JP2714462B2

JP2714462B2 - 振動式かみそり

Info

Publication number: JP2714462B2
Application number: JP1335470A
Authority: JP
Inventors: 学河原; 正雄棚橋; 正夫松本
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1989-08-19
Filing date: 1989-12-25
Publication date: 1998-02-16
Anticipated expiration: 2013-02-16
Also published as: US5046249A; JPH03155893A; DE4026142C2; DE4026142A1

Description

【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本発明はかみそり刃を振動させることによって髭の切
断作用を発揮させる振動式かみそりに関するものであ
る。

【従来の技術】

最も一般的な髭剃り手段はいわゆる安全かみそりであ
るが、これは髭の濃い人の場合、肌への押し付け力を大
きくしなくてはどうしても髭を剃ることができず、これ
故に、時として肌を切ってしまうおそれを有している。そして電気かみそりとしては、外刃とのこ外刃の内面
に摺接駆動される内刃とを備えたものが一般的である
が、この他に安全かみそりのものと同じかみそり刃が取
り付けられたヘッド部分を振動させる振動式かみそりが
ある。特開昭63−220898号公報に示されたこのタイプのかみ
そりは、筒状の本体ハウジングの一端にかみそり刃を取
り付けるとともに、モーターの出力軸に偏心分銅が装着
されたものとして形成された振動発生装置を本体ハウジ
ングに内蔵させている。

【発明が解決しようとする課題】

この場合、振動発生装置を作動させることで振動を発
生させた場合、本体ハウジング全体が振動を起こすため
に、本体ハウジングを持つ手がしびれて落下させてしま
うことが生じる上に、かみそり刃部分だけでなく、本体
ハウジング全体を振動させてしまうことから、どうして
も大きな振動エネルギーを持つ振動発生装置を搭載しな
くてはかみそり刃の振動を所要の振幅及び振動数とする
ことができないものであり、そしてこのような振動発生
装置を持つことは、部品毎の干渉が発生しやすくて騒音
が大である。米国特許第4819330号明細書に示された振動式かみそ
りのように、かみそり刃が取り付けられたヘッド部とこ
のヘッド部に一端が連結されたグリップ部とを設けて、
振動発生装置における振動発生部をヘッド部に内蔵させ
るとともに、ヘッド部とグリップ部との差し込み連結部
に弾性ブッシングを介在させたものもあるが、ヘッド部
とグリップ部とが差し込み式に連結されていることや、
振動発生部はヘッド部にあるものの、この振動発生部を
駆動するモーターがグリップ部側にあることなどから、
かみそり刃が取り付けられたヘッド部側を有効に振動さ
せるとともに、グリップ部にその振動が伝わりにくくす
る点において、十分な効果を得られるものではない。本発明はこのような点に鑑み為されたものであり、そ
の目的とするところは発生させた振動がかみそり刃に有
効に作用するために、必要とする振動エネルギーが小さ
くてすむとともに、持つ手が振動でしびれたりすること
がなく、快適な髭剃りを行うことができる振動式かみそ
りを提供するにある。

