JP2713753B2 - 秘話伝送装置 - Google Patents

秘話伝送装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、車内や室内で会話をする際に、この会話
の内容が車内や室内にいる会話当事者以外の第三者に伝
わるのを可及的に防止することができる秘話伝送装置に
関するものである。
(従来の技術) 自動車の車内で搭乗者同志でプライベートな内容の会
話をする際には、相手の耳もとで話しをしたり、あるい
は、カーラジオやカーステレオを常時駆動させて、スピ
ーカから出力される楽音で話し声をマスキングし、会話
の内容が第三者たる運転手に聞かれるのを防止してい
る。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上述した従来の技術では、相手の耳もとで
話しをする際には乗車姿勢を変えなければならず、ま
た、カーラジオやカーステレオを常時駆動させ、その出
力を必要以上に大きくすると、運転手に不快感を与える
おそれがあるといった不具合がある。
そこで、この発明は、上記事情を考慮して案出された
ものであり、車内や室内で会話をする際に、第三者に与
える不快感を減少させつつ会話の内容が第三者に聞かれ
るのを可及的に防止することができる秘話伝送装置を提
供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、第1発明は、手の指部に装
着自在な指環に台座部を設け、この台座部に送信機を設
け、前記台座部の縁部にマイクロホンを設け、イヤホン
に前記送信機から発射される送信電波を受信する受信機
を設けたことを特徴とする。
また、送信機およびマイクロホンは、手帳に設けるこ
ともできる。
さらに、第2発明は、第1の音声を音声信号に変換し
て出力する第1のマイクロホンと、この第1のマイクロ
ホンから出力される音声信号を伝送する第1の音声信号
伝送手段と、この伝送された音声信号を音声に変換して
出力する第2のイヤホンとを備えた第1の音声信号伝送
装置と、第2の音声を音声信号に変換して出力する第2
のマイクロホンと、この第2のマイクロホンから出力さ
れる音声信号を伝送する第2の音声信号伝送手段と、こ
の伝送された音声信号を音声に変換して出力する第1の
イヤホンとを備えた第2の音声信号伝送装置と、前記第
1および第2のマイクロホンから出力される音声信号に
基づき残留ノイズレベルを高める騒音信号を生成し、こ
の騒音信号に基づき騒音を出力するスピーカを備えた騒
音発生装置と、を備えたことを特徴とする。
(作用) 第1発明によれば、指環に設けたマイクロホンおよび
送信機、あるいは手帳に設けたマイクロホンおよび送信
機と、イヤホンに設けた受信機とで無線通信による音声
信号の伝送が行われる。
一方、第2発明によれば、第1のマイクロホンと第2
のイヤホンとの間で無線通信、あるいは有線通信による
音声信号の伝送が行われ、第2のマイクロホンと第1の
イヤオンとの間で無線通信、あるいは有線通信による音
声信号の伝送が行われる。さらに、騒音発生装置を設
け、会話当事者が発する音声を第1,2のマイクロホンで
音声信号に変換し、この音声信号に基づき残留ノイズレ
ベルを高める騒音信号を生成し、この騒音信号に基づく
騒音を発生させ、この騒音により前記音声がマスキング
される。
(実施例) 以下、この発明の好適実施例を添付図面に基づいて説
明する。
第1図は実施例に係る秘話伝送装置の全体構成を示す
ブロック図、第2図は実施例に係る騒音発生装置の構成
を示すブロック図、第3図は同装置の全体図、第4図乃
至第6図は送信機およびマイクの取付態様を示す図、第
7図は受信機の取付態様を示す図である。
第1図において、1は送信機、2はコンデンサマイク
であり、第4図に示すように、この送信機1は、指輪3
に設けた台座部3aに取付けられており、この台座部3aの
縁部にコンデンサマイクロホン2が取付けられている。
送信機1は、マイク2から出力される音声信号で搬送
波を変調した後、アンテナ4に供給して搬送周波数f1
送信電波を発射する。
また、5は受信機、6はイヤホンであり、この受信機
5は、第7図に示すように、イヤホン6に一体的に設け
られている。
受信機5は、送信機1が発射した搬送周波数f1の送信
電波をアンテナ7で受信し、この受信信号を復調して音
声信号を抽出し、イヤホン6に出力する。
また、送信機8およびコンデンサマイク9は、前記送
信機1、マイク2と同様に指環に一体的に設けられてお
り(不図示)、マイク9から出力される音声信号で搬送
波を変調した後、アンテナ10に供給して搬送周波数f
