JP2711205C - - Google Patents

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JP2711205C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、発泡ポリエステルシートに係り、更に詳しくは、熱成形性およびヒ
ートシール性に優れた発泡ポリエステルシートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、熱可塑性樹脂発泡体、例えばポリオレフィン、ポリウレタン及びポ
リアミドの発泡体は、断熱剤、緩衝剤、包装材料として広く用いられている。か
かる熱可塑性樹脂発泡体は通常気泡を混入せしめる方法、発泡剤の分解ガスを利
用する方法、溶剤気散法、化学反応によりガスを発生せしめる方法等により製造
されている。 【0003】 一方、芳香族ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは、機械的特性
、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性等が優れているために、繊維、フィルム、射出
成形品等に用いられている。近年これらの熱可塑性ポリエステルに種々の発泡剤
を加え、発泡成形せしめる方法(特開昭52−43871号公報参照)やポリエ
チ レンテレフタレートとポリカーボネートとの均一な混合物を250〜350℃の
温度に加熱、反応させ、CO2 が遊離するまでその加熱温度に保ち、その後に反
応混合物を膨張させる方法(特公昭47−38875号公報参照)が提案されて
いる。 【0004】 しかし、前者の方法は発泡剤に起因する着色、発泡斑、機械的特性の低下等の
欠点があり、後者の方法は高温での長い反応時間を必要とし、反応混合物着色、
機械的特性の低下が避けられない欠点がある。 【0005】 また、ポリオレフィンを配合したポリエチレンテレフタレートを加熱溶融し、
溶融状態の樹脂組成物に不活性ガスを混入して発泡成形体を製造する方法(特開
平2−286725号公報参照)も提案されているが、この方法では均一微細な
気泡は得られず、発泡倍率も3倍以下と低い。 【0006】 本発明者らは、前記の発泡成形方法に伴う欠点を無くし、軽量ですぐれた機械
的性質を有し、且つ均一な気泡の大きさを持つ高倍率(3倍以上)発泡も可能な
発泡ポリエステルシートの製造方法について鋭意研究を重ねた結果、流動開始温
度での溶融粘度が8000ポイズ以上の熱可塑性ポリエステル樹脂と発泡核剤を
押出機に供給し、溶融状態にある間に不活性ガス混入した後、シート成形ダイか
ら押し出すと、密度が0.01〜1.5の範囲内にあるポリエステル樹脂として
は理想的な発泡シートが得られることを見出した。 【0007】 しかし、こうした方法で得られた高倍率発泡シートを更に検討したところ、シ
ート表面に凹凸があるためヒートシール性に劣り、又シートを熱成形する際にピ
ンホールが発生するため真空成形や圧空成形ができず、成形後の製品の表面に凹
凸があるためにヒートシール性が低下するという新たな問題点が明らかになった
。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 従って本発明の目的とするところは、優れた熱成形性及びヒートシール性を持 ち、しかも発泡倍率の高い発泡ポリエステルシートを提供するにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 即ち、本発明は、発泡ポリエステルシートが(a)熱可塑性ポリエステル樹脂
100重量部、および(b)ガラス、鉱物質材料およびそれらの混合物よりなる
群から選ばれる無機核剤0.01〜5重量部と(c)有機酸、有機酸のCa塩、
Zn塩Mg塩、Ba塩、Al塩、Pb塩、およびMn塩並びに有機酸のエステル
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物0.01〜5重量部を含有する
樹脂組成物からなり、密度が0.01〜0.4g/cm3の範囲にある実質的に
未延伸の発泡ポリエステルシートの少なくとも片面に未発泡のヒートシール樹脂
層を形成せしめてなるヒートシール強度が1.0kg/cm2以上の複合発泡ポ
リエステルシートである。 【0010】 本発明において、発泡ポリエステルシートに積層する未発泡のヒートシール樹
脂層は、ポリエステル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、
エチレン/ビニルアルコール共重合体などからなる。特に、ポリエステル共重合
体は積層の接着性が良好であるため好ましく、ジカルボン酸成分とジオール成分
とを公知の方法によって重縮合せしめて得られるものであり、ジカルボン酸はそ
の50モル%以上がテレフタル酸であることがより好ましい。 【0011】 このようなジカルボン酸としてイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、3,3−ジメチルフェニル−4,4
′−ジカルボン酸等が例示される。これらのジカルボン酸は1種のみを用いても
2種以上併用してもよい。 【0012】 また、ジオール成分は同様にその50モル%以上がエチレングリコールである
ことがより好ましい。他のジオール成分も用いることができるが、これらはなる
