JP2713880B2 - 距離測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、距離測定装置、さ
らに詳しくは、物体に対して光を投射し、その反射光か
ら距離を求めるようにした距離測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】測距方式には、光や超音波を投射しその
反射信号によって距離を図るアクティブ方式と、被写体
の輝度情報から三角測距を行なったり、または鮮明度を
検出することによって測距を行なうパッシブ方式とが知
られていて、いずれの方式もスチルカメラやビデオカメ
ラ等に採用されている。このうちパッシブ方式は、暗い
ところで測距できず装置も大掛かりになるため、コスト
的にアクティブ方式に較べて不利である。 【0003】多くのアクティブ方式は、測距目標に赤外
光を投射し、その反射光をレンズで受け、三角測距式に
光の入射位置より測距を行なうものである。そして、こ
のときの反射光の入射位置を検出するために、位置検出
素子(以下、PSDとする)を用いたり、分割センサや
受光素子を機械連動式で用いたりする等の方式が知られ
ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、赤外光を投射
する方式は、比較的簡単に実現できる反面、反射光との
S/Nの関係で、距離が遠くなるほど精度が悪くなると
いう欠点があった。 【0005】また、赤外光のパルス発光に同期して積分
動作を多数回行なうことによってノイズ成分を相殺し、
測距精度を向上させることも考えられる。しかし、あま
り積分回数を増やすと測距に要する時間が長くなるばか
りで実用的でないという問題が生じる。 【0006】また、積分回数を自由に設定すると、積分
回数の増減にしたがって測距結果が変化してしまう。た
とえば、一回の積分を行って得た出力と2回の積分を行
って得た出力とでは、同じ出力が出た場合でも、距離判
定時に判定を切換えなくては正しい測距とはならない。 【0007】本発明は、以上の点に着目し、測距精度
と、測距時間を考慮し、状況に応じて積分回数を変更
し、求められるS/N比に応じた積分回数を設定し、な
おかつ、その設定の変化に対応したピント合わせを行う
ことによって、正確、高速なピント合わせを可能とした
ものである。 【0008】 【課題を解決するための手段および作用】本発明による
距離測定装置は、撮影レンズと、同一ポイントに対し繰
り返し発光して、被写体に測距用光を投射する投光手段
と、上記被写体からの反射信号光を受光して上記被写体
までの距離に依存した信号を出力する受光手段と、上記
受光手段出力に依存した信号を積分する積分手段と、上
記積分手段の積分状態を検出し、それから上記被写体に
対する上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する演
算制御手段と、からなる測距装置付きカメラにおいて、
上記演算制御手段は、要求されるS/N比と測距時間と
に応じて、上記投光手段の投光回数を選択し、この選択
状態に応じて上記ピント合わせ位置設定方法を切り換え
て、上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する機能
を有することを特徴とする。 【0009】 【実施例】まず、本発明装置の説明に先立って、本発明
装置に採用される赤外光アクティブ方式の基本的な光学
系と光電変換素子の位置関係を図2によって説明する。 【0010】投光レンズ1が赤外発光ダイオード(以
下、IREDとする)2の発する赤外光6を被写体3上
に投射すると、この被写体3からの反射光7を受光レン
ズ4がPSD5の上に結像させる。このとき、被写体3
までの距離Lは、投光レンズ1と受光レンズ4の光軸間
の距離、すなわち、基線長をs、受光レンズ4の焦点距
離をf0 、PSD5上の入射光位置をxとすると、次式
で求められる。 【0011】L=s・f0 /x………(1) ところで、PSD5はPINフォトダイオード構成され
た半導体素子で、入射光の光電流をその入射位置に対応
する比によって分割し、両端の端子より出力するように
なっている。図3に示すように、このPSD5の全長を
t0 とし、中心を受光レンズ4の光軸に合わせた配置状
態では、反射光7がPSD5に入射するときに生じる光
電流Ip はPSD5の特性効果により、位置xの比で、
t0 /2+x:t0 /2−xに分割される。よって、P
SD5の両端子より出力される電流I1 ,I2 の比は、 I1 /I2 =(t0 /2+x)/(t0 /2−x)………(2) となるので、この(2)式と上記(1)式から次式で示
すようにI1 /I2 は被写体距離Lだけの関数で表わす
ことができる。 【0012】 I1 /I2 = (Lt0 +2s・f0 )/(Lt0 −2s・f0 )………(3) つまり、この(3)式から明らかなように、I1 /I2
を求めることにより、被写体距離Lを算出することがで
きる。 【0013】次に、本発明の距離測定装置について説明
する。 【0014】図1は本発明装置の一実施例の基本的な回
路構成を示したものである。 【0015】この図1に示した本発明装置を図4に示す
タイムチャートを用いて説明する。 【0016】IRED2は発振器11から発せられる2
0KHz、デューティ比50%のパルスaが発光駆動回
路12を介して与えられることにより点滅発光駆動され
る。このIRED2が発するパルス状赤外光の被写体か
らの反射光はPSD5に受光されると、上述したよう
に、被写体距離Lに応じた比(I1 /I2 )で、PSD
5の両端子に電流I1 ,I2 が流れる。この電流I1 ,
I2 は光学系とPSD5との位置関係(図2,図3参
照)から、通常、I1 ≧I2 になることは明らかであ
る。電流I1 ,I2 は入力インピーダンスの低い前段増
幅器13,14に導かれてそれぞれの電流I1 ,I2 に
応じた電圧に変換される。前段増幅器13の出力はアナ
ログスイッチからなる積分用のチャンネル切換スイッチ
15を通じて、また前段増幅器14の出力は同じくアナ
ログスイッチからなる逆積分用チャンネル切換スイッチ
16を通じてバンドパスフィルタ(以下、BPFとす
る)17に入力される。なお、チャンネル切換スイッチ
15,16は後述するように、いずれか一方がオンのと
き他方がオフとなるように制御されるので、前段増幅器
13,14のうちのいずれか一方の出力のみがBPF1
7に入力される。 【0017】上記IRED2がパルス発光駆動されてい
るので、PSD5の出力は正弦波状に変化するが、BP
F17は定常光をカットし、発振器11の発振周波数と
等しい周波数の信号成分のみを出力bとして取り出して
増幅する。BPF17の出力bはアナログスイッチから
なるサンプルスイッチ18を通じて積分増幅器19に入
力される。サンプルスイッチ18は上記発振器11に同
期して駆動されるサンプルパルス発生器22からのサン
プルパルスeによってオンとなるように制御されるの
で、積分増幅器19はサンプルパルスeの発生毎に、同
パルス幅時間だけBPF17の出力bの積分を行なう。
積分増幅器19の積分出力電圧VI は比較器20の一端
に入力されている基準電圧Vrefと比較される。比較
器20は積分増幅器19の出力電圧VI が基準電圧Vr
efより高ければハイレベル(以下、“H”とする)の
信号を、低ければローレベル(以下、“L”とする)の
信号を出力cとしてD型フリップフロップ(以下、D−
FFとする)21に送る。D−FF21のクロック入力
(ck)としてはサンプルパルス発生器22の出力パル
スeがインバータ23により反転して印加される。D−
FF21の出力dは上記チャンネル切換スイッチ15,
16のオン,オフ切換制御を行なう。すなわち、D−F
F21の出力dが“H”のとき、チャンネル切換スイッ
チ15をオン、チャンネル切換スイッチ16をインバー
タ24によってオフにし、またD−FF21の出力dが
“L”のときは、上記スイッチ15,16をそれぞれオ
フ、オンする切換え制御を行なう。従って、BPF17
の出力bはD−FF21の出力dにより電流I1 に含ま
れる当該帯域成分と電流I2 に含まれる当該帯域成分と
の切換えがなされる。また、このD−FF21はサンプ
ルパルス発生器22に対してサンプルパルス発生時点の
制御をも行なう。すなわち、D−FF21の出力dが
“L”のときは、サンプルパルスeをパルスaの立上り
時点からの遅延時間ts をts =ts1とし、パルスaの
“H”の中央、つまり、反射赤外光の受光によって電流
I1 ,I2 のレベルが最も高くなる時点で発生させるよ
うにしている。また、D−FF21の出力dが“H”の
ときはパルスaの立上がり時点からの遅延時間ts をt
