JP2716144B2 - 真空容器 - Google Patents

真空容器

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JP2716144B2 JP63137379A JP13737988A JP2716144B2 JP 2716144 B2 JP2716144 B2 JP 2716144B2 JP 63137379 A JP63137379 A JP 63137379A JP 13737988 A JP13737988 A JP 13737988A JP 2716144 B2 JP2716144 B2 JP 2716144B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、物品を真空状態に収納する真空容器に係
り、特に、移送可能とされている真空容器に関する。
〔従来の技術〕
一般に、半導体チップ等の製造においては、半導体の
品質に直接影響を与えるチップ表面に付着している物質
を分析する必要がある。
このため、従来から真空雰囲気中において製造した半
導体チップのサンプルを分析機器に掛けて半導体チップ
の表面に付着している物質を分析するようにしていた。
また、このような半導体チップに限らず、真空中におい
て分析、解析等を行なう場合には同様に分析機器に掛け
なければならなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述した半導体チップのサンプルを製造し
た真空雰囲気中から分析機器までこのサンプルを移送す
るのに、従来は、単純な密閉容器中にサンプルを収納し
て移送していた。
しかしながら、このような密閉容器中にサンプルを収
納して移送するのでは、半導体チップのサンプルが大気
に曝されることになるため、大気中の物質が半導体チッ
プのサンプルの表面に付着するなどして汚染され、この
サンプルの表面がその製造時における状態と異なってし
まい分析結果が無意味になってしまうおそれがあった。
このため、従来、半導体チップの製造装置に半導体チ
ップの分析機器を付設し、半導体チップのサンプルを大
気に曝されることなく分析機器に移送することも行なわ
れていた。
しかしながら、この種の分析機器には高価なものもあ
り、このような高価な分析機器を購入して半導体チップ
の製造装置に取付けるのでは、分析機器の使用頻度が低
いため採算が合わないおそれがあった。
また、分析手段によっては、半導体チップを製造場所
から他の場所へ移送した上で分析を行なわなければなら
ない場合もあった。
本発明は、このような点に鑑み、半導体チップのサン
プルのように大気に曝すことなく移送しなければならな
い物品を真空状態において移送することができる真空容
器を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、この第1の目的に加えて超高真空状
態を維持するために容器本体内のベーキング処理時間を
著しく短縮または不要とすることができる真空容器を提
供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、これらの第1の目的および第2の
目的の少なくとも一方に加えて手持ちを可能とした軽量
の真空容器を提供することを第3の目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前述した第1の目的を達成するため特許請求の範囲の
請求項第1項の真空容器は、気密状態とされ物品を挿脱
するための開口が形成されている容器本体と、この容器
本体の開口を容器本体に気密に固定されたハンドルの操
作により連通口および遮蔽板部を有する弁体を開口の内
側に沿って移動させることにより開閉するゲートバルブ
と、前記容器本体に連設され容器本体内の真空状態を保
持する真空保持ポンプと、前記容器本体内の前記開口の
ほぼ延長上となる部位に配設され少なくともひとつの物
品を解放可能に固定する固定部と、前記容器本体に気密
に装着され前記固定部を目視しうる透明体からなる覗き
窓とを有することを特徴としている。
また、前述した第2の目的を達成するため請求項第2
項の真空容器は、請求項第1項記載のものにおいて、容
器本体をアルミニウム(純アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金)により形成したことを特徴としている。
さらに、前述した第3の目的を達成するため請求項第
3項の真空容器は、請求項第1項または第2項記載の真
空容器において、容器本体の少なくとも一部をハニカム
構造としたことを特徴としている。
〔作 用〕
前述した構成の請求項第1項によれば、この真空容器
を例えば半導体装置に中間密封通路を介して接続した上
で、ハンドルを操作してゲートバルブにより容器本体の
開口を開放し、中間密封通路に接続されている小型ター
ボ分子ポンプのような外部の真空ポンプを駆動して中間
密封通路および容器本体内の空気を排気する。そして、
この外部の真空ポンプによる排気が終了して真空状態が
形成されたら、半導体チップ製造装置のゲートバルブを
開放して半導体製造装置を中間密封通路を介して真空容
器の容器本体と連通せしめ、この半導体製造装置側から
半導体チップのような物品を把持しているマニピュレー
タを中間密封通路および開口を介して容器本体内に挿入
し、物品を容器本体内の固定部にまで覗き窓から目視し
つつ移送する。この固定部に物品を載置した後、マニピ
ュレータは開口を介して容器本体外に導出される。する
と、この固定部において物品を固定するとともに、ハン
ドルを操作してゲートバルブにより開口を閉鎖し、さら
には真空保持ポンプが駆動される。これにより物品は真
