JP2711198B2 - 新規ラパマイシン生産菌 - Google Patents
新規ラパマイシン生産菌Info
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- rapamycin
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
- C12P17/18—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms containing at least two hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system, e.g. rifamycin
- C12P17/188—Heterocyclic compound containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen atoms and oxygen atoms as the only ring heteroatoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/20—Bacteria; Culture media therefor
- C12N1/205—Bacterial isolates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12R—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
- C12R2001/00—Microorganisms ; Processes using microorganisms
- C12R2001/01—Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
- C12R2001/045—Actinoplanes
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラパマイシン(rapamyci
n )の生産能を有する新規な微生物に関する。本発明に
おいては、ラパマイシンはアクチノプラネス(Actinopl
anes)属に属する新規微生物、特にアクチノプラネス・
エスピー(Actinoplanes sp.)N902-109 (微工研条寄
第3832号 (FERM BP-3832) )を栄養培地中で培養するこ
とによって得られる。
n )の生産能を有する新規な微生物に関する。本発明に
おいては、ラパマイシンはアクチノプラネス(Actinopl
anes)属に属する新規微生物、特にアクチノプラネス・
エスピー(Actinoplanes sp.)N902-109 (微工研条寄
第3832号 (FERM BP-3832) )を栄養培地中で培養するこ
とによって得られる。
【0002】
【従来の技術】ラパマイシン(米国特許第 3929992 及
び 3993749)はストレプトミセス・ハイグロスコピカス
(Streptomyces hygroscopicus)AY B-994(ATCC 2925
3)によって生産される抗真菌性抗生物質として報告さ
れた(C. Vezina, A. Kudelski and S. N. Sehgal, J.
Antibiotics 28: 721-726, 1975 )が、最近、免疫抑制
効果があることがわかり注目されるようになった。従来
よりラパマイシンの製造法としては、ストレプトミセス
属に属する菌株を利用する方法が知られており、ラパマ
イシンの物理化学的性質と共に報告されている(米国特
許第 3929992)。
び 3993749)はストレプトミセス・ハイグロスコピカス
(Streptomyces hygroscopicus)AY B-994(ATCC 2925
3)によって生産される抗真菌性抗生物質として報告さ
れた(C. Vezina, A. Kudelski and S. N. Sehgal, J.
Antibiotics 28: 721-726, 1975 )が、最近、免疫抑制
効果があることがわかり注目されるようになった。従来
よりラパマイシンの製造法としては、ストレプトミセス
属に属する菌株を利用する方法が知られており、ラパマ
イシンの物理化学的性質と共に報告されている(米国特
許第 3929992)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストレプト
ミセスとは異なる属に属するラパマイシン生産菌を提供
することを目的とする。更に、従来のラパマイシン生産
菌より効率よくラパマイシンを生産する菌を提供するこ
とも本発明の目的である。
ミセスとは異なる属に属するラパマイシン生産菌を提供
することを目的とする。更に、従来のラパマイシン生産
菌より効率よくラパマイシンを生産する菌を提供するこ
とも本発明の目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、静岡県で
採取した土壌試料から新たに分離した放線菌N902-109
が、ラパマイシンを生産することを見い出した。N902-1
09は放線菌目の細い菌糸と栄養菌糸上の胞子嚢様の塊中
に運動性を有す胞子を形成するが、これはアクチノプラ
ネス(Actinoplanes)属の菌種の特徴である。さらに全
細胞分析の結果は本属への帰属を支持した。
採取した土壌試料から新たに分離した放線菌N902-109
が、ラパマイシンを生産することを見い出した。N902-1
09は放線菌目の細い菌糸と栄養菌糸上の胞子嚢様の塊中
に運動性を有す胞子を形成するが、これはアクチノプラ
ネス(Actinoplanes)属の菌種の特徴である。さらに全
細胞分析の結果は本属への帰属を支持した。
【0005】N902-109の菌学的性質は次の通りである。
N902-109をスラントから液体 ATCCNo. 172 培地に接種
し、28℃で4日間振盪培養した。次いでこれを20分間遠
心分離し、無菌水で3回洗浄し、放線菌目の微生物の同
定に通常使用される培地上に移した。これを28℃でイン
キュベ−トし、種々の時間で結果を読み取ったが、大部
分は14日目に読み取った。色は一般的な用語で記述した
が、厳密な色はカラ−・ハ−モニ−・マニュアル第4版
のカラ−チップと比較することにより判定した。全細胞
アミノ酸及び糖の分析法は、B. Becker et al., Appl.
Microbiol., 12: 421-423, 1964 及びM. P. Lechevalie
r, J. Lab. Clin. Med., 71: 934-944,1968に記載され
たものである。菌株の同定に用いた培地は次の通りであ
る。
N902-109をスラントから液体 ATCCNo. 172 培地に接種
し、28℃で4日間振盪培養した。次いでこれを20分間遠
心分離し、無菌水で3回洗浄し、放線菌目の微生物の同
定に通常使用される培地上に移した。これを28℃でイン
キュベ−トし、種々の時間で結果を読み取ったが、大部
分は14日目に読み取った。色は一般的な用語で記述した
が、厳密な色はカラ−・ハ−モニ−・マニュアル第4版
のカラ−チップと比較することにより判定した。全細胞
アミノ酸及び糖の分析法は、B. Becker et al., Appl.
Microbiol., 12: 421-423, 1964 及びM. P. Lechevalie
r, J. Lab. Clin. Med., 71: 934-944,1968に記載され
たものである。菌株の同定に用いた培地は次の通りであ
る。
【0006】1. トリプトン- 酵母エキスブロス (IS
P 培地 No. 1, ディフコ)。 2. 酵母エキス- 麦芽エキス寒天 (ISP 培地 No. 2,
ディフコ)。 3. オ−トミ−ル寒天 (ISP 培地 No. 3, ディフ
コ)。 4. 無機塩類- でんぷん寒天 (ISP 培地 No. 4, ディ
フコ)。 5. グリセリン- アスパラギン寒天 (ISP 培地 No.
5, ディフコ)。 6. ペプトン- 酵母エキス鉄寒天 (ISP 培地 No. 6,
ディフコ)。 7. ツァペック- ショ糖寒天 (S. A. Waksman, The A
ctinomycetes, Vol. 2,培地 No. 1, p. 328, 1961)。 8. グルコ−ス- アスパラギン寒天 (同上、培地 No.
2, p. 328)。 9. ベネット寒天 (同上、培地 No. 30, p. 331 )。 10. エマーソン寒天 (同上、培地 No. 28, p. 331
)。 11. 栄養寒天 (同上、培地 No. 14, p. 330 )。 12. ゴ−ドン及びスミスのチロシン寒天 (R. E. Gord
on and M. H. Smith, J.Bacteriol., 69: 147-150, 195
5)。 13. カゼイン寒天 (同上)。 14. マレイン酸カルシウム寒天 (S. A. Waksman, Bac
teriol. Rev., 21: 1-29, 1957)。 15. ゼラチン寒天 (R. E. Gordon and J. M. Mihm,
J. Bacteriol., 73: 15-27, 1957 )。 16. でんぷん寒天 (同上)。 17. 有機硝酸塩ブロス (同上)。 18. デキストロ−ス硝酸塩ブロス (S. A. Waksman, T
he Actinomycetes, Vol.2, 培地 No. 1, p. 328, 1961,
30g のショ糖の代わりに 3 g のデキストロ−スを使
用し寒天を除いた)。 19. ばれいしょ人参寒天 (M. P. Lechevalier, J. La
b. and Clinical Med.,71: 934-944, 1968, ただし 30
g のばれいしょ、 2.5 g の人参及び 20 g の寒天の
み使用した)。 20. 2% 水道水寒天。 21. ガウゼのNo.1無機塩寒天 (G. F. Gauze et al.,
Problems in the Classification of Antagonistic Act
inomycetes, English Ed., p.13, 1957 )。 22. ガウゼのNo.2有機寒天(同上)◎ 23. M3寒天 (T. J. Rowbotham and T. Cross, J. Ge
n. Microbiol., 100: 231-240, 1977)。 24. スキムミルク (ディフコ)。 25. セルロ−スの利用 (H. L. Jensen, Proc. Linn.
