JP2714519B2 - レンズ研削装置 - Google Patents

レンズ研削装置

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JP2714519B2
JP2714519B2 JP4204909A JP20490992A JP2714519B2 JP 2714519 B2 JP2714519 B2 JP 2714519B2 JP 4204909 A JP4204909 A JP 4204909A JP 20490992 A JP20490992 A JP 20490992A JP 2714519 B2 JP2714519 B2 JP 2714519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡フレームの形状デ
ータに基づいて加工前レンズを研削するレンズ研削装置
に関し、特にレンズ枠に反り角を有する眼鏡フレームに
枠入れされるレンズのレンズ研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡レンズの研削に際しては、一般に眼
鏡フレームのレンズ枠の所望の位置にレンズの光学中心
がくるように配慮する必要がある。
【0003】従来、この種のレンズ研削装置としては、
特公平3−25298号公報に記載されたものが知られ
ている。ここに開示された装置は、眼鏡フレームの形状
測定機構により眼鏡フレームのレンズ枠内周、またはレ
ンズ型板をトレースして、レンズ枠の形状データを読み
取り、この形状データを研削データに変換して加工前レ
ンズを研削するものである。
【0004】この装置の特徴は、眼鏡フレームのレンズ
枠の計測により得られた幾何学中心を原点とする座標デ
ータを、入力された寄せ量に応じて光学中心を原点とす
る座標データに変換して研削データを求め、加工前レン
ズを光学中心から偏心させずにレンズ回転軸に取り付け
て、レンズ研削ができる点にある。すなわち、レンズの
光学中心を研削装置のレンズ回転軸に一致させた状態で
レンズ研削ができるため、高精度なレンズの加工が可能
である。
【0005】なお、前記公報で開示されている寄せ量と
は、レンズ枠の幾何学中心に対するレンズ光学中心の偏
位であって、左右方向の寄せ量は、眼鏡フレームのレン
ズ枠の幾何学中心間距離(FPD)と装用者の瞳孔間距
離(PD)との関係で決定されるものである。
【0006】図8は、かかる従来装置におけるレンズ研
削方法の概略を示すフローチャートである。図におい
て、Sに続く数値はステップ番号を示す。 〔S21〕レンズ枠形状を測定する。この測定結果は、
左右別々にレンズ枠の形状データとして、RAM等の記
憶手段に保持される。 〔S22〕上記形状データからレンズ枠の幾何学中心を
求める。 〔S23〕レンズ枠の幾何学中心を基準とする寄せ量を
入力する。 〔S24〕レンズ光学中心位置を、ステップS22で求
めた幾何学中心と上記寄せ量とから演算により求める。 〔S25〕S21のレンズ枠形状データを、S24で得
られた光学中心位置を原点としたデータに修正する。 〔S26〕加工前レンズを光学中心位置で研削装置の回
転軸に保持し、S25で得られたデータにて加工前レン
ズを研削する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した公報が開示し
ているレンズ研削装置は、レンズ枠形状、レンズ形状等
を考慮せずに、特にレンズ枠の反りを考慮せずに、レン
ズ枠の幾何学中心を基準にしてレンズ光学中心位置を算
出している。
【0008】ところで最近、図10に示すような反り角
θを有する眼鏡フレームが広く使用されるようになって
きた。図10は眼鏡フレームを上部からみた平面図であ
る。図中、L1は、左右レンズの最も鼻側に近い点を結