2(<f1)の送信電波を発射し、受信機11は、イヤホン1
2に一体的に設けられており(不図示)、受信機11は、
送信機8が発射した搬送周波数f2の送信電波をアンテナ
13で受信し、この受信信号を復調して音声信号を抽出
し、イヤホン12に出力する。
また、第1図において、15は会話当事者間の会話が第
三者に聞かれるのを防止すべく、会話をマスキングする
ための騒音を発生する騒音発生装置であり、この騒音発
生装置15は、第3図に示すように、プラズマスピーカ17
を取付けたプレート部材15aの裏面側に設けられ、送信
機1,8が発射する搬送周波数f1,f2の送信電波をアンテナ
16で受信し、この受信信号に基づいて騒音をスピーカ17
から出力するとともに、この騒音信号で搬送波を変調
し、搬送周波数f1よりも高い周波数の搬送周波数f3の送
信信号および搬送周波数f2よりも低い周波数の搬送周波
数f4の送信信号をアンテナ18から発射する。
尚、このプレート部材15aは、会話当事者の一方がス
ピーカ17が運転手に指向するように、着服の胸ポケット
等に装着することが望ましい。
尚、第1図において、受信機19は、車載のカーラジオ
であり、この受信機19には、アンテナ20およびスピーカ
21が接続されている。
次に、第2図に基づいて、騒音発生装置15の構成につ
いて説明する。
第2図に示すように、騒音発生装置15は、受信部30、
信号波形変換部40、楽音信号発生部50、出力部60および
送信部70等から構成される。
受信部30は、アンテナ16、高周波増幅器32および復調
器33から構成され、送信機1,8が発射した搬送周波数f1,
f2の送信電波をアンテナ16で受信し、この受信信号を復
調器33で復調して音声信号を抽出し、後述する位相反転
回路に出力するとともに、スイッチ34を介して自動利得
制御(AGC)回路35に出力する。
信号波形変換部40は、位相反転回路41、エコー発生回
路42、移相回路43、PM変調回路44、グラフィックイコラ
イザ45およびサンプリング回路46から構成され、信号波
形変換部40の出力は、ミクサ47に供給される。
位相反転回路41は、入力信号波形の位相を180゜変化
させるものであり(第8図参照)、エコー発生回路42
は、遅延素子により遅延信号を生成し、この遅延信号を
フィードバックすることによりフラッタエコーや残響
(リバーブ)を得るものである(第9図参照)。
移相回路43は、出力波形の位相を入力波形の位相に対
して前後に移動させるものであり(第10図参照)、PM変
調回路44は、音声信号の強弱を位相の変化に変換して出
力するるものである(第11図参照)。
グラフィックイコライザ45は、入力信号の周波数ごと
のレベル差を変化させて音質を変えるものである。
サンプリング回路46には、センタクリップ回路により
入力波形の中央部だけを取り除くもの(第12図参照)、
振幅制御回路により2つのレベルL1,L2間にある信号波
だけを取り出すもの(第13図参照)等の電圧サンプリン
グ型、また、入力信号を一定の時間間隔ごとに区切り、
その間における信号波を取り出す時間サンプリング型
(第14図参照)、さらに、入力信号中から母音または子
音のみの信号波を取り出す音声サンプリング型(第15図
参照)等がある。
制御装置48は、前記エコー発生回路42、移相回路43、
PM変調回路44、グラフィックイコライザ45およびサンプ
リング回路46をキーボード49のキー入力操作により選択
またはそれぞれ直列、並列組み合せ自在に接続する機能
およびAGC回路35が出力する音声信号を波形変換せずに
ミクサ47に出力する機能を有する。
また、キーボード49のキー入力操作により、エコー発
生回路42における遅延時間およびエコー量の設定、移相
回路43における位相の移動量の設定、PM変調回路44にお
ける変調量の設定、グラフィックイコライザ45における
周波数特性やレベルの設定、サイプリング回路46におけ
るパラメータの設定を行うことができる。
楽音信号発生部50は、音声情報を記憶したROM51、ROM
51から読み出された音声情報を記録するRAM52,52、復調
器33から出力され、A/Dコンバータ53を介して入力する
音声信号に基づいてROM51から音声情報を読み出し、音
声合成ユニット54に出力するCPU55、CDプレーヤ56から
構成され、音声合成ユニット54に出力された音声情報
は、音声信号に変換されてミクサ47に供給され、また、
CDプレーヤ56の出力は、スイッチ57を介してミクサに供
給される。
ここで、一例として、復調器33から「おはよう」に相