Soc. N. S. W., 55: 231-248, 1930 及び M. Levine an
d H. W. Schoenlein, A Compilation of Culture Medi
a,培地 No. 2511, 1930 )。 26. 炭水化物の利用 (G. M. Luedemann and B. Brods
ky, Antimicrob. Agentsand Chemother., 1964: 47-52,
1965; ISP 培地 No. 9, ディフコ)。 27. 生育温度範囲 (ATCC 培地 No. 172)。
P 培地 No. 1, ディフコ)。 2. 酵母エキス- 麦芽エキス寒天 (ISP 培地 No. 2,
ディフコ)。 3. オ−トミ−ル寒天 (ISP 培地 No. 3, ディフ
コ)。 4. 無機塩類- でんぷん寒天 (ISP 培地 No. 4, ディ
フコ)。 5. グリセリン- アスパラギン寒天 (ISP 培地 No.
5, ディフコ)。 6. ペプトン- 酵母エキス鉄寒天 (ISP 培地 No. 6,
ディフコ)。 7. ツァペック- ショ糖寒天 (S. A. Waksman, The A
ctinomycetes, Vol. 2,培地 No. 1, p. 328, 1961)。 8. グルコ−ス- アスパラギン寒天 (同上、培地 No.
2, p. 328)。 9. ベネット寒天 (同上、培地 No. 30, p. 331 )。 10. エマーソン寒天 (同上、培地 No. 28, p. 331
)。 11. 栄養寒天 (同上、培地 No. 14, p. 330 )。 12. ゴ−ドン及びスミスのチロシン寒天 (R. E. Gord
on and M. H. Smith, J.Bacteriol., 69: 147-150, 195
5)。 13. カゼイン寒天 (同上)。 14. マレイン酸カルシウム寒天 (S. A. Waksman, Bac
teriol. Rev., 21: 1-29, 1957)。 15. ゼラチン寒天 (R. E. Gordon and J. M. Mihm,
J. Bacteriol., 73: 15-27, 1957 )。 16. でんぷん寒天 (同上)。 17. 有機硝酸塩ブロス (同上)。 18. デキストロ−ス硝酸塩ブロス (S. A. Waksman, T
he Actinomycetes, Vol.2, 培地 No. 1, p. 328, 1961,
30g のショ糖の代わりに 3 g のデキストロ−スを使
用し寒天を除いた)。 19. ばれいしょ人参寒天 (M. P. Lechevalier, J. La
b. and Clinical Med.,71: 934-944, 1968, ただし 30
g のばれいしょ、 2.5 g の人参及び 20 g の寒天の
み使用した)。 20. 2% 水道水寒天。 21. ガウゼのNo.1無機塩寒天 (G. F. Gauze et al.,
Problems in the Classification of Antagonistic Act
inomycetes, English Ed., p.13, 1957 )。 22. ガウゼのNo.2有機寒天(同上)◎ 23. M3寒天 (T. J. Rowbotham and T. Cross, J. Ge
n. Microbiol., 100: 231-240, 1977)。 24. スキムミルク (ディフコ)。 25. セルロ−スの利用 (H. L. Jensen, Proc. Linn.
Soc. N. S. W., 55: 231-248, 1930 及び M. Levine an
d H. W. Schoenlein, A Compilation of Culture Medi
a,培地 No. 2511, 1930 )。 26. 炭水化物の利用 (G. M. Luedemann and B. Brods
ky, Antimicrob. Agentsand Chemother., 1964: 47-52,
1965; ISP 培地 No. 9, ディフコ)。 27. 生育温度範囲 (ATCC 培地 No. 172)。
【0007】1. 各培地における生育状態酵母エキス- 麦芽エキス寒天 では、生育良好、橙色(4
la, 4 lc)、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;裏面は
橙色(4 la, 4 na);可溶性色素は黄褐色 (3 lc)。オ−トミ−ル寒天 では、生育中程度、淡橙黄色(3 ea,
4 ea)、わずかに隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面は表
面と同じ;可溶性色素は淡黄色がかった色(2ea)。無機塩類- でんぷん寒天 では、生育中程度、明橙色(4
ia)だが数個の赤色の斑点あり(6 1/2 ne)、わずかに
隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面は明橙色(4ia);可
溶性色素なし。グリセリン- アスパラギン寒天 では、生育貧弱ないし中
程度、橙黄色(3 ga,3 ia)、隆起せず薄い、平滑、気
菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。ツァペック- ショ糖寒天 では、生育中程度、淡ピンク色
ないし淡ラベンダー色(5 ca, 5 gc)だが赤色の斑点あ
り(6 le, 6pi )、隆起せず薄い、平滑、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。グルコ−ス- アスパラギン寒天 では、生育中程度ないし
良好、明橙色(4 na)、わずかに隆起、平滑ないし顆粒
状、気菌糸はなし;裏面は明橙色(4 na, 4 la);可溶
性色素なし。ゴ−ドン及びスミスのチロシン寒天 では、生育中程度、
暗褐色(5 lg)、わずかに隆起、平滑ないし顆粒状、気
菌糸はなし;裏面は褐色ないし暗褐色(4 le,5 lg, 5 n
i);可溶性色素は暗褐色(5 ni)。カゼイン寒天 では、生育良好、橙色ないし暗橙色(5 l
a, 5 nc)、中程度に隆起、しわが寄る、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色
(3 ic)。ベネット寒天 では、生育良好、橙色ないし暗橙色(5 l
a, 5 nc, 5pc )、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;
裏面は表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色(3
nc)。エマ−ソン寒天 では、生育良好、黄色がかった橙色(4
la, 4 ia, 4 lc )、隆起、しわが寄る、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。栄養寒天 では、生育貧弱、橙黄色(3 ga, 3 ia)だが数
個の橙色ないし赤色の斑点あり(4 la, 5 la, 6 ne, 6
pg)、隆起せず薄い、平滑、気菌糸はなし;裏面は表面
と同じ;可溶性色素なし。マレイン酸カルシウム寒天 では、生育しない。ばれいしょ人参寒天 では、生育中程度、ピンクがかった
橙色ないし褐色(5 ea, 5 gc, 4 lc, 5 le )、わずか
に隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面はピンクがかった橙