s =ts3とし、パルスaの“L”の中央、つまり、反射
赤外光の受光によって電流I1 ,I2 のレベルが最も低
くなる時点で発生させるようにしている。これにより、
サンプルパルスeはサンプルスイッチ18をBPF17
の出力bのピーク値付近に同期してオンさせ、積分増幅
器19に対して同期積分動作を行なわせている。 【0018】D−FF21の出力dとサンプルパルス発
生器22の出力パルスeとはアンドゲート25を通じて
カウンタ26に入力され、サンプルパルス発生器22の
出力パルスeはカウンタ27に入力される。このカウン
タ27はサンプルパルス発生器22より発せられるサン
プルパルスeの発生回数、すなわち、サンプルスイッチ
18のオンによって積分増幅器19で行なわれる全積分
回数(以下、検波回数という)をカウントし、カウンタ
26は検波回数のうち、D−FF21の出力dが“H”
にあるときの積分回数、すなわち、チャンネル切換スイ
ッチ15がオンで電流I1 に基づく信号電圧が積分増幅
器19で正方向に積分される回数をカウントする。ま
た、上記カウンタ27はプリセット可能なダウンカウン
タであり、検波回数が所定の値に達すると、終了検出回
路28によってAF終了信号AFENDが出力される。 【0019】このように、基準電圧Vrefに対し、一
致する方向で積分および逆積分がそれぞれ検出素子55
の出力電流I1 ,I2 に基づく信号によって行なわれ
る。逆積分は一般には、信号を反転することにより行な
われるが、ここでは、アナログ回路を単純化するために
BPF17の出力bが正弦波状になることを利用して同
期積分タイミングを同期Tの1/2だけずらすことによ
って実現している。なお、D−FF21は積分動作中に
切り換えをしないように機能する。この同期積分動作を
多数回行なえば、電流I1 ,I2 の比は積分回数、逆積
分回数の比により求められることが明らかである。ここ
では、積分回数と逆積分回数とを合わせた全積分回数即
ち、検波回数をカウントするカウンタ27と正方向の積
分回数をカウントするカウンタ26によって電流I1 ,
I2 の比をディジタル的に求め、これにより被写体距離
Lを得るようにしている。 【0020】こうした積分回数によって距離を算出する
方法はI1 ,I2 を直接求める必要がないので、微弱信
号の検出動作に悪影響を及ぼすノイズも相殺されて軽減
でき、相対的にS/Nを向上させ遠距離まで測距するこ
とができる。 【0021】従って、上記検波回数を多くすれば、それ
だけより高精度の測距値が得られることは明らかである
が、あまり検波回数を増やすと測距に要する時間が長く
なるばかりで実用的でないという問題が生じる。 【0022】そこで、上記図1に示した距離測定装置で
は、撮影レンズの焦点距離情報、撮影時の絞り情報の一
方、或いは両方を参考にし、その撮影状態に最適な測距
精度で撮影が行なわれるようにしている。つまり、上記
終了検出回路28に撮影レンズの焦点距離情報fにより
“1”と“0”に変化する信号CONT1 と、絞り情報
FNoにより“1”と“0”に変化する信号CONT2 と
が入力されるようになっており、これらの信号CONT
1 ,CONT2 が終了検出回路28に入力されると、こ
の信号CONT1 ,CONT2 に応じてカウンタ27
は、AF終了信号AFENDを出力する所定のカウンタ
値、即ち、全検波回数の設定値が切換えられる。従っ
て、精度上から不必要に検波回数を増加させることをし
ないで、撮影状態に応じた測距精度が得られるような検
波回数で測距値が得られることになる。 【0023】次に、本発明の距離測定装置を適用した全
自動カメラを具体的に説明する。 【0024】図5は全自動カメラの全体の回路構成を示
すブロック図である。この電気回路において、電源30
が供給されるラインL1 ,L0 間にはコンデンサ31が
接続されて電源電圧Vccの定電圧化が図られている。
CPU32はワンチップマイコンからなり、カメラ全体
のシーケンスを集中制御する。ただし、このCPU32
は電源30の電圧Vccが低下したときには正しい動作
を行なうことができず、また、電源電圧Vccを監視す
る機能を有していないので、CPU32の電源供給系統
はアナログ素子で構成されたアナログIC33で制御さ
れる。すなわち、アナログIC33は電源電圧Vccを
監視し、電源電圧Vccが規定電圧より高いときはCP
U32に接続されたパワーコントロール用トランジスタ
34をオンにし、規定電圧より低下したときトランジス
タ34をオフにしてCPU32に対する電源供給制御を
行なう。なお、CPU32に接続されたスイッチ35は
レリーズスイッチであり、スイッチ52は撮影レンズの
焦点距離fの変化により切換わるレンズ切換スイッチで
ある。 【0025】なお、焦点距離fはコンパクトカメラの場
合は予め設定された値にこのスイッチ52の切換えによ
り切り換わるが、交換レンズを用いるカメラの場合には
レンズROMから焦点距離情報をCPU32内に取り込
まれるようにしてもよい。 【0026】アナログIC33は、上記電源電圧Vcc
を監視する機能を有するほか、電源電圧Vccが十分に
復帰してからCPU32にリセット信号を送って動作を
再開させるパワーオンリセット機能およびバッテリチェ
ック機能等を有している。さらに、アナログIC33
は、露出制御のための輝度情報検出用フォトダイオード
36の出力をディジタル信号に変換するA/D変換回路
やトランジスタ37をオンさせることにより、シャッタ
/レンズ駆動回路38を介してフィルム給送用モータ3
9,シャッタ制御兼レンズ移動用モータ40を定電流駆
動するための定電流回路、CPU32の命令をストロボ
回路41に伝えるためのインターフェース回路、シャッ
タ駆動用コンビネーションマグネット42の駆動回路等
を有している。なお、モータ40の回転角は同期して回
転するパターンチャートとフォトリフレクタ等の組み合
わせによって検出できるようになっている。 【0027】ストロボ回路41はアナログ回路33から
の信号を受けることにより整流器43を通じてメインコ
ンデンサ44へ昇圧のための充電を行ない、その後、閃
光放電管45に対してその発光を促すトリガ動作を行な
う。メインコンデンサ44の充電完了時にはストロボ回
路41は充電完了信号を出力し、アナログIC33を介
してCPU32に送る。 【0028】表示駆動回路46はCPU32の指令を受
け、カメラの各動作状態、ユーザへの警告等をLCD
(液晶素子)等からなる表示装置47によって表示す
る。表示駆動回路46も電源電圧Vccの低下によって
誤表示を出力する虞れがあるので、電源制御をアナログ
IC33からの信号でトランジスタ48をオンさせるこ
とによって行なう。 【0029】オートフォーカス用IC(以下、AFIC
とする)49はCPU32よりオートフォーカス(A
F)動作開始信号を受けることにより、このAFIC4
9内に有するロジック回路の働きによりAFシーケンス
動作を行なう。このシーケンス動作はクロック同期式と
なっており、基本クロックはCPU32より得ている。
このAFIC49内には本発明の距離測定装置が構成さ
れている。AFIC49内のロジック回路は、前記第1
図に示した実施例装置の発振器11,D−FF21,サ
ンプルパルス発生器22,インバータ23,24,アン
ドゲート25,カウンタ26,27,終了検出回路28
等を有して構成され、その他の回路は、アナログ回路に
よって構成されている。IRED2に抵抗50を介して
ラインL1に接続されたトランジスタ51は発光駆動用
トランジスタである。 【0030】上記全自動カメラのシーケンス動作につい
てのフローチャートを図6に示す。なお、ここでは、シ
ャッタ制御兼レンズ移動用モータ40の正転回転角によ
り一義的に合焦用レンズの繰り出し量が決まり、逆転時
間によってレンズシャッタ開口径が変化するプログラム
形式のシャッタを用いることを想定している。 【0031】まず、レリーズスイッチ35をオンにする
と、CPU32はレリーズされたことを認識し、被写体
輝度の情報入力を行なう。これは前述したように、フォ
トダイオード36の出力をアナログIC33内のA/D
変換回路でA/D変換することによって得られる情報で
ある。次いで、フィルム感度の入力も同じくディジタル
的に行なう。露出演算では、これらのCPU32にディ
ジタル的に入力した各露出情報に基づき適正露出を得る
ための絞りとシャッタ秒時の組み合わせがCPU32に
より演算される。低輝度時には、このシャッタ秒時が長
くなり、手振れを起す虞れがあるので、この場合には、
内蔵ストロボのガイドナンバーおよびAF情報、フィル
ム感度情報よりフラッシュマチック演算を行ない、適正
の絞り値が得られるような秒時を算出する。 【0032】このようにして得られた絞り値情報、また
