JP2711147B2 - オレフィン系重合体組成物 - Google Patents

オレフィン系重合体組成物

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JP2711147B2
JP2711147B2 JP18010889A JP18010889A JP2711147B2 JP 2711147 B2 JP2711147 B2 JP 2711147B2 JP 18010889 A JP18010889 A JP 18010889A JP 18010889 A JP18010889 A JP 18010889A JP 2711147 B2 JP2711147 B2 JP 2711147B2
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睦男 徳和目
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、オレフィン系不飽和化合物から得られる重
合体を主成分とする組成物に関し、特に、熱、化学的作
用、機械的作用に対して安定化された組成物に関する。
<従来の技術> オレフィン系不飽和化合物から得られる重合体の成形
加工は、通常180℃以上、時には300℃近い高温で行われ
ることもある。この際、これらの重合体は、熱、酸素等
の化学的作用および剪断力等の機械的作用により、分子
量の低下が生じ、機械的性質が低下するので、製品の価
値が著しく損われる場合が多い。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、加熱処理時等に重合体成形品の機械的性質
の低下の小さいオレフィン系重合体組成物の提供を目的
とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者は、前記目的達成のために鋭意検討の結果、
ビタミンEの類縁化合物として知られている、 一般式 (式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
基であり、R4は炭化水素基である)で示される6−チオ
ールクロマン誘導体および6−チオエーテルクロマン誘
導体に、オレフィン系不飽和化合物の重合体に対して優
れた熱安定化効果を発揮するものがあることを見出し、
さらに、一般式RCOOH(式中、Rは炭化水素基またはヒ
ドロキシ炭化水素基である)および一般式(RCOO)nM
(式中、Rは炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素、M
はアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、nは1〜2
である)で示される高級脂肪酸、高級脂肪酸のアルカリ
金属塩、および高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩から選
ばれる高級脂肪酸系化合物、あるいは一般式 MXAlY(OH)2Y+3Y-2Z(G)・aH2O (式中、MはMg、CaまたはZn、GはCO3またはHPO4
X、YおよびZは正数、aは0または正数である)で示
される複化合物を前記6−チオールクロマン誘導体およ
び/または6−チオエーテルクロマン誘導体と併用する
と、相乗的な熱安定化効果が示現されることを見出し、
また、この相乗効果は、オレフィン系不飽和化合物から
得られる重合体が、チーグラー型触媒を用いて重合され
たものであるために、不純物として塩素等のハロゲン化
合物を含有していたり、あるいは該重合体がポリ塩化ビ
ニル等の分子中にハロゲン原子を有するものである場合
等、該重合体成形加工時の熱により、ハロゲン化合物が
発生するものを用いる場合に、特に顕著であること、ま
た、さらに、分子量の大きい化合物であるテトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンや1,3,5
−トリチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼンを配合すると、著しい
相乗効果があり、リン酸類およびそのアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、および有機オキシ酸類のうちの1
種以上を配合すると、相乗効果ならびに色相の改良効果
があることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、オレフィン系不飽和化合物から得
られる重合体(A)に、 一般式 (式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
基であり、R4は炭化水素基である)で示される6−チオ
ールクロマン誘導体および/または6−チオエーテルク
ロマン誘導体(B)を配合してなることを特徴とする、
あるいは、さらに、一般式RCOOH(式中、Rは炭化水素
基まなはヒドロキシ炭化水素基である)および一般式
(RCOO)nM(式中、Rは炭化水素基またはヒドロキシ炭
化水素基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、
nは1〜2である)で示される高級脂肪酸、高級脂肪酸
のアルカリ金属塩、および高級脂肪酸のアルカリ土類金
属塩から選ばれる高級脂肪酸系化合物(C)、または一
般式 MXAlY(OH)2Y+3Y-2Z(G)・aH2O (式中、MはMg、CaまたはZn、GはCO3またはHPO4
X、YおよびZは正数、aは0または正数である)で示
される複化合物(D)を配合してなることを特徴とする
オレフィン系重合体組成物を提供するものである。
上記オレフィン系重合体組成物に、さらに、テトラキ