色ないし橙色(5 ea, 4 ia);可溶性色素は淡ピンク
色(4 ca)。水道水寒天 では、生育貧弱、淡橙黄色(3 ca)、隆起せ
ず薄い、平滑、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶
性色素なし。ゼラチン寒天 では、生育中程度、橙色(4 ga)、わずか
に隆起、平滑ないし顆粒状、気菌糸はなし;裏面は表面
と同じ;可溶性色素なし。でんぷん寒天 では、生育中程度ないし良好、褐色(5 l
e)、中程度に隆起、平滑ないしわずかにしわが寄る、
気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性色素は淡黄色
がかった色(2 ea)。M3寒天 では、生育貧弱ないし中程度、クリーム色(2 c
a)だが古くなると淡橙色(3 ea, 3 ga)になることも
ある、わずかに隆起、平滑、又は独立したコロニーとし
て出現する、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性
色素なし。ガウゼのNo.1 無機塩寒天 では、生育中程度ないし良
好、橙色ないし暗橙色(4 ia, 4 nc)、わずかに隆起、
平滑ないし顆粒状、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;
可溶性色素は黄色がかった色(2 ea, 2ia )。ガウゼのNo.2 有機寒天 では、生育良好、明橙色(5 l
a, 4 na)、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;裏面は
表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色(3lc)。
la, 4 lc)、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;裏面は
橙色(4 la, 4 na);可溶性色素は黄褐色 (3 lc)。オ−トミ−ル寒天 では、生育中程度、淡橙黄色(3 ea,
4 ea)、わずかに隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面は表
面と同じ;可溶性色素は淡黄色がかった色(2ea)。無機塩類- でんぷん寒天 では、生育中程度、明橙色(4
ia)だが数個の赤色の斑点あり(6 1/2 ne)、わずかに
隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面は明橙色(4ia);可
溶性色素なし。グリセリン- アスパラギン寒天 では、生育貧弱ないし中
程度、橙黄色(3 ga,3 ia)、隆起せず薄い、平滑、気
菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。ツァペック- ショ糖寒天 では、生育中程度、淡ピンク色
ないし淡ラベンダー色(5 ca, 5 gc)だが赤色の斑点あ
り(6 le, 6pi )、隆起せず薄い、平滑、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。グルコ−ス- アスパラギン寒天 では、生育中程度ないし
良好、明橙色(4 na)、わずかに隆起、平滑ないし顆粒
状、気菌糸はなし;裏面は明橙色(4 na, 4 la);可溶
性色素なし。ゴ−ドン及びスミスのチロシン寒天 では、生育中程度、
暗褐色(5 lg)、わずかに隆起、平滑ないし顆粒状、気
菌糸はなし;裏面は褐色ないし暗褐色(4 le,5 lg, 5 n
i);可溶性色素は暗褐色(5 ni)。カゼイン寒天 では、生育良好、橙色ないし暗橙色(5 l
a, 5 nc)、中程度に隆起、しわが寄る、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色
(3 ic)。ベネット寒天 では、生育良好、橙色ないし暗橙色(5 l
a, 5 nc, 5pc )、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;
裏面は表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色(3
nc)。エマ−ソン寒天 では、生育良好、黄色がかった橙色(4
la, 4 ia, 4 lc )、隆起、しわが寄る、気菌糸はな
し;裏面は表面と同じ;可溶性色素なし。栄養寒天 では、生育貧弱、橙黄色(3 ga, 3 ia)だが数
個の橙色ないし赤色の斑点あり(4 la, 5 la, 6 ne, 6
pg)、隆起せず薄い、平滑、気菌糸はなし;裏面は表面
と同じ;可溶性色素なし。マレイン酸カルシウム寒天 では、生育しない。ばれいしょ人参寒天 では、生育中程度、ピンクがかった
橙色ないし褐色(5 ea, 5 gc, 4 lc, 5 le )、わずか
に隆起、平滑、気菌糸はなし;裏面はピンクがかった橙
色ないし橙色(5 ea, 4 ia);可溶性色素は淡ピンク
色(4 ca)。水道水寒天 では、生育貧弱、淡橙黄色(3 ca)、隆起せ
ず薄い、平滑、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶
性色素なし。ゼラチン寒天 では、生育中程度、橙色(4 ga)、わずか
に隆起、平滑ないし顆粒状、気菌糸はなし;裏面は表面
と同じ;可溶性色素なし。でんぷん寒天 では、生育中程度ないし良好、褐色(5 l
e)、中程度に隆起、平滑ないしわずかにしわが寄る、
気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性色素は淡黄色
がかった色(2 ea)。M3寒天 では、生育貧弱ないし中程度、クリーム色(2 c
a)だが古くなると淡橙色(3 ea, 3 ga)になることも
ある、わずかに隆起、平滑、又は独立したコロニーとし
て出現する、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;可溶性
色素なし。ガウゼのNo.1 無機塩寒天 では、生育中程度ないし良
好、橙色ないし暗橙色(4 ia, 4 nc)、わずかに隆起、
平滑ないし顆粒状、気菌糸はなし;裏面は表面と同じ;
可溶性色素は黄色がかった色(2 ea, 2ia )。ガウゼのNo.2 有機寒天 では、生育良好、明橙色(5 l
a, 4 na)、隆起、しわが寄る、気菌糸はなし;裏面は
表面と同じ;可溶性色素は黄色がかった褐色(3lc)。
【0008】2. 形態学的特性 M3寒天上で3週間の培養後の観察では、菌糸塊を形成
し、その形状は球形、亞球形、卵形、楕円形ないし不規
則で、直径は4 〜20μm 、しばしば合体してコイル状に
巻いた菌糸又は不規則に圧縮された菌糸塊あるいは胞子
塊からなる不規則な塊となる;胞子塊は球形ないし亞球
形で、直径は3.5 〜8 μm 、胞子塊壁は明瞭には観察さ
れない;胞子は球形(直径1 〜1.2 μm )又は、卵形な
いし楕円形(1 〜1.8 x 0.9 〜1.2 μm )で、運動性を
有し、とりわけ1%ショ糖溶液に懸濁させるとよく動く。
オ−トミ−ル寒天上で5週間の培養後の観察でも、菌糸
塊を形成し、その形状は球形、卵形、楕円形あるいは不
規則で、大きさはまちまちである。胞子は形成されず、
菌糸塊を押し潰しても胞子は認められない;栄養菌糸は
分枝し直径は0.5 〜1.0 μm ;胞子柄はないかあっても
単純分枝で1 〜3 x 0.4 〜0.6 μm ;胞子は単独に、無