は、撮影レンズの焦点距離fの違いを判別するスイッチ
52のオン,オフ情報により、CPU32は必要な測距
精度を割り出し、これをAFIC49にプリセットす
る。そして、後述するAFシーンケンス動作が行なわれ
る。 【0033】AFシーケンスが終了すると、モータ40
が逆転し予じめ求められた秒時のレンズシャッタ開口径
が決定され、この開口径で秒時のカウントを開始する。
秒時のカウントを終了するとシャッタが閉じるが、上記
のフラッシュマチックの演算が行なわれた場合には、シ
ャッタの閉じる直前にストロボが発光する。シャッタの
閉じたあとはモータ39によりフィルムが1駒分巻き上
げられて上述した撮影に係る一連のシーケンス動作を終
了する。 【0034】ここで、測距精度の切換えについて説明す
る。下記の表1は、本実施例の距離測定装置において検
波回数がどのような条件で切換えられるかを示したもの
である。 【0035】 【表1】 絞り値情報、即ち、FNoが大きくなると、被写体か深度
が深くなるため、測距精度は比較的低くても撮影上の支
障はない。また、撮影レンズの焦点距離fが短くなる
と、やはり被写界深度が深くなるため同様のことが言え
る。このことから、被写界深度はFNoとfとを用いて次
の関係式で表わすことができる。 【0036】前側被写界深度≒後側被写界深度 ∞FNo/f2 上記表1において、128,256,512の各数字は
全検波回数を示している。ノイズが乱数的に発生した場
合、検波回数を増やせば増やすほど、ノイズの相殺効果
大きく、良好な感度が得られるという理論に基づいてい
る。上記検波回数の具体的な数値については、実験結果
からそれに近い2進カウンタで実現しやすい値にした。
CPU32はレンズ切換スイッチ52によって入力され
る焦点距離fとフィルム感度情報、輝度情報を基に算出
する絞り情報FNoに従って、上記表1に示すように全検
波回数を設定することになる。 【0037】図7は、前記図1に示した距離測定装置
の、より具体的な回路構成を示した実施例装置のブロッ
ク図である。すなわち、この図7に示した距離測定装置
は、全自動カメラ(図5参照)内のAFIC49に構成
されている。この実施例装置では、PSD5の出力電流
I1 ,I2 を増幅するための前段増幅器13A,14A
と第1増幅器13B,14BおよびBPF17の前段の
第2増幅器61が用いられ、これらの増幅器とBPF1
7と積分増幅器19および比較器20に対して基準電圧
発生回路62から基準電圧Vrefが与えられている。
AFIC49はCPU32との間で信号の授受を行な
う。CPU32からの基本ブロックckは発振器11お
よびアンドゲート64に入力される。パワー入力回路6
3はCPU32からのAFオン信号を受けることにより
サンプルパルス発生器22を駆動し、カウンタ26,2
7にリセット信号を送出する。カウンタ27による全検
波回数N1 はCPU32から送出される撮影状態信号C
ONT1 ,CONT2 により終了検出回路28によって
設定されるようになっている。カウンタ27が撮影状態
信号CONT1 ,CONT2 によって設定された前記検
波回数N1 のカウントを終了した時点で終了検出回路2
8からの信号がアンドゲート64を通じ基本クロックc
kに同期してシフトレジスタ65に送られ、このときカ
ウンタ26のカウント値がシフトレジスタ65にシフト
されシフトレジスタ65より被写体距離Lに応じた測距
出力AFOUTがCPU32に送られるようになってい
る。終了検出回路28は上記出力信号AFOUTを送出
したのちパワー入力回路63およびCPU32にAF終
了信号AFENDを送る。 【0038】その他の回路構成については前記図1に示
した装置と同様であるので説明は省略する。 【0039】上記図7に示したAFIC49内の2つの
カウンタ26,27と終了検出回路28の具体的な回路
構成を図8に示す。 【0040】図8において、検波回数N0 をカウントす
るカウンタ27は10個のD−FF70〜79により構
成されていて、これらD−FFの各リセット端子Rには
上記パワー入力回路63からのリセット信号が印加され
る。カウンタ27のカウント入力としてサンプルパルス
発生器22からのサンプルパルスCP1 (図4に示すサ
ンプルパルスe)が与えられる。終了検出回路28は、
インバータ81,82,3入力アンドゲート83〜86
および4入力オアゲート87とにより構成されていて、
カウンタ27のD−FF76〜79の各出力Qがそれぞ
れアンドゲート83〜86の各入力端に導かれるように
なっていて、オアゲート87よりAF終了信号AFEN
Dが得られるものとなっている。 【0041】この図8に示した回路では終了検出回路2
8に入力する2つの撮影状態信号CONT1 ,CONT
2 が“0”,“0”のときは、アンドゲート83のみが
導通するのでD−FF76の出力が選択され、検波回数
N0 が26 =64に達したときAF終了信号AFEND
を出力する。また、信号CONT1 ,CONT2 が
“0”,“1”のときは、アンドゲート84のみが導通
してD−FF77の出力が選択され検波回数N0 が27
=128に達したときAF終了信号AFENDを出力す
る。同様に、信号CONT1 ,CONT2 がそれぞれ
“1”,“0”では、アンドゲート85が導通してD−
FF78の出力が選択されN0 =28 =256のとき、
また“1”,“1”では、アンドゲート86が導通し、
D−FF79の出力が選択され、N0 =29 =512の
ときにAF終了信号AFENDを出力する。すなわち、
この図8に示した回路では、下記の表2に示すように、
2つの撮影状態信号CONT1 ,CONT2 の“1”,
“0”の入力設定によって、AF終了信号AFENDが
出力されるまでのサンプルパルスCP1 のカウント数を
切り換えることができる。 【0042】 【表2】 前述したように、撮影状態信号CONT1 ,CONT2
は、それぞれ絞り値FNO、焦点距離fによって“0”,
“1”に切換わる信号であり、AFシーケンス中、CP
U32よりAFIC49に入力する。 【0043】そこで、上記図7,8に示した回路構成を
基に、AFシーケンスについて以下に述べる。 【0044】図9にAFシーケンスにおけるプログラム
動作のフローチャートを示す。AFシーケンスはAFI
C49がCPU32よりAFオン信号および基本クロッ
クckを受けることにより開始される。このとき、カウ
ンタ26,27のカウント値、即ち、積分回路NS ,検
波回数NO は0にリセットされる。このリセット信号は
パワー入力回路63により与えられる。 【0045】AFシーケンスが開始すると、CPU32
からの基本クロックckを発振器11が分周し、IRE
D2が20KHz,デューティ比50%で連続パルス発
光を開始する。このときの駆動電流は250mAであ
る。このパルス発光はAFシーケンスが終了するまで継
続して行なわれる。 【0046】IRED2を発光開始させたあと、サンプ
ルスイッチ18がオフのときチャンネル切換スイッチ1
5のオン,オフを判定し、かつ積分電圧VI と基準電圧
Vrefとの比較を行なう。積分電圧VI が基準電圧V
refに近づく方向に積分動作が行なわれるように前述
したように、積分電圧VI と基準電圧Vrefとの比較
によってチャンネル切換スイッチ15と16が切り換え
られるが、積分途中にこのチャンネル切換えが生じては
誤測距につながるので、サンプルスイッチ18のオンし
ている間はこの切換えを禁止する。この積分中の切換禁
止の役割をD−FF21が果たしている(図1,4,7
参照)。 【0047】チャンネル切換スイッチ15,16のう
ち、スイッチ15は電流I1 による増幅出力を伝えるも
ので積分用、スイッチ16は電流I2 による増幅出力を
伝えるもので逆積分用である。積分、逆積分の切換え
は、即ち、積分方向(正負)の切換えはBPF17の出
力が正弦波状になることよりサンプルスイッチ18のオ
ンタイミングの変化によりディジタル的に行なわれる。
つまり、正弦波の正のピーク値においてサンプリングを
行なうか、負のピーク値においてサンプリングを行なう
かによって積分方向の正,逆が切り換えられる。このサ
ンプリングまでの発生タイミングts はIRED2がパ
ルス駆動されるときの各立上り点を基準にしている(図
4参照)。このサンプルパルスの発生タイミングts に
よって積分方向の正,逆が決まることは図4からも明ら
かである。実際にはフィルタの影響でIRED2の駆動
波形とBPF17の出力波形の間には時間的な遅れがあ
るが、図4に示すタイミングチャートでは簡単化するた
めに、これを無視して示している。 【0048】今、チャンネル切換スイッチ15がオフ
(即ち、チャンネル切換スイッチ16がオン)であると