んだ線であり、L2,L3は、各レンズ枠の基準線(図
11を参照して後述)である。L1と、L2,L3とが
なす角度θ2,θ3が反り角である。
【0009】図11は上記基準線を示す眼鏡フレームの
正面図である。すなわち、基準線は、レンズ枠上の2点
を結んだ直線が最大の長さになる直線L4を指す。上記
従来のレンズ研削装置では反り角が0度であることを前
提にして研削データを求めていた。しかし、反り角を有
する眼鏡フレームでは以下のような問題が生じる。
【0010】図9は反り角を有しない眼鏡フレームを上
から見た概略図である。反り角を有しない眼鏡フレーム
では、レンズ枠の幾何学中心P2と、レンズ枠の幾何学
中心P2を原点とした研削データに基づいて研削され、
レンズ枠に枠入れされたレンズの頂点位置P1を、左右
レンズの最も鼻側に近い点を結んだ線Lbに射影したと
き、同じ点(P2位置)に位置する。上記レンズの頂点
位置は、レンズ枠の幾何学中心P2を原点とした研削デ
ータに基づいて研削され、レンズ枠に枠入れされたレン
ズの前面カーブ91の曲率中心92とレンズ枠の幾何学
中心P2とを結ぶ直線93が、レンズの前面カーブ91
と交差する点P1である。
【0011】この反り角を有しない眼鏡フレームでは、
幾何学中心P2を基準にして寄せ量を求めても、レンズ
枠に枠入れされたレンズの光軸と装用者の正常時の視線
94とがレンズ前面上で一致する。
【0012】ところが、図12に示すように、反り角θ
を有する眼鏡フレームでは、レンズ枠の幾何学中心P1
2とレンズの頂点位置P11とを、左右レンズの最も鼻
側に近い点を結んだ線Laに射影したときの各点P12
a,P11aが、同じ点に位置しない。図12は、反り
角を有する眼鏡フレームの概略平面図である。
【0013】したがって、特公平3−25298号公報
に示される方法のように、レンズ枠の幾何学中心を基準
にしてレンズの光学中心を算出して、研削し、枠入れす
ると、レンズの光軸と装用者の平常時の視線とがレンズ
前面上で一致しないという問題が生じる。この不一致
は、反り角、レンズ前面の曲率半径等に依存するもので
ある。
【0014】本発明は上述した課題を解決するためにな
されたもので、眼鏡フレームのレンズ枠形状にかかわら
ず、レンズを研削後に枠入れしたときにレンズの光軸と
装用者の平常時の視線とがレンズ前面上で一致するよう
に研削加工できるレンズ研削装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、眼鏡フレームのレンズ枠の形状データに
基づいて、加工前レンズをレンズ枠形状に研削加工する
レンズ研削装置において、レンズ枠の幾何学中心を原点
とした、レンズ枠の三次元形状データを入力するレンズ
枠形状データ入力手段と、加工前レンズのレンズ形状デ
ータを入力するレンズ形状入力手段と、前記入力された
レンズ枠の三次元形状データを研削データとして研削さ
れ、レンズ枠に枠入れされたとした場合の加工済レンズ
における前面カーブの曲率中心とレンズ枠の幾何学中心
とを結ぶ直線が加工済レンズの前面と交差する点である
頂点位置を、前記入力されたレンズ枠の三次元形状デー
タおよびレンズ形状データに基づいて算出するレンズ頂
点位置算出手段と、前記算出されたレンズの頂点位置を
基準として、枠入れ後のレンズの所望の光学中心までの
寄せ量を算出する寄せ量算出手段と、前記入力されたレ
ンズ枠の三次元形状データに対し前記算出された寄せ
量だけ原点を移動して研削データを作成する研削データ
作成手段と、前記加工前レンズをレンズ光学中心で加工
回転軸に保持し、前記作成された研削データに基づいて
研削するレンズ研削手段とを有することを特徴とするレ
ンズ研削装置が、提供される。
【0016】また、加工前レンズに設定されるヤゲンの
ヤゲン頂点位置を算出するヤゲン頂点位置算出手段をさ