柄又は短い胞子柄上に生じ球形(直径1.0 〜1.8 μm )
又は、卵形ないし楕円形(1.2 〜1.8 x 1.0 〜1.2 μm
)である。
し、その形状は球形、亞球形、卵形、楕円形ないし不規
則で、直径は4 〜20μm 、しばしば合体してコイル状に
巻いた菌糸又は不規則に圧縮された菌糸塊あるいは胞子
塊からなる不規則な塊となる;胞子塊は球形ないし亞球
形で、直径は3.5 〜8 μm 、胞子塊壁は明瞭には観察さ
れない;胞子は球形(直径1 〜1.2 μm )又は、卵形な
いし楕円形(1 〜1.8 x 0.9 〜1.2 μm )で、運動性を
有し、とりわけ1%ショ糖溶液に懸濁させるとよく動く。
オ−トミ−ル寒天上で5週間の培養後の観察でも、菌糸
塊を形成し、その形状は球形、卵形、楕円形あるいは不
規則で、大きさはまちまちである。胞子は形成されず、
菌糸塊を押し潰しても胞子は認められない;栄養菌糸は
分枝し直径は0.5 〜1.0 μm ;胞子柄はないかあっても
単純分枝で1 〜3 x 0.4 〜0.6 μm ;胞子は単独に、無
柄又は短い胞子柄上に生じ球形(直径1.0 〜1.8 μm )
又は、卵形ないし楕円形(1.2 〜1.8 x 1.0 〜1.2 μm
)である。
【0009】菌糸塊は、酵母エキス- 麦芽エキス寒天、
無機塩類- でんぷん寒天、グリセリン- アスパラギン寒
天、グルコ−ス- アスパラギン寒天、ツァペック- ショ
糖寒天、ばれいしょ人参寒天、水道水寒天、ゼラチン寒
天、M3寒天及びガウゼのNo.1無機塩寒天上で形成され
る。
無機塩類- でんぷん寒天、グリセリン- アスパラギン寒
天、グルコ−ス- アスパラギン寒天、ツァペック- ショ
糖寒天、ばれいしょ人参寒天、水道水寒天、ゼラチン寒
天、M3寒天及びガウゼのNo.1無機塩寒天上で形成され
る。
【0010】胞子塊は、M3寒天、オ−トミ−ル寒天及び
ガウゼのNo.1 無機塩寒天上で中程度の形成;酵母エキ
ス- 麦芽エキス寒天、グリセリン- アスパラギン寒天及
びカゼイン寒天上で貧弱な形成;供試した他の培地上で
は形成されない。
ガウゼのNo.1 無機塩寒天上で中程度の形成;酵母エキ
ス- 麦芽エキス寒天、グリセリン- アスパラギン寒天及
びカゼイン寒天上で貧弱な形成;供試した他の培地上で
は形成されない。
【0011】3. 生化学的特性 メラニン及び硫化水素を産生しない;ゼラチンを液化す
る;でんぷんを加水分解する;硝酸塩を亜硝酸塩に還元
しない; Jensen 及び Levine とSchoenleinの両種のセ
ルロ−スブロスでの発育は良好であるが、セルロ−スは
分解しない;ミルクを凝固及びペプトン化する;カゼイ
ンの分解は陽性;チロシンの分解は陰性ないし貧弱。炭
水化物の利用:グルコ−ス、アラビノ−ス、フルクト−
ス、マンニト−ル、ショ糖、キシロ−ス、セロビオー
ス、ガラクトース、グリセロール、ラクトース、マンノ
ース、サリシン、可溶性デンプン及びトレハロースを利
用する;ラフィノ−ス及びメリビオースの利用は疑わし
い;イノシト−ル、ラムノ−ス、アドニトール、ズルシ
トール、エリトリトール、メリジトース、α-メチル-D
-グルコシド、リボース、ソルビトール及びソルボース
は利用しない。
る;でんぷんを加水分解する;硝酸塩を亜硝酸塩に還元
しない; Jensen 及び Levine とSchoenleinの両種のセ
ルロ−スブロスでの発育は良好であるが、セルロ−スは
分解しない;ミルクを凝固及びペプトン化する;カゼイ
ンの分解は陽性;チロシンの分解は陰性ないし貧弱。炭
水化物の利用:グルコ−ス、アラビノ−ス、フルクト−
ス、マンニト−ル、ショ糖、キシロ−ス、セロビオー
ス、ガラクトース、グリセロール、ラクトース、マンノ
ース、サリシン、可溶性デンプン及びトレハロースを利
用する;ラフィノ−ス及びメリビオースの利用は疑わし
い;イノシト−ル、ラムノ−ス、アドニトール、ズルシ
トール、エリトリトール、メリジトース、α-メチル-D
-グルコシド、リボース、ソルビトール及びソルボース
は利用しない。
【0012】4. 生育温度については、21℃で良好な生
育;28℃で非常に良好な生育;37℃で非常に良好な生
育;45℃で生育しない。
育;28℃で非常に良好な生育;37℃で非常に良好な生
育;45℃で生育しない。
【0013】5. 細胞壁の分析 全細胞加水分解物は、メソ- ジアミノピメリン酸、ガラ
クトース、マンノ−ス及びリボ−スを含有する。
クトース、マンノ−ス及びリボ−スを含有する。
【0014】以上菌学的性質を要約すると、N902-109は
橙色ないし明橙色の栄養菌糸、不規則な形をした栄養菌
糸上の菌糸塊及び胞子嚢様の塊中に形成される運動性胞
子を特徴とする。胞子は栄養菌糸上に単独に形成される
こともある。気菌糸は形成されない。栄養菌糸の色調は
一般的に橙黄色、橙色、明橙色ないし暗橙色にわたった
が、チロシン寒天とでんぷん寒天で褐色、ツァペック-
ショ糖寒天で淡ピンク色ないし淡ラベンダー色であっ
た。可溶性色素は産生されても淡黄色ないし黄褐色であ
った。全細胞加水分解物からメソ- ジアミノピメリン
酸、ガラクトース、マンノ−ス及びリボ−スが検出され
た。胞子が胞子嚢様の塊中に形成され、かつ運動性を示
すことから本菌は、アクチノプラネス(Actinoplanes)
属に属しストレプトミセス(Streptomyces)属に属する
ものでないことは明らかである。ラパマイシンがストレ
プトミセス以外の属の放線菌によって生産されるという
報告はこれが最初である。Vezinaらは1975年にスト
レプトミセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hyg
roscopicus)AY B-994(ATCC 29253)が抗真菌性抗生物
質ラパマイシンを生産することを報告した(C. Vezina,
A. Kudelski and S. N. Sehgal, J. Antibiotics 28:
721-726, 1975)。寒天培地上に多数形成される球状又
は不規則な形をした菌糸塊は胞子嚢に類似しているが、
5週間まで長期間培養しても、これらの塊にアクチノプ
ラネスに特徴的な胞子は形成されなかった。栄養菌糸上
に単胞子が僅少ないし中程度形成されることは、アクチ
ノプラネス属の菌種の中では珍しい。胞子が単独、鎖状
又は房状に形成される例は、アクチノプラネス・ユタエ
ンシス(A. utahensis)、アクチノプラネス・アルメニ
アカス(A. armeniacus )及びアクチノプラネス・フィ
リッピネンシス(A. philippinensis )で各々報告され
ている。胞子嚢様胞子塊は壁を欠いているように見え
る。胞子嚢壁は、胞子ができるとただちに崩壊するか又
は胞子が成熟する時発育しない可能性もあるが、これと
関連して Willoughby が記述している胞子嚢及び胞子柄
の両者に縦列配列した胞子によって特徴づけられるアク
チノプラネス・エスピー(Actinoplanes sp.)(J. Ge
n. Microbiol., 44: 69-72, 1966 )が興味をおこさせ
る。この菌が、小さい胞子柄上に胞子を形成する様式は
N902-109の胞子塊に類似している。アクチノプラネス属
の既知の種と比較すると、N902-109はアクチノプラネス
・カナガワエンシス(A. kanagawaensis)、アクチノプ
ラネス・ミズーリエンシス(A. missouriensis)、アク
チノプラネス・オーランティカラー(A. auranticolor
)及びアクチノプラネス・テイコミセティカス(A. te
