JP2714310B2 - シールド掘進機のカッタトルク制御装置 - Google Patents
シールド掘進機のカッタトルク制御装置Info
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- JP2714310B2 JP2714310B2 JP6482792A JP6482792A JP2714310B2 JP 2714310 B2 JP2714310 B2 JP 2714310B2 JP 6482792 A JP6482792 A JP 6482792A JP 6482792 A JP6482792 A JP 6482792A JP 2714310 B2 JP2714310 B2 JP 2714310B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド掘進機のカッ
タトルクが過大にならないようにするためのカッタトル
ク制御装置に関する。
タトルクが過大にならないようにするためのカッタトル
ク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来用いられていたシールド掘進機のカ
ッタトルク制御装置は、カッタトルクが所定レベルを超
えたときにシールドジャッキを停止させてしまうのが一
般的である。これは、シールドジャッキが停止すること
により、カッタビットの切削深さが減少することによる
切削トルクの低下を期待するものである。ただし、通
常、カッタ装備トルクを最大限まで利用しようとするた
め、多くの場合、カッタトルク過大領域ではカッタ自身
も停止してしまうので、このときのシールドジャッキの
一時停止は、カッタが回転していない状態でのビットの
地山へのくい込みを防止するという意味で用いられてい
る。
ッタトルク制御装置は、カッタトルクが所定レベルを超
えたときにシールドジャッキを停止させてしまうのが一
般的である。これは、シールドジャッキが停止すること
により、カッタビットの切削深さが減少することによる
切削トルクの低下を期待するものである。ただし、通
常、カッタ装備トルクを最大限まで利用しようとするた
め、多くの場合、カッタトルク過大領域ではカッタ自身
も停止してしまうので、このときのシールドジャッキの
一時停止は、カッタが回転していない状態でのビットの
地山へのくい込みを防止するという意味で用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題点
として、地山の性状の変化が激しい場合、特に礫層を掘
削する場合などは、シールドジャッキの停止頻度が高く
なり、シールドジャッキおよび排土装置の一時停止、推
進速度の設定変更(下方修正)、シールドジャッキおよ
び排土装置の運転復帰の一連の操作を頻繁に行わなくて
はならず、作業能率が低下する。また、そうしたダウン
タイムのために掘進工程が遅延する。
として、地山の性状の変化が激しい場合、特に礫層を掘
削する場合などは、シールドジャッキの停止頻度が高く
なり、シールドジャッキおよび排土装置の一時停止、推
進速度の設定変更(下方修正)、シールドジャッキおよ
び排土装置の運転復帰の一連の操作を頻繁に行わなくて
はならず、作業能率が低下する。また、そうしたダウン
タイムのために掘進工程が遅延する。
【0004】また、カッタトルク制御の一方式として、
カッタトルクの目標値を設定し、実際のカッタトルクが
目標値以下ならトルク偏差分に応じて推進速度を増加さ
せ、目標値以上ならトルク偏差分に応じて推進速度を減
少させるという目標値管理方式も考えられるが、この方
式では下記のような問題点がある。
カッタトルクの目標値を設定し、実際のカッタトルクが
目標値以下ならトルク偏差分に応じて推進速度を増加さ
せ、目標値以上ならトルク偏差分に応じて推進速度を減
少させるという目標値管理方式も考えられるが、この方
式では下記のような問題点がある。
【0005】(1) 地山が軟弱で、カッタトルクが低い
場合には、必要以上に推進速度が上ってしまい、それに
よる切羽土圧の増大などの他の諸問題を引き起こす可能
性がある。
場合には、必要以上に推進速度が上ってしまい、それに
よる切羽土圧の増大などの他の諸問題を引き起こす可能
性がある。
【0006】(2) カッタトルクの増減に応じて絶えず
推進速度が変動するために、排土量、 作泥材注入量、
裏込注入量など、推進速度に応じて変化しなけらばなら
ない諸 量について絶えず調整を行うか、または全て自
動的に調整可能なシステムにし なけらばならず、全体
的にコスト高となる。
推進速度が変動するために、排土量、 作泥材注入量、