【課題を解決するための手段】

しかして本発明は、かみそり刃が取着されたヘッド部
と、このヘッド部に一端が連結されたグリップ部と、上
記かみそり刃に振動を加える振動発生装置とを備えた振
動式かみそりであって、ヘッド部とグリップ部とは一端
がヘッド部に他端がグリップ部に取り付けられた振動緩
衝部材を介して連結されており、モーターと該モーター
の出力軸に取着した偏心分銅とからなる振動発生装置は
ヘッド部内に設けられていることに特徴を有している。［作用］本発明によれば、かみそり刃に与えるべくヘッド部内
に配した振動発生装置で発生させた振動は、振動緩衝部
材の存在のためにグリップ部側には殆ど伝わることがな
いものである。［実施例］以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述すると、こ
の振動式かみそりは、かみそり刃４が着脱自体に取り付
けられるヘッド部１と、使用の際に持つところとなるグ
リップ部３と、ヘッド部１とグリップ部３との間にあっ
てこの両者を連結している振動緩衝部材２、そしてヘッ
ド部１内に配した振動発生装置５とからなるものとして
形成されている。ヘッド部１は、上端側にかみそり刃４が着脱自在に装
着される取付台11を有しているもので、その内部に配さ
れた振動発生装置５は、モーター50とこのモーター50の
出力軸に取り付けられた偏心分銅51とからなるものとし
て形成されている。グリップ部３は円筒状のハウジング31と、このハウジ
ング31の下端に連結される有底円筒状の電池カバー32と
からなるもので、ハウジング31外面にはスイッチハンド
ル33が取り付けられ、ハウジング31の内部には端子基台
34が配設されている。図中37はハウジング31と電池カバ
ー32との連結部の防水を図るためのＯリングである。上記ヘッド部１とグリップ部３とを連結している振動
緩衝部材２は、ゴムやエラストマー等から形成された中
空パイプ状のもので、上下端には夫々ヘッド部１の下端
とグリップ部３の上端とが嵌合連結される取付部を備え
え、グリップ部３における上記端子基台34とヘッド部１
におけるモーター５とをつなぐリード線が内部に通され
ており、そして上記両取付部の間が小径となっていると
ともに、この小径部分の軸方向中央部に鍔20を備えてい
る。今、スイッチハンドル33の操作によってモーター50に
通電したならば、モーター50は偏心分銅51を回転させる
ことによって振動を発生させるものであり、この振動が
かみそり刃４に伝達される。この振動としては、振動数
が10,000〜30,000spm、振幅が0.15mm以上、0.30mm以下
が好適である。尚、これらはモーター50の回転数や偏心
分銅51の偏心量及び偏心質量によって設定される。ここにおいて、振動発生装置５であるモーター50及び
偏心分銅51は、かみそり刃４が取り付けられるヘッド部
１内に設けられており、そして使用に際して持つところ
となるグリップ部３とヘッド部１との間に振動緩衝部材
２が設けられて、ヘッド部１とグリップ部３が振動緩衝
部材２で分離されていることから、振動発生装置５によ
るところのヘッド部１の振動がグリップ部３側に伝達さ
れることは殆どなく、グリップ部３を持つ手が振動でし
びれたりすることがないものであり、また振動発生装置
５はヘッド部１のみを振動させるだけでかみそり刃４に
所要の振動を与えることができるために、必要な振動エ
ネルギーが小さくてすむものであって、振動発生に伴う
各部の負荷も小さくなるものである。特に、ここではモーター５の出力軸に装着する偏心分
銅51を、振動緩衝部材２とは逆側のかみそり刃４側に配
しているために、かみそり刃４に所要の振動を与えるこ
とが更に有利となっていると同時に、グリップ部３側に
伝達される振動も更に少なくなっているものであり、ま
たグリップ部３側にスイッチハンドル33を設けているた
めに、操作の際に振動が邪魔になることもない。そして、弾性材からなる振動緩衝部材２の存在は、振
動に関して上記のように作用するだけでなく、かみそり
刃４を肌に当てて動かすにあたり、その弾性作用によ
り、かみそり刃４と肌との当たりを良くして、かみそり
刃４の刃先が肌にスムーズになじむようにするものであ
り、肌と刃先との間バウンシング（接触・非接触の不安
定現象）を防止することになる。ところで、振動緩衝部材２の弾性には振動吸収及び上
記の肌当たりの点で適値があって、40〜50g/mの弾性率
であることが好ましい。弱くしすぎると肌にかみそり刃
４を押し当てた時に振動緩衝部材２がたわみ過ぎて逆に
使い勝手が悪くなってしまい、また強くしすぎると、振
動の伝達減少の機能が損なわれることになる。そして、上記弾性率を振動緩衝部材２の全周方向に設
定することもできるが、ここでは次のような点から振動
緩衝部材２の弾性率をかみそり刃４の刃先前後方向とこ
れに直交する方向とにおいて異ならせている。すなわち、使用者がグリップ部３をどのように持って
使用するかをサンプリングして調べてみると、第１図に
おける左右部分、つまり刃先の前後方向と直交する方向
の部分を親指と人指し指及び薬指ではさむ持ち方をする
者が一番多いことから、このような持ち方をした場合に
