JP2712090B2

JP2712090B2 - 磁気ヘッド

Info

Publication number: JP2712090B2
Application number: JP1331203A
Authority: JP
Inventors: 浩大橋
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1989-12-22
Filing date: 1989-12-22
Publication date: 1998-02-10
Anticipated expiration: 2013-02-10
Also published as: JPH03194779A

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は、磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッド
に関する。

（従来の技術）第６図は、従来の磁気ディスク装置に用いられる浮動
型の磁気ヘッドを示す斜視図である。この図に示すよう
に、従来の磁気ヘッド10は、平面状の浮動面（Air Bear
ing Surface面）11a,11bを形成したスライダ12と、浮動
面11bのヘッド下流側に磁気ギャップ13を有するヘッド
コア14を備えており、浮動面11a,11bのヘッド上流側に
は空気流入側テーパ部11c,11dが形成され、ヘッド下流
側には面取り部11e,11fが形成されている。そして、こ
の磁気ヘッド10は、支持バネ15、荷重アーム16、取付け
板17によって支持されている（第７図参照）。

前記した、磁気ヘッド10は、記録媒体である磁気ディ
スクが回転し始めると徐々に浮上する。即ち、第８図に
示すように、停止状態（第８図（ａ））から磁気ディス
ク18が回転すると磁気ディスク18の回転によって起きる
空気流により、スライダ12が、ヘッド上流側から徐々に
浮上する（第８図（ｂ），（ｃ），（ｄ））。尚、図で
は、左側がヘッド上流側で、右側がヘッド下流側であ
り、磁気ディスク18は左から右方向（矢印方向）に回転
する。

また、スライダ12の浮上時（第９図参照）において、
スライダ12のヘッド下流側の後端のディスク18からの浮
上高さをｈとすると、ヘッド上流側の磁気ディスク18か
らの浮上高さは概め2h前後になる。また、浮動面11a,11
bの長さをＬとするとスライダ12の浮上時の傾斜角（浮
動面11a,11bと磁気ディスク18のなす角）α_２は、 α_２＝sin^-1（h/L） ……（１）となり、例えば、ｈ＝0.2μｍ、Ｌ＝4mmの時、傾斜角α
_２は（１）式より、α_２＝0.17（分）となる。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、前記した浮動型の磁気ヘッド10では、
磁気ディスク18に磁気ヘッド10を接触させておいて磁気
ディスク18を起動、または停止を行ういわゆるCCS（Con
tact Start Stop）を繰り返すことにより、磁気ヘッド1
0と磁気ディスク18が摺動して磁気ヘッド10と磁気ディ
スク18に摩耗や損傷が生じる。特に、第８図（ｂ），
（ｃ）に示すように、浮動面11a,11bのヘッド下流側の
後端（面取り部11e,11f）が局部的に接触している時に
は、そこの面圧が高くなって、その部分の摩耗が大きく
なり、磁気ヘッド10による記録再生時の信頼性が低下す
る。

本発明は上記した課題を解決する目的でなされ、CCS
動作時にスライダの浮動面と磁気ディスクの摩耗や損傷
を防止することができる磁気ヘッドを提供しようとする
ものである。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）前記した課題を解決するために本発明は、スライダに
設けられた磁気ギャップを有するヘッドコアにより、情
報記録媒体に情報の記録再生を行う磁気ヘッドにおい
て、前記スライダの磁気記録媒体と対向する側に設けら
れる浮動面と、この浮動面に対してヘッド下流側に設け
られるテーパ面（テーパ部）とを備え、前記テーパ面
（テーパ部）に前記磁気ギャップを設けてなることを特
徴とする（作用）本発明によれば、浮動面に対してヘッド下流側に設け
られるテーパ面（テーパ部）が、磁気記録媒体と面接触
することによって、その部分の面圧が低くなり、磁気記
録媒体とスライダの摩耗や損傷を低減することができ
る。

また、磁気記録媒体と面接触するテーパ面（テーパ
部）内に磁気ギャップが設けられているので、磁気ギャ
ップに大きな面圧がかかることはない。それにより、磁
気ギャップは保護され、高信頼性の磁気ヘッドを実現す
ることができる。

（実施例）以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は、本発明に係る磁気ヘッドを示す斜視図であ
る。この図に示すように、本発明に係る磁気ヘッド１
は、平面状の浮動面（Air Bearing Surface面）2a,2bを
形成したスライダ２を備えている。

浮動面2a,2bのヘッド上流側には空気流入側テーパ部2
c,2dが形成され、浮動面2a,2bのヘッド下流側の後端に
は微小角テーパ部（以下、テーパ部という）2e,2fが形
成されると共に、その後端には面取り部2g,2hが形成さ
れている。

また、テーパ部2fには、磁気ギャップ３を有するヘッ
ドコア４が設けられている。尚、本発明の磁気ヘッド１
も、第７図に示した従来の磁気ヘッド10同様、支持バネ
15、荷重アーム16、取付け板17によって支持されてい
る。

また、第２図に示すように、テーパ部2e,2fと面取り
部2g,2hの浮動面2a,2bに対する角度をθ₁,θ_２、また、
面取り部2g,2hのテーパ部2e,2fに対する角度をθ_３とす
ると、θ₁,θ₂,θ_３は、０＜θ_１0.05（分） 0.05（分）＜θ_２45（度）であり、つまりθ_１＜θ₂,θ_１＜θ_３となるように形成
される。