すると、このとき、比較器20の出力を判別してVI >
Vrefであれば、サンプルパルスCP1 の発生タイミ
ングをts =ts1に設定する。サンプルパルスCP1 の
発生タイミングts を設定したのちは、IRED2がオ
ンになるのを待って上記発生タイミングts までのサン
プリング時間tをカウントする。そして、サンプリング
時間tがタイミングts になると、サンプルスイッチ1
8を一定時間(10μsec)オンにし、チャンネル切
換スイッチ15のオン,オフを判定する。チャンネル切
換スイッチ15がオフであれば、上記サンプルパルスC
P1 の発生時間、即ち、サンプルスイッチ18のオン時
間は逆積分が行なわれたことになるので、このときは、
積分回数NS はカウントせず、検波回数N0 のみを1回
カウントアップする。そして、検波回数N0 がN0 <N
1 にあるので、再びサンプルスイッチ18のオン,オフ
判定を行なう箇所に戻り、上記の動作を繰り返す。 【0049】そして、逆積分によってVI <Vrefに
なるとチャンネル切換スイッチ15をオンに、スイッチ
16をオフにして積分方向を切換えて上記動作を行な
う。 【0050】正方向の積分が行なわれるときは、上記チ
ャンネル切換スイッチ15がオンであるので、このとき
VI <Vrefであれば、サンプルパルスCP1 の発生
タイミングをts =ts3に設定する。そして、積分が行
なわれると、積分回数NS を1回カウントし、このあ
と、検波回数N0 も1回カウントする。このとき、負方
向への積分(逆積分)回数NG は特にカウントしない
が、当然これらの間には次の関係式が成り立つ。 【0051】N0 =NS +NG ………(4) ところで、全検波回数をN1 に固定化することにより積
分回数NS を正規化すれば、この積分回数NS によって
被写体距離Lを求めることができる。 【0052】被写体距離Lを測定するとき、積分回数N
S は、 NS =I2 /I1 +I2 ・N1 ………(5) である。従って、この(5)式に前記(3)式を代入し
て NS =(1/2−sf0 /Lt0 )N1 ………(6) となる。 【0053】この(6)式から明らかなように、全検波
回数N1 を設定すると、正方向への積分回数NS が正規
化されるので、両カウンタ26,27のカウント値から
比を求めるための割算を行なうことなくカウンタ26の
カウント値がそのまま測距情報となる。 【0054】検波回数N0 が設定された全検波回数N1
に至らなければ、さらにまた、サンプルスイッチ18の
オン、オン判定箇所に戻る。そして、積分によってVI
>Vrefになると、再び、チャンネル切換スイッチ1
5をオフに、スイッチ16をオンにして積分方向の切換
を行なう。 【0055】なお、前記図7に示すような回路構成で
は、チャンネル切換スイッチ15,16の切換時に交流
波形が重畳され、BPF17の出力時に歪みを生じるこ
とになるので、BPF17の出力が安定するのを待つた
めに切換直後のサンプルパルスCP1 の発生タイミング
ts を長めにとるのが望ましく、この図9に示したフロ
ーチャートでは、サンプルパルスCP1 の発生タイミン
グts は直ちにts1→ts3,ts3→ts1に変化しないよ
うにし、切換え直後は、ts3,ts1よりそれぞれ長い時
間のts4,ts2を経て、ts1→ts4→ts3,ts3→ts2
→ts1のように変化するようにしている。具体的には切
換後、3周期分はサンプルパルスCP1 を立てないよう
にする。即ち、1周期Tは、T=50μsecであるか
らts1=7μsec,ts3=ts1+25μsecとする
と、 ts2=ts1+150μsec ts4=ts3+150μsec となる。なお、サンプルパルス幅、つまりサンプルスイ
ッチ18のオン時間は10μsecである。 【0056】上述の動作をサンプルパルスCP1 の発生
総数N0 が、全検波回数N1 に等しくなるまで繰り返
し、そのうちの正方向の積分回数NS をカウンタ26に
よりカウントする。即ち、前記カウンタ27によりカウ
ントされた検波回数NO が撮影状態信号CONT1 ,C
ONT2 によって設定された全検波回数N1 になったと
きにAF終了信号がCPU32に向かって発せられ、続
いて、CPU32の基本クロックckに同期してシフト
レジスタ65よりカウンタ26でカウントされた積分回
数NS がシリアルデータとしてCPU32に転送され
る。積分回数NS のシリアル転送が終了すると、AFオ
ン信号がオフになり、CPU32は、測距結果としての
積分回数NS に基づき、前記(6)式により被写体距離
Lを算出し、AF段数を決定する。 【0057】この場合、カウンタ27による全検波回数
N1 が128,256,512と撮影状態信号CONT
1 ,CONT2 によって切換えられるとき、カウンタ2
6による積分回数NS は下記の表3に示すように変化す
る。 【0058】 【表3】 よってCPU32は上記表3に示す対応関係から距離L
に応じたAF段数に決定する。なお、この実施例では、
基線長S=40mm、受光レンズ4(第2,3図参照)
の焦点距離f0 =18.3mm、PSD5の長さt0 =
3mmを想定している。 【0059】AFシーケンスは、このようにして求めら
れたAF段数に相当するカム段に合焦用レンズを停止さ
せた時点で終了する。 【0060】このように、上述した実施例装置では、撮
影レンズの絞り情報、焦点距離情報の一方又は両方を参
考にし、絞りを開いた状態、或いは長焦点距離のレンズ
での撮影の際は、測距精度を重視した測距出力が得ら
れ、また、逆に絞りを絞った状態、或いは短焦点距離の
レンズによる撮影の際には、測距時間を重視して短時間
で測距出力を得ることができる。 【0061】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来装置に比べて、測距時間を重視しながら、高精度で正
しいピントが合わせが可能な距離測定装置を提供するこ
とができる。
らに詳しくは、物体に対して光を投射し、その反射光か
ら距離を求めるようにした距離測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】測距方式には、光や超音波を投射しその
反射信号によって距離を図るアクティブ方式と、被写体
の輝度情報から三角測距を行なったり、または鮮明度を
検出することによって測距を行なうパッシブ方式とが知
られていて、いずれの方式もスチルカメラやビデオカメ
ラ等に採用されている。このうちパッシブ方式は、暗い
ところで測距できず装置も大掛かりになるため、コスト
的にアクティブ方式に較べて不利である。 【0003】多くのアクティブ方式は、測距目標に赤外
光を投射し、その反射光をレンズで受け、三角測距式に
光の入射位置より測距を行なうものである。そして、こ
のときの反射光の入射位置を検出するために、位置検出
素子(以下、PSDとする)を用いたり、分割センサや
受光素子を機械連動式で用いたりする等の方式が知られ
ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、赤外光を投射
する方式は、比較的簡単に実現できる反面、反射光との
S/Nの関係で、距離が遠くなるほど精度が悪くなると
いう欠点があった。 【0005】また、赤外光のパルス発光に同期して積分
動作を多数回行なうことによってノイズ成分を相殺し、
測距精度を向上させることも考えられる。しかし、あま
り積分回数を増やすと測距に要する時間が長くなるばか
りで実用的でないという問題が生じる。 【0006】また、積分回数を自由に設定すると、積分
回数の増減にしたがって測距結果が変化してしまう。た
とえば、一回の積分を行って得た出力と2回の積分を行
って得た出力とでは、同じ出力が出た場合でも、距離判
定時に判定を切換えなくては正しい測距とはならない。 【0007】本発明は、以上の点に着目し、測距精度
と、測距時間を考慮し、状況に応じて積分回数を変更
し、求められるS/N比に応じた積分回数を設定し、な
おかつ、その設定の変化に対応したピント合わせを行う
ことによって、正確、高速なピント合わせを可能とした
ものである。 【0008】 【課題を解決するための手段および作用】本発明による
距離測定装置は、撮影レンズと、同一ポイントに対し繰
り返し発光して、被写体に測距用光を投射する投光手段
と、上記被写体からの反射信号光を受光して上記被写体
までの距離に依存した信号を出力する受光手段と、上記
受光手段出力に依存した信号を積分する積分手段と、上
記積分手段の積分状態を検出し、それから上記被写体に
対する上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する演
算制御手段と、からなる測距装置付きカメラにおいて、
