JP2716826B2 - ピリジン塩素化物の製造法 - Google Patents
ピリジン塩素化物の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農・医薬中間体として有用なピリジン塩素化
物を製造する方法に関するものである。
物を製造する方法に関するものである。
これまで、ピリジン塩素化物を得る方法としては、特
開昭61−249965号公報に示されるピリジンもしくはピリ
ジン塩酸塩の液相塩素化や特開昭58−206564号公報に示
されるピリジン塩素化物の気相塩素化物などがある。
開昭61−249965号公報に示されるピリジンもしくはピリ
ジン塩酸塩の液相塩素化や特開昭58−206564号公報に示
されるピリジン塩素化物の気相塩素化物などがある。
特に、2,3,5−トリクロロピリジンの製造法としては
種々の方法がある。例えば、2,3,5,6−テトラクロロピ
リジンを亜鉛により還元する方法(USP 4259495号、同4
258194号、同4111938号)や、2−アミノ−3,5−ジクロ
ロピリジンを出発物質とする方法(Brit PA 1215387
号)がある。他の方法として、2,3,5−トレクロロ−6
−ヒドラジノピリジン及び2,3,5−トリクロロ−4−ヒ
ドラジノピリジンを溶媒中で次亜塩素酸ソーダにより酸
化する方法がある(USP 4127575号)。この方法の出発
物質であるヒドラジノピリジンはクロロピリジンと抱水
ヒドラジンとの反応により容易に得られる(J.Chem.So
c.,(c),1971,167)。
種々の方法がある。例えば、2,3,5,6−テトラクロロピ
リジンを亜鉛により還元する方法(USP 4259495号、同4
258194号、同4111938号)や、2−アミノ−3,5−ジクロ
ロピリジンを出発物質とする方法(Brit PA 1215387
号)がある。他の方法として、2,3,5−トレクロロ−6
−ヒドラジノピリジン及び2,3,5−トリクロロ−4−ヒ
ドラジノピリジンを溶媒中で次亜塩素酸ソーダにより酸
化する方法がある(USP 4127575号)。この方法の出発
物質であるヒドラジノピリジンはクロロピリジンと抱水
ヒドラジンとの反応により容易に得られる(J.Chem.So
c.,(c),1971,167)。
しかしながら、ピリジン及びピリジン塩酸塩の液相塩
素化とピリジン塩素化物の気相塩素化による方法は、ピ
リジン塩素化物が多種に渡って生成したり、もしくは気
相反応であるがゆえに工程や反応装置が複雑であった。
2,3,5,6−テトラクロロピリジンを亜鉛により還元する
方法は生成する亜鉛塩の毒性のために、排水処理等の問
題がある。また2−アミノ−3,5−ジクロロピリジンを
塩素化する方法では原料が高価であり、コスト面で不利
である。ヒドラジノピリジンを次亜塩素酸ソーダで酸化
する方法は、目的物への選択率の点においては非常によ
いが、反応器等の材質は安価なステンレス製では腐食の
問題より使用できない。またトルエンなど大量の溶媒を
用い、かつ次亜塩素酸ソーダは15%水溶液であるため
に、いわゆる空時収率が悪い。さらに次亜塩素酸ソーダ
は過酸化水素よりも高価であり、また使用率も高いため
にコスト面でも不利である。
素化とピリジン塩素化物の気相塩素化による方法は、ピ
リジン塩素化物が多種に渡って生成したり、もしくは気
相反応であるがゆえに工程や反応装置が複雑であった。
2,3,5,6−テトラクロロピリジンを亜鉛により還元する
方法は生成する亜鉛塩の毒性のために、排水処理等の問
題がある。また2−アミノ−3,5−ジクロロピリジンを
塩素化する方法では原料が高価であり、コスト面で不利
である。ヒドラジノピリジンを次亜塩素酸ソーダで酸化
する方法は、目的物への選択率の点においては非常によ
いが、反応器等の材質は安価なステンレス製では腐食の
問題より使用できない。またトルエンなど大量の溶媒を
用い、かつ次亜塩素酸ソーダは15%水溶液であるため
に、いわゆる空時収率が悪い。さらに次亜塩素酸ソーダ
は過酸化水素よりも高価であり、また使用率も高いため
にコスト面でも不利である。
本発明者らは下記一般式(I)で表されるヒドラジノ
ピリジンを用いてピリジン塩素化物の工業的製造法を鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至った。
ピリジンを用いてピリジン塩素化物の工業的製造法を鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至った。
〔ここでX1〜X5は同一又は異なるものであって、塩素原
子、水素原子又はヒドラジノ基(-NHNH2)を表わす。但
し記号X1〜X5のうちの少なくとも1つはヒドラジノ基
(-NHNH2)を表わすものとし、またX1〜X5のうち少なく
とも1つは塩素原子を表わすものとする。〕 すなわち、本発明は上記一般式(I)で表されるヒド