裏込注入量など、推進速度に応じて変化しなけらばなら
ない諸 量について絶えず調整を行うか、または全て自
動的に調整可能なシステムにし なけらばならず、全体
的にコスト高となる。
【0007】(3) (2)と同じく推進速度が絶えず変動
するために、日進量の予定が立てにくい。
するために、日進量の予定が立てにくい。
【0008】そこで本発明の目的は、上記従来技術のよ
うにシールドジャッキを頻繁に停止させることなく、ま
たカッタトルクが低い場合に必要以上に推進速度が上っ
たり、カッタトルクの増減に応じて絶えず推進速度が変
動したりすることもなく、過度のトルク上昇を防止でき
るシールド掘進機のカッタトルク制御装置を提供するこ
とにある。
うにシールドジャッキを頻繁に停止させることなく、ま
たカッタトルクが低い場合に必要以上に推進速度が上っ
たり、カッタトルクの増減に応じて絶えず推進速度が変
動したりすることもなく、過度のトルク上昇を防止でき
るシールド掘進機のカッタトルク制御装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、回転駆動されるカッタヘッドと推進用のシ
ールドジャッキとを有するシールド掘進機において、前
記カッタヘッドの負荷トルクを検出するカッタトルク検
出手段と、カッタトルク制御の開始レベルを任意に設定
することができる制御開始レベル設定器と、前記カッタ
トルク検出手段のカッタトルク検出値が前記制御開始レ
ベル設定器により設定された制御開始レベルを超過した
ときだけ超過量に応じて推進速度の補正量を演算する推
進速度補正量演算手段と、前記シールド掘進機の推進速
度を任意に設定することができる推進速度設定器と、前
記推進速度補正量演算手段から出力される推進速度補正
量を前記推進速度設定器による推進速度設定値から引算
して推進速度指令値として出力する速度指令補正手段
と、前記シールド掘進機の推進速度を検出する推進速度
検出手段と、前記速度指令補正手段から出力される推進
速度指令値と前記推進速度検出手段の推進速度検出値と
が相等しくなるように前記シールドジャッキへの供給油
量を制御する油量制御器とを備え、カッタトルクがカッ
タトルク制御開始レベルを越えて上昇したときだけ、そ
の超過量に見合った分、推進速度を低下させ、カッタト
ルクがカッタトルク制御開始レベル以下のときは推進速
度を設定値に維持するようにしたことを特徴とする。
に本発明は、回転駆動されるカッタヘッドと推進用のシ
ールドジャッキとを有するシールド掘進機において、前
記カッタヘッドの負荷トルクを検出するカッタトルク検
出手段と、カッタトルク制御の開始レベルを任意に設定
することができる制御開始レベル設定器と、前記カッタ
トルク検出手段のカッタトルク検出値が前記制御開始レ
ベル設定器により設定された制御開始レベルを超過した
ときだけ超過量に応じて推進速度の補正量を演算する推
進速度補正量演算手段と、前記シールド掘進機の推進速
度を任意に設定することができる推進速度設定器と、前
記推進速度補正量演算手段から出力される推進速度補正
量を前記推進速度設定器による推進速度設定値から引算
して推進速度指令値として出力する速度指令補正手段
と、前記シールド掘進機の推進速度を検出する推進速度
検出手段と、前記速度指令補正手段から出力される推進
速度指令値と前記推進速度検出手段の推進速度検出値と
が相等しくなるように前記シールドジャッキへの供給油
量を制御する油量制御器とを備え、カッタトルクがカッ
タトルク制御開始レベルを越えて上昇したときだけ、そ
の超過量に見合った分、推進速度を低下させ、カッタト
ルクがカッタトルク制御開始レベル以下のときは推進速
度を設定値に維持するようにしたことを特徴とする。
【0010】推進速度補正量演算手段は、カッタトルク
検出値からカッタトルク制御開始レベルを引算する引算
器と、該引算器からの出力の符号を判別し、正のときだ
け前記引算器からの出力をトルク超過量として出力する
信号処理手段と、該信号処理手段から出力されるトルク
超過量を推進速度の補正量に換算するための効果係数を
任意に設定することができる効果係数設定器と、前記信
号処理手段から出力されるトルク超過量と前記効果係数
設定器により設定された効果係数とを乗算する乗算器と
で構成することができる。
検出値からカッタトルク制御開始レベルを引算する引算
器と、該引算器からの出力の符号を判別し、正のときだ
け前記引算器からの出力をトルク超過量として出力する
信号処理手段と、該信号処理手段から出力されるトルク
超過量を推進速度の補正量に換算するための効果係数を
任意に設定することができる効果係数設定器と、前記信
号処理手段から出力されるトルク超過量と前記効果係数