指に伝わる振動を更に少なくするために、ここでは第２
図（ａ）（ｂ）に示すように、中空パイプ状である振動
緩衝部材２におけるかみそり刃４の刃先前後方向の内径
D₁よりもこれと直交する方向の内径D₂の方を小さくする
ことによって、第１図（ａ）の左右方向の弾性率を20〜
30g/m程に低下させて、この方向の振動減少効果を増大
させている。これは、かみそり刃４の前後方向と直交す
る方向であるために、前述の肌当たりや切れ味に影響を
与えることはない。尚、内径寸法ではなく、肉厚を方向によって変えるこ
とで上記弾性率の差をもたせることもできるが、ここで
は成形性を考慮して均一肉厚とし、内径寸法の差で弾性
率に差をもたせている。また、振動緩衝部材２に上述のように所要の弾性率を
与えつつ、大きな負荷が加わった場合の過大な変形を防
止するために、ここでは振動緩衝部材２の軸方向中央部
に前述のように鍔20を設けて、この鍔20と上下両端の各
取付部との間に夫々隙間Ａを設定し、大きな外力が加わ
った場合には、振動緩衝部材２自体がより大きな弾性率
を持つものに変化するように、つまりは鍔20が変形する
規制するようにしている。振動緩衝部材２はゴムやエラストマー系のもので形成
しているが、これら材質であると、材質自体が持つ弾性
率が小であるために、部品体積が小さくてよいこと、部
品形状的に上記の鍔20を設けたり弾性率を方向によって
変えることが成形時に容易に設定することができること
等において有利であるほか、ヘッド部１とグリップ部３
との連結部分の防水性を別途パッキンやＯリングを必要
とすることなく振動緩衝部材２そのもので確保できる点
で有利であり、コストダウンを図ることができる。第３図〜第13図に他の実施例を示す。基本的構造は上
記実施例に記載のものと同じであるが、振動緩衝部材２
の形状が異なっている。すなわち、ここにおける中空パ
イプ状の振動緩衝部材２は、上下両端のヘッド部１とグ
リップ部３との連結部の間に薄肉部21が形成されたもの
となっており、そして第８図に示すように、この薄肉部
21の前後方向の外径D₂が左右方向の外径D₄より大きくさ
れることによって、左右方向の振動減少効果を増大させ
ている。また、振動緩衝部材２のみでグリップ部３とヘッド部
１とを連結している関係上、振動緩衝部材２のヘッド部
１への取り付け並びにグリップ部３への取り付けは、夫
々曲げやねじれ、引っ張り等の外力に対して十分な強度
を持つようにしておかなくてはならないが、ここでは次
のようにして強度の確保を行っている。すなわち振動緩衝部材２のヘッド部１への取り付け
は、第10図に示すように、上端部にヘッド部１のハウジ
ング10外周面に形成された凹部と係合する凸部12を備え
ているカップリング15の下部のフランジ13とハウジング
10の下端面との間で、振動緩衝部材２の上部に設けられ
た鍔部25をはさむとともに、鍔部25から突設されている
突起22を上記フランジ13に設けられている孔14に差し込
むことによって行われている。第３図中の19はハウジン
グ10下端と振動緩衝部材２との間に挟みこまれるＯリン
グ、18は振動緩衝部材２の上端部内に圧入されて振動緩
衝部材２とヘッド部１との連結を確実にする押えリング
である。振動緩衝部材２のグリップ部３への連結は、ハウジン
グ31の上端開口から振動緩衝部材２の下部をハウジング
31内に差し込むとともに、振動緩衝部材２から突設した
凸部22をハウジング31内面に係合させ、そしてハウジン
グ31の背面に第11図に示すカバー35を装着して、このカ
バー35におけるハウジング31内に差し込まれる凸部35a,
35aを振動緩衝部材２の下部両側面の凹部26に係合させ
ることで行う。カバー35は凸部35b,35cがハウジング31
に圧入されることで、ハウジング31に固定される。接着
剤を併用してもよいのはもちろんである。図中39は振動緩衝部材２の環状凹溝27に装着されて配
設されるＯリング、38は振動緩衝部材２内面に圧入され
て振動緩衝部材２のハウジング31への取り付け並びにＯ
リング39により防水をより確実にする押えリングであ
る。第13図に示すように、陽極端子61や陰極端子62、スイ
ッチ接点ばね63、リード線64等が装着された端子基台34
は、上方に突設された一対のフック34a,34aを具備して
おり、ハウジング31に下方から挿入されて各フック34a,
34aが上記押えリング38の上端に係止することによって
ハウジング31内に固定される。図中36はスイッチハンド
ル33の操作に応じて回転してスイッチ接点ばね63を駆動
するスイッチレバーである。第14図に更に他の実施例を示す。ここでは中空パイプ
状の振動緩衝部材２の内部に金属製コイルばね７を配置
するとともに、このコイルばね７の一端を振動緩衝部材
２におけるグリップ部３側に位置する部分に当接させ、
他端をヘッド部１内のモータ５の下端面に当接させてい
る。振動緩衝部材２の曲げ、ねじれ、引っ張り等に対す
る強度がコイルばね７によって補強されるようにしてい
るわけであり、また振動緩衝部材２単体の場合よりも、
ヘッド部１とグリップ部３とをつなぐ部分の弾性係数の
設定が容易となる。