らに有し、レンズ頂点位置算出手段は、入力されたレン
ズ枠の三次元形状データ、レンズ形状データ、およびヤ
ゲン頂点位置算出手段で算出されたヤゲン頂点位置に基
づいて、前記レンズの頂点位置を算出する。
【0017】
【0018】なお、上記レンズの頂点位置は、レンズ枠
の幾何学中心を原点とした研削データに基づいて研削さ
れ、レンズ枠に枠入れされたレンズの前面カーブの曲率
中心とレンズ枠の幾何学中心とを結ぶ直線が、レンズの
前面と交差する点であると定義する。
【0019】
【作用】以上の構成により、まず、レンズ枠形状データ
入力手段により、レンズ枠の幾何学中心を原点とした、
レンズ枠の三次元形状データが入力され、また、レンズ
形状入力手段により、加工前レンズのレンズ形状データ
が入力される。
【0020】つぎに、レンズ頂点位置算出手段は、入力
されたレンズ枠の三次元形状データを研削データとして
研削されてレンズ枠に枠入れされたとした場合の加工済
レンズの頂点位置を、入力されたレンズ枠の三次元形状
データおよびレンズ形状データに基づいて算出する。
【0021】寄せ量算出手段は、算出されたレンズの頂
点位置を基準として、枠入れ後のレンズの所望の光学中
心までの寄せ量を算出する。寄せ量をこうして算出する
ことにより、眼鏡フレームのレンズ枠に反り角があって
も、レンズを研削後に枠入れしたときにレンズの光軸と
装用者の平常時の視線とをレンズ前面上で一致させるこ
とが可能となる。
【0022】そして、研削データ作成手段は、入力され
たレンズ枠の三次元形状データに対し、算出された寄せ
量だけ原点を移動して研削データを作成する。最後に、
レンズ研削手段は、加工前レンズをレンズ光学中心で加
工回転軸に保持し、作成された研削データに基づいて研
削する。
【0023】また、ヤゲン頂点位置算出手段が、加工前
レンズに設定されるヤゲンのヤゲン頂点位置を算出し、
レンズ頂点位置算出手段は、この算出されたヤゲン頂点
位置にも基づいて、レンズの頂点位置を算出する。これ
により、レンズのレンズ枠からの突出量に応じてレンズ
の頂点位置が算出されるので、レンズの光軸と装用者の
平常時の視線とのレンズ前面上での一致を、より精度よ
く行うことが可能となる。
【0024】
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1はレンズ研削装置の全体構成を示すブロック
図である。すなわち、レンズ研削システム1は、演算制
御手段10と、データ入力手段20と、レンズ研削手段
30と、レンズ形状入力手段40とから構成され、この
レンズ研削システム1にレンズ枠形状入力手段50が接
続される。
【0026】演算制御手段10は、プロセッサからな
り、加工前レンズに設定されるヤゲンのヤゲン頂点位置
を算出するヤゲン頂点位置算出手段10aと、入力され
たレンズ枠の三次元形状データおよびレンズ形状データ
に基づいて、加工前レンズが研削されてレンズ枠に枠入
れされたとした場合におけるレンズの頂点位置を算出す
るレンズ頂点位置算出手段10bと、算出されたレンズ
の頂点位置を基準として、枠入れ後のレンズの所望の光
学中心までの寄せ量を算出する寄せ量算出手段10c
と、入力されたレンズ枠の三次元形状データを、算出さ
れた寄せ量だけ原点を移動して研削データを作成する研
削データ作成手段10dとからなる。なお、上記レンズ
の頂点位置は、レンズ枠の幾何学中心を原点とした研削
データに基づいて研削され、レンズ枠に枠入れされたレ
ンズの前面カーブの曲率中心とレンズ枠の幾何学中心と
を結ぶ直線が、レンズの前面と交差する点であるデータ
入力手段20は、レンズ研削システム1の前面操作部に
設けられ(図2参照)、眼鏡装用者の処方値、加工指定
等を手動で入力する手段であり、数値キー20a、選択
キー20b等からなる。
【0027】レンズ研削手段30は、研削データに従い