設定器により設定された効果係数とを乗算する乗算器と
で構成することができる。
【0011】
【作用】カッタトルク検出手段のカッタトルク検出値が
制御開始レベル設定器で設定されたカッタトルク制御開
始レベルを超えると、その超過量に応じて推進速度の補
正量が推進速度補正量演算手段から出力され、速度指令
補正手段は上記推進速度補正量を推進速度設定器による
推進速度設定値から引算して推進速度指令値として出力
し、油量制御器は上記推進速度指令値と推進速度検出手
段による推進速度検出値とが相等しくなるようにシール
ドジャッキへの供給油量を制御する。このようにして、
実際のカッタトルクがカッタトルク制御開始レベルを超
えて上昇したときだけ、その超過量に見合った分、推進
速度を低下させ、カッタトルクがカッタトルク制御開始
レベル以下のときは推進速度を設定値通りに維持する。
制御開始レベル設定器で設定されたカッタトルク制御開
始レベルを超えると、その超過量に応じて推進速度の補
正量が推進速度補正量演算手段から出力され、速度指令
補正手段は上記推進速度補正量を推進速度設定器による
推進速度設定値から引算して推進速度指令値として出力
し、油量制御器は上記推進速度指令値と推進速度検出手
段による推進速度検出値とが相等しくなるようにシール
ドジャッキへの供給油量を制御する。このようにして、
実際のカッタトルクがカッタトルク制御開始レベルを超
えて上昇したときだけ、その超過量に見合った分、推進
速度を低下させ、カッタトルクがカッタトルク制御開始
レベル以下のときは推進速度を設定値通りに維持する。
【0012】上記のカッタトルク制御は、推進速度の低
下によりビットの切削深さが減少し、カッタ切削トルク
が低下することを利用してカッタトルクの過度の上昇を
防止しようとするものである。ただし、カッタ切削トル
クはビットの切削深さだけで決まるものでなく、地山の
切削抵抗にも大きく影響され、また地山の切削抵抗は土
質に依存し、土質は掘進路線および掘進距離により変化
するので、本制御の効果をより良く発揮させるには、ト
ルク超過量を推進速度の補正量に変換するための効果係
数を可変とし、土質に応じて最適の効果係数を設定でき
るようにすることが望ましい。
下によりビットの切削深さが減少し、カッタ切削トルク
が低下することを利用してカッタトルクの過度の上昇を
防止しようとするものである。ただし、カッタ切削トル
クはビットの切削深さだけで決まるものでなく、地山の
切削抵抗にも大きく影響され、また地山の切削抵抗は土
質に依存し、土質は掘進路線および掘進距離により変化
するので、本制御の効果をより良く発揮させるには、ト
ルク超過量を推進速度の補正量に変換するための効果係
数を可変とし、土質に応じて最適の効果係数を設定でき
るようにすることが望ましい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
る。
【0014】図1は実施例の全体構成図で、1はシール
ド本体、2はバルクヘッド、3は回転可能に軸支持され
たカッタヘッド、4はシールド本体1の内側に円周に沿
って配設されたシールドジャッキ、5はピニオンを介し
てカッタヘッド3を回転駆動する油圧モータ、6は油圧
モータ5に圧油を供給するカッタ用油圧ポンプ、7はカ
ッタ駆動油圧供給ライン、8はシールドジャッキ4に圧
油を供給する吐出量可変形、例えば電磁比例レギュレー
タ付のシールドジャッキ用油圧ポンプ、9はシールドジ
ャッキ駆動油圧供給ラインである。10はカッタトルク
検出手段で、油圧駆動の場合はカッタ駆動油圧からカッ
タトルクを検出する。11は推進速度検出手段で、シー
ルドジャッキ4の伸長速度から推進速度を検出する。1
2は制御開始レベル設定器で、カッタトルク制御の開始
レベルを任意に設定できるようになっている。13は推
進速度補正量演算手段で、カッタトルク検出値TCから
設定された制御開始レベルTLを引算してカッタトルク
の超過量を求め、超過量が正のときだけ、推進速度の補
正量ΔVCに換算する回路である。14は推進速度設定
器で、操作盤面に取り付けられ、オペレータの操作によ
り推進速度を任意に設定できるようになっている。15
は速度指令補正手段で、推進速度設定値VOから推進速
度補正量ΔVCを引算して、推進速度指令値VCを出力す
る回路である。16は油量制御器で、推進速度指令値V
Cと推進速度検出値VJとが相等しくなるようにシールド
ジャッキ用油圧ポンプ8の吐出量を制御するための電気
信号Qを出力する回路である。
ド本体、2はバルクヘッド、3は回転可能に軸支持され
たカッタヘッド、4はシールド本体1の内側に円周に沿
って配設されたシールドジャッキ、5はピニオンを介し