【発明の効果】

以上のように本発明においては、かみそり刃が取り付
けられているヘッド部に振動発生装置を配設している上
に、ヘッド部と、使用に際して持つところとなるグリッ
プ部とを振動緩衝部材を介して連結することで、ヘッド
部の振動がグリップ部に伝わりにくいようにしているた
めに、発生させた振動がかみそり刃に有効に作用するも
のであって、必要とする振動エネルギーが小さくてすむ
ものであり、そしてグリップ部を持つ手が振動でしびれ
たりすることもなく、しかも振動緩衝部材はかみそり刃
の肌当たりを良くすることにも寄与することから、快適
な髭剃りを行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）（ｂ）は本発明一実施例の正面図と側面
図、第２図（ａ）（ｂ）は同上の横断面図と縦断面図、
第３図（ａ）（ｂ）は他の実施例の縦断面図と破断背面
図、第４図は同上のスイッチハンドルを外した状態の部
分正面図、第５図〜第８図は第３図中のＡ−Ａ線断面図
とＢ−Ｂ線断面図とＣ−Ｃ線断面図とＤ−Ｄ線断面図、
第９図（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）は同上の正面図と側面
図と背面図と底面図、第10図は同上のカップリングの斜
視図、第11図は同上のカバーの斜視図、第12図は同上の
振動緩衝部材の斜視図、第13図は同上の端子基台の斜視
図、第14図（ａ）（ｂ）は更に他の実施例の部分縦断面
図と破断背面図であって、１はヘッド部、２は振動緩衝
部材、３はグリップ部、４はかみそり刃、５は振動発生
装置を示す。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】かみそり刃が取着されたヘッド部と、この
ヘッド部に一端が連結されたグリップ部と、上記かみそ
り刃に振動を加える振動発生装置とを備えた振動式かみ
そりであって、ヘッド部とグリップ部とは一端がヘッド
部に他端がグリップ部に取り付けられた振動緩衝部材を
介して連結されており、モーターと該モーターの出力軸
に取着した偏心分銅とからなる振動発生装置はヘッド部
内に設けられていることを特徴とする振動式かみそり。
【請求項２】振動緩衝部材はかみそり刃の刃先前後方向
の弾性率が刃先前後方向と直交する方向の弾性率より大
となっていることを特徴とする請求項１記載の振動式か
みそり。
【請求項３】振動緩衝部材はゴムまたはエラストマーに
て形成されて、ヘッド部及びグリップ部と振動緩衝部材
との連結部分の防水材を兼用していることを特徴とする
請求項１記載の振動式かみそり。
【請求項４】振動緩衝部材は自身の弾性変形範囲を規制
する規制部を備えていることを特徴とする請求項１記載
の振動式かみそり。
【請求項５】振動緩衝部材はヘッド部の取付部を一端
に、グリップ部の取付部を他端に備えた中空パイプ状で
あり、かみそり刃の刃先前後方向の内径がこれと直交す
る方向の内径より大となっていることを特徴とする請求
項２記載の振動式かみそり。
【請求項６】振動発生装置における動力であるモーター
は、振動緩衝部材と反対側に突出している出力軸に偏心
分銅が取り付けられたものであることを特徴とする請求
項１記載の振動式かみそり。
【請求項７】グリップ部に振動発生装置の電源の入り切
り用スイッチが設けられていることを特徴とする請求項
１記載の振動式かみそり。
【請求項８】振動乾燥部材は中空パイプ状であり、内部
には一端が振動緩衝部材で支持され他端が振動発生装置
におけるモーターで支持されたコイルばねを収納してい
ることを特徴とする請求項１記載の振動式かみそり。