レンズを研削加工するための制御を行うレンズ研削回路
30aと、実際に研削加工を行うレンズ研削部30bと
からなる。このレンズ研削手段30の詳細な構成に関し
ては、図3を参照して後述する。
【0028】レンズ形状入力手段40は、レンズ枠形状
に沿ってレンズの前面および後面の3次元形状を測定す
る手段であり、測定をするための制御を行う加工レンズ
形状測定回路40aと、実際に測定を行う加工レンズ3
次元形状測定部40bとからなる。このレンズ形状入力
手段40の構成は、公知なもので例えば実開昭61−1
95960号公報に開示されている。
【0029】レンズ枠形状入力手段50は、レンズ枠の
ヤゲン溝の形状を所定点(測定中心)を中心にしてトレ
ースして3次元座標値を得、その座標値を基にレンズ枠
の幾何学中心を算出し、先の3次元座標値をこの幾何学
中心を原点とする3次元座標値に変換して出力する手段
であり、測定をするための制御や演算を行うフレーム形
状測定回路50aと、実際の測定を行うフレーム3次元
形状測定部50bとからなる。このレンズ枠形状入力手
段50の構成は、公知なもので例えば特開平1−305
308号公報に開示されている。
【0030】図2は、上記のレンズ研削システム1およ
びレンズ枠形状入力手段50の外観を示す外観図であ
る。図3は、レンズ研削手段30の構成を示す外観図で
ある。図中、レンズ研削手段30に対するレンズ形状入
力手段40の配置も示す。
【0031】レンズ研削手段30には、基台300のほ
ぼ中央部分に被加工レンズを加工する砥石301とし
て、周縁を研削する研削砥石とヤゲン加工を行うヤゲン
砥石とが並んで設けられる。レンズ保持ユニット302
は、基台300上に固着された2つの軸受303a,3
03b間のスライド軸304にスライド軸受305を介
して固定される。スライド軸304は図示しない移動手
段(Z軸モータ)によって、図のZ軸方向に移動可能
に、かつ軸受303a,303bとの間で回転可能に保
持されていて、レンズ保持ユニット302は基台300
の砥石301上で上下方向および水平方向に移動でき
る。このレンズ保持ユニット302は、手前側のほぼ中
央部に凹所を形成し、平面コ字状をなしている。このレ
ンズ保持ユニット302の凹所に、回転制御されるレン
ズ支持軸306a,306bによって被加工レンズ(図
示せず)がレンズ軸に直交する面内で回転可能に保持さ
れる。
【0032】Y軸移動機構307は、スライド軸304
周りにレンズ保持ユニット302を回動して、その手前
側をレンズ支持軸306a,306bの回転に応じて位
置決めするものであって、レンズ支持軸306a,30
6bとともに回転する円板308、基台300上で上下
動する当て止め部材309、図示しない移動手段(Y軸
モータ)等から構成されている。基台300上で砥石3
01の手前側には、前述のレンズ形状入力手段40が配
置されている。また、レンズ保持ユニット302内部に
は、レンズ支持軸306bを軸方向へスライドさせて被
加工レンズを挟持するチャッキングモータや、レンズ支
持軸306bを回転駆動する駆動手段(レンズ軸モー
タ)等が内蔵されている。
【0033】そして、研削加工に際しては、基台300
に内蔵されたメインモータによって砥石301を高速で
回転させることによって、レンズ支持軸306a,30
6bとレンズ光軸(光学中心軸)とを一致させるように
して挟持されている被加工レンズの周縁が研削砥石によ
って研削される。このとき研削される加工量は、レンズ
枠形状データに基づいて、レンズ軸の回転角度毎に設定
された所定量として指令されるものであり、この所定量
に従い、Y軸移動機構307とレンズ軸モータとが制御
される。また、ヤゲン加工に際しては、レンズ保持ユニ
ット302をZ軸方向に移動し、挟持している被加工レ
ンズの周縁をヤゲン砥石の位置に位置決めする。その後