てカッタヘッド3を回転駆動する油圧モータ、6は油圧
モータ5に圧油を供給するカッタ用油圧ポンプ、7はカ
ッタ駆動油圧供給ライン、8はシールドジャッキ4に圧
油を供給する吐出量可変形、例えば電磁比例レギュレー
タ付のシールドジャッキ用油圧ポンプ、9はシールドジ
ャッキ駆動油圧供給ラインである。10はカッタトルク
検出手段で、油圧駆動の場合はカッタ駆動油圧からカッ
タトルクを検出する。11は推進速度検出手段で、シー
ルドジャッキ4の伸長速度から推進速度を検出する。1
2は制御開始レベル設定器で、カッタトルク制御の開始
レベルを任意に設定できるようになっている。13は推
進速度補正量演算手段で、カッタトルク検出値TCから
設定された制御開始レベルTLを引算してカッタトルク
の超過量を求め、超過量が正のときだけ、推進速度の補
正量ΔVCに換算する回路である。14は推進速度設定
器で、操作盤面に取り付けられ、オペレータの操作によ
り推進速度を任意に設定できるようになっている。15
は速度指令補正手段で、推進速度設定値VOから推進速
度補正量ΔVCを引算して、推進速度指令値VCを出力す
る回路である。16は油量制御器で、推進速度指令値V
Cと推進速度検出値VJとが相等しくなるようにシールド
ジャッキ用油圧ポンプ8の吐出量を制御するための電気
信号Qを出力する回路である。
【0015】推進速度補正量演算手段13としては、ト
ルク超過量と推進速度補正量との換算値を一定として、
あらかじめ設定した定数をトルク超過量に乗算して推進
速度補正量を演算するものと、上記換算値を可変の効果
係数として、効果係数設定器により任意に設定できるよ
うにしたものとがある。図2は後者の例の詳細構成図
で、17はカッタトルク検出値TCと制御開始レベルTL
との差ΔTX=TC−TLを演算する引算器、18は引算
器17からの出力の符号を判別して、ΔTXが正のとき
だけ、トルク超過量ΔTY=ΔTXを出力し、ΔTXが負
のときはΔTY=0とする信号処理手段、19はトルク
超過量ΔTYを推進速度補正量ΔVCに換算するための効
果係数Kを任意に設定することができる効果係数設定
器、20はトルク超過量ΔTYと効果係数Kとを乗算し
て推進速度補正量ΔTCを演算する乗算器である。
ルク超過量と推進速度補正量との換算値を一定として、
あらかじめ設定した定数をトルク超過量に乗算して推進
速度補正量を演算するものと、上記換算値を可変の効果
係数として、効果係数設定器により任意に設定できるよ
うにしたものとがある。図2は後者の例の詳細構成図
で、17はカッタトルク検出値TCと制御開始レベルTL
との差ΔTX=TC−TLを演算する引算器、18は引算
器17からの出力の符号を判別して、ΔTXが正のとき
だけ、トルク超過量ΔTY=ΔTXを出力し、ΔTXが負
のときはΔTY=0とする信号処理手段、19はトルク
超過量ΔTYを推進速度補正量ΔVCに換算するための効
果係数Kを任意に設定することができる効果係数設定
器、20はトルク超過量ΔTYと効果係数Kとを乗算し
て推進速度補正量ΔTCを演算する乗算器である。
【0016】次に、図3を用いて実施例の作用を説明す
る。
る。
【0017】図3の横軸は推進速度、縦軸はカッタトル
クを表わす。I,IIの斜線は推進速度とカッタトルクの
関係を表わす特性線で、推進速度が増加するに従い、カ
ッタビットの切削深さが増すために切削トルクは増加し
ていく傾向があるので、定性的には本図に示すような特
性を有していると考えられる。IとIIの差は、掘削地山
の性状の変化により撹拌トルクが増減した場合や切削ト
ルク自体が増減した場合を想定することができる。
クを表わす。I,IIの斜線は推進速度とカッタトルクの
関係を表わす特性線で、推進速度が増加するに従い、カ
ッタビットの切削深さが増すために切削トルクは増加し
ていく傾向があるので、定性的には本図に示すような特
性を有していると考えられる。IとIIの差は、掘削地山
の性状の変化により撹拌トルクが増減した場合や切削ト
ルク自体が増減した場合を想定することができる。
【0018】今仮に特性線I上のA点で運転している場
合を考えると、A点のカッタトルクTCAが制御開始レベ
ルTLより低いため、推進速度補正は行われず、したが
って、推進速度VJAは頭初設定した、推進速度VOに維
持されている。次に、地山の性状の変化などにより特性
線がIIに変化して、カッタトルクがB点を目指して上昇
していった場合を考えると、例えばB点ではカッタトル
クがTCB>TLとなるため、図2の引算器17から出力
されるトルク偏差量ΔTXが正の値となり、それに応じ
て信号処理手段18からトルク超過量ΔTYが出力さ