ラジノピリジンを溶媒中、過酸化水素で酸化することを
特徴とするピリジン塩素化物の製造法を提供するもので
ある。
子、水素原子又はヒドラジノ基(-NHNH2)を表わす。但
し記号X1〜X5のうちの少なくとも1つはヒドラジノ基
(-NHNH2)を表わすものとし、またX1〜X5のうち少なく
とも1つは塩素原子を表わすものとする。〕 すなわち、本発明は上記一般式(I)で表されるヒド
ラジノピリジンを溶媒中、過酸化水素で酸化することを
特徴とするピリジン塩素化物の製造法を提供するもので
ある。
本発明で用いられる溶媒としては、原料であるヒドラ
ジノピリジンを溶媒及び分散させるものであれば、いず
れも使用できるが、好ましくは、水、四塩化炭素、クロ
ロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トルエン、
ジオキサン等が用いられ、特に安全性及び収率の点で水
がより好ましい。
ジノピリジンを溶媒及び分散させるものであれば、いず
れも使用できるが、好ましくは、水、四塩化炭素、クロ
ロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トルエン、
ジオキサン等が用いられ、特に安全性及び収率の点で水
がより好ましい。
本発明の方法において、反応は通常0〜200℃、好ま
しくは50〜120℃の温度範囲で行われる。
しくは50〜120℃の温度範囲で行われる。
本発明はの方法において、溶媒の使用量は通常ヒドラ
ジノピリジンに対して2〜20重量倍、望ましくは2〜10
重量倍である。また、過酸化水素の使用量は、通常ヒド
ラジノピリジンに対して1.0〜2.5モル倍、望ましくは等
モルであって、通常1〜15時間で滴下する。
ジノピリジンに対して2〜20重量倍、望ましくは2〜10
重量倍である。また、過酸化水素の使用量は、通常ヒド
ラジノピリジンに対して1.0〜2.5モル倍、望ましくは等
モルであって、通常1〜15時間で滴下する。
本発明の反応を行うのに、水酸化ナトリウムや炭酸ナ
トリウムなどの塩基性物質の添加は必ずしも必要ではな
いが、添加することにより反応は促進される。
トリウムなどの塩基性物質の添加は必ずしも必要ではな
いが、添加することにより反応は促進される。
過酸化水素の滴下終了後、反応液に抽出溶媒を加え
て、抽出・蒸留などの通常行われる分離操作を行うこと
により、純度99%以上の目的物であるピリジン塩素化物
を98%以上の高収率で得ることができる。
て、抽出・蒸留などの通常行われる分離操作を行うこと
により、純度99%以上の目的物であるピリジン塩素化物
を98%以上の高収率で得ることができる。
本発明の方法によれば、安価な材質を用いた簡便なプ
ロセスにより、反応・後処理が実施でき、また極めて高
い選択性及び空時収率でかつ安価に目的とするピリジン
塩素化物を製造することができる。
ロセスにより、反応・後処理が実施でき、また極めて高
い選択性及び空時収率でかつ安価に目的とするピリジン
塩素化物を製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 還流管、滴下ロート、温度計及び撹拌機を備えた300m
lの4つ口フラスコに、2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラ
ジノピリジン42.5g(0.2モル)、水128.0g、水酸化ナト
リウム8.0g(0.2モル)及び四塩化炭素6.0gを仕込み加
熱還流させた。そこに35%過酸化水素水溶液23.3gを5
時間かけて滴下した。反応終了後、四塩化炭素30gを加
えて抽出後、濃縮・分留することにより、2,3,5−トリ
クロロピリジン35.9g(収率98%、純度99.5%)が得ら
れた。
lの4つ口フラスコに、2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラ
ジノピリジン42.5g(0.2モル)、水128.0g、水酸化ナト
リウム8.0g(0.2モル)及び四塩化炭素6.0gを仕込み加
熱還流させた。そこに35%過酸化水素水溶液23.3gを5
時間かけて滴下した。反応終了後、四塩化炭素30gを加
えて抽出後、濃縮・分留することにより、2,3,5−トリ
クロロピリジン35.9g(収率98%、純度99.5%)が得ら
れた。
実施例2 還流管、滴下ロート、温度計及び撹拌機を備えた300m
lの4つ口フラスコに、3,6−ジクロロ−2−ヒドラジノ
ピリジン35.6g(0.2モル)、水128.0g、水酸化ナトリウ
ム8.0g(0.2モル)及び四塩化炭素6.0gを仕込み加熱還
流させた。そこに35%過酸化水素水溶液23.3gを5時間
かけて滴下した。
lの4つ口フラスコに、3,6−ジクロロ−2−ヒドラジノ
ピリジン35.6g(0.2モル)、水128.0g、水酸化ナトリウ