ス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(E)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
(F)、リン酸類およびそのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩(G)、およびオキシ酸類(H)から選ばれ
る1種以上の化合物を配合することが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるオレフィン系不飽和化合物とは、たと
えば次のような化合物をいう。また、これらの混合物で
もよい。
(1)1−オレフィン系類、たとえばエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、スチレンなど、 (2)1−オレフィンのハロゲン置換体、たとえば塩化
ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル、塩化ビニ
リデンなどのハロゲン化ビニル;カルボキシ置換体、た
とえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、それら
のアルキルエステル、たとえばアクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、クロトン酸第三ブ
チル;ニトリル置換体、たとえばアクリルニトリル、メ
タクリルニトリル;アシロキシ特にアセトキシ置換体で
ある酢酸ビニルなど、 (3)多不飽和オレフィン類、たとえばブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、イソアミレンなどの炭素原子
を通常7個以上含む共役ジオレフィン類;1,4−ペンタジ
エン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエンなどの炭
素原子を通常7個以上含む線状非共役ジエン;ジシクロ
ペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノル
ボルネンなどの環状非共役ジエンなど である。
本発明においてオレフィン系不飽和化合物から得られ
る重合体(A)とは、前記オレフィン系不飽和化合物の
単独重合体および/または共重合体であって、常態で液
状、ゼリー状、ワックス状、樹脂状、ゴム状あるいは結
晶性、低結晶性、非晶性のものをいう。
これらの重合体および共重合体の例を以下に述べる。
(1)エチレンおよび炭素原子を通常10個以上含むα−
オレフィンから選ばれる単量体の重合によって得られる
液状、ゼリー状、ワックス状、樹脂状またはゴム状の重
合体および共重合体、 たとえば、液状ポリエチレン、液状ポリプロピレン、
液状ポリイソブテン、 ゼリー状ポリエチレン、ゼリー状ポリプロピレン、ゼ
リー状ポリイソブテン、ゼリー状エチレン−プロピレン
共重合体、 ワックス状ポリエチレン、ワックス状ポリプロピレ
ン、ワックス状エチレン−プロピレンまたはエチレン−
1−ブテン共重合体、 ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブテ
ン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−4−メチル
−1−ペンテン、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−
ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン
共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、1−デセ
ン−4−メチル−1−ペンテン共重合体などの樹脂状お
よびゴム状重合体、 (2)共役または非共役ジエンから得られる樹脂状また
はゴム状重合体、 たとえばシス−1,4−ポリブタジエン、シス−1,4−ポ
リイソプレン、シス−1,4−ポリクロロプレンなどのゴ
ム状重合体、 ポリ−1,2−ブタジエン、トランス−1,4−ポリブタジ
エンなどの樹脂状重合体、 (3)エチレンまたは炭素原子を通常10個以下含むα−
オレフィン、特にエチレンとカルボン酸ビニル、特に酢
酸ビニルとの共重合により得られる樹脂状またはゴム状
共重合体、 たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体およびその部
分または完全加水分解物、 (4)エチレンおよび炭素原子を通常10個以上含むα−
オレフィンから選ばれる2種以上の単量体、たとえばエ
チレンおよびプロピレンと、炭素原子を通常5個以下含
む共役ジオレフィン、たとえばブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、イソアミレン、または炭素原子を通
常12個以下含む非共役ジオレフィン、たとえば1,4−ペ
ンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエンな
どの線状非共役α,ω−ジエン、ジシクロペンタジエ
ン、メチレンノルボンネル、エチリデンノルボンネルな
どの環状非共役ジエンから選ばれるジエンとのゴム状共
重合体、 (5)スチレンまたはその置換体、たとえばα−メチル
スチレンと、共役ジオレフィン、たとえばブタジエンと
から得られるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、 (6)アクリロニトリルと共役ジオレフィン、たとえば
ブタジエンとから得られるアクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴム、 (7)アクリロニトリル、スチレンまたはその置換体、
たとえばα−メチルスチレンと、共役ジオレフィン、た
とえばブタジエンとから得られるアクリロニトリル−ス