れ、このΔTYが乗算器20で推進速度補正量ΔVCに換
算されて図1の速度指令補正手段15に入り、その結
果、推進速度指令値VCはVJCまで下がろうとする。と
ころで、推進速度がVJCになったときには、カッタトル
クはC点のトルクTCCまで下がるはずであるから、トル
ク偏差量ΔTXもC点に近付くにつれ小さくなり、その
結果、推進速度補正量ΔVCも小さくなっていくので、
C点まで至らずにB−Cの中間点で安定することにな
る。
合を考えると、A点のカッタトルクTCAが制御開始レベ
ルTLより低いため、推進速度補正は行われず、したが
って、推進速度VJAは頭初設定した、推進速度VOに維
持されている。次に、地山の性状の変化などにより特性
線がIIに変化して、カッタトルクがB点を目指して上昇
していった場合を考えると、例えばB点ではカッタトル
クがTCB>TLとなるため、図2の引算器17から出力
されるトルク偏差量ΔTXが正の値となり、それに応じ
て信号処理手段18からトルク超過量ΔTYが出力さ
れ、このΔTYが乗算器20で推進速度補正量ΔVCに換
算されて図1の速度指令補正手段15に入り、その結
果、推進速度指令値VCはVJCまで下がろうとする。と
ころで、推進速度がVJCになったときには、カッタトル
クはC点のトルクTCCまで下がるはずであるから、トル
ク偏差量ΔTXもC点に近付くにつれ小さくなり、その
結果、推進速度補正量ΔVCも小さくなっていくので、
C点まで至らずにB−Cの中間点で安定することにな
る。
【0019】今仮りに制御開始レベルをカッタ装備トル
クの80%程度に設定し、効果係数Kを良好に設定した
場合について考えると、掘進時間の大部分で推進速度が
設定速度VOに維持され、時々現われるトルク上昇に対
しては、自動的に推進速度が低下して、例えば装備トル
クの90%程度のカッタトルクで安定した掘進を持続で
きる。また、礫層などを掘削する場合には、特性IIの状
態は長続きしないので、短時間のうちに再びA点に戻っ
て元の運転状態に自動的に復帰する。
クの80%程度に設定し、効果係数Kを良好に設定した
場合について考えると、掘進時間の大部分で推進速度が
設定速度VOに維持され、時々現われるトルク上昇に対
しては、自動的に推進速度が低下して、例えば装備トル
クの90%程度のカッタトルクで安定した掘進を持続で
きる。また、礫層などを掘削する場合には、特性IIの状
態は長続きしないので、短時間のうちに再びA点に戻っ
て元の運転状態に自動的に復帰する。
【0020】図4は上記のカッタトルク制御がない場合
のカッタトルク変動状況を模式的に示したもので、図中
の,,,,でカッタトルクがトルク過大検出
レベルを超え、シールドジャッキの停止が頻発する状況
を表わしている。
のカッタトルク変動状況を模式的に示したもので、図中
の,,,,でカッタトルクがトルク過大検出
レベルを超え、シールドジャッキの停止が頻発する状況
を表わしている。
【0021】図5は同じ地山条件で上記のカッタトルク
制御を行った場合のカッタトルク変動状況を模式的に示
したものである。図5の,は、カッタビットが大礫
などに突き当って、急激にカッタトルクが上昇した場合
を想定している。このような急激なトルク上昇に対して
は、推進速度を下げても、それによる切削トルクの低減
が遅れるために、カッタトルクが過大領域に達する可能
性があり、カッタトルク過大領域では、カッタ自身が油
圧回路のリリーフ弁の動作により停止してしまうので、
カッタ停止状態でビットが地山に過度にくい込むことを
防止するためにシールドジャッキを一時停止させなくて
はならない。しかし、図4の,,のようにトルク
上昇が急激でないときは、推進速度の低下により過度の
トルク上昇を回避できるので、無制限時に比べシールド
ジャッキの停止頻度は大幅に減少させることができる。
制御を行った場合のカッタトルク変動状況を模式的に示
したものである。図5の,は、カッタビットが大礫
などに突き当って、急激にカッタトルクが上昇した場合
を想定している。このような急激なトルク上昇に対して
は、推進速度を下げても、それによる切削トルクの低減
が遅れるために、カッタトルクが過大領域に達する可能
性があり、カッタトルク過大領域では、カッタ自身が油
圧回路のリリーフ弁の動作により停止してしまうので、
カッタ停止状態でビットが地山に過度にくい込むことを
防止するためにシールドジャッキを一時停止させなくて
はならない。しかし、図4の,,のようにトルク
上昇が急激でないときは、推進速度の低下により過度の
トルク上昇を回避できるので、無制限時に比べシールド
ジャッキの停止頻度は大幅に減少させることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、カッタトルクが制御開
始レベルを超えて上昇したとき、その超過量に応じて自
動的に推進速度を下げて切削トルクの低下が図られるの
で、カッタトルクの過大な上昇を防止し、シールドジャ
ッキの停止頻度を低減することができる。このようにジ
ャッキ停止頻度が低減することにより、シールドジャッ
キおよび排土装置の一時停止、推進速度の設定変更、シ
ールドジャッキおよび排土装置の運転復帰の一連の操作
を頻繁に行わなくともよくなるので、作業能率が向上
し、かつ掘進工程への影響が軽減される。
始レベルを超えて上昇したとき、その超過量に応じて自
動的に推進速度を下げて切削トルクの低下が図られるの
で、カッタトルクの過大な上昇を防止し、シールドジャ
ッキの停止頻度を低減することができる。このようにジ
ャッキ停止頻度が低減することにより、シールドジャッ
キおよび排土装置の一時停止、推進速度の設定変更、シ
ールドジャッキおよび排土装置の運転復帰の一連の操作
を頻繁に行わなくともよくなるので、作業能率が向上
し、かつ掘進工程への影響が軽減される。
【0023】また、カッタトルクが制御開始レベル以下
のときは、推進速度を頭初の設定値に維持するようにし
ており、仮に制御開始レベルを装備トルクの70〜80
%程度に設定すると、掘削時間の大部分で頭初設定した
推進速度が維持されるので、カッタトルクの増減に応じ
て絶えず推進速度が変動する場合に比べ、排土量、作泥
材注入量、裏込注入量などの調整が容易であり、予定し
た日進量への影響も少なく、また、地山が軟弱でカッタ
トルクが低い場合に、必要以上に推進速度が上って、切
羽土圧の増大などの他の諸問題を引き起こすこともな
い。
のときは、推進速度を頭初の設定値に維持するようにし
ており、仮に制御開始レベルを装備トルクの70〜80
%程度に設定すると、掘削時間の大部分で頭初設定した
推進速度が維持されるので、カッタトルクの増減に応じ
て絶えず推進速度が変動する場合に比べ、排土量、作泥
材注入量、裏込注入量などの調整が容易であり、予定し
た日進量への影響も少なく、また、地山が軟弱でカッタ
トルクが低い場合に、必要以上に推進速度が上って、切
羽土圧の増大などの他の諸問題を引き起こすこともな
い。
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】推進速度補正量演算手段の一例を示す詳細構成
図である。
図である。
【図3】実施例の作用の説明図である。
【図4】無制限時のカッタトルク変動状況を模式的に示
した図である。
した図である。
【図5】制限時のカッタトルク変動状況を模式的に示し
た図である。
た図である。
1…シールド本体、2…バルクヘッド、3…カッタヘッ
ド、4…シールドジャッキ、5…油圧モータ、6…カッ
タ用油圧ポンプ、7…カッタ駆動油圧供給ライン、8…
シールドジャッキ用油圧ポンプ、9…シールドジャッキ
駆動油圧供給ライン、10…カッタトルク検出手段、1
1…推進速度検出手段、12…制御開始レベル設定器、
13…推進速度補正量演算手段、14…推進速度設定
器、15…速度指令補正手段、16…油量制御器、17
…引算器、18…信号処理手段、19…効果係数設定
器、20…乗算器
ド、4…シールドジャッキ、5…油圧モータ、6…カッ
タ用油圧ポンプ、7…カッタ駆動油圧供給ライン、8…
シールドジャッキ用油圧ポンプ、9…シールドジャッキ
駆動油圧供給ライン、10…カッタトルク検出手段、1
1…推進速度検出手段、12…制御開始レベル設定器、
13…推進速度補正量演算手段、14…推進速度設定
器、15…速度指令補正手段、16…油量制御器、17
…引算器、18…信号処理手段、19…効果係数設定
器、20…乗算器
Claims (2)
- 【請求項1】 回転駆動されるカッタヘッドと推進用の
シールドジャッキとを有するシールド掘進機において、
前記カッタヘッドの負荷トルクを検出するカッタトルク
検出手段と、カッタトルク制御の開始レベルを任意に設
定することができる制御開始レベル設定器と、前記カッ
タトルク検出手段のカッタトルク検出値が前記制御開始
レベル設定器により設定された制御開始レベルを超過し
たときだけ超過量に応じて推進速度の補正量を演算する
推進速度補正量演算手段と、前記シールド掘進機の推進
速度を任意に設定することができる推進速度設定器と、
前記推進速度補正量演算手段から出力される推進速度補
正量を前記推進速度設定器による推進速度設定値から引
算して推進速度指令値として出力する速度指令補正手段
と、前記シールド掘進機の推進速度を検出する推進速度
検出手段と、前記速度指令補正手段から出力される推進