当する音声信号が出力されると、CPU55により、「おは
よう」に対応して「元気でいる。」、「今日の天気
が」、「朝のニュース」に相当する3種の音声情報がRO
M51から読み出されてRAM52に書き込まれた後、3種の音
声情報が同時に音声合成ユニット54に出力され、音声合
成ユニット54で音声信号に変換されてミクサ47に供給さ
れ、後述する出力部から「元気でいる。」、「今日の天
気が」、「朝のニュース」が多重音声として出力され
る。
ミクサ47は、波形変換部40および楽音発生部50から出
力された各信号をミクシングして出力部60および送信部
70に出力する。
出力部60は、ミクサ47から出力された信号を低周波増
幅器61で増幅し、スピーカ62から騒音を出力する。
送信部70は、発振器71および変調器72から成る変調部
73でミクサ47から出力される信号波で搬送波を変調し、
この変調波を高周波増幅器74で増幅してアンテナ18から
搬送周波数f3,f4の送信電波として発射する。
次に、この実施例に係る秘話伝送装置の動作について
説明する。
第1図に示すように、車内において、2人で会話をす
る際には、一方の会話当事者M1が送信機1とマイク2を
備えた指環3と、受信機5を備えたイヤホン6を装着
し、他方の会話当事者M2が送信機8とマイク9を備えた
指環と、受信機11を備えたイヤホン12を装着すると、会
話当事者M1,M2間でそれぞれの送・受信機を介して無線
通信により会話をすることができる。
次に、騒音発生装置15の電源スイッチ(不図示)をON
すると、待機状態に設定され、会話当事者M1,M2間で会
話が行われて、送信機1,8から音声信号によって変調さ
れた搬送周波数f1,f2の送信電波が発射されると、受信
部30は、アンテナ16でこの送信電波を受信し、この受信
信号を復調器33で復調して音声信号を抽出する。
この音声信号は、位相反転回路41を介してミクサ47に
供給され、また、スイッチ34が閉成状態であれば、この
音声信号は、キーボード49のキー入力操作により、予め
設定された回路、例えば、エコー発生回路42およびサン
プリング回路46を直列に介してミクサ47に供給される。
また、復調器33から出力される音声信号に基づいて、
CPU55によりROM51から音声情報が読み出されて音声合成
ユニット54に供給され、音声情報は、音声信号に変換さ
れてミクサ47に供給される。
さらに、スイッチ57が閉成状態にあれば、CDプレーヤ
56から音声信号や音楽信号がミクサ47に供給される。
ミクサ47において、入力する各信号をミクシングして
会話当事者M1,M2間の会話をマスキングするための騒音
信号を生成し、この騒音信号は、出力部に出力されてス
ピーカ62から騒音として出力され、また、この騒音信号
は、送信部70に出力されて搬送波を変調し、この変調波
は、搬送周波数f3,f4の送信電波としてアンテナ18から
発射する。
尚、スピーカ62から出力される騒音は、会話当事者
M1,M2の会話をマスキングし、かつ第三者に不快感を与
えることのない音になるようにミクサ47において、各入
力信号をミクシングすることが望ましい。
以上説明したように、この実施例に係る秘話伝送装置
によれば、無線通信により音声信号の伝送が行われるた
め、会話当事者M1,M2は、非常に小さな声で会話を行う
ことができ、会話の内容が第三者たる運転手に聞かれる
のを防止することができる。
また、騒音発生装置15を設け、会話が行われている際
には、会話をマスキングする騒音を発生させるため、第
三者は、会話の内容がより聞きにくくなるとともに、会
話をマスキングする騒音を第三者に不快感を与えること
のない音になるように、ミクサ47およびキーボード49で
設定することができる。
さらに、騒音発生装置15は、搬送周波数f3(>f1)、
f4(<f2)の送信電波を発射するため、会話当事者M1,M
2間で会話が行われている際に、運転手が受信機19で自
動選局を行った場合、周波数の低い方へ選局を開始する
と、搬送周波数f1の送信電波を受信する前に搬送周波数
f3の送信電波を受信して自動選局が停止し、スピーカ21
から騒音発生装置15が出力する騒音が出力され、また、
周波数の高い方へ選局を開始すると、搬送周波数f2の送
信電波を受信する前に搬送周波数f4の送信電波を受信し
て自動選局が停止し、スピーカ21から上記騒音が出力さ
れる。
このため、会話当事者M1,M2は、運転手に会話の内容
を傍受される前に、運転手が自動選局を行っていること
を検知できる。
尚、この実施例にあっては、送信機1およびマイク2
を指環3に設けたが、第5図に示すように、送信機1を
