JPH11180956A - 塩化ピリジンの製造方法 - Google Patents

塩化ピリジンの製造方法

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JPH11180956A
JPH11180956A JP9346168A JP34616897A JPH11180956A JP H11180956 A JPH11180956 A JP H11180956A JP 9346168 A JP9346168 A JP 9346168A JP 34616897 A JP34616897 A JP 34616897A JP H11180956 A JPH11180956 A JP H11180956A
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pyridine chloride
chloride
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JP9346168A
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Sei Ikura
聖 以倉
Nobuhiro Katsumata
信宏 勝又
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Daicel Chemical Industries Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D213/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/04Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D213/60Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高収率で、しかも低コストで塩化ピリジンを
得ることができる製造方法を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化3】 (式中、X1からX5は同一又は異なって、塩素原子、水
素原子又はヒドラジノ基(−NHNH2)を表す。但
し、X1からX5のうちの少なくとも1つは塩素原子を表
し、X1からX5のうちの少なくとも1つはヒドラジノ基
を表す。)で表されるクロロヒドラジノピリジンを出発
原料とし、有機溶媒と水とが混合された溶媒中におい
て、相間移動触媒の存在下で、このクロロヒドラジノピ
リジンを過酸化水素にて酸化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農薬用や医薬用の
中間体として有用な塩化ピリジンを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ピリジンの製造方法が種々提
案されている。
【0003】例えば、特開昭61−249965号公報
には、ピリジン又はピリジン塩酸塩に液相塩素化法を施
して塩化ピリジンを得る方法が開示されている。しか
し、この方法では生成する塩化ピリジンが多種に渡って
しまい、特定の塩化ピリジンを単離するのが困難であっ
たり、単離工程が複雑となったりしてしまう。
【0004】特開昭58−206564号公報には、ピ
リジン塩素化物に気相塩素化法を施して塩化ピリジンを
得る方法が開示されている。しかし、この方法は気相反
応であるが故に反応工程が複雑であり、しかも前述の液
相塩素化法と同様、生成する塩化ピリジンが多種に渡っ
てしまうこととなる。
【0005】英国特許第1215387号公報には、2
−アミノ−3,5−ジクロロピリジンを出発原料とし、
これを塩素化して2,3,5−トリクロロピリジンを得
る方法が開示されている。しかし、この方法では出発原
料が高価であり、製造コストの点で不利となってしま
う。
【0006】米国特許第4127575号公報には、
2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラジノピリジン又は
2,3,5−トリクロロ−4−ヒドラジノピリジンを溶
媒中で次亜塩素酸ソーダによって酸化し、2,3,5−
トリクロロピリジンを得る方法が開示されている。この
方法は、目的物の選択率の点において優れるものであ
る。しかし、この方法ではトルエン等の溶媒を多量に用
いなければならず、しかも次亜塩素酸ソーダを15%程
度の水溶液として供給する必要があるので、いわゆる空
時収率が極めて悪い。また、この方法では単価の高い次
亜塩素酸ソーダを多量に使用しなければならない。しか
も、ステンレス製等の安価な反応容器では次亜塩素酸ソ
ーダにより腐食されてしまうので、高価な反応容器を用
いなければならない。このため、製造コストの上昇を招
いてしまうこととなる。
【0007】これらの不都合を解消する塩化ピリジンの
製造方法として、特開平3−200769号公報には、
2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラジノピリジン、
3,6−ジクロロ−2−ヒドラジノピリジン又は3,5
−ジクロロ−2−ヒドラジノピリジンを、例えば溶媒中
で過酸化水素により酸化した後、有機溶媒を加えて抽出
し、濃縮・分留してする塩化ピリジンの製造方法が開示
されている。この方法の採用により、塩化ピリジンの収
率をある程度高めることができ、製造コストをある程度
低減することができるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この過
酸化水素により酸化する塩化ピリジンの製造方法を工業
レベルにスケールアップすると、水と有機溶媒との分液
不良が生じてしまう。この分液不良の原因は詳細には不
明であるが、タール分の副生が原因と考えられる。この
分液不良が生じると、塩化ピリジンの収率が低下してし