上記演算制御手段は、要求されるS/N比と測距時間と
に応じて、上記投光手段の投光回数を選択し、この選択
状態に応じて上記ピント合わせ位置設定方法を切り換え
て、上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する機能
を有することを特徴とする。 【0009】 【実施例】まず、本発明装置の説明に先立って、本発明
装置に採用される赤外光アクティブ方式の基本的な光学
系と光電変換素子の位置関係を図2によって説明する。 【0010】投光レンズ1が赤外発光ダイオード(以
下、IREDとする)2の発する赤外光6を被写体3上
に投射すると、この被写体3からの反射光7を受光レン
ズ4がPSD5の上に結像させる。このとき、被写体3
までの距離Lは、投光レンズ1と受光レンズ4の光軸間
の距離、すなわち、基線長をs、受光レンズ4の焦点距
離をf0 、PSD5上の入射光位置をxとすると、次式
で求められる。 【0011】L=s・f0 /x………(1) ところで、PSD5はPINフォトダイオード構成され
た半導体素子で、入射光の光電流をその入射位置に対応
する比によって分割し、両端の端子より出力するように
なっている。図3に示すように、このPSD5の全長を
t0 とし、中心を受光レンズ4の光軸に合わせた配置状
態では、反射光7がPSD5に入射するときに生じる光
電流Ip はPSD5の特性効果により、位置xの比で、
t0 /2+x:t0 /2−xに分割される。よって、P
SD5の両端子より出力される電流I1 ,I2 の比は、 I1 /I2 =(t0 /2+x)/(t0 /2−x)………(2) となるので、この(2)式と上記(1)式から次式で示
すようにI1 /I2 は被写体距離Lだけの関数で表わす
ことができる。 【0012】 I1 /I2 = (Lt0 +2s・f0 )/(Lt0 −2s・f0 )………(3) つまり、この(3)式から明らかなように、I1 /I2
を求めることにより、被写体距離Lを算出することがで
きる。 【0013】次に、本発明の距離測定装置について説明
する。 【0014】図1は本発明装置の一実施例の基本的な回
路構成を示したものである。 【0015】この図1に示した本発明装置を図4に示す
タイムチャートを用いて説明する。 【0016】IRED2は発振器11から発せられる2
0KHz、デューティ比50%のパルスaが発光駆動回
路12を介して与えられることにより点滅発光駆動され
る。このIRED2が発するパルス状赤外光の被写体か
らの反射光はPSD5に受光されると、上述したよう
に、被写体距離Lに応じた比(I1 /I2 )で、PSD
5の両端子に電流I1 ,I2 が流れる。この電流I1 ,
I2 は光学系とPSD5との位置関係(図2,図3参
照)から、通常、I1 ≧I2 になることは明らかであ
る。電流I1 ,I2 は入力インピーダンスの低い前段増
幅器13,14に導かれてそれぞれの電流I1 ,I2 に
応じた電圧に変換される。前段増幅器13の出力はアナ
ログスイッチからなる積分用のチャンネル切換スイッチ
15を通じて、また前段増幅器14の出力は同じくアナ
ログスイッチからなる逆積分用チャンネル切換スイッチ
16を通じてバンドパスフィルタ(以下、BPFとす
る)17に入力される。なお、チャンネル切換スイッチ
15,16は後述するように、いずれか一方がオンのと
き他方がオフとなるように制御されるので、前段増幅器
13,14のうちのいずれか一方の出力のみがBPF1
7に入力される。 【0017】上記IRED2がパルス発光駆動されてい
るので、PSD5の出力は正弦波状に変化するが、BP
F17は定常光をカットし、発振器11の発振周波数と
等しい周波数の信号成分のみを出力bとして取り出して
増幅する。BPF17の出力bはアナログスイッチから
なるサンプルスイッチ18を通じて積分増幅器19に入
力される。サンプルスイッチ18は上記発振器11に同
期して駆動されるサンプルパルス発生器22からのサン
プルパルスeによってオンとなるように制御されるの
で、積分増幅器19はサンプルパルスeの発生毎に、同
パルス幅時間だけBPF17の出力bの積分を行なう。
積分増幅器19の積分出力電圧VI は比較器20の一端
に入力されている基準電圧Vrefと比較される。比較
器20は積分増幅器19の出力電圧VI が基準電圧Vr
efより高ければハイレベル(以下、“H”とする)の
信号を、低ければローレベル(以下、“L”とする)の
信号を出力cとしてD型フリップフロップ(以下、D−
FFとする)21に送る。D−FF21のクロック入力
(ck)としてはサンプルパルス発生器22の出力パル
スeがインバータ23により反転して印加される。D−
FF21の出力dは上記チャンネル切換スイッチ15,
16のオン,オフ切換制御を行なう。すなわち、D−F
F21の出力dが“H”のとき、チャンネル切換スイッ
チ15をオン、チャンネル切換スイッチ16をインバー
タ24によってオフにし、またD−FF21の出力dが
“L”のときは、上記スイッチ15,16をそれぞれオ
フ、オンする切換え制御を行なう。従って、BPF17
の出力bはD−FF21の出力dにより電流I1 に含ま
れる当該帯域成分と電流I2 に含まれる当該帯域成分と
の切換えがなされる。また、このD−FF21はサンプ
ルパルス発生器22に対してサンプルパルス発生時点の
制御をも行なう。すなわち、D−FF21の出力dが
“L”のときは、サンプルパルスeをパルスaの立上り
時点からの遅延時間ts をts =ts1とし、パルスaの
“H”の中央、つまり、反射赤外光の受光によって電流
I1 ,I2 のレベルが最も高くなる時点で発生させるよ
うにしている。また、D−FF21の出力dが“H”の
ときはパルスaの立上がり時点からの遅延時間ts をt
s =ts3とし、パルスaの“L”の中央、つまり、反射
赤外光の受光によって電流I1 ,I2 のレベルが最も低
くなる時点で発生させるようにしている。これにより、
サンプルパルスeはサンプルスイッチ18をBPF17
の出力bのピーク値付近に同期してオンさせ、積分増幅
器19に対して同期積分動作を行なわせている。 【0018】D−FF21の出力dとサンプルパルス発
生器22の出力パルスeとはアンドゲート25を通じて
カウンタ26に入力され、サンプルパルス発生器22の
出力パルスeはカウンタ27に入力される。このカウン
タ27はサンプルパルス発生器22より発せられるサン
プルパルスeの発生回数、すなわち、サンプルスイッチ
18のオンによって積分増幅器19で行なわれる全積分
回数(以下、検波回数という)をカウントし、カウンタ
26は検波回数のうち、D−FF21の出力dが“H”
にあるときの積分回数、すなわち、チャンネル切換スイ
ッチ15がオンで電流I1 に基づく信号電圧が積分増幅
器19で正方向に積分される回数をカウントする。ま
た、上記カウンタ27はプリセット可能なダウンカウン
タであり、検波回数が所定の値に達すると、終了検出回
路28によってAF終了信号AFENDが出力される。 【0019】このように、基準電圧Vrefに対し、一
致する方向で積分および逆積分がそれぞれ検出素子55
の出力電流I1 ,I2 に基づく信号によって行なわれ
る。逆積分は一般には、信号を反転することにより行な
われるが、ここでは、アナログ回路を単純化するために
BPF17の出力bが正弦波状になることを利用して同
期積分タイミングを同期Tの1/2だけずらすことによ
って実現している。なお、D−FF21は積分動作中に
切り換えをしないように機能する。この同期積分動作を
多数回行なえば、電流I1 ,I2 の比は積分回数、逆積
分回数の比により求められることが明らかである。ここ
では、積分回数と逆積分回数とを合わせた全積分回数即
ち、検波回数をカウントするカウンタ27と正方向の積
分回数をカウントするカウンタ26によって電流I1 ,
I2 の比をディジタル的に求め、これにより被写体距離
Lを得るようにしている。 【0020】こうした積分回数によって距離を算出する
方法はI1 ,I2 を直接求める必要がないので、微弱信
号の検出動作に悪影響を及ぼすノイズも相殺されて軽減
でき、相対的にS/Nを向上させ遠距離まで測距するこ
とができる。 【0021】従って、上記検波回数を多くすれば、それ
だけより高精度の測距値が得られることは明らかである
が、あまり検波回数を増やすと測距に要する時間が長く
なるばかりで実用的でないという問題が生じる。 【0022】そこで、上記図1に示した距離測定装置で
は、撮影レンズの焦点距離情報、撮影時の絞り情報の一
方、或いは両方を参考にし、その撮影状態に最適な測距
精度で撮影が行なわれるようにしている。つまり、上記
終了検出回路28に撮影レンズの焦点距離情報fにより
“1”と“0”に変化する信号CONT1 と、絞り情報
FNoにより“1”と“0”に変化する信号CONT2 と
が入力されるようになっており、これらの信号CONT
1 ,CONT2 が終了検出回路28に入力されると、こ
の信号CONT1 ,CONT2 に応じてカウンタ27
は、AF終了信号AFENDを出力する所定のカウンタ
値、即ち、全検波回数の設定値が切換えられる。従っ
て、精度上から不必要に検波回数を増加させることをし
ないで、撮影状態に応じた測距精度が得られるような検
波回数で測距値が得られることになる。 【0023】次に、本発明の距離測定装置を適用した全
自動カメラを具体的に説明する。 【0024】図5は全自動カメラの全体の回路構成を示
すブロック図である。この電気回路において、電源30
が供給されるラインL1 ,L0 間にはコンデンサ31が
接続されて電源電圧Vccの定電圧化が図られている。
CPU32はワンチップマイコンからなり、カメラ全体
のシーケンスを集中制御する。ただし、このCPU32
は電源30の電圧Vccが低下したときには正しい動作
を行なうことができず、また、電源電圧Vccを監視す
る機能を有していないので、CPU32の電源供給系統
はアナログ素子で構成されたアナログIC33で制御さ
れる。すなわち、アナログIC33は電源電圧Vccを
監視し、電源電圧Vccが規定電圧より高いときはCP
U32に接続されたパワーコントロール用トランジスタ
34をオンにし、規定電圧より低下したときトランジス
タ34をオフにしてCPU32に対する電源供給制御を
行なう。なお、CPU32に接続されたスイッチ35は
レリーズスイッチであり、スイッチ52は撮影レンズの
焦点距離fの変化により切換わるレンズ切換スイッチで
ある。 【0025】なお、焦点距離fはコンパクトカメラの場
合は予め設定された値にこのスイッチ52の切換えによ
り切り換わるが、交換レンズを用いるカメラの場合には
レンズROMから焦点距離情報をCPU32内に取り込
まれるようにしてもよい。 【0026】アナログIC33は、上記電源電圧Vcc
を監視する機能を有するほか、電源電圧Vccが十分に
復帰してからCPU32にリセット信号を送って動作を
再開させるパワーオンリセット機能およびバッテリチェ
ック機能等を有している。さらに、アナログIC33
は、露出制御のための輝度情報検出用フォトダイオード
36の出力をディジタル信号に変換するA/D変換回路
やトランジスタ37をオンさせることにより、シャッタ
/レンズ駆動回路38を介してフィルム給送用モータ3
9,シャッタ制御兼レンズ移動用モータ40を定電流駆
動するための定電流回路、CPU32の命令をストロボ
回路41に伝えるためのインターフェース回路、シャッ
タ駆動用コンビネーションマグネット42の駆動回路等
を有している。なお、モータ40の回転角は同期して回
転するパターンチャートとフォトリフレクタ等の組み合
わせによって検出できるようになっている。 【0027】ストロボ回路41はアナログ回路33から
の信号を受けることにより整流器43を通じてメインコ
ンデンサ44へ昇圧のための充電を行ない、その後、閃
光放電管45に対してその発光を促すトリガ動作を行な
う。メインコンデンサ44の充電完了時にはストロボ回
路41は充電完了信号を出力し、アナログIC33を介
してCPU32に送る。 【0028】表示駆動回路46はCPU32の指令を受
け、カメラの各動作状態、ユーザへの警告等をLCD
(液晶素子)等からなる表示装置47によって表示す
る。表示駆動回路46も電源電圧Vccの低下によって
誤表示を出力する虞れがあるので、電源制御をアナログ
IC33からの信号でトランジスタ48をオンさせるこ
とによって行なう。 【0029】オートフォーカス用IC(以下、AFIC
とする)49はCPU32よりオートフォーカス(A
F)動作開始信号を受けることにより、このAFIC4
9内に有するロジック回路の働きによりAFシーケンス
動作を行なう。このシーケンス動作はクロック同期式と
なっており、基本クロックはCPU32より得ている。
このAFIC49内には本発明の距離測定装置が構成さ
れている。AFIC49内のロジック回路は、前記第1
図に示した実施例装置の発振器11,D−FF21,サ
ンプルパルス発生器22,インバータ23,24,アン
ドゲート25,カウンタ26,27,終了検出回路28
等を有して構成され、その他の回路は、アナログ回路に
よって構成されている。IRED2に抵抗50を介して
ラインL1に接続されたトランジスタ51は発光駆動用
トランジスタである。 【0030】上記全自動カメラのシーケンス動作につい
てのフローチャートを図6に示す。なお、ここでは、シ
ャッタ制御兼レンズ移動用モータ40の正転回転角によ
り一義的に合焦用レンズの繰り出し量が決まり、逆転時
間によってレンズシャッタ開口径が変化するプログラム
形式のシャッタを用いることを想定している。 【0031】まず、レリーズスイッチ35をオンにする
と、CPU32はレリーズされたことを認識し、被写体
輝度の情報入力を行なう。これは前述したように、フォ
トダイオード36の出力をアナログIC33内のA/D
変換回路でA/D変換することによって得られる情報で
ある。次いで、フィルム感度の入力も同じくディジタル
的に行なう。露出演算では、これらのCPU32にディ
ジタル的に入力した各露出情報に基づき適正露出を得る
ための絞りとシャッタ秒時の組み合わせがCPU32に
より演算される。低輝度時には、このシャッタ秒時が長
くなり、手振れを起す虞れがあるので、この場合には、
内蔵ストロボのガイドナンバーおよびAF情報、フィル
ム感度情報よりフラッシュマチック演算を行ない、適正
の絞り値が得られるような秒時を算出する。 【0032】このようにして得られた絞り値情報、また
は、撮影レンズの焦点距離fの違いを判別するスイッチ
52のオン,オフ情報により、CPU32は必要な測距
精度を割り出し、これをAFIC49にプリセットす
る。そして、後述するAFシーンケンス動作が行なわれ
る。 【0033】AFシーケンスが終了すると、モータ40
が逆転し予じめ求められた秒時のレンズシャッタ開口径
が決定され、この開口径で秒時のカウントを開始する。
秒時のカウントを終了するとシャッタが閉じるが、上記
のフラッシュマチックの演算が行なわれた場合には、シ
ャッタの閉じる直前にストロボが発光する。シャッタの
閉じたあとはモータ39によりフィルムが1駒分巻き上
げられて上述した撮影に係る一連のシーケンス動作を終
了する。 【0034】ここで、測距精度の切換えについて説明す
る。下記の表1は、本実施例の距離測定装置において検
波回数がどのような条件で切換えられるかを示したもの
である。 【0035】 【表1】 絞り値情報、即ち、FNoが大きくなると、被写体か深度
が深くなるため、測距精度は比較的低くても撮影上の支
障はない。また、撮影レンズの焦点距離fが短くなる
と、やはり被写界深度が深くなるため同様のことが言え
る。このことから、被写界深度はFNoとfとを用いて次
の関係式で表わすことができる。 【0036】前側被写界深度≒後側被写界深度 ∞FNo/f2 上記表1において、128,256,512の各数字は
全検波回数を示している。ノイズが乱数的に発生した場
合、検波回数を増やせば増やすほど、ノイズの相殺効果
大きく、良好な感度が得られるという理論に基づいてい
る。上記検波回数の具体的な数値については、実験結果
からそれに近い2進カウンタで実現しやすい値にした。
CPU32はレンズ切換スイッチ52によって入力され
る焦点距離fとフィルム感度情報、輝度情報を基に算出
する絞り情報FNoに従って、上記表1に示すように全検
波回数を設定することになる。 【0037】図7は、前記図1に示した距離測定装置
の、より具体的な回路構成を示した実施例装置のブロッ
ク図である。すなわち、この図7に示した距離測定装置
は、全自動カメラ(図5参照)内のAFIC49に構成
されている。この実施例装置では、PSD5の出力電流
I1 ,I2 を増幅するための前段増幅器13A,14A
と第1増幅器13B,14BおよびBPF17の前段の
第2増幅器61が用いられ、これらの増幅器とBPF1
7と積分増幅器19および比較器20に対して基準電圧
発生回路62から基準電圧Vrefが与えられている。
AFIC49はCPU32との間で信号の授受を行な
う。CPU32からの基本ブロックckは発振器11お
よびアンドゲート64に入力される。パワー入力回路6
3はCPU32からのAFオン信号を受けることにより
サンプルパルス発生器22を駆動し、カウンタ26,2
7にリセット信号を送出する。カウンタ27による全検
波回数N1 はCPU32から送出される撮影状態信号C
ONT1 ,CONT2 により終了検出回路28によって
設定されるようになっている。カウンタ27が撮影状態
信号CONT1 ,CONT2 によって設定された前記検
波回数N1 のカウントを終了した時点で終了検出回路2
8からの信号がアンドゲート64を通じ基本クロックc
kに同期してシフトレジスタ65に送られ、このときカ
ウンタ26のカウント値がシフトレジスタ65にシフト
されシフトレジスタ65より被写体距離Lに応じた測距
出力AFOUTがCPU32に送られるようになってい
る。終了検出回路28は上記出力信号AFOUTを送出
したのちパワー入力回路63およびCPU32にAF終
了信号AFENDを送る。 【0038】その他の回路構成については前記図1に示
した装置と同様であるので説明は省略する。 【0039】上記図7に示したAFIC49内の2つの
カウンタ26,27と終了検出回路28の具体的な回路
構成を図8に示す。 【0040】図8において、検波回数N0 をカウントす
るカウンタ27は10個のD−FF70〜79により構
成されていて、これらD−FFの各リセット端子Rには
上記パワー入力回路63からのリセット信号が印加され
る。カウンタ27のカウント入力としてサンプルパルス
発生器22からのサンプルパルスCP1 (図4に示すサ
ンプルパルスe)が与えられる。終了検出回路28は、
インバータ81,82,3入力アンドゲート83〜86
および4入力オアゲート87とにより構成されていて、
カウンタ27のD−FF76〜79の各出力Qがそれぞ
れアンドゲート83〜86の各入力端に導かれるように
なっていて、オアゲート87よりAF終了信号AFEN
Dが得られるものとなっている。 【0041】この図8に示した回路では終了検出回路2
8に入力する2つの撮影状態信号CONT1 ,CONT
2 が“0”,“0”のときは、アンドゲート83のみが
導通するのでD−FF76の出力が選択され、検波回数
N0 が26 =64に達したときAF終了信号AFEND
を出力する。また、信号CONT1 ,CONT2 が
“0”,“1”のときは、アンドゲート84のみが導通
してD−FF77の出力が選択され検波回数N0 が27
=128に達したときAF終了信号AFENDを出力す
る。同様に、信号CONT1 ,CONT2 がそれぞれ
“1”,“0”では、アンドゲート85が導通してD−
FF78の出力が選択されN0 =28 =256のとき、
また“1”,“1”では、アンドゲート86が導通し、
D−FF79の出力が選択され、N0 =29 =512の
ときにAF終了信号AFENDを出力する。すなわち、
この図8に示した回路では、下記の表2に示すように、
2つの撮影状態信号CONT1 ,CONT2 の“1”,
“0”の入力設定によって、AF終了信号AFENDが
出力されるまでのサンプルパルスCP1 のカウント数を
切り換えることができる。 【0042】 【表2】 前述したように、撮影状態信号CONT1 ,CONT2
は、それぞれ絞り値FNO、焦点距離fによって“0”,
“1”に切換わる信号であり、AFシーケンス中、CP
U32よりAFIC49に入力する。 【0043】そこで、上記図7,8に示した回路構成を
基に、AFシーケンスについて以下に述べる。 【0044】図9にAFシーケンスにおけるプログラム
動作のフローチャートを示す。AFシーケンスはAFI
C49がCPU32よりAFオン信号および基本クロッ
クckを受けることにより開始される。このとき、カウ
ンタ26,27のカウント値、即ち、積分回路NS ,検
波回数NO は0にリセットされる。このリセット信号は
パワー入力回路63により与えられる。 【0045】AFシーケンスが開始すると、CPU32
からの基本クロックckを発振器11が分周し、IRE
D2が20KHz,デューティ比50%で連続パルス発
光を開始する。このときの駆動電流は250mAであ
る。このパルス発光はAFシーケンスが終了するまで継
続して行なわれる。 【0046】IRED2を発光開始させたあと、サンプ
ルスイッチ18がオフのときチャンネル切換スイッチ1
5のオン,オフを判定し、かつ積分電圧VI と基準電圧
Vrefとの比較を行なう。積分電圧VI が基準電圧V
refに近づく方向に積分動作が行なわれるように前述
したように、積分電圧VI と基準電圧Vrefとの比較
によってチャンネル切換スイッチ15と16が切り換え
られるが、積分途中にこのチャンネル切換えが生じては
誤測距につながるので、サンプルスイッチ18のオンし
ている間はこの切換えを禁止する。この積分中の切換禁
止の役割をD−FF21が果たしている(図1,4,7
参照)。 【0047】チャンネル切換スイッチ15,16のう
ち、スイッチ15は電流I1 による増幅出力を伝えるも
ので積分用、スイッチ16は電流I2 による増幅出力を
伝えるもので逆積分用である。積分、逆積分の切換え
は、即ち、積分方向(正負)の切換えはBPF17の出
力が正弦波状になることよりサンプルスイッチ18のオ
ンタイミングの変化によりディジタル的に行なわれる。
つまり、正弦波の正のピーク値においてサンプリングを
行なうか、負のピーク値においてサンプリングを行なう
かによって積分方向の正,逆が切り換えられる。このサ
ンプリングまでの発生タイミングts はIRED2がパ
ルス駆動されるときの各立上り点を基準にしている(図
4参照)。このサンプルパルスの発生タイミングts に
よって積分方向の正,逆が決まることは図4からも明ら
かである。実際にはフィルタの影響でIRED2の駆動
波形とBPF17の出力波形の間には時間的な遅れがあ
るが、図4に示すタイミングチャートでは簡単化するた
めに、これを無視して示している。 【0048】今、チャンネル切換スイッチ15がオフ
(即ち、チャンネル切換スイッチ16がオン)であると
すると、このとき、比較器20の出力を判別してVI >
Vrefであれば、サンプルパルスCP1 の発生タイミ
ングをts =ts1に設定する。サンプルパルスCP1 の
発生タイミングts を設定したのちは、IRED2がオ
ンになるのを待って上記発生タイミングts までのサン
プリング時間tをカウントする。そして、サンプリング
時間tがタイミングts になると、サンプルスイッチ1
8を一定時間(10μsec)オンにし、チャンネル切
換スイッチ15のオン,オフを判定する。チャンネル切
換スイッチ15がオフであれば、上記サンプルパルスC
P1 の発生時間、即ち、サンプルスイッチ18のオン時
間は逆積分が行なわれたことになるので、このときは、
積分回数NS はカウントせず、検波回数N0 のみを1回
カウントアップする。そして、検波回数N0 がN0 <N
1 にあるので、再びサンプルスイッチ18のオン,オフ
判定を行なう箇所に戻り、上記の動作を繰り返す。 【0049】そして、逆積分によってVI <Vrefに
なるとチャンネル切換スイッチ15をオンに、スイッチ
16をオフにして積分方向を切換えて上記動作を行な
う。 【0050】正方向の積分が行なわれるときは、上記チ
ャンネル切換スイッチ15がオンであるので、このとき
VI <Vrefであれば、サンプルパルスCP1 の発生
タイミングをts =ts3に設定する。そして、積分が行
なわれると、積分回数NS を1回カウントし、このあ
と、検波回数N0 も1回カウントする。このとき、負方
向への積分(逆積分)回数NG は特にカウントしない
が、当然これらの間には次の関係式が成り立つ。 【0051】N0 =NS +NG ………(4) ところで、全検波回数をN1 に固定化することにより積
分回数NS を正規化すれば、この積分回数NS によって
被写体距離Lを求めることができる。 【0052】被写体距離Lを測定するとき、積分回数N
S は、 NS =I2 /I1 +I2 ・N1 ………(5) である。従って、この(5)式に前記(3)式を代入し
て NS =(1/2−sf0 /Lt0 )N1 ………(6) となる。 【0053】この(6)式から明らかなように、全検波
回数N1 を設定すると、正方向への積分回数NS が正規
化されるので、両カウンタ26,27のカウント値から
比を求めるための割算を行なうことなくカウンタ26の
カウント値がそのまま測距情報となる。 【0054】検波回数N0 が設定された全検波回数N1
に至らなければ、さらにまた、サンプルスイッチ18の
オン、オン判定箇所に戻る。そして、積分によってVI
>Vrefになると、再び、チャンネル切換スイッチ1
5をオフに、スイッチ16をオンにして積分方向の切換
を行なう。 【0055】なお、前記図7に示すような回路構成で
は、チャンネル切換スイッチ15,16の切換時に交流
波形が重畳され、BPF17の出力時に歪みを生じるこ
とになるので、BPF17の出力が安定するのを待つた