べくジオール成分の50モル%未満にとどめることが好ましい。このようなジオ ールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ビス−βヒドロキシビスフェノールA、シクロヘキサンジ
メタノール等が例示される。これらのジオールは1種のみを用いても2種以上併
用してもよい。 【0013】 また、ポリプロピレンは、水などの液体を含む容器においてさえヒートシール
性が良好で好ましい。この未発泡のヒートシール樹脂層は、ポリプロピレンを主
成分とする(40重量%以上)樹脂層であり、分子量10〜70万のフィルムグ
レードのものが製膜性の点で好適である。また低温でヒートシールするためにポ
リブテン(より好ましくは低融点タイプのポリブテン)を混合することもできる
。このように、本発明の目的とする要求特性を失わない範囲で共重合或いは他の
樹脂とブレンドすることもできる。 【0014】 一方、基材となる発泡ポリエステルシートは、例えば(1)(a)熱可塑性ポ
リエステル樹脂100重量部、並びに(b)ガラス、鉱物質材料およびそれらの
混合物よりなる群から選ばれる無機核剤0.01〜5重量部を溶融押出機に供給
して溶融混合し、(2)生成する溶融状態の混合物に溶融押出機中にある間に不
活性ガスを混入し、そして(3)成形ダイから押し出すことによって製造するこ
とができる。厚さは、通常0.10〜1.0mmである。高倍率発泡を得る場合
には、熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度の大きい条件を選択したり、多官能
グリシジルエステル化合物や多官能カルボン酸無水物などを添加する(特開昭5
9−210955号公報参照)ことも有効である。更に、ポリエステルやポリオ
レフィンなどの樹脂層を付加して公知の特性を付与したシートを基材として用い
ることもできる。 【0015】 用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂として好適なものは、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリブチレンテ
レフタレートエラストマー、非晶性ポリエステル、ポリシクロヘキサンテレフタ
レート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレートなどであり、これらの樹脂 単独もしくは、これらの樹脂を複数混合して用いてもよい。 【0016】 無機核剤(b)は繊維状ガラス又はタルク、シリカ、マイカ、雲母等の鉱物質
材料であり、これらの核剤は1種のみを用いても2種以上を併用しても良い。無
機核剤の添加割合はポリエステル組成物100重量部あたり、0.01〜5重量
部である。無機核剤が0.01重量部より少ないとポリエステルを実質上発泡せ
しめることが困難となり、一方5重量部よりも多いと得られた発泡成形品の物性
が低下するため好ましくない。 【0017】 また、上記発泡ポリエステルシートには、必要に応じて特定の発泡助剤を添加
混合することができる。このような発泡助剤としては、有機酸、有機酸のCa塩
、Zn塩、Mg塩、Ba塩、Al塩、Pb塩およびMn塩、並びに有機酸のエス
テルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。 【0018】 本発明の複合発泡ポリエステルシートは押出しラミネート法、共押出し法等、
通常の方法により、基材の発泡ポリエステルシートの少なくとも片面に上記未発
泡のヒートシール樹脂層をラミネート又は共押出しすることにより得られる。こ
のとき、ラミネート又は共押出しさせる未発泡のヒートシール樹脂層の厚さは、
通常5μm以上であり、10〜50μmとすることが好ましい。未発泡のヒート
シール樹脂層の厚さが5μm未満の場合、ピンホールが発生したり、サージング
による厚みむらが発生したりして、安定したラミネート又は共押出し層が得られ
にくく、また基材となる発泡ポリエステルシートとの充分な接着強度が得られに
くい。一方100μm以上ではヒートシール性は飽和する。 【0019】 本発明の発泡ポリエステルシートおよび複合発泡ポリエステルシートは実質的
に未延伸のものである。 【0020】 複合発泡シートは常用の熱成形装置を用いてヒートセットされた薄肉物品に熱
成形することが出来る。このような熱成形法には、 1.発泡シートをそれが軟化するまで予熱し、モールドに位置決めする工程; 2.予熱されたシートを加熱されたモールド表面に圧伸する工程; 3.シートを加熱されたモールドに対して部分的に結晶化させるのに十分な時
間接触させておくことで成形されたシートをヒートセットする工程; 4.成形品をモールドのキャビティーから取り出す工程が含まれる。 この工程において、本発明の発泡ポリエステルシートは、従来のポリエチレン
テレフタレート樹脂から得られた発泡シートに比べて、シート表面のピンホール
がないため成形性に優れており、圧空成形や真空成形が容易に実施できる。 【0021】 本発明の容器では、かかる複合発泡シートを公知の方法と条件で熱成形してト
レイ、カップ等所望の形状の容器本体や蓋とする。次いで、容器本体に水等を含
む内容物を充填し、容器本体と蓋の未発泡のヒートシール樹脂層をヒートシール
して密閉容器を製造する。また、容器の一部に透明部分が必要な場合には、蓋側
を未発泡のポリエステルシートで構成することもできる。 【0022】 【発明の効果】 以上のように、本発明に係る複合発泡シートは、耐薬品性、耐熱性、断熱性に