ム8.0g(0.2モル)及び四塩化炭素6.0gを仕込み加熱還
流させた。そこに35%過酸化水素水溶液23.3gを5時間
かけて滴下した。
反応終了後、四塩化炭素30gを加えて抽出後、濃縮・
分留することにより、2,5−ジクロロピリジン29.3g(収
率98%、純度99.0%)が得られた。
分留することにより、2,5−ジクロロピリジン29.3g(収
率98%、純度99.0%)が得られた。
実施例3 前記実施例2において3,6−ジクロロ−2−ヒドラジ
ノピリジンの代わりに3,5−ジクロロ−2−ヒドラジノ
ピリジンを使用することを除いては実施例2の場合と同
様に反応処理した。その結果3,5−ジクロロピリジン28.
5g(収率95.1%、純度98.8%)が得られた。
ノピリジンの代わりに3,5−ジクロロ−2−ヒドラジノ
ピリジンを使用することを除いては実施例2の場合と同
様に反応処理した。その結果3,5−ジクロロピリジン28.
5g(収率95.1%、純度98.8%)が得られた。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I) 〔ここでX1〜X5は同一又は異なるものであって、塩素原
子、水素原子又はヒドラジノ基(-NHNH2)を表わす。但
し記号X1〜X5のうちの少なくとも1つはヒドラジノ基
(-NHNH2)を表わすものとし、またX1〜X5のうち少なく
とも1つは塩素原子を表わすものとする。〕 で表されるヒドラジノピリジンを、溶媒中、過酸化水素
で酸化することを特徴とするピリジン塩素化物の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34467989A JP2716826B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | ピリジン塩素化物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34467989A JP2716826B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | ピリジン塩素化物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03200769A JPH03200769A (ja) | 1991-09-02 |
JP2716826B2 true JP2716826B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=18371142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34467989A Expired - Fee Related JP2716826B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | ピリジン塩素化物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716826B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11180956A (ja) * | 1997-12-16 | 1999-07-06 | Daicel Chem Ind Ltd | 塩化ピリジンの製造方法 |
EP1098880A4 (en) | 1998-07-15 | 2002-10-23 | Reilly Ind Inc | DECHLORINATION OF PYRIDINES IN ZINC-CONTAINING ACID MEDIA |
TWI551899B (zh) * | 2012-03-19 | 2016-10-01 | 日本化藥公司 | 染料系偏光元件及偏光板 |
CN107778225A (zh) * | 2016-08-26 | 2018-03-09 | 上海雅本化学有限公司 | 一种2‑肼基‑3‑氯吡啶的制备方法 |
CN108358835B (zh) * | 2018-02-24 | 2020-04-24 | 利尔化学股份有限公司 | 一种2,3,5-三氯吡啶的制备方法 |
CN108912043B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-11-30 | 江苏富鼎化学有限公司 | 一种2,3,5-三氯吡啶的合成方法 |
-
1989
- 1989-12-27 JP JP34467989A patent/JP2716826B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03200769A (ja) | 1991-09-02 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |