JP2715693B2 - ナフトフタロシアニン誘導体の製造方法 - Google Patents

ナフトフタロシアニン誘導体の製造方法

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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/06Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide
    • C09B47/067Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide from phthalodinitriles naphthalenedinitriles, aromatic dinitriles prepared in situ, hydrogenated phthalodinitrile

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緑色色素であるナフト
フタロシアニン誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナフトフタロシアニンは近赤外領域に特
徴的な吸収帯を有する緑色色素であり、近年追記型光記
録材料への適用に代表されるように、電子材料への応用
について活発に研究が行われている。例えば米国特許第
4,725,525号や、我国の特開昭61−1772
87号公報にはナフトフタロシアニンおよびシリコンナ
フトフタロシアニンの製造方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ナフトフタロシアニン
は出発原料を1,2−ジシアノベンゼンから2,3−ジ
シアノナフタレンに換えることにより、フタロシアニン
と同様の方法で製造することができる。しかしながら、
その製造方法は煩雑であり、多段階におよぶ反応、高価
な反応溶媒や触媒、激しい反応条件、長い反応温度等を
必要とし、さらに目的物の収率が低いという欠点があっ
た。本発明はこれらの欠点を改良するためになされたも
ので、ナフトフタロシアニン誘導体を簡単に収率よく製
造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は金属リチウムと
ペンチルアルコールを反応させ、次いで化学式1:
【化3】 で表される2,3−ジシアノナフタレン誘導体を添加混
合して反応させ、得られる反応生成物にM 、M
またはM qで表され
る化合物を添加混合して反応させることを特徴とする化
学式2:
【化4】 で表されるナフトフタロシアニン誘導体の製造方法であ
る。〔ここで、化学式1および化学式2中、Rは置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアルケニル基またはハロ
ゲン原子を表す。Mは原子番号13,14,および22
から33まで、44から51まで、76から78までの
各元素を表し、L、LおよびLと、BおよびB
は非共有電子対を有する原子または原子団を表し、x
は0〜4の整数、l、m、nおよびqはそれぞれ独立に
0〜12の整数を表す。〕
【0005】本発明によれば、ナフトフタロシアニン誘
導体を、反応中間生成物を単離することなく簡単に高収
率で製造することができる。本発明で使用されるペンチ
ルアルコールは、マグネシウムメトキシド等、適当な乾
燥剤を用いてあらかじめ十分に乾燥させておくことが望
ましい。金属リチウムは粉末状、棒状、あるいは粒塊状
等何れでもよいが、常温においても溶媒であるペンチル
アルコールと激しく水素を発生しながら反応するので、
本発明に使用するものとしては表面積が小さい棒状ある
いは粒塊状が望ましい。2,3−ジシアノナフタレンは
5〜8位に置換基が存在してもよく、また隣合う置換基
同士が結合して閉環構造をとっていてもよい。M
l1 m、Ml1 m2 nまたはMl1 m2 n3 qで表される
化合物は、ナフトフタロシアニン誘導体の中心部にMに
相当する原子を挿入するために用いるものであり、Lで
示される、いわゆる配位子は水分子以外の非共有電子対
を有するものであればよいが、カルボニル、ニトロシ
ル、アセチルアセトナト、アセタト配位子等が特に適し
ている。水分子が存在すると、生成する水素イオンがM
で示される原子に優先してナフトフタロシアニン誘導体
の中心部の窒素原子に結合するために、目的物を得るこ
とができない。
【0006】本発明のナフトフタロシアニン誘導体の製
造方法において、反応条件は2,3−ジシアノナフタレ
ン誘導体添加後は、反応溶液の沸点温度(約138℃)
で1時間程度を要し、Mで表した原子を挿入する反応段
階においては更に1〜3時間程度の加熱環流時間を要す
る。目的物であるナフトフタロシアニン誘導体におい
て、その中心部に挿入された原子Mが6配位・8面体型
構造をとる場合、軸方向の2つの配位座B1、B2には、
通常L1、L2またはL3で表した配位子が結合するが、
その他の配位子を反応させることもできる。なお、乾燥
した窒素ガスを反応溶液中に導き、環流中にバブリング
を継続することにより、反応副生成物の生成を抑え、目
