JP2710788B2 - 架橋ポリプロピレンの製造方法 - Google Patents

架橋ポリプロピレンの製造方法

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JP2710788B2 JP63140485A JP14048588A JP2710788B2 JP 2710788 B2 JP2710788 B2 JP 2710788B2 JP 63140485 A JP63140485 A JP 63140485A JP 14048588 A JP14048588 A JP 14048588A JP 2710788 B2 JP2710788 B2 JP 2710788B2
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浅沼  正
淳子 大仲
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は架橋ポリプロピレンの製造方法に関する。詳
しくは、特定のプロピレンの共重合体を特定の方法で処
理することを特徴とする架橋ポリプロピレンの製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
ポリプロピレンの物性を改良する目的で架橋反応が行
われている。しかしながら、ポリプロピレンは元来、架
橋反応に比較して主鎖の解重合が優先する為、単純にラ
ジカルを発生させるだけでは架橋反応が起こらず、むし
ろ分解が進行し分子量が低下する丈である。この為、通
常はアルコキシビニルシラン等の加水分解によって架橋
反応が生ずる単量体をポリプロピレンにグラフトし、つ
いで架橋することが行われている(例えば、特開昭58−
117244)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ポリオレフィンにアルコキシビニルシランをグラフト
した重合体はポリプロピレンの架橋による物性改良に一
定の効果を有するが、グラフト重合体を合成する工程が
複雑であり、また反応の本質的な問題から主鎖の切断に
よる物性の低下は避けがたく、また主鎖に種々のコモノ
マーを導入することも困難である。これに対しては、主
鎖にビニルシランを導入し、ついで水で架橋することが
知られているが(例えば米国特許第3,223,686号)、水
による架橋反応は比較的進行しにくく、とくに主鎖に結
晶性のポリプロピレンを用いると架橋しにくいという問
題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決して架橋ポリプロピレン
を製造する方法について鋭意探索し、本発明を完成し
た。
即ち、本発明は少なくとも1つのSi−H結合を有する
アルケニルシランとプロピレンを立体規則性触媒を用い
て重合して得た結晶性プロピレン共重合体、または該結
晶性プロピレン共重合体とアルケニルシランを含有しな
い結晶性ポリプロピレンとの混合物を酸素の存在下に加
熱処理することを特徴とする架橋ポリプロピレンの製造
方法である。
本発明において少なくとも1つのSi−H結合を有する
アルケニルシランとプロピレンを立体規則性触媒を用い
て重合して得た結晶性プロピレン共重合体の製造方法と
しては、例えば米国特許第3,223,686号に開示されてお
り、その方法がそのまま使用できる。少なくとも1つの
Si−H結合を有するアルケニルシランとしては、例え
ば、ビニルシラン、アリルシラン、ブテニルシラン、ペ
ンテニルシラン、これらのモノマーのSi−H結合の1〜
2個がアルキル基で置換された物などが挙げられる。立
体規則性触媒としてはその後、多くの性能の改良された
触媒が開示されており、それらは支障なく使用すること
ができる。
また重合法としても不活性溶媒を使用する溶媒法の他
に塊状重合法、気相重合法も採用できる。
ここで立体規則性触媒としては遷移金属触媒と有機金
属化合物からなる触媒系が好ましく例示でき、遷移金属
触媒としてはハロゲン化チタンが好ましく用いられる。
例えば、四塩化チタンを金属アルミニウム、水素或いは
有機アルミニウムで還元して得た三塩化チタン又はそれ
らを電子供与性化合物で変性処理したものと有機アルミ
ニウム化合物さらに必要に応じ含酸素有機化合物などの
立体規則性向上剤からなる触媒系、ハロゲン化マグネシ
ウム等の担体或いはそれらを電子供与性化合物で処理し
たものにハロゲン化チタンを担持して得た遷移金属触媒
または塩化マグネシウムとアルコールの反応物を炭化水
素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなどの沈澱剤で
処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、必要に応じエ
ステル、エーテルなどの電子供与性の化合物で処理しつ
いで四塩化チタンで処理する方法などによって得られる
遷移金属触媒と有機アルミニウム化合物、必要に応じ含
酸素有機化合物などの立体規則性向上剤からなる触媒系
が例示される(例えば、以下の文献に種々の例が記載さ
れている。Ziegler−Natta Catalysts and Polymerizat
ion by John Boor Jr.(Academic Press),Journal of
Macromorecular Sience−Reviews in Macromolecular C
hemistry and Physics,C24(3),355−385(1984)、
同 C25(1),578−597(1985))。
ここで立体規則性向上剤或いは電子供与性化合物とし
ては通常エーテル、エステル、オルソエステル、アルコ
キシ硅素化合物などの含酸素化合物が好ましく例示で
き、電子供与性化合物としてはさらにアルコール、アル
デヒド、水なども使用可能である。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアル
ミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドが使用でき、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示
され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素などが例示さ
れる。
ここでアルケニルシランとプロピレンの重合割合とし
ては、得られる重合体が結晶性を保っているかぎり特に
制限は無いが、通常アルケニルシランが30モル%以下と
するのが重合時の触媒活性、或いは、以下に示すアルケ
ニルシランを含有しない結晶性ポリプロピレンとの溶融
混合のため好ましい。また結晶性を保っている限り他の
オレフィン、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン
−1などをランダムにあるいは、ブロック的に重合して
も良く、通常ランダムに重合するときはオレフィンとし
ては10wt%以下、ブロック的に重合する時は30wt%以下
とするのが一般的である。重合体の分子量としては特に
制限はないが、極めて高い分子量、例えば135℃テトラ
リン溶液で測定した極限粘度として10以上にならないよ
うにすべきである。
本発明においては上記共重合体は次いで架橋反応され
る。この際、アルケニルシランを含有しないポリプロピ
レンを混合して用いてもよい。架橋反応は通常所望の形
状に成形した後行われるが比較的架橋度の低い場合には
架橋反応の後に成形することもできる。
架橋反応は、酸素の存在下に加熱することで行われ、
好ましくは、制御されないポリプロピレンの分解反応が
生じないように、フェノール類等の酸化防止剤の存在下
に行われる。加熱温度として、架橋反応の為には、比較
的高温、例えば、100℃〜250℃で酸素と接触することで
行われるが、後述の活性水素化合物を共存させる時に
は、100℃以下の低温で充分架橋反応は進行する。酸素
は純粋のものである必要はなく、空気で充分でありしか
も、常圧で充分であり特に加圧する必要はない。
ここで、活性水素化合物としては、水、アルコール
類、アミン巻などが例示でき、好ましくは、水、アルコ
ール類などの含OH化合物が利用できる。アルコールとし
ては一価あるいは多価のアルコールが利用でき、通常炭
素数が1〜20の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素の1〜
10個の水素がOH基に置換したもの或いはその誘導体が利
用される。一例を挙げればメタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルなど種々のアルコールが使用できる。この際、アルカ
リ金属あるいは、アルカリ土類金属を共存させることも
できる。ここでアルカリ金属、アルカリ土類金属として
は、リチュウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウ
ム、セシウム、ベリリュウム、マグネシウム、カルシュ
ウム、ストロンチウム、バリウムが例示できる。
本発明において上記アルケニルシランとプロピレンを
立体規則性触媒を用いて得た結晶性プロピレン共重合体
は必要に応じさらにアルケニルシランを含有しない結晶
性ポリプロピレンで混合して用いられ、上記アルケニル
シランとプロピレンを立体規則性触媒を用いて得た結晶
性プロピレン共重合体と混合されるアルケニルシランを
含有しない結晶性ポリプロピレンとしては特に制限は無
く、必要に応じ種々の分子量の重合体、あるいはエチレ
ン等の他のオレフィンとのランダム或いはブロック共重
合体が利用できる。該結晶性のポリプロピレンを得るに
は重合に際して上記触媒及び重合法を利用すれば良い。
本発明において、アルケニルシランを含有する結晶性
ポリプロピレンとアルケニルシランを含有しない結晶性
ポリプロピレンの混合割合としては、アルケニルシラン
を含有する結晶性ポリプロピレン中のアルケニルシラン