チレン−ブタジエン共重合体樹脂、 (8)ハロゲン化ビニル、たとえば塩化ビニル、弗化ビ
ニル;ハロゲン化ビニリデン、たとえば塩化ビニリデ
ン、弗化ビニリデン;アクリロニトリル;(メタ)アク
リル酸;(メタ)アクリル酸アルキル、たとえば(メ
タ)アクリル酸メチル;クロトン酸アルキル、たとえば
クロトン酸第三ブチル;カルボン酸ビニル、たとえば酢
酸ビニルなどの置換ビニル単量体の重合により得られる
樹脂状またはゴム状共重合体、 などであるが、中でも、エチレンおよび炭素原子を通常
10個以下含むα−オレフィンから選ばれる単量体の重合
または共重合により得られる液状、ゼリー状、ワックス
状、樹脂状およびゴム状合成重合体および合成共重合体
が好ましい。
ここで、エチレンからなる各種重合体について述べる
と、液状重合体とは、粘度平均分子量が通常250〜400、
結晶化度10%以下の重合体であり、ゼリー状重合体と
は、粘度平均分子量が通常300〜4000、結晶化度10〜60
%、稠度(JIS K−2524−1961)は通常250以下の重合
体であり、ワックス状重合体とは、粘度平均分子量が通
常400〜15000、結晶化度20〜95%、硬度(JIS K−253
0 針入度)は0〜50の重合体であり、樹脂状重合体と
は、粘度平均分子量が通常7000以上、結晶化度は通常30
〜97%、ヤング率は通常103〜105kg/cm2の重合体をい
い、一方、ゴム状重合体とは、未加硫状態のムーニー粘
度(ML1+4)が通常30〜100、X線回析法による結晶化度
が通常1〜5%、常温付近におけるヤング率は通常10〜
102kg/cm2程度のものをいう。また、熱可塑性弾性重合
体とは、熱可塑性樹脂とゴム状重合体との中間的性質の
もので、X線回析法による結晶化度が通常10〜20%、ヤ
ング率は通常102〜103kg/cm2の重合体である。尚、粘度
平均分子量とは、デカリン中135℃における溶液の極限
粘度[η]を、式MV=2.51×104[η]1.235に代入して
求めた値である。
一般式 (式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
基であり、R4は炭化水素基である)で示される6−チオ
ールクロマン誘導体および/または6−チオエーテルク
ロマン誘導体(B)は、ビタミンEの類縁化合物であ
り、抗酸化剤として作用することにより、オレフィン系
不飽和化合物から得られる重合体に対して優れた熱安定
化効果を示す。
本発明において好適に使用される6−チオールクロマ
ン誘導体としては、トコチオール類(α,β,γ,δの
各種トコチオール、5,7−ジメチルトコチオールおよび
それらの混合物から選ばれるトコチオール)を例示で
き、また、6−チオエーテルクロマン誘導体としては、
S−メチル−α−トコチオール、S−メチル−β−トコ
チオール、S−メチル−γ−トコチオール、S−メチル
−δ−トコチオール、S,5,7−トリメチルトコチオー
ル、S−エチル−α−トコチオール、S−エチル−γ−
トコチオールなどのトコチオール誘導体およびそれらの
混合物から選ばれるトコチオール誘導体を例示できる。
6−チオールクロマン誘導体および/または6−チオ
エーテルクロマン誘導体(B)は、オレフィン系不飽和
化合物から得られる重合体(A)100重量部に対し、通
常0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部を配合
する。
高級脂肪酸系化合物(C)とは、一般式RCOOH(式
中、Rは炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基であ
る)で示される化合物、および一般式(RCOO)nM(式
中、Rは炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基、Mは
アルカリ金属またはアルカリ土類金属、nは1〜2であ
る)で示される化合物である。
本発明において好適に用いられる高級脂肪酸系化合物
(C)としては、ステアリン酸等の炭素原子を4〜22個
含む飽和脂肪酸、オレイン酸等の炭素原子を4〜22個含
む不飽和脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭素
原子を4〜22個含むヒドロキシ脂肪酸、およびステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロ
キシステアリン酸カルシウム等の前記飽和脂肪酸、前記
不飽和脂肪酸、前記ヒドロキシ脂肪酸のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩を例示できる。
これらの中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシ
ステアリン酸カルシウムが特に好適である。
高級脂肪酸系化合物(C)は、オレフィン系不飽和化
合物から得られる重合体(A)100重量部に対し、通常
0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部配合す
る。
一般式MXAlY(OH)2Y+3Y-2Z(G)・aH2O (式中、MはMg、CaまたはZn、GはCO3またはHPO4
X、YおよびZは正数、aは0または正数である)で示
される複化合物(D)とは、アルミニウムの複化合物で
あり、具体的には、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg8Al2
(OH)20CO3・5H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg10Al
2(OH)22(CO3・4H2O、 Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3・4H2