空雰囲気中に収納されることになる。そこで、この真空
容器を、中間密封通路から分離した上で分析機器その他
が設けられている所定の場所まで移送すれば、物品を大
気に曝らすことなく移送することができる。
また、前述した構成の請求項第2項によれば、前述し
た請求項第1項の作用に加え、容器本体がアルミニウム
製なので、容器本体内の超高真空状態を保持するために
容器本体内面にベーキング処理を施す時間が著しく短縮
されるかあるいは不要とされ、製造工程を簡略すること
ができるし、また、低コスト化をはかることができる。
さらに、前述した構成の請求項第3項によれば、前述
した請求項第1項および第2項の作用に加え、容器本体
の重量をむくの厚板を使用するのと比較して軽量化する
ことができるので、把手を取付けるなどすれば、運搬要
員が携行して飛行機の座席等にも持ち込むことができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例により説明する。
第1図および第2図は本発明に係る真空容器1の実施
例を示すものであり、真空容器1は、ほぼ直方体形状の
容器本体2を有しており、この容器本体2は、それぞれ
アルミニウム合金製の板体4A,4B間に同じアルミニウム
合金製のハニカム構造体(図示せず)が真空ろう付けに
より介装されてなる軽量でかつ強度が強いハニカムサン
ドイッチパネル3により形成されており、また、後述す
る真空保持ポンプ6および開口7などを取付ける部位の
真空容器1には、ハニカム構造体が露出しないようにす
るためアルミニウム合金からなるフレーム5が真空ろう
付けにより板体4A,4Bを連通するように接続されてい
る。
前記容器本体2に形成されフレーム5により囲繞され
ている窓孔8内には、前記容器本体2内を例えば最高10
-10Torrの超高真空状態に保持するための前記真空保持
ポンプ6が、一部容器本体2外に突出するように気密に
取付けられている。この真空保持ポンプ6としては、一
例としてイオンポンプを設けたものが考えられ、この真
空保持ポンプ6は、容器本体2を超高真空状態に維持す
る際には常時駆動されるようになっている。
前記容器本体2内に、物品の一例としての半導体チッ
プのサンプルSを挿脱するための前記開口7が、前記容
器本体2に形成されフレーム5により囲繞されている他
の窓孔8内に気密に取付けられた開口用部材9内に形成
されている。この開口用部材9の内側面には、前記開口
7の外周を囲繞するようにシール部材10が取付けられて
いる。
前記開口7を開閉するためのゲートバルブ11が前記容
器本体2に形成されたさらに他の窓孔8内に支持されて
いる。このゲートバルブ11は、窓孔8内に気密に装着さ
れた円環状の固定部材12を有しており、この固定部材12
の内側には、容器本体2内に臨むガイドスリーブ13が気
密に取付けられている。このガイドスリーブ13の内側に
は、このガイドスリーブ13の内周面に沿って摺動し得る
可動スリーブ14が嵌合されており、この可動スリーブ14
の中心部にはねじ孔15が形成されている。この可動スリ
ーブ14の下端には固定板16が取付けられており、この固
定板16には、前記開口用部材9の内側に位置し、開口用
部材9のシール部材10に圧接するL字板状の弁体17が突
設されている。この弁体17には、この弁体17の昇降に伴
ない前記開口7の延長上に臨む連通口18が形成されてお
り、この連通口18の下方には、前記開口7を遮蔽する遮
蔽板部19が形成されている。
前記可動スリーブ14のねじ孔15には、上端が容器本体
2の外方に臨むねじ軸20が螺合されており、このねじ軸
20の上端部には、ねじ軸20を回転させる回転ハンドル21
が取付けられている。したがって、この回転ハンドル21
を回転することによりねじ軸20が回転し、可動スリーブ
14をガイドスリーブ13に沿って昇降せしめることがで
き、これにより弁体17により開口7を開閉することがで
きる。また、前記固定部材12および固定板16には、前記
ガイドスリーブ13、可動スリーブ14等の外周を囲繞し、
容器本体2内を気密に保持するためのベローズ22が介装
されている。
前記容器本体2内には、前記開口7のほぼ延長上を、
少なくとも1つのサンプルSを載置する固定部24とされ
た固定台23が設置されており、またこの固定部24上に載
置されたサンプルSを安定的にかつ解放可能に保持する
図示しない保持手段が容器本体2内に配設されている。
さらに、前記固定台23の両側の容器本体2には、第2図
に示すように、固定台23の固定部24上にサンプルSが保
持されているのを確認するための透明体からなる1対の
覗き窓25,25がそれぞれ容器本体2に形成されたフレー
ム5により囲繞されている窓孔8内に気密に取付けられ
たフレーム26に支持されている。なお、前記容器本体2
には、図示しない把手が突設され、この真空容器1を手
持ちしうるようになっている。
つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用につい
て真空雰囲気中において製造した半導体チップのサンプ
ルを移送する例をとって説明する。
まず、バルブを閉鎖されている図示しない半導体製造
装置に、小型ターボ分子ポンプのような真空ポンプ(図
示せず)が取付けられている図示しない中間密封通路を
接続するとともに、この中間密封通路を開口用部材9に
接続する。そして、回転ハンドル21を回転して弁体17を
下降することにより弁体17の連通口18を開口用部材9の
開口7に連通せしめて開口7を開放した上で前記中間密
封通路に取付けられている前記真空ポンプを駆動し、中
間密封通路および容器本体2内の空気を排気する。
前記真空ポンプによる容器本体2内の排気が終了して
