るが、本発明方
法に従って又は本発明装置で製造する結晶においてはこ
れがその後の成長段階で初めて認められる。
れた結晶は臨界結晶長さに到達した後、結晶の完全性を
失い、即ち例えば当初無転位だったシリコン結晶に転位
が又はヒ化ガリウムに双晶が形成され、更に引き上げ試
験を継続すると構造の完全性を失うに至るが、本発明方
法に従って又は本発明装置で製造する結晶においてはこ
れがその後の成長段階で初めて認められる。
補足的利点は、るつぼを回転しないでよいことであ
る。環状部の溶融物分はあまり掻き混ぜてはならず、外
側の溶融物分は均質化しなければならない。これは静止
するるつぼと回転する隔壁・結晶系とで十分に達成され
るが、慣用のチョクラルスキー法では通常、るつぼの回
転が使用されるのである。
る。環状部の溶融物分はあまり掻き混ぜてはならず、外
側の溶融物分は均質化しなければならない。これは静止
するるつぼと回転する隔壁・結晶系とで十分に達成され
るが、慣用のチョクラルスキー法では通常、るつぼの回
転が使用されるのである。
定置るつぼは特に高圧チョクラルスキー法とホットウ
ォール法(例えばGaAs用)で有利である。それによって
結晶引き上げ設備を大幅に簡素化することができるから
である。
ォール法(例えばGaAs用)で有利である。それによって
結晶引き上げ設備を大幅に簡素化することができるから
である。
また連続引き上げ法では、るつぼが円形でなくてもよ
い。それによって、例えば材料供給を簡素化することが
できる。
い。それによって、例えば材料供給を簡素化することが
できる。
本発明を材料補給式連続引き上げ法について説明した
が、材料を補給せずに現存する溶融物分を結晶として引
き上げる古典的バッチ法にも同様に適用される。その場
合、隔壁保持装置とるつぼの間の相対垂直運動により、
これらの部材の間に0.5mmの最小間隔を維持しさえすれ
ばよい。
が、材料を補給せずに現存する溶融物分を結晶として引
き上げる古典的バッチ法にも同様に適用される。その場
合、隔壁保持装置とるつぼの間の相対垂直運動により、
これらの部材の間に0.5mmの最小間隔を維持しさえすれ
ばよい。
本発明に基づく工程の経過は次の通りである。
直径11cmのシリコン結晶の引き上げ試験のために、黒
鉛型の中にある直径33cm,高さ14cmの石英ガラスるつぼ
に20Kgの多結晶シリコンを充填する。鋼製容器を閉じ、
真空化し、約10トルの圧力が生じるように毎時約800リ
ットルのアルゴンを送入したうえで、シリコンを溶解す
る。次にるつぼを最適の位置に持ち上げて、隔壁を溶融
物に沈下させる。その際溶融物を過熱して溶融物の完全
な固化を防止しなければならない。
鉛型の中にある直径33cm,高さ14cmの石英ガラスるつぼ
に20Kgの多結晶シリコンを充填する。鋼製容器を閉じ、
真空化し、約10トルの圧力が生じるように毎時約800リ
ットルのアルゴンを送入したうえで、シリコンを溶解す
る。次にるつぼを最適の位置に持ち上げて、隔壁を溶融
物に沈下させる。その際溶融物を過熱して溶融物の完全
な固化を防止しなければならない。
最適の溶融物温度及び熱準平衡に到達した後、結晶保
持具に固定した種結晶を沈下させ、常法により引き上
げ、目標直径に達するまで拡張させる。次に材料供給を
接続し、毎時11cmの結晶引き上げ速度で一定の溶融物高
さを保持することを可能にする経験値にセットする。そ
の場合るつぼは回転しないが、結晶も隔てリングも26RP
Mの定速で同方向に回転させる。溶融物温度を一定に保
つ。その際、熱平衡に到達するまで、加熱電力を当初は
なお再調整しなければならない。
持具に固定した種結晶を沈下させ、常法により引き上
げ、目標直径に達するまで拡張させる。次に材料供給を
接続し、毎時11cmの結晶引き上げ速度で一定の溶融物高
さを保持することを可能にする経験値にセットする。そ
の場合るつぼは回転しないが、結晶も隔てリングも26RP
Mの定速で同方向に回転させる。溶融物温度を一定に保
つ。その際、熱平衡に到達するまで、加熱電力を当初は
なお再調整しなければならない。
1.4mの結晶長さに到達した後、当業者に知られている
方法で過程を終了し、隔壁を溶融物から除去する。
方法で過程を終了し、隔壁を溶融物から除去する。
Claims (11)
- 【請求項1】るつぼ(10)の中にある溶融物(12)と、
溶融物から引き上げられる結晶(22)のための結晶保持
具(16)と、回転しつつ上昇可能な結晶保持具と同軸に
配設され、溶融物の表面からその中に伸張し、結晶の成
長のために必要な溶融物を区画し、るつぼの底に対して
間隔を有するとともに回転可能な分離部材(26)とを備
え、該分離部材が中空円筒室を取り囲む隔壁よりなるチ
ョクラルスキー法による結晶育成方法において、 上記分離部材(26)は前記隔壁によってのみ形成され、
結晶のために必要な溶融物が、該隔壁によって取り囲ま
れた中空円筒室の横断面全体にわたって流れ、該隔壁は
溶融物内で前記結晶保持具(16)と同方向に、該結晶保
持具と異なる回転速度又は該結晶保持具と同一の回転速
度をもって回転してなることを特徴とするチョクラルス
キー法による結晶育成方法。 - 【請求項2】結晶育成中に結晶保持具(16)ないし隔壁
(26)の回転速度を変化させてなることを特徴とする請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】結晶保持具(16)の回転数ω1は、少なく
