JP2712143B2 - 血小板凝集抑制組成物 - Google Patents

血小板凝集抑制組成物

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JP2712143B2
JP2712143B2 JP4341753A JP34175392A JP2712143B2 JP 2712143 B2 JP2712143 B2 JP 2712143B2 JP 4341753 A JP4341753 A JP 4341753A JP 34175392 A JP34175392 A JP 34175392A JP 2712143 B2 JP2712143 B2 JP 2712143B2
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platelet aggregation
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benzothiazepine
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血小板凝集抑制組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】2−(4−メチルフェニル)−3−アセ
トキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−8−
メチル−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン
−4(5H)−オン等の2−低級アルキルフェニル−ベ
ンゾチアゼピン誘導体が、血小板凝集抑制作用を有して
いることは知られている(特公平2−28594号)。
【0003】又、2−(4−メトキシフェニル)−3−
アセトキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−
2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5
H)−オン、2−(4−メトキシフェニル)−3−アセ
トキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−8−
クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン
−4(5H)−オン等のカルシウム拮抗薬が血小板凝集
抑制作用を有していることも知られている(特開昭62
−29525号、特公昭63−13994号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は優れた血小板
凝集抑制作用を有する組成物を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
の結果、前記の如き2−低級アルキルフェニル−ベンゾ
チアゼピン誘導体とカルシウム拮抗薬とを併用すること
により、相乗的に血小板凝集抑制作用が増強することを
見出した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式〔I〕
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
は低級アルキル基を表す)で示される2−低級アルキル
フェニル−ベンゾチアゼピン誘導体又はその薬理的に許
容し得る塩と、カルシウム拮抗薬とを含有する血小板凝
集抑制組成物である。
【0009】本発明において、2−低級アルキルフェニ
ル−ベンゾチアゼピン誘導体〔I〕の具体例としては、
1 、R2 、R3 、R4 及びR5 が炭素数1〜4のアル
キル基である化合物があげられるが、これらのうち好ま
しい化合物としては、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
がメチル基である化合物があげられる。
【0010】又、カルシウム拮抗薬の具体例としては、
一般式〔II〕
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R6 、R7 、R8 及びR9 は低級
アルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表
す)で示される2−低級アルコキシフェニル−ベンゾチ
アゼピン誘導体又はその薬理的に許容し得る塩があげら
れ、2−低級アルコキシフェニル−ベンゾチアゼピン誘
導体〔II〕の具体例としては、R6 、R7 、R8 及び
9 が炭素数1〜4のアルキル基であり、Xが水素原
子、又はクロル、ブロム、フルオロのようなハロゲン原
子である化合物があげられる。このうち、好ましい化合
物としては、R6、R7 、R8 及びR9 がメチル基であ
り、Xが水素原子、又はクロル原子である化合物があげ
られる。
【0013】又、2−低級アルキルフェニル−ベンゾチ
アゼピン誘導体〔I〕又は2−低級アルコキシフェニル
−ベンゾチアゼピン誘導体〔II〕は、ベンゾチアゼピ
ン骨格の2位及び3位に不斉炭素原子を有するため、2
種の立体異性体(シス、トランス異性)又は4種の光学
異性〔(+)−シス、(−)−シス、(+)−トラン
ス、(−)−トランス異性〕が存在するが、本発明はこ
れら異性体又はその混合物のいずれをも包含するもので
あるが、とりわけ、2−低級アルキルフェニル−ベンゾ
チアゼピン誘導体〔I〕である場合は(−)−シス体が
好ましく、2−低級アルコキシフェニル−ベンゾチアゼ
ピン誘導体である場合は(+)−シス体が好ましい。
【0014】本発明において、2−低級アルキルフェニ
ル−ベンゾチアゼピン誘導体〔I〕及びカルシウム拮抗
薬は、遊離の形でも又その薬理的に許容し得る塩の形で
も使用できる。
【0015】薬理的に許容し得る塩としては、例えば塩
酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような無機酸
付加塩、又はシュウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマ
ル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸
付加塩があげられる。
【0016】これらの両薬剤の配合比率は、2−低級ア
ルキルフェニル−ベンゾチアゼピン誘導体〔I〕又はそ
の薬理的に許容し得る塩1重量部に対し、カルシウム拮
抗薬又はその薬理的に許容し得る塩を0.1〜40重量
部、とりわけ0.3〜10重量部とするのが好ましい。