ichomyceticus)に類似している。しかし、N902-109は
硫化水素を産生しないこと、ミルクを凝固すること及び
ラムノ−スを利用しないことがアクチノプラネス・カナ
ガワエンシス及びアクチノプラネス・オーランティカラ
ーとは異なる。また、N902-109は硝酸塩を還元しないこ
と及びラムノ−スを利用しないことがアクチノプラネス
・ミズーリエンシスとは異なる。N902-109は炭水化物の
利用パターンがアクチノプラネス・テイコミセティカス
と同じであるが、胞子嚢(胞子塊)及び胞子がより小さ
いこと、メラニンと硫化水素を産生しないこと、硝酸塩
を還元しないこと及びミルクを凝固することがアクチノ
プラネス・テイコミセティカスとは異なる。
橙色ないし明橙色の栄養菌糸、不規則な形をした栄養菌
糸上の菌糸塊及び胞子嚢様の塊中に形成される運動性胞
子を特徴とする。胞子は栄養菌糸上に単独に形成される
こともある。気菌糸は形成されない。栄養菌糸の色調は
一般的に橙黄色、橙色、明橙色ないし暗橙色にわたった
が、チロシン寒天とでんぷん寒天で褐色、ツァペック-
ショ糖寒天で淡ピンク色ないし淡ラベンダー色であっ
た。可溶性色素は産生されても淡黄色ないし黄褐色であ
った。全細胞加水分解物からメソ- ジアミノピメリン
酸、ガラクトース、マンノ−ス及びリボ−スが検出され
た。胞子が胞子嚢様の塊中に形成され、かつ運動性を示
すことから本菌は、アクチノプラネス(Actinoplanes)
属に属しストレプトミセス(Streptomyces)属に属する
ものでないことは明らかである。ラパマイシンがストレ
プトミセス以外の属の放線菌によって生産されるという
報告はこれが最初である。Vezinaらは1975年にスト
レプトミセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hyg
roscopicus)AY B-994(ATCC 29253)が抗真菌性抗生物
質ラパマイシンを生産することを報告した(C. Vezina,
A. Kudelski and S. N. Sehgal, J. Antibiotics 28:
721-726, 1975)。寒天培地上に多数形成される球状又
は不規則な形をした菌糸塊は胞子嚢に類似しているが、
5週間まで長期間培養しても、これらの塊にアクチノプ
ラネスに特徴的な胞子は形成されなかった。栄養菌糸上
に単胞子が僅少ないし中程度形成されることは、アクチ
ノプラネス属の菌種の中では珍しい。胞子が単独、鎖状
又は房状に形成される例は、アクチノプラネス・ユタエ
ンシス(A. utahensis)、アクチノプラネス・アルメニ
アカス(A. armeniacus )及びアクチノプラネス・フィ
リッピネンシス(A. philippinensis )で各々報告され
ている。胞子嚢様胞子塊は壁を欠いているように見え
る。胞子嚢壁は、胞子ができるとただちに崩壊するか又
は胞子が成熟する時発育しない可能性もあるが、これと
関連して Willoughby が記述している胞子嚢及び胞子柄
の両者に縦列配列した胞子によって特徴づけられるアク
チノプラネス・エスピー(Actinoplanes sp.)(J. Ge
n. Microbiol., 44: 69-72, 1966 )が興味をおこさせ
る。この菌が、小さい胞子柄上に胞子を形成する様式は
N902-109の胞子塊に類似している。アクチノプラネス属
の既知の種と比較すると、N902-109はアクチノプラネス
・カナガワエンシス(A. kanagawaensis)、アクチノプ
ラネス・ミズーリエンシス(A. missouriensis)、アク
チノプラネス・オーランティカラー(A. auranticolor
)及びアクチノプラネス・テイコミセティカス(A. te
ichomyceticus)に類似している。しかし、N902-109は
硫化水素を産生しないこと、ミルクを凝固すること及び
ラムノ−スを利用しないことがアクチノプラネス・カナ
ガワエンシス及びアクチノプラネス・オーランティカラ
ーとは異なる。また、N902-109は硝酸塩を還元しないこ
と及びラムノ−スを利用しないことがアクチノプラネス
・ミズーリエンシスとは異なる。N902-109は炭水化物の
利用パターンがアクチノプラネス・テイコミセティカス
と同じであるが、胞子嚢(胞子塊)及び胞子がより小さ
いこと、メラニンと硫化水素を産生しないこと、硝酸塩
を還元しないこと及びミルクを凝固することがアクチノ
プラネス・テイコミセティカスとは異なる。
【0015】以上の諸性状からN902-109はアクチノプラ
ネス(Actinoplanes)属に属する新菌株であり、Actino
planes sp.と命名された。これは工業技術院微生物工業
技術研究所にアクチノプラネス・エスピーN902-109(Ac
tinoplanes sp. N902-109)の表示で微工研条寄第3832
号(FERM BP-3832)として、平成4年4月13日にブダ
ペスト条約の条件下に寄託されている。
ネス(Actinoplanes)属に属する新菌株であり、Actino
planes sp.と命名された。これは工業技術院微生物工業
技術研究所にアクチノプラネス・エスピーN902-109(Ac
tinoplanes sp. N902-109)の表示で微工研条寄第3832
号(FERM BP-3832)として、平成4年4月13日にブダ
ペスト条約の条件下に寄託されている。
【0016】本発明者らは、アクチノプラネス属に属す
る新菌株がラパマイシンを生産することを新たに見い出
した。更にその生産性は、実施例3に述べる様に従来の
ラパマイシン生産菌(ストレプトミセス・ハイグロスコ
ピカスATCC 29253)より効率のよいものである。
る新菌株がラパマイシンを生産することを新たに見い出
した。更にその生産性は、実施例3に述べる様に従来の
ラパマイシン生産菌(ストレプトミセス・ハイグロスコ
ピカスATCC 29253)より効率のよいものである。
【0017】アクチノプラネス属に属する菌株は他の放
線菌と同様に、その性質が変化しやすく、自然的、人工
的に容易に変化することは周知の通りであり、本発明で
使用し得る菌株は寄託菌(微工研条寄第3832号)に限定
されるものでなく、アクチノプラネス属に属するラパマ
イシンを生産する菌株すべてを包含するものである。本
発明における菌株の培養は次の様に行うのが好ましい。
小規模の培養を行うには、まず適当量の栄養培地をフラ
スコの中に入れ、既知の方法で滅菌した後、このフラス
コにアクチノプラネス・エスピーN902-109 の胞子又は
栄養生育細胞を植菌し、約26℃の一定の室温でロータリ
ーシェーカー上約2ないし10日間培養を行う。大規模の
培養には、撹拌機、通気装置及び滅菌装置を備えた適当
な大きさのタンク中で行うのが望ましい。栄養培地をタ
ンク中で調製、滅菌し、アクチノプラネス・エスピーN
902-109 の胞子又は栄養生育細胞を植菌する。培地の p
H は5から9、好ましくは6から8が望ましい。培養
は、約20ないし40℃の範囲の温度で、栄養培地を撹拌及
び/又は通気しながら約2ないし10日間行う。通気の程
度はいくつかの因子(例えば培養器の大きさ、撹拌速度
等)に応じて変える必要がある。一般的に撹拌は0ない
し2,000 rpm 、好ましくは100 から360 rpmで、また通
気は培地容量の0ないし500%、好ましくは80から120%の
空気を毎分送りこむことによって行うのが望ましい。
線菌と同様に、その性質が変化しやすく、自然的、人工
的に容易に変化することは周知の通りであり、本発明で