めに切換直後のサンプルパルスCP1 の発生タイミング
ts を長めにとるのが望ましく、この図9に示したフロ
ーチャートでは、サンプルパルスCP1 の発生タイミン
グts は直ちにts1→ts3,ts3→ts1に変化しないよ
うにし、切換え直後は、ts3,ts1よりそれぞれ長い時
間のts4,ts2を経て、ts1→ts4→ts3,ts3→ts2
→ts1のように変化するようにしている。具体的には切
換後、3周期分はサンプルパルスCP1 を立てないよう
にする。即ち、1周期Tは、T=50μsecであるか
らts1=7μsec,ts3=ts1+25μsecとする
と、 ts2=ts1+150μsec ts4=ts3+150μsec となる。なお、サンプルパルス幅、つまりサンプルスイ
ッチ18のオン時間は10μsecである。 【0056】上述の動作をサンプルパルスCP1 の発生
総数N0 が、全検波回数N1 に等しくなるまで繰り返
し、そのうちの正方向の積分回数NS をカウンタ26に
よりカウントする。即ち、前記カウンタ27によりカウ
ントされた検波回数NO が撮影状態信号CONT1 ,C
ONT2 によって設定された全検波回数N1 になったと
きにAF終了信号がCPU32に向かって発せられ、続
いて、CPU32の基本クロックckに同期してシフト
レジスタ65よりカウンタ26でカウントされた積分回
数NS がシリアルデータとしてCPU32に転送され
る。積分回数NS のシリアル転送が終了すると、AFオ
ン信号がオフになり、CPU32は、測距結果としての
積分回数NS に基づき、前記(6)式により被写体距離
Lを算出し、AF段数を決定する。 【0057】この場合、カウンタ27による全検波回数
N1 が128,256,512と撮影状態信号CONT
1 ,CONT2 によって切換えられるとき、カウンタ2
6による積分回数NS は下記の表3に示すように変化す
る。 【0058】 【表3】 よってCPU32は上記表3に示す対応関係から距離L
に応じたAF段数に決定する。なお、この実施例では、
基線長S=40mm、受光レンズ4(第2,3図参照)
の焦点距離f0 =18.3mm、PSD5の長さt0 =
3mmを想定している。 【0059】AFシーケンスは、このようにして求めら
れたAF段数に相当するカム段に合焦用レンズを停止さ
せた時点で終了する。 【0060】このように、上述した実施例装置では、撮
影レンズの絞り情報、焦点距離情報の一方又は両方を参
考にし、絞りを開いた状態、或いは長焦点距離のレンズ
での撮影の際は、測距精度を重視した測距出力が得ら
れ、また、逆に絞りを絞った状態、或いは短焦点距離の
レンズによる撮影の際には、測距時間を重視して短時間
で測距出力を得ることができる。 【0061】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来装置に比べて、測距時間を重視しながら、高精度で正
しいピントが合わせが可能な距離測定装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す距離測定装置のブロッ
ク図。 【図2】本発明装置に採用される赤外光アクティブ方式
の光学系と光電変換素子との基本的位置関係を示す配置
図。 【図3】本発明装置に採用される赤外光アクティブ方式
の光学系と光電変換素子との基本的位置関係を示す配置
図。 【図4】上記図1に示す装置の動作を説明するための各
部信号波形のタイムチャート。 【図5】本発明装置を適用した全自動カメラのブロック
図。 【図6】上記図5に示す全自動カメラのシーケンス動作
のフローチャート。 【図7】上記図5中のAFICのブロック図。 【図8】上記図7中の主要部回路の具体的な電気回路
図。 【図9】上記図6に示すフローチャート中のAFシーケ
ンスのフローチャート。 【符号の説明】 2………IRED(投光手段) 5………PSD(受光手段) 15,16……チャンネル切換スイッチ(スイッチ手
段) 19………積分増幅器(積分手段) 20………比較器(比較手段) 21………D−FF(制御手段) 28………終了検出手段(全積分回数切換手段)
ク図。 【図2】本発明装置に採用される赤外光アクティブ方式
の光学系と光電変換素子との基本的位置関係を示す配置
図。 【図3】本発明装置に採用される赤外光アクティブ方式
の光学系と光電変換素子との基本的位置関係を示す配置
図。 【図4】上記図1に示す装置の動作を説明するための各
部信号波形のタイムチャート。 【図5】本発明装置を適用した全自動カメラのブロック
図。 【図6】上記図5に示す全自動カメラのシーケンス動作
のフローチャート。 【図7】上記図5中のAFICのブロック図。 【図8】上記図7中の主要部回路の具体的な電気回路
図。 【図9】上記図6に示すフローチャート中のAFシーケ
ンスのフローチャート。 【符号の説明】 2………IRED(投光手段) 5………PSD(受光手段) 15,16……チャンネル切換スイッチ(スイッチ手
段) 19………積分増幅器(積分手段) 20………比較器(比較手段) 21………D−FF(制御手段) 28………終了検出手段(全積分回数切換手段)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.撮影レンズと、 同一ポイントに対し繰り返し発光して、被写体に測距用
光を投射する投光手段と、 上記被写体からの反射信号光を受光して上記被写体まで
の距離に依存した信号を出力する受光手段と、 上記受光手段出力に依存した信号を積分する積分手段
と、 上記積分手段の積分状態を検出し、それから上記被写体
に対する上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する
演算制御手段と、からなる測距装置付きカメラにおい
て、 上記演算制御手段は、要求されるS/N比と測距時間と
に応じて、上記投光手段の投光回数を選択し、この選択
状態に応じて上記ピント合わせ位置設定方法を切り換え
て、上記撮影レンズのピント合わせ位置を決定する機能
を有することを特徴とする距離測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29013696A JP2713880B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 距離測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29013696A JP2713880B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 距離測定装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61281531A Division JPH07104156B2 (ja) | 1986-11-21 | 1986-11-25 | 距離測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09126755A JPH09126755A (ja) | 1997-05-16 |
JP2713880B2 true JP2713880B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=17752264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29013696A Expired - Lifetime JP2713880B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 距離測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2713880B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5218494B2 (ja) * | 2010-07-30 | 2013-06-26 | オムロン株式会社 | 変位センサ |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP29013696A patent/JP2713880B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09126755A (ja) | 1997-05-16 |
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---|---|---|---|
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