まうという問題がある。また、分液不良対策を施せば製
造工程が複雑となってしまい、塩化ピリジンの製造コス
トを充分には低減できなくなってしまうという問題があ
る。従って、工業的生産過程においてさらに高収率で、
しかもさらに低コストで塩化ピリジンを得ることができ
る製造方法の開発が望まれているのが実状である。
【0009】本発明はこの問題に鑑みてなされたもので
あり、高収率で、しかも低コストで塩化ピリジンを得る
ことができる製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためになされた発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、X1からX5は同一又は異なって、
塩素原子、水素原子又はヒドラジノ基(−NHNH2
を表す。但し、X1からX5のうちの少なくとも1つは塩
素原子を表し、X1からX5のうちの少なくとも1つはヒ
ドラジノ基を表す。)で表されるクロロヒドラジノピリ
ジンを出発原料とし、有機溶媒と水とが混合された溶媒
中において、相間移動触媒の存在下で、このクロロヒド
ラジノピリジンを過酸化水素にて酸化させる反応工程を
含む塩化ピリジンの製造方法、である(請求項1)。
【0013】この発明によれば、有機溶媒と水とが混合
された溶媒中において、相間移動触媒の存在下でクロロ
ヒドラジノピリジンを過酸化水素で酸化させるので、反
応終了後に水と有機溶媒との分液不良が生じない。従っ
て、高収率で塩化ピリジンを得ることができる。しか
も、製造工程を複雑とする分液不良対策が不要であるた
め、塩化ピリジンの製造コストを低減することができ
る。
【0014】この発明において、溶媒中の有機溶媒と水
との混合比は重量比で1/100以上100/1以下が
好ましく(請求項2)、その溶媒の使用量はクロロヒド
ラジノピリジン100重量部に対して10重量部以上1
000重量部以下が好ましい(請求項3)。これによ
り、塩化ピリジン生成後の分液性をより向上させること
ができ、塩化ピリジンの製造コストをより低減すること
ができる。
【0015】また、この発明において、相間移動触媒の
使用量はクロロヒドラジノピリジン100重量部に対し
て0.01重量部以上100重量部以下が好ましい(請
求項4)。これにより、塩化ピリジンの収率をより高め
ることができる。
【0016】これらの発明において、反応工程における
反応系内にさらに塩基性物質を添加すれば、塩化ピリジ
ンの生成反応が促進され、高効率で塩化ピリジンを得る
ことができる(請求項5)。
【0017】これらの発明は、クロロヒドラジノピリジ
ンのうちのトリクロロヒドラジノピリジンを出発原料と
し、塩化ピリジンのうちのトリクロロピリジンを製造す
る場合に、特に有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、上記化学
式(1)で示されるクロロヒドラジノピリジンを出発原
料とし、このクロロヒドラジノピリジンを過酸化水素で
酸化することによりヒドラジノ基を水素原子に置換し
て、塩化ピリジンを得る。出発原料であるクロロヒドラ
ジノピリジンがモノクロロヒドラジノピリジンである場
合には、モノクロロピリジンを得ることができ、ジクロ
ロヒドラジノピリジンである場合には、ジクロロピリジ
ンを得ることができ、トリクロロヒドラジノピリジンで
ある場合には、トリクロロピリジンを得ることができ、
テトラクロロヒドラジノピリジンである場合には、テト
ラクロロピリジンを得ることができる。このように、出
発原料を選定することにより特定種類の塩化ピリジンを
生成させることができ、生成物の選択率を高めることが
できる。
【0019】出発原料であるクロロヒドラジノピリジン
は、既知の方法で得ることができる。例えば、既存の塩
化ピリジンの所定の位置の塩素原子をヒドラジノ基に選
択的に置換することにより、得ることができる。このク
ロロヒドラジノピリジンのヒドラジノ基を水素原子に置
換して得られる塩化ピリジンは、既存の塩化ピリジンの
所定位置の塩素原子が選択的に水素原子に置換された形
のものとなり、既存の塩化ピリジンに比べて塩素原子数
が少ないものとなる。例えば、ペンタクロロピリジンか
らテトラクロロヒドラジノピリジンを経てテトラクロロ
ピリジンを得ることができ、テトラクロロピリジンから
トリクロロヒドラジノピリジンを経てトリクロロピリジ
ンを得ることができ、トリクロロピリジンからジクロロ
ヒドラジノピリジンを経てジクロロピリジンを得ること
ができる。このように、既存の塩化ピリジンから所定位
置の塩素原子をヒドラジノ基に選択的に置換することに
よりクロロヒドラジノピリジンを得る方法としては、例
えば既存の塩化ピリジンと抱水ヒドラジンとを反応させ
る方法、特にこの場合において抱水ヒドラジンの当量数
を制御する方法が挙げられる(例えば、特開平5−33
9235号公報、1971年発行のJ.Chem.So
c.,(c),167等参照)。
【0020】過酸化水素による酸化反応は、有機溶媒と
水とが混合された溶媒中において行われる。これによ
り、塩化ピリジン生成反応終了後の分液不良を防ぐこと
ができる。ここで、有機溶媒としては、水に不溶性、難
溶性又は微可溶性の有機溶媒が好適に用いられる。本発
明に好適に用いられる有機溶媒としては、例えば、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン等が挙げ
られる。
【0021】溶媒における有機溶媒と水との混合比は重
量比で1/100以上100/1以下が好ましく、1/
10以上10/1以下が特に好ましい。混合比が上記範
囲未満であると、塩化ピリジンの収率の低下を招くこと
がある。逆に混合比が上記範囲を越えると、反応速度が
低下することがあり、また塩化ピリジンの収率の低下を
招くことがある。溶媒の使用量はクロロヒドラジノピリ
ジン100重量部に対して10重量部以上が好ましく、
50重量部以上が特に好ましい。溶媒の使用量が上記範