使用し得る菌株は寄託菌(微工研条寄第3832号)に限定
されるものでなく、アクチノプラネス属に属するラパマ
イシンを生産する菌株すべてを包含するものである。本
発明における菌株の培養は次の様に行うのが好ましい。
小規模の培養を行うには、まず適当量の栄養培地をフラ
スコの中に入れ、既知の方法で滅菌した後、このフラス
コにアクチノプラネス・エスピーN902-109 の胞子又は
栄養生育細胞を植菌し、約26℃の一定の室温でロータリ
ーシェーカー上約2ないし10日間培養を行う。大規模の
培養には、撹拌機、通気装置及び滅菌装置を備えた適当
な大きさのタンク中で行うのが望ましい。栄養培地をタ
ンク中で調製、滅菌し、アクチノプラネス・エスピーN
902-109 の胞子又は栄養生育細胞を植菌する。培地の p
H は5から9、好ましくは6から8が望ましい。培養
は、約20ないし40℃の範囲の温度で、栄養培地を撹拌及
び/又は通気しながら約2ないし10日間行う。通気の程
度はいくつかの因子(例えば培養器の大きさ、撹拌速度
等)に応じて変える必要がある。一般的に撹拌は0ない
し2,000 rpm 、好ましくは100 から360 rpmで、また通
気は培地容量の0ないし500%、好ましくは80から120%の
空気を毎分送りこむことによって行うのが望ましい。
【0018】本発明によれば、ラパマイシンは、アクチ
ノプラネス・エスピーN902-109 を培養し、その培養液
上清及び菌体から得られる。ラパマイシンは、以下述べ
るように全培養液から溶媒抽出及び各種のクロマトグラ
フィー技術を用いて分離することができる。ラパマイシ
ンは水に僅かしか溶けず、有機溶媒には可溶であるの
で、その分配係数の差を利用して容易に回収できる。例
えば全培養液をクロロホルム、酢酸エチル、メチルイソ
ブチルケトン等の水と混らない溶媒で抽出する。これら
の抽出物を既知の方法を用いて濃縮した後、ラパマイシ
ンを分離する為に各種のクロマトグラフィー技術を利用
する。適当な溶媒で平衡化させたデキストランゲル、シ
リカゲル、逆相シリカゲル等の媒体をカラムに詰め、各
種の溶媒あるいは2つ以上の溶媒の割合を変えて溶出す
る方法は、ラパマイシンの様な大環状ラクトンを分離す
る際には周知のクロマトグラフィー技術である。ラパマ
イシンの検出及び単離には高速液体クロマトグラフィ−
(HPLC)が便利である。同様に薄層クロマトグラフィ−
をラパマイシンの存在の検出及び単離の為に利用するこ
とができる。このような当業界で周知の技術を用いるこ
とによりラパマイシンを単離精製することができる。
ノプラネス・エスピーN902-109 を培養し、その培養液
上清及び菌体から得られる。ラパマイシンは、以下述べ
るように全培養液から溶媒抽出及び各種のクロマトグラ
フィー技術を用いて分離することができる。ラパマイシ
ンは水に僅かしか溶けず、有機溶媒には可溶であるの
で、その分配係数の差を利用して容易に回収できる。例
えば全培養液をクロロホルム、酢酸エチル、メチルイソ
ブチルケトン等の水と混らない溶媒で抽出する。これら
の抽出物を既知の方法を用いて濃縮した後、ラパマイシ
ンを分離する為に各種のクロマトグラフィー技術を利用
する。適当な溶媒で平衡化させたデキストランゲル、シ
リカゲル、逆相シリカゲル等の媒体をカラムに詰め、各
種の溶媒あるいは2つ以上の溶媒の割合を変えて溶出す
る方法は、ラパマイシンの様な大環状ラクトンを分離す
る際には周知のクロマトグラフィー技術である。ラパマ
イシンの検出及び単離には高速液体クロマトグラフィ−
(HPLC)が便利である。同様に薄層クロマトグラフィ−
をラパマイシンの存在の検出及び単離の為に利用するこ
とができる。このような当業界で周知の技術を用いるこ
とによりラパマイシンを単離精製することができる。
【0019】本発明の微生物が生産する物質がラパマイ
シンであることは、以下に述べる如く抗カンジダ・アル
ビカンス活性及びMLR(混合リンパ球反応)活性を測
定すること、及び各種機器データによって確認された。
シンであることは、以下に述べる如く抗カンジダ・アル
ビカンス活性及びMLR(混合リンパ球反応)活性を測
定すること、及び各種機器データによって確認された。
【0020】ラパマイシンのMLR活性は、Mannual Cl
inical Laboratory, Immunology 第3版、847-858 頁に
記載されている方法に従って行った結果、MLR活性及
び細胞毒性のIC50値(μg/ml)は、それぞれ 7x10-3お
よび3.0 以上であった。
inical Laboratory, Immunology 第3版、847-858 頁に
記載されている方法に従って行った結果、MLR活性及
び細胞毒性のIC50値(μg/ml)は、それぞれ 7x10-3お
よび3.0 以上であった。
【0021】ラパマイシンのペーパーディスクを用いる
寒天平板法による抗カンジダ・アルビカンス活性は、40
μg/disk で阻止円直径は25 mm であった。なお、ぺー
パーディスクは直径8 mm 、厚型(アドバンテック製)
のもの、培地は市販のネオマイシンアッセイ寒天培地
(ディフコ)を用いた。
寒天平板法による抗カンジダ・アルビカンス活性は、40
μg/disk で阻止円直径は25 mm であった。なお、ぺー
パーディスクは直径8 mm 、厚型(アドバンテック製)
のもの、培地は市販のネオマイシンアッセイ寒天培地
(ディフコ)を用いた。
【0022】ラパマイシンの理化学的性質は以下の通り
であった。
であった。
【0023】(1) 性状:白色粉末 (2) 紫外線吸収スペクトル(nm):267、277、28
8(メタノール) (3) LSIMS(C51H79NO13, m/z):936.5446
〔M+Na〕+ (4) NMRスペクトル、IRスペクトル:ラパマイシン
のものと良く一致した。
8(メタノール) (3) LSIMS(C51H79NO13, m/z):936.5446
〔M+Na〕+ (4) NMRスペクトル、IRスペクトル:ラパマイシン
のものと良く一致した。
【0024】ここに紫外線吸収スペクトルは、日本分光
製分光光度計(モデルUbest-30)により、NMRスペク
トルは、日本電子製核磁気共鳴装置(モデルGX27
0,270MHz)により、IRスペクトルは、島津製
赤外分光光度計(モデルIR470)により、またLS
I(Liquid Secondary Ion)マススペクトルは、クラト
ス製質量分析器(モデル1S)によりNaI含有ジチオ
スレイトール/ジチオエリスリトール(3:1)マトリ
クスでそれぞれ測定した。
製分光光度計(モデルUbest-30)により、NMRスペク
トルは、日本電子製核磁気共鳴装置(モデルGX27
0,270MHz)により、IRスペクトルは、島津製
赤外分光光度計(モデルIR470)により、またLS
I(Liquid Secondary Ion)マススペクトルは、クラト
ス製質量分析器(モデル1S)によりNaI含有ジチオ
スレイトール/ジチオエリスリトール(3:1)マトリ
クスでそれぞれ測定した。
【0025】
【実施例】実施例1 培地1(グルコ−ス 2% 、ポリペプトン 0.5% 、肉エキ
ス 0.3% 、酵母エキス0.5% 、ブラッドミ−ル 0.3% 、
小麦胚芽 0.5% 、CaCO3 0.4% 、 pH 7.0 〜7.2 )を10
0 ml含む 500 ml 容三角フラスコに、アクチノプラネス
・エスピーN902-109 を植菌する。これを直径7cmの円
回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で26℃、4