次に、本発明に係る磁気ヘッド１の浮上動作を第３図
を参照して説明する。

磁気ディスク５が停止している時は、磁気ヘッド１の
平面状の浮動面2a,2bが磁気ディスク５の媒体面に当接
している（第３図（ａ））。そして、磁気ディスク５が
回転（図では左から右方向）し始めると、磁気ディスク
５がヘッド上流側（図では左側）から空気流によって徐
々に浮上していく（第３図（ｂ），（ｃ），（ｄ），
（ｅ））。

スライダ２の浮上動作についてさらに詳細に説明する
と、第３図（ａ）の時点から磁気ディスク５が回転し始
めると、空気流入側テーパ部2c,2dと磁気ディスク５間
に流入する空気流により、スライダ２のヘッド上流側
（図では左側）から浮上していき、ヘッド下流側（図で
は右側）のテーパ部2e,2fが磁気ディスク５と面接触状
態となり（第３図（ｂ））、この状態からスライダ２が
浮上する。（第３図（ｃ），（ｄ），（ｅ））。尚、第
３図（ｃ）の状態から磁気ヘッド２は、磁気ディスク５
と非接触となり始める。

スライダ２が浮上した状態（第４図参照）において、
スライダ２の傾斜角（浮動面2a,2bと磁気ディスク５の
なす角）α_１は、従来の場合と略同じである。また、テ
ーパ部2e,2fの角度θ_１は、浮上直後のスライダ２の傾
斜角α_１よりも小さく、スライダ２のテーパ部2e,2fを
デイスク５の媒体面に面接触させるために、テーパ部2
e,2fの角度θ_１を、スライダ２の傾斜角α_１の2/3程度
以下が望ましい。即ち、例えば、磁気ヘッド５とスライ
ダ２のテーパ部2e,2fとの接触がｈ＝0.05μｍ程度から
始まるとすると（第９図参照）、本例では、テーパ部2
e,2fの長さを1mmとした場合、スライダ２の浮動面2a,2b
の傾斜角α_１は0.04（分）程度となり、この時、テーパ
部2e,2fの角度θ_１を0.02（分）とした。

このように、本発明では第９図に示した従来の磁気ヘ
ッドの浮上動作との比較からも明らかなように、スライ
ダ２の浮動面2a,2bの後端のテーパ部2e,2fが磁気ヘッド
５と面接触している状態が長く続き、この後浮上するの
で、その接触部の面圧が小さくなり、磁気ヘッド１と磁
気ディスク５の摩耗や損傷を低減することができる。

また、浮動面2a,2bとテーパ部2e,2f間、及びテーパ部
2e,2fと面取り部2g,2h間或いはその両方に滑らかなアー
ルをつけてもよく、更に、面取り部2g,2hを設けること
なく、テーパ部2e,2fをスライダ２のヘッド下流側の端
面まで形成する構成も可能である。

また、本発明の他の実施例として、第５図に示すよう
なセンターレール６を設けたモノリシックヘッドにおい
ても、前記同様ヘッド下流側の浮動面2a,2b、センター
レール６の後端にテーパ部2e,2f,2iを形成し、その後端
に面取り部2g,2h,2jを形成することができる。

更に、前記した実施例ではCSS動作の磁気ヘッドにつ
いて説明したが、磁気ディスクの媒体面から浮上するこ
となく連続摺動して記録再生を行う磁気ヘッドにおいて
も本発明を適用することができる。

また、前記実施例における磁気ヘッドは、浮動面が２
本のレールのものを例にして説明したが、これに限らず
例えば浮動面が１本のレールのものでよい。

［発明の効果］以上、実施例に基づいて具体的に説明したように本発
明によれば、記録再生時に、ヘッド下流側の浮動面と面
取り部との間に形成したテーパ部が磁気記録媒体と面接
触することによって、その部分の面圧が低くなり、磁気
記録媒体とスライダの摩耗や損傷が低減されるので、信
頼性の高い磁気ヘッドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る磁気ヘッドを示す斜視図、第２
図は、その要部を示す拡大図、第３図、第４図は、本発
明に係る磁気ヘッドの浮上動作を示す説明図、第５図
は、本発明の他の実施例に係る磁気ヘッドを示す斜視
図、第６図は、従来の磁気ヘッドを示す斜視図、第７図
は、磁気ヘッドの支持構造を示す斜視図、第８図、第９
図は、従来の磁気ヘッドの浮上動作を示す説明図であ
る。１……磁気ヘッド、２……スライダ 2a,2b……浮動面 2e,2f,2i……テーパ部 2g,2h,2j……面取り部３……磁気ギャップ４……ヘッドコア５……磁気ディスク

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】スライダに設けられた磁気ギャップを有す
るヘッドコアにより、情報記録媒体に情報の記録再生を
行う磁気ヘッドにおいて、前記スライダの磁気記録媒体
と対向する側に設けられる浮動面と、この浮動面に対し
てヘッド下流側に設けられるテーパ面とを備え、前記テ
ーパ面に前記磁気ギャップを設けてなることを特徴とす
る磁気ヘッド。
【請求項２】前記テーパ面のヘッド下流側に面取り部を
備えてなることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
載の磁気ヘッド。
【請求項３】前記テーパ面が前記浮動面となす角度は、
前記面取り部が前記テーパ面となす角度よりも小さくな
ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の磁気
ヘッド。
【請求項４】前記テーパ面が、記録再生を行う際に情報
記録媒体に連続摺動する摺動面であることを特徴とする
特許請求の範囲第１項に記載の磁気ヘッド。