に、被加工レンズの周縁をヤゲン砥石に押し付けなが
ら、更にレンズ保持ユニット302をZ軸に沿って左右
方向に移動し、これによって、被加工レンズの周縁に眼
鏡フレームのレンズ枠と一致するヤゲンを形成する。
【0034】つぎに、演算制御手段10で行われる、入
力データに基づき研削データを作成する処理を、図4の
説明図と、図5〜図6のフローチャートとを参照して説
明する。
【0035】図4は、反り角を有する眼鏡フレームを上
から見た平面図である。また、図5は、演算制御手段1
0で行われる研削データを作成する処理の手順を示すフ
ローチャートの前半部であり、図6は、その後半部であ
る。以下では、フローチャートに沿って説明し、適宜、
図4を参照する。図5〜図6のなかで、Sに続く数字は
ステップ番号を表す。 〔S1〕レンズ枠形状入力手段50にて、レンズ枠の三
次元形状を、測定中心を原点とする座標値(r,θ,
z)として測定する。この測定値から幾何学中心を算出
し、測定された座標値を、算出された幾何学中心を原点
とする座標値に変換して演算制御手段10へ出力する。 〔S2〕レンズ形状入力手段40にて、加工前レンズの
レンズ枠に沿ったレンズ前面および後面のカーブを測定
し、その測定値から加工前レンズの前面の曲率半径Rお
よびレンズ枠に沿った加工前レンズの周縁厚を算出す
る。 〔S3〕レンズ枠形状に研削されたレンズの周縁に設け
られるべきヤゲンのヤゲン頂点位置を求める。このヤゲ
ン頂点位置は、例えば実開昭61−195960号公報
に開示される方法によって求められる。 〔S4〕ステップS1で入力されたレンズ枠の三次元形
状をもとに、左右のレンズ枠の各反り角θを算出する。
なお、反り角とは図10で説明したθ2,θ3を指す。 〔S5〕ステップS1で入力されたレンズ枠の三次元形
状をもとに、基準線(図11を参照)を算出し、基準線
の鼻側の点61(図4)と幾何学中心X2(図4)との
距離aを求める。また、ステップS3で求められたヤゲ
ン頂点位置に基づき、レンズ枠からレンズ前面方向への
突出量eを算出する。これは、レンズ軸方向におけるヤ
ゲン頂点位置とレンズコバ上のレンズ前面位置との距離
として算出される。
【0036】これらの距離a、突出量eと、ステップS
2で算出された加工前レンズの曲率半径Rと、ステップ
S4で算出された反り角θとから、レンズ枠の幾何学中
心X2を原点とする研削データを用いて加工前レンズを
研削してレンズ枠に枠入れしたと想定したときの加工済
レンズの頂点位置を求める。
【0037】すなわち、図4に示すように、まず、レン
ズの頂点位置X1と幾何学中心X2との距離b、基準線
の鼻側の点61と点62との距離c、および幾何学中心
X2と点62との距離dを、次式(1),(2),
(3)によってそれぞれ算出する。なお、点62は、左
右レンズの最も鼻側に近い点を結んだ線Lcと、レンズ
の頂点位置X1および幾何学中心X2を結ぶ直線とが交
わる点である。
【0038】 b=R−(R2 −a2 1/2 ・・・(1) c=a/cosθ ・・・(2) d=atanθ ・・・(3) つぎに、これらを用いて、線Lcに投影されたレンズの
頂点位置X1と点61との距離Yを、次式(4)によっ
て算出する。
【0039】 Y=acosθ+(c−acosθ)〔(b+e)/d〕 ・・・(4) これより左右のレンズ枠におけるレンズの頂点位置を求
めることができる。 〔S6〕ステップS5で得られた左右の加工済レンズの
頂点位置および眼鏡フレームの鼻幅DBL(Distance be
tween lenses) gに基づいて、線Lcに投影した眼鏡フ
レーム中心からレンズ頂点位置X1までの距離を(Y+
g/2)として算出する。 〔S7〕データ入力手段20から入力されている装用者
の瞳孔間距離PD(特に中心からの片眼瞳孔までの距
離)に基づき、左右寄せ量Dpを求める。例えば、中心