日間培養し第一の種培養液とした。
ス 0.3% 、酵母エキス0.5% 、ブラッドミ−ル 0.3% 、
小麦胚芽 0.5% 、CaCO3 0.4% 、 pH 7.0 〜7.2 )を10
0 ml含む 500 ml 容三角フラスコに、アクチノプラネス
・エスピーN902-109 を植菌する。これを直径7cmの円
回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で26℃、4
日間培養し第一の種培養液とした。
【0026】培地1を150 ml含む5個の500 ml容三角フ
ラスコに第一の種培養液7.5 mlを植菌する。これを直径
7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で
26℃、4 日間培養し第二の種培養液とした。
ラスコに第一の種培養液7.5 mlを植菌する。これを直径
7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で
26℃、4 日間培養し第二の種培養液とした。
【0027】培地2(グルコ−ス 1% 、コ−ンスタ−チ
2% 、エヌゼットアミン・タイプA0.5%、小麦胚芽 0.5%
、酵母エキス 0.5% 、CoCl2・6H2O 0.00001%、CaCO3
0.4 %、pH 7.0〜7.2 )を3 L 入れた5個の 6 L容ガラ
ス製のファ−メンタ−に第二の種培養液150 mlずつを加
える。このファ−メンタ−を通気量毎分3 L 、回転速度
1,700 rpm 、26℃にて5日間撹拌する。
2% 、エヌゼットアミン・タイプA0.5%、小麦胚芽 0.5%
、酵母エキス 0.5% 、CoCl2・6H2O 0.00001%、CaCO3
0.4 %、pH 7.0〜7.2 )を3 L 入れた5個の 6 L容ガラ
ス製のファ−メンタ−に第二の種培養液150 mlずつを加
える。このファ−メンタ−を通気量毎分3 L 、回転速度
1,700 rpm 、26℃にて5日間撹拌する。
【0028】培養終了後15 Lの培養液を等量の酢酸エチ
ルで3回抽出して得られた酢酸エチル抽出液を無水硫酸
ナトリウムで脱水し、減圧下濃縮乾固する。得られたラ
パマイシンを含む油状物質をシリカゲル(250 g )を詰
めたカラムでクロマトグラフィ−を行う。このカラムを
1,000 mlのヘキサン及び1,000 mlのヘキサン:酢酸エチ
ル(1:1 )で順次洗浄した後、1,500 mlのヘキサン:酢
酸エチル(1:2 )及び1,000 ml の酢酸エチル、次に 75
0 ml の酢酸エチル:アセトン(2:1 )で溶出する。活
性画分を集めて濃縮し、セファデックス LH-20ゲル 500
ml をメタノ−ルで詰めたカラムでクロマトグラフィ−
を行う。メタノ−ルで展開して活性画分を集めて濃縮
し、ケムコソルブ 5ODS-UH(直径20 mm x 長さ250 mm、
ケムコ製)を充填したカラムを用いて高速液体クロマト
グラフィ−を行う。毎分5 mlの流速でメタノ−ル:水
(4:1)の溶媒を用いて溶出し、溶出液の吸光度を305 n
mで記録する。この操作を10回くり返しラパマイシン
のピークを集めることで4g のラパマイシンが得られ、
これは抗カンジダ・アルビカンス活性及びMLR活性を
示した。
ルで3回抽出して得られた酢酸エチル抽出液を無水硫酸
ナトリウムで脱水し、減圧下濃縮乾固する。得られたラ
パマイシンを含む油状物質をシリカゲル(250 g )を詰
めたカラムでクロマトグラフィ−を行う。このカラムを
1,000 mlのヘキサン及び1,000 mlのヘキサン:酢酸エチ
ル(1:1 )で順次洗浄した後、1,500 mlのヘキサン:酢
酸エチル(1:2 )及び1,000 ml の酢酸エチル、次に 75
0 ml の酢酸エチル:アセトン(2:1 )で溶出する。活
性画分を集めて濃縮し、セファデックス LH-20ゲル 500
ml をメタノ−ルで詰めたカラムでクロマトグラフィ−
を行う。メタノ−ルで展開して活性画分を集めて濃縮
し、ケムコソルブ 5ODS-UH(直径20 mm x 長さ250 mm、
ケムコ製)を充填したカラムを用いて高速液体クロマト
グラフィ−を行う。毎分5 mlの流速でメタノ−ル:水
(4:1)の溶媒を用いて溶出し、溶出液の吸光度を305 n
mで記録する。この操作を10回くり返しラパマイシン
のピークを集めることで4g のラパマイシンが得られ、
これは抗カンジダ・アルビカンス活性及びMLR活性を
示した。
【0029】実施例2 実施例1で得られたアクチノプラネス・エスピーN902-
109 の第一の種培養液を、実施例1の培地2(100 ml)
を含む 500 ml 容三角フラスコに植菌する。これを直径
7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で
26℃、7日間培養する。得られた100 mlの培養液は、抗
カンジダ・アルビカンス活性及びMLR活性を示すので
ラパマイシンを含んでいることは明白である。実施例1
の方法(培養液を等量の酢酸エチルで3回抽出して得ら
れた酢酸エチル抽出液の高速液体クロマトグラフィ−)
によりラパマイシンの生産を確認した。
109 の第一の種培養液を、実施例1の培地2(100 ml)
を含む 500 ml 容三角フラスコに植菌する。これを直径
7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ−シェ−カ−上で
26℃、7日間培養する。得られた100 mlの培養液は、抗
カンジダ・アルビカンス活性及びMLR活性を示すので
ラパマイシンを含んでいることは明白である。実施例1
の方法(培養液を等量の酢酸エチルで3回抽出して得ら
れた酢酸エチル抽出液の高速液体クロマトグラフィ−)
によりラパマイシンの生産を確認した。
【0030】実施例3 実施例1の培地1を100 ml含む 2個の500 ml容三角フラ
スコに、アクチノプラネス・エスピーN902-109 とスト
レプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 29253を各々1
個ずつ植菌する。これを直径7cmの円回転(220 rpm )
のロ−タリ−シェ−カ−上で26℃、4 日間培養し第一の
種培養液とした。培地1を150 ml含む500 ml容三角フラ
スコに各々の第一の種培養液7.5 mlを各々2個ずつ植菌
する。これを直径7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ
−シェ−カ−上で26℃、4日間培養し第二の種培養液と
した。
スコに、アクチノプラネス・エスピーN902-109 とスト
レプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 29253を各々1
個ずつ植菌する。これを直径7cmの円回転(220 rpm )
のロ−タリ−シェ−カ−上で26℃、4 日間培養し第一の
種培養液とした。培地1を150 ml含む500 ml容三角フラ
スコに各々の第一の種培養液7.5 mlを各々2個ずつ植菌
する。これを直径7cmの円回転(220 rpm )のロ−タリ
−シェ−カ−上で26℃、4日間培養し第二の種培養液と
した。
【0031】培地3(グルコ−ス 1.5 %、可溶性デンプ
ン 1 %、ポリペプトン 0.5 %、糖蜜0.5 %、ラードオイ
ル 0.2 %、(NH4)2SO4 0.5 % 、K2HPO4 0.5 %、MgSO4 0.