優れ、かつシート表面のピンホールがなく熱成形性およびヒートシール性に優れ
、食品容器や包装袋、電気製品の梱包材やケースなどの材料に好適に使用できる
。 【0023】 【実施例】 以下、実施例にて本発明を詳述する。 【0024】 尚、樹脂溶融粘度とは、フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶液
中、20℃、1.0g/100ccの条件で測定したものである。樹脂の溶融粘
度は、島津製作所製FLOWTESTER(型式CFT−500)を用いて、ノ
ズル径1mm、荷重100kg/cm2 で測定した値である。 【0025】 熱成形性は下記の評価基準で評価した。 【0026】 ○・・・シート全体が均一に伸びプレス金型と同様の形状に成形でき破れないも
の △・・・プレス金型と同様の形状に成形できるが表面の一部に破れ、フラックが
生じたもの ×・・・シートが大きく破れ、成形できないもの 【0027】 ヒートシール性は、JIS−Z−1526の熱封かん強度試験に準じて測定し
、評価した。ヒートシール性は、通常1.0kg/cm2 以上必要であり、好ま
しくは2.0kg/cm2 以上である。耐衝撃性は、複合発泡ポリエステルシー
トを熱成形して容器(縦16cm×横12cm×高さ4.5cm)を作り、その
中に水200mlを入れ、同じ複合発泡ポリエステルシートを蓋材として、温度
130℃又は90℃、圧力1kg/cm2、時間1秒の条件下でヒートシールし
て密閉容器とし、1.2mの高さから落下させ、そのときにヒートシール個所が
損傷するか否かで評価した。 ○・・・損傷全くなし △・・・損傷ややあり ×・・・損傷あり 【0028】 実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂(樹脂の極限粘度1.2、流動開始温度26
0℃における溶融粘度は11,300ポイズ)100重量部に、タルク0.6重
量部、ステアリン酸Zn0.4重量部をドライブレンドした。調製された熱可塑
性樹脂組成物をスクリュー径65mm、スクリューのL/Dが30の押出機を用
いて押し出した。押出機回転を100rpmに、溶融ゾーンの温度を270℃に
、ダイ部の温度を260℃に保ち、溶融ゾーンのベント部から窒素ガスを40k
g/cm2 で圧入した。製造された発泡ポリエステルシートの片面に、2,2−
ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンをグリコール成分として
20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを厚さが0.1mmとなるよ うに押し出しラミネート法によりラミネートし、表1に示す発泡シートを製造し
た。得られたシートをKiefel社製熱成形機を用いて成形温度100℃で、
縦160mm、横120mm、高さ45mmの熱成形物に成形し容器を製造した
。成形性とヒートシール性を評価した。結果を表1に示す。 【0029】 実施例2 ポリブチレンテレフタレート樹脂(樹脂の極限粘度1.4、流動開始温度22
0℃における溶融粘度は13,000ポイズ)を使用した発泡ポリエステルシー
トを用いる以外は実施例1と同様にして成形、評価を行った。結果を表1に示す
。 【0030】 実施例3 多層押出機を用いて未発泡のヒートシール樹脂層の厚みが0.1mmとなるよ
うに共押出し発泡シートを製造する以外は、実施例1と同様にして成形、評価を
行った。結果を表1に示す。 【0031】 比較例1 実施例1で製造した発泡ポリエステルシートに未発泡のヒートシール樹脂層を
ラミネートすることなく同様の成形、評価を行った。結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】 未発泡のヒートシール樹脂層をポリプロピレン(分子量60万)に変更する以
外、実施例1と同様にしてシート及び容器を製造した。 【0034】 未発泡のヒートシール樹脂層をポリプロピレン(分子量60万)とポリブテン
(融点71℃、密度0.90)とを同重量混合したものに変更する以外、実施例
1と同様にしてシート及び容器を製造した。 【0035】 未発泡のヒートシール樹脂層を低密度ポリエチレン(MFR5.1、密度0.
919)に変更する以外、実施例1と同様にしてシート及び容器を製造した。 【0036】 【表2】 【0037】 以上の結果より、実施例のポリエステルシートは、熱成形性に加えて良好なヒ
ートシール性、ヒートシール部分の耐衝撃性を有することが分かった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、および(b)
    ガラス、鉱物質材料およびそれらの混合物よりなる群から選ばれる無機核剤0.
    01〜5重量部と(c)有機酸、有機酸のCa塩、Zn塩、Mg塩、Ba塩、A
    l塩、Pb塩、およびMn塩並びに有機酸のエステルよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物0.01〜5重量部を含有する樹脂組成物からなり、密度
    が0.01〜0.4g/cm3の範囲にある実質的に未延伸の発泡ポリエステル
    シートの少なくとも片面に未発泡のヒートシール樹脂層を形成せしめてなる複合
    発泡ポリエステルシート

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