O、Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、あるいはこれらの脱水物
などを挙げることができる。これらの複化合物の中で
は、MがMgであり、GがCO3である化合物がもっとも好
ましい。
複化合物(D)は、オレフィン系不飽和化合物から得
られる重合体(A)100重量部に対し、通常0.005〜5重
量部、好ましくは0.01〜0.5重量部配合する。
前記高級脂肪酸系化合物(C)および複化合物(D)
は、ハロゲン化合物の吸収剤として作用することによ
り、オレフィン系不飽和化合物から得られる重合体
(A)の熱安定化効果を示す。従って、オレフィン系不
飽和化合物から得られる重合体(A)が、チーグラー型
触媒を用いて重合されたものであるために、不純物とし
て塩素等のハロゲン化合物を含有していたり、あるいは
該重合体がポリ塩化ビニル等の分子中にハロゲン原子を
有するものである場合等、該重合体成形加工時の熱によ
り、ハロゲン化合物が発生するものを用いる場合に有用
な成分である。
本発明で用いるテトラキス〔メチレン−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン(E)および1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン(F)は、ポリオレフィンの安定
化剤の1種である。化合物(E)は、Irganox1010の商
標名で、チバ・ガイギー社から発売されている。
テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン(E)や1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
(F)の配合量は、ポリオレフィン(A)100重量部に
対し、通常は0.01〜1重量部であり0.03〜0.5重量部が
好ましい。
リン酸類およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩(G)には、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、ポリリン酸(例えばトリリン酸、テトラリン酸、ポ
リメタリン酸など)、リン酸一カリウム、リン酸一ナト
リウム、リン酸二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムな
どがある。また、有機オキシ酸類(H)には、グリコー
ル酸等のモノオキシ飽和カルボン酸、リンゴ酸等のモノ
オキシ飽和ジカルボン酸、クエン酸等のモノオキシトリ
カルボン酸、酒石酸等のジオキシジカルボン酸などがあ
る。好ましくはリン酸類、より好ましくはオルトリン酸
がよい。
これらのリン酸類およびそのアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩(G)や有機オキシ酸類(H)は、抗酸化
剤の相乗剤として作用する。
また、これらのリン酸類およびそのアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩(G)や有機オキシ酸類(H)の配
合量は、ポリオレフィン(A)100重量部に対し、通常
は0.005〜0.2重量部であり、0.01〜0.1重量部が好まし
い。
以上、本発明のオレフィン系重合体組成物に配合され
る化合物について説明したが、本発明のオレフィン系重
合体組成物には、この他、本発明の趣旨を損わない範囲
で、天然ゴム、合成ゴム、前記(B)〜(H)以外の安
定化剤、着色剤、滑剤、充填剤等を添加してもよい。
特に、前記(B)〜(H)以外の安定化剤であって、
紫外線吸収剤、抗酸化剤等として作用する化合物を併用
すると、オレフィン系不飽和化合物から得られる重合体
の安定化効果が相乗的に認められる場合がある。そのよ
うな安定化剤として、トリスノニルフェニルホスファイ
ト等のホスファイト系化合物等が例示される。
また、オレフィン系不飽和化合物から得られる重合体
(A)として、チーグラー型触媒で重合して得たポリオ
レフィンであって、脱灰処理を施していないものを用い
る場合は、エーテル結合、エステル結合あるいはアミノ
結合を有するアルコールあるいは多価アルコールを併用
すると、さらに安定化効果が顕著となる。
このような化合物としては、例えば、グリセリン、ソ
ルビタンペンタエリスリトールなどの多価アルコール、
これら多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸の部分エ
ステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、クエン酸のモノあるいはジステアリルエステ
ル、プロピレングリコール、ショ糖、ポリグリセリン、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレンソ
ルビタンなどの多価アルコールの炭素数8〜22の脂肪酸
の部分エステル、ポリエチレングリコールと炭素数12〜
22の脂肪酸アルコールあるいは炭素数4〜22のアルキル
基を有するフェノールとのモノエーテル、炭素数8〜22
の脂肪酸アミンまたは脂肪族アミドのN,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)置換体などを例示することができ
る。
これらは、オレフィン系不飽和化合物から得られる重
合体(A)100重量部に対し、通常は0.01〜5重量部、
好ましくは0.05〜1重量部配合する。
本発明のオレフィン系重合体組成物は、その用途は特
に限定されないが、耐熱性と安全性に優れるので、例え
ばオレフィン系不飽和化合物から得られる重合体がポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体等のポリオレフィンの場合、フィルム状に成形さ