囲未満であると、塩化ピリジンの収率の低下を招くこと
がある。溶媒の使用量が多いことは何ら差し支えない
が、空時収率の低下防止を考慮すれば、クロロヒドラジ
ノピリジン100重量部に対して1000重量部以下が
好ましく、特に500重量部以下が実用的である。
【0022】本発明では、相間移動触媒の存在下で、ク
ロロヒドラジノピリジンを過酸化水素で酸化させる。こ
れにより、塩化ピリジンの収率を高めることができる。
ここで、相間移動触媒とは、互いに不均一な2相を形成
する溶媒中において各々の相中に存在するイオン、電荷
分子又は中性分子が他相に移動するのを促進する物質全
てを意味し、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ア
ミン、クラウンエーテル、クリプタンド等がこれに当た
る。
【0023】本発明で好適に用いられる相間移動触媒と
しては、例えば、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化
テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニ
ウム、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、臭化テト
ラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウ
ム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラオク
チルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウ
ム、臭化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリオ
クチルベンジルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチル
アンモニウム、塩化セチルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化ベンジ
ルトリメチルアンモニウム、塩化テトラブチルホスホニ
ウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化トリオクチ
ルエチルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウ
ム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、トリオクチルアミン、トリベンジルアミン、1
8−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6、[2.2.2]−クリプテート等が挙げられる。
特に好適に用いられる相間移動触媒としては、塩化ベン
ジルトリエチルアンモニウム及び塩化セチルジメチルベ
ンジルアンモニウムが挙げられる。
【0024】相間移動触媒の使用量はクロロヒドラジノ
ピリジン100重量部に対して0.01重量部以上が好
ましく、0.1重量部以上が特に好ましい。相間移動触
媒の使用量が上記範囲未満であると、反応速度が低下す
ることがあり、また塩化ピリジンの収率の低下を招くこ
とがある。相間移動触媒の使用量が多いことは何ら差し
支えないが、製造コストの上昇防止を考慮すれば、クロ
ロヒドラジノピリジン100重量部に対して100重量
部以下が好ましく、特に10重量部以下が実用的であ
る。本発明においては、反応系に塩基性物質を添加する
のが好ましい。塩基性物質を添加することにより、抱水
ヒドラジンが活性化されて塩化ピリジンの生成効率が高
められる。添加される塩基性物質は無機塩基でも有機塩
基でもかまわないが、精製工程が単純化されるという理
由により無機塩基が好ましい。好ましい無機塩基として
は、例えば炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウム等が挙げられ、なかでも炭酸水素ナトリウム
が特に好ましい。
【0025】塩基性物質の添加量は、水溶媒の量にも左
右されるが、一般的にはクロロヒドラジノピリジン10
0重量部に対して1重量部以上1000重量部以下が好
ましく、50重量部以上200重量部以下が特に好まし
い。塩基性物質の添加量が上記範囲未満であると、塩化
ピリジンの収率の低下を招くことがある。逆に塩基性物
質の添加量が上記範囲を越えると、精製工程が複雑とな
ることがある。
【0026】本発明で使用される過酸化水素はクロロヒ
ドラジノピリジンと等モル以上必要であり、通常1モル
等量以上3モル等量以下の過酸化水素が使用される。過
酸化水素による酸化反応は、通常1時間から20時間程
度かけて行われる。反応は通常摂氏0度以上200度以
下で行われ、好ましくは摂氏50度以上100度以下で
行われる。過酸化水素は過酸化水素水として反応系に仕
込まれる。過酸化水素水の仕込みは一括仕込みでもいい
が、通常は1時間から15時間程度かけて反応系内に滴
下される。
【0027】反応終了後、有機層を分離し、この有機層
を濃縮・分留することにより塩化ピリジンが得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、これら実施例の開示に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0029】[実施例1]反応容器中に出発原料として
50キログラムの2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラ
ジノピリジン、有機溶媒として45キログラムのトルエ
ン、100キログラムの水、塩基性物質として50キロ
グラムの炭酸水素ナトリウム及び相間移動触媒として3
キログラムの塩化ベンジルトリエチルアンモニウムを順
次加えた。反応系を摂氏75度に加熱・昇温し、反応容