とも2RPM、最大105RPMであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の方法。 - 【請求項4】隔壁(26)の回転数ω2は、少なくとも2RP
M、最大105RPMであることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか1に記載の方法。 - 【請求項5】溶融物に供給される材料が光学的に検出さ
れることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に
記載の方法。 - 【請求項6】るつぼは、結晶保持具及び隔壁と同方向又
は逆方向に回転することを特徴とする請求項1ないし5
のいずれか1に記載の方法。 - 【請求項7】るつぼ内における溶融物の一定の湯面高さ
を得るために、るつぼの内面と隔壁の間に形成された室
に、溶融物から結晶として引き上げられる材料に相当す
る容積の材料を供給してなることを特徴とする請求項1
ないし6のいずれか1に記載の方法。 - 【請求項8】るつぼ(10)の中にある溶融物(12)と、
駆動手段(56)によって回転可能であるとともに結晶成
長速度に応じて上昇し得、溶融物から引き上げられる結
晶のための結晶保持具(16)と、該結晶保持具と同軸に
配設されるとともに、るつぼの底に対して間隔を有する
分離部材(26)とを備え、該分離部材が隔壁を有し、該
隔壁が結晶の成長を可能とする溶融物を取り囲む中空円
筒室を囲んでなるチョクラルスキー法による結晶育成装
置において、 前記分離部材(26)が隔壁によってのみ形成され、該隔
壁が結晶と同方向に回転可能であるとともに底部側が開
放されるとともに、少なくとも溶融物の領域において周
囲が閉成された中空円筒の形状を有し、その溶融物内に
浸漬された領域は結晶(22)の成長の間、変化しないこ
とを特徴とするチョクラルスキー法による結晶育成装
置。 - 【請求項9】底側が開いた隔壁が、棒材(48,50)を介
して、溶融物(12,24)の表面(14)に対して間隔をお
いておかれた円板部材(34)と連結され、該円板部材
は、結晶保持具(16)が挿通されたスリーブ(36)から
延出するとともに回転駆動装置と共働してなることを特
徴とする請求項8に記載の装置。 - 【請求項10】隔壁(26)がるつぼ(10)の側部又はる
つぼの下部に支承されることを特徴とする請求項8又は
9に記載の装置。 - 【請求項11】分離部材(26)内における溶融物の高さ
(h)は、結晶(22)の半径(r)が1cm≦r≦12cmの
範囲にあって、該分離部材により囲まれた中空円筒(2
4)の半径(ρ)が1.5cm≦ρ≦18cmで、るつぼ(10)の
半径(R)が2cm≦R≦32cmの範囲にある場合に、0.1cm
≦h≦10cmの範囲の値となることを特徴とする請求項8
ないし10のいずれか1に記載の装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/EP1988/000912 WO1990004054A1 (de) | 1987-04-14 | 1988-10-12 | Verfahren und vorrichtung zur züchtung von kristallen nach der czochralski-methode |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04503350A JPH04503350A (ja) | 1992-06-18 |
JP2717685B2 true JP2717685B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=8165333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63508139A Expired - Lifetime JP2717685B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | チョクラルスキー法による結晶育成の方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2717685B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5669298A (en) * | 1979-11-13 | 1981-06-10 | Nec Corp | Method of growing single crystal of semiconductor |
JPS5891097A (ja) * | 1981-11-24 | 1983-05-30 | Hitachi Ltd | 単結晶製造装置 |
JPS58204895A (ja) * | 1982-05-25 | 1983-11-29 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 結晶引上げ方法および装置 |
-
1988
- 1988-10-12 JP JP63508139A patent/JP2717685B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04503350A (ja) | 1992-06-18 |
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