的物を良好な収率で得ることができる。目的物であるナ
フトフタロシアニン誘導体は非常に安定なものが多く、
反応終了後は、容易にこれを単離、精製することができ
る。単離、精製法としては、例えばカラムクロマトグラ
フィーや再結晶法等、通常利用される手段を適用するこ
とができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 実施例1カルボニルナフトフタロシアニンルテニウム(II)の製
マグネシウムメトキシドで十分に乾燥させたペンチルア
ルコール50cm3を100cm3三口フラスコにとり、
氷浴で冷却しながら粒塊状の金属リチウム0.21g
(30mmol)を加えて攪拌した。反応溶液から気体
(水素ガス)が生じ始め、氷浴を除去することにより更
に激しく発泡した。金属リチウムが完全に溶解し、発泡
がおさまった後、2,3−ジシアノナフタレン1.78
g(10.0mmol)を加えて加熱し、窒素ガスをバ
ブリングしながら反応溶液の沸点(約138℃)で1時
間環流した。反応溶液の色は環流直後から緑色を呈し、
やがて濃緑色となった。次に、ドデカカルボニルトリル
テニウム[Ru3(CO)12]0.64g(1.0mm
ol)を加えて更に2時間環流した。環流後、反応溶液
を冷却し、生じた沈殿をろ過捕集し、カラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル−クロロホルム系)により精製
し、乾燥して緑色生成物0.96gを得た。本物質の元
素分析結果を表1に示す。
【0008】
【表1】 ──────────────────────────── 実測値(%) 計算値(%) ──────────────────────────── C 70.89 69.90 H 2.88 2.89 N 14.02 13.31 Ru 12.70 12.01 ────────────────────────────
【0009】実施例2ジイミダゾールナフトフタロシアニンコバルト(III)
の製造 マグネシウムメトキシドで十分に乾燥させたペンチルア
ルコール50cm3を100cm3三口フラスコにとり、
氷浴で冷却しながら粒塊状の金属リチウム0.20g
(29mmol)を加えて攪拌した。反応溶液から気体
(水素ガス)が生じ始め、氷浴を除去することにより更
に激しく発泡した。金属リチウムが完全に溶解し、発泡
がおさまった後、2,3−ジシアノ−6,7−ジメチル
ナフタレン2.08g(10.0mmol)を加えて加
熱し、窒素ガスをバブリングしながら反応溶液の沸点
(約138℃)で1時間環流した。反応溶液の色は環流
直後から緑色を呈し、やがて濃緑色となった。次に、ア
セチルアセトナトコバルト[Co(C5723]4.
27g(1.08mmol)を加えて更に3時間環流し
た。次にイミダゾール0.41g(6.00mmol)
を加えて1時間環流した。環流後、反応溶液を冷却し、
生じた沈殿をろ過捕集し、カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル−クロロホルム系)により精製し、乾燥し
て緑色生成物1.01gを得た。本物質の元素分析結果
を表2に示す。
【0010】
【表2】 ──────────────────────────── 実測値(%) 計算値(%) ──────────────────────────── C 71.53 72.49 H 5.41 5.41 N 16.02 16.37 Co 5.70 5.74 ────────────────────────────
【0011】
【発明の効果】従来のナフトフタロシアニン誘導体の製
造方法では反応が多段階にわたり、その各段階において
中間生成物を単離していたので、製造工程が複雑であ
り、また収率も非常に低いものであった。これに対し、
本発明の方法によれば、反応の段数が少なく、また中間
生成物を単離することなく連続的に反応を行うことがで
きると共に、収率の向上も可能となった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属リチウムとペンチルアルコールを反
    応させ、次いで化学式1: 【化1】 で表される2,3−ジシアノナフタレン誘導体を添加混
    合して反応させ、得られる反応生成物にM 、M
    またはM で表され
    る化合物を添加混合して反応させることを特徴とする化
    学式2: 【化2】 で表されるナフトフタロシアニン誘導体の製造方法。
    〔ここで、化学式1および化学式2中、Rは置換基を有
    してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、置換基を有してもよいアルケニル基またはハロゲン
    原子を表す。Mは原子番号13,14,および22から
    33まで、44から51まで、76から78までの各元
    素を表し、L、LおよびLと、BおよびB
    非共有電子対を有する原子または原子団を表し、xは0
    〜4の整数、l、m、nおよびqはそれぞれ独立に0〜
    12の整数を表す。〕
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