手帳100の内部に設け、マイク2を手帳100の表面略中央
部にフローティングして設けてもよい。尚、手帳100の
表面部は吸音部材で構成されている。また、第6図に示
すようにタイピン101に設けてもよい。
(発明の効果) 以上説明したように、第1発明に係る秘話伝送装置に
よれば、無線通信により音声信号の伝送が行われるた
め、会話当事者は、非常に小さな声で会話を行うことが
でき、第三者に不快感を与えることなく会話の内容が第
三者に聞かれるのを防止することができる。
また、第2発明に係る秘話伝送装置によれば、無線通
信あるいは有線通信により音声信号の伝送が行われるた
め、会話当事者は、非常に小さな声で会話を行うことが
でき、会話の内容が第三者に聞かれるのを防止すること
ができ、さらに、騒音発生装置を設けて、会話が行われ
ている際には、会話をマスキングする騒音を発生させる
ため、会話の内容が第三者に聞かれるのを防止する点で
は前記第1の発明により一層の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例に係る秘話伝送装置の全体構成を示すブ
ロック図、第2図は実施例に係る騒音発生装置の構成を
示すブロック図、第3図は同装置の全体図、第4図乃至
第6図は送信機およびマイクの取付態様を示す図、第7
図は受信機の取付態様を示す図、第8図は位相反転回路
41の入出力波形を示す図、第9図はエコー発生回路42の
入出力波形を示す図、第10図は移相回路43の入出力波形
を示す図、第11図はPM変調回路44の入出力波形を示す
図、第12図乃至第15図はサンプリング回路46の入出力波
形を示す図である。 尚、図面中、1は送信機、2はコンデンサマイクロホ
ン、3は指環、3aは台座部、5は受信機、6はイヤホ
ン、15は騒音発生装置、41は位相反転回路、42はエコー
発生回路、43は移相回路、44はPM変調回路、45はグラフ
ィックイコイライザ、46はサンプリング回路、51はRO
M、54は音声合成ユニット、55はCPU、100は手帳であ
る。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手の指部に装着自在な指環に台座部を設
    け、この台座部に送信機を設け、前記台座部の縁部にマ
    イクロホンを設け、イヤホンに前記送信機から発射され
    る送信電波を受信する受信機を設けたことを特徴とする
    秘話伝送装置。
  2. 【請求項2】手帳に送信機を設け、前記手帳の略中央部
    にマイクロホンをフローティングして設け、イヤホンに
    前記送信機から発射される送信電波を受信する受信機を
    設けたことを特徴とする秘話伝送装置。
  3. 【請求項3】第1の音声を音声信号に変換して出力する
    第1のマイクロホンと、この第1のマイクロホンから出
    力される音声信号を伝送する第1の音声信号伝送手段
    と、この伝送された音声信号を音声に変換して出力する
    第2のイヤホンとを備えた第1の音声信号伝送装置と、 第2の音声を音声信号に変換して出力する第2のマイク
    ロホンと、この第2のマイクロホンから出力される音声
    信号を伝送する第2の音声信号伝送手段と、この伝送さ
    れた音声信号を音声に変換して出力する第1のイヤホン
    とを備えた第2の音声信号伝送装置と、 前記第1および第2のマイクロホンから出力される音声
    信号に基づき残留ノイズレベルを高める騒音信号を生成
    し、この騒音信号に基づき騒音を出力するスピーカを備
    えた騒音発生装置と、を備えたことを特徴とする秘話伝
    送装置。
  4. 【請求項4】前記騒音発生装置は、エコー発生回路を備
    えたことを特徴とする請求項3記載の秘話伝送装置。
  5. 【請求項5】前記騒音発生装置は、移相回路を備えたこ
    とを特徴とする請求項3記載の秘話伝送装置。
  6. 【請求項6】前記騒音発生装置は、PM変調回路を備えた
    ことを特徴とする請求項3記載の秘話伝送装置。
  7. 【請求項7】前記騒音発生装置は、グラフィックイコラ
    イザを備えたことを特徴とする請求項3記載の秘話伝送
    装置。
  8. 【請求項8】前記騒音発生装置は、サンプリング回路を
    備えたことを特徴とする請求項3記載の秘話伝送装置。
  9. 【請求項9】前記騒音発生装置は、音声合成手段を備え
    たことを特徴とする請求項3記載の秘話伝送装置。
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