れ、レトルトパウチ等の食品包装用フィルムとして好適
に使用される。
本発明の組成物からのフィルムの製造方法は、特に限
定されないが、組成物を公知の方法で混合し、200〜300
℃でフィルム状に成形し、それを任意の大きさに切断す
ればよい。
フィルム厚は任意でよいが、単独で用いる場合は30〜
100μm程度、また、他のフィルムと積層する場合は40
〜150μm程度、好ましくは50〜150μm程度とする。
このように製造されたフィルムは、単独で、あるいは
ポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂製フィルム
やアルミニウム箔等の金属箔と積層して用いられる。さ
らには、ヒートシールや接着剤による接着等の方法によ
り、レトルトパウチ等に成形されて用いられる。
また、このように製造されたフィルムの加熱殺菌処理
は、そのままで、あるいは食品包装後に、100〜150℃
(通常の加熱殺菌処理)、あるいは120〜150℃(HTST加
熱)で行われる。
<実施例> 以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〜15、比較例1〜4〕 塩化マグネシウムに担持されたチタン化合物を一成分
とする高活性触媒を用いて、脱灰処理を施すことなく得
られたポリプロピレン100重量部に対し、表1に示す化
合物を表1に示す重量配合し、押出機を用いて240℃で
ペレット化した。
それらのペレットのメルトインデックス(MI)を、AS
TMD−1238−65Tに準じて測定した結果を表1に示した。
ここで、MIが小さいほど、成形時の熱安定化効果が大き
いことを示す。
〔実施例16〜23、比較例5〜7〕 塩化マグネシウムに担持されたチタン化合物を一成分
とする高活性触媒を用いて、脱灰処理を施すことなく得
られた直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対し、表
2に示す化合物を表2に示す重量配合し、押出機を用い
て280℃でペレット化した。
それらのペレットの極限粘度[η]を測定した。な
お、[η]は、135℃におけるデカリン溶液の比粘度を
測定することによって求めた。結果は表2に示した。こ
こで、[η]が大きい程、熱安定効果が大きいことを示
す。
<発明の効果> 本発明により、加熱処理時等に重合体が変質せず、従
ってその成形品の機械的性質の低下の小さいオレフィン
系重合体組成物が提供される。
本発明の組成物の成形品は、その機械的性質が強く、
また、熱安定性に優れるために、加熱処理により、機械
的性質が低下しないので、包装袋として用いた場合、破
袋等のトラブルが生じにくい。
本発明の組成物は安定性が高いので、本発明の組成物
を成形して、食品包装、食品容器、医療器具および玩具
等の用途に用いることができる。中でも、レトルトパウ
チ用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5:098 3:22 3:32 5:04)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系不飽和化合物から得られる重
    合体(A)に、 一般式 (式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
    基であり、R4は炭化水素基である)で示される6−チオ
    ールクロマン誘導体および/または6−チオエーテルク
    ロマン誘導体(B)を配合してなることを特徴とするオ
    レフィン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のオレフィン系重合体組成
    物に、さらに、一般式RCOOH(式中、Rは炭化水素基ま
    たはヒドロキシ炭化水素基である)および一般式(RCO
    O)nM(式中、Rは炭化水素基またはヒドロキシ炭化水
    素基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、nは
    1〜2である)で示される高級脂肪酸、高級脂肪酸のア
    ルカリ金属塩、および高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩
    から選ばれる高級脂肪酸系化合物(C)を配合してなる
    ことを特徴とするオレフィン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のオレフィン系重合体組成
    物に、さらに、一般式 MXAlY(OH)2Y+3Y-2Z(G)・aH2O (式中、MはMg、CaまたはZn、GはCO3またはHPO4
    X、YおよびZは正数、aは0または正数である)で示
    される複化合物(D)を配合してなることを特徴とする
    オレフィン系重合体組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィ
    ン系重合体組成物に、さらに、テトラキス[メチレン−
    3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフ
    ェニル)プロピオネート]メタン(E)、1,3,5−トリ
    メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
    ドロキシベンジル)ベンゼン(F)、リン酸類およびそ
    のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩(G)、および
    有機オキシ酸類(H)から選ばれる1種以上の化合物を
    配合してなることを特徴とするオレフィン系重合体組成
    物。
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