からの右眼瞳孔までの距離PDr、右の距離YをYrと
すれば、右の寄せ量Dprは次式(5)により算出され
る。
【0040】 Dpr=Yr+g/2−PDr ・・・(5) 〔S8〕ステップS7で算出された寄せ量Dpにてレン
ズ枠における被加工レンズの光学中心を求め、ステップ
S1で入力されたレンズ枠の三次元形状データを、この
光学中心を原点とする研削データに修正する。この修正
には、演算による方法、あるいはステップS1で述べた
レンズ枠形状入力手段50にて再測定を行う方法があ
る。演算による修正では、ステップS1で入力されたレ
ンズ枠の三次元形状データを、幾何学中心を基準にして
ステップS7で算出された寄せ量Dp分だけずらし、そ
の箇所を原点とする形状データを作成する。 〔S9〕ステップS8で得られた形状データを研削デー
タにして、レンズ研削手段30が加工前レンズを研削す
る。 〔S10〕ヤゲン加工を実行する。
【0041】ここで、装用者の平常時の視線と加工済レ
ンズの光軸をレンズ前面上で一致させることを、簡易的
に実行するのであれば、ステップS5の突出量eを考慮
しなくてもよい。
【0042】また、前述したステップS2で算出した曲
率半径は、被加工レンズが非球面レンズや累進多焦点レ
ンズである場合、これらレンズを球面レンズと見做して
曲率半径を求めるようにする。なお、レンズの前後面上
の任意の2点の直交座標値、または極座標値を測定して
簡易的に曲率半径を求めることもできる。
【0043】図7は、上記実施例の演算制御手段10で
行われる処理の別の実施例を示すフローチャートであ
る。この別の実施例では、従来と同様な方法でまず寄せ
量を求め、この寄せ量をレンズ枠の反り角、レンズ形状
等によって補正して、加工済レンズの光軸と装用者の平
常時の視線をレンズ前面上で一致させるようにしたもの
である。 〔S11〕レンズ枠形状入力手段50から、レンズ枠の
幾何学中心を原点とした、レンズ枠の三次元形状データ
を入力する。 〔S12〕レンズ枠の幾何学中心から、レンズ枠に枠入
れされたレンズの所望の光学中心までの寄せ量を入力す
る。この寄せ量は、左右のレンズ枠の幾何学中心間距離
FPDと瞳孔間距離PDとから算出されて入力される。 〔S13〕加工前レンズのレンズ形状を測定し、レンズ
カーブ値、曲率半径を算出する。 〔S14〕ステップS11で入力したレンズ枠の三次元
形状データよりレンズ枠の反り角θを求める。 〔S15〕レンズ枠に加工済レンズを枠入れしたとき、
枠入れされたレンズの光軸と装用者の視線とをレンズ前
面上で一致させるため、ステップS12で入力された寄
せ量を、ステップS14で求めたレンズ枠の反り角θと
ステップS13で算出されたレンズカーブ値、曲率半径
とを用いて補正する。 〔S16〕ステップS15で補正された寄せ量により加
工前レンズの光学中心位置を算出する。 〔S17〕ステップS11で入力したレンズ枠の三次元
形状データを、ステップS16で算出した光学中心位置
を原点とする形状データに変換し、このデータを研削デ
ータとして用いる。 〔S18〕ステップS17で得られた研削データにて、
レンズ研削手段30がレンズを研削する。 〔S19〕ヤゲン加工を実行する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、算出され
たレンズの頂点位置を基準として、枠入れ後のレンズの
所望の光学中心までの寄せ量を算出する。したがって、
眼鏡フレームのレンズ枠に反り角があっても、レンズを
研削後に枠入れしたときにレンズの光軸と装用者の平常
時の視線とをレンズ前面上で一致させることが可能とな
る。
【0045】また、少なくともヤゲン頂点位置に基づい
て、レンズの頂点位置を算出する。これにより、レンズ
のレンズ枠からの突出量に応じてレンズの頂点位置が算