の量により異なるが、混合後アルケニルシラン単位が全
組成物中10wt%〜0.01wt%程度存在するようにするのが
一般的であり架橋に先立つ混合は酸素が実質的に存在し
ない条件で行うのが好ましい。
〔実施例〕
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実験例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4lの粉砕用ポット
を4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに窒素雰
囲気下で塩化マグネシウム300g、テトラエトキシシラン
60mlおよびα,α,α−トリクロロトルエン45mlを入
れ、40時間粉砕した。こうして得た共粉砕物300gを5lの
フラスコに入れ、四塩化チタン1.5lおよびトルエン1.5l
を加え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除
いた。再び四塩化チタン1.5lおよびトルエン1.5lを加
え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除い
た。その後固形分をn−ヘキサンで繰り返し洗浄して遷
移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプリングしてチ
タン分を分析したところチタン分は1.9wt%であった。
内容積200mlの耐圧ガラスオートクレーブに窒素雰囲
気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒50mg、ジエチルア
ルミニウムクロライド0.128ml、p−トルイル酸メチル
0.06mlおよびトリエチルアルミニウム0.20mlを入れ、つ
いでビニルシラン4.0gを圧入した後、プロピレンを5kg/
cm2になるまで装入し、70℃で圧力一定で2時間重合し
た。その後スラリーを取り出し、濾過乾燥して43gのパ
ウダーを得た。135℃のテトラリン溶液で測定した極限
粘度(以下ηと略記する)、示差熱分析装置を用い10℃
/minで昇温或いは降温することで融点及び結晶化温度を
最大ピーク温度として測定した所、得られたパウダー
は、ηが1.61であり、融点156℃、結晶化温度118℃であ
る結晶性のポリプロピレンであった。尚元素分析によれ
ばビニルシラン単位を1.8wt%含有していた。
得られた共重合体に、フェノール系の安定剤10/10000
重量比(対ポリプロピレン共重合体)およびステアリン
酸カルシウム15/10000重量比を加え実質的に酸素の不存
在下にプレスして厚さ0.2mm、直径3cmのシートとした。
実験例2 実験例1と同様にして、プロピレンを重合し、η=1.
65、ソックスレー抽出器で抽出した時の抽出残率(以下
IIと略記する。抽出後パウダー重量/抽出前パウダー重
量を100分率で表示する)が97.1%であるプロピレンの
単独重合体を得た。得られたポリプロピレンパウダーと
実験例1で得た重合体を1:1で混合し同様に、フェノー
ル系の安定剤およびステアリン酸カルシウムを加えてシ
ートを得た。
実験例3 ビニルシランに代えアリルシランを用いて得た共重合
体(アリルシラン含量1.3wt%)を用いて同様にシート
を得た。
実施例及び比較例 ナトリウムエトキシドを1M含む、表に示す溶剤に上記
シートを浸漬し沸点〜100℃(溶剤の沸点が100℃以下の
時は沸点でそれ以外は100℃)で1時間表に示すガスを
導入し1気圧のガス雰囲気で加熱処理した後、シートを
#100メッシュの金網の容器に入れ沸騰テトラリンで24
時間抽出し抽出残分を算出しこれを架橋度として評価し
た。但し実施例1〜2及び比較例1は実験例1のシート
を、実施例3は実験例2のシートを、実験例4、比較例
2は実験例3のシートを用た、実施例5はシートに成形
する際に湿度70%の空気中で、220℃、40kg/cm2で2回
プレスして行った他は実験例1と同様にして得たシート
について架橋度を測定した。
〔発明の効果〕
本発明の架橋方法は極めて簡便に架橋反応を進行させ
ることが可能であり、工業的に極めて意義がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つのSi−H結合を有するアル
    ケニルシランとプロピレンを立体規則性触媒を用いて重
    合して得た結晶性プロピレン共重合体、または該結晶性
    プロピレン共重合体とアルケニルシランを含有しない結
    晶性ポリプロピレンとの混合物を酸素の存在下に加熱処
    理することを特徴とする架橋ポリプロピレンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】加熱処理を活性水素含有化合物の存在下に
    行う特許請求の範囲第1項記載の方法。
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