速度指令値と前記推進速度検出手段の推進速度検出値と
が相等しくなるように前記シールドジャッキへの供給油
量を制御する油量制御器とを備え、カッタトルクがカッ
タトルク制御開始レベルを越えて上昇したときだけ、そ
の超過量に見合った分、推進速度を低下させ、カッタト
ルクがカッタトルク制御開始レベル以下のときは推進速
度を設定値に維持するようにしたことを特徴とするシー
ルド掘進機のカッタトルク制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載したシールド掘進機のカ
ッタトルク制御装置において、推進速度補正量演算手段
は、カッタトルク検出値からカッタトルク制御開始レベ
ルを引算する引算器と、該引算器からの出力の符号を判
別し、正のときだけ前記引算器からの出力をトルク超過
量として出力する信号処理手段と、該信号処理手段から
出力されるトルク超過量を推進速度の補正量に換算する
ための効果係数を任意に設定することができる効果係数
設定器と、前記信号処理手段から出力されるトルク超過
量と前記効果係数設定器により設定された効果係数とを
乗算する乗算器とで構成されていることを特徴とするシ
ールド掘進機のカッタトルク制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6482792A JP2714310B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | シールド掘進機のカッタトルク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6482792A JP2714310B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | シールド掘進機のカッタトルク制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05272294A JPH05272294A (ja) | 1993-10-19 |
JP2714310B2 true JP2714310B2 (ja) | 1998-02-16 |
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ID=13269471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6482792A Expired - Fee Related JP2714310B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | シールド掘進機のカッタトルク制御装置 |
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JP (1) | JP2714310B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110067566A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-07-30 | 上海隧道工程有限公司 | 盾构纠偏力矩的预测方法及系统 |
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CN110067568B (zh) * | 2019-05-30 | 2020-06-23 | 上海隧道工程有限公司 | 盾构纠偏油压输出的自适应控制方法及系统 |
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1992
- 1992-03-23 JP JP6482792A patent/JP2714310B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110067566A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-07-30 | 上海隧道工程有限公司 | 盾构纠偏力矩的预测方法及系统 |
CN110067566B (zh) * | 2019-05-30 | 2020-06-05 | 上海隧道工程有限公司 | 盾构纠偏力矩的预测方法及系统 |
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---|---|
JPH05272294A (ja) | 1993-10-19 |
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