出されるので、レンズの光軸と装用者の平常時の視線と
のレンズ前面上での一致を、より精度よく行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ研削装置の全体構成を示す
ブロック図である。
【図2】レンズ研削システム及びレンズ枠形状入力手段
の外観を示す外観図である。
【図3】レンズ研削手段の構成を示す外観図である。
【図4】反り角を有する眼鏡フレームを上から見た平面
図である。
【図5】演算制御手段で行われる研削データを作成する
処理の手順を示すフローチャートであり、その前半部を
示す。
【図6】演算制御手段で行われる研削データを作成する
処理の手順を示すフローチャートであり、その後半部を
示す。
【図7】演算制御手段で行われる処理の別の実施例を示
すフローチャートである。
【図8】従来装置におけるレンズ研削方法の概略を示す
フローチャートである。
【図9】反り角を有しない眼鏡フレームを上から見た概
略図である。
【図10】眼鏡フレームを上部からみた平面図である。
【図11】基準線を示す眼鏡フレームの正面図である。
【図12】反り角を有する眼鏡フレームの概略平面図で
ある。
【符号の説明】
1 レンズ研削システム 10 演算制御手段 10a ヤゲン頂点位置算出手段 10b レンズ頂点位置算出手段 10c 寄せ量算出手段 10d 研削データ作成手段 20 データ入力手段 20a 数値キー 20b 選択キー 30 レンズ研削手段 30a レンズ研削回路 30b レンズ研削部 40 レンズ形状入力手段 40a 加工レンズ形状測定回路 40b 加工レンズ3次元形状測定部 50 レンズ枠形状入力手段 50a フレーム形状測定回路 50b フレーム3次元形状測定部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡フレームのレンズ枠の形状データに
    基づいて、加工前レンズをレンズ枠形状に研削加工する
    レンズ研削装置において、 レンズ枠の幾何学中心を原点とした、レンズ枠の三次元
    形状データを入力するレンズ枠形状データ入力手段と、 加工前レンズのレンズ形状データを入力するレンズ形状
    入力手段と、 前記入力されたレンズ枠の三次元形状データを研削デー
    タとして研削され、レンズ枠に枠入れされたとした場合
    の加工済レンズにおける前面カーブの曲率中心とレンズ
    枠の幾何学中心とを結ぶ直線が加工済レンズの前面と交
    差する点である頂点位置を、前記入力されたレンズ枠の
    三次元形状データおよびレンズ形状データに基づいて算
    出するレンズ頂点位置算出手段と、 前記算出されたレンズの頂点位置を基準として、枠入れ
    後のレンズの所望の光学中心までの寄せ量を算出する寄
    せ量算出手段と、 前記入力されたレンズ枠の三次元形状データに対し、前
    記算出された寄せ量だけ原点を移動して研削データを作
    成する研削データ作成手段と、 前記加工前レンズをレンズ光学中心で加工回転軸に保持
    し、前記作成された研削データに基づいて研削するレン
    ズ研削手段と、 を有することを特徴とするレンズ研削装置。
  2. 【請求項2】 前記加工前レンズに設定されるヤゲンの
    ヤゲン頂点位置を算出するヤゲン頂点位置算出手段をさ
    らに有し、前記レンズ頂点位置算出手段は、前記入力さ
    れたレンズ枠の三次元形状データ、レンズ形状データ、
    および前記ヤゲン頂点位置算出手段で算出されたヤゲン
    頂点位置に基づいて、前記レンズの頂点位置を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ研削装置。
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