025% 、ZnSO4 ・7H2O 0.005 %、MnSO4 0.001%、FeSO4
・7H2O 0.002 %、CaCO3 0.2% 、pH 7.2:米国特許第 39
29992 及び 3993749の培地に準ずる)を3L 入れた4
個の6 L容ガラス製のファ−メンタ−に各々の第一の種
培養液150 mlを各々2個ずつに植菌する。このファ−メ
ンタ−を通気量毎分3L 、回転速度1,700 rpm、26℃に
て撹拌する。培養2日から7日まで毎日50ml経時的にサ
ンプリングして実施例1の方法(培養液を等量の酢酸エ
チルで3回抽出して得られた酢酸エチル抽出液の高速液
体クロマトグラフィ−)によりラパマイシンの生産を測
定すると、アクチノプラネス・エスピーN902-109 の最
高の生産濃度は、培養6日で 405μg/mlであった。一
方、ストレプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 29253
の最高の生産濃度は、培養5日で 40 μg/mlであった。
生産力価は、各々2個のサンプルの平均値で表した。
ン 1 %、ポリペプトン 0.5 %、糖蜜0.5 %、ラードオイ
ル 0.2 %、(NH4)2SO4 0.5 % 、K2HPO4 0.5 %、MgSO4 0.
025% 、ZnSO4 ・7H2O 0.005 %、MnSO4 0.001%、FeSO4
・7H2O 0.002 %、CaCO3 0.2% 、pH 7.2:米国特許第 39
29992 及び 3993749の培地に準ずる)を3L 入れた4
個の6 L容ガラス製のファ−メンタ−に各々の第一の種
培養液150 mlを各々2個ずつに植菌する。このファ−メ
ンタ−を通気量毎分3L 、回転速度1,700 rpm、26℃に
て撹拌する。培養2日から7日まで毎日50ml経時的にサ
ンプリングして実施例1の方法(培養液を等量の酢酸エ
チルで3回抽出して得られた酢酸エチル抽出液の高速液
体クロマトグラフィ−)によりラパマイシンの生産を測
定すると、アクチノプラネス・エスピーN902-109 の最
高の生産濃度は、培養6日で 405μg/mlであった。一
方、ストレプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 29253
の最高の生産濃度は、培養5日で 40 μg/mlであった。
生産力価は、各々2個のサンプルの平均値で表した。
【0032】
【発明の効果】本発明によりアクチノプラネス属に属す
る新菌株アクチノプラネス・エスピーN902-109(微工研
条寄第3832号:FERM BP-3832)が提供された。この
菌は、ストレプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 292
53より約10倍高いラパマイシンの生産性を示した。
る新菌株アクチノプラネス・エスピーN902-109(微工研
条寄第3832号:FERM BP-3832)が提供された。この
菌は、ストレプトミセス・ハイグロスコピカスATCC 292
53より約10倍高いラパマイシンの生産性を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:045)
Claims (3)
- 【請求項1】 アクチノプラネス・エスピー(Acti
noplanessp.)N902−109(生命研条
寄FERM BP−3832号)として寄託された、ア
クチノプラネス属に属するラパマイシン生産菌株。 - 【請求項2】 ラパマイシン生産能を有するアクチノプ
ラネス属に属する微生物を培養して、該培養液からラパ
マイシンを回収することを特徴とする、ラパマイシンの
製造方法。 - 【請求項3】 ラパマイシン生産能を有するアクチノプ
ラネス属に属する微生物が、アクチノプラネス・エスピ
ー(Actinoplanes sp.)N902−1
09(生命研条寄FERM BP−3832号)として
寄託された菌株である請求項2記載の方法。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4107612A JP2711198B2 (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 新規ラパマイシン生産菌 |
ES93906124T ES2085770T3 (es) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Actinoplanes como productor de rapamicina. |
PCT/US1993/001534 WO1993022446A1 (en) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Novel rapamycin producer |
CA002132869A CA2132869C (en) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Novel rapamycin producer |
DK93906124.8T DK0638125T3 (da) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Actinoplaner til produktion af rapamycin |
EP93906124A EP0638125B1 (en) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Actinoplanes as a producer of rapamycin |
DE69302267T DE69302267T2 (de) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Actinoplanes als erzeuger von rapamycin |
US08/325,378 US5674732A (en) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Rapamycin producer |
AT93906124T ATE136936T1 (de) | 1992-04-27 | 1993-02-26 | Actinoplanes als erzeuger von rapamycin |
FI945041A FI105826B (fi) | 1992-04-27 | 1994-10-26 | Menetelmä rapamysiinin valmistamiseksi ja rapamysiiniä tuottavia Actinoplanes-viljelmiä |
GR960401365T GR3019990T3 (en) | 1992-04-27 | 1996-05-20 | Novel rapamycin producer. |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304946A JPH05304946A (ja) | 1993-11-19 |
JP2711198B2 true JP2711198B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP2711198B2 (ja) |
AT (1) | ATE136936T1 (ja) |
CA (1) | CA2132869C (ja) |
DE (1) | DE69302267T2 (ja) |
DK (1) | DK0638125T3 (ja) |
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GR (1) | GR3019990T3 (ja) |
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CN101522691B (zh) * | 2006-11-27 | 2012-08-22 | 泰尔茂株式会社 | O-烷基化雷帕霉素衍生物的制备方法及o-烷基化雷帕霉素衍生物 |
US9365880B2 (en) | 2012-04-12 | 2016-06-14 | Natco Pharma Limited | Fermentation process for the production of rapamycin |
CN103740614B (zh) * | 2013-12-18 | 2016-07-13 | 天津北洋百川生物技术有限公司 | 一株高产雷帕霉素的游动放线菌诱变菌株 |
CN103740781B (zh) * | 2013-12-28 | 2015-09-09 | 天津北洋百川生物技术有限公司 | 一种培养游动放线菌获取雷帕霉素发酵液的方法 |
CN114381480B (zh) * | 2020-10-21 | 2024-08-23 | 鲁南制药集团股份有限公司 | 一种西罗莫司的发酵方法 |
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---|---|---|---|---|
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CA2018710A1 (en) * | 1989-06-13 | 1990-12-13 | Shieh-Shung T. Chen | L-683,590 microbial transformation product |
US5093338A (en) * | 1991-04-23 | 1992-03-03 | Merck & Co., Inc. | Lipophilic macrolide useful as an immunosuppressant |
-
1992
- 1992-04-27 JP JP4107612A patent/JP2711198B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-02-26 AT AT93906124T patent/ATE136936T1/de not_active IP Right Cessation
- 1993-02-26 WO PCT/US1993/001534 patent/WO1993022446A1/en active IP Right Grant
- 1993-02-26 ES ES93906124T patent/ES2085770T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1993-02-26 DK DK93906124.8T patent/DK0638125T3/da active
- 1993-02-26 EP EP93906124A patent/EP0638125B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-02-26 CA CA002132869A patent/CA2132869C/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-02-26 DE DE69302267T patent/DE69302267T2/de not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-10-26 FI FI945041A patent/FI105826B/fi not_active IP Right Cessation
-
1996
- 1996-05-20 GR GR960401365T patent/GR3019990T3/el unknown
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Publication number | Publication date |
---|---|
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CA2132869C (en) | 1998-08-25 |
FI105826B (fi) | 2000-10-13 |
GR3019990T3 (en) | 1996-08-31 |
ATE136936T1 (de) | 1996-05-15 |
DE69302267D1 (de) | 1996-05-23 |
FI945041A0 (fi) | 1994-10-26 |
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CA2132869A1 (en) | 1993-11-11 |
ES2085770T3 (es) | 1996-06-01 |
DK0638125T3 (da) | 1996-05-13 |
FI945041A (fi) | 1994-10-26 |
WO1993022446A1 (en) | 1993-11-11 |
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EP0638125B1 (en) | 1996-04-17 |
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