容器本体2内が超高真空状態になったら、真空保持ポン
プ6を駆動して容器本体2内を10-10Torrに近い超高真
空状態に維持しておき、半導体製造装置のゲートを開放
して半導体製造装置内を中間密封通路を介して容器本体
2内と連通する。その後、半導体製造装置の真空雰囲気
中において製造された半導体チップのサンプルSをマニ
ピュレータによりこの真空雰囲気中から直接真空容器1
の容器本体2内に中間密封通路、開口7および連通口18
を介して導入し、固定部24の固定台23上に載置する。サ
ンプルSを固定台23上に載置したらマニピュレータは後
退して容器本体2外に退避するので、再度回転ハンドル
21を回転して弁体17を上昇することにより弁体17の遮蔽
板部19を再度開口7に対向せしめて開口7を閉鎖し、容
器本体2内を気密状態にする。一方、固定台23上に載置
されたサンプルSは、図示しない保持手段により容器本
体2を傾斜しても落下しないように保持される。この状
態は覗き窓25から容器本体2内を見ることにより確認す
ることができできる。
このような状態においては、サンプルSは容器本体2
内において超高真空雰囲気中に収納されているので、真
空容器1を中央密封通路から切離した上でこの真空容器
1自体を携行するなどして移送することによりサンプル
Sを大気に曝すことなく、分析機器まで移送することが
できる。
このように本実施例によれば、真空保持ポンプ6およ
びゲートバルブ11などにより超高真空状態を維持されて
いる容器本体2内にサンプルSを収納して移送すること
ができるので、サンプルSを大気に曝すことなく分析機
器まで移送することができ、半導体チップの表面に付着
している物質を誤差なく分析することができる。
また、容器本体2はアルミニウム合金により形成され
ているので、超高真空状態を保持するために、ステンレ
スなどにおいては不可欠とされている内面のベーキング
処理を著しく時間を短縮して行なうかあるいは全く行な
うことなく超高真空状態を保持することができるので、
製造工程を簡略化することができ、またコストも安価に
することができる。
さらに、容器本体2は強度の強いハニカムサンドイッ
チパネル3により形成されているので、容器本体2を軽
量化して携行しやすくなっている。
さらにまた、真空保持ポンプ6およびゲートバルブ11
に組込むようにして容器本体2が真空保持ポンプ6およ
びゲートバルブ11の一部を兼ねるようにしているので、
この点においても容器本体2の重量を軽量化することが
できる。
なお、本発明は、前述した実施例に限定されるもので
はなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例え
ば、請求項第3項のハニカム構造としては、両面板間の
密封空所内に介装されているコアを、言葉通りの蜂の巣
状のほか、格子状、波形状その他種々の形状とすること
ができる。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、物品を大気に曝
すことなく真空状態において移送することができるばか
りでなく、ハンドルの操作によりゲートバルブを確実に
手動で開閉できるし、さらには、固定部への物品の移送
を固定部が開口のほぼ延長上にあるので簡単に行える
し、しかも覗き窓を介して目視することにより確実に行
うことができる。
また、本発明によれば、容器本体をアルミニウムによ
り形成することにより内面のベーキング処理時間を著し
く短縮するかあるいはベーキング処理自体を不要にして
真空を保持することができる。
さらに、本発明によれば、容器本体の少なくとも一部
をハニカム構造とすることにより容器本体を軽量化して
人による携行を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る真空容器の実施例を示す縦断面正
面図、第2図は第1図の一部縦断面側面図である。 1……真空容器、2……容器本体、3……ハニカムサン
ドイッチパネル、6……真空保持ポンプ、7……開口、
9……開口用部材、10……シール部材、11……ゲートバ
ルプ、17……弁体、18……連通口、19……遮蔽板部、22
……ベローズ、23……固定台、 24……固定部、25……覗き窓。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−7124(JP,A) 特開 昭63−121657(JP,A) 特開 昭57−56245(JP,A) 特開 昭58−81268(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密状態とされ物品を挿脱するための開口
    が形成されている容器本体と、この容器本体の開口を容
    器本体に気密に固定されたハンドルの操作により連通口
    および遮蔽板部を有する弁体を開口の内側に沿って移動
    させることにより開閉するゲートバルブと、前記容器本
    体に連設され容器本体内の真空状態を保持する真空保持
    ポンプと、前記容器本体内の前記開口のほぼ延長上とな
    る部位に配設され少なくともひとつの物品を解放可能に
    固定する固定部と、前記容器本体に気密に装着され前記
    固定部を目視しうる透明体からなる覗き窓とを有するこ
    とを特徴とする真空容器。
  2. 【請求項2】前記容器本体はアルミニウムにより形成さ
    れている請求項第1項記載の真空容器。
  3. 【請求項3】前記容器本体の少なくとも一部はハニカム
    構造とされている請求項第1項または第2項記載の真空
    容器。
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