器中に27キログラムの35%過酸化水素水を10時間
かけて滴下した。
【0030】反応終了後30分間静置して目視観察する
と有機層と水層との界面がはっきりと分かれており、分
液性は良好であった。この有機層を濃縮・分留すること
により、2,3,5−トリクロロピリジンを得た。2,
3,5−トリクロロ−6−ヒドラジノピリジンを基準と
して2,3,5−トリクロロピリジンの収率を算出した
ところ、収率は93%であった。
【0031】[実施例2]相間移動触媒として、塩化ベ
ンジルトリエチルアンモニウムに代えて3キログラムの
塩化セチルジメチルベンジルアンモニウムを加えた他は
実施例1と同様にして、過酸化水素による酸化反応を行
った。
【0032】反応終了後30分間静置して目視観察する
と有機層と水層との界面がはっきりと分かれており、分
液性は良好であった。この有機層を濃縮・分留すること
により、2,3,5−トリクロロピリジンを得た。2,
3,5−トリクロロ−6−ヒドラジノピリジンを基準と
して2,3,5−トリクロロピリジンの収率を算出した
ところ、収率は95%であった。
【0033】[比較例1]反応容器中に出発原料として
50キログラムの2,3,5−トリクロロ−6−ヒドラ
ジノピリジン、100キログラムの水、塩基性物質とし
て65キログラムの25%水酸化ナトリウム水溶液を順
次加えた。反応系を摂氏75度に加熱・昇温し、反応容
器中に27キログラムの35%過酸化水素水を10時間
かけて滴下した。反応終了後45キログラムのトルエン
を投入した。
【0034】120分間静置して目視観察すると有機層
と水層との界面にはスカム状の物質が両層を抱き込んだ
状態で存在しており、分液性は不良であった。この有機
層を濃縮・分留することにより、2,3,5−トリクロ
ロピリジンを得た。2,3,5−トリクロロ−6−ヒド
ラジノピリジンを基準として2,3,5−トリクロロピ
リジンの収率を算出したところ、収率は84%であっ
た。
【0035】[比較例2]塩化ベンジルトリエチルアン
モニウムを加えなかった他は実施例1と同様にして、過
酸化水素による酸化反応を起こさせた。
【0036】反応終了後120分間静置して目視観察す
ると有機層と水層との界面にはスカム状の物質が両層を
抱き込んだ状態で存在しており、分液性は不良であっ
た。この有機層を濃縮・分留することにより、2,3,
5−トリクロロピリジンを得た。2,3,5−トリクロ
ロ−6−ヒドラジノピリジンを基準として2,3,5−
トリクロロピリジンの収率を算出したところ、収率は2
3%であった。
【0037】以上の結果の一覧を下記の表1として示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、有機溶媒と水と
が混合された溶媒中において、相間移動触媒の存在下で
クロロヒドラジノピリジンを酸化させた実施例1及び実
施例2の製造方法は、水のみを溶媒として相間移動相間
移動触媒を用いていない比較例1の製造方法及び相間移
動触媒を用いていない比較例2の製造方法に比べて、分
液性及び収率に優れている。この実験結果より、本発明
の製造方法の優位性が証明された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、高収率
で目的物を得ることができ、しかも分液性が良好なため
分液不良対策をとる必要がなく、このため低コストで目
的物を得ることができる塩化ピリジンの製造方法を提供
するものである。
【0041】また、この製造方法は目的物の選択率に優
れるので生成する塩化ピリジンが多種に渡ってしまうこ
とが少なく、従って特定の塩化ピリジンを単離する工程
を設ける必要がない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、X1からX5は同一又は異なって、塩素原子、水
    素原子又はヒドラジノ基(−NHNH2)を表す。但
    し、X1からX5のうちの少なくとも1つは塩素原子を表
    し、X1からX5のうちの少なくとも1つはヒドラジノ基
    を表す。)で表されるクロロヒドラジノピリジンを出発
    原料とし、有機溶媒と水とが混合された溶媒中におい
    て、相間移動触媒の存在下で、このクロロヒドラジノピ
    リジンを過酸化水素にて酸化させる反応工程を含む塩化
    ピリジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記溶媒中の有機溶媒と水との混合比
    が、重量比で1/100以上100/1以下である請求
    項1に記載の塩化ピリジンの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記溶媒の使用量が、クロロヒドラジノ
    ピリジン100重量部に対して10重量部以上1000
    重量部以下である請求項1又は2に記載の塩化ピリジン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記相間移動触媒の使用量が、クロロヒ
    ドラジノピリジン100重量部に対して0.01重量部
    以上100重量部以下である請求項1から3のいずれか
    に記載の塩化ピリジンの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記反応工程における反応系内に、さら
    に塩基性物質が添加されている請求項1から4のいずれ
    かに記載の塩化ピリジンの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記出発原料であるクロロヒドラジノピ
    リジンがトリクロロヒドラジノピリジンであり、得られ
    る塩化ピリジンが、トリクロロピリジンである請求項1
    から5のいずれかに記載の塩化ピリジンの製造方法。
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