又、一日当たりの投与量は、前記配合比率の範囲内で、
2−低級アルキルフェニル−ベンゾチアゼピン誘導体
〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩が5〜200m
g、とりわけ10〜100mgであり、カルシウム拮抗
薬が10〜180mg、とりわけ30〜90mgとする
のが好ましい。
【0017】本発明の組成物は、経口的にも非経口的に
も投与することができるが、とりわけ経口投与が好まし
い。経口的に投与する場合、経口投与に適する賦形剤と
ともに医薬製剤の形で用いることができる。この場合の
適当な賦形剤としては、例えばデン粉、ラクトース、グ
ルコース、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントガ
ム、ポリビニルピロリドン、ショ糖、トウモロコシデン
粉、ポリエチレングリコール、タルク、リン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム等の慣用の増量剤、結合
剤、崩壊剤、潤滑剤等があげられる。一方、非経口的に
投与する場合には、注射剤、経皮投与製剤、座剤等とし
て使用することができ、これらの製剤とする場合には、
本発明の組成物を適当な基剤中に含有させ、所望に応じ
この技術分野で汎用される種々の添加剤、例えば溶解補
助剤、等張化剤、安定化剤、可溶化剤、緩衝剤、吸収促
進剤等を加えて常法により製することができる。
【0018】
【作用】
実験例 (血小板凝集抑制作用)ヒトより採取した血液9容を、
3.8%(W/V)クエン酸三ナトリウム水溶液1容と
混和し、該混合物を遠心分離により血小板懸濁血漿(P
RP)を調製した。残存血液をさらに遠心分離して血小
板除去血漿(PPP)を調製した。PRPをPPPで希
釈してPRPの血小板数を4×105 /mm3 に調製し
た。PRP175マイクロリットルに下記検体化合物
(A)の水溶液25マイクロリットルと検体化合物
(B)の水溶液25マイクロリットルを加え、37℃で
2分間攪拌後、コラーゲン懸濁液(ホルモンケミ社製)
25マイクロリットルを加えて血小板凝集を起こさせ
た。
【0019】一方、希釈PRP175マイクロリットル
に検体化合物(A)又は(B)の水溶液25マイクロリ
ットル及び生理食塩水25マイクロリットルを混合した
ものを対照とし、又、希釈PRP175マイクロリット
ルに生理食塩水50マイクロリットルのみを加えたもの
を、検体無添加対照とする。血小板凝集能はボーンの方
法〔ネイチャー、194巻、927頁(1962年)〕
により測定した。結果は下記第1表記載の通りである。
【0020】検体化合物(A):(−)−シス−2−
(4−メチルフェニル)−3−アセトキシ−5−〔2−
(ジメチルアミノ)エチル〕−8−メチル−2,3−ジ
ヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
・マレイン酸塩(R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 =CH
3 ) 検体化合物(B):(+)−シス−2−(4−メトキシ
フェニル)−3−アセトキシ−5−〔2−(ジメチルア
ミノ)エチル〕−8−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,
5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン・マレイン酸
塩(R6 ,R7,R8 ,R9 =CH3 ,X=Cl)
【0021】
【表1】
【0022】上記第1表から明らかなように、コラーゲ
ンで誘起した血小板凝集に対する抑制作用を調べた場
合、検体化合物(A)又は(B)は単独で用いると30
μg/mlではいずれも血小板凝集抑制作用を示さない
が、化合物(A)と(B)のそれぞれ30μg/mlを
併用して用いると約74%の抑制作用を示し、主薬の単
独での作用からは予想され得ない相乗的な効果を示すこ
とがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、各有効成分であ
る2−低級アルキルフェニル−ベンゾチアゼピン誘導体
〔I〕又はカルシウム拮抗薬をそれぞれ単独で投与した
場合に比べ、高い血小板凝集抑制効果を示し、顕著な相
乗効果を有する。従って同一の効果を奏するのに薬量を
低減することができるので、極めて安全であり、かつ高
い効果が得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−29525(JP,A) 特開 昭63−35522(JP,A) 特開 平4−128232(JP,A) 特開 平4−128233(JP,A) 特公 平2−28594(JP,B2) 特公 昭63−13994(JP,B2) 田中千賀子編「NEW薬理学」 (1990.7.10)南光堂P.376ー377

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は低級アルキル基
    を表す)で示される2−低級アルキルフェニル−ベンゾ
    チアゼピン誘導体又はその薬理的に許容し得る塩と、カ
    ルシウム拮抗薬であって、一般式〔II〕 【化2】 (式中、R 6 、R 7 、R 8 及びR 9 は低級アルキル基を表
    し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表す)で示される
    2−低級アルコキシフェニル−ベンゾチアゼピン誘導体
    又はその薬理的に許容し得る塩とを含有する血小板凝集
    抑制組成物。
  2. 【請求項2】 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
    8及びR9がメチル基であり、Xが水素原子である請求
    記載の血小板凝集抑制組成物。
  3. 【請求項3】 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
    8及びR9がメチル基であり、Xが塩素原子である請求
    記載の血小板凝集抑制組成物。
  4. 【請求項4】 2−低級アルキルフェニル−ベンゾチア
    ゼピン誘導体が (−)−シス体であり、2−低級アル
    コキシフェニル−ベンゾチアゼピン誘導体が(+)−シ
    ス体である請求項1、2又は3記載の血小板